説明

バイオマスを液体燃料および特殊化学製品に転化する方法

バイオマスを燃料および/または価値ある化学製品に転化する方法が開示される。本方法は、a)バイオマスを活性化して、転化に対してより感受性にする段階、c)該バイオマスを部分的に転化して可溶化された物質にする段階、およびd)転化されていないバイオマスを第二の転化段階に付する段階を含む。本方法は任意的に、該活性化されたバイオマスに溶媒を添加する段階b)を含む。好まれる実施態様では、段階c)で得られた可溶化されたバイオマスは、転化されていないバイオマスが段階d)に付される前に除かれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形バイオマスを液体燃料および特殊化学製品に転化する方法に関する。
【0002】
バイオマス、特に植物由来のバイオマスは豊富に入手可能であり、液体燃料および価値ある化学製品の潜在的源であると、長い間認識されてきた。たとえば、非特許文献1および非特許文献2を参照せよ。
【0003】
精製されたバイオマス物質、たとえば植物油、デンプン、および糖は、液体燃料、たとえばバイオジーゼル油(脂肪酸のメチルまたはエチルエステル)およびエタノールにほとんど完全に転化されることができる。しかし、液体燃料を求める出発点としてこれらの精製されたバイオマス物質を使用することは、貴重な食料源を動物の消費からおよび人の消費からさえも脇にそらせてしまう。これはこれらの出発物質を高価なものにし、倫理的反対にも遭遇する。
【0004】
非食用バイオマスを液体燃料および価値ある化学製品に転化する方法を発見することは、特に、この非食用バイオマスが現時点で経済的な用途を有さず、それ故に「廃棄物」とみなされているならば、はるかに望ましい。このようなバイオマス物質の例は、農業廃棄物、たとえばバガス、わら、トウモロコシの茎葉、トウモロコシの皮等を含む。他の例は林業廃棄物、たとえば伐採作業からの木材チップおよびおがくずまたは紙および/もしくは製紙工場からの廃棄物を含む。これらの物質が有する共通点は、これらの物質が有意の量のリグノセルロースおよび結晶セルロースを含有することであり、該リグノセルロースおよび結晶セルロースはこれらの物質が化学的転化および発酵に対して抵抗性である原因となる。バイオマスは、リグニン、非晶質ヘミセルロースおよび結晶セルロースである3の主要な成分から成ることが知られており、該3成分は非常に緻密な様式で集合しているので、バイオマスはより低度に接近可能となり、したがって化学的および/または酵素的転化に対してより低度に感受性である。
【背景技術】
【0005】
非食用バイオマスを液体燃料、動物飼料、および化学製品へ転化するための各種の方法が提案されている。一般的にいえば、これらの方法は以下のカテゴリーのうちの一つに分類される。
【0006】
水熱分解法(HTU)
特許文献1、非特許文献3および非特許文献4を参照せよ。
【0007】
熱分解法
非特許文献5を参照せよ。
【0008】
ガス化法(およびそれに続くフィッシャー・トロプシュ合成)
非特許文献6を参照せよ。
【0009】
酸加水分解法
特許文献2を参照せよ。
【0010】
酵素発酵法
たとえば、非特許文献7を参照せよ。
【0011】
水熱分解法(HTU)は、バイオマスが、高められた温度(優に200℃超)および圧力(50バール以上)で液状水と反応される方法をいう。好適な転化速度を得るために必要とされる高い温度および圧力は、この方法を高コストにし、特別な金属合金で建造された特別な高圧容器を要求し、該容器は工業プラントとしては操作が難しく、かつ比較的短い寿命を有する。加えて、HTU法において得られた生成物は、広く行われている反応条件下にも生じる重合およびコーク生成の故に重度に分解されている。HTU法によって得られた液状生成物は、高度に酸性かつ腐食性、および不安定である傾向がある。
【0012】
熱分解法は一般的に、酸素の不存在において、またはほとんど酸素が存在しないのでほとんどもしくは全く酸化が起きないような酸素を用いて、高温度(500〜800℃)で実施される方法をいう。得られた液状生成物は、不十分な品質、すなわち重度に分解されており、および低いpHを有し、かつ輸送燃料または化学原料に改良するための高コストな(水素化)処理を要求する。
【0013】
一つには、従来のHTU法および熱分解法の条件下に操業するために必要な容器の高コストを避けるために、またもう一つには、これらのより厳しい反応条件下に起きる生成物の分解を避けるためにも、従来のHTU法および熱分解法において広く行われている条件よりもはるかに穏やかな条件下にバイオマスを転化する方法を開発することが望ましい。
【0014】
