説明

ハロゲン化銀写真感光材料用固形処理剤及びその製造方法

【課題】 輸送時の揺れにも破損しにくい、かつ高温高湿環境に置かれても写真品質特性が維持される固体処理剤及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 コア粒子と該コア粒子を覆う複数のシェル層から構成されるコア/シェル型の固体処理剤であって、該複数のシェル層の少なくとも2層は同一組成を有していてかつその1層は該コア粒子と直接接するように配されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハロゲン化銀写真感光材料用固形処理剤及びその製造方法に関し、より具体的には長距離輸送に耐える強度を有し、しかも十分な溶解性と処理安定性を備えた固形処理剤及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、一般ユーザーへの迅速サービスや写真店と現像所間の集配輸送の合理化のために写真店の店頭に設置して写真感光材料の処理を行うミニラボと称する自動現像処理機が急激に普及している。従来はミニラボ用処理剤として液体濃縮物が供給されてきたが、処理剤が液体であるがために、輸送時の規制、衝撃による容器破損の危険性、現像所における取扱上の不便、貯蔵スペースの制約などの問題があった。これらを解決するために、顆粒型処理剤(例えば特許文献1)などの固体処理剤や、固体処理剤を処理槽に円滑に添加・供給する方法等が検討されている。これらの処理剤や処理方法によって処理剤を固体で供給することが可能となり、上記の液体処理剤に係る問題は解決した。しかしながら、固体処理剤を経時保存した場合に、処理剤が吸湿して安定性が損なわれ、更に固体処理剤同士がくっついてしまういわゆる固結現象が発生するという新たな問題が生じている。特に、固体処理剤が吸湿性の高いアルカリ金属水酸化物やチオ硫酸塩を含有している場合には、固結が現像処理作業の支障となり、同時に写真の仕上がり品質にも悪影響を及ぼしていた。
【0003】
固体処理剤の経時による固結を防止するため、特許文献2にはアルキル置換ヒドロキシルアミン含有組成物とアルカリ金属水酸化物を均一混合して顆粒に取り入れる方法、また、特許文献3には2層以上の層構造を有する多層構造の顆粒剤及び錠剤が開示されている。しかし、高湿状態ではその効果は不十分であるため、一層の改良が求められた結果、特許文献4では、臨界相対湿度が70%以下の構成成分をコア粒子(コア)に存在させて、その表面を臨界相対湿度がより高い他の構成成分の被覆層(シェル)で覆うコア/シェル構造の顆粒状の固体処理剤が提案されている。さらに顆粒の表面をシリコーン化合物でコーティングする固結防止方法が特許文献5に開示されている。
【0004】
これらのコア/シェル型顆粒の固体処理剤の開発によって、現像作業室などの高湿度環境における保存中の固結の防止などの高温高湿耐性に関しては十分とはいえないまでも著しく改善されるに至ったが、その一方、これらの顆粒型固体処理剤は輸送中に顆粒の破損が多く見られること、その処理剤を用いて処理した写真感光材料の品質特性の変動が増大することが認められた。とくにその処理剤で継続的に処理を続けた場合に写真品質特性の変動が懸著になる。
【0005】
本発明者は、コア/シェル型顆粒の形成の際に、コア粒子を圧縮成形法によって形成したところ上記の輸送耐性や低湿度保存安定性について顕著な改善が得られることを見出した。しかしながら、この方法を採用しても製造後使用するまでのさまざまな流通、保管条件に対して、なかでも処理剤の長距離輸送に対しては顆粒の強度劣化が認められ、コア粒子強度を高めてもその効果だけではなお不十分であることが判明した。したがって、長距離輸送に対する耐性付与、とくに高温多湿環境下での輸送や保存においても顆粒の破損や固結などの劣化が起こらず、しかも処理済み感光材料の写真品質特性にも悪影響を及ぼさない年間安定型固体処理剤が求められている。
【0006】
この出願の発明に関連する前記の先行技術には、次の文献がある。
【特許文献1】特開平2−109042号公報
【特許文献2】特開平6−123947号公報
【特許文献3】特開平5−93911号公報
【特許文献4】特開2001−183780号公報
【特許文献5】特開2002−196456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、顆粒型固体処理剤の輸送、取扱い中の品質特性維持に係る上記の問題及び高温高湿度環境での経時保存性の不足を解決するために行なわれたものであって、本発明の具体的目的は、輸送時の揺れにも破損しにくい、かつ高温高湿環境に置かれても写真品質特性が維持される固体処理剤及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記の課題を解決するために、コア強度を強化しても機械的強度が経時低下して輸送時の衝撃で破損し易いという上記した問題点の原因の解析を進めた結果、コアが緻密な構造であっても経時する間にコア粒子内の構造が崩れて粗になったり、空洞が生じたりして、顆粒の機械的な強さが不足してくることを知り、さらに解析を進めた結果、コア成分とシェル成分の相互作用がこの現象に影響していることを見出した。この事実を手がかりにして両者の相互作用を軽減させる方法を見出すべく鋭意検討を重ねた結果、課題の解決手段を見出すに至った。
すなわち、上記課題は下記の構成の本発明によって達成される。
【0009】
(1)コア粒子と該コア粒子を覆う複数のシェル層から構成されるコア/シェル型の固体処理剤であって、該複数のシェル層の少なくとも2層は同一組成を有していてかつその1層は該コア粒子と直接接するように配されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
(2)前記コア粒子と直接接するシェル層の構成成分が該コア粒子の構成成分に対して不活性な成分であることを特徴とする上記(1)に記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
(3)コア粒子と直接接するシェル層の構成成分が、平均分子量5,000〜30,000のポリエチレングリコールであることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
(4)炭酸アルカリを主成分とするシェル層が前記同一組成を有する少なくとも2層の間に配されていることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
【0010】
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のコア/シェル型の固形処理剤のコア粒子が圧縮造粒法で造粒されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
(6)上記(1)〜(4)のいずれかに記載のコア/シェル型の固形処理剤のコア粒子に直接接する層が、スプレーコーティング法によって設けられることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
【0011】
上記の本発明の特徴は、コア/シェル型の顆粒を主構成成分とする固体処理剤において、顆粒の中に同じ組成のシェル層を少なくとも2層設けて、その1層はコア粒子と直接接してコア粒子を他のシェル層から遮断するシェル層構成としたことにある。この遮断効果によってコア粒子の前記した構造劣化(空洞生成、疎な構造)が防止されて発明の目的が達せられる。同一組成複数シェル層の上記構成の代わりに、構成シェル層群の中に同一組成層を含まない構成の場合は、たとえ本発明の同一組成複数シェル層の組成と同じ組成のシェル層を含んでいても、かつそのシェル層が直接コア粒子に接触していても、接していないくても、本発明の同一組成複数層を有してかつその一つがコア粒子に直接接しているシェル構成に見られる顕著な効果は見られない。本発明において同一組成であるがコア粒子に直接接していない方の層は、上記直接接触シェル層と接していない限り最外シェル層であっても中間シェル層であってもよい。
この効果は、上記のコア粒子と接するシェル層の組成がコア粒子の成分に対して不活性な成分であるときに特に安定化効果が増大する。とりわけ不活性成分が平均分子量5,000〜30,000のポリエチレングリコールであることが効果的である。また、この遮断用とも言うべきシェル層の塗設には、塗布膜の均一性に優れたスプレーコーティングが効果的である。
さらに、コア粒子自体の機械的強度も輸送耐性に影響しており、緻密な構造が好ましく、したがってコア粒子が圧縮造粒法で造粒されていることが発明の目的に対して有効である。
【発明の効果】
【0012】
同一組成の少なくとも2層のシェル層を有し、かつそのうちの1層はコア粒子に直接接して設けられたコア/シェル型の顆粒を含む固体処理剤であることを特徴とする本発明のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤は、長時間の輸送中にも顆粒の破損が抑止され、高温湿度の保存環境にも安定に保管できる。したがって、処理剤供給時や保管環境の履歴の如何に影響を受けにくく、長期連続的に処理が行われても写真品質特性が維持される。これによって年間を通じてのミニラボの処理品質が確保される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明は、任意のハロゲン化銀写真感光材料用顆粒型固形処理剤に適用することができる。すなわち、発色現像液や発色現像補充液用現像剤、漂白液や漂白補充液用漂白処理剤、定着液や定着補充液用定着処理剤、漂白定着や漂白定着補充液用処理剤、安定液用などのいずれの顆粒型固形処理剤にも適用できる。
