説明

ハードディスクドライブのサーボパターン記録方法

【課題】ハードディスクドライブのサーボパターン記録方法を提供する。
【解決手段】本発明のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法は、多数のアンモナイトサイクルを有するマスタパターンを用いてハードディスクドライブのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録させることによって、ハードディスクドライブのディスク上に、レファレンスサーボパターンの記録時間を短縮し、コストを低減し、かつユーザが所望するレファレンスサーボパターンを簡便に記録させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードディスクドライブのサーボパターン記録方法に係り、より詳細には、ハードディスクドライブのディスク上に、レファレンスサーボパターンの記録時間を短縮し、コストを低減し、かつユーザが所望するレファレンスサーボパターンを簡便に記録することができるハードディスクドライブのサーボパターン記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクドライブ(Hard Disk Drive:以下、HDD)は、データ情報を含んだデジタル電子パルスを永久的な磁場に変えてディスクにデータを記録又はディスクからデータを再生することができるデータ保存装置である。このようなHDDは、大量のデータを高速で記録及び再生することができる長所によって、コンピュータシステムの代表的な補助記憶装置として活用されている。
【0003】
HDDにデータを正常に読出し/書込み動作を行うためには、ディスクのサーボトラック(servo track)に記録されているサーボパターン(servo pattern)を読み出して正確な位置を探すことから始まる。
【0004】
サーボパターンは、一般的にサーボライター(Servo Writer)を用いてディスク上に記録されるが、サーボライターを用いてディスク上にサーボパターンを記録する方法は、非反復的なランアウト(Non−Repeatable Run Out:NRRO)、ディスク揺れ(Disk Flutter)及びモータの振動などによって記録の精度が落ち、位置設定器及びエンコーダの使用によってサーボ記録過程に関連したコストを増大させる問題点がある。
【0005】
このような問題点を改善するために、セルフサーボ記録方法(Self Servo Track Write:SSTW)が開発され、セルフサーボ記録方法は、1次的にディスク上にレファレンスサーボ情報を記録し、2次的にHDDがレファレンスサーボ情報を参照して、最終サーボ情報を記録する方法である。特に、最近、セルフサーボ記録方法のうちプリンティドメディア(Printed Media:PM)を用いてディスク上にレファレンスサーボパターンを記録する方法についての研究が進められているが、いまだにプリンティドメディアにおいてサーボパターンの品質を向上させながらも、実際に量産性まで取り揃えたレファレンスサーボパターンの記録方法は開発されていない実情である。
【0006】
従って、プリンティドメディアを用いて、HDDのディスク上に、レファレンスサーボパターンの記録時間を短縮し、コストを低減し、かつユーザが所望するレファレンスサーボパターンを簡便に記録することができるサーボパターン記録方法の開発が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、HDDのディスク上に、レファレンスサーボパターンの記録時間を短縮し、コストを低減し、かつユーザが所望するレファレンスサーボパターンを簡便に記録することができるHDDのサーボパターン記録方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明のハードディスクドライブ(HDD)のサーボパターン記録方法は、HDDのディスク上にレファレンスサーボパターン(Reference Servo Pattern)を記録するためのマスタパターン(Master Pattern)を製作する段階と、前記マスタパターンと前記ディスクとを磁化させるマグネット(Magnet)を用いて前記ディスク上に前記レファレンスサーボパターンを記録する段階と、を含み、前記マスタパターンは、前記レファレンスサーボパターンと実質的に同じパターンを有し、外側から内側に向けて放射線状に形成される多数のアンモナイトサイクル(Ammonite Cycle)を含むことを特徴とする。
前記HDDのサーボパターン記録方法は、前記レファレンスサーボパターンを記録する段階後に、前記レファレンスサーボパターンを用いてHDDの前記ディスク上に最終サーボパターンを記録する段階を更に含みうる。
前記レファレンスサーボパターンは、等間隔に配される多数のビットと、前記多数のビットの間に形成される多数のシンクビットと、を含みうる。
前記アンモナイトサイクルは、等間隔に配される多数のビットを含む多数のサイクルパターン(Cycle Pattern)と、前記多数のサイクルパターンの間に形成され、多数のシンクビットを有する多数のシンクパターン(Sync Pattern)と、を含みうる。