バイオマスのガス化およびそれに続くFT合成法は炭化水素物質の完全な分解およびそれに続く別の炭化水素の合成を含むので、これは本質的に高コストである。この経路は複雑な多段階の、したがって高コストな処理体系を含む。
【0015】
在りうる経済的なバイオマス転化方法は、液体燃料を造る目的と矛盾しない範囲内で、該バイオマス中に存在する化学構造をできる限り多く保存することを目標としなければならない。その全体の経路は、簡単で資本コストおよび操業コストが低くなければならない。
【0016】
酵素発酵法は、バイオマス中の利用可能なセルロースの比較的小さい部分、一般におよそ40%のみを転化する能力がある。該方法はゆっくりであり、バッチ当たり24時間以上を要求し、かつ固体と液体との低い割合において最も良好に操業される。したがって、該方法は大きい発酵容器中で実施されなければならない。化学転化方法で使用される化学製品のコストと比較すると、この方法で使用される酵素は高価である。
【0017】
酸加水分解法が、酵素発酵法の前駆法として提案されている。この目的は、(リグノ)セルロースのより多くの部分が後続の発酵に利用されることができるようにその初期分解をもたらすことである。環境条件下におよび100℃未満の温度において、酸加水分解は実施される。大量の酸を取扱うことは、特に該酸は発酵段階の前に除かれるかあるいは中和されなければならないから、この方法の魅力を少なくする。生成された塩は後続の発酵工程に有害な影響を与える。
【特許文献1】Van den Beldら、「バイオマスからの液体燃料の生産方法」、国際公開第02/20699号パンフレット
【特許文献2】Schmidtら、「バイオマス物質の加水分解」、米国特許出願公開第2002/0117167号明細書
【非特許文献1】P.Mc.Kendry、「バイオマスからのエネルギー生産」、Bioresource Technology、2002年、第83巻、37〜46ページ
【非特許文献2】C.E.Wymanら、「先駆的なバイオマス前処理技術の協調的な開発」、Bioresource Technology、2005年、第96巻、1959〜1966ページ
【非特許文献3】D.C.Elliotら、「バイオマスの直接熱化学的液化の進歩、1983〜1990年」、Energy & Fuels、1991年、第5巻、399〜410ページ
【非特許文献4】「セルロースの熱的水性分解の際に生成される中間生成物の文献調査」、Polym.Plast.Technology Eng.1978年、第11巻、第2号、127〜157ページ
【非特許文献5】D.Mohanら、「バイオオイルを得るための木材/バイオマスの熱分解:批判的概説」、Energy & Fuels、2006年、第20巻、848〜889ページ
【非特許文献6】D.C.Elliotら、「高圧水性環境における化学プロセス−ガス化触媒の進歩」、Ind.Eng.Chem.Res.1993年、第32巻、1542〜1548ページ
【非特許文献7】M.Galbeら、「針葉樹からのエタノール生産の概説」、Biomedical and Life Sciences、2002年9月、第59巻、第6号、
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
高い装置コストおよびエネルギーコストならびに/または転化生成物の実質的な分解を避けるのに十分なほど穏やかである条件下に、非食用バイオマス中に存在する(リグノ)セルロース物質の大部分を転化することができる低コストな方法の必要が存在する。
【0019】
バイオマスは一般に、主にリグニン、非晶質ヘミセルロースおよび結晶セルロースを含んでいる複合物を表し、これらは強い緻密な形態で集合しており、これらは接近可能性がないので化学処理、含浸、および溶解に対して抵抗性である。これらの3の主成分を複合物から解き離す手段を開発し、かつ化学反応およびその後の転化が行われることを許す感受性を発現させることが非常に望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0020】
2段階方法、すなわちa)複合物内の該成分を分解/解離することおよび感受性を発現させること、b)燃料および化学製品への効率的な転化のための物理的、機械的、熱的および化学的手段を適切に使用して該個々の成分を反応させること、を使用することによって、本発明者らの発明はこれを達成する手段を提供する。
【0021】
本発明は、
a)バイオマスを活性化して、それを転化をより受けやすくする段階、
b)任意的に、溶媒を添加する段階、
c)該活性化されたバイオマスを部分的に転化して、可溶化された物質と転化されていないバイオマスとの混合物を生成する段階、および