本発明の顆粒型固形処理剤は、核となる粒子(コア粒子と呼ばれる)とその外面を覆う複数の被覆層(シェル層と呼ばれる)からなるいわゆるコア/シェル型の顆粒を主成分として構成されている。「主成分として」とは、固体処理剤全量の少なくとも50質量%を占めていることを指す。すなわち、上記コア/シェル型の顆粒以外に他のコア/シェル型の顆粒、単一構成の顆粒、粉剤などの固形構成成分を少量(50質量%未満)含んでいてもよい。
【0014】
発色現像用顆粒型固形現像剤を例としてコア/シェル型顆粒の構成を概念的に述べる。図1は、本発明以外の発色現像用顆粒型固形現像剤の典型例の概略構成図である。図1に示す発色現像用処理剤は、アルカリ剤含有顆粒11と発色現像主薬含有顆粒12を混合して構成した固形現像剤であり、アルカリ剤含有顆粒11は吸湿性の高い成分をコア粒子や内側層に配した多層構成の顆粒であり、発色現像主薬含有顆粒12は内部構造を持たない顆粒である。アルカリ剤含有顆粒11の具体的構成は、多層構成層の芯側から水酸化ナトリウム核1(コア粒子)、炭酸カリウム層2、p−トルエンスルホン酸ナトリウム・亜硫酸ナトリウム混合層3、蛍光増白剤層4、EDTA・2Na層5及びヒドロキシルアミン誘導体の最外層6から構成されている。
【0015】
一方、発色現像主薬含有顆粒12は発色現像主薬を水で湿らせて転動造粒した顆粒7である。顆粒7はコア/シェル構造を有していない。水酸化ナトリウム核1は、回転ロール間で圧縮成形された核状粒子である。図1の態様は、アルカリ剤含有顆粒11と発色現像主薬含有顆粒12を混合して構成された固形現像剤であるが、アルカリ剤含有顆粒11と発色現像主薬含有顆粒12が混合されることなくそれぞれ別パートの形態の処理剤であってもよい。
発色現像剤組成物以外の顆粒型固体処理剤組成物も、原料構成を異にするが、上記図1に模式的に示したようなコア粒子とそれをと囲む1層以上のシェル層からなる構成を有していて、処理剤の全構成成分のコア粒子とシェル層それぞれへの振り分け方は、処理剤の製造、取扱い、保存及び性能発現の観点から最適化されることはいうまでもない。
【0016】
図2は、本発明のコア/シェル顆粒型固体処理剤の例であって図1に合せて発色現像用固体処理剤について示したものである。各部材番号の意味は、図1における同じ部材番号が示す意味と同じである。図2に示すアルカリ剤含有顆粒11は、多層構成層の芯側から水酸化ナトリウム核1(コア粒子)、EDTA・2Na層51、炭酸カリウム層2、p−トルエンスルホン酸ナトリウム・亜硫酸ナトリウム混合層3、蛍光増白剤層4、EDTA・2Na層5及びヒドロキシルアミン誘導体の最外層6から構成されている。すなわち、水酸化ナトリウム核1(コア粒子)に接してEDTA・2Na層51が設けられてコア粒子を被覆している点が図1に示した汎用例と異なっている。EDTA・2Na層51は、EDTA・2Na層5と同じ組成でありながら、この層がコア粒子を被覆することによってコア粒子を粒子を取り巻く環境から遮断して粒子の構成成分を保護する結果、前記した本発明の効果が発現されるものと考えられる。その意味で本態様におけるEDTA・2Na層51のようにコア粒子に直接接する被覆層を遮断層ともいう。
図2における発色現像主薬含有顆粒12については図1に関して述べたことが当てはまる。
【0017】
以上の記述では、本発明の典型的態様を図2の発色現像処理剤によって示したが、発色現像剤以外の顆粒型固体処理剤についても、コア粒子を取り巻くシェル層の一つと同一組成のシェル層をあらたにコア粒子に直接接するように(最内側シェル層)設けることによって本発明の効果が得られることに変わりはない。
【0018】
[コア粒子の成分化合物]
本発明が適用されるコア粒子の成分は、処理剤を構成する成分のいずれであってもよい。好ましいコア粒子成分は、保存環境に対する安定性の観点から処理剤構成成分の中で保存環境に対して安定性が乏しい成分を選択することが妥当であり、空気酸化されやすい成分や、平衡相対湿度が低い成分すなわち吸湿し易い成分が選択される。具体的には、発色現像用固形処理剤の場合は、苛性アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム)及び炭酸アルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム)をコア粒子成分とすることが好ましく、とりわけ苛性アルカリをコア粒子成分とすることが好ましい。
【0019】
また、コア/シェル型顆粒を含む定着能を有する固形処理剤の場合、コア/シェル型顆粒のコア粒子成分としては、アンモニウム塩が選択され、特にチオ硫酸アンモニウム及び亜硫酸アンモニウムが好ましく選択される。
なお、上記した好ましい成分化合物は、これらのコア粒子の単一成分であってもよく、またコア粒子の主成分であってもよい。主成分とはコア粒子成分の50質量%以上を占めることを指している。
【0020】
[遮断層の成分化合物]
コア粒子に直接接するシェル層を[遮断層]ともいう。遮断層は顆粒を構成するシェル層のいずれかが選択されるが、シェル層の一つである限りいずれであってもよい。コア/シェル顆粒は選択された層と遮断層とで複数の同一組成層を有することになる。少なくとも遮断層を含む複数のシェル層が同一組成の層となる為、詳細な機構は不明であるが、顆粒の強度向上と経時の安定性向上が得られている。これらの効果は、同一組成の層を2層化することで形状が安定すること、多少の成分の拡散が生じても同じ成分である為、実質問題とならないことと考えている。遮断層として好ましいシェル層の成分は、コア粒子の成分に対して不活性である。ここで「不活性」とは字義上は「反応活性が乏しい」ことを意味するが、コア粒子が一般に解離性塩であることに基づけば、「不活性」とは「複分解しにくい」ことを指していると言うことができる。すなわちコア粒子の成分化合物と反応して構成陽イオン成分又は陰イオン成分がイオン交換して別の化合物に変化してしまう事態が起こらない化合物を指している。具体例を挙げるなら、図2に示した発色現像剤のアルカリ剤顆粒11の場合、遮断層51がなければ、炭酸カリウム層2がコア粒子1の成分である水酸化ナトリウムと複分解反応する結果、水酸化ナトリウムが別の塩となるためにコア粒子構造の中に粗な構造が生じ、甚だしい場合は空洞が生じる。
一方、図2の態様のように遮断層51があると遮断層51を構成するEDTA・2Naは水酸化ナトリウムと複分解することはないので、コア粒子の上記劣化は防止される。
【0021】
遮断層を構成する成分化合物として、特に好ましいのは、複分解しにくい化合物の中でも酸でない化合物及び酸であっても弱酸性化合物である。具体的には、アミノポリカルボン酸、ポリアルキレングリコール類とくにポリエチレングリコール類、水溶性ポリマー、水溶性シリコーン化合物、ゾルゲル変換性シラノール誘導体、架橋性ポリマー組成物R(OH)nで表されるアルコール類(Rは、炭素数が15以下のアルキル基、アリール基、アルケニル基、アラルキル基であり、各基は上記炭素数の範囲内でアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子を置換してもよく、nは1〜3である)、カルボン酸エステル類(とくにRCOOR’,R及びR’は前記Rと同義である)が好ましく、中でも水溶性ポリマー、水溶性シリコーン化合物、アミノポリカルボン酸、ポリアルキレングリコール類とくにポリエチレングリコール類が好ましく、その中でもポリエチレングリコール類が特に好ましい。これらがコア粒子の成分を保護する機構は、コア粒子の成分から水酸基抜き取り反応を起こしにくいことによるものと考えられる。
特に好ましい化合物として上記した化合物について、さらに説明する。
【0022】
遮断層として用いる水溶性ポリマーの種類に制限はなく、例えばゼラチン、ベクチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリビニールアルコール、変性ポリビニールアルコール、ポリビニールピロリドン、ポリビニールピロリドン・ビニールアセテート共重合体、ポリエチレングリコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸塩、キサンタンガム、アラビアガム、トラガントガム、カラヤガム、カラゲナン、メチルビニルエーテル・無水マレイン酸共重合体等の合成、半合成及び天然水溶性高分子物質から選ばれる1種又は2種以上を用いることができ、中でもポリエチレングリコール、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、アラビアガム、カラゲナンの1種又は2種以上を用いることが本発明においてより好ましい。
【0023】
遮断層用材料として、水溶性シリコーン化合物を用いる場合、水溶性シリコーン化合物として、水溶性又は水分散性のポリシロキサン化合物が選ばれる。好ましいポリシロキサン化合物は、特開2002−196456号公報の段落[0008]の一般式(I)に示された水溶性シリコーン化合物であり、より好ましくは同公報段落[0038]のアルキルシロキサン繰返しユニットから構成される水溶性シリコーン化合物であり、具体例としては同公報段落[0042]〜[0049]に挙げられた化合物I-1〜I-49である。
【0024】
遮断層用材料として好ましいアミノポリカルボン酸類としては、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸等を挙げることができる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることもある。