前記シンクビットのサイズは、前記サイクルパターンの前記ビットのサイズの半分であり得る。
前記アンモナイトサイクルは、連続的に形成される。
前記アンモナイトサイクルは、前記レファレンスサーボパターンを基準に最終サーボパターンをコピーするためのサーボサンプリング区間にのみ断続的に形成される。
前記マスタパターンを製作する段階は、基板にフォトレジスト層をコーティングする段階と、コーティングされた前記フォトレジスト層を露光する段階と、露光された前記フォトレジスト層を選択的に除去するために前記フォトレジスト層を現像する段階と、前記フォトレジスト層が除去された前記基板にモールド(Mold)を注いで硬化させる段階と、を含みうる。
前記フォトレジスト層を露光する段階は、電子ビーム(E−Beam)を用いて露光する段階であり得る。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、多数のアンモナイトサイクルを有するマスタパターンを用いてHDDのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録させることによって、HDDのディスク上に、レファレンスサーボパターンの記録時間を短縮し、コストを低減し、かつユーザが所望するレファレンスサーボパターンを簡便に記録させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態によるハードディスクドライブのサーボパターン記録方法が適用されるハードディスクドライブの部分分解斜視図である。
【図2】図1のハードディスクドライブにおけるディスク領域の概略的な平面図である。
【図3】図1のハードディスクドライブにおける任意のトラックのデータフォーマットを示す図である。
【図4】図3に示したサーボセクターの詳細な構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態によるハードディスクドライブのサーボパターン記録方法のフローチャートである。
【図6】図5に記載したマスタパターンの形状を概略的に示す模式図である。
【図7】図6のA部分の拡大図である。
【図8】図5のマスタパターンを用いてハードディスクドライブのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録する段階の原理を示す模式図である。
【図9】ディスク上に形成されたレファレンスサーボパターンを用いて最終サーボパターンを記録する原理を示す模式図である。
【図10】本発明の他の実施形態によるディスク上に形成されたレファレンスサーボパターンを用いて最終サーボパターンを記録する原理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のハードディスクドライブ(HDD)のサーボパターン記録方法を実施するための形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。但し、本発明を説明するに当って、既に公知の機能或いは構成についての説明は、本発明の要旨を明瞭にするために省略する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態によるHDDのサーボパターン記録方法が適用されるHDDの部分分解斜視図である。
【0013】
図1を参照すると、HDD1は、データを記録保存するディスク10と、ディスク10を支持して回転させるスピンドルモータ20と、ディスク10上にデータを記録し、ディスク10上からデータを判読するヘッドスタックアセンブリー30(HSA:Head Stack Assembly)と、これら構成部品が組み立てられるベース40と、ベース40の下部に結合され、大部分の回路部品をPCB(Printed Circuit Board)上に装着して各種の部品を制御する印刷回路基板組立体50(PCBA:Printed Circuit Board Assembly)と、ベース40の上部を覆うカバー60とを備える。
【0014】
ヘッドスタックアセンブリー30は、ディスク10上にデータを記録し、ディスク10上からデータを判読するための運搬体(Carriage)であって、ディスク10上にデータを記録し、ディスク10上からデータを判読するための読み取り/書き込みヘッド31と、読み取り/書き込みヘッド31がディスク10上のデータをアクセスできるように、ピボット軸32を軸心としてディスク10上を旋回するアクチュエータアーム33と、ピボット軸32を回転自在に支持し、アクチュエータアーム33が結合されて支持されるピボット軸ホルダー34と、ピボット軸ホルダー34からアクチュエータアーム33の反対方向に設けられ、図示していないボイスコイルモータ(VCM:Voice Coil Motor)のマグネットの間に位置するようにボイスコイル(Voice Coil)が巻き取られたボビン(Bobin、図示せず)と、を備える。
【0015】
図2は、図1のHDDにおけるディスク領域の概略的な平面図であり、図3は、図1のHDDにおける任意のトラックのデータフォーマットを示す図であり、図4は、図3に示したサーボセクターの詳細な構成を示す図である。
