説明

ハンドル操作式作業装置

【課題】握部を握った手によるハンドルの揺動操作で、操作筒先端の作業具の作業動作をスムースに行うことができながら、構造が簡単で、コンパクトなハンドル操作式作業装置を提供する。
【解決手段】握部3と操作筒1との中間に固定された支持ボックス6と、支持ボックスに操作筒の軸芯方向と直交する方向に支持されワンウエイクラッチを介してハンドル5の基端部が取付けられた駆動回転軸7と、駆動回転軸に軸方向移動可能で回転方向移動不可に套嵌されたスリーブと、駆動回転軸と同芯状態に配され内周面にワンウエイクラッチが取付けられ従動笠歯車に常時噛合する1対の駆動笠歯車と、スリーブを駆動回転軸の軸方向に移動させるスリーブ位置切替具25とを備えている。スリーブの位置により、正逆回転切替とロックができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配電線工事に使用される遠隔操作具としての、遠隔操作用ヤットコ、遠隔操作用クリッパーなどの作業装置に利用するために開発したものである。しかしその利用分野はこれらに限られるものではない。
【背景技術】
【0002】
配電線から離れた位置の作業者が、配電線工事を行うために遠隔操作具が用いられる。その1例として、図6に従来の遠隔操作用ヤットコを示す(特許文献1)。この従来例は、揺動式ハンドル81を揺動操作して、徐々にヤットコ工具82を開いたり、閉じたりできるように構成され、またハンドル操作を中止すれば、ヤットコ工具82はその開閉位置にロックされるようになっている。
【特許文献1】特許第3435212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし上記従来例は、図6に示されるように、主操作棒83に加え、補助操作棒84が必要となり、構造が複雑となってコスト高を招くばかりでなく、嵩張って操作性が悪いという問題がある。
【0004】
なお、主操作棒内に回転軸を挿通して、主操作棒の基部に回転ハンドルを設け、この回転ハンドルの回転を前記回転軸に伝え、所望の作業を行わせるものも従来から知られているが、回転ハンドルの操作のため片手を主操作棒の支持のために使えず、作業の安定性を欠き、迅速正確な作業を行う上で、揺動式ハンドルを備えたものに劣るという問題がある。
【0005】
本発明は上記従来例の問題点を解消しうるハンドル操作式作業装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するため、操作筒の先端に作業具を、基端に操作筒と同芯上にある握部をそれぞれ備え、握部近傍に揺動式のハンドルを配設し、このハンドルを往復揺動操作することにより、前記作業具を動作させるハンドル操作式作業装置において、握部と操作筒との中間に固定された支持ボックスと、支持ボックスに操作筒の軸芯方向と直交する方向に支持され、ワンウエイクラッチを介してハンドルの基端部が取付けられた駆動回転軸と、ハンドルを握部から離開する回転方向に付勢する付勢手段と、操作筒内を挿通するようにして配され、基端部が支持ボックス内に位置してそこに従動笠歯車が固着された従動回転軸と、従動回転軸の回転動を、その先端部において作業具の作業動に変換する変換手段と、駆動回転軸に、軸方向移動可能で回転方向移動不可に套嵌されたスリーブと、駆動回転軸と同芯状態に配され、内周面にワンウエイクラッチが取付けられ、従動笠歯車に常時噛合する1対の駆動笠歯車と、スリーブを駆動回転軸の軸方向に移動させるスリーブ位置切替具とを備え、前記スリーブは、スリーブ位置切替具によって正回転指定位置に移動されたとき、前記1対の駆動笠歯車の内の第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチに係合すると共に前記1対の駆動笠歯車の内の第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合が解かれて、ハンドルの往復揺動を従動回転軸の正方向回転に変換し、逆回転指定位置に移動されたとき、前記第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合が解かれると共に前記第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合がなされて、ハンドルの往復揺動を従動回転軸の逆方向回転に変換し、前記正回転指定位置と前記逆回転指定位置との中間のロック指定位置に移動されたとき、前記第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチおよび前記第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチの両者との係合がなされて、従動回転軸の回転がロックされるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