【0025】
特に好ましい遮断層用の成分化合物は、ポリアルキレングリコールである。好ましいポリアルキレングリコールは、平均分子量5000〜30000であるポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール・プロピレングリコールブロックコポリマー及びそれらの混合組成物である。また、その中でも臨界相対湿度が30〜90%、特に40〜90%のものが好ましい。
【0026】
遮断層の塗布量は、顆粒に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%が特により好ましい。水溶性ポリマーを設ける方法にも公知の方法を格別の制約なく用いることができるが、スプレーコートが簡易であって好ましい。また、後述する転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法又はコーティング造粒法を用いることもできる。
【0027】
遮断層の量は、シェル層として通常行われる量である限り格別の制約はないが、顆粒に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%が特に好ましい。遮断層を設ける方法にも公知の方法を格別の制約なく用いることができるが、後述する転動造粒法、攪拌造粒法、流動層造粒法又はコーティング造粒法を用いることが好ましい。中でも、コーティング造粒法によって、コア粒子表面に1〜50%濃度のポリマーを水を結合剤として塗設し、乾燥する方法が特に好ましい。
【0028】
同一組成の複数のシェル層のうち、コア粒子に接触しない(遮断層ではない)方のシェル層の量の範囲及び塗設方法については上記遮断層について延べたことが当てはまるが、遮断層と同じ量、厚み、塗設方法を用いる必要はない。
【0029】
[最外保護層]
本発明の一つの態様としては、コア/シェル型顆粒には最外層即ち保護層を設けて保護作用を強化することもできる。ただし、これに限定されるものではない。最外層用の構成成分化合物としては前述した遮断層用ポリマーのほかに、種々の界面活性剤も好ましい。例えば脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル酸エステル塩等のアニオン系界面活性剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン系界面活性剤が好ましい。また、アセチレン系ポリオキシエチレンオキシド界面活性剤であるSURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社)も好ましく用いられる。また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
【0030】
より好ましい界面活性剤としては、例えばドデシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩、ドデシルオキシスルホン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン性界面活性剤、セチルピリジニウムクロライド、トリメチルセチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤や、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0031】
また、N,N−ジメチル−N−アルキルアミンオキシドのようなアミンオキシド型の両性界面活性剤等も好ましい。更に、特開昭59−157,636号の第(37)〜(38)頁、リサーチ・ディスクロージャーNo.308119(1989年)記載の界面活性剤として挙げたものも使うことができる。
なかでも、特に上記した中の4級アンモニウム基を有する界面活性剤、スルホン基を有する界面活性剤及びノニオン系界面活性剤が好ましく使用される。
界面活性剤の含有量は、顆粒の全量に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%が特に好ましい。また、その顆粒表面への付与方法は、前記した他のシェル層を付与する方法と同じである。特にスプレーコートが好ましい。
【0032】
[顆粒]
本発明に係るコア/シェル構造の顆粒において、コア粒子とシェル層の比率は、格別の制約はなく、広い範囲にわたって適用できる。好ましいコア粒子/シェル層質量比は、5%〜90%であり、より好ましくは10%〜70%である。その上限及び下限は処理剤設計に応じて定めればよく、保存安定性には大きな影響はない。コア粒子とそれに接するシェル層(遮断層)については前記したが、ここで処理剤を構成する成分化合物をコア粒子とシェル層とに振り分ける分け方などについて更に説明する。
【0033】
公知の化学的知見にしたがって、構成原料成分を(1)吸湿性化合物単独、又は吸湿性化合物及びその化合物と混合可能な少量の他の成分との混合組成物と、(2)互いに混合してもよい一つまたは複数の他の成分からなる組成物群に別けて、(1)の単独成分又は組成物群をコア粒子に、(2)の単独成分又は混合組成物群を1層以上のシェル層に振り分けることである。
上記二つの必要性をともに満たすために原料を単独核(層)としたり、混合組成の核(層)とすることは、適宜行われる。
【0034】
コア/シェル構造の顆粒において、コア層に振り分けるのが適当な比較的吸湿性の高い成分は、多くは臨界相対湿度が70%RH以下の成分であり、例えば発色現像液用顆粒型処理剤の成分としては、アルカリ金属水酸化物、炭酸カリウム、硫酸ヒドロキシルアミン、亜硫酸カリウムなど、定着能を有する処理液用顆粒型処理剤の成分としては、チオ硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウムなどのアンモニウム塩が挙げられる。本発明において臨界相対湿度が70%RH以下のコア粒子のときには吸湿性が高いので、本発明の方法がより効果的である。また、実用的には、臨界相対湿度が50%RH以上のコア粒子が用いられる。 本発明において、コア粒子がアルカリ金属水酸化物を含有する場合、アルカリ金属水酸化物が苛性アルカリの中でも吸湿性が低い水酸化リチウムである場合に本発明の効果が顕著である。しかしながら、本発明のシェル構成とすることにより水酸化リチウムより低コストの水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを用いても顕著な輸送耐性と高湿保存耐性が得られる。
また、コア粒子がアルカリ金属水酸化物を含有し、シェル層が炭酸アルカリの場合、とくに炭酸アルカリシェルがコア粒子に接している場合に、顆粒の破損、劣化が生じ易く、このような場合に本発明に係る遮断層の塗設が顕著な効果を発揮する。
本発明において、コア粒子がチオ硫酸塩である場合、チオ硫酸塩がアンモニウム塩又はナトリウム塩である場合に効果が大きく、とくにアンモニウム塩である場合に本発明の効果が著しい。
【0035】
本発明のコア粒子とそれを被覆する層からなる顆粒の粒子構造は、一般にコア/シェル構造と呼ばれる構造であるが、シェル層は、複数の層の多重層であってもよい。その場合には、構成成分をさらに安定な群にふり分けて構成させることができる。本発明において、顆粒はコア粒子の表面が1層以上の被覆層で覆われているが、2〜10層被覆することが好ましく、2〜5層被覆することが更に好ましい。被覆層の組成は、有機酸(複数の被覆層からなるときは少なくともその1層に)と後述する他の処理剤構成成分によって構成されており、とくにアルカリ金属水酸化物やチオ硫酸塩を除いた処理剤構成成分からなることが好ましい。また、結着性、安定性、機械的強度などの諸観点から、処理剤構成成分以外に無機塩、水溶性ポリマー等の現像不活性物質を含有させることもできる。本発明において、シェルである被覆層の臨界相対湿度はコア粒子の臨界相対湿度よりも高いことが好ましい。被覆層の臨界相対湿度は70%RH以上であることがさらに好ましい。本発明において、被覆層の総質量がコア粒子の質量に対して0.5倍以上であることが好ましい。より好ましくは0.8倍以上であり、1.0倍以上であることが特に好ましい。
【0036】
本発明の好ましい固体処理剤の構成例としては、発色現像処理剤用の組成物では、前記図1に示したアルカリ剤含有顆粒11と発色現像主薬含有顆粒12を混合して構成した固形現像剤であり、漂白定着処理用の組成物としては、チオ硫酸アンモニウムとチオ硫酸ナトリウムの9:1(質量比)混合物を圧縮造粒したコア核に亜硫酸ナトリウム、非錯化キレート剤、ポリアルキレンポリアミン鉄(III)錯体、2塩基酸を順次シェル層として重層した構成であるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
本発明において、顆粒の形状は球状、円柱状、角柱状、不定形などの様々な形状に造粒できる。単一組成の顆粒の場合、造粒のし易さからは球状又は不定形が好ましい。また、コア/シェル構造の顆粒の場合、コア粒子はコア粒子上への多成分の被覆のし易さからは球状が好ましく、コア粒子の製造のし易さからは不定形が好ましく、いずれであっても好ましい。本発明において顆粒の平均粒径が0.1〜5mmであることが好ましく、0.2〜4mmであることが更に好ましく、0.3〜3mmであることが非常に好ましい。
【0038】
