説明

ハンドレール取付装置

【課題】従来、宇宙飛行士の把持部として使用するハンドレールに対して、各種機器を取付けるような装置は存在していなかった。
【解決手段】宇宙の曝露環境下で活動する宇宙飛行士の把持部となるハンドレールHRに各種機器Mを取付ける装置であって、装置本体1の上部に、各種機器Mを連結するための機器連結部2を備えると共に、装置本体1の下部に、ハンドレールHRの長手方向両端部に係合する調心ガイド3と、ハンドレールHRに対する調心ガイド3の係合とともにハンドレールHRの幅方向両側部に係合するソフトドック機構4と、ハンドレールHRにソフトドック機構4が係合した状態でハンドレールHRを幅方向両側から把持・解放するホールド機構5を備えたハンドレール取付装置Aとし、例えばロボットアームにより、ハンドレールHRに対して各種機器Mを着脱できるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、宇宙の曝露環境下で活動を行う宇宙飛行士の把持部となるハンドレールに各種機器を取付けるのに用いられるハンドレール取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
宇宙ステーションの有人モジュールの表面や、実験装置等の各種機器を設置する曝露部などには、船外活動を行う宇宙飛行士の把持部となるハンドレールが各所に設けてあることが周知である(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−18765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のハンドレールは、宇宙飛行士の把持部として使用する以外には、各種機器に固定してロボットアームの把持部として使用されているだけで、各種機器の固定部位として利用しようとしても、ロボットアームにより各種機器を取付けるような装置は存在していなかった。
【0005】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、例えばロボットアームにより、ハンドレールに対して各種機器を着脱することができ、ハンドレールの有効利用を図ることができるハンドレール取付装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のハンドレール取付装置は、宇宙の曝露環境下で活動する宇宙飛行士の把持部となるハンドレールに各種機器を取付ける装置であって、装置本体の上部に、各種機器を連結するための機器連結部を備えると共に、装置本体の下部に、ハンドレールの長手方向両端部に係合する調心ガイドと、ハンドレールに対する調心ガイドの係合とともにハンドレールの幅方向両側部に係合するソフトドック機構と、ハンドレールにソフトドック機構が係合した状態でハンドレールを幅方向両側から把持・解放するホールド機構を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明のハンドレール取付装置によれば、上記構成を採用したことにより、例えばロボットアームにより、ハンドレールに対して各種機器を容易に着脱することができ、ハンドレールの有効利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のハンドレール取付装置の一実施形態を説明する斜視図(A)、機器を固定した状態を示す平面図(B)及び側面図(C)である。
【図2】ハンドレール取付装置の調心ガイド及びソフトドック機構の結合前の状態を説明する側面図(A)及びソフトドック機構の断面図(B)である。
【図3】図2に続いて結合後の状態を説明する側面図(A)、ソフトドック機構の断面図(B)及び調心ガイドの断面図(C)である。
【図4】ハンドレール取付装置のホールド機構を説明する結合前の断面図(A)及び結合後の断面図(B)である。
【図5】スクリューシャフトの緩み止め機構を説明する平面図(A)、断面図(B)及び要部の断面図(C)である。
【図6】ハンドレール取付装置の平面図(A)、装置本体の断面図(B)、第2の表示バーの結合前の断面図(C)及び結合後の断面図(D)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明のハンドレール取付装置の一実施形態を説明する。
