説明

バイオガス精製装置

【課題】精製バイオガス中のメタン濃度の経時安定性に優れ、省エネルギー化を実現できるバイオガス精製装置を提供すること。
【解決手段】消化液排出口31と、消化液流入口32を備えた消化液貯留槽3と、消化液流入口41、バイオガス精製後の消化液を排出する消化液排出口42、バイオガス導入口43、バイオガス取出口44、バイオガスを気泡化して消化液中に散気する気泡化手段43aを備えたバイオガス精製槽4とからなり、前記消化液流入口41と、前記消化液排出口31とが供給配管51により連結されると共に、前記消化液排出口42と、前記消化液流入口32とが返送配管52により連結されており、前記消化液貯留槽3と前記バイオガス精製槽4との間で消化液を循環させてバイオガスの精製を行うバイオガス精製装置2であって、前記気泡化手段43aにより発生する気泡の径は、300μm〜3mmの範囲であることを特徴とするバイオガス精製装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はバイオガス精製装置に関し、詳しくは、メタン発酵後の消化液中にバイオガスを散気して精製するバイオガス精製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のエネルギー問題と資源循環型社会への志向から、家畜糞尿や、地域から生み出される廃棄物等を発酵して、バイオガスとして利用可能なメタンを生成するメタン発酵が注目されている。
【0003】
バイオガスは、不純物として二酸化炭素や発酵原料中の含硫黄成分に由来する硫化水素等を含む。二酸化炭素は不燃ガスであり、バイオガス中での濃度が上昇すると、相対的に燃料となるメタンの濃度が低下することになる。この結果、バイオガス中のメタン濃度は、通常55〜65%の範囲で変化し、時としてガスエンジンが失活する、あるいは、ガスボイラーが着火しない等の問題を生じ、燃料として信頼性を欠く。また、硫化水素はエネルギー変換装置内の駆動部で硫黄分となって析出し、エネルギー変換効率を低下させる恐れがある。
【0004】
従来、バイオガス中のメタン濃度を上昇させる技術として、特許文献1には、水や排水等の吸収液中にバイオガスをマイクロバブルやナノバブルとして散気して二酸化炭素や硫化水素を溶解吸収させて除去し、メタンを高純度に含有する精製バイオガスを得る技術が開示されている。
【0005】
しかし、吸収液中への二酸化炭素や硫化水素の溶解性は早期に低下してしまうので、バイオガスの精製効率を保持するためには、吸収液を高速で置換しなければならず、ポンプ動力のコストが嵩む問題や、廃液量が増大して廃液処理のコストが嵩む問題が生じた。さらに、二酸化炭素や硫化水素の溶解性の変動により、精製バイオガス中のメタン濃度が変動し易い問題を生じた。
【0006】
一方、特許文献2には、生物脱硫塔内において、あらかじめ二酸化炭素を加熱放散させた発酵液を上部から散液すると共に、バイオガスを下部から導入して、酸素が供給される状態で気液接触させることにより、バイオガス中の二酸化炭素を発酵液中に溶解吸収させ、且つ、好気性の硫黄酸化細菌による生物脱硫によって硫化水素を酸化させて硫酸として除去する技術が開示されている。
【0007】
かかる特許文献2の技術は、バイオガスから二酸化炭素と硫化水素の除去を効率的に行うことを実現した。
【0008】
しかるに、生物脱硫での酸素供給は、通常空気の導入によって行われており、空気中の窒素や過剰分の酸素がバイオガス中のメタン濃度を希釈してしまうことになる。バイオガス中の硫化水素濃度は一定でないため、希釈を防止するためには、変動する硫化水素濃度に合わせて必要最低限の空気を供給することが望ましいが、このような制御は困難であることから、更なる改良の余地が残されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−255209号公報
【特許文献2】特開2008−13649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1に記載の技術では、吸収液中への二酸化炭素や硫化水素の溶解性が早期に低下する問題があったが、この理由について、本発明者は以下のように考えている。
【0011】
図4は、二酸化炭素(炭酸)の存在形態のpH依存性を示している。
【0012】
pH8以上では、溶解して、炭酸水素イオン(HCO)及び炭酸イオン(CO2−)の状態となり、遊離二酸化炭素(ガス)はほぼ存在しないが、吸収液のpHが低下する程、遊離二酸化炭素(ガス)が安定化し、炭酸水素イオン(HCO)及び炭酸イオン(CO2−)が減少して、pH4では、遊離二酸化炭素が100%を占める。このように、二酸化炭素の吸収液中への溶解性は、吸収液のpHに大きく依存する。
【0013】
硫化水素についても、吸収液中において、水硫化物イオン(HS)と水素イオン(H)に電離して弱い酸性を示すため、二酸化炭素と同様の挙動を示す。