本発明において、単一組成の顆粒の造粒、コア/シェル構造の顆粒のコア粒子の造粒及びコア粒子上への被覆層を付設する造粒は、公知の各種造粒法によって行うことができる。それら本発明に適用できる各種造粒法は、造粒ハンドブック(日本粉体工業技術協会編)に記載されており、また例えば特開平4−221951号、同2−109043号公報などにも記載されている。その中でも好ましい方法として、下記に代表的造粒法を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0039】
(1)転動造粒法(造粒ハンドブック p133)
回転ドラムあるいは回転皿などの回転容器内において原料粉体を転動(ころがし)させながら液(バインダー)を散布し、界面エネルギーを原動力に雪だるま式に凝集を進めて造粒する方法。
(2)圧縮型造粒法(造粒ハンドブック p199)
回転する2つのロール間で、粉体原料を圧縮し成形する操作によってロール表面にブリケットのポケットが刻まれた成形造粒を行うブリケッティングと称する方法及び表面平滑型で板状のフレークに成形し、その後このフレークを解砕するコンパクティングと称する方法。
(3)攪拌造粒法(造粒ハンドブック p379)
容器内に設けられた攪拌翼などを用い強制的に原料粉体に流動運動を与え、液を噴霧しつつ凝集造粒を行う方法。
【0040】
(4)押し出し造粒法(造粒ハンドブック p169)
原材料をダイやスクリーンの細孔から押し出して造粒する方法。押し出す機構にはスクリュー型、ロール型、ブレード型、自己成形型、ラム型などが用いられる。
(5)破砕型造粒法(造粒ハンドブック p349)
乾式法と湿式法がある。乾式法は前述の圧縮造粒法で得られたブリケットやコンパクトフレークなどを破砕して顆粒を得る方法。湿式法はあらかじめ粉体材料を加湿し、こねたものを破砕造粒する操作で、いずれの場合もハンマーによる衝撃、カッターなどによるせん断、凹凸歯型ロールや波型ロールなどを用いて圧縮破砕細分するものである。
(6)流動層造粒法(造粒ハンドブック p283)
下から吹き上げる流体中に粉体を浮遊懸濁させた状態に保ちながら、結合剤を噴霧して造粒する方法。この操作は流動化法という単位操作に属するが、これに転動、攪拌作用を併用させた流動層多機能型造粒機もある。
【0041】
(7)コーティング造粒法(造粒ハンドブック p409)
核に被覆物質やバインダーの溶液を噴霧した核表面に小粒子を付着させる造粒方法。回転ドラムで転動するパンコーティング、回転円板で転動する転動コーティング、空気流による流動層を形成する流動層コーティング、ローターの回転による遠心力とスリットエアーにより遊星運動をおこす遠心流動型コーティング等の種類がある。
(8)溶融造粒法(造粒ハンドブック p227)
溶融状態にある物質を噴射または板上滴下などにより細分化あるいはフレーク状にして、冷却凝固する方法。
(9)噴霧乾燥造粒法(造粒ハンドブック p249)
乾燥塔内の熱風気流中において、溶液、ペースト、懸濁液などを噴霧微粒化し、同時に水分を蒸発させて乾燥粒子とする造粒方法。
【0042】
(10)液相造粒法(造粒ハンドブック p439)
マイクロカプセルの製造方法として知られているカプセル造粒方法。界面重合法、液中硬化被膜法、エマルション法、内包物交換法、スプレードライング法等がある。
(11)真空凍結造粒法(造粒ハンドブック p469)
常温では粒形を維持できない湿潤材料を用い、凍結(冷却固化)状態を利用して粒状物をつくる方法。
【0043】
本発明では、コア粒子の造粒は圧縮造粒法で行うことが好ましい。また、コア粒子上への被覆はコーティング造粒法で行うことが好ましい。フレーク状に圧縮成形し、このフレークを破砕してコンパクティングする造粒法が、本発明の効果を有効に発揮できて、特に好ましい。
【0044】
本発明に使用される顆粒型処理剤の容器は、袋、ボトルなどの形態であり、その包装材質は、紙、プラスチック、金属等いかなる材質でも用いることができる。環境への負荷の観点から、紙やプラスチックフィルムで作られた袋状やボトル状容器が好ましい。また、各種の安定性の観点からはバリア性の包材が好ましい。特に酸素透過性が200 mL/m2・24hrs ・ハ゜スカル以下のプラスチック材料が好ましい。尚、酸素透過係数は「O2 パーミエイション オブ プラスチック コンティナー、モダーンパッキング(O2 permiation of plastic container, Modern Packing; N.J. Calyan, 1968)の12月号第143〜145頁に記載の方法により測定することができる。好ましいプラスチック材料としては、具体的には塩化ビニリデン(PVDC)、ナイロン(NY)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PES)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVAL)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等を挙げることができる。本発明では、酸素透過性を低減する目的で、PVDC、NY、PE、EVA、EVAL及びPETの使用が好ましい。
【0045】
顆粒型処理剤の具体的な包装形態としては、フィルム状、袋状あるいはボトル状に成形して使用される。バリア性フィルムで包装した固形写真処理剤とする場合、処理剤を湿気から保護するために、膜厚が10〜150μmのフィルムが好ましく、バリア包装材がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を持ち得るクラフト紙、蝋紙、耐湿性セロファン、グラシン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデン−マレイン酸共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金属化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つ又はこれらを用いた複合材料が好ましく用いられる。
【0046】
例えば(a)ポリエチレンテレフタレート/低密度ポリエチレン、(b)塩化ビニリデン−マレイン酸共重合体コートセロハン/低密度ポリエチレン、(c)ポリエチレンテレフタレート/塩化ビニリデン−マレイン酸共重合体/低密度ポリエチレン、(d)ナイロン/低密度ポリエチレン、(e)低密度ポリエチレン/塩化ビニリデン−マレイン酸共重合体/低密度ポリエチレン、(f)ナイロン/エパール/低密度ポリエチレン、(g)ポリエチレンテレフタレート/エパール/低密度ポリエチレン、(h)アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート等の複合材料よりなるハイバリア(高遮断)性フィルム包装材は水・ガス・光等の高遮断性、堅ろう性、フレキシブル性シール(加工)性等からしても特に好ましく用いられる。これ等ハイバリア性包材については機能性包装材料の新展開(東レリサーチセンター、1990年2月)等に記載されるものが使用できる。
【0047】
また、特開昭63-17453に開示された低酸素透過性及び低水蒸気透過性の容器、特開平4-19655 、同4-230748開示された真空包装材料も好ましい容器材料として用いることが出来る。
【0048】
本発明の顆粒型処理剤は、一つの態様として、容器ごと自動現像機に装着して現像処理に供することも可能であり、その場合に好ましい容器の例は、密度が0.941〜0.969でメルトインデックスが0.3〜5.0g/10minの範囲の高密度ポリエチレン(以後HDPEと呼ぶ)を単一の構成樹脂として作られた容器である。より好ましい密度は0.951〜0.969であり、さらに好ましくは0.955〜0.965である。また、より好ましいメルトインデックスは0.3〜5.0であり、さらに好ましくは0.3〜4.0である。メルトインデックスは、ASTMD1238に規定された方法に従い、温度190°Cにおいて荷重2.16kgのもとで測定した値である。この容器は 500〜1500μmの厚さにすることが好ましい。しかし、本発明に用いる処理剤容器は、現像機装着に好都合な上記HDPE容器に限定されず、そのほかの、例えばポリエチレンテレフタレート(PET),ポリ塩化ビニル(PVC),低密度ポリエチレン(LDPE)などHDPE以外の凡用容器材料や、HDPEであっても上記の密度とメルトインデックスの範囲以外のものから作られた容器も用いることができる。
【0049】
[処理工程]
次に、本発明の処理剤を用いる処理工程について述べる。本発明が適用される現像処理は、カラー現像工程、脱銀工程、水洗又は安定浴工程及び乾燥工程からなり、各工程間にはリンス工程、中間水洗工程、中和工程などの補助的な工程を挿入することもできる。脱銀工程は漂白定着液によって行われる。また、水洗工程に代わる水洗代替安定浴のほかに画像安定化を目的とする画像安定浴を水洗又は安定浴工程と乾燥工程の間に設けることもできる。黒白写真感光材料の場合は、現像工程、定着工程、水洗工程及び乾燥工程からなり、各工程間にはリンスを含む中間水洗工程、中和工程などの補助的な工程を挿入することもできる。本発明における処理方法は、迅速現像型、低補充型及び国際的に互換性のある標準型の処理方法のいずれでもよい。
【0050】
カラー現像工程は、感光材料を現像液に浸漬する浸浴処理工程であり、現像液は構成成分を溶解状態で含んだアルカリ性の連続相の液体である。現像槽には現像液が、補充槽には現像補充液がそれぞれ調製されて用いられる。
【0051】
[写真処理液]
本発明の固形処理組成物から調製される漂白定着液や漂白定着補充液を含めて写真処理に用いられる写真処理液について説明を加えておく。
