説明

ハードディスクの表示灯の電気回路

【課題】コンピュータが異なるハードディスクを検知した場合でも、表示灯が正常に表示することができるハードディスクの表示灯の電気回路を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るハードディスクの表示灯の電気回路は、電源に接続される信号ピンを有するハードディスクと、第一或いは第三電極を含む第一スイッチと、前記第一電極及び第二電極を含む発光体と、前記第一或いは前記第三電極を含む第二スイッチと、第一或いは第三金属端子を含む端子基板及び接続部と、を備える。前記ハードディスクがコンピュータにより検知された際に、前記信号ピンがハイレベル信号を出力すれば、前記接続部は、前記第二金属端子と前記第三金属端子とを互いに電気的に接続させ、前記ハードディスクがコンピュータにより検知された際に、前記信号ピンがローレベル信号を出力すれば、前記接続部は、前記第二金属端子と前記第一金属端子とを互いに電気的に接続させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクの表示灯の電気回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンピュータは、通常、ハードディスクがコンピュータにより検知されたかどうかを示すために、表示灯(例えば、発光ダイオード)が設置されている。従来のハードディスクの表示灯は、ハードディスクのローレベル制御信号を受信すると発光し、また、該表示灯の制御信号は、ハードディスクのマイクロコードによって決まる。従って、異なるメーカーのハードディスクの、コンピュータによって検知された際に出力された表示灯の制御信号は違う。例えば、シーゲート(Seagate)のST9600204SS型番のハードディスクにおいて、コンピュータにより検知された際に出力される信号は、ローレベル制御信号であり、この際、該ハードディスクの表示灯は発光する。また、シーゲートのST973402SS型番のハードディスクにおいて、コンピュータにより検知された際に出力される信号は、ハイレベル制御信号であり、この際、該ハードディスクの表示灯は発光しない。このように、ハードディスクの表示灯の表示状態は不確定である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、コンピュータが異なるハードディスクを検知した場合でも、表示灯が正常に表示することができるハードディスクの表示灯の電気回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の目的を達成するために、本発明に係るハードディスクの表示灯の電気回路は、電源に接続される信号ピンを有するハードディスクと、第一ないし第三電極を含む第一スイッチと、第一電極及び第二電極を含む発光体と、第一ないし第三電極を含む第二スイッチと、第一ないし第三金属端子を含む端子基板と、接続部と、を備える。前記信号ピンは、前記ハードディスクがコンピュータにより検知された際に、ハイレベル信号或いはローレベル信号を出力し、前記第一スイッチの前記第一電極は前記ハードディスクの前記信号ピンに接続され、前記第一スイッチの前記第二電極は電源に接続され、前記第一スイッチの前記第三電極は接地され、前記第一スイッチの前記第一電極がハイレベル信号を受信した際、前記第一スイッチの前記第二電極と前記第三電極間の信号転送経路は導通され、前記第一スイッチの前記第一電極がローレベル信号を受信した際、前記第一スイッチの前記第二電極と前記第三電極間の信号転送経路は遮断される。前記発光体の前記第一電極は、前記電源に接続される。前記第二スイッチの前記第二電極は前記発光体の前記第二電極に接続され、前記第二スイッチの前記第三電極は接地され、前記第二スイッチの前記第一電極がハイレベル信号を受信した際、前記第二スイッチの前記第二電極と前記第三電極間の信号転送経路は導通され、前記第二スイッチの前記第一電極がローレベル信号を受信した際、前記第二スイッチの前記第二電極と前記第三電極間の信号転送経路は遮断され、前記第一金属端子は前記第二スイッチの前記第一電極に接続され、前記第二金属端子は前記第一スイッチの前記第二電極に接続され、前記第三金属端子は前記第二スイッチの前記第二電極に接続され、前記ハードディスクがコンピュータによって検知された際に、前記信号ピンはハイレベル信号を出力すれば、前記接続部は前記第二金属端子と前記第三金属端子とを互いに電気的に接続させ、前記ハードディスクがコンピュータによって検知された際に、前記信号ピンはローレベル信号を出力すれば、前記接続部は前記第二金属端子と前記第一金属端子とを互いに電気的に接続させる。
【発明の効果】
【0005】
従来の技術と比較して、本発明のハードディスクの表示灯の電気回路は、ハードディスクが検知された際に、前記ハードディスクの信号ピンが出力する信号に基づいて、ジャンパー等の接続部を介して、前記第二金属端子を前記第一金属端子或いは前記第三金属端子に選択的に接続させることによって、発光ダイオードを発光させて、前記ハードディスクがコンピュータにより検知されたかどうか及び前記ハードディスクのデータの転送情況を正常的に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係るハードディスクの表示灯の電気回路を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