【0014】
したがって、特許文献1に記載の技術では、吸収液が二酸化炭素及び硫化水素を吸収することによりpHが低下し易いため、二酸化炭素及び硫化水素の溶解性が早期に著しく低下する。
【0015】
このような従来技術の分析を踏まえて、本発明者は、吸収液としてメタン発酵後の消化液を用いることを検討した。
【0016】
消化液中には、アンモニアの他に、塩化アンモニウムが含まれる。したがって、弱塩基であるアンモニアと、その塩である塩化アンモニウムが共存することにより、アンモニア−塩化アンモニウム系の緩衝液となる。
【0017】
この外にも、他の消化液成分、例えば酢酸等の有機酸等の弱酸とその塩からなる系など、数種類のpH緩衝作用発現系が関与しているので、高い緩衝性を持つ。
【0018】
さらに、消化液のpHは、アンモニア態窒素等の存在により、好ましくは7〜9、より好ましくは8〜9に高められており、この高pH状態が、上述した緩衝液としての性質によって、強力に保持されているので、かかる消化液を、二酸化炭素及び硫化水素を溶解して除去する吸収液として用いることによって、二酸化炭素及び硫化水素に対する高い溶解性を長期に渡って持続することが可能となると考えたからである。
【0019】
しかしながら、消化液は、高濃度のSSを含有しているため、従来のようにマイクロバブルやナノバブルとしてバイオガスを散気した場合は、バイオガス精製槽内においてSSが沈殿して散気口が閉鎖されたり、気泡の消化液中への拡散がSSにより阻害されたりすることにより、気泡と消化液との気液接触が不安定化する問題が生じる。
【0020】
また、バイオガス精製槽と、該バイオガス精製槽に供給される消化液を貯留する消化液貯留槽との間で消化液の循環を行った場合、気泡に捕捉されたSSがバイオガス精製槽内に滞留して、該バイオガス精製槽内においてSSが濃縮されてしまい、上述した気液接触が更に不安定化する。
【0021】
気液接触が不安定化すると、精製バイオガス中のメタン濃度が経時的に不安定化する深刻な問題を生じる。
【0022】
さらに、エネルギー的な点から見ると、消化液貯留槽とバイオガス精製槽との間で消化液の循環を行う構成を有するバイオガス精製装置では、循環のための送液ポンプによって消費されるエネルギーが大きく、装置の実用化の観点や、環境保護の観点から重要な課題になっている。
【0023】
そこで、本発明は、精製バイオガス中のメタン濃度の経時安定性に優れ、省エネルギー化を実現できるバイオガス精製装置を提供することを課題とする。
【0024】
また、本発明の他の課題は、以下の記載によって明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記課題は以下の各発明によって解決される。
【0026】
請求項1記載の発明は、メタン発酵槽からのメタン発酵後の消化液を貯留する消化液貯留槽本体と蓋体とからなり、該本体の上部又は下部に消化液を排出する消化液排出口を備え、該本体の上部又は下部にバイオガス精製後の消化液を流入する消化液流入口を備えた消化液貯留槽と、
メタン発酵後の消化液を貯留するバイオガス精製槽本体と、該本体の上部を密封する蓋体とからなり、該本体の上部又は下部にメタン発酵後の消化液を流入する消化液流入口を備え、該本体の上部又は下部にバイオガス精製後の消化液を排出する消化液排出口を備え、該本体の下部にメタン発酵槽から送られるメタンガス、二酸化炭素ガス、硫化水素ガスを少なくとも含むバイオガスを導入するバイオガス導入口を備え、該本体内部に貯留された消化液の液面よりも上方に精製後のバイオガスを取り出すバイオガス取出口を備え、該本体内部の下方に、前記バイオガス導入口から導入されたバイオガスを気泡化して消化液中に散気する気泡化手段を備えたバイオガス精製槽とからなり、
前記バイオガス精製槽が備える前記消化液流入口と、前記消化液貯留槽が備える前記消化液排出口とが供給配管により連結されると共に、前記バイオガス精製槽が備える前記消化液排出口と、前記消化液貯留槽が備える前記消化液流入口とが返送配管により連結されており、
前記消化液貯留槽と前記バイオガス精製槽との間で消化液を循環させてバイオガスの精製を行うバイオガス精製装置であって、
前記気泡化手段により発生する気泡の径は、300μm〜3mmの範囲であることを特徴とするバイオガス精製装置である。
【0027】
請求項2記載の発明は、前記バイオガス精製槽本体内部の消化液のSS濃度は、5000〜40000mg/Lの範囲であることを特徴とする請求項1記載のバイオガス精製装置である。
【0028】
請求項3記載の発明は、前記バイオガス精製槽本体内部への酸素供給が実質的に断たれていることを特徴とする請求項1又は2記載のバイオガス精製装置である。
【0029】