【0052】
写真処理液にはカラー処理液、黒白処理液、製版作業に伴う減力液、現像処理タンク洗浄液などがあり、黒白現像液、カラー現像液、定着液、漂白液、漂白定着液、画像安定化液などが挙げられる。
【0053】
カラー現像液は、通常、芳香族第一級アミンカラー現像主薬を主成分として含有する。それは主にp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例はN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニリンである。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩である。該芳香族第一級アミン現像主薬の含有量は現像液1リットル当り約0.5g〜約10gの範囲である。
【0054】
また黒白現像液(カラー反転処理の第1現像)中には、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p−アミノフェノール及びその硫酸塩、ヒドロキノン及びそのスルホン酸塩などが含まれている。
【0055】
カラー及び黒白現像液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物を含有するのが普通で、これらの含有量は現像液1リットル当たりカラー現像液では5g以下、多くは3g以下(無添加も含む)、黒白現像液では0g〜50gである。
【0056】
カラー現像液中には、保恒剤として種々のヒドロキシルアミン類を含んでいる。ヒドロキシルアミン類は置換又は無置換いずれも用いられる。置換体としてはヒドロキシアルミン類の窒素原子が低級アルキル基によって置換されているもの、とくに2個のアルキル基(例えば炭素数1〜3)によって置換されたN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン類が挙げられる。またN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミンとトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの組合せも用いられる。ヒドロキシルアミン類の含有量は現像液1リットル当り0〜5gである。
【0057】
カラー及び黒白現像液は、pH9〜12である。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤が用いられる。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシン塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性やpH9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であるといった利点を有し、これらの緩衝剤が多く用いられる。該緩衝剤の現像液への添加量は通常現像液1リットル当たり0.1モル〜1モルである。
【0058】
その他、現像液中にはカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤として、或いは現像液の安定性向上のために各種キレート剤が添加される。その代表例としてニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ−N,N,N−トリメリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等を挙げることができる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることもある。
【0059】
現像液は、各種の現像促進剤を含有する。現像促進剤としては、チオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、チオン型化合物、イミダゾール類等である。
【0060】
多くのカラーペーパー用カラー現像液は、上記のカラー現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩、炭酸塩、硬水軟化剤などと共にアルキレングリコール類やベンジルアルコール類を含んでいる。一方カラーネガ用現像液、カラーポジ用現像液、一部のカラーペーパー用現像液は、これらのアルコール類を含んでいない。
【0061】
また、現像液中には、カブリ防止の目的で、臭素イオンを含有することが多いが、塩化銀を主体とする感光材料に対しては臭素イオンを含まない現像液を用いることもある。その他、無機カブリ防止剤としてNaClやKClなどの塩素イオンを与える化合物を含有していることがある。また各種有機カブリ防止剤を含有していていることも多い。有機カブリ防止剤としては、例えば、アデニン類、ベンズイミダゾール類、ベンズトリアゾール類及びテトラゾール類を含有していてせよい。これらのカブリ防止剤の含有量は現像液1リットル当り0.010g〜2gである。これらのカブリ防止剤は処理中に感光材料中から溶出し、現像液中に蓄積するものも含まれる。特に本発明において上記したような臭素イオンや塩素イオン等の総ハロゲンイオン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上であるような廃液においても有効に処理することができる。特に臭素イオン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上の場合に有効である。
【0062】
また、現像液中には、アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を含有している。
【0063】
本発明に係る処理では現像処理の後に漂白定着処理が行なわれる。漂白定着液用の漂白剤について説明する。
漂白定着液において用いられる漂白剤としては、公知の漂白剤も用いることができるが、特に鉄(III) の有機錯塩(例えばアミノポリカルボン酸類の錯塩)もしくはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などの有機酸、過硫酸塩、過酸化水素などが好ましい。
【0064】
これらのうち、鉄(III) の有機錯塩は迅速処理と環境汚染防止の観点から特に好ましい。鉄(III) の有機錯塩を形成するために有用なアミノポリカルボン酸、またはそれらの塩を挙げると、生分解性のあるエチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、ベ−ターアラニンジ酢酸、メチルイミノジ酢酸をはじめ、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、プロピレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、シクロヘキサンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、などを挙げることができる。これらの化合物はナトリウム、カリウム、チリウム又はアンモニウム塩のいずれでもよい。これらの化合物の中で、エチレンジアミンジ琥珀酸(SS体)、N−(2−カルボキシラートエチル)−L−アスパラギン酸、βーアラニンジ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、メチルイミノ二酢酸はその鉄(III)錯塩が写真性の良好なことから好ましい。これらの第2鉄イオン錯塩は錯塩の形で使用してもよいし、第2鉄塩、例えば硫酸第2鉄、塩化第2鉄、硝酸第2鉄、硫酸第2鉄アンモニウム、燐酸第2鉄などとアミノポリカルボン酸などのキレート剤とを用いて溶液中で第2鉄イオン錯塩を形成させてもよい。また、キレート剤を第2鉄イオン錯塩を形成する以上に過剰に用いてもよい。鉄錯体のなかでもアミノポリカルボン酸鉄錯体が好ましい。
【0065】
漂白剤の添加量は、調製した処理液の濃度が0.01〜1.0モル/リットル、好ましくは0.03〜0.80モル/リットル、更に好ましくは0.05〜0.70モル/リットル、更に好ましくは0.07〜0.50モル/リットルとなるように定められる。固形漂白定着組成物は、上記漂白剤濃度の漂白定着液又は漂白定着補充液が得られるように設計されている。
【0066】
漂白定着液には、種々の公知の有機酸(例えばグリコール酸、琥珀酸、マレイン酸、マロン酸、クエン酸、スルホ琥珀酸など)、有機塩基(例えばイミダゾール、ジメチルイミダゾールなど)あるいは、2−ピコリン酸を始めとする特開平9−211819号公報に記載の一般式(A−a)で表される化合物やコージ酸を始めとする同公報に記載の一般式(B−b)で表される化合物を含有することが好ましい。これら化合物の添加量は、調製した処理液の濃度が1リットル当たり0.005〜3.0モルが好ましく、さらに好ましくは0.05〜1.5モルとなるように定められる。いうまでもなく固形漂白定着組成物は、上記濃度の漂白定着液又は漂白定着補充液が得られるように設計されている。
【0067】
本発明に係る固形漂白定着組成物は、定着剤としてはチオ硫酸塩を必ずしも含有する必要はなく、むしろチオ硫酸塩を含有しなければ、漂白定着液中に濁りや沈澱の生成が軽減されて好都合でもある。