また上記発明の主要部から構成される本発明の回転伝達装置は、支持ボックスと、支持ボックスに一方向回転自在に支持された駆動回転軸と、基端部が支持ボックス内に位置してそこに従動笠歯車が固着され、かつ駆動回転軸と直交する方向に配された従動回転軸と、駆動回転軸に、軸方向移動可能で回転方向移動不可に套嵌されたスリーブと、駆動回転軸と同芯状態に配され、内周面にワンウエイクラッチが取付けられ、従動笠歯車に常時噛合する1対の駆動笠歯車と、スリーブを駆動回転軸の軸方向に移動させるスリーブ位置切替具とを備え、前記スリーブは、スリーブ位置切替具によって正回転指定位置に移動されたとき、前記1対の駆動笠歯車の内の第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチに係合すると共に前記1対の駆動笠歯車の内の第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合が解かれて、駆動回転軸の一方向回転を従動回転軸の正方向回転に変換し、逆回転指定位置に移動されたとき、前記第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合が解かれると共に前記第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合がなされて、駆動回転軸の一方向回転を従動回転軸の逆方向回転に変換し、前記正回転指定位置と前記逆回転指定位置との中間のロック指定位置に移動されたとき、前記第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチおよび前記第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチの両者との係合がなされて、従動回転軸の回転がロックされるように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のハンドル操作式作業装置によれば、握部を握った手によるハンドルの揺動操作で、従動回転軸を回転させ、これを作業具の作業動作に変換できるのであるが、その際に従来例の補助操作棒に相当するものが不要となり、構造の簡単化、コンパクト化を図ることができる。またスリーブ位置切替具により、スリー部位置を切替えると、同一の往復ハンドル操作により、従動回転軸を正方向に回転させて作業具を正方向動作させたり、従動回転軸を逆方向に回転させて作業具を逆方向動作させたりでき、さらに従動回転軸の回転をロックして、作業具をその作業位置にロックできる。
【0009】
また本発明の回転伝達装置によれば、簡単な構造でありながら、スリー部位置切替操作により、駆動回転軸の一方向回転を、従動回転軸の正方向回転に変換したり、従動回転軸の逆方向回転に変換したりでき、さらに従動回転軸の回転をロックすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜図5に示す実施例は、本発明を遠隔操作用ヤットコに適用したものである。この遠隔操作用ヤットコは、操作筒1の先端にヤットコ具(作業具)2を、基端に操作筒1と同芯上にある握部3をそれぞれ備え、握部3近傍に揺動式のハンドル5を配設し、このハンドル5を往復揺動操作することにより、前記ヤットコ具2を開閉動作させるように構成されている。
【0011】
握部3と操作筒1との中間には、支持ボックス6が固定され、この支持ボックス6には、操作筒1の軸芯方向と直交する方向に駆動回転軸7が支持されている。この駆動回転軸7の両端を除いた中央部7bの横断面形状は、六角形である。駆動回転軸7の両外端7a,7aにはワンウエイクラッチ8、8を介してハンドル5の二股状の基端部9が取付けられ、ハンドル5の往復揺動が駆動回転軸7の一方向回転動に変換されるように構成されている。具体的には、ハンドル5を握る方向に揺動させたとき、ワンウエイクラッチ8はその動きを駆動回転軸7に伝え、ハンドル5を握部3から離開する方向に揺動させたとき、ワンウエイクラッチ8は空転してその動きを駆動回転軸7に伝えないようになっている。また、ハンドル5を握部3から離開する回転方向に付勢するコイルばね(付勢手段)10が設けられている。
