説明

ハロゲンシランからのホウ素含有不純物の除去方法、並びに該方法の実施のための設備

本発明は、少なくとも1つのケイ素ハロゲン化物、殊にHnSiCl4-n型(nは0、1、2または3である)のクロロシランを含む組成物Iにおける、ホウ素含有化合物の含有量の減少方法であって、第一の工程における該組成物Iへの少量の湿分の装入、および第二の工程における、加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物の分離により、その間に、減少されたホウ素含有量を有する予備精製された組成物IIが得られ、殊に第一および第二の工程が少なくとも1つまたはそれより多くのサイクルで行われ得る方法に関する。さらに、該方法の実施のための設備、並びに、該設備が搭載される全体の設備が特許請求される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのケイ素ハロゲン化物、殊にHnSiCl4-n型(nは0、1、2または3である)のクロロシランを含む組成物Iにおける、ホウ素含有化合物の含有量の減少方法であって、第一の工程における該組成物Iへの少量の湿分の装入、および第二の工程における加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物の分離により、その間に減少されたホウ素含有量を有する予備精製された組成物IIが得られ、殊に第一および第二の工程が少なくとも1つまたはそれより多くのサイクルで行われ得る方法に関する。さらに、該方法の実施のための設備、並びに、該設備が搭載されている全体の設備が特許請求される。
【0002】
ハロゲンシランおよび特にクロロシラン、例えばモノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシランおよびテトラクロロシランは、半導体産業のための極めて純粋なケイ素の製造、光起電産業のためのモノシランSiH4の製造で、有機官能性シラン、例えば接着促進剤へのさらなる変換において、またはさらに光導波路製造のための、または製薬産業のための高純度SiO2の製造の際の、重要な中間生成物である。全ての産業用途に共通するのは、変換されるべきハロゲンシランに対する非常に高い純度の要請であり、その不純物は多くともわずかmg/kgの範囲(ppmの範囲)且つ半導体産業においてはわずかμg/kgの範囲(ppbの範囲)であるべきである。
【0003】
粗クロロシランの製造のために、冶金ケイ素を塩酸化(hydrochlorieren)する。該変換は通常、流動層反応器または固定床反応器内で行われ、管状炉内での変換はまれである(とりわけ、B.KannerおよびK.M.Lewis "Commercial Production of Silanes by the direct Synthesis", 1ないし66ページ, Studies in Organic Chemistry 49, Catalyzed Direct Reactions of Silicon edited by K.M.LewisおよびD.G.Rethwisch, 1993, Elsevier Science Publishers; DE3640172号C1; W.C.Breneman et al.,"A comparison of the Trichlorosilane and silane routes in the purification of metallurgical grade Silicon to semiconductor quality", Silicon for the chemical industry IV,ガイランゲル,ノルウェー,6月3〜5日,1998,1001ないし112ページ)。
【0004】
選択的に、冶金ケイ素および塩化水素を用いたテトラクロロシランの変換による製造も実施できる(H.Samori et al. "Effects of trace elements in metallurgical Silicon on trichlorosilane synthesis reaction", Silicon for the chemical industry III,サンデフィヨルド,ノルウェー,6月18〜20日,1996,157ないし167ページ)。水素の存在中で、反応におけるトリクロロシランに関する収率を上げることができる。
【0005】
さらに、トリクロロシランに対する収率の上昇のために、水素の存在中で、触媒上で四塩化ケイ素をヒドロ脱ハロゲン化(Hydrodehalogenierung)するための方法が知られている。触媒として、遷移金属または遷移金属化合物に基づく、担体のない、または担持された触媒が使用されることがある。
【0006】
該方法に共通するのは、変換された冶金ケイ素を介してもたらされた不純物が部分的に同様に塩素化され、且つ、後続の工程に連行されることである。鉄、銅、アルミニウムおよびマンガンに基づく化合物は通常、蒸留工程によってクロロシラン化合物から本質的に完全に分離される。ハロゲン化されたヒ素化合物、リン化合物およびホウ素化合物は、たしかにクロロシランと類似した化学−物理的特性を有するのだが、それ故に、蒸留による分離方法を用いてそれから不充分にしか分離されない。冶金ケイ素に由来するホウ素は、支配的な反応条件下で同様に塩化水素化(hydrochlorieren)される。殊に形成された三塩化ホウ素(BCl3)は、化合物の共に近くにある沸点に基づき、蒸留によってトリクロロシランおよびジクロロシランから分離されない。工程中に存在する残留湿分は、さらに、三塩化ホウ素の部分加水分解物の形成をもたらすことがある。
【0007】
五価のリンおよびヒ素については、それによって引き起こされる、例えばn型半導体として製造されるケイ素のドープが問題である。三価のホウ素も同様に、製造されるケイ素の望ましくないドープをもたらし、従ってp型半導体が得られる。ホウ素を含有する化合物を有するハロゲンシランの不純物は特に困難を引き起こし、なぜなら、ケイ素溶融物中および固相中のホウ素は、0.8の分配係数を有し、それ故にゾーンメルトによってもはやほとんどケイ素から分離されないからである(DE2546957号A1)。この理由から、ハロゲンシランおよび殊にクロロシラン中で、0.05mg/kg(質量ppm)未満の、好ましくは5μg/kg(質量ppb)のホウ素含有量が目標とされている。
【0008】
先行技術から、ホウ素含有不純物の分離のための種々の方法が公知である。例えば、気体のトリクロロシランからケイ酸への吸着によるホウ素含有不純物の分離を、US4713230号に開示されている通りに実施することができる。吸着剤として、ヒドロキシ基含有量1〜3質量%を有するシリカゲルが使用され、その含有量はリチウムアルミニウム−ジ−nブチルアミドを用いた滴定によって測定される。トリクロロシランは、ホウ素含有量の減少のために吸着剤を有する塔を通じて気体で導かれる。US4731230号の方法によれば、ホウ素含有量は例えば150ppba未満に減少される。しかしながら、気体のトリクロロシラン流中の三塩化ホウ素の高い入口濃度の結果として、トリクロロシラン流中で150ppbaのホウ素含有量が算出された場合、吸着剤の負荷容量に到達する。それ故に、この方法についての欠点は、負荷容量の速い減損によって生じる吸着剤の短い耐用期間である。該負荷容量は、破過曲線の測定を介して算出される。
【0009】