漂白定着剤に一般式(I)以外の定着剤を使用する場合には、定着剤としては、公知の定着薬品、即ちチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウムなどのチオ硫酸塩、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウムなどのチオシアン酸塩、エチレンビスチオグリコール酸、3,6−ジチア−1,8−オクタンジオールなどのチオエーテル化合物およびチオ尿素類などの水溶性のハロゲン化銀溶解剤であり、これらを1種あるいは2種以上混合して使用することができる。また、特開昭55−155354号公報に記載された定着剤と多量の沃化カリウムの如きハロゲン化物などの組み合わせからなる特殊な漂白定着液等も用いることができる。本発明においては、チオ硫酸塩特にチオ硫酸アンモニウム塩の使用が好ましい。錠剤又は顆粒型処理剤から調製した定着液及び漂白定着液中の定着薬品の濃度は、調合液1リットルあたり0.3〜3モルが好ましく、更に好ましくは0.5〜2.0モルの範囲である。固形漂白定着組成物は、上記濃度の漂白定着液又は漂白定着補充液が得られるように設計されている。
【0068】
本発明の漂白定着剤の溶解時pH領域は、3〜8が好ましく、更には4〜8が特に好ましい。pHがこれより低いと脱銀性は向上するが、液の劣化及びシアン色素のロイコ化が促進される。逆にpHがこれより高いと脱銀が遅れ、かつステインが発生し易くなる。本発明の顆粒剤から作られる漂白液のpH領域は8以下であり、2〜7が好ましく、2〜6が特に好ましい。pHがこれより低いと液の劣化及びシアン色素のロイコ化が促進され、逆にpHがこれより高いと脱銀が遅れ、ステインが発生し易くなる。pHを調整するためには、必要に応じて前記した固体状の酸、及び前記した固体アルカリである水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム及び酸性又はアルカリ性緩衝剤等を添加することができる。
【0069】
また、漂白定着剤には、その他各種の蛍光増白剤や消泡剤或いは界面活性剤、ポリビニルピロリドン等を含有させることができる。なお、蛍光増白剤は、前記したカラー現像剤に調製した現像液中の濃度が0.02〜1.0 モル/リットルになるように含ませることもできる。漂白定着剤や定着剤は、保恒剤として亜硫酸塩(例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アンモニウム、など)、重亜硫酸塩(例えば、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、など)、メタ重亜硫酸塩(例えば、メタ重亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸アンモニウム、など)等の亜硫酸イオン放出化合物や、p−トルエンスルフィン酸、m−カルボキシベンゼンスルフィン酸などのアリ−ルスルフィン酸などを含有するのが好ましい。これらの化合物は亜硫酸イオンやスルフィン酸イオンに換算して約0.02〜1.0 モル/リットル含有させることが好ましい。
【0070】
保恒剤としては、上記のほか、アスコルビン酸やカルボニル重亜硫酸付加物、あるいはカルボニル化合物等を添加しても良い。
【0071】
漂白定着を終了したのち水洗代替安定浴や画像安定化用安定浴が用いられることが多いが、これらの浴は、低濃度であって顆粒型の処理剤の効用は大きくはないが、必要があれば顆粒化処理剤を製造することができる。安定浴処理剤には、特開昭62−288838号公報に記載のカルシウム、マグネシウムを低減させる方法を極めて有効に用いることができる。また、特開昭57−8542号公報に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、同61−120145号公報に記載の塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、特開昭61−267761号公報に記載のベンゾトリアゾール、銅イオン、その他堀口博著「防菌防黴の化学」(1986年)三共出版、衛生技術会編、「微生物の減菌、殺菌、防黴技術」(1982年)工業技術会、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」(1986年)に記載の殺菌剤を用いることもできる。
【0072】
更に、水切り剤として界面活性剤や、硬水軟化剤としてEDTAに代表されるキレート剤を用いることもできる。
【0073】
[適用される感光材料]
つぎに、本発明に用いる感光材料について説明する。本発明に用いる感光材料は、発明の目的と背景に関連して前記したように写真市場で汎用されている撮影用カラー写真感光材料、カラー印画紙、撮影用黒白感光材料及び黒白印画紙であり、この感光材料は支持体上に少なくとも1層の感光性層が設けられている。典型的な例としては、支持体上に、実質的に感色性は同じであるが感光度の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光材料である。
【0074】
撮影用の多層ハロゲン化銀カラー写真感光材料においては、感光性層は青色光、緑色光、および赤色光の何れかに感色性を有する単位感光性層であり、一般に単位感光性層の配列が、支持体側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置される。しかし、目的に応じて上記設置順が逆であっても、また同一感色性層中に異なる感光性層が挟まれたような設置順をもとり得る。上記のハロゲン化銀感光性層の間および最上層、最下層には非感光性層を設けてもよい。これらには、後述のカプラー、DIR化合物、混色防止剤等が含まれていてもよい。各単位感光性層を構成する複数のハロゲン化銀乳剤層は、DE 1,121,470あるいはGB 923,045に記載されているように高感度乳剤層、低感度乳剤層の2層を、支持体に向かって順次感光度が低くなる様に配列するのが好ましい。また、特開昭57-112751 号、同62- 200350号、同62-206541 号、62-206543 号公報に記載されているように支持体より離れた側に低感度乳剤層、支持体に近い側に高感度乳剤層を設置してもよい。
【0075】
また特公昭49-15495に記載されているように上層を最も感光度の高いハロゲン化銀乳剤層、中層をそれよりも低い感光度のハロゲン化銀乳剤層、下層を中層よりも更に感光度の低いハロゲン化銀乳剤層を配置し、支持体に向かって感光度が順次低められた感光度の異なる3層から構成される配列が挙げられる。このような感光度の異なる3層から構成される場合でも、特開昭59-202464 に記載されているように、同一感色性層中において支持体より離れた側から中感度乳剤層/高感度乳剤層/低感度乳剤層の順に配置されてもよい。
【0076】
色再現性を改良するために、US 4,663,271、同 4,705,744、同 4,707,436、特開昭62-160448 、同63- 89850 の明細書に記載の、BL,GL,RLなどの主感光層と分光感度分布が異なる重層効果のドナー層(CL) を主感光層に隣接もしくは近接して配置することが好ましい。
【0077】
プリント用の感光材料は、一般に反射支持体を使用し、支持体から遠い側から順に赤感色性層、緑感色性層、青感色性の順に設置されることが多い。ハロゲン化銀乳剤としては塩化銀、高塩化銀の塩臭化銀粒子の立方晶乳剤が用いられる。
【0078】
本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RDと略す)No.17643 (1978年12月), 22 〜23頁, “I. 乳剤製造(Emulsion preparation and types)”、および同No.18716 (1979年11月),648頁、同No.307105(1989年11月),863 〜865 頁、およびグラフキデ著「写真の物理と化学」,ポールモンテル社刊(P.Glafkides, Chimie et Phisique Photographiques, Paul Montel, 1967) 、ダフィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.F. Duffin, Photographic Emulsion Chemistry,Focal Press, 1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と塗布」、フォーカルプレス社刊(V. L. Zelikman, et al., Making and Coating Photographic Emulsion, Focal Press,1964)などに記載された方法を用いて調製することができる。US 3,574,628、同 3,655,394およびGB 1,413,748に記載された単分散乳剤も好ましい。
カラー感光材料に使用できる写真用添加剤もRDに記載されており、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0079】
添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD3071051
化学増感剤 23頁 648 頁右欄 866頁
感度上昇剤 648 頁右欄
分光増感剤、 23〜24頁 648 頁右欄 866 〜868 頁
強色増感剤 〜649 頁右欄
増 白 剤 24頁 647 頁右欄 868頁
光吸収剤、 25 〜26頁 649 頁右欄 873頁
フィルター、染料、 〜650 頁左欄
紫外線吸収剤
バインダー 26頁 651 頁左欄 873 〜874 頁
可塑剤、 27頁 650 頁右欄 876頁
潤滑剤
塗布助剤、 26 〜27頁 650 頁右欄 875 〜876 頁