【0012】
操作筒1内には、これを挿通するように従動回転軸11が配設されている。従動回転軸11の基端部は、支持ボックス6内に位置し、そこに従動笠歯車12が固着されている。従動回転軸11及び従動笠歯車12は、軸受け13によって、回転自在に支持ボックス6に支持されている。
【0013】
従動回転軸11の回転動は、その先端部においてヤットコ具2の開閉動(作業動)に変換される。そのための変換手段14として、従動回転軸11の回転をスライド動に変換するナット部材15と、このナット部材15のスライド動をヤットコ具2の可動部2aの開閉動に変換するリンク部材16とを備えたものを採用している。前記ナット部材15は、従動回転軸11の先端部に設けられたネジに螺合し、その回転が阻止されるように配されることにより、従動回転軸11の正逆回転に伴い、操作筒1内を進退動する。そしてこのナット部材15の進退動が、リンク部材16を介して前記可動部2aに伝えられ、ヤットコ具2を開閉動させるのである。
【0014】
駆動回転軸7にはスリーブ17が套嵌されている。このスリーブ17は、内周の横断面形状が六角形であって、駆動回転軸11の六角形断面部(中央部)7bと嵌合して、駆動回転軸7上を、相対回転不可の状態で軸方向に移動可能となっている。このスリーブ17の軸方向中央の外周には、1対の突条環18a、18aからなる係合部18が設けられている。
【0015】
支持ボックス6内には、駆動回転軸7のボックス内両端部の外周に位置し、駆動回転軸7と同芯状態の1対の駆動笠歯車、すなわち第1の駆動笠歯車19aと、第2の駆動笠歯車19bが配設されている。これら駆動笠歯車19a、19bは内周面にワンウエイクラッチ20a、20bが取付けられ、従動笠歯車12に常時噛合している。またこれら駆動笠歯車19a、19bは、軸受け22a、22bによって、支持ボックス6に回転自在に支持されている。なお、上記軸受け22a、22bは、1対の駆動笠歯車19a、19b、前記ワンウエイクラッチ20a、20bを介して、前記スリーブ17および駆動回転軸7をも、支持ボックス6に回転自在に支持している。
【0016】
前記ワンウエイクラッチ20a、20bは、駆動回転軸7、ひいてはスリーブ17の一方向回転を駆動笠歯車19a、19bに伝え、駆動笠歯車19a、19bから伝達される逆方向の回転に対しては空転するように構成されている。
【0017】
前記支持ボックス6には、図2、図4に示すように、スリーブ17を駆動回転軸7の軸方向に移動させるスリーブ位置切替具25が設けられている。このスリーブ位置切替具25は、前記スリーブ17の係合部18に係合するピン26と、このピン26を回転中心線から偏心した位置において下方に突出するようにして備えたダイヤル部材27とから構成されている。ダイヤル部材27は、垂直線回りに回転可能な状態で、支持ボックス6の頂板28に支持され、その側方に設けた摘み29を利用してダイヤル部材27を回転させると、ピン26が前記係合部18を押し動かして、スリーブ17をスライド動させうるように構成されている。
【0018】
前記スリーブ17は、スリーブ位置切替具25によって、図5に示すように、正回転指定位置P、逆回転指定位置Q、および前記正回転指定位置Pと前記逆回転指定位置Qとの中間のロック指定位置Rの3位置に切替えられるように構成されている。
【0019】
前記スリーブ17が、図3、図4に示すように、正回転指定位置Pに移動されたとき、スリーブ17は、第1の駆動笠歯車19aのワンウエイクラッチ20aの係合部23aに係合すると共に第2の駆動笠歯車19bのワンウエイクラッチ20bの係合部23bとの係合が解かれる。なお図3、図4において、ワンウエイクラッチ20a、20bの係合部23a、23bは、X線で示され、非係合部24a、25bは点々で表示されている。この非係合部24a、24bは、スリーブ17と回転自在の関係で接触する部分であって、図3、図4において、スリーブ17に対し第2の駆動笠歯車19bは空転関係にある。なお、前記非係合部24a、24bが存在することにより、駆動回転軸7を、駆動笠歯車19a、19bと共に共通の軸受け22a、22bで支持できるのである。
【0020】