ドイツの公開特許公報2546957号A1は、液相中で存在するハロゲンシランを水和された酸化物もしくはケイ酸塩の使用下で、3〜8質量%の含水量で処理し、その際、それは錯体結合された水を含まないものとする方法を教示する。高沸点のホウ素錯体がケイ酸塩に吸着される一方、三塩化ホウ素は加水分解され且つ錯化される。部分的に液体のトリクロロシランと混ざった高沸点のホウ素錯体は、引き続きトリクロロシランの温水蒸留において塔底部で引き離される。
【0010】
両者の方法に共通するのは、使用される吸着剤の負荷容量の速い到達である。それ故に、この吸着設備は経済的ではない。これは、吸着剤の短い耐用期間から生じ、吸着剤の頻繁な交換および該方法の中断を引き起こす。他方で該設備は、短い耐用期間をいくぶん長くするために非常に大容量で設計されなければならない。加えて、上記の方法は、トリクロロシラン流に大抵は特化して調節され、もしくはクロロシランの製造のための方法全体の蒸留ユニット前または後に統合される。それ故、例えば蒸留ユニット前の吸着剤の負荷が増加した際のクロロシラン流中のホウ素含有量における変動は、分離された生成物流(ジクロロシラン、トリクロロシランおよび/またはテトラクロロシラン)に直接的に受け継がれる。
【0011】
さらに先行技術から、クロロシラン中のホウ素含有化合物を、湿った不活性ガス(Intergas)と接触させることにより、低下させることが公知である(DD158322号)。とりわけ、クロロシランと存在する水とが反応し、且つ、それが次に再度、三塩化ホウ素と反応し、且つ、それが蒸留によって分離され得る難揮発性のホウ素化合物に変えられ得る。
【0012】
ドイツの公開特許公報DE1906197号は、水蒸気もしくは水で飽和した窒素流と、蒸気形態のクロロシランとを部分加水分解されたクロロシランへと反応させ、それを液状のクロロシランに分散させ、引き続き、部分加水分解されたクロロシランおよびホウ素含有化合物を分離する方法を開示する。
【0013】
この方法様式について不利なのは、水を用いた三塩化ホウ素の完全な変換のために必要とされる高い水量である。ホウ素化合物がシランよりも速く水と反応するにもかかわらず、ホウ素含有化合物の完全な除去のためには、より多いモル過剰の水が必要不可欠である。その水量は、ホウ素含有化合物の完全な除去の際に、SiO2およびポリマーのシロキサンの形成による設備の強硬なケイ化作用、並びに大量の腐蝕性作用のある塩化水素をもたらす。両者は製造設備の高められた材料負荷をもたらす。通常の反応時間および是認できる水の添加を用いた反応の誘導の際、得られるクロロシランにおけるホウ素含有量は、ソーラーシリコンまたは半導体シリコンの製造のための規格の限界値より上である。この方法を介して得られるシリコン品質は、WO2006/054325号A2によれば、p型半導体のために100Ω・cmの比抵抗である。
【0014】
本発明の課題は、ホウ素含有化合物の実際の量的な除去のための経済的な方法であってまたはハロゲンシラン生成物混合物、殊にテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシランおよび/またはモノクロロシランを含むクロロシラン生成物混合物の蒸留による分離の前に既に、蒸留による分離前の部分で、ホウ素含有化合物の除去が実施され、従って全ての生成物流にわたって一定の低い、殊に0.05mg/kg未満のホウ素含流量が保証される方法を提供することであり、加えて、本発明による方法は、簡単な技術および様式で、冶金ケイ素から出発する極めて純粋なハロゲンシラン、例えば極めて純粋なクロロシランの製造のための連続的な方法に統合される。
【0015】
該課題は、特許請求項1および37の特徴部に相応する、本発明による方法および本発明による設備によって解決され、その際、下位請求項中に好ましい実施態様が表されている。
【0016】
本発明による方法は、少なくとも二つの方法工程に分割される。本発明の対象は、少なくとも1つのケイ素ハロゲン化物を含む組成物I中で、ホウ素、殊にホウ素含有化合物の含有量を減少させるための方法であって、
− 第一の工程において、組成物Iと、組成物I(1) 1キログラムあたり600mgまで、殊に0.5ないし500mg/kg(ppm)、好ましくは5ないし100mg/kg(ppm)、特に好ましくは10ないし50mg/kg(ppm)の湿分とを接触させ、且つ
− 場合によっては、第一の工程の湿分と接触させた組成物I(1.1)を少なくとも1回、好ましくは複数回、完全または部分的に、加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物を分離するために、部分工程(2a)に供給し、且つ、予備精製された組成物IIa1→∝(1.2)が得られ、それが完全または部分的に再び、該方法の第一の工程または第二の工程に供給され、
− その際、第二の工程において、加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物が蒸留によって分離され(2)、その間に、蒸留物として減少されたホウ素含有量を有する予備精製された組成物II(2.1.1)が得られ、殊に予備精製された組成物IIを、場合によっては凝縮工程(2.2)の後に第三の方法工程において湿った吸着剤(3)と接触させ、且つ、予備精製された組成物III(3.1)を取得し、それを好ましくは精密蒸留(Feindestillation)(4)に供給して少なくとも1つの超高純度のケイ素化合物を単離できる、前記方法である。
【0017】
本発明の対象は、本発明による方法によって得られる組成物III、並びに、本発明による方法によって得られる超高純度のケイ素化合物でもある。
【0018】
予備精製された組成物IIまたは予備精製された組成物IIIが、本発明によれば、少なくとも1つの超高純度のケイ素化合物の製造のために変換または使用される。超高純度のケイ素化合物は、超高純度のハロゲンシラン、例えばHpSimHal[(2m+2)-p](m=1ないし6、p=1ないし13、Hal=Cl、Brおよび/またはI、シラン)、例えばHnSi2n+2(m=1ないし12)および/またはケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物または二酸化ケイ素を含むが、ケイ素、殊に光起電力または半導体産業用のケイ素も適している。上記の超高純度のケイ素化合物は、好ましくは、元素または化合物あたり≦0.05mg/kg(ppm)、好ましくは≦5μg/kg(ppb)、殊に≦1μg/kg(ppb)の最大不純物を有する。
【0019】
少なくとも1つのケイ素ハロゲン化物を含む組成物Iとは、本発明により、冶金ケイ素の塩化水素化またはヒドロハロゲン化を含み、場合によっては固体成分の引き続く分離、および殊にその反応生成物の後続の洗浄および/または急冷を用いる方法から得られる組成物と理解される。該組成物Iは、好ましくはテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、および/またはモノクロロシランを、殊に混合物として含む。選択的にそれは、ハロゲンシラン、例えばテトラブロモシラン、トリブロモシラン、またさらに混合されたハロゲンシランを含む。初めに説明されたように、出発物質に依存して、それに含有される元素も部分的にヒドロハロゲン化され、それ故に、組成物Iは、不純物、殊にホウ素を共に含有する不純物、例えば三塩化ホウ素、または残留湿分によって形成される三塩化ホウ素の部分加水分解物の含有物も常に含む。
【0020】
湿分と接触された組成物Iは、別途供給された湿分と初めて接触させられた組成物I、例えば、冶金ケイ素のヒドロハロゲン化から生じる組成物I、1kgの組成物Iあたり600mgまで、好ましくは5ないし100mg/kg(ppm)、特に好ましくは10ないし50mg/kg(ppm)の湿分と接触させられた組成物Iに関する。
【0021】