【0016】
データを記録保存するディスク10には、図2に示したように、サーボ(Servo)情報とデータ(Data)情報とが保存される客体としてのトラック12(Track)と、これらを回転軸心に対して等角度間隔に分割された単位客体のセクター14(Sector)とが形成されている。
【0017】
また、トラック12には、図3に示したように、トラック探索(track seeking)及びトラック追従(track following)などのサーボ制御のためのサーボセクター16(servo sector)と、ユーザのデータを記録するためのデータセクター18(data sector)とが交互に位置する。
【0018】
そして、サーボセクター16は、図4に示したように、プリアンブル16a(preamble)と、SAM16b(Servo Address Mark)と、グレーコード16c(gray code)と、バーストA、B、C、D16d(burst A、B、C、D)と、PAD16eとを含む。
【0019】
プリアンブル16aは、サーボパターン判読時にクロック同期を提供すると同時に、サーボセクターの前にギャップ(gap)を提供してサーボセクターであるということを示すものであって、サーボ同期(servo sync)とも称する。そして、SAM16bは、サーボの開始を知らせて後につながるグレーコード16cを読み取るための同期を提供する。即ち、SAM16bは、サーボ制御に関連した各種のタイミングパルスを生成するための基準点として提供される。一方、グレーコード16cは、各トラック12についての情報、即ち、トラック情報を提供する。バーストA、B、C、D16dは、トラック探索及びトラック追従のために要求される位置誤差信号(PES:Position Error Signal)を提供し、バーストA、B、C、D16dは、シードサーボパターンで記録された場合を除いては、大部分がHDD1内の読み取り/書き込みヘッドによって直接記録される。最後に、PAD16eは、サーボセクターからデータセクターへのトランジションマージン(transition margin)を提供する。
【0020】
データセクター18は、サーボセクター16の前後に位置し、IDフィールド18a(ID field)とデータフィールド18b(data field)とに区分される。
【0021】
IDフィールド18aには、当該データセクター18を識別するためのヘッダ(header)情報が記録される。そして、データフィールド18bには、ユーザが記録しようとするデジタルデータが記録される。
【0022】
読み取り/書き込みヘッド31を通じてデータフィールド18bに記録されたデジタルデータを読み取るか、読み取り/書き込みヘッド31を通じてデータフィールド18bにデジタルデータを書き込むためには、読み取り/書き込みヘッド31を特定トラックに選択的に位置させなければならず、読み取り/書き込みヘッド31を特定トラックに選択的に位置させるためには、サーボセクター16に存在するサーボパターンを読み取らなければならない。従って、サーボパターンは、データの判読及び記録において、非常に重要な役割を行う部分である。
【0023】
図5は、本発明の一実施形態によるHDDのサーボパターン記録方法のフローチャートであり、図6は、図5に記載したマスタパターンの形状を概略的に示す模式図であり、図7は、図6のA部分の拡大図であり、図8は、図5のマスタパターンを用いてHDDのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録する段階の原理を示す模式図であり、図9は、ディスク上に形成されたレファレンスサーボパターンを用いて最終サーボパターンを記録する原理を示す模式図である。
【0024】
これらの図面を参照すると、本発明の一実施形態によるHDDのサーボパターン記録方法は、マスタパターンを製作する段階(ステップS1)と、マスタパターンを用いてHDDのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録する段階(ステップS2)と、レファレンスサーボパターンを用いてHDDのディスク上に最終サーボパターンを記録する段階(ステップS3)とを含む。
【0025】
マスタパターンを製作する段階(ステップS1)は、HDD1のディスク10上にレファレンスサーボパターン300(図9参照)を記録するためのマスタパターン100を製作する段階である。
【0026】
ここで、マスタパターン100は、ディスク10上に形成されるレファレンスサーボパターン300と実質的に同じパターンが形成されたプリンティドメディアを言い、図6に示したように、外側から内側に向けて放射線状に形成される多数のアンモナイトサイクル110を有する。
【0027】
マスタパターン100は、ガラスなどの材質で設けられた基板にフォトレジスト層をコーティングし、該コーティングされたフォトレジスト層を露光することで、光を受けたフォトレジスト層の性質を変化させ、現像工程を通じてフォトレジスト層を選択的に除去した後、残りの部分にシリコンなどのモールドを注いで硬化させることで製作される。本実施形態の場合、マスタパターンは、コーティングされたフォトレジスト層を露光する過程で電子ビーム(E−Beam)を利用し、これにより、ユーザが所望する形態のパターンを精密かつ簡便に形成させうる。