表面活性剤
スタチツク防止剤 27頁 650 頁右欄 876 〜877 頁
マツト剤 878 〜879 頁。
【0080】
つぎに、本発明の固形処理剤を用いた現像処理によりプリントを作製するためのプリンターは、汎用のプリンターが用いられるが、通常のネガプリンターを用いたプリントシステムに使用される以外に、陰極線(CRT)を用いた走査露光方式にも適している。陰極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、筒便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発光体が用いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青色発光体のいずれか1種、あるいは2種以上が混合されて用いられる。スペクトル領域は、上記の赤、緑、青に限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光する蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合して白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。
【0081】
感光材料が異なる分光感度分布を有する複数の感光性層を持ち、陰極線管も複数のスペクトル領域の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一度に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力して管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順次入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色をカットするフィルムを通して露光する方法(面順次露光)を採っても良く、一般には、面順次露光の方が、高解像度の陰極線管を用いることができるため、高画質化のためには好ましい。
【0082】
本発明に用いる感光材料は、ガスレーザー、発光ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式に好ましく使用される。システムをコンパクトで、安価なものにするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用することが好ましい。
【0083】
このような走査露光光源を使用する場合、本発明の感光材料の分光感度極大波長は、使用する走査露光用光源の波長により任意に設定することができる。半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるいは半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られるSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできるので、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の分光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持たせることが可能である。このような走査露光における露光時間は、画素密度を400dpiとした場合の画素サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光時間としては10-4秒以下、更に好ましくは10-6秒以下である。本発明に係わる処理を行った感光材料の無許可の複写を防止する目的で、感光材料にマイクロドットのパターンの潜像を与えることもできる。この方法については特開平9−226227号公報に記載されている。
【0084】
本発明に適用できる好ましい走査露光方式については、前記の表に掲示した特許に詳しく記載されている。また本発明の感光材料を処理するには、特開平2−207250号公報の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄9行目、及び特開平4−97355号公報の第5頁左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や処理方法が好ましく適用できる。
【実施例1】
【0085】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲をなんら限定するものではない。
下記に示すカラー現像剤の構成成分を用い、下記方法にて顆粒型固形処理剤を作成した。

<カラー現像剤を構成する成分化合物>成分A 水酸化ナトリウム(直径1mmの球形顆粒) 780g
成分B 炭酸カリウム 1600g
成分C 亜硫酸ナトリウム 10g
成分D p−トルエンスルホン酸ナトリウム 900g
成分E トリアジニルジアミンスチルベン系蛍光増白剤 570g
(昭和化学(株)製ハッコールFWA−SF)
成分F エチレンジアミン四酢酸第二ナトリウム 320g
成分G ジナトリウムーN,N−ビス(スルホナートエチル)
ヒドロキシルアミン 800g
成分H 4,5−ジヒドロキシベンゼンー1,2−ジスルホン酸
二ナトリウム 20g
成分I N−メチルーN(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−
4−アミノ−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 1000g
【0086】
造粒物1a:
成分B〜Hを市販のハンマーミルを用いて、平均粒径20μm以下になるまでそれぞれ粉砕した。粉砕した成分C,D及びG,Hを充分混合した。次に成分Aの球形顆粒をコア粒子とし、遠心流動型コーティング造粒機にて結合剤として水を噴霧しながらコア粒子表面上に成分Bを被覆した。次に、同様にして成分Bの被覆層の表面上に成分C,Dを被覆した。次に、同様にして成分C,Dの被覆層の表面上に成分Eを被覆した。次に、同様にして成分Eの被覆層の表面上に成分Fを被覆した。次に、同様にして成分Fの被覆層の表面上に成分G,Hを被覆した。乾燥し、平均粒径2mmのコア/シェル型球形顆粒を得た。
水:エタノール=1:1の溶液にPEG6000(市販品)を濃度10質量%となる量を添加した溶液を作成した。コーティング装置ハイコーターを用い、上記PEG6000溶液を上記コア/シェル型球形顆粒の表面にスプレーコーティングした後、乾燥した。コーティング量は造粒物に対して3.0質量%ととした。これを造粒物1aとした。
【0087】
造粒物2a:
上記1aに対し、成分Aの水酸化ナトリウムを水酸化リチウムに等モル置き換えた以外、同じ操作で造粒物2aを得た。
【0088】
造粒物3a:
上記2aに対し、成分Aと成分Bに移る操作の前に、成分Fのエチレンジアミン四酢酸第二ナトリウムを追加した以外、同じ操作で造粒物3aを得た。追加量は成分Aのコア粒子に対して5.0質量%ととした。
【0089】
造粒物4a:
上記2aに対し、成分Aから成分Bの被覆の前に次の操作を加えた以外、同じ操作で造粒物4aを得た。
コーティング装置ハイコーターを用い、上記PEG6000溶液を上記成分Aのコア粒子の表面にスプレーコーティングした後、乾燥した。コーティング量は成分Aのコア粒子に対して5.0質量%ととした。
【0090】
造粒物5a:
上記2aに対し、成分Aから成分Bの被覆の前に次の操作を加えた以外、同じ操作で造粒物5aを得た。
水:エタノール=1:1の溶液に成分Fのエチレンジアミン四酢酸第二ナトリウムを濃度10質量%となる量を添加した溶液を作成した。コーティング装置ハイコーターを用い、上記エチレンジアミン四酢酸第二ナトリウム溶液を上記成分Aのコア粒子の表面にスプレーコーティングした後、乾燥した。コーティング量は成分Aのコア粒子に対して5.0質量%ととした。
【0091】
造粒物6a:
上記5aに対し、成分Aを次の操作を行ったものを使用した以外、同じ操作で造粒物6aを得た。
【0092】
回転する2つのロール間で、成分Aを圧縮し板状のフレークを成形し、このフレークを解砕し、篩い操作で平均粒径1mmの成分Aのコア粒子を得た。
【0093】
造粒物1b:
成分Iを市販のハンマーミルを用いて、平均粒径20μm以下になるまで粉砕し、粉砕した成分Iを攪拌造粒機にて結合剤として水を噴霧しながら、平均粒径2mmの球形顆粒に造粒し、乾燥し、造粒物1bとした。
【0094】
<試験方法及び試験結果>
過酷な輸送条件に対応させた輸送耐性試験法として以下の試験を行った。
上記造粒物1a〜8aを、それぞれポリエチレンボトルに1kg、温度30℃、相対湿度80%の環境下で収納した。その後、密栓し、XYZの3方向で、振幅20mm、各60分振動させた。振動後、容器から造粒物を全量取り出し、升目1mmの篩いで造粒物を区分し、それぞれ得られた顆粒の質量を測定し、粉発生率を下記算出式にて評価した。
(粉発生率)=(1mm以下の顆粒質量)/(全顆粒の質量)×100
上記結果を表1に示す。
【0095】
【表1】

【0096】
本発明の態様である発色現像剤用の固体組成物試料3a〜6aは、いずれも顆粒の破損が生じないか、あっても軽度であり、発明の目的が達せられることが示された。
【実施例2】
【0097】
下記に示す漂白定着剤の構成原料成分を用い、下記方法にて顆粒型固形処理剤を作成した。
<漂白定着剤を構成する成分化合物>
成分A チオ硫酸アンモニウムとチオ硫酸ナトリウムの混合物(質量比で9:1) 2000g