図1に示すハンドレール取付装置Aは、宇宙の曝露環境下で活動する宇宙飛行士の把持部となるハンドレールHRに各種機器を取付ける装置である。ハンドレールHRは、一本のレール部Rを両側の脚部L,Lで支持した構造であって、レール部Rの幅方向両側面には、長手方向にわたって凹部Hを有している。
【0010】
ハンドレール取付装置Aは、概略を説明すると、図1(A)に示すように、装置本体1の上部に、各種機器を連結する機器連結部2を備えると共に、装置本体1の下部に、ハンドレールHRの長手方向両端部に係合する調心ガイド3と、ハンドレールHRに対する調心ガイド3の係合とともにハンドレールHRの幅方向両側部に係合するソフトドック機構4と、ハンドレールHRにソフトドック機構4が係合した状態でハンドレールHRを幅方向両側から把持・解放するホールド機構5を備えている。
【0011】
装置本体1は、円筒体1Aと、円筒体1Aの下端部から両側に張り出した一対の腕体1B,1Bを備えており、円筒体1Aの上端部に機器連結部2を備えると共に、腕体1B,1Bの下端部に、調心ガイド3及びソフトドック機構4を夫々備え、円筒体1Aの下端部にホールド機構5を備えている。
【0012】
機器連結部2は、フランジ状を成し、機器連結用の複数のボルト6を備えると共に、後述する表示バーの上端部を保持して、これらの表示部としても機能する。この機器連結部2には、図1(B)及び(C)に示すように、実験装置や観測装置などの各種機器Mを連結する。図示例の機器Mは、装置本体1の円筒体1Aの外周を部分的に覆うような形態を成している。
【0013】
各調心ガイド3は、図2(A)に示すように、一対の腕体1B,1Bの相反する面に連結した部材であって、腕体1Bから張り出した水平部3Aと、水平部3Aの先端から垂下した垂直部3Bと、垂直部3Bの下端から外側へ張り出した傾斜部3Cを夫々備えたものとなっている。両調心ガイド3,3は、垂直部3B,3Bの間隔がハンドレールHRの長手寸法に対応している。この調心ガイド3の動作については後述する。
【0014】
また、各調心ガイド3は、弾性体により下方向に付勢され且つハンドレールHRへの接触に伴って上側に突出する表示ピン7を備えている。この表示ピン7は、調心ガイド3の水平部3Aに固定したピンホルダ8により、弾性体とともに保持してあって、弾性体により下方向に付勢された状態では、図2(A)に示すように、その上端部がホルダ8に没入すると共に、その下端部が下方に突出している。また、表示ピン7は、導電体であって、ハンドレールHRに調心ガイド3が係合した状態で、ハンドレールHRの脚部Lの軸線上となるように配置してあり、ハンドレールHR側へのアース経路を形成する。この表示ピン7の動作については後述する。
【0015】
各ソフトドック機構4は、図2(B)に示すように、腕体1Bの下端部に固定した保持ブロック4Aを備えている。この保持ブロック4Aは、下向きに開放された断面概略コ字形状を有し、その対向片にガイド用傾斜面4B,4Bを有すると共に、対向片の基端部分に、弾性体9により互いに接近する方向に付勢され且つ先端部がハンドレールHRの両凹部Hに係脱自在な一対の係合部材10,10を備えている。このソフトドック機構4の動作については後述する。
【0016】
ホールド機構5は、図4に示すように、上端部が回動自在に保持され且つハンドレールHRの凹部Hに対して下端部が係脱可能な一対の係合アーム11,11と、両係合アーム11,11、をその下端部同士が離間する方向に付勢する弾性体12と、上下動可能に保持され且つ下降とともに両係合アーム11,11をその下端部同士が接近した状態に維持する拘束部材13と、拘束部材側13に設けたナット14に螺入貫通させたスクリューシャフト15を備えている。
【0017】
より具体的には、ホールド機構5は、装置本体Aの円筒体1Aの下端部に、下向きに開放された断面コ字形状の懸架部材16と、懸架部材16の中央を上下動可能に貫通するスリーブ17を備えている。そして、懸架部材16の対向片の間に、夫々の軸18を介して前記係合アーム11の上端部を回動可能に装着すると共に、スプリングホルダ19を介して前記弾性体(コイルスプリング)12を装着する。
【0018】
拘束部材13は、下向きに開放された断面コ字形状を成す部材であって、その対向片が前記懸架部材16の対向片と90度異なる向きにして、その上片にスリーブ17の下端部が連結してある。このスリーブ17の下端部内側には、前記ナット14が設けてある。また、スクリューシャフト15は、装置本体1を上下に貫通し、図1(B)に示すように、装置本体1の上部で露出する上端部を回転操作部15Aとしている。このホールド機構5の動作については後述する。