【0028】
しかし、本発明の範囲は、マスタパターン100の製作方法によって制限されず、本発明のマスタパターンは、基板にクロム又はアルミニウムなどの材質で設けられる金属層を蒸着させ、金属層上にフォトレジスト層をコーティングした後、フォトレジスト層に電子ビームを照射して電子ビームを受けたフォトレジスト層の性質を変化させて微細なパターンを現像し、フォトレジスト層を除去し、基板をエッチングし、金属層を除去して残りの部分にシリコンなどを注いで硬化させることで製作することもできる。
【0029】
マスタパターン100に形成されるアンモナイトサイクル110は、図6に示したように、マスタパターン100の外周限界R1及び内周限界R2内で放射線状に多数個が形成され、ここで、外周限界R1及び内周限界R2は、ディスク10上にレファレンスサーボパターン300が記録されるトラック12の限界地点に対応する地点を言う。
【0030】
多数のアンモナイトサイクル110は、それぞれ、図7に示したように、等間隔に配される多数のビット111aを含む多数のサイクルパターン111と、多数のサイクルパターン111の間に形成され、多数のシンクビット112aを有する多数のシンクパターン112とを含む。
【0031】
サイクルパターン111は、HDD1のディスク10上に記録されるレファレンスサーボパターン300のビット311(図8参照)を形成するためのものであり、シンクパターン112は、HDD1のディスク10上に記録されるレファレンスサーボパターン300のシンクビット312(図8参照)を形成するためのものである。HDD1のディスク10上に記録されるレファレンスサーボパターン300は、一定の間隔で配される多数のビット311と多数のシンクビット312とを含む特定の形態のパターンで設けられる。これに対応して、本実施形態のマスタパターン100のアンモナイトサイクル110は、レファレンスサーボパターン300のビット311を形成するためのサイクルパターン111と、レファレンスサーボパターン300のシンクビット312を形成するためのシンクパターン112とを含む。
【0032】
一方、図7及び図8に詳しく示したように、シンクパターン112のシンクビット112aは、サイクルパターン111の二つのビット111aを合わせたサイズで設けられる。即ち、シンクパターン112のシンクビット112aの幅は、サイクルパターン111のビット111aの幅に比べて実質的に二倍になるように設けられて、シンクパターン112の周波数がサイクルパターン111の周波数に比べて実質的に半分の値を有するようにする。
【0033】
マスタパターン100及びマグネット(図示せず)を用いてディスク10上にレファレンスサーボパターン300を記録する場合、ディスク10上に形成されたレファレンスサーボパターン300の磁気フラックス(Magnetic Flux)は、一定の波形を描く。この場合、レファレンスサーボパターン300の磁気フラックスの周波数は、多数のビット311が形成された領域で、同じ値で一定に反復されるが、シンクビット312が形成された領域では、多数のビット311が形成された領域に比べて半分の値に減る。
【0034】
このように、ビット311とシンクビット312とのサイズを互いに異ならせることによって、ディスク10上に形成されたレファレンスサーボパターン300を用いて最終サーボパターン400を記録する場合、使われなければならないレファレンスサーボパターン300の区間、即ち、サーボサンプリング区間500(図9参照)を正確に特定させうる。但し、必要によってシンクパターン112のシンクビット112aのサイズは、サイクルパターン111のビット111aのサイズの二倍よりやや大きいか、やや小さくなるように調整され、これにより、ディスク10上に形成されるレファレンスサーボパターン300のシンクビット312のサイズも調整されうる。
【0035】
本実施形態のマスタパターン100に設けられるアンモナイトサイクル110は、従来の技術と異なって、ACイレーズパターン(AC Erase Pattern)を含まず、サイクルパターン111及びシンクパターン112のみで構成されるので、マスタパターン100の製作工程を単純化させうる。
【0036】
即ち、従来技術のプリンティドメディアは、ディスク10上に記録される4バーストサーボパターン(4Burst Servo Pattern)の記録品質を向上させるために、4バーストサーボパターンの2倍以上の周波数を有するACイレーズパターンを必ず備えなければならない。
【0037】
ACイレーズパターンは、4バーストサーボパターンの正確な領域を形成し、プリンティドメディアを通じてディスク10上に4バーストサーボパターンを記録する場合、発生しうるDC磁化部分を除去することで、4バーストサーボパターンの品質を高める。しかし、このようなACイレーズパターンは、4バーストサーボパターンのビットサイズの半分以下のサイズでプリンティドメディアに設けられなければならないので、プリンティドメディアの製作を複雑にして、プリンティドメディアの製作工程時間を増加させる問題点がある。