成分B 亜硫酸ナトリウム 1100g
成分C エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 50g
成分D エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム 1200g
成分E エチレンジアミン四酢酸二ナトリウ 50g
成分F コハク酸 600g
【0098】
造粒物1c:
成分Aを圧縮式造粒機(ローラーコンパクター)にて平均粒径1.6mmの不定形の造粒物を作成した。次に、成分B〜Fを市販のハンマーミルを用いて、平均粒径20μm以下になるまでそれぞれ粉砕した。次に成分Aの造粒物をコア粒子とし、遠心流動型コーティング造粒機にて結合剤として水を噴霧しながらコア粒子表面上に成分Bを被覆した。次に、同様にして成分Bの被覆層の表面上に成分Cを被覆した。次に、同様にして成分Cの被覆層の表面上に成分Dを被覆した。次に、同様にして成分Dの被覆層の表面上に成分Eを被覆した。次に、同様にして成分Eの被覆層の表面上に成分Fを被覆した。乾燥し、平均粒径2mmのコア/シェル型球形顆粒が得られた。
水:エタノール=1:1の溶液にPEG6000(市販品)を濃度10質量%となる量を添加した溶液を作成した。コーティング装置ハイコーターを用い、上記PEG6000溶液を上記コア/シェル型球形顆粒の表面にスプレーコーティングした後、乾燥し、造粒物1cとした。コーティング量は造粒物に対して3.0質量%ととした。
【0099】
造粒物2c:
上記2cに対し、成分Aから成分Bの被覆の前に次の操作を加えた以外、同じ操作で造粒物2cを得た。
コーティング装置ハイコーターを用い、上記PEG6000溶液を上記成分Aのコア粒子の表面にスプレーコーティングした後、乾燥した。コーティング量は成分Aのコア粒子に対して5.0質量%ととした。
【0100】
<試験方法及び試験結果>
上記造粒物1cと2cを、実施例1と同じ操作で粉発生率を評価した。結果を表2に示す。
【0101】
【表2】

【0102】
本発明の態様である発色現像剤用の固体組成物試料2cは、いずれも顆粒の破損が生じないか、あっても軽度であり、発明の目的が達せられることが示された。
【実施例3】
【0103】
(1)カラーペーパー試料の作製
原紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆してなる支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層を設け、さらに第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設して、ハロゲン化銀カラー写真感光材料の試料(101)を作製した。各写真構成用の塗布液の調製及び塗布方法は、特開2004−53921号の実施例3の試料と同じ調製方法と塗布方法に従った。
【0104】
(2)カラーペーパーへの露光及び処理条件
市販のカラーネガフィルムであるフジカラー Venus800(富士写真フイルム(株)製、商品名)で、屋外晴天の中景に人物を撮影し、処理機として富士写真フイルム(株)製自動現像機FP−363SC、カラーネガフイルム処理処方CN−16Sとその処理剤(いずれも富士写真フイルム(株)製、商品名)を用いて現像処理を行った。
富士写真フイルム(株)製ミニラボプリンタプロセサー フロンティア340Eを用いて、現像処理されたカラーネガフイルムの画像情報を読み取り、レーザー露光ユニットで試料101に露光を施し、以下に示す処理工程及び処理液でランニング処理(現像液の累積補充量が、そのタンク容量の3倍になるまで)を行った。
尚、フロンティア340Eは、下記処理工程で処理できるようにタンクとラックを改造し、顆粒補充剤を直接処理タンクに添加するロータリーフィーダー方式の補充装置を増設し、水を処理タンクに添加する補充装置を増設する改造を行った。
補充剤は、実施例1に記した振動試験を行った顆粒処理剤を試験環境下に1週間保管したものを用い、表3に示す組合せで各々のランニングテストを実施した。
【0105】
処理工程 温 度 時 間 補充液*
(顆粒剤) 水
カラー現像 43℃ 15秒 4.5g 40ml
漂白定着 43℃ 15秒 8g 28ml
リンス 1 43℃ 5秒 −
リンス 2 43℃ 3秒 −
リンス 3 43℃ 3秒 −
リンス 4 43℃ 5秒 − 150ml
乾 燥 80℃ 10秒
* 補充量は感光材料1m 2 あたりの量で表す。
** 水洗過程は4タンクで 4から 1への向流方式とした。
*** 廃液は、各工程からのオーバフロー液を 一つのタンクに纏めて貯留させた。
【0106】
各処理液の組成は以下の通りである。
【0107】
[カラー現像液]
陽イオン交換水 800ml
エチレンジアミン四酢酸塩 2.5g
塩化カリウム 18.0g
臭化カリウム 0.03g
亜硫酸ナトリウム 0.1g
蛍光増白剤 Hakkol FWA-SF(昭和化学(株)製) 12.0g
p−トルエンスルホン酸ナトリウム 12.0g
炭酸カリウム 33.0g
ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)
ヒドロキシルアミン 7.6g
N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル
−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 6.6g
水を加えて 1000ml
pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸で調整) 10.20
【0108】
[漂白定着液]
水 600ml
チオ硫酸アンモニウム(75%) 110ml
亜硫酸アンモニウム 40.0g
エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 50.0g
エチレンジアミン四酢酸 5.0g
コハク酸 20.0g
水を加えて 1000ml
pH(25℃:硝酸及びアンモニア水で調整) 6.0
【0109】
[リンス液]
塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g
脱イオン水(導電率 5μs/cm以下) 1000ml
pH 6.5
【0110】
(3)試験結果
ランニングテストの間、日常作業の始業時と終業時にコントロールストリップスを処理し、LD値(感度)を測定して処理変動を評価した。結果を表3に示す。
【0111】
【表3】

【0112】
本発明の態様であるランニングテストでは、LD値の変動が顕著に減少しており、処理安定性が良好であるという結果が得られた。
なお、振動試験を行った顆粒処理剤を試験環境下に5週間保管したものを用いて上記試験を繰り返したところ、実質的に表3と同じ結果が得られた。すなわち過酷輸送条件に見合う振動試験後の顆粒型処理剤は高湿度のもとでも劣化の進行は認められなかった。
【図面の簡単な説明】
【0113】
【図1】汎用の顆粒型固体処理剤の典型的構成を示す模式図である。
【図2】図1の汎用例に本発明を適用した顆粒型固体処理剤の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0114】
1. 水酸化ナトリウム層
2. 炭酸カリウム層
3. p−トルエンスルホン酸ナトリウム・亜硫酸ナトリウム混合層
4. 蛍光増白剤層
5. EDTA・2Na層
6. ヒドロキシルアミン誘導体層
7. 発色現像主薬含有顆粒
11. アルカリ剤含有顆粒
12. 発色現像主薬含有顆粒
51. EDTA・2Na層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア粒子と該コア粒子を覆う複数のシェル層から構成されるコア/シェル型の固体処理剤であって、該複数のシェル層の少なくとも2層は同一組成を有していてかつその1層は該コア粒子と直接接するように配されていることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
【請求項2】
前記コア粒子と直接接するシェル層の構成成分が該コア粒子の構成成分に対して不活性な成分であることを特徴とする請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
【請求項3】
コア粒子と直接接するシェル層の構成成分が、平均分子量5,000〜30,000のポリエチレングリコールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
【請求項4】
炭酸アルカリを主成分とするシェル層が前記同一組成を有する少なくとも2層の間に配されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコア/シェル型の固形処理剤のコア粒子が圧縮造粒法で造粒されることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のコア/シェル型の固形処理剤のコア粒子に直接接する層が、スプレーコーティング法によって設けられることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−23610(P2006−23610A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−202768(P2004−202768)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】