別途供給された湿分は、先行する方法工程から持ち込まれる湿分を含まず、且つ、予備精製された組成物IIa1→∝の完全または部分的な、第一の方法工程への返送から持ち込まれることがある湿分も含まない。湿分の供給は、殊に不活性ガス、例えば窒素、アルゴンおよび/または水素を介して実施される。そのために、通常、液体の水、好ましくは脱イオン水を不活性ガスと共に、高められた温度で均質化し、殊に完全に液滴なく100℃より上に加熱する。得られる加熱された湿った不活性ガスをその後、高められた圧力下で組成物Iに給送する。好ましくは該湿分をキャリアガスとしての窒素と共に給送する。
【0022】
好ましくは、湿分と接触された組成物Iを少なくとも1回、完全または部分的に、その際、部分的にとは5ないし95質量%、好ましくは50ないし95質量%、特に好ましくは75ないし95質量%に関連し、加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物の分離のための部分工程に供給し、且つ、予備精製された組成物IIa1→∝が得られ、それが完全または部分的に、その際、部分的にとは5ないし95質量%、好ましくは50ないし95質量%、特に好ましくは75ないし95質量%に関連し、再び該方法の第一の工程または第二の工程に供給される。通常、加水分解されたホウ素含有化合物は蒸留によって分離される。
【0023】
予備精製された組成物IIa1→∝として、少なくとも1サイクルにおいてその部分工程を通った組成物IIaが示される。方法工程1および/または2への返送の際の組成物の混合物に基づいて、組成物の部分流が該部分工程を複数回、通ることができ、それが記号 組成物IIa1→∝によって表されるものとする。
【0024】
第二の方法工程において、加水分解されたホウ素および/またはケイ素を含有する化合物が蒸留によって分離され、その間に、蒸留物として、減少したホウ素含有量を有する予備精製された組成物IIが得られる。
【0025】
蒸留による分離とは、一般に、ハロゲンシラン含有組成物の気相中への移送と理解され、それによってより難沸性の成分または固形物、例えば加水分解生成物を分離でき、その間、より難沸性の成分は好ましくは気相中に移送されない。次に、ハロゲンシラン含有組成物を凝縮し、且つ、蒸留物として予備精製された組成物IIが得られ、相応して組成物IIa1→∝が部分工程において得られる。それは、管型蒸発器、薄層蒸発器、短経路蒸発器(Kurzwegverdampfer)および/または蒸留受容器(バッチ式蒸留(Blasendestillation))からの蒸発を用いて実施され得る。第二の方法工程における蒸留は、殊に、少なくとも1つの分離棚を有する蒸留塔を介して行われるが、しかし、1ないし150の棚を有する塔も使用できる。
【0026】
予備精製された組成物IIは、ホウ素含有量、殊にホウ素含有化合物、例えば三塩化ホウ素、加水分解されたホウ素および/またはホウ素およびケイ素含有化合物の含有量が、組成物Iと比較して20ないし99質量%だけ減少した、殊にホウ素含有量が50ないし99質量%だけ、しかしながら好ましくは70ないし99質量%、80〜99質量%だけ、且つ、特に好ましくは90ないし99質量%だけ減少した、組成物に該当する。mg/kgで表して、ホウ素含有量は組成物II中でもはや≦1.5mg/kg、殊に≦1mg/kg(ppm)、好ましくは≦0.9mg/kg(ppm)未満しかない。まだ含有されているホウ素は、本質的に、揮発性の三塩化ホウ素として含有されることがある。加えて、組成物IIは、好ましくはテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、および/またはモノクロロシランを、殊に混合物として含み、軽い揮発性成分、例えば水および/または塩酸塩の分離のために組成物IIが凝縮に供給され得る。
【0027】
本発明によれば、組成物IIを、場合によっては凝縮工程後、第三の方法工程において、湿った吸着剤と接触させ、且つ、予備精製された組成物IIIを取得する。組成物IIIは、組成物IIと比較して50ないし99.999質量%だけ減少されたホウ素含有量を有し、その際、ホウ素含有量の減少は、80ないし99.999質量%、90ないし99.999質量%、且つ、特に好ましくは95.00ないし99.999質量%だけである。mg/kgまたはμg/kgで表して、組成物III 1キログラムあたり、0.1mg/kg未満の、殊に≦0.05mg/kgの、好ましくは≦0.01mg/kg(ppm)の、および特に好ましくは≦5μg/kgのホウ素含有量を達成できる。
【0028】
組成物Iに関して、予備精製された組成物IIIは、99.00ないし99.9999質量%だけ減少したホウ素含有量を有することができ、その際、少なくとも99.00ないし99.999質量%の、特に少なくとも99.50ないし99.9999質量%の、またはそれ以上の含有量の減少が目標とされている。
【0029】
本発明によれば、本方法によって得られる組成物IIIを精密蒸留に供給して少なくとも1つの超高純度のケイ素化合物を単離する。それらは中でも、ハロゲンシラン並びにケイ素ハロゲン化物、例えばテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、モノシラン、ジシランおよび/またはさらにヘキサクロロジシランである。好ましくは、超高純度のモノケイ素化合物、例えばテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン等が単離される。精密蒸留によって単離される超高純度のケイ素化合物は、その都度、ケイ素化合物1キログラムあたり≦50マイクログラムの、殊にケイ素化合物あたり≦25μg/kg(ppb)の、好ましくは≦10μg/kg(ppb)の、特に好ましくは≦5μg/kg(ppb)または≦1μg/kg(ppb)の不純物含有量を有する。
【0030】
方法工程1、返送の部分工程、および/または第二の方法工程を、1または複数回、直列に接続して複数回のサイクルで通ってよく、および/または1または数回、直列に接続された方法工程はさらに、方法において並行して進行してもよい。殊に、方法工程1および2は、完全または部分的に、少なくとも1つのサイクルで通り、好ましくは多数のサイクルで通ることができる。このために、装置(1)と蒸留ユニット(2)とが一緒に1つのユニットに統合されてよい。好ましくは、本発明による方法は、冶金ケイ素のヒドロハロゲン化またはハロゲン化から出発する、超高純度のケイ素化合物の製造のための方法全体に統合される。
【0031】
本発明による方法によれば、予備精製された組成物IIを第三の工程において、湿った吸着剤と接触させ、且つ、予備精製された組成物IIIを取得する。この第三の方法工程において、組成物IIは、理想的な場合、栓流またはピストン流で、乱流による本質的な逆混合なく吸着剤を流れ抜ける。しかし、吸着剤を介した単なる移行もまた考えられる。一般に、組成物IIを第三の方法工程において、液相または気相で、湿った吸着剤と接触させることができる。接触後の予備精製された組成物IIIの取得を、同様に気相または液相で実施できる。湿った吸着剤との接触を、連続的またはバッチ式で実施できる。バッチ式の変換の際、組成物IIを例えば吸着剤と共に、そのままにしておくか、または攪拌してよい。通常は、予備精製された組成物IIを、吸着剤と、−30℃〜100℃の間の温度で、且つ0.5ないし20barabs.の間の圧力で接触させるか、または吸着剤と共にその温度範囲および/または圧力範囲、および0.01ないし20リットル/時間の空間速度で流す。通常の接触時間は、約0.1ないし20時間、好ましくは約0.5ないし5時間である。