請求項4記載の発明は、前記バイオガス精製槽が備える前記消化液流入口及び前記消化液排出口は共に前記バイオガス精製槽本体内部に貯留された消化液の液面よりも下方に配置され、且つ、該消化液流入口は該本体の下方に配置され、該消化液排出口は該本体の上方に配置されており、
前記消化液貯留槽が備える前記消化液流入口及び前記消化液排出口は共に前記消化液貯留槽本体内部に貯留された消化液の液面よりも下方に配置され、且つ、該消化液流入口は該本体の上方に配置され、該消化液排出口は該本体の下方に配置されており、
前記バイオガス精製槽本体内部で気泡を含有した消化液と、前記消化液貯留槽本体内部から前記供給配管を介して新たに供給される気泡を含有しない消化液との間に生じる密度差により、前記消化液貯留槽と前記バイオガス精製槽との間に消化液循環力を生成することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のバイオガス精製装置である。
【0030】
請求項5記載の発明は、前記消化液循環力のみによって、前記消化液貯留槽と前記バイオガス精製槽との間で消化液を循環することとを特徴とする請求項4記載のバイオガス精製装置である。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、精製バイオガス中のメタン濃度の経時安定性に優れ、省エネルギー化を実現できるバイオガス精製装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明に係るバイオガス精製装置を備えたバイオガス製造システムの一例を示す概略図
【図2】消化液の循環を行う送液ポンプを設けない態様を示す概略図
【図3】消化液の循環を行う送液ポンプをバイパスライン上に設ける態様を示す概略図
【図4】二酸化炭素(炭酸)の存在形態のpH依存性を示す図
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明に係るバイオガス精製装置を備えたバイオガス製造システムの一例を示す概略図である。
【0035】
図1において、1はメタン発酵槽、2はバイオガス精製装置である。バイオガス精製装置2は、消化液貯留槽3及びバイオガス精製槽4から構成されている。
【0036】
メタン発酵槽1は、有機性廃棄物(バイオマス)をメタン発酵するものであり、バイオマスとしては、例えば生ごみ、家畜糞尿、下水処理汚泥、浄化槽汚泥などを挙げることができる。
【0037】
メタン発酵槽1にバイオマスが投入され、嫌気的条件の下でメタン発酵が行われる。メタン発酵により発生したバイオガスは、メタンガス及び不純物である二酸化炭素及び硫化水素を少なくとも含む。
【0038】
また、メタン発酵槽1におけるメタン発酵後の消化液は、高濃度のSSを含有しているが、吸収液として用いる場合には、SS濃度が5000〜40000mg/Lの範囲が好ましく、より好ましくは7000〜30000mg/Lの範囲である。
【0039】
メタン発酵後の消化液は、送液ポンプ11により、送液管12を介して、消化液貯留槽3に導入され、一方、メタン発酵槽1から発生したバイオガスは、ガスバック15に一時貯留された後、ブロワ13により、送風管14を介して、バイオガス精製槽4に導入される。
【0040】
消化液貯留槽3は、メタン発酵槽1からのメタン発酵後の消化液を貯留する消化液貯留槽本体30aと蓋体30bとからなる。
【0041】
図示の例において、消化液貯留槽3は、消化液貯留槽本体30aの下部に消化液を排出する消化液排出口31を備え、消化液貯留槽本体30aの上部にバイオガス精製槽4におけるバイオガス精製後の消化液を流入する消化液流入口32を備える。
【0042】
一方、バイオガス精製槽4は、メタン発酵後の消化液を貯留するバイオガス精製槽本体40aと、該バイオガス精製槽本体40aの上部を密封する蓋体40bとからなる。
【0043】
図示の例において、バイオガス精製槽4は、バイオガス精製槽本体40aの下部に消化液貯留槽3からのメタン発酵後の消化液を流入する消化液流入口41を備え、バイオガス精製槽本体40aの上部にバイオガス精製後の消化液を排出する消化液排出口42を備える。
【0044】
バイオガス精製槽4が備える消化液流入口41と、消化液貯留槽3が備える消化液排出口31とは供給配管51により連結されている。また、バイオガス精製槽4が備える消化液排出口42と、消化液貯留槽3が備える消化液流入口32とは返送配管52により連結されている。
【0045】
図示の例において、供給配管51には送液ポンプ50が設けられている。
【0046】
これにより、消化液貯留槽3とバイオガス精製槽4との間で、消化液貯留槽本体30a→消化液排出口31→供給配管51→消化液流入口41→バイオガス精製槽本体40a→消化液排出口42→返送配管52→消化液流入口32→消化液貯留槽本体30aの順で、消化液を循環させるようにしている。
【0047】