【0038】
これを考慮して、本実施形態のマスタパターン100に設けられるアンモナイトサイクル110は、従来のプリンティドメディア製作時に要求されるACイレーズパターン部分を削除してサイクルパターン111及びシンクパターン112のみで構成されるので、上述した問題点を解決することができる。
【0039】
一方、マスタパターンを用いてHDDのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録する段階(ステップS2)は、予め製作されたマスタパターン100を用いてディスク10上にレファレンスサーボパターン300を記録する段階である。
【0040】
図8に示したように、HDDのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録する段階(ステップS2)は、予め製作されたマスタパターン100をディスク10の一側面に隣接するように配置し、ディスク10に隣接していないマスタパターン100の他側面にマグネット(図示せず)を接触させることで、ディスク10を磁化させる方法で進行し、これにより、マスタパターン100に設けられたアンモナイトサイクル110は、ディスク10上にアンモナイトサイクル110と同じパターンを有するレファレンスサーボパターン300で記録される。
【0041】
一方、レファレンスサーボパターンを用いてHDDのディスク上に最終サーボパターンを記録する段階(ステップS3)は、ディスク10上に形成されたレファレンスサーボパターン300を用いて最終サーボパターン400を記録する段階である。
【0042】
マスタパターンを用いてHDDのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録する段階(ステップS2)を経たディスク10上には、図9に詳しく示したように、マスタパターン100のアンモナイトサイクル110と同一な形状のレファレンスサーボパターン300が記録されている。
【0043】
レファレンスサーボパターン300を用いて最終サーボパターン400を記録する過程をサーボコピー(Servo Copy)過程と言い、サーボコピー過程は、次の通りである。
【0044】
HDD1は、レファレンスサーボパターン300が記録されたディスク10のトラック12を追従しながら、レファレンスサーボパターン300を読み取り、レファレンスサーボパターン300は、所定の周波数、即ち、クロック周波数に合わせて記録されている。レファレンスサーボパターン300中でプリアンブル16aに合わせて読み取り/書き込みチャンネル回路のクロック周波数がロッキング(Locking)され、読み取り/書き込みチャンネル回路のクロック周波数がロッキングされてサーボアドレスマークが検出されると、サーボゲート信号(Servo Gate:SG)が発生する。読み取り/書き込みチャンネル回路は、サーボゲート信号が有効なうちに読み取り/書き込みヘッド31を通じて読み取られるレファレンスサーボパターン300からSAM16bと、グレーコード16cなどを読み取り、これらの情報に基づいて最終サーボパターン400を作成する。特に、レファレンスサーボパターン300を基準に最終サーボパターン400をコピーするための区間をサーボサンプリング区間500と言い、このようなサーボサンプリング区間500は、レファレンスサーボパターン300のシンクビット312によって特定される。
【0045】
本実施形態によるHDDのサーボパターン記録方法は、多数のアンモナイトサイクル110を有するマスタパターン100を用いてHDD1のディスク10上にレファレンスサーボパターン300を記録させることによって、HDD1のディスク10上に、レファレンスサーボパターン300の記録時間を短縮し、コストを低減し、かつユーザが所望するレファレンスサーボパターン300を簡便に記録させうる。
【0046】
図10は、本発明の他の実施形態によるディスク上に形成されたレファレンスサーボパターンを用いて最終サーボパターンを記録する原理を示す模式図である。
【0047】
本実施形態によるHDDのサーボパターン記録方法は、マスタパターンを製作する段階(図示せず)と、マスタパターンを用いてHDDのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録する段階(図示せず)と、レファレンスサーボパターンを用いてHDDのディスク上に最終サーボパターンを記録する段階(図示せず)とを含む。
【0048】
本実施形態の場合、マスタパターン(図示せず)は、サーボサンプリング区間510にのみ断続的に形成される多数のアンモナイトサイクル(図示せず)を有し、その他の事項は、上述した実施形態と同一であるので、重複する説明は省略する。
【0049】
ディスク10上には、本実施形態のマスタパターン(図示せず)を用いて記録されたレファレンスサーボパターン310が、サーボサンプリング区間510にのみ断続的に設けられ、これを用いてHDD1の最終サーボパターン410を記録するサーボコピー過程を進行することによって、ディスク10上に最終サーボパターン410が記録される。