【0032】
吸着剤として、有利な、しかし唯一ではなく、沈降または熱分解法ケイ酸、シリカゲル、ゼオライト、樹脂、および/または活性炭を使用でき、その際、一般に、その内側または外側の表面上に水またはヒドロキシ基含有化合物が取り付けられることができ、それがその後、ホウ素含有化合物と反応できる、全ての材料を使用できることが、当業者に公知である。通常、吸着剤は粒子状または押し出されて使用され、その際、0.5ないし500μmの間の粒径を有する微細粒子状の吸着剤、または0.5ないし10mmの間の粒径を有する押し出された吸着剤が存在してよい。好ましくは、吸着剤はほぼ均一な粒径を有し、従って、粒子間に組成物IIを通して導くための充分な容積がある。一般に、該吸着剤は粉末、成形体の形態、押出物として存在できる。
【0033】
湿った吸着剤は、本発明によれば、0.1ないし10質量%の間、殊に1ないし5質量%の間(±0.2質量%)の化学的な湿分、および/または0.1ないし10質量%の間、殊に0.1〜1質量%の間(±0.1質量%)の物理的な湿分を有する。物理的な湿分の測定のために、吸着剤の乾燥減量を2時間にわたって105℃で測定し、且つ、化学的な湿分の調査のために、引き続き、強熱減量を2時間にわたって1000℃で測定する。
【0034】
吸着剤を組成物IIと接触させるために、それは少なくとも1つの吸着床として固定床−管型反応器内、吸着塔内、または吸着塔または蒸留塔の棚並びに分離段上に存在するか、または吸着床として槽型反応器内で、殊に粒子状および/または押し出されて存在してよい。槽型反応器内へ吸着剤を装入する場合は、攪拌できる攪拌式槽型反応器であってよい。
【0035】
吸着剤が蒸留塔の少なくとも1つの分離段上に存在する場合、本発明によれば、それらの塔は2つの領域からなってよい。
a) 1つの選択肢によれば、湿分と接触させられた組成物Iおよび/または組成物IIa1→∝をまず、塔の第一の領域で少なくとも部分的に、加水分解されたホウ素および/またはケイ素化合物から分離できる。この第一の領域に、塔の第二の領域が続いてよく、そこで、湿った吸着剤を生じる組成物IIと接触させて予備精製された組成物IIIを得ることができる。
b) さらなる選択肢において、塔の第三の領域で直接、予備精製された組成物IIIの精密蒸留が続き、少なくとも1つの超高純度のケイ素化合物を得ることができる。
さらなる選択肢c)によれば、該塔は、湿った吸着剤を予備精製された組成物IIと接触させることができる第一の領域を含み、得られる予備精製された組成物IIIをその後、該塔の第二の領域において精密精製に供して少なくとも1つの超高純度のケイ素化合物を得ることができる。この塔はさらなる相応する塔と並列接続されていてもよい。
【0036】
通常の湿った吸着剤、例えば、未乾燥のAeroperl(登録商標)300/30を約1mgホウ素/gAeroper(登録商標)300/30の負荷容量で使用する際、方法工程1、場合によっては部分工程、並びに方法工程2および3の組み合わせによって、吸着剤の平均耐用期間は同一の負荷容量の場合に2ないし25倍だけ、好ましくは5ないし15倍だけ増すことができる。しかし、一般に耐用期間は多くの要因、例えば内部および外部の表面、化合物の流れ、反応位置の総数等に依存する。
【0037】
3tのAeroperl(登録商標)300/30を通じて導かれる入口濃度5mg/kgのホウ素を有する2t/時間のクロロシランの通常の大工業規模について換算する際、破過、即ち吸着剤と接触した後のホウ素の出口濃度>0.05mg/kgまでの耐用期間は、12.5日に過ぎない。方法工程1、および場合によっては通される部分工程、並びに方法工程2および3の組み合わせによって、吸着ユニットへの0.5mg/kgの入口濃度の際、耐用期間を125日へと延ばすことができるか、または選択的に、明らかにより少ない容積、および、よりわずかな吸着剤を有する吸着ユニットを実現できる。
【0038】
超高純度のケイ素化合物は、個々のハロゲン化合物(ケイ素ハロゲン化物)またはハロゲンシランからの混合物(複数のケイ素ハロゲン化物)も含むことがある。中でもそれらはテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、モノクロロシラン、ヘキサクロロジシラン、テトラブロモシラン、トリブロモシラン、ジブロモシラン、並びにさらに形成されるハロゲンシラン(複数のケイ素ハロゲン化物)である。好ましくは、予備精製された組成物IIIを、分別精密蒸留に供して、少なくとも1つの超高純度のモノケイ素化合物、例えば超高純度のテトラクロロシラン、トリクロロシランおよび/またはジクロロシランを単離する。その際、超高純度のケイ素化合物は、殊に精密蒸留の後に、ケイ素化合物1キログラムあたり≦50マイクログラム(ppb)のホウ素含有量を有し、その際、超高純度のケイ素化合物1キログラムあたり、≦50μg/kg(ppb)の、殊に≦25μg/kg(ppb)、好ましくは≦10μg/kg(ppb)且つ特に好ましくは≦5μg/kg(ppb)、または≦1μg/kg(ppb)のホウ素の含有量を達成することができる。
【0039】
ホウ素含有量の減少の他に、例えば殊にアルミニウム化合物、鉄化合物、ヒ素化合物、マグネシウム化合物および/またはリン化合物からのさらなる不純物の含有量も減少され得る。例えば、予備精製された組成物III中で、個々の不純物の含有量を、組成物Iに対して≧5質量%だけ減少させることができ、好ましくはその都度、5ないし99.9質量%だけ減少した含有量が達成される。
【0040】
本発明の対象はさらに、超高純度のケイ素化合物、例えば超高純度のトリクロロシランおよび/またはテトラクロロシランを、場合によっては水素の存在中で、超高純度のケイ素へと析出させることである。それを例えば、トリクロロシランの熱分解によって、熱い基材上で、水素の存在中で実施できる。その分解温度は約800ないし1300℃であり得る。典型的には、それをいわゆるCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって実施する。熱い表面上へのケイ素の析出のための、容量結合プラズマ中でのテトラクロロシラン/水素混合物の析出は、1つの選択肢を提供する。さらなる方法は、引き続き水素の存在中で、例えば900℃で、超高純度のケイ素に変換され得るポリシランの製造のためのプラズマ放電による超高純度のハロゲンシランの変換であってもよい。本発明による方法によって得られる超高純度のハロゲンシランは、殊に、全ての不純物についてケイ素1キログラムあたり≦1マイクログラム(μg/kgもしくはppb)の純度を有する超高純度のケイ素の製造を可能にし、それは半導体の製造における使用のために、且つ光起電設備におけるウェハの製造のために抜群に適している。光導波路用の出発材料は、通常、高純度のSiO2であり、その製造のために適切に、高純度、またはさらに超高純度のSiCl4が同様に使用される。
【0041】