バイオガス精製槽4は、バイオガス精製槽本体40aの下部にメタン発酵槽1から送られるメタンガス、二酸化炭素ガス、硫化水素ガスを少なくとも含むバイオガスを導入するバイオガス導入口43を備える。
【0048】
さらに、バイオガス精製槽本体40a内部の下方には、バイオガス導入口43から導入されたバイオガスを気泡化する気泡化手段43aが設けられている。
【0049】
即ち、本発明では、気泡化手段43aにより、消化液中に気泡状のバイオガスを散気して気液接触させるようにしている。
【0050】
一方、バイオガス精製槽本体40a内部に貯留された消化液の液面よりも上方(ヘッドスペースH)には、精製後(気液接触後)のバイオガスを取り出すバイオガス取出口44が設けられている。
【0051】
本発明において、上述した気泡化手段43aにより発生する気泡の径は、300μm〜3mmの範囲、好ましくは500μm〜2mm、より好ましくは800μm〜1500μmの範囲である。
【0052】
気泡発生手段43aとしては、気泡径300μm〜3mmの気泡を発生可能であれば格別限定されず、細孔が形成されたプレートや膜フィルタ等を好ましく用いることができるが、中でもメンブレンディフューザが好適である。
【0053】
以上の構成を備える本発明のバイオガス精製装置2に、メタン発酵槽1からのバイオガスが導入されると、該バイオガスは、バイオガス精製槽本体40a内において気泡化手段43aによって消化液中に、300μm〜3mmの範囲、好ましくは500μm〜2mm、より好ましくは800μm〜1500μmの範囲の気泡として散気される。
【0054】
これにより、バイオガスと消化液とを気液接触させて、バイオガス中の二酸化炭素及び硫化水素を、バイオガス精製槽本体40a内の消化液中に溶解して除去する。
【0055】
一方、溶解度の小さいメタンガスは溶解されずにバイオガス精製槽本体40a内の消化液の液面からヘッドスペースHに脱気開放された後、バイオガス取出口44を介して精製バイオガスとして回収される。
【0056】
二酸化炭素と硫化水素を吸収した気液接触後の消化液は、返送配管52を介して、消化液貯留槽3に返送される。この返送に伴って、消化液貯留槽3から新たな消化液が供給配管51を介してバイオガス精製槽4に供給される。
【0057】
このようにして、消化液貯留槽3とバイオガス精製槽4との間で消化液を循環させてバイオガスの精製が行われる。
【0058】
バイオガス精製槽本体40a内の消化液のpHが所定値、好ましくはpH7以上に保たれるように、消化液貯留槽3とバイオガス精製槽4との間で消化液を循環させることが好ましい。
【0059】
上述したように、本発明では、従来用いられてきたマイクロバブルやナノバブルに分類される数10μm以下の気泡に比べて桁違いに大きい300μm〜3mmの気泡による気液接触が行われる。
【0060】
当業者であれば、桁違いに大きい300μm〜3mmの気泡を用いたのでは、接触面積や、滞留時間が格段に減少し、気液接触による二酸化炭素及び硫化水素の除去効率が著しく損なわれると考えたはずである。
【0061】
これに対して、本発明者は、まず、上述したように、消化液のpHは、アンモニア態窒素等の存在により、好ましくは7〜9、より好ましくは8〜9に高められており、この高pH状態が、消化液の緩衝液としての性質によって強力に保持されるため、消化液は、二酸化炭素及び硫化水素に対する高い溶解性を長期に渡って維持できる。
【0062】
したがって、桁違いに大きい300μm〜3mmの気泡を用いても、消化液の二酸化炭素及び硫化水素に対する高い溶解性により、バイオガスの精製効率が好適に補われ、特にガスボイラーやガスエンジンのように要求されるメタン濃度が比較的低い(好ましくは60〜70%)用途であれば、満足できる精製バイオガスを提供する事ができる。
【0063】
また、300μm〜3mmの気泡で消化液に散気を行うと、マイクロバブルないしナノバブルで、散気した場合にみられる、バイオガス精製槽本体40a内においてSSが沈殿して気泡発生手段43aの散気口が閉鎖される問題や、気泡の消化液中への拡散がSSにより阻害される問題が見られない。
【0064】
さらに、消化液貯留槽3とバイオガス精製槽4との間で消化液の循環を行っても、SSが気泡によって捕捉され難く、バイオガス精製槽本体40a内においてSSが滞留して濃縮されることが防止される。これらの結果、本発明によれば、気泡と消化液との気液接触が極めて安定化し、長期に亘ってメタン濃度が60%以上の精製バイオガスを連続して提供する事ができる(経時的に安定化する)。
【0065】
特に、本発明において、メタン濃度の経時安定性については、消化液の緩衝液としての性質も大きく貢献する。つまり、二酸化炭素及び硫化水素を吸収しても消化液のpH変動が小さく、長期に亘って好ましくはpH7以上に維持され易い。従って、二酸化炭素及び硫化水素の除去量が安定し、精製バイオガス中のメタン濃度が経時的に安定化する。