【0019】
ここで、前記係合アーム11は、その外面に、下降した拘束部材13により覆われる目印(図2及び4に示す)20を備えている。この目印20は、線あるいは適宜形状のマーキングであって、目立つように着色してある。
【0020】
また、ホールド機構5は、拘束部材13とともに上下動するのに伴って機器連結部2側において上端部が突没する表示バー21を備えている。この表示バー21は、図4に示すように、拘束部材13の上部にブラケット22を介して下端部が連結してあると共に、その上端部が、図1に示す如く機器連結部2に達し、当該ハンドレール取付装置AをハンドレールHRに結合する前の状態では、スプリング23により下方に付勢されて、上端部が機器連結部2に没入した状態になっている。
【0021】
さらに、機器連結部2におけるスクリューシャフト15の貫通部分には、図5に示すように、その全周にわたって複数の係合凹部24が所定間隔で形成してあると共に、スクリューシャフト15の上端内部には、弾性体25により外側方向に付勢され且ついずれかの係合凹部24に係合する緩み止め部材26が設けてある。この緩み止め部材26は、スクリューシャフト15の上端に嵌合する回転操作用ソケットSによってスクリューシャフト15の内側に没入状態となる。
【0022】
さらに、このハンドレール取付装置Aは、先の表示バー21に加え、拘束部材13とともに上下動するのに伴って機器連結部2側において上端部が往復動する第2の表示バー27を備えている。
【0023】
第2の表示バー27は、図6に示すように、その下端部が、装置本体1の円筒体1Aを内外に貫通する係止部材28に対して回動自在に連結してあると共に、下端部近傍の部分において、前記円筒体1Aの外面に固定した支持具29に回転自在に連結してあり、その上端部が、機器連結部2に形成した長孔30を貫通している。また、前記係止部材28は、スプリング31により円筒体1Aの内部方向に付勢されており、その先端部が、前記スリーブ17の外面に設けた係止凹部32に対して係脱可能である。
【0024】
次に、上記構成を備えたハンドレール取付装置Aの動作を説明する。
ハンドレール取付装置Aは、機器連結部2に各種機器Mを連結した状態にして、例えば、遠隔操作されるロボットアームによってハンドレールHRに取付ける。
【0025】
すなわち、ハンドレール取付装置Aは、まず、図2(A)(B)に示すように、ハンドレールHRに向けて接近させていくと、両調心ガイド3の傾斜部3C及び両ソフトドック機構4のガイド用傾斜面4Bの案内により、ハンドレールHRに対する平面上において、縦横の位置ずれが解消され、両調心ガイド3がハンドレールHRの長手方向両端部に係合すると共に、両ソフトドック機構4がハンドレールHRの幅方向両側面に係合する。
【0026】
このとき、調心ガイド3は、図3(A)に示すように、表示ピン7の下端部がハンドレールHRに当接し、同表示ピン7の上端部が調心ガイド3の上側(ピンホルダ8の上側)に突出状態となる。また、ソフトドック機構4は、図3(B)に示すように、一対の係合部材10,10がハンドレールHRの幅方向両側面の凹部Hに係合状態となる。
【0027】
つまり、前記表示ピン7の上端部が突出したことを目視又は船外カメラの画像で確認すれば、調心ガイド3及びソフトドック機構4がハンドレールHRに係合したことを確認することができる。また、表示ピン7は、図3(C)に示すように、その下端部が、ハンドレールHRの脚部Lの固定用ねじ33に接触し、各種機器Mからハンドレール取付装置Aを介してハンドレール側(宇宙航行体側)に至るアース経路を形成し、宇宙空間において各種機器Mで発生するプラズマ帯電の影響を未然に阻止する。
【0028】
ここで、ハンドレール取付装置Aは、上記の如くハンドレールHRに係合した状態では、図5に示すように、係合凹部32に緩み止め部材26が係合し、スクリューシャフト15の回転を阻止している。そこで、当該ハンドレール取付装置Aは、図5(C)に示すように、別のロボットアームの先端に設けた回転操作用ソケットSをスクリューシャフト15の回転操作部(上端部)15Aに嵌合すると、緩み止め部材26がスクリューシャフト15に没入状態となって、前記緩み止め部材26による拘束が解除される。