本発明のさらなる対象は、超高純度のテトラクロロシラン、超高純度のトリクロロシランおよび/または超高純度のジクロロシランから超高純度のモノシランへの変換が意図されている。超高純度のモノシラン(a)は、超高純度のテトラクロロシラン、トリクロロシランおよび/またはジクロロシランから、不均化によって製造され得る。好ましくは、モノシランは、トリクロロシラン含有ハロゲンシラン流の不均化によって製造され、その際、テトラクロロシランもまた形成される。該不均化を通常、当業者には自体公知である触媒活性固形物上で、400mbarないし55barの圧力下で実施する。触媒活性固形物は、ニッケル、銅、鉄、コバルト、モリブデン、パラジウム、白金、ルテニウム、セリウムおよびランタンの系からの、微細分散遷移金属または遷移金属化合物である(EP0658359号A2も参照のこと)。同様に、触媒活性固形物として、元素周期律表の第二主族の元素の系からの金属または金属塩を使用してもよい。それらは、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、カルシウム塩化物および/またはストロンチウム塩化物であってよい(WO05/102927号も参照のこと)。同様に、触媒活性固形物として、塩基性の固形物、殊に塩基性のイオン交換樹脂を使用でき、それらは例えばWO06/029930号および上記の文献から得られる通りである。得られたモノシランを、いくつかの凝縮工程で−40℃ないし50℃の温度で凝縮する。凝縮工程および/または蒸留工程を介して得られる超高純度のモノシランを引き続き、熱分解によって超高純度のケイ素、殊に超高純度のエピタキシャル層へと変換できる。しかし、超高純度のモノシランを、アンモニアの存在中でケイ素窒化物(Si34)へと、または一酸化二窒素(N2O)の存在中でケイ素酸窒化物(Si229)へと変換することもできる。
【0042】
超高純度のテトラクロロシランから、酸素の存在中で、同様に超高純度の二酸化ケイ素を製造でき、それは通常、1800℃付近の温度で、酸素流中で行われる。形成された二酸化ケイ素を光導波路の製造に使用でき、なぜなら、超高純度の二酸化ケイ素だけが、光損失なく長い距離にわたって伝導されるために必要不可欠な透明性を有しているからである。
【0043】
本発明のさらなる対象は、下記によって製造される、少なくとも1つのケイ素ハロゲン化物を含む、本発明による方法において使用される組成物Iを意図している:
a) 塩化水素を用いた冶金ケイ素の変換。通常、それらの冶金ケイ素は98〜99質量%の純度を有する。冶金ケイ素の変換によって、製造条件に応じて不純物がハロゲン化され、および、例えばAlCl3、FeCl2、BCl3またはさらにリン含有化合物などの不純物が生成され、超高純度のハロゲンシラン(超高純度のケイ素ハロゲン化物)またはそれらから製造されたケイ素化合物または高純度のケイ素を得るためには、該不純物を後続の方法段階において分離しなければならない。
さらに、b) 塩化水素およびテトラクロロシランの存在中での冶金ケイ素の変換、または
c) 水素、塩化水素およびテトラクロロシランの存在中での冶金ケイ素の変換。
【0044】
方法a)ないしc)は、それぞれ、流動層反応器、固定床反応器または回転窯内で400〜800℃の間の温度および20〜45barの間の圧力で、場合によっては触媒の存在中で実施され、その際、変換a)、b)またはc)の後に、場合によっては凝縮されたクロロシランを有する粗ガス流を洗浄に供給するか、またはそれを急冷することが共通する。該洗浄を好ましくは3ないし100の棚を有する蒸留塔内で、20ないし45barの圧力且つ150〜230℃の間の温度で実施し、引き続き、組成物Iを単離でき、それをホウ素含有量の減少のための本発明による方法に供給できる。冶金ケイ素の変換から得られる組成物Iは、本質的にトリクロロシランからなる、即ち、トリクロロシランの含有量が通常、50〜99質量%の間であるが、しかしながら、反応器の種類に依存し、例えば流動層については80%のトリクロロシランおよび20%のテトラクロロシラン、固定床については20%のトリクロロシランおよび80%のテトラクロロシランである。組成物Iを、好ましくは、ホウ素含有量の減少前にハロゲンシランの分離のためのさらなる蒸留に供給しない。
【0045】
本発明による方法および本発明による設備を、以下で図中に描写される概略図に基づいて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1a】本発明による設備(A)における本発明による方法の模式図。
【図1b】選択的な設備(A)における方法の選択的な模式図。
【図2】設備(A)および部分設備(B)を含む、本発明による設備の模式図。
【0047】
本発明によれば該方法は、組成物I(1.4)(図1a参照)を、殊に600mg/kgまでの湿分(1.0)と接触させ、場合によっては部分工程(1.1、2a、2a.1、1.2)を複数回、実施し、且つ、加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物(2; 1.3および場合によっては2a.1)を分離し、並びに場合によっては次に、得られた組成物II(2.1.1; 2.2.2)を湿った吸着剤(3)と接触させて組成物III(3.1)を得るように実施される。特に好ましくは、この方法工程は、超高純度のハロゲンシランの製造のための方法全体の中で(図2)分別精密蒸留(4)前に統合され、特に好ましくは、本発明による方法は、超高純度のケイ素、超高純度のモノシラン(SiH4)、超高純度の二酸化ケイ素(SiO2)、ケイ素窒化物、ケイ素酸窒化物の製造のための、および/または有機官能性シラン、例えば接着促進剤の製造のための方法全体に統合されて実施される。特に好ましくは、それは冶金ケイ素から出発する超高純度のケイ素の製造のための方法全体に取り付けられる。
【0048】
本発明による方法(図1a/b)の効率は、蒸発装置(1)内で接触(湿分給送)を実施する場合、特に効果的であり、その際、それは管型蒸発器または槽(反応器)、例えば加熱可能な槽型反応器であってよい。湿分給送としての湿分(1.0)の添加は、好ましくは不活性ガス、例えば湿った窒素を介して実施される。その際、例えばVE水が、圧力(窒素)下にある受容器を介して準備され、該混合物は、蒸発器を用いて均質化され、且つ完全に液滴なく100℃より上に過熱される。VE水および窒素の添加は、その都度、極めて精密な調節器を介して実施され、且つ、高められた圧力下で組成物Iに供給される。組成物Iは例えば槽内へフラッシュされ、且つ、一段で蒸発される。槽(I)内には、その後、液相および気相の組成物Iが存在する。該槽に、少なくとも1つの分離段を有する凝縮塔(2)が引き続いており、そこにおいて、湿分と接触された組成物Iの一部が還流として再度返送される。
【0049】
本発明による方法は、添加される湿分量(1.0)を特に低く保ち、その結果、設備の一部に顕著なケイ化をもたらさないことを可能にする。トリクロロシランまたはテトラクロロシランの部分加水分解によって形成された高沸点のホウ素錯体、例えばCl2B−O−SiCl2HまたはCl2B−O−SiCl3は、後続の蒸留(2および/または2a)で、わずかな総数のみの分離段が必要不可欠である際、蒸留容器(底部)で溜め込まれることがある。
【0050】
HSiCl3+H2O→HSi(OH)Cl2+HCl
BCl3+HSi(OH)Cl2→Cl2B−O−SiCl2+HCl
SiCl4+H2O→Si(OH)Cl2+HCl
BCl3+Si(OH)Cl3→Cl2B−O−SiCl3+HCl。
【0051】
蒸留工程によって凝縮されたハロゲンシラン(組成物II、2.1.1、2.2.2)は通常、揮発性の未変換の三塩化ホウ素をまだ含有し、それを例えば湿ったケイ酸を有する吸着ユニット(3、吸着器)を通して導くことにより、湿った吸着剤と共に接触させる。好ましくは、渦流による逆混合のない栓流またはピストン流を目標にする。通常の接触時間は、約0.1ないし20時間であり、その際、0.5ないし5時間が好ましい。
【0052】
本発明によれば、ケイ酸のSi−OH基の割合が多く、従ってホウ素含有不純物の化学結合が生じ得る(化学吸着)場合に組成物IIの高度な精製が達成される(Morrow B.A.,McFarlan A.J.; Chemical Reactions at Silica surfaces (Journal of NonCrystalline solids,120(1990),61〜71を参照のこと)。
