説明

ハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法と、そのハウスの散水機、又は散布機用の装置

【課題】 吊りローラ装置は、モノレールが走行する際に、先達の吊りローラを、複数個の吊りローラを、順次、切離しながら走行し、散水、又は防除する構造である。従って、ケーブル等が、他の複数個の吊りローラを牽引し、負担がかかること、破損の要因となること等、ホース等の捩れや、絡みつきとなり、走行に障害となり、故障の原因となること等の問題点を抱えている。
【構成】 複数個の各吊りローラは、隣接する各吊りローラと連繋手段及び/又は切離手段を備え、各吊りローラは、モノレールに設けた先達の吊りローラを走行し、連結する最終の吊りローラより、順番に切離し、レールに沿って走行し、各吊りローラに設けたホース及び/又はケーブルを伸張し、モノレールに設けた散布機・散水機により散水・防除し、モノレールが、ハウスのレールを移動可能としたハウスの散水、防除装置におけるホース・ケーブルの牽引方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法と、そのハウスの散水機、又は散布機用の装置の吊りローラの構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法と、その吊りローラ装置は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、レールに沿って走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールと、モノレールに一方を、また、ハウスのタンク、又は電源に他方を、それぞれ接続したホース及び/又はケーブルと、ホース及び/又はケーブルを吊下するレールに設けた複数個の鍵型の吊りローラで構成する。従って、モノレールが走行する際に、その先達の吊りローラを、常時、先頭にして、複数個の吊りローラを、順次、切離しながら走行するとともに、散水、又は防除する構造である。従って、ホース・ケーブル(ケーブル等とする)が、他の複数個の吊りローラを牽引することになり、負担がかかること、破損の要因となること等の改良点がある。そして、また、このホース等の捩れや、絡みつきの要因となり、走行に障害となること、又は故障の原因となること等の問題点を抱えている。また、吊りローラは、単なる鍵型であるので、前述の問題点を助長することが考えられる。
【0003】
以上のような改良点と問題点を解決するための先行文献を、以下に列挙します。
【0004】
文献(1)は、特開平7−327520号の「温室用液剤散布装置」である。この発明は、圃場の畝に並行に架設された複数条のガイドレールと、各ガイドレールに沿って移動する各台車から、それぞれ垂下された複数の液散布具と、台車に一点が固定されてそれぞれのガイドレールの両端部に配置したプーリに掛け渡されたワイヤと、ガイドレールと直交する方向に配置されてガイドレールの一方のプーリに回転を伝達するシャフトと、シャフトを回転させる駆動モータを備えた温室用液剤散布装置であり、そして、この液散布具は高さの調節機構があり、また、駆動モータは、回転数可変機構を有し、さらに、駆動モータからのトルクの伝達機構にクラッチを付設すること特徴とし、温室、ハウスの液剤散布装置の散布器を単一の駆動源により移動可能とすること、また、作物の生育状態に応じて高さの可変ができ、さらに散布器の移動速度が自在に制御すること等を意図する。
【0005】
文献(2)は、特開平9−84471号の「ビニールハウス用散水装置」である。この発明は、ハウスのガイドレールに沿って散水パイプを移動し、農作物に対し散水を行う散水装置であり、適宜間隔を隔てて複数の開閉自在の放水口を備えた給水パイプを、散水パイプの移動方向に延在するよう配設し、この給水パイプの下方位置に、散水パイプに追従して移動する貯水槽を設け、この給水パイプからの供給水を貯水槽に暫時貯留した後、貯水槽から散水パイプに給水を行う構造であり、ハウスの農作物に均一に散水を行うこと、ハウスの端(ホース引込側端部)まで散水パイプを移動可能とすることで、ハウス端部に散水不能な領域を無くし、ハウス全域に散水を行うことを意図する。
【0006】
文献(3)は、特開2005−102の「土壌消毒用熱水散布保温装置とその使用方法」である。この発明は、ハウスのハウスキールパイプにレールハンガーを介して、吊下されるレールと、レールに摺動自在に吊下げられた噴管吊り台と、ホース受け滑車と、熱水供給ホースと、処理を所望する地表面を覆うシートと、このシートを支持するシート保持台部と、シート固定部から構成されており、ハウスの空間に布設したレール上にある噴管吊り台が遠隔操作により自由な速度で移動散水し、散水量も噴霧ノズルにより調整できること、及びスピード、水量、散水幅が調整でき均一な散布ができ、かつ危険性がないこと、さらには、省力化が可能であまた、散水と並行して保温用のシートも被覆し、土壌を高温域に保持可能とすること等を意図する。
【0007】
【特許文献1】特開平7−327520号
【特許文献2】特開平9−84471号
【特許文献3】特開2005−102
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
文献(1)〜文献(3)は、ハウスの梁方向の略全幅を、一気に散水、又は防除する構造であり、大掛りであること、装置の大型化・複雑化を招来すること等の改良点がある。そして、この文献(1)は、ホース等の移動方法が、従来の構造と、略同じであり、前述した、ホース等への負担と、破損の要因が残っていること、ホース等の捩れや、絡みつきの要因も、解消されておらず、更なる工夫が要求される処である。
【0009】
また、文献(2)では、ホース等に対する負担と、破損の要因が残っていること、ホース等の捩れや、絡みつきの要因も、解消されておらず、更なる工夫が要求されること等の改良点があって、その改良が急務と考えられる。
【0010】
尚、文献(3)は、ハウスの梁方向の略全幅にもうけたシートを、展開、かつ巻戻す構造であり、有益であるが、単に垂下する構造であり、期待通りの展開と、巻戻しが確保される保証はないと考えられ、その改良が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1・2の発明は、下記の特徴を有する。
「1」ホース等を、モノレールに付設した先達の吊りローラを基にして移動する牽引方法とすることで、この先達の吊りローラを介して、他の複数個の吊りローラを牽引することになり、負担が軽減できること、破損の要因がなくなること等の特徴がある。