この正回転指定位置Pにおいて、ハンドル5の往復揺動により一方向に回転する駆動回転軸7の回転が、これと一体回転関係にあるスリーブ17より、ワンウエイクラッチ20aの係合部23aを介して、第1の駆動笠歯車19aに伝わり、これに噛み合う従動笠歯車12を介して、従動回転軸11を正方向に回転させる。このとき、第2の駆動笠歯車19bは、従動笠歯車12によって回転せしめられるが、第2の駆動笠歯車19bとワンウエイクラッチ20bの係合部23aとの係合が解かれているので、空転する。
【0021】
前記スリーブ17が逆回転指定位置Qに移動されたとき、スリーブ17は、第1の駆動笠歯車19aのワンウエイクラッチ20aの係合部23aとの係合が解かれると共に第2の駆動笠歯車19bのワンウエイクラッチ20bの係合部23bとの係合がなされる。
【0022】
この逆回転指定位置Qにおいて、ハンドル5の往復揺動により一方向に回転する駆動回転軸7の回転が、これと一体回転関係にあるスリーブ17より、ワンウエイクラッチ20bの係合部23bを介して、第2の駆動笠歯車19bに伝わり、これに噛み合う従動笠歯車12を介して、従動回転軸11を、前記正回転指定位置Pの時とは逆の方向に回転させる。このとき、第1の駆動笠歯車19aは、従動笠歯車12によって回転せしめられるが、第1の駆動笠歯車19aとワンウエイクラッチ20aとの係合が解かれているので、空転する。
【0023】
前記スリーブ17が前記ロック指定位置Rに移動されたとき、スリーブ17は、前記第1の駆動笠歯車19aのワンウエイクラッチ20aの係合部23aおよび前記第2の駆動笠歯車19bのワンウエイクラッチ20bの係合部23bの両者との係合がなされる。このとき従動笠歯車12から第1の駆動笠歯車19aに伝達される回転力の方向と、従動笠歯車12から第2の駆動笠歯車19bに伝達される回転力の方向とが逆方向であって、互いの回転を阻止しあうので、従動回転軸11の回転はロックされる。
【0024】
次に上記遠隔操作用ヤットコの使用法につき説明する。作業者が一方の手で操作筒1を把持し、他方の手で握部3を把持することにより、遠隔操作用ヤットコを支持するので、安定した支持状態の下で作業を行うことができる。そして、前記スリーブ位置切替具25を正回転指定位置Pにセットして、握部3を把持する手でハンドル5を繰り返し揺動すれば、前記駆動回転軸7が一方向回転し、この回転がスリーブ17から第1の駆動笠歯車19aに伝わり、次いで従動笠歯車12を介して従動回転軸11に伝わり、これを正回転させる。従動回転軸11の正回転は、前記変換手段14でヤットコ具2の閉動作に変換される。すなわち、作業者がハンドル5を操作することにより、ヤットコ具2を徐々に閉じて、対象物を把持させるのである。
【0025】
対象物を把持した状態にヤットコ具2を固定しておくには、前記スリーブ位置切替具25をロック指定位置Rにセットすればよい。このようにすれば、従動笠歯車12の回転が両駆動笠歯車19a、19bによってロックされ、ひいては従動回転軸11の回転がロックされるので、ヤットコ具2の開閉動がロックされるのである。
【0026】
ヤットコ具2を開動作させるには、前記スリーブ位置切替具25を逆回転指定位置Qにセットする。そして、握部3を把持する手でハンドル5を繰り返し揺動すれば、前記駆動回転軸7が一方向回転し、この回転がスリーブ17から第2の駆動笠歯車19bに伝わり、次いで従動笠歯車12を介して従動回転軸11に伝わり、これを逆回転させる。従動回転軸11の逆回転は、前記変換手段14でヤットコ具2の開動作に変換される。すなわち、作業者がハンドル5を操作することにより、ヤットコ具2を徐々に開くことができるのである。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、遠隔操作用ヤットコの外、遠隔操作用クリッパーなどの種々のハンドル操作式作業装置に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施例を示す概略全体図。
【図2】その要部の側面図。
【図3】その縦断平面図。
【図4】その横断面図。
【図5】スリーブ位置切替具とスリーブとの関係を示す説明図。
【図6】従来例の概略全体図。
【符号の説明】
【0029】
1 操作筒
2 ヤットコ具(作業具)
3 握部
5 ハンドル
6 支持ボックス
7 駆動回転軸
8 ワンウエイクラッチ
10 コイルばね(付勢手段)
11 従動回転軸
12 従動笠歯車
14 変換手段
17 スリーブ
19a、19b 駆動笠歯車
20a、20b ワンウエイクラッチ
25 スリーブ位置切替具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作筒の先端に作業具を、基端に操作筒と同芯上にある握部をそれぞれ備え、握部近傍に揺動式のハンドルを配設し、このハンドルを往復揺動操作することにより、前記作業具を動作させるハンドル操作式作業装置において、