【0066】
つまり、本発明によれば、気泡と消化液との気液接触の安定化と、消化液のpH安定性とが、有機的・相乗的に作用し合って、メタン濃度の経時安定性に極めて優れる効果を奏し、信頼性の高い精製バイオガスの提供が可能となる。特に、精製バイオガスを、ガスボイラーやガスエンジンに供給する場合は、ガスエンジンの失活や、ガスボイラーの着火不良を好適に防止する効果が得られる。
【0067】
さらに、本発明においては、消化液が二酸化炭素及び硫化水素に対する溶解性を長期に渡って維持できるから、消化液貯留槽3とバイオガス精製槽4との間における消化液の循環を大幅に低速化できる。即ち、送液ポンプ50の動力を大幅に削減して省エネルギー化を実現できる効果を奏する。このことは、バイオガス技術が元来環境保護(省エネルギー)を主な目的として発展してきたことを考えれば、実用上意義深い効果である。この効果については、後に更に詳述する。
【0068】
なお、図1の例では、送液ポンプ50が供給配管51に設けられる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、返送配管52に設けられてもよい。
【0069】
また、図1の例では、消化液貯留槽本体30aの下部に消化液排出口31を備え、上部に消化液流入口32を備える例を説明したが、消化液排出口31及び消化液流入口32の位置は、それぞれ消化液貯留槽本体30aの上部又は下部の何れであってもよい。
【0070】
さらに、消化液貯留槽本体30aの消化液流入口32の位置は、図1に示したように消化液貯留槽本体30a内の消化液の液面よりも下方に配置されてもよいし、あるいは、上方に配置されてもよい。
【0071】
同様に、図1の例では、バイオガス精製槽本体40aの下部に消化液流入口41を備え、上部に消化液排出口42を備える例を説明したが、消化液流入口41及び消化液排出口42の位置は、それぞれバイオガス精製槽本体40aの上部又は下部の何れであってもよく、消化液流入口41の位置も、バイオガス精製槽本体40a内の消化液の液面より下方に配置されても、上方に配置されてもよい。
【0072】
本発明においては、消化液が備える緩衝液としての性質を、更に効率的に引き出すと共に最大限に利用するために、バイオガス精製槽本体40a内部への酸素供給が実質的に断たれていることが好ましい。
【0073】
本明細書において、バイオガス精製槽本体40a内部への酸素供給が実質的に断たれているとは、具体的には、例えばバイオガス精製槽本体40a内部への空気による曝気処理や通気処理を行わないことを意味するものであって、例えばバイオガス精製槽本体40a内部に供給される消化液中に溶存酸素が存在する程度であれば酸素供給が実質的に断たれた状態は保たれる。また、嫌気発酵であるメタン発酵により生じたバイオガスは、、酸素を含んでいないので、これを導入しても酸素供給が実質的に断たれた状態は保たれる。
【0074】
バイオガス精製槽本体40a内部への酸素供給が断たれていることにより、バイオガスと消化液の気液接触が、酸素供給が断たれた状態で行われるので、好気性菌である硫黄酸化細菌の活動が阻害される。したがって、硫黄酸化細菌による硫化水素の酸化反応は阻害され、強酸である硫酸の生成を抑制できる。
【0075】
本発明では、消化液中にバイオガスを散気することにより気液接触を行うため、好気性条件下でバイオガスに消化液を散液する生物脱硫装置と比べて硫酸の発生が防止されるが、上述のようにバイオガス精製槽本体40a内部への酸素供給が実質的に断たれていることにより、更に顕著に硫酸の発生が防止される。
【0076】
強酸の発生を防止することにより、消化液のpH緩衝性が早期に緩衝限界に達することが回避され、消化液のpH緩衝性を二酸化炭素及び硫化水素の溶解除去のみのために作用させることができ、消化液が備える緩衝液としての性質を、極めて効率的に引き出すことが可能となる。その結果、消化液のpH変動が更に小さく、pHの低下が更に防止される。
【0077】
本発明においては、消化液のpHの低下が防止され、消化液が二酸化炭素及び硫化水素に対する溶解性を長期に渡って維持できるから、送液ポンプ50の動力を削減可能であることを上述したが、以下に説明する構成とすることにより、更に送液ポンプ50の動力を顕著に低減する効果が得られる。
【0078】
即ち、図1に示したように、まず、バイオガス精製槽4が備える消化液流入口41及び消化液排出口42を共にバイオガス精製槽本体40a内部に貯留された消化液の液面よりも下方に配置する。そして、消化液流入口41をバイオガス精製槽本体40aの下方に配置し、消化液排出口42をバイオガス精製槽本体40aの上方に配置する。さらに、消化液貯留槽3が備える消化液流入口32及び消化液排出口31を共に消化液貯留槽本体30a内部に貯留された消化液の液面よりも下方に配置する。そして、消化液流入口を消化液貯留槽本体30aの上方に配置し、消化液排出口31を消化液貯留槽本体30aの下方に配置する。