【0029】
その後、ハンドレール取付装置Aは、回転操作用ソケットSを介してスクリューシャフト15を回転させていくと、図4(A)の状態から拘束部材13が下降するのに伴って、一対の係合アーム11,11が、その下端部同士を接近させる方向に回動する。そして、図4(B)に示す如く拘束部材13が下降限に達した時点で、両係合アーム11,11の下端部がハンドレールHRの両凹部Hに係合すると共に、拘束部材13によりその状態を維持する。
【0030】
このとき、ハンドレール取付装置Aは、拘束部材13の下降に伴って、係合アーム11の外面に設けた目印20が同拘束部材13で覆われるので、これにより、拘束部材13が下降したこと、すなわちホールド機構5が作動したことを目視又は船外カメラの画像で確認することができる。
【0031】
また、ハンドレール取付装置Aは、拘束部材13の下降に伴って表示バー21が下降し、その上端部が機器連結部2に没入状態となるので、この表示バー21の動作によってもホールド機構5が作動したことを目視又は船外カメラの画像で確認することができる。
【0032】
さらに、ハンドレール取付装置Aは、図6(C)に示す状態から拘束部材13とともにスリーブ17が下降すると、図6(D)に示すように、係止部材28の先端がスリーブ17の係止凹部32に係合する。これにより、第2の表示バー27が図6(D)中の矢印方向に回動し、機器連結部2に形成した長孔30において第2の表示バー27の上端部が移動するので、この第2の表示バー27の動作によってもホールド機構5が作動したことを目視又は船外カメラの画像で確認することができる。
【0033】
このように、ハンドレール取付装置Aは、表示ピン7、目印20、表示バー21,27により、調心ガイド3、ソフトドック機構4及びホールド機構5の作動状況を視覚的に確認することができ、とくに、第1及び第2の表示バー21,27の上端部を機器連結部2に配置したので、信頼性が向上すると共に、船内からの視野や船外カメラの可動範囲が限定される宇宙航行において、作動状況の確認には非常に有効である。
【0034】
また、ハンドレール取付装置Aは、上記の如くハンドレールHRに結合した後には、スクリューシャフト15の回転操作部15Aから回転操作用ソケットSを外すと、いずれかの係合凹部24に緩み止め部材26が再係合し、スクリューシャフト15の回転を阻止して、調心ガイド3、ソフトドック機構4及びホールド機構5の結合状態を維持することができる。
【0035】
さらに、ハンドレール取付装置Aは、スクリューシャフト15を逆転させると、拘束部材13の上昇とともに係合アーム11が逆回動して、ホールド機構5を解除することができ、その後は、弾性体9の反発力に勝る力で引き上げれば、ハンドレールHRの両凹部Hから各係合部材10が離脱して、調心ガイド3及びソフトドック機構4を外すことができる。
【0036】
以上のように、上記実施形態のハンドレール取付装置Aは、例えばロボットアームにより、ハンドレールHRに対して各種機器Mを容易に且つ確実に着脱することができ、ハンドレールの有効利用を図ることができる。
【0037】
ハンドレール取付装置Aは、導電体から成る表示ピン7を備えた調心ガイド3を採用したことで、ハンドレールHRに対する位置決めがより容易になると共に、その作動状況の確認も容易になり、各種機器Mで発生するプラズマ帯電に対処することもできる。
【0038】
また、ハンドレール取付装置Aは、弾性体により付勢された一対の係合部材10を備えたソフトドック機構4を採用したことにより、簡単な構成によりハンドレールHRに対する仮止めを行うことができ、取付作業のさらなる高精度化等に貢献することができる。
【0039】
さらに、ハンドレール取付装置Aは、係合アーム11、弾性体12、拘束部材13、ナット14及びスクリューシャフト15を備えたホールド機構5を採用したことにより、簡単な構成によりハンドレールHRに対する着脱を容易に且つ確実に行うことができる。
【0040】
さらに、ハンドレール取付装置Aは、係合アーム11の目印20や表示バー21を採用したことにより、ホールド機構5の作動状況を外部から容易に確認することができ、また、スクリューシャフト15に、回転操作用ソケットSの着脱に伴って係合離脱する係合凹部24及び緩み止め部材26を採用したことにより、簡単な構成でありながら各機構3〜5による結合状態の維持及び解除を容易に且つ確実に行うことができる。
