説明

ハンドヘルド型測定装置

【課題】ハンドヘルド型測定装置を安定的に支持可能とする。
【解決手段】ハンドヘルド型測定装置は、後面の端子に測定プローブのラインを接続した状態で、上面が上、前面が手前となるようにオペレータによって使用される。また、ハンドヘルド型測定装置は、オペレータが、後方側部分に比べ左右幅が狭められた前方側部分の左右両側及び下側を両手で支持しながら、表示装置1を視認しつつ、親指で上面の操作キー群2を操作できるようになっている(a)。そして、この状態において、オペレータは、ハンドヘルド型装置の、下面の前方側端に設けられた下方に突出したベルトフック部4を、オペレータ自身が装着している作業ベルト100などのベルトに上方より引っ掛けて、ハンドヘルド型測定装置を使用することができる(b)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手持ち操作されるハンドヘルド型測定装置の操作性を向上する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
手持ち操作されるハンドヘルド型測定装置としては、ハンドヘルド型測定装置の各種操作ボタンと、測定結果等を表す表示装置の表示画面とを、ハンドヘルド型測定装置の上面にまとめて配置した装置が知られている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2006-214891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ハンドヘルド型測定装置が比較的大型であったり比較的重量のある装置である場合、オペレータによっては、ハンドヘルド装置を安定的に手持ちで支持することが困難となる場合があり、このような場合、ハンドヘルド型測定装置の操作性は劣化する。
そこで、本発明は、容易に安定的に支持することのできるハンドヘルド型測定装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題達成のために、本発明は、手持ち操作されるハンドヘルド型測定装置を、表示装置の表示面と操作キーが上面に設けられたケースと、前記ケースの、当該ハンドヘルド型測定装置の手持ち時に操作者にとって手前となる端部に設けられた、操作者が腰部に装着したベルトに上方より掛けるためのフック部とを含めて構成したものである。
【0005】
ここで、より具体的には、前記フック部は、前記ケースの下面の前記手前となる端部を、下方に突出した形状とすることにより形成されるものであってもよい。
このようなハンドヘルド型測定装置によれば、操作者がフック部を腰のベルトに掛止することにより、容易に安定的にハンドヘルド型測定装置を支持することができ、また、当該安定的に支持した状態で測定を行うことができるようになる。また、ハンドヘルド型測定装置を、片手持ちで支持することなども容易となる。
ここで、併せて本発明は、表示装置の表示面と操作キーが上面に設けられたケースと、前記ケースに内蔵された、当該ケースの、当該ハンドヘルド型測定装置の手持ち時に操作者側と逆側となる端部に投光口を有する投光器とを備えたハンドヘルド型測定装置も提供する。このように投光器をハンドヘルド型測定装置に内蔵することにより、操作者は、暗がりなどにおいて作業する際に、測定対象部を照明しつつ、測定対象部に測定プローブを装着することなどができるようになる。
【0006】
また、併せて本発明は、表示装置の表示面と操作キーが上面に設けられたケースと、前記ケースに固着された、測定用プローブを接続するための端子と、前記端子用のキャップと、前記キャップを装着可能な、前記端子に隣接して前記ケースに配置されたキャップ収容部とを備えたハンドヘルド型測定装置も提供する。このようにキャップ収容部を設けることにより、操作者は、キャップの脱着、保管を容易に行えるようになる。
【発明の効果】
【0007】
以上のように、本発明によれば、ハンドヘルド型測定装置を容易に安定的に支持することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1に、本実施形態に係るハンドヘルド型測定装置の構成を、振動計への適用を例にとり示す。
図中、aはハンドヘルド型測定装置の後面を、bはハンドヘルド型測定装置の左側面を、cはハンドヘルド型測定装置の上面を、dはハンドヘルド型測定装置の右側面を、eはハンドヘルド型測定装置の下面を、fはハンドヘルド型測定装置の前面を表している。
図示するように、ハンドヘルド型測定装置の上面には、上面後ろ側に配置した表示装置1と、上面前側に配置した各種操作用の操作キー群2が設けられている。
また、ハンドヘルド型測定装置の後面には、測定用プローブ接続用の各種端子よりなる端子群3が設けられている。また、ハンドヘルド型測定装置の後面には、内蔵した投光器の投光口となる投光レンズ5が設けられている。
また、ハンドヘルド型測定装置は、全体として、操作キー群2が設けられた前方側部分が、大型の表示装置1を設けられるように左右方向のサイズを大きくとった後方側に比べ左右方向に幅が狭められた形状を有する。