【0079】
バイオガス精製槽本体40a内では、散気されたバイオガスが消化液中に滞在し続ける間、気泡を含んだ消化液は相対密度が減少する。このため、消化液貯留槽3から供給配管51を介して新たに供給される気泡を含有しない消化液との間に密度差が生じる。この密度差によって供給配管51にバイオガス精製槽4に向かう液流を生じ、これに伴って返送配管52に消化液貯留槽3に向かう液流を生じる力が生じる。つまり、消化液貯留槽3とバイオガス精製槽4との間に消化液循環力を生成する。
【0080】
消化液循環力が得られることにより、消化液貯留槽3とバイオガス精製槽4との間で消化液を循環する送液ポンプ50の負担が軽減され、動力コストを更に低減することが可能となる効果を奏する。
【0081】
更に好ましい態様として、図1における送液ポンプ50を停止して、あるいは、図2に示すように送液ポンプ50を設けることなく、上述した消化液循環力のみによって、消化液貯留槽3とバイオガス精製槽4との間で消化液を循環するようにしてもよい。
【0082】
かかる消化液循環力のみによって得られる循環速度は、通常、送液ポンプ50による循環速度と比較すると、劣るものである。ところが、本発明においては、上述したように、消化液のpHの低下が顕著に防止され、僅かな循環でもバイオガス精製槽本体40a内の消化液のpHを高く保持できるので、比較的循環速度が低い消化液循環力のみでも、消化液の循環供給を好適に賄うことが可能となり、送液ポンプ50の動力にかかるコストを完全に排除することが可能となる効果を奏する。
【0083】
また、本発明においては、図3に示すように、送液ポンプ50を、供給配管51ではなく、供給配管51のバイパスライン51a上に設けることも好ましいことである。
【0084】
図3に示した構成を備えるバイオガス精製装置2において、通常運転では、送液ポンプ50は停止され、バイパスライン51aに設けられた弁51a’を閉とし、供給配管51に設けられた弁51’を開とし、供給配管51を介して上述した消化液循環力のみによる循環を行う。
【0085】
そして、バイオガス精製槽本体40a内の消化液のpHが所定値(好ましくはpH7)よりも低下した場合に、供給配管51に設けられた弁51’を閉とし、バイパスライン51aに設けられた弁51a’を開とし、送液ポンプ50を作動させ、バイパスライン51aを介した循環を行うように切り替える。
【0086】
送液ポンプ50による循環の結果、バイオガス精製槽本体40a内の消化液のpHが所定値を超え、理想値(好ましくはpH7.5以上)まで回復したところで上述した通常運転に切り替える。
【0087】
このような切り替えは、バイオガス精製槽本体40a内の消化液のpH検出するpH検出手段45、送液ポンプ50、弁51’及び弁51a’をそれぞれ制御部6に接続して、pH計測手段45からの検出結果に基づいて自動化されるように構成してもよい。
【0088】
このようにして、最低限のポンプ動力によって、より確実にバイオガス精製を行うことが可能となる効果を奏する。
【0089】
図3の例では、送液ポンプ50を供給配管51のバイパスライン51aに設ける場合を説明したが、これに限定されず、送液ポンプ50を供給配管52のバイパスラインに設けて同様の切り替えを行ってもよい。
【0090】
また、本発明において、消化液貯留槽3は、消化液貯留槽本体30a内の消化液から放出されるガスに含まれるバイオガス由来の硫化水素を処理するための不図示の脱臭装置を備えてもよい。脱臭装置としては、格別限定されないが、活性炭充填層に硫化水素を吸収して除去するものを好ましく用いることができる。
【0091】
本発明において、バイオガス取出口44から回収された精製バイオガスは、ミストセパレータに供して、ミスト(水蒸気)を分離することも好ましい。
【0092】
また、バイオガス取出口44から回収された精製バイオガスを、生物脱硫等による脱硫装置に供して、バイオガス中の硫化水素を更に除去することもできる。本発明においては、硫化水素はバイオガス精製槽4で高度に除去できるので、脱硫装置を設ける場合は、脱硫装置の負荷軽減が可能となる効果を奏する。さらに、原料となるバイオマス等に起因してメタン発酵槽1から発生するバイオガス中の硫化水素濃度が低い場合などは、バイオガス精製槽4で十分な除去を行うことができ、脱硫装置が不要となる。
【0093】
以上の説明では、バイオガス精製装置2に導入される消化液とバイオガスとが、共に同一のメタン発酵槽1から生成したものである場合を示したが、これに限定されるものではなく、本発明において、バイオガス精製装置2に導入される消化液とバイオガスとは、互いに異なるメタン発酵槽から生成したものであってもよい。
【0094】