「2」「1」の特徴があり、もって、ホース等の捩れや、絡みつきの要因がなくなること、そして、また、走行に障害とならないこと、又は故障の原因がなくなること等の実益がある。
「3」「1」の特徴があり、もって、スムースなモノレールと各吊りローラの走行と、モノレールの故障の原因がなくなること等の効果がある。
「4」「1」〜「3」の特徴があり、もって、静かな走行が期待できる。
【0012】
請求項1は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向のレールで走行可能な駆動機構付きモノレールと、このモノレールで牽引されるホース及び/又はケーブルと、このホース及び/又はケーブルを吊下する前記レールに設けた複数個の各吊りローラで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
前記各吊りローラと隣接する吊りローラの間に設けた切離手段は、この各吊りローラを、先達の吊りローラに連繋して前進走行において、最終の各吊りローラより、順番に切離し、前記ホース及び/又はケーブルを伸張し、
また、前記各吊りローラと隣接する吊りローラの間に設けた連繋手段は、前記切離された各吊りローラを、先達の吊りローラの後退走行において、切離された各吊りローラを、順番に連繋し、前記ホース及び/又はケーブルを収縮する構成としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法である。
【0013】
請求項2は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、このレールに沿って走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールと、このモノレールに一方を、このハウスに設置したタンク、又は電源に他方を、それぞれ接続したホース及び/又はケーブルと、このホース及び/又はケーブルを吊下する前記レールに設けた複数個の各吊りローラで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
この複数個の各吊りローラは、隣接する各吊りローラと連繋手段及び/又は切離手段を備えており、この各吊りローラは、前記モノレールに設けた先達の吊りローラを介して、連結しながら走行し、この連結する最終の吊りローラより、順番に切離しながら、前記レールに沿って走行するとともに、前記各吊りローラに設けたホース及び/又はケーブルを伸張し、このモノレールに設けた散布機より散水、又は防除していき、このモノレールが、前記ハウスのレールの始端から、レールの終端に移動可能とする構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法である。
【0014】
請求項3の発明は、下記の特徴を有する。
「5」 「1」〜「4」の特徴を達成できるモノレールと、吊りローラの構造を提供できる特徴がある。
【0015】
請求項3は、請求項1、又は請求項2に記載のハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
前記モノレールがレールの終端から、始端に向かって走行する際に、複数個の各吊りローラは切離した状態であって、この切離した先達の吊りローラは、隣接する各吊りローラを連結するとともに、この連結した吊りローラは、隣接する各吊りローラを、順次、連結する構造とし、最終側(後側)に、連結した各吊りローラが、最終の吊りローラを、連結した状態で、全ての各吊りローラを牽引し、前記始端に戻る構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法である。
【0016】
請求項4の発明は、下記の特徴を有する。
「6」ホース等を、ハウスに設けたレールを走行できるモノレールに付設した先達の吊りローラを基にして移動する牽引方法とすることで、この先達の吊りローラを介して、他の複数個の吊りローラを牽引することになり、負担が軽減できること、破損の要因がなくなること等の特徴がある。
「7」吊りローラの確実な連結及び切離を介して、ホース等の捩れや、絡みつきの要因がなくなること、そして、また、走行に障害とならないこと、又は故障の原因がなくなること等の実益がある。
「8」モノレールと各吊りローラの走行を、レールを介して、スムースに行えることから、モノレールの故障の原因がなくなること等の効果がある。
「9」「6」〜「8」の特徴があり、もって、静かな走行が期待できる。
【0017】
請求項4は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、このレールに沿って走行する散布機と、この散布機に一方を、このハウスに設置したタンク、又は供給口に他方を、それぞれ接続したホースと、このホースを吊下する複数個の各吊りローラと、この各吊りローラを支持し、かつ前記レールに走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
この吊りローラは、前記レールを滑走する滑車を備えたケーシングと、このケーシングの一方側に設けた係止体と、その他方側に設けた係止突起で構成し、この係止体と、係止突起の係合、又は離脱を介して、複数の吊りローラを連繋、又は切離可能とする構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置である。
【0018】
請求項5の発明は、下記の特徴を有する。
「10」 前述した「6」〜「9」の特徴を達成できるモノレールと、吊りローラの構造を提供できる特徴がある。
【0019】
請求項5は、請求項4に記載のハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
前記係止体と前記係止突起を、ケーシングの両側面に対で設ける構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置である。
【0020】
請求項6の発明は、下記の特徴を有する。
「6」ホース等を、ハウスに設けたレールを走行できるモノレールに付設した先達の吊りローラを基にして移動する牽引方法とすることで、この先達の吊りローラを介して、他の複数個の吊りローラを牽引することになり、負担が軽減できること、破損の要因がなくなること等の特徴がある。
「7」吊りローラの確実な連結及び切離を介して、ホース等の捩れや、絡みつきの要因がなくなること、そして、また、走行に障害とならないこと、又は故障の原因がなくなること等の実益がある。