また、ハンドヘルド型測定装置の下面の前方側端は下方に突出した形状を有するベルトフック部4として形成されており、このベルトフック部4の前面には滑り止め用の凹凸41が設けられている。
図2aに、このようなハンドヘルド型測定装置の使用形態を示す。
図示するように、ハンドヘルド型測定装置は、後面の端子に測定プローブのラインを接続した状態で、上面が上、前面が手前となるようにオペレータによって使用される。また、ハンドヘルド型測定装置は、オペレータが、後方側部分に比べ左右幅が狭められた前方側部分の左右両側及び下側を両手で支持しながら、表示装置1を視認しつつ、親指で上面の操作キー群2を操作できるようになっている。
【0009】
また、この状態において、オペレータは、ハンドヘルド型装置の、下面の前方側端に設けられた下方に突出したベルトフック部4を、図2bに示すように、オペレータ自身が装着している作業ベルト100などのベルトに上方より引っ掛けて、ハンドヘルド型測定装置を使用することができる。
【0010】
そして、このように、このベルトフック部4を作業ベルト100に掛止することにより、オペレータは、安定的にハンドヘルド型測定装置を支持しつつ、測定を行うことができるようになる。また、ハンドヘルド型測定装置を、片手持ちで支持することも容易となる。
また、本ハンドヘルド型測定装置によれば、オペレレータは、暗がりなどにおいて作業する際には、ハンドヘルド型測定装置に内蔵した投光器を動作させ後面に設けられた投光レンズ5より投光することができ、このようにすることにより、測定対象部を照明しつつ、測定対象部に測定プローブを装着することなどが容易にできるようになる。
【0011】
なお、ハンドヘルド型測定装置の左右側面には、図3aに示すようにショルダーベルト通し6と、ハンドベルト通し7が設けられており、これらを用いて、図3aに示すように、ショルダーベルト61や、ハンドベルト71を装着することができるようになっている。ここで、このようにハンドベルト71を装着し、フック部4と併せて使用することにより、より容易に、安定的にハンドヘルド型測定装置を支持できるようになる。
【0012】
また、ハンドヘルド型測定装置の後面には、図3b1に示すように、端子群3に加えて、キャップホルダ8が設けられており、端子群3の端子使用時に図3b2のように端子群3の端子に装着していたキャップ81を取り外した際に、当該端子用のキャップ81を、図3b3に示すように、キャップホルダ8に装着して収容できるようになっている。
【0013】
以上、本発明に係るハンドヘルド型測定装置の実施形態について説明した。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係るハンドヘルド型測定装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係るハンドヘルド型測定装置の使用例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るハンドヘルド型測定装置のベルト取り付け構造と端子収容構造を示す図である。
【符号の説明】
【0015】
1…表示装置、2…操作キー群、3…端子群、4…ベルトフック部、5…投光レンズ、8…キャップホルダ、41…凹凸。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち操作されるハンドヘルド型測定装置であって、
表示装置の表示面と操作キーが上面に設けられたケースと、
前記ケースの、当該ハンドヘルド型測定装置の手持ち時に操作者にとって手前となる端部に設けられた、操作者が腰部に装着したベルトに上方より掛けるためのフック部を有することを特徴とするハンドヘルド型測定装置。
【請求項2】
請求項1記載のハンドヘルド型測定装置であって、
前記フック部は、前記ケースの下面の前記手前となる端部を、下方に突出した形状とすることにより形成されていることを特徴とするハンドヘルド型測定装置。
【請求項3】
手持ち操作されるハンドヘルド型測定装置であって、
表示装置の表示面と操作キーが上面に設けられたケースと、
前記ケースに内蔵された、当該ケースの、当該ハンドヘルド型測定装置の手持ち時に操作者側と逆側となる端部に投光口を有する投光器とを有することを特徴とするハンドヘルド型測定装置。
【請求項4】
手持ち操作されるハンドヘルド型測定装置であって、
表示装置の表示面と操作キーが上面に設けられたケースと、
前記ケースに固着された、測定用プローブを接続するための端子と、
前記端子用のキャップと、
前記キャップを装着可能な、前記端子に隣接して前記ケースに配置されたキャップ収容部とを有することを特徴とするハンドヘルド型測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−128168(P2009−128168A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303161(P2007−303161)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000145806)株式会社小野測器 (230)
【出願人】(506344343)ウィッツェル株式会社 (4)