消化液貯留槽3に貯留された消化液は、適宜抜き出されて肥料等として利用することが可能である。抜き出した分に応じて、適宜新たな消化液を補充することができる。
【実施例】
【0095】
以下に、本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
【0096】
(実施例1)
<試験試料>
被処理バイオガスA:K市で実施しているメタン発酵槽から生成されたバイオガスを採取し、被処理バイオガスAとした。検知管によって検出された被処理バイオガスA中の二酸化炭素濃度は40%、硫化水素濃度は170ppmであった。温度は常温である。
【0097】
試験液(消化液A):同メタン発酵槽から発酵終了後の消化液を採取し、大気下に2時間放置して消化液Aとした。pHメーターによって測定された消化液AのpHは、7.94であった。温度は常温である。SS濃度は、12000mg/Lであった。
【0098】
<試験方法>
上記被処理バイオガスA100mlと上記消化液A100mlとを白硬注射筒に注入し、常温・常圧下において密封状態(酸素供給が実質的に断たれた状態)で2分間振盪して気液接触させた。
【0099】
振盪後、pHメーターによって液相(消化液)のpHを測定し、更に、検知管によって気相(バイオガス)中の二酸化炭素濃度及び硫化水素濃度を測定した。
【0100】
また、試験前後におけるバイオガス中の二酸化炭素濃度及び硫化水素濃度の減少率を算出し、更に、この結果に基づいて試験後のバイオガス中におけるメタン濃度を算出した。結果を表1に示す。
【0101】
(実施例2)
<試験試料>
被処理バイオガスB:実施例1と同じメタン発酵槽から別の日に、実施例1と同様にバイオガスを採取し、被処理バイオガスBとした。検知管によって測定された被処理バイオガスB中の二酸化炭素濃度は35%であった。温度は常温である。
【0102】
試験液(消化液B):実施例1と同じメタン発酵槽から別の日に、実施例1と同様に消化液を採取し、大気下に2時間放置して消化液Bとした。pHメーターによって測定された消化液BのpHは、8.01であった。温度は常温である。SS濃度は、12000mg/Lであった。
【0103】
<試験方法>
上記被処理バイオガスB100mlと上記消化液B100mlとを白硬注射筒に注入し、常温・常圧下において密封状態で2分間振盪して気液接触させた。
【0104】
振盪後、pHメーターによって液相(消化液)のpHを測定し、更に、検知管によって気相(バイオガス)中の二酸化炭素濃度を測定した。
【0105】
また、試験前後におけるバイオガス中の二酸化炭素濃度の減少率を算出し、更に、この結果に基づいて試験後のバイオガス中におけるメタン濃度を算出した。結果を表1に示す。
【0106】
(比較例1)
<試験試料>
被処理バイオガスA:実施例1で用いたものと同様である。
【0107】
試験液(水道水):試験液として水道水を用いた。pHメーターによって測定された水道水のpHは、7.18であった。温度は常温である。
【0108】
<試験方法>
上記被処理バイオガスA100mlと上記水道水100mlとを白硬注射筒に注入し、常温・常圧下において密封状態で2分間振盪して気液接触させた。
【0109】
振盪後、pHメーターによって液相(水道水)のpHを測定し、更に、検知管によって気相(バイオガス)中の二酸化炭素濃度及び硫化水素濃度を測定した。
【0110】
また、試験前後におけるバイオガス中の二酸化炭素濃度及び硫化水素濃度の減少率を算出し、更に、この結果に基づいて試験後のバイオガス中におけるメタン濃度を算出した。結果を表1に示す。
【0111】
【表1】

【0112】
<評価>
メタン発酵後の消化液と、バイオマスをメタン発酵して生成するバイオガスとを、酸素供給が実質的に断たれた状態で気液接触させた実施例1、2では、消化液に代えて水道水を用いた比較例1に対して、気液接触によるpHの低下が顕著に防止され、且つ、二酸化炭素と硫化水素の除去効率に優れることがわかる。
【0113】
(実施例3)
直径150mm、高さ2050mm(体積36L)のバイオガス精製槽を用いてバイオガスと消化液を気液接触させ、バイオガス精製を行った。
【0114】
バイオガスは、ガスバックからのガス(フレッシュガス)を、バイオガス精製槽の下部に設けたメンブレンディフューザにより気泡化しながら導入した。ガス流量は、6L/分で行った。
【0115】
消化液は、1ヶ月以上貯留したSS濃度12000mg/Lの消化液100Lを、上向流(バイオガス精製槽の下部から供給しバイオガス精製槽上部から消化液貯留槽に戻す)で循環させた。消化液の循環流量は、6L/分で行った。
【0116】
消化液のpHは、pHメーター(東亜ディーケーケー社製ポータブルpH計HM)で測定した。フレッシュガス及び、バイオガス精製槽出口ガス(精製ガス)は、メタン及び硫化水素の濃度を測定した。メタン及び硫化水素濃度の測定は、ガスをそれぞれサンプリングし、後日ガスクロマトグラフ分析によって測定した。結果を表2に示す。