「8」モノレールと各吊りローラの走行を、レールを介して、スムースに行えることから、モノレールの故障の原因がなくなること等の効果がある。
「9」「6」〜「8」の特徴があり、もって、静かな走行が期待できる。
【0021】
請求項6は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、このレールに沿って走行する散布機と、この散布機に一方を、また、このハウスに設置したタンク、又は供給口に他方を、それぞれ接続したホースと、このホースを吊下する複数個の各吊りローラと、この各吊りローラを支持し、かつ前記レールに走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
この吊りローラは、方形枠体のケーシングの両側面の上部に差渡し設けた滑車と、このケーシングの下面に設けたフックと、当該ケーシングの上面の一方側に垂設した突起と、また、このケーシングの上面の他方側に設けた孔を備えた係止板とで構成し、この突起と孔が、この吊りローラの走行方法において、略同じ線上に設けた構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置である。
【0022】
請求項7の発明は、下記の特徴を有する。
「10」 前述した「6」〜「9」の特徴を達成できるモノレールと、吊りローラの構造を提供できる特徴がある。
【0023】
請求項7は、請求項3に記載のハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
前記吊りローラを、方形枠体の一部を開放したケーシングと、このケーシングの両側面の上部に差渡し設けた滑車と、このケーシングの下面に設けたフックと、当該ケーシングの上面に垂設した突起と、また、このケーシングの上面より延設した自由端側が上方に曲折した係止板と、この係止板の平坦部の端部に開設した孔で構成し、この突起と孔が、この吊りローラの走行方法において、略同じ線上に設けた構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置である。
【発明の効果】
【0024】
請求項1の発明は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向のレールで走行可能な駆動機構付きモノレールと、このモノレールで牽引されるホース及び/又はケーブルと、このホース及び/又はケーブルを吊下する前記レールに設けた複数個の各吊りローラで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
前記各吊りローラと隣接する吊りローラの間に設けた切離手段は、この各吊りローラを、先達の吊りローラに連繋して前進走行において、最終の各吊りローラより、順番に切離し、前記ホース及び/又はケーブルを伸張し、
また、前記各吊りローラと隣接する吊りローラの間に設けた連繋手段は、前記切離された各吊りローラを、先達の吊りローラの後退走行において、切離された各吊りローラを、順番に連繋し、前記ホース及び/又はケーブルを収縮する構成としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法である。
【0025】
請求項2の発明は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、レールに沿って走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールと、モノレールに一方を、ハウスに設置したタンク、又は電源に他方を、それぞれ接続したホース及び/又はケーブルと、ホース及び/又はケーブルを吊下するレールに設けた複数個の各吊りローラで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
複数個の各吊りローラは、隣接する各吊りローラと連繋手段及び/又は切離手段を備えており、各吊りローラは、モノレールに設けた先達の吊りローラを介して、連結しながら走行し、連結する最終の吊りローラより、順番に切離しながら、レールに沿って走行するとともに、各吊りローラに設けたホース及び/又はケーブルを伸張し、モノレールに設けた散布機より散水、又は防除していき、モノレールが、ハウスのレールの始端から、レールの終端に移動可能とする構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法である。
【0026】
従って、請求項1・2は、下記の効果を有する。
【0027】
「1」 ホース等を、モノレールに付設した先達の吊りローラを基にして移動する牽引方法とすることで、この先達の吊りローラを介して、他の複数個の吊りローラを牽引することになり、負担が軽減できること、破損の要因がなくなること等の特徴がある。
【0028】
「2」 また、「1」の特徴があり、もって、ホース等の捩れや、絡みつきの要因がなくなること、そして、また、走行に障害とならないこと、又は故障の原因がなくなること等の実益がある。
【0029】
「3」 さらに、「1」の特徴があり、もって、スムースなモノレールと各吊りローラの走行と、モノレールの故障の原因がなくなること等の効果がある。「4」 また、「1」〜「3」の特徴があり、もって、静かな走行が期待できる。
【0030】
請求項3の発明は、請求項1、又は請求項2に記載のハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
モノレールがレールの終端から、始端に向かって走行する際に、複数個の各吊りローラは切離した状態であって、切離した先達の吊りローラは、隣接する各吊りローラを連結するとともに、連結した吊りローラは、隣接する各吊りローラを、順次、連結する構造とし、最終側(後側)に、連結した各吊りローラが、最終の吊りローラを、連結した状態で、全ての各吊りローラを牽引し、始端に戻る構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法である。
【0031】
従って、請求項3は、下記の効果を有する。
【0032】
「5」 前述した「1」〜「4」の特徴を達成できるモノレールと、吊りローラの構造を提供できる特徴がある。
【0033】
請求項4の発明は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、このレールに沿って走行する散布機と、この散布機に一方を、このハウスに設置したタンク、又は供給口に他方を、それぞれ接続したホースと、このホースを吊下する複数個の各吊りローラと、この各吊りローラを支持し、かつ前記レールに走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