【0053】
【化1】

【0054】
ホウ素含有不純物とさらなる不純物との化学結合の形成によって、さらなる精製工程、殊に不純物の分離のためのさらなる分離オプションはもはや必要ではない。この工程は、湿分給送の前に接続すること、および加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物を分離することによる、ホウ素含有化合物の明らかに減少した入口濃度に基づき、特に効率的になる。
【0055】
組成物Iと湿分との接触、場合によっては少なくとも1回の部分工程の実施、組成物IIの分離、および組成物IIと湿った吸着剤との接触を含む、両方の工程の本発明による組み合わせによって、ホウ素の、殊にホウ素含有不純物の含有量は、組成物IIと吸着剤とを接触させた場合、第一の"粗精製"によって既に非常に低い水準に精製される。
【0056】
この方法工程の組み合わせは、非常に著しく吸着剤の耐用期間を延ばし、その際、同時に、第一の方法工程において、装置の一部のケイ化を明らかに減少でき、なぜなら、第一の方法工程において非常により少ない濃度の湿分で作業できるからである。同様に、該方法は、生成物流全体において、従って例えばテトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン等を含む、精密蒸留後に得られる生成物流においても、一定の低いホウ素含有量を可能にする。
【0057】
本発明の対象は、蒸留ユニット(2)が取り付けられる装置(1)を含む設備(A)でもあり、その際、該装置(1)および該蒸留ユニット(2)は、該装置(1)に統合されてもよく(図1b)、その際、該装置(1)に場合によっては、殊に取り付けられた塔と共に、分離ユニット(2a)が取り付けられ、その際、物質流は循環して(1.1、1.2)流れることができ、該蒸留ユニット(2)にさらに、組成物II(2.1.1)の部分凝縮のために、且つ、殊に易揮発性のガス(2.2.1)、例えばH2または塩酸塩の分離のために、凝縮ユニット(2.2)が取り付けられ、該凝縮ユニット(2.2)の下流に吸着ユニット(3)が取り付けられ、その際、該吸着ユニット(3)の下流に、組成物III(3.1)の精密蒸留のための蒸留ユニット(4)が取り付けられ、該蒸留ユニット(4)は、殊に低沸物、例えばH2SiCl2、HSiCl3および/またはSiCl4の取り出しのための少なくとも1つの生成物取り出し口(5.1、5.2、5.3)、並びに高沸物、ポリマーのハロゲンシランおよび/または高沸点の化合物の取り出しのための取り出し口(5.4)が取り付けられている。蒸留ユニット(2a)は、蒸発器および/または塔を殊にフラッシュ蒸留のために含む。
【0058】
好ましくは、該装置は湿分(1)給送のために、槽(反応器)、管型蒸発器、平板型蒸発器、および/または向流の原理によって作業される塔または類似した作用の装置、並びに、湿分(1.0)の添加のための少なくとも1つの精密な調節器を有する。組成物Iの供給を、出発材料の供給(1.4)を介して実施できる。固形物および/または高沸点の化合物を連続的または不連続的に除去することができる(1.3)、(図1a/b、2)。
【0059】
蒸留ユニット(2)は、塔または平板型凝縮器も含んでよい。好ましくは、バッチ式蒸留である。分離ユニット(2a)は、殊に、加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物の分離のための加熱可能な槽または反応器、および/または加熱可能および/または冷却可能な塔を含む。
【0060】
吸着ユニット(3)は、固定床反応器、管型反応器、吸着塔または吸着塔の棚内に取り付けられる少なくとも1つの吸着床を有してよい。選択的に、吸着ユニット(3)は、吸着剤を有する槽型反応器または流動層反応器を有してもよい。好ましくは、吸着ユニット(3)は吸着床または吸着剤として、少なくとも1つの沈降または熱分解法ケイ酸、シリカゲル、ゼオライト、樹脂、および/または活性炭を有し、その際、それらは粒子状または押し出されて存在してよく、且つ、それは上述の粒径並びに化学的および/または物理的な湿分を有してよい。蒸留ユニット(4)は、好ましくは少なくとも1つの精留塔を含む。
【0061】
湿分(1)給送のための装置の上流にハロゲンシランの精密蒸留のための蒸留ユニット(表示されていない)が直列接続されていることが適切であることがあり、その場合、分離されたハロゲンシランは、ホウ素含有量の減少のために本発明による方法をその都度、別々に通ってよい。
【0062】
方法全体(図2)の実施のために、設備(A)の上流に部分設備(B)が取り付けられ、その際、部分設備(B)は、塩化水素、水素および/または四塩化ケイ素(6.2)を用いた冶金ケイ素(6.1)の変換のための反応器(6)、殊に流動層反応器、固定床反応器、または回転窯を有し、反応器(6)の下流に、粒子状の反応生成物、例えば微粉または固体の金属塩化物の沈殿のための装置(8)が取り付けられ、それに洗浄のための、または物質流の急冷のための装置(7)が取り付けられ、通常、洗浄のための装置は多段式の蒸留塔を含み、ここで、AlCl3の他に、場合によっては存在するより高沸点の化合物、例えば、冶金の変換の粗ガス流からのジシラン、ポリシラン、シロキサンおよび/または炭化水素も除去することができ、その際、装置(7)は、湿分給送のための装置(1)の上流に取り付けられる。ハロゲンシランと接触する設備の部分(Aおよび/またはB)は、通常、ニッケル含有材料製、殊にニッケル含有鋼製である。
【0063】
以下の実施例は、本発明による方法を詳細に説明するものであるが、本発明はこの実施例に限定されない。
【0064】
実施例:
ホウ素および他の元素の含有量の測定:試料の準備および試料の測定を、分析の当業者に慣用の方法で、試料を脱イオン水で加水分解し、且つ加水分解物からフッ酸(超純粋)を用いて脱フッ素化(abfuoriert)することによって実施した。残留物を脱イオン水に取り、且つ、元素の含有量をICP−MS(ELAN 6000 Perkin Elmer)を用いて測定した。
【0065】
実施例1
冶金ケイ素の塩酸化法から得られ、且つ約80質量%のトリクロロシラン、約20質量%のテトラクロロシラン、痕跡量のジクロロシラン、並びに8.7mg/kgのホウ素含有物を含む、通常のクロロシラン混合物980gを、200mg/kgの脱イオン水(VE水)と混合する。1時間の反応時間後、反応混合物を、攪拌機を有する蒸留容器(1.2L)に移送し、且つ、蒸留を実施した。蒸留物として、0.82mg/kgのホウ素含有量を有する888gのクロロシランが得られた。残留物(52g)は本質的にテトラクロロシランおよび加水分解されたホウ素含有化合物からなり、その際、ホウ素含有量は248mg/kgであった。後続の冷却トラップには、0.07mg/kgのホウ素含有量を有する40gのクロロシランが残されていた。
【0066】
単離された蒸留物を、引き続き、未乾燥のAeroperl(登録商標)300/30で満たされた吸着器を介して導いた。吸着剤の物理的な湿分は、3質量%であり、且つ、105℃で2時間の乾燥減量を介して算出された。吸着剤の化学的な湿分は、1質量%であり、且つ、1000℃で2時間にわたる強熱減量を介して算出された。吸着剤上での滞留時間は1時間であった。吸着後、生成物中でのホウ素含有量は0.01mg/kg未満であった。
【0067】
使用された未乾燥のAeroperl(登録商標)300/30の実施例で、破過曲線を測定し、且つ、約1mgホウ素/gAeroperl(登録商標)300/30の負荷容量がもたらされた。