図1に示したように、本発明の実施形態に係るハードディスクの表示灯の電気回路100は、電気抵抗R1〜R4と、三極管Q1と、フィールドエフェクト(field effect)管Q2と、ジャンパー(jumper)70と、金属端子1〜3を有する端子基板80と、ハードディスク90及び発光ダイオードDを備える。前記ハードディスク90は信号ピンRLEDを備え、前記ハードディスク90がコンピュータにより検知されると(即ち、コンピュータが起動された後、前記ハードディスク90が、基本出入力システムにより自動的に検出される)、前記信号ピンRLEDは、異なるハードディスクの規格に基づいて、対応するハイレベル信号或いはローレベル信号を出力する。前記コンピュータが前記ハードディスク90のデータを読み取った際、前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDは、パルス信号を出力する。
【0008】
前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDは、前記電気抵抗R1を介して、電源P5Vに接続され、且つ前記電気抵抗R2を介して、前記三極管Q1のベース電極に接続される。前記三極管Q1のコレクターは、前記電気抵抗R3を介して、前記電源P5Vに接続されると共に前記金属端子2と直接に接続され、前記三極管Q1のエミッタは、接地される。また、前記フィールドエフェクト管Q2のグリッド(grid)電極は、前記金属端子1に接続され、前記フィールドエフェクト管Q2のドレイン電極は、前記金属端子3に接続されると共に前記発光ダイオードDの陰極に接続される。前記フィールドエフェクト管Q2のソース電極は接地される。前記発光ダイオードDの陽極は、前記電気抵抗R4を介して、前記電源P5Vに接続される。
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るハードディスクの表示灯の電気回路の作動原理について詳細に説明する。
【0010】
前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDがハイレベル信号を出力した場合、前記三極管Q1のベース電極が受信する信号はハイレベル信号であり、前記三極管Q1は導通され、前記金属端子2は接地され、前記金属端子2が受信した信号はローレベル信号である。この際、前記ジャンパー70によって、前記金属端子2は、前記金属端子3に接続され、前記発光ダイオードDの陰極は接地される。これにより、前記発光ダイオードDは発光して、前記コンピュータが前記ハードディスク90を検知したことを表示する。
【0011】
前記コンピュータが前記ハードディスク90のデータを読み取った際に(即ち、前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDがパルス信号を出力した際)、前記三極管Q1のベース電極が受信した信号はハイレベル信号の際、上述したように、前記発光ダイオードDは発光する。しかし、前記三極管Q1のベース電極が受信した信号はローレベル信号であれば、前記三極管Q1は遮断され、前記金属端子3は、前記金属端子2及び前記三極管Q1によって、前記電源P5Vからのハイレベル信号を受信する。この際、前記発光ダイオードDは発光しないが、前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDのパルス信号に従って、間断的に発光する(即ち点滅する)。
【0012】
また、前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDがローレベル信号を出力した場合、前記三極管Q1のベース電極が受信した信号はローレベル信号であり、前記三極管Q1は遮断され、さらに前記金属端子2は前記電源P5Vからのハイレベル信号を受信する。この際、前記ジャンパー70によって、前記金属端子2は前記金属端子1に接続され、前記フィールドエフェクト管Q2のグリッド電極が受信した信号はハイレベル信号であるので、前記フィールドエフェクト管Q2は導通される。これにより、前記発光ダイオードDの陰極は接地され、前記発光ダイオードDは発光して、前記コンピュータが前記ハードディスク90を検知したことを表示する。
【0013】
前記コンピュータが前記ハードディスク90のデータを読み取った際に(即ち、前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDがパルス信号を出力した際)、前記三極管Q1のベース電極が受信した信号はハイレベル信号の際、前記三極管Q1は導通されて、前記フィールドエフェクト管Q2のグリッド電極は前記金属端子1及び2によって接地され、前記フィールドエフェクト管Q2のグリッド電極が受信した信号はローレベル信号であり、前記フィールドエフェクト管Q2は遮断される。これにより、前記発光ダイオードDの陰極は、前記金属端子3を介して架空する(つまり、どこにも接続されない)。この際、前記発光ダイオードDは発光しないが、前記三極管Q1のベース電極が受信した信号はローレベル信号であれば、前記発光ダイオードDは発光する。これにより、前記発光ダイオードDは、前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDのパルス信号に従って、間断的に発光する。
【0014】
上記の実施形態からわかるように、前記三極管Q1及び前記フィールドエフェクト管Q2は、電気回路のスイッチとしての役割を果たす。従って、他の実施形態として、他のタイプのトランジスタ及びスイッチ機能を持つ電子チップ等によって、前記三極管Q1及び前記フィールドエフェクト管Q2を代替することができる。
【0015】
もう一つの他の実施形態として、前記発光ダイオードDは、電球等の他の発光体であることもできる。
【0016】
また、上記の実施形態において、前記電気抵抗R1〜R4は保護の役割を果たす。従って、本発明の他の実施形態において、前記電源P5Vが、その電圧値が前記三極管Q1、前記フィールドエフェクト管Q2及び前記発光ダイオードDの降伏電圧(Breakdown Voltage)より小さい他の電源である時、直接リード線を使用することによって、前記電気抵抗R1〜R4に取って代わることができる。