この吊りローラは、前記レールを滑走する滑車を備えたケーシングと、このケーシングの一方側に設けた係止体と、その他方側に設けた係止突起で構成し、この係止体と、係止突起の係合、又は離脱を介して、複数の吊りローラを連繋、又は切離可能とする構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置である。
【0034】
従って、請求項4は、下記の効果を有する。
「6」 ホース等を、ハウスに設けたレールを走行できるモノレールに付設した先達の吊りローラを基にして移動する牽引方法とすることで、この先達の吊りローラを介して、他の複数数個の吊りローラを牽引することになり、負担が軽減できること、破損の要因がなくなること等の特徴がある。
「7」 また、吊りローラの確実な連結及び切離を介して、ホース等の捩れや、絡みつきの要因がなくなること、そして、また、走行に障害とならないこと、又は故障の原因がなくなること等の実益がある。
「8」 モノレールと各吊りローラの走行を、レールを介して、スムースに行えることから、モノレールの故障の原因がなくなること等の効果がある。
「9」 また、「6」〜「8」の特徴があり、もって、静かな走行が期待できる。
【0035】
請求項5の発明は、請求項4に記載のハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
前記係止体と前記係止突起を、ケーシングの両側面に対で設ける構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置である。
【0036】
従って、請求項5は、下記の特徴を有する。
「10」 前述した「6」〜「9」の特徴を達成できるモノレールと、吊りローラの構造を提供できる特徴がある。
【0037】
請求項6の発明は、ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、このレールに沿って走行する散布機と、この散布機に一方を、また、ハウスに設置したタンク、又は供給口に他方を、それぞれ接続したホースと、ホースを吊下する複数個の各吊りローラと、各吊りローラを支持し、かつレールに走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
吊りローラは、方形枠体のケーシングの両側面の上部に差渡し設けた滑車と、ケーシングの下面に設けたフックと、当該ケーシングの上面の一方側に垂設した突起と、また、ケーシングの上面の他方側に設けた孔を備えた係止板とで構成し、突起と孔が、吊りローラの走行方法において、略同じ線上に設けた構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置である。
【0038】
従って、請求項6は、下記の効果を有する。
「6」 ホース等を、ハウスに設けたレールを走行できるモノレールに付設した先達の吊りローラを基にして移動する牽引方法とすることで、この先達の吊りローラを介して、他の複数数個の吊りローラを牽引することになり、負担が軽減できること、破損の要因がなくなること等の特徴がある。
「7」 また、吊りローラの確実な連結及び切離を介して、ホース等の捩れや、絡みつきの要因がなくなること、そして、また、走行に障害とならないこと、又は故障の原因がなくなること等の実益がある。
「8」 モノレールと各吊りローラの走行を、レールを介して、スムースに行えることから、モノレールの故障の原因がなくなること等の効果がある。
「9」 また、「6」〜「8」の特徴があり、もって、静かな走行が期待できる。
【0039】
請求項7の発明は、吊りローラを、方形枠体の一部を開放したケーシングと、このケーシングの両側面の上部に差渡し設けた滑車と、ケーシングの下面に設けたフックと、ケーシングの上面に垂設した突起と、ケーシングの上面より延設した自由端側が上方に曲折した係止板と、係止板の平坦部の端部に開設した孔で構成し、突起と孔が、吊りローラの走行方法において、略同じ線上に設けたハウスの散水機、又は散布機用の装置である。
【0040】
従って、請求項7は、下記の効果を有する。
「10」 前述した「6」〜「9」の特徴を達成できるモノレールと、吊りローラの構造を提供できる特徴がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
本発明の一例を説明する。
【0042】
図面の説明をする。本発明の一例を説明すると、図1は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスの模式図、図1−1は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図、図1−2は、図1−1の次の工程を表したハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図、図1−3は、図1−2の次の工程を表したハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図、図1−4は、図1−3の次の工程を表したハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図、図1−5は、図1−4の次の工程を表したハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図、図2は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置の要部であるレールと、モノレール(走行式走行車)と、複数個の吊りローラ、及びホース、並びにケーブル等の関係を示した模式図、図3は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置の要部であるレールと、複数個の吊りローラの関係を示した模式図、図4は、図3の要部の模式図、図5−1は、モノレールが前進方向に走行し、順次、最終側(後側)の吊りローラが切離されていく状態の模式図、図5−2は、図5−1の複数個の吊りローラの牽引状態を示した拡大模式図、図5−3は、図5−2の状態より、最終側の吊りローラが切離されていく状態の拡大模式図、図6−1は、モノレールが後退方向に走行し、順次、最終側の吊りローラが連結されていく状態の模式図、図6−2は、図6−1の複数個の吊りローラが連結されていく状態を示した拡大模式図、図7は、L形のレール片、モノレールが前進方向に走行し、順次、最終側(後退側)の吊りローラが切離されていく状態の模式図である。次に、従来の一例を説明すると、図8は、従来のモノレールが前進方向に走行し、順次、先達(前進側)から吊りローラが切離されていく状態の模式図、図9−1は、L形のレール片、モノレールが前進方向に走行し、順次、最終側の吊りローラが切離されていく状態の模式図、図9−2は、図9−1の切離し状態の不合理を説明する模式図、図10−1は、他の吊りローラを示した斜視図、図10−2は、図10−1の平面図、図11−1は、図10−1の他の吊りローラの連繋状態の側面図、図11−2は、図10−1の他の吊りローラの切離状態の側面図、図12は、さらに別の吊りローラの連繋状態の側面図、である。