【0068】
3tのAeroperl(登録商標)300/30を通じて導かれる、入口濃度5mg/kgのホウ素を有する2t/時間のクロロシランの通常の大工業規模について換算する際、破過、即ち吸着剤と接触した後のホウ素の出口濃度>0.05mg/kgまでの耐用期間は12.5日に過ぎない。方法工程1、および場合によっては実施される部分工程、並びに方法工程2および3の組み合わせによって、吸着ユニットへの0.5mg/kgの入口濃度の際、耐用期間を125日へと延ばすことができるか、または選択的に、明らかにより少ない容積、および、よりわずかな吸着剤を有する吸着ユニットを実現できる。
【0069】
符号一覧:
A 設備A; B 部分設備B;
1 湿分給送のための装置; 1.0 湿分(H2O)給送、例えば極めて精密な調節器; 1.1 導管; 1.2 導管(組成物IIa1→∝); 1.3 排出口(固形物、高沸物); 1.4 導管(組成物Iの供給);
2 蒸留ユニット; 2.1.1. 導管(組成物II); 2a 分離ユニット; 2a.1 排出口(固形物、B−O−Si−化合物); 2.2 凝縮ユニット; 2.2.1 排出口(水素、塩酸塩、低沸物); 2.2.2 導管(組成物II);
3 吸着ユニット/吸着剤、3,1 導管(組成物III);
4 蒸留ユニット;
5.1 生成物取り出し口(低沸物); 5.2 生成物取り出し口(低沸物); 5.3 生成物取り出し口(低沸物); 5.4 高沸物の取り出し口;
6 反応器; 6.1 冶金ケイ素の供給; 6.2 供給(HClまたはHCl、SiCl4およびH2)、
7 洗浄のための、または急冷のための装置;
8 粒子状の反応生成物(微粉、固体の金属塩化物)の沈殿のための装置。
【0070】
参考文献:
1: Morrow B.A., McFarlan AJ. ; Chemical Reactions at Silica surfaces (Journal of Non−Crystalline solids, 120 (1990), 61〜71)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのケイ素ハロゲン化物を含む組成物Iにおけるホウ素含有量の減少のための方法であって、
− 第一の工程において、組成物Iと、組成物I(1)1kgあたり600mgまでの湿分とを接触させ、
− 場合によっては、加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物を分離するために、第一の工程の湿分と接触された組成物Iを少なくとも1回、完全または部分的に、部分工程に供給し、且つ、予備精製された組成物IIa1→∝が得られ、それが完全または部分的に再び該方法の第一の工程または第二の工程に供給され、
− 且つ、その際、第二の工程において加水分解されたホウ素および/またはケイ素含有化合物を蒸留によって分離し、その間に、蒸留物として減少したホウ素含有量を有する予備精製された組成物IIが得られる、
前記方法。
【請求項2】
予備精製された組成物IIが、揮発性の三塩化ホウ素をまだ含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
予備精製された組成物IIが、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシランおよび/またはモノクロロシランを含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
蒸留を第二の工程において蒸留塔を介して実施することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
湿分含有量が、1kgの組成物Iあたり0.5ないし500mgの水であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
湿分含有量が、1kgの組成物Iあたり5ないし100mgの水であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
湿分含有量が、1kgの組成物Iあたり10ないし50mgの水であることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
湿分含有量が、不活性ガスを用いてもたらされることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
予備精製された組成物IIと、湿った吸着剤とを接触させ、且つ、予備精製された組成物IIIを取得することを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
アルミニウム化合物、鉄化合物、ヒ素化合物、マグネシウム化合物および/またはリン化合物を含む不純物含有量が、予備精製された組成物IIIにおいて、組成物Iに対して≧5質量%だけ減少されていることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
吸着剤として、沈降または熱分解法ケイ酸、シリカゲル、ゼオライト、樹脂、および/または活性炭を使用することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
吸着剤が、微細粒子状または押し出されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
0.5ないし500μmの間の粒径を有する微細粒子状の吸着剤、または0.5ないし10mmの間の粒径を有する押し出された吸着剤が存在することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
吸着剤の化学的な湿分が0.1ないし10質量%の間であること特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
吸着剤の化学的な湿分が、1ないし5質量%の間(±0.2質量%)であることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
吸着剤の物理的な湿分が0.1ないし10質量%の間であること特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
吸着剤の物理的な湿分が、0.1〜1質量%の間(±0.1質量%)であることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
予備精製された組成物IIを、液相または気相中で、湿った吸着剤と接触させることを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
予備精製された組成物IIを吸着剤と、−30〜100℃の温度および0.5ないし20barabs.の圧力で接触させることを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
予備精製された組成物IIを吸着剤と、−30〜100℃の温度および0.5ないし20barabs.の圧力および0.01ないし20リットル/時間の空間速度で、流しながら接触させることを特徴とする、請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
予備精製された組成物IIを、連続的に、またはバッチ式で、湿った吸着剤と接触させることを特徴とする、請求項1から20までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