【0050】
本実施形態のHDDのサーボパターン記録方法は、マスタパターン(図示せず)に断続的にアンモナイトサイクルを設けて、マスタパターンの製作に消耗される工程時間を減らし、HDD1のディスク10上に、レファレンスサーボパターン310の記録時間を短縮し、コストを低減し、かつユーザが所望するレファレンスサーボパターン310を簡便に記録させうる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、ハードディスクドライブのサーボパターン記録方法関連の技術分野に適用可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 ハードディスクドライブ
10 ディスク
12 トラック
14 セクター
16 サーボセクター
18 データセクター
20 スピンドルモータ
30 ヘッドスタックアセンブリー(HSA)
31 読み取り/書き込みヘッド
32 ピボット軸
33 アクチュエータアーム
34 ピボット軸ホルダー
40 ベース
50 印刷回路基板組立体(PCBA)
60 カバー
100 マスタパターン
110 アンモナイトサイクル
111 サイクルパターン
111a、311 ビット
112 シンクパターン
112a、312 シンクビット
300、310 レファレンスサーボパターン
400、410 最終サーボパターン
500、510 サーボサンプリング区間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードディスクドライブのディスク上にレファレンスサーボパターンを記録するためのマスタパターンを製作する段階と、
前記マスタパターンと前記ディスクとを磁化させるマグネットを用いて前記ディスク上に前記レファレンスサーボパターンを記録する段階と、を含み、
前記マスタパターンは、前記レファレンスサーボパターンと実質的に同じパターンを有し、外側から内側に向けて放射線状に形成される多数のアンモナイトサイクルを含むことを特徴とするハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。
【請求項2】
前記レファレンスサーボパターンを記録する段階後に、
前記レファレンスサーボパターンを用いてハードディスクドライブの前記ディスク上に最終サーボパターンを記録する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。
【請求項3】
前記レファレンスサーボパターンは、
等間隔に配される多数のビットと、
前記多数のビットの間に形成される多数のシンクビットと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。
【請求項4】
前記アンモナイトサイクルは、
等間隔に配される多数のビットを含む多数のサイクルパターンと、
前記多数のサイクルパターンの間に形成され、多数のシンクビットを有する多数のシンクパターンと、を含むことを特徴とする請求項1に記載のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。
【請求項5】
前記シンクビットのサイズは、前記サイクルパターンの前記ビットのサイズの半分であることを特徴とする請求項4に記載のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。
【請求項6】
前記アンモナイトサイクルは、連続的に形成されることを特徴とする請求項1に記載のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。
【請求項7】
前記アンモナイトサイクルは、前記レファレンスサーボパターンを基準に最終サーボパターンをコピーするためのサーボサンプリング区間にのみ断続的に形成されることを特徴とする請求項1に記載のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。
【請求項8】
前記マスタパターンを製作する段階は、
基板にフォトレジスト層をコーティングする段階と、
コーティングされた前記フォトレジスト層を露光する段階と、
露光された前記フォトレジスト層を選択的に除去するために前記フォトレジスト層を現像する段階と、
前記フォトレジスト層が除去された前記基板にモールドを注いで硬化させる段階と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。
【請求項9】
前記フォトレジスト層を露光する段階は、電子ビームを用いて露光する段階であることを特徴とする請求項8に記載のハードディスクドライブのサーボパターン記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−250930(P2010−250930A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90866(P2010−90866)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】