【0043】
図中1はハウスで、このハウス1の妻面方向100及び/又は棟方向101の天井面100a、101aには、パイプ形状の妻面方向100・棟方向101のレール2、2aが吊下して設けられている。そして、妻面方向100のレール2には、モータ駆動式の妻面移動ロボット3が走行し、また、棟方向101のレール2aには、モータ駆動式のモノレール4が走行する構造である。尚、妻面移動ロボット3には、モノレール4を誘導する移動式のL形、又はU形のレール片200(連繋手段及び/又は切離手段)が設けられており、このレール片200を図示しないモータで、この妻面移動ロボット3の棟方向101(畝方向)に前進後退可能(移動可能)に設けられている。従って、この妻面移動ロボット3が、畝間のレール2aに近接した状態で、レール片200が前進し、レール2aに合体するとともに、この合体時に、妻面移動ロボット3に支持されていた、モノレール4がレール2aに乗り移る。その後は、レール2aに沿って前進走行する。そして、このモノレール4が、前進限より、レール2aに沿って後退し、合体しているレール片200に乗り移る。その後、レール片200が後退し、このレール2aとの合体が解消する。そして、この妻面移動ロボット3がレール2に沿って走行中は、モノレール4は、レール片200に支持されており、この妻面移動ロボット3とともに移動する。この移動後に、次のレール2aとの間で、前述の動作と、モノレール4の乗り移りと、モノレール4及び/又は妻面移動ロボット3が前進又は後退する。また、このレール片200と、棟方向101のレール2aの確実な差込み及び/又は脱外を図るために、例えば、このレール2aの差込み側の先端部と、レール2を連繋することもできる。
【0044】
このモノレール4には、連結具5を介して、先達の吊りローラ7−1が連結される。そして、この先達の吊りローラ7−1には、後述する各ホース及び/又はケーブルを介して、他の吊りローラ7−2、・・・・・・・・・・最終の吊りローラ7−n(総称する場合には、吊りローラ7とする)が連結される構造である。そして、このモノレール4には、複数のノズル8を備えた散水機9(散布機)が垂下されている。
【0045】
前記吊りローラ7の構造を説明すると、方形枠体の一部を開放したケーシング700と、このケーシング700の両側面700a、700bの内側の上部に差渡し、又はそれぞれ個別に設けた鼓型の滑車10と、ケーシング700の下面700cに設けたフック11と、ケーシング700の上面700dの外側に垂設した突起12と、ケーシング700の上面700dの外側より延設した自由端側13aが上方に曲折した係止板13と、係止板13の平坦部13bの端部に開設した孔15で構成する。そして、この突起12と孔15を、この吊りローラ7の走行方法Aにおいて、略同じ線上に設けた構造である。尚、側面700bには、切欠き700b1を形成し、レール2、2a上への吊りローラ7を後付け可能とすること、レール2、2a上の吊りローラ7の転送の容易化と、レール2、2aの吊り具(図示せず)を回避しての移動を図ること、又は軽量化等のために設けられる。そして、この吊りローラ7の突起12には、前進方向Aに移動する過程で、隣接する吊りローラ7の係止板13の孔15が係合される。例えば、図5−1において、先達の吊りローラ7−1に、後の他の吊りローラ7−2が係止されるとともに、この先達の吊りローラ7−1に、後の他の吊りローラ7−2が連繋されることと、この連繋を介して、全ての吊りローラ7が繋がって移動する構造である。この各吊りローラ7の連繋は、全て同じ構造及び動きである。そして、この連繋が切離されるのは、連繋した吊りローラ7の後尾が、ケーブル及び/又はワイヤで引っ張られて、図5−1と、図5−3に示すように、滑車10を支点に、矢印「イ」の方向に傾斜し、その係止板13側が持ち上げられるとともに、この突起12が、孔15より離間する(脱抜される)ことで、この吊りローラ7−2、7−n間の連繋が解除される。従って、後の吊りローラ7又は他の吊りローラ7−2が、その場に置かれた状態(停止状態)となり、かつ前の吊りローラ7が、連繋された他の吊りローラ7とともに、前進方向Aに移動する。従って、本発明では、図8に示した、従来例の如く、モーレール44が走行する際に、先達の吊りローラ77−1が、他の各吊りローラ77を牽引する際に、発生するそれぞれのトラブルを解消できる。
【0046】
尚、図6−1、図6−2に示した後退方向Bにおいては、モノレール4及び/又は吊りローラ7の押圧で、この吊りローラ7の係止板13が、押圧方向の最先端(後退側の先達)の吊りローラ7の突起12を乗越え(押圧方向の最先端の吊りローラ7が、滑車10を支点として、矢印「イ」の方向に傾斜することもある)、この突起12が係止板13の孔15に挿入されることで、この吊りローラ7と、押圧方向の最先端の吊りローラ7が連繋される。同じ理屈で、各吊りローラ7が順次連繋されていく。従って、本発明では、図8に示した、従来例の如く、モーレール44及び/又は先達の吊りローラ77−1が、主体となって、他の各吊りローラ77を一気に押圧することで発生するトラブル、例えば、労力、資源の浪費、又は従来の各トラブルを解消できると考えられる。
【0047】
前記散水機9は、モノレール4に垂下されており、多数のノズル8を備えており、このノズル8から散水、又は農薬の散布をする。この一例では、後述するように、モノレール4及び/又は妻面移動ロボット3の走行時に、畝、又は栽培棚で栽培する作物に、散水、又は農薬の散布をする。なお、散水機9には、図示しないが、自動停止バルブを備えており、散水、又は農薬の散布量を調整する他、その散水、又は農薬の散布時間等も調整を行うことができる。
【0048】
以上で、各構造についての説明を行ったので、ハウス1の散水、又は防除方法におけるハウス1のモノレール4と妻面移動ロボット3の動きを図1−1〜図1−5と、図2〜図7を基に説明する。
【0049】