吸着剤が、少なくとも1つの吸着床として固定床−管型反応器内に、吸着塔内または吸着塔の棚上に存在するか、または吸着床として槽型反応器内に粒子状および/または押し出されて存在することを特徴とする、請求項1から21までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
予備精製された組成物IIが、組成物Iと比較して20ないし99質量%だけ減少されたホウ素含有量を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
予備精製された組成物IIが、1kgの組成物IIあたり≦1.5mgのホウ素であるホウ素含有量を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
予備精製された組成物IIIが、組成物IIと比較して50ないし99.999質量%だけ減少されたホウ素含有量を有することを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
予備精製された組成物IIIが、1kgの組成物IIIあたり0.1mg未満のホウ素であるホウ素含有量を有することを特徴とする、請求項1から22までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
予備精製された組成物IIIが、組成物Iと比較して99.00ないし99.9999質量%だけ減少されたホウ素含有量を有することを特徴とする、請求項1から26までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項28】
予備精製された組成物IIIを、分別精密蒸留に供して、少なくとも1つの超高純度のケイ素化合物を単離することを特徴とする、請求項1から27までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項29】
予備精製された組成物IIIを、分別精密蒸留に供し、超高純度のテトラクロロシラン、トリクロロシランおよび/またはジクロロシランを含む少なくとも1つの超高純度のモノケイ素化合物を単離することを特徴とする、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
超高純度のケイ素化合物が、1kgのケイ素化合物あたり、≦50マイクログラムのホウ素含有量を有することを特徴とする、請求項1から29までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項31】
超高純度のトリクロロシランおよび/またはテトラクロロシランを、場合によっては水素の存在中で、超高純度のケイ素へと析出させることを特徴とする、請求項28から30までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項32】
超高純度のテトラクロロシラン、超高純度のトリクロロシランおよび/または超高純度のジクロロシランから超高純度のモノシランを、または超高純度のテトラクロロシランから超高純度の二酸化ケイ素を製造することを特徴とする、請求項28から30までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項33】
モノシランを、熱によって超高純度のケイ素に、またはアンモニアの存在中でケイ素窒化物に、または一酸化二窒素の存在中でケイ素酸窒化物に変換することを特徴とする、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも1つのケイ素ハロゲン化物を含む組成物Iが、
a) 冶金ケイ素を、塩化水素を用いて変換すること、または
b) 冶金ケイ素を、塩化水素またはテトラクロロシランの存在中で変換すること、または
c) 冶金ケイ素を、水素、塩化水素、およびテトラクロロシランの存在中で変換すること
により、その都度、流動床反応器、固定床反応器、または回転窯内で400〜800℃の間の温度および20〜45barの圧力で、場合によっては触媒の存在中で製造され、その際、変換a)、b)またはc)の後、場合によっては凝縮されたクロロシランを有する粗ガス流を洗浄または急冷に供して組成物Iを単離することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項35】
請求項1から29までのいずれか1項によって得られる組成物III。
【請求項36】
請求項1から30までのいずれか1項によって得られる超高純度のケイ素化合物。
【請求項37】
装置(1)を含み、それに蒸留ユニット(2)が取り付けられ、該装置(1)に場合によっては分離ユニット(2a)が取り付けられ、その際、該装置(1)と該分離ユニット(2a)との間の物質流は場合によっては循環して流れ(1.1; 1.2)、該蒸留ユニット(2)の下流に凝縮ユニット(2.2)が取り付けられ、該凝縮ユニット(2.2)の下流に吸着ユニット(3)が取り付けられ、その際、該吸着ユニット(3)の下流に精密蒸留のための蒸留ユニット(4)が取り付けられ、該蒸留ユニット(4)が少なくとも1つの生成物取り出し口(5.1、5.2、5.3)並びに取り出し口(5.4)を有する、設備(A)。
【請求項38】
湿分(1)の給送のための装置が、槽(反応器)、管型蒸発器、平板型蒸発器および/または向流の原理によって作業される塔であることを特徴とする、請求項37に記載の設備。
【請求項39】
吸着ユニット(3)が、固定床反応器、管型反応器、吸着塔または吸着塔の棚内に取り付けられた少なくとも1つの吸着床を有することを特徴とする、請求項37または38に記載の設備。
【請求項40】
吸着ユニット(3)が、吸着剤を有する槽型反応器、管型反応器(固定床反応器)、または流動層反応器を有することを特徴とする、請求項37から39までのいずれか1項に記載の設備。
【請求項41】
吸着ユニット(3)が、吸着床または吸着剤として、少なくとも1つの沈降または熱分解法ケイ酸、シリカゲル、ゼオライト、樹脂、および/または活性炭を含むことを特徴とする、請求項37から40までのいずれか1項に記載の設備。
【請求項42】
蒸留ユニット(4)が、少なくとも1つの精留塔を有することを特徴とする、請求項37から41までのいずれか1項に記載の設備。
【請求項43】
設備(A)の上流に部分設備(B)が取り付けられ、その際、該部分設備(B)は、塩化水素、水素および/または四塩化ケイ素を用いた冶金ケイ素の変換のための反応器(6)を有し、該反応器(6)の下流で反応器(6)に粒子状の反応生成物の沈殿のための装置(8)が取り付けられ、それに洗浄および/または急冷のための装置(7)が取り付けられ、その際、該装置(7)は、湿分の給送のための装置(1)の上流に取り付けられることを特徴とする、請求項37から42までのいずれか1項に記載の設備。
【請求項44】
予備精製された組成物IIまたはIIIの、少なくとも1つの超高純度のケイ素化合物の製造のための使用。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−524328(P2011−524328A)
【公表日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−513964(P2011−513964)
【出願日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際出願番号】PCT/EP2009/054877
【国際公開番号】WO2009/153090
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】