【0041】
なお、本発明のハンドレール取付装置は、その構成が上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0042】
A ハンドレール取付装置
H 凹部
HR ハンドレール
M 各種機器
S 回転操作用ソケット
1 装置本体
2 機器連結部
3 調心ガイド
4 ソフトドック機構
5 ホールド機構
7 表示ピン
9 (係合部材の)弾性体
10 係合部材
11 係合アーム
12 (係合アームの)弾性体
13 拘束部材
14 ナット
15 スクリューシャフト
15A 回転操作部
20 目印
21 表示バー
24 係合凹部
25 (緩み止め部材の)弾性体
26 緩み止め部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
宇宙の曝露環境下で活動する宇宙飛行士の把持部となるハンドレールに各種機器を取付ける装置であって、
装置本体の上部に、各種機器を連結する機器連結部を備えると共に、
装置本体の下部に、
ハンドレールの長手方向両端部に係合する調心ガイドと、
ハンドレールに対する調心ガイドの係合とともにハンドレールの幅方向両側部に係合するソフトドック機構と、
ハンドレールにソフトドック機構が係合した状態でハンドレールを幅方向両側から把持・解放するホールド機構を備えたことを特徴とするハンドレール取付装置。
【請求項2】
調心ガイドが、弾性体により下方向に付勢され且つハンドレールへの接触に伴って上側に突出する表示ピンを備えていることを特徴とする請求項1に記載のハンドレール取付装置。
【請求項3】
表示ピンが、導電体であって、ハンドレールに調心ガイドが係合した状態でハンドレール側へのアース経路を形成することを特徴とする請求項2に記載のハンドレール取付装置。
【請求項4】
ハンドレールが、その幅方向両側面に長手方向にわたる凹部を有しており、
ソフトドック機構が、弾性体により互いに接近する方向に付勢され且つ先端部がハンドレールの両凹部に係脱自在な一対の係合部材を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハンドレール取付装置。
【請求項5】
ハンドレールが、その幅方向両側面に長手方向にわたる凹部を有しており、
ホールド機構が、上端部が回動自在に保持され且つハンドレールの凹部に対して下端部が係脱可能な一対の係合アームと、両係合アームをその下端部同士が離間する方向に付勢する弾性体と、上下動可能に保持され且つ下降とともに両係合アームをその下端部同士が接近した状態に維持する拘束部材と、拘束部材側に設けたナットに螺入貫通させたスクリューシャフトを備え、スクリューシャフトは、装置本体を貫通し且つ装置本体の上部で露出させた上端部を回転操作部としていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のハンドレール取付装置。
【請求項6】
係合アームが、その外面に、下降した拘束部材により覆われる目印を備えていることを特徴とする請求項5に記載のハンドレールの取付装置。
【請求項7】
ホールド機構が、拘束部材とともに上下動するのに伴って機器連結部側において上端部が突没する表示バーを備えていることを特徴とする請求項5又は6に記載のハンドレール取付装置。
【請求項8】
機器連結部におけるスクリューシャフトの貫通部分に、その全周にわたって複数の係合凹部を所定間隔で形成すると共に、スクリューシャフトの上端内部に、弾性体により外側方向に付勢され且ついずれかの係合凹部に係合する緩み止め部材を設け、
緩み止め部材は、スクリューシャフトの上端に嵌合した回転操作用ソケットによってスクリューシャフトの内側に没入状態となることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のハンドレール取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−245912(P2012−245912A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−120105(P2011−120105)
【出願日】平成23年5月30日(2011.5.30)
【出願人】(500302552)株式会社IHIエアロスペース (298)