図1−1は、最初の状態であり、ハウス1の妻面方向100の一方(始端)100bと、棟方向101の第一の一方(始端)101bに妻面移動ロボット3と、この妻面移動ロボット3に連繋(接触、合体等)合体したモノレール4と妻面移動ロボット3が、それぞれのレール2、2aに走行可能な状態で載架、又は垂下されている。そして、妻面移動ロボット3及び/又はモノレール4に設けられた始動ボタン(図示しない)を押圧することにより、この妻面移動ロボット3よりモノレール4が離間し、このモノレール4へのケーブル20からの通電で、棟方向101のレール2aに沿って、その第一の一方(始端)101bから他方(終端)101cに向けて、走行(移動)する(前進方向Aへと進む)。そして、この前進方向Aへの走行時は、図5−1〜図5−3に示した如く、先達の吊りローラ7−1が、他の各吊りローラ7を牽引し、最後尾の吊りローラ7より切離しながら、モノレール4に垂下した散水機9に向って、ホース21を介して水及び/又は薬剤を送ることにより、散水機9のノズル8から、ハウス1内の畝等の地面、又は栽培棚等の作物等に、散水及び/又は薬液を、適宜及び/又は均一に噴霧する(散布する)。この走行方法と、牽引方法によって、第一の一方(始端)101bから、第一の他方(終端)101cに亘って、噴霧作業が終了する。また、この走行方法と、牽引方法により、前述の如く、各吊りローラ7と、ケーブル20及び/又はホース21を牽引することになり、この各吊りローラ7と、ケーブル20及び/又はホース21に対する負担が軽減、及び/又は、トラブルの解消と、破損の要因を解消できる特徴がある。尚、図示しないが、このモノレール4は、妻面方向100のレール2、又は別のレール(図示しない)を走行することも可能であり、従って、この吊りローラ7は、レール2を走行することも可能である(他の実施例も同じ)。
【0050】
図1−2及び図1−3は、この棟方向101の第一の他方(終端)101cまで走行したモノレール4と、各吊りローラ7と、ケーブル20及び/又はホース21が、第一の一方101bに戻る工程であり、この場合には、モノレール4が、先達の吊りローラ7−1から、他の各吊りローラ7を順次押しながら、その後退方向Bの前の吊りローラ7の突起12を、後の吊りローラ7の係止板13が乗越えて(この吊りローラが矢印「ロ」の如く傾斜し)、最終的には、突起12と係止板13の孔15とが係合することで、それぞれ各吊りローラ7を連繋していく。この状態は、後退方向Bの走行であり、図6−1及び図6−2に示した如く、ケーブル20と、ホース21の絡みつきもなくスムースな戻りが確保できる。そして、図7に示したL形のレール2、又は2aでも、その曲れリ部位をトラブルなく走行可能となり、極めて有益であること、ケーブル20と、ホース21がむやみに引張されるトラブルが皆無である。そして、図示しないが、レール2、又は2aのU形の部位でも同様に走行が可能であり、有益である。また図示しないが、本発明では、前述の如く、先達の吊りローラ7−1による各吊りローラ7をグループとして、牽引する前進走行と、先達の吊りローラ7−1等による順次、押圧による後退走行であるので、S形のレールでも、このモノレール4の走行と、ケーブル20及び/又はホース21の引張(延長)及び/又は収縮(折畳み吊下、又は重畳吊下)は、スムースに行える。
【0051】
そして、図1−4は、棟方向101の第一の一方101bへと到着した(戻った)モノレール4は、妻面移動ロボット3に連繋する。この妻面移動ロボット3に連繋した状態で、ハウス1の妻面方向100の一方(始端)100bから他方(終端)100cに向って走行する。この走行は、次のレール2aとレール2が直交する箇所(直交場所)で停止した状態を示している。その後は、モノレール4が、妻面移動ロボット3より離れて、前述した図1−1〜図1−3の工程の繰返しである。
【0052】
また、図1−5は、前述した、各工程の繰返しを介して、全てのレール2を、モノレール4の前進方向Aへの走行と、ケーブル20及び/又はホース21の引張が図れ、また、後退方向Bへの走行と、ケーブル20及び/又はホース21の収縮が行なわれて、このハウス1における散水、又は防除を確実に行うことができる状態を示している。
【0053】
尚、従来の例の不合理を図9−1と、図9−2を基に説明すると、例えば、図9−1に示した一例では、L形のレール200より、モノレール44が前進方向に走行し、順次、最終側の幾つかの吊りローラ77が切離されていく状態で、この最終側の幾つかの吊りローラ77が、ケーブル2000及び/又はホース2100の異常な牽引で、スムースにL部200b(曲がり部)を走行できず、強引に引掛られること、トラブルが発生する蓋然性が強いものであり、問題である。そして、最悪な場合には、図9−1の如く、最終側の数個の吊りローラ77の走行が不可能となることがあり得る。しかしながら、本発明では、従来の図9−1と図9−2で示したトラブルの発生は、略皆無である。
【0054】
また、図示しないが、従来の例では、先達の吊りローラ77−1の単独で、かつ順次、次の各吊りローラ77による牽引する前進走行と、この先達の吊りローラ77−1の連繋の全くない、順次、押圧による後退走行であるので、S形のレールでも、このモノレール44の走行と、ケーブル2000及び/又はホース2100の引張及び/又は収縮にトラブルが発生する蓋然性が高い課題がある。
【0055】
その他として、前記妻面移動ロボット3及び/又はモノレール4の速度は、調整することができ、その作物の種類、量、天候条件等の各種状況によって、対応することが好ましい。また、ホース21、又はケーブル20の径を変えることで、散水量、散布量及び/又は速度等は調整できる。
【0056】
また、他・別の吊りローラ70、71を、図10−1〜図12を基に説明する。先ず、図10−1〜図11−2の他の吊りローラ70は、少なくとも、一方板材に、膨出下片7000aを有する鼓形のケーシング7000(このケーシング7000の他方の板材は、半月形状とし、図示しない、吊り具との衝突回避及び/又はレール2等への後付け等に役立てる)と、このケーシング7000内に軸支した滑車7001と、軸7002と、一方側に突出して設けた対の係止体7002(単独も可能)と、この係止体7002の自由端に鍵形等の爪部7002aと、この係止体7002と略同じ線上に位置し、かつその他方側に設けた滑り曲面を備えた係止突起7003と、この係止突起7003の取付け側に設けた係止辺7003aで構成する。従って、この例では、モノレール4が前進方向Aに走行し、順次、最終側の幾つかの吊りローラ70が、図11−2に示したように軸を中心として矢印「イ」の方向に可動することで、係止体7002が、前進方向Aの前の吊りローラ70の係止突起7003から切離され、この連繋した吊りローラ70と隣接する吊りローラ70が離間する構造である。