【0117】
なお、表2中、気液比は、バイオガス精製槽内のガス流量を、バイオガス精製槽内の消化液流量で除した値である。
【0118】
【表2】

【0119】
<評価>
消化液との接触時間(バイオガスがバイオガス精製槽に導入されてからヘッドスペースに達するまで)は、約5秒であったが、精製ガスのメタンガス濃度は70%以上にすることができた。硫化水素の濃度も200ppm以下に削減することができた。
【符号の説明】
【0120】
1:メタン発酵槽
11:送液ポンプ
12:送液管
13:ブロワ
14:送風管
15:ガスバック
2:バイオガス精製装置
3:消化液貯留槽
30a:消化液貯留槽本体
30b:蓋体
31:消化液排出口
32:消化液流入口
4:バイオガス精製槽
40a:バイオガス精製槽本体
40b:蓋体
41:消化液流入口
42:消化液排出口
43:バイオガス導入口
43a:気泡化手段
44:バイオガス取出口
45:pH検出手段
50:送液ポンプ
51:供給配管
51’:弁
51a:バイパスライン
51a’:弁
52:返送配管
6:制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタン発酵槽からのメタン発酵後の消化液を貯留する消化液貯留槽本体と蓋体とからなり、該本体の上部又は下部に消化液を排出する消化液排出口を備え、該本体の上部又は下部にバイオガス精製後の消化液を流入する消化液流入口を備えた消化液貯留槽と、
メタン発酵後の消化液を貯留するバイオガス精製槽本体と、該本体の上部を密封する蓋体とからなり、該本体の上部又は下部にメタン発酵後の消化液を流入する消化液流入口を備え、該本体の上部又は下部にバイオガス精製後の消化液を排出する消化液排出口を備え、該本体の下部にメタン発酵槽から送られるメタンガス、二酸化炭素ガス、硫化水素ガスを少なくとも含むバイオガスを導入するバイオガス導入口を備え、該本体内部に貯留された消化液の液面よりも上方に精製後のバイオガスを取り出すバイオガス取出口を備え、該本体内部の下方に、前記バイオガス導入口から導入されたバイオガスを気泡化して消化液中に散気する気泡化手段を備えたバイオガス精製槽とからなり、
前記バイオガス精製槽が備える前記消化液流入口と、前記消化液貯留槽が備える前記消化液排出口とが供給配管により連結されると共に、前記バイオガス精製槽が備える前記消化液排出口と、前記消化液貯留槽が備える前記消化液流入口とが返送配管により連結されており、
前記消化液貯留槽と前記バイオガス精製槽との間で消化液を循環させてバイオガスの精製を行うバイオガス精製装置であって、
前記気泡化手段により発生する気泡の径は、300μm〜3mmの範囲であることを特徴とするバイオガス精製装置。
【請求項2】
前記バイオガス精製槽本体内部の消化液のSS濃度は、5000〜40000mg/Lの範囲であることを特徴とする請求項1記載のバイオガス精製装置。
【請求項3】
前記バイオガス精製槽本体内部への酸素供給が実質的に断たれていることを特徴とする請求項1又は2記載のバイオガス精製装置。
【請求項4】
前記バイオガス精製槽が備える前記消化液流入口及び前記消化液排出口は共に前記バイオガス精製槽本体内部に貯留された消化液の液面よりも下方に配置され、且つ、該消化液流入口は該本体の下方に配置され、該消化液排出口は該本体の上方に配置されており、
前記消化液貯留槽が備える前記消化液流入口及び前記消化液排出口は共に前記消化液貯留槽本体内部に貯留された消化液の液面よりも下方に配置され、且つ、該消化液流入口は該本体の上方に配置され、該消化液排出口は該本体の下方に配置されており、
前記バイオガス精製槽本体内部で気泡を含有した消化液と、前記消化液貯留槽本体内部から前記供給配管を介して新たに供給される気泡を含有しない消化液との間に生じる密度差により、前記消化液貯留槽と前記バイオガス精製槽との間に消化液循環力を生成することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のバイオガス精製装置。
【請求項5】
前記消化液循環力のみによって、前記消化液貯留槽と前記バイオガス精製槽との間で消化液を循環することとを特徴とする請求項4記載のバイオガス精製装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−229382(P2012−229382A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100063(P2011−100063)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(592141927)三井造船環境エンジニアリング株式会社 (15)
【Fターム(参考)】