【0017】
本発明のハードディスクの表示灯の電気回路100の構成は簡単であり、且つコストが低い。前記ハードディスクの表示灯の電気回路100を利用する場合、異なる規格の前記ハードディスク90の前記信号ピンRLEDを、直接前記ハードディスクの表示灯の前記電気回路100に接続した後、前記ハードディスク90が検知された際に、該前記信号ピンRLEDが出力する信号に基づいて、前記ジャンパー70を介して、前記金属端子2を前記金属端子1或いは3に選択的に接続させることによって、前記発光ダイオードDを発行させて、前記ハードディスク90がコンピュータにより検知されたかどうか及び前記ハードディスクのデータの転送情況を正常的に表示させることができる。
【0018】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0019】
70 ジャンパー
80 端子基板
90 ハードディスク
100 ハードディスクの表示灯の電気回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源に接続される信号ピンを有するハードディスクと、第一ないし第三電極を含む第一スイッチと、第一電極及び第二電極を含む発光体と、第一ないし第三電極を含む第二スイッチと、第一ないし第三金属端子を含む端子基板と、接続部と、を備えるハードディスクの表示灯の電気回路において、
前記信号ピンは、前記ハードディスクがコンピュータにより検知された際に、ハイレベル信号或いはローレベル信号を出力し、
前記第一スイッチの前記第一電極は前記ハードディスクの前記信号ピンに接続され、前記第一スイッチの前記第二電極は電源に接続され、前記第一スイッチの前記第三電極は接地され、前記第一スイッチの前記第一電極がハイレベル信号を受信した際、前記第一スイッチの前記第二電極と前記第三電極間の信号転送経路は導通され、前記第一スイッチの前記第一電極がローレベル信号を受信した際、前記第一スイッチの前記第二電極と前記第三電極間の信号転送経路は遮断され、
前記発光体の前記第一電極は、前記電源に接続され、
前記第二スイッチの前記第二電極は前記発光体の前記第二電極に接続され、前記第二スイッチの前記第三電極は接地され、前記第二スイッチの前記第一電極がハイレベル信号を受信した際、前記第二スイッチの前記第二電極と前記第三電極間の信号転送経路は導通され、前記第二スイッチの前記第一電極がローレベル信号を受信した際、前記第二スイッチの前記第二電極と前記第三電極間の信号転送経路は遮断され、
前記第一金属端子は前記第二スイッチの前記第一電極に接続され、前記第二金属端子は前記第一スイッチの前記第二電極に接続され、前記第三金属端子は前記第二スイッチの前記第二電極に接続され、
前記ハードディスクがコンピュータによって検知された際に、前記信号ピンはハイレベル信号を出力すれば、前記接続部は前記第二金属端子と前記第三金属端子とを互いに電気的に接続させ、前記ハードディスクがコンピュータによって検知された際に、前記信号ピンはローレベル信号を出力すれば、前記接続部は前記第二金属端子と前記第一金属端子とを互いに電気的に接続させる
ことを特徴とするハードディスクの表示灯の電気回路。
【請求項2】
前記ハードディスクのデータが前記コンピュータにより読み取られた際に、前記ハードディスクの信号ピンは、パルス信号を出力することを特徴とする請求項1に記載のハードディスクの表示灯の電気回路。
【請求項3】
前記信号ピンと前記電源との間に接続される第一電気抵抗と、前記信号ピンと前記第一スイッチの前記第一電極との間に接続される第二電気抵抗と、前記第一スイッチの前記第二電極と前記電源との間に接続される第三電気抵抗と、前記電源と前記発光体の前記第一電極との間に接続される第四電気抵抗と、をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のハードディスクの表示灯の電気回路。
【請求項4】
前記第一スイッチは、三極管或いはフィールドエフェクト管であり、前記第一スイッチの前記第一ないし第三電極は、前記三極管のベース電極、コレクター及びエミッタにそれぞれ対応するか、または前記フィールドエフェクト管のグリッド電極、ドレイン電極及びソース電極にそれぞれ対応することを特徴とする請求項1に記載のハードディスクの表示灯の電気回路。
【請求項5】
前記第二スイッチは、三極管或いはフィールドエフェクト管であり、前記第二スイッチの前記第一ないし第三電極は、前記三極管のベース電極、コレクター及びエミッタにそれぞれ対応するか、または前記フィールドエフェクト管のグリッド電極、ドレイン電極及びソース電極にそれぞれ対応することを特徴とする請求項1に記載のハードディスクの表示灯の電気回路。
【請求項6】
前記接続部は、ジャンパーであることを特徴とする請求項1に記載のハードディスクの表示灯の電気回路。
【請求項7】
前記発光体は、発光ダイオードであり、前記発光体の前記第一電極及び前記第二電極は、それぞれ前記発光ダイオードの陽極及び陰極であることを特徴とする請求項1に記載のハードディスクの表示灯の電気回路。

【図1】
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【公開番号】特開2013−54815(P2013−54815A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−189720(P2012−189720)
【出願日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)