このような構造で、順次、切離と、各吊りローラ70の前進が進むとともに、ケーブル20及び/又はホース21の伸張が図れる。尚、後退方向Bの連繋は、モノレール4が後退方向に走行し、順次、先達の吊りローラ70が、後退方向Bの前の吊りローラ70を押圧することで、係止体7002が、その前の吊りローラ70の係止突起7003を押下げることで、この吊りローラ70が軸を中心として矢印(図示せず)の方向に可動することで、係止体7002が、後退方向Bの前の吊りローラ70の係止突起7003が、その前の吊りローラ70の係止突起7003に係合することで連繋され、この前の吊りローラ70と隣接する吊りローラ70が連繋する構造である。このような操作で、順次、連繋と、各吊りローラ70の後退が進むとともに、ケーブル20及び/又はホース21が収縮される。また、図12の他の吊りローラ71は、ケーシング700は、前述の実施例と同じ形態であり、このケーシング700の上面700dの内側に垂設した突起12と、また、このケーシング700の上面700dの内側より延設した自由端側13aが上方に曲折した係止板13と、係止板13の平坦部13bの端部に開設した孔15で構成する。従って、この突起12と、係止板13の孔15との関係で、吊りローラ7が連繋、又は切離される構造であり、この実施例における動作、及び/又は、ケーブル20及び/又はホース21の伸張と、収縮は、前述の実施例に準ずる。他の構造と、効果も前述の例に準ずる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスの模式図
【図1−1】図1−1は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図
【図1−2】図1−2は、図1−1の次の工程を表したハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図
【図1−3】図1−3は、図1−2の次の工程を表したハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図
【図1−4】図1−4は、図1−3の次の工程を表したハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図
【図1−5】図1−5は、図1−4の次の工程を表したハウスの散水機、又は散布機用の装置を配備したハウスのモノレールと妻面移動ロボットの移動を示した模式図
【図2】図2は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置の要部であるレールと、モノレール(走行式走行車)と、複数個の吊りローラ、及びホース、並びにケーブル等の関係を示した模式図
【図3】図3は、ハウスの散水機、又は散布機用の装置の要部であるレールと、複数個の吊りローラの関係を示した模式図
【図4】図4は、図3の要部の模式図
【図5−1】図5−1は、モノレールが前進方向に走行し、順次、最終側(後側)の吊りローラが切離されていく状態の模式図
【図5−2】図5−2は、図5−1の複数個の吊りローラの牽引状態を示した拡大模式図
【図5−3】図5−3は、図5−2の状態より、最終側の吊りローラが切離されていく状態の拡大模式図
【図6−1】図6−1は、モノレールが後退方向に走行し、順次、最終側の吊りローラが連結されていく状態の模式図
【図6−2】図6−2は、図6−1の複数個の吊りローラが連結されていく状態を示した拡大模式図
【図7】図7は、L形のレール片、モノレールが前進方向に走行し、順次、最終側(後側)の吊りローラが切離されていく状態の模式図
【図8】図8は、従来のモノレールが前進方向に走行し、順次、先達(前進側)から吊りローラが切離されていく状態の模式図
【図9−1】図9−1は、L形のレール片、モノレールが前進方向に走行し、順次、最終側の吊りローラが切離されていく状態の模式図
【図9−2】図9−2は、図9−1の切離し状態の不合理を説明する模式図
【図10−1】図10−1は、他の吊りローラを示した斜視図
【図10−2】図10−2は、図10−1の平面図
【図11−1】図11−1は、図10−1の他の吊りローラの連繋状態の側面図
【図11−2】図11−2は、図10−1の他の吊りローラの切離状態の側面図
【図12】図12は、さらに別の吊りローラの連繋状態の側面図
【符号の説明】
【0058】
1 ハウス
100 妻面方向
100a 天井面
100b 一方
100c 他方
101 棟方向
101a 天井面
101b 一方
101c 他方
2 レール
200 レール片
2a レール
3 妻面移動ロボット
4 モノレール
44 モノレール
5 連結具
7 吊りローラ
7−1 先達の吊りローラ
7−2 他の吊りローラ
7−n 最終の吊りローラ
77 他の各吊りローラ
77−1 先達の吊りローラ
8 ノズル
9 散水機(散布機)
700 ケーシング
700a 一方の側面
700b 他方の側面
700c 下面
700d 上面
700b1 切欠き
10 滑車
11 フック
12 突起
13 係止板
13a 自由端側
13b 平坦部
15 孔
20 ケーブル
2000 ケーブル
21 ホース
2100 ホース
70 吊りローラ
7000 ケーシング
7000a 膨出下片
7001 滑車
7002 係止体
7002a 爪部
7003 係止突起
7003a 係止辺
A 前進方向
B 後退方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウスの妻面方向及び/又は棟方向のレールで走行可能な駆動機構付きモノレールと、このモノレールで牽引されるホース及び/又はケーブルと、このホース及び/又はケーブルを吊下する前記レールに設けた複数個の各吊りローラで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
前記各吊りローラと隣接する吊りローラの間に設けた切離手段は、この各吊りローラを、先達の吊りローラに連繋して前進走行において、最終の各吊りローラより、順番に切離し、前記ホース及び/又はケーブルを伸張し、
また、前記各吊りローラと隣接する吊りローラの間に設けた連繋手段は、前記切離された各吊りローラを、先達の吊りローラの後退走行において、切離された各吊りローラを、順番に連繋し、前記ホース及び/又はケーブルを収縮する構成としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法。
【請求項2】
ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、このレールに沿って走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールと、このモノレールに一方を、このハウスに設置したタンク、又は電源に他方を、それぞれ接続したホース及び/又はケーブルと、このホース及び/又はケーブルを吊下する前記レールに設けた複数個の各吊りローラで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
この複数個の各吊りローラは、隣接する各吊りローラと連繋手段及び/又は切離手段を備えており、この各吊りローラは、前記モノレールに設けた先達の吊りローラを介して、連結しながら走行し、この連結する最終の吊りローラより、順番に切離しながら、前記レールに沿って走行するとともに、前記各吊りローラに設けたホース及び/又はケーブルを伸張し、このモノレールに設けた散布機より散水、又は防除していき、このモノレールが、前記ハウスのレールの始端から、レールの終端に移動可能とする構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法。
【請求項3】
請求項1、又は請求項2に記載のハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法において、
前記モノレールがレールの終端から、始端に向かって走行する際に、複数個の各吊りローラは切離した状態であって、この切離した先達の吊りローラは、隣接する各吊りローラを連結するとともに、この連結した吊りローラは、隣接する各吊りローラを、順次、連結する構造とし、最終側(後側)に、連結した各吊りローラが、最終の吊りローラを、連結した状態で、全ての各吊りローラを牽引し、前記始端に戻る構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置におけるホース・ケーブルの牽引方法。
【請求項4】
ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、このレールに沿って走行する散布機と、この散布機に一方を、このハウスに設置したタンク、又は供給口に他方を、それぞれ接続したホースと、このホースを吊下する複数個の各吊りローラと、この各吊りローラを支持し、かつ前記レールに走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
この吊りローラは、前記レールを滑走する滑車を備えたケーシングと、このケーシングの一方側に設けた係止体と、その他方側に設けた係止突起で構成し、この係止体と、係止突起の係合、又は離脱を介して、複数の吊りローラを連繋、又は切離可能とする構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置。
【請求項5】
請求項4に記載のハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
前記係止体と前記係止突起を、ケーシングの両側面に対で設ける構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置。
【請求項6】
ハウスの妻面方向及び/又は棟方向の天井面に敷設したレールと、このレールに沿って走行する散布機と、この散布機に一方を、また、このハウスに設置したタンク、又は供給口に他方を、それぞれ接続したホースと、このホースを吊下する複数個の各吊りローラと、この各吊りローラを支持し、かつ前記レールに走行可能に設けた駆動機構を備えたモノレールで構成したハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
この吊りローラは、方形枠体のケーシングの両側面の上部に差渡し設けた滑車と、このケーシングの下面に設けたフックと、当該ケーシングの上面の一方側に垂設した突起と、また、このケーシングの上面の他方側に設けた孔を備えた係止板とで構成し、この突起と孔が、この吊りローラの走行方法において、略同じ線上に設けた構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置。
【請求項7】
請求項6に記載のハウスの散水機、又は散布機用の装置において、
前記吊りローラを、方形枠体の一部を開放したケーシングと、このケーシングの両側面の上部に差渡し設けた滑車と、このケーシングの下面に設けたフックと、当該ケーシングの上面に垂設した突起と、また、このケーシングの上面より延設した自由端側が上方に曲折した係止板と、この係止板の平坦部の端部に開設した孔で構成し、この突起と孔が、この吊りローラの走行方法において、略同じ線上に設けた構造としたハウスの散水機、又は散布機用の装置。

【図1】
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【図1−1】
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【図1−2】
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【図1−3】
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【図1−4】
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【図1−5】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【図8】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10−1】
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【図10−2】
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【図11−1】
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【図11−2】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−136633(P2010−136633A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−313362(P2008−313362)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【出願人】(391008294)フルタ電機株式会社 (176)
【Fターム(参考)】