握部と操作筒との中間に固定された支持ボックスと、
支持ボックスに操作筒の軸芯方向と直交する方向に支持され、ワンウエイクラッチを介してハンドルの基端部が取付けられた駆動回転軸と、
ハンドルを握部から離開する回転方向に付勢する付勢手段と、
操作筒内を挿通するようにして配され、基端部が支持ボックス内に位置してそこに従動笠歯車が固着された従動回転軸と、
従動回転軸の回転動を、その先端部において作業具の作業動に変換する変換手段と、
駆動回転軸に、軸方向移動可能で回転方向移動不可に套嵌されたスリーブと、
駆動回転軸と同芯状態に配され、内周面にワンウエイクラッチが取付けられ、従動笠歯車に常時噛合する1対の駆動笠歯車と、
スリーブを駆動回転軸の軸方向に移動させるスリーブ位置切替具とを備え、
前記スリーブは、スリーブ位置切替具によって正回転指定位置に移動されたとき、前記1対の駆動笠歯車の内の第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチに係合すると共に前記1対の駆動笠歯車の内の第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合が解かれて、ハンドルの往復揺動を従動回転軸の正方向回転に変換し、
逆回転指定位置に移動されたとき、前記第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合が解かれると共に前記第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合がなされて、ハンドルの往復揺動を従動回転軸の逆方向回転に変換し、
前記正回転指定位置と前記逆回転指定位置との中間のロック指定位置に移動されたとき、前記第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチおよび前記第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチの両者との係合がなされて、従動回転軸の回転がロックされるように構成されている
ことを特徴とするハンドル操作式作業装置。
【請求項2】
支持ボックスと、
支持ボックスに一方向回転自在に支持された駆動回転軸と、
基端部が支持ボックス内に位置してそこに従動笠歯車が固着され、かつ駆動回転軸と直交する方向に配された従動回転軸と、
駆動回転軸に、軸方向移動可能で回転方向移動不可に套嵌されたスリーブと、
駆動回転軸と同芯状態に配され、内周面にワンウエイクラッチが取付けられ、従動笠歯車に常時噛合する1対の駆動笠歯車と、
スリーブを駆動回転軸の軸方向に移動させるスリーブ位置切替具とを備え、
前記スリーブは、スリーブ位置切替具によって正回転指定位置に移動されたとき、前記1対の駆動笠歯車の内の第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチに係合すると共に前記1対の駆動笠歯車の内の第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合が解かれて、駆動回転軸の一方向回転を従動回転軸の正方向回転に変換し、
逆回転指定位置に移動されたとき、前記第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合が解かれると共に前記第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチとの係合がなされて、駆動回転軸の一方向回転を従動回転軸の逆方向回転に変換し、
前記正回転指定位置と前記逆回転指定位置との中間のロック指定位置に移動されたとき、前記第1の駆動笠歯車のワンウエイクラッチおよび前記第2の駆動笠歯車のワンウエイクラッチの両者との係合がなされて、従動回転軸の回転がロックされるように構成されている
ことを特徴とする回転伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−232616(P2009−232616A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−76785(P2008−76785)
【出願日】平成20年3月24日(2008.3.24)
【出願人】(591083772)株式会社永木精機 (65)