d)段階c)からの転化されていないバイオマスを転化工程に付する段階
を含む、バイオマスを液体燃料に転化する方法に関する。
【発明の効果】
【0022】
任意的に溶媒の添加(段階b)によって支援された、段階a)において行われる活性化の故に、段階c)は穏やかな条件下に実施されることができる。その結果、段階c)で得られた生成物は実質的に劣化されていない。段階c)からの転化されていないバイオマスは、その後、段階d)において第二の転化に付される。任意的に、および好ましくは、段階c)で得られた転化されたバイオマスは、転化されていないバイオマスから、後者が段階d)において第二の転化に付される前に除かれる。最初に段階c)からの転化生成物が除かれるならば、段階d)は段階c)よりも厳しい条件下に実施されることができる。別の方法では、転化されていないバイオマスが段階d)の転化方法に対してより感受性であるように、段階d)に先行して第二の活性化段階があってもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下は、本発明の特定の実施態様の説明であり、実施例の目的としてのみ示されている。
【0024】
本発明は、
a)バイオマスを活性化して、それを転化をより受けやすくする段階、
b)任意的に、溶媒を添加する段階、
c)該活性化されたバイオマスを部分的に転化して、可溶化された物質と転化されていないバイオマスとの混合物を生成する段階、および
d)段階c)からの転化されていないバイオマスを転化工程に付する段階
を含む、バイオマスを液体燃料に転化する方法に関する。
【0025】
本発明の方法は、たとえば従来のHTU法または熱分解法よりも低度に厳しいプロセス条件を要求するという全般的な利点を提供する。したがって、本方法は費用効率がより高く、より簡単なより低度に高価な装置を要求する。本方法はまた、環境に、より受け入れられるものであり、より高品質の製品を生産し、かつ燃料および化学製品への転化に、より適している。
【0026】
本方法の特定の実施態様は、バイオマス物質と溶媒および/または固形添加物および/または液状添加物との均一な完全な混合物をもたらし、これはその後の転化のための利点をもたらす。
【0027】
好まれる実施態様では、バイオマス物質は増感される。増感された物質は水熱転化に対して感受性が増加するので、水熱転化自体が、このタイプの反応について通常採用されるよりも低い温度および圧力において実施されることができる。
【0028】
水熱転化段階自体の前に、炭素に基づいたエネルギー担体物質が増感されることができる様々な様式がある。
【0029】
1の方法は、炭素に基づいたエネルギー担体物質の粒子を用意し、そしてこれらの粒子を触媒物質のより小さい粒子で被覆することを含む。被覆された粒子は熱処理に付され、その際にエネルギー担体物質は増感される。この方法は、「粒子状の、炭素に基づいたエネルギー担体物質の前処理」と表題された本発明者らの同時係属特許出願の明細書に詳細に開示されており、この出願公開明細書は引用によって本明細書に取り込まれる。
【0030】
炭素に基づいたエネルギー担体物質を増感するための他の方法は、光合成由来のポリマーを含有するエネルギー担体物質に適している。この方法では、無機物質の小粒子が光合成由来のポリマー物質の内部に埋め込まれる。この方法は、「粒子状無機物質を含んでいる、光合成由来のポリマー物質を造る方法」と表題された本発明者らの同時係属特許出願の明細書に詳細に開示されており、この出願公開明細書は引用によって本明細書に取り込まれる。
【0031】
炭素に基づいたエネルギー担体物質を増感するためのさらに他の方法は、炭素に基づいたエネルギー担体物質を本発明の方法の段階d)で得られた反応生成物と接触させる段階を含む。本発明の方法が開始された時には反応生成物はまだ利用可能でないことが理解されよう。したがって、この段階では、炭素に基づいたエネルギー担体物質は、何らかの他の方法によって増感される。増感されていない物質を用いて反応を開始し、そして慣用の温度および圧力条件下に水熱転化段階を実施することも可能である。
【0032】
たとえば、370℃までの温度および約200バールの圧力において、好ましくは過熱蒸気(「乾き蒸気」)を用いて、反応が開始され、増感の目的のために、炭素に基づいたエネルギー担体物質と混合するのに実際に適している反応生成物を製造することができる。増感された物質の連続供給によって反応を持続するのに十分な反応生成物がいったん生成されれば、水熱転化条件はそれから300℃未満の温度および50バール未満の圧力に変えられることができる。
【0033】
さらに好まれる実施態様では、増感段階a)は、エネルギー担体物質を少なくとも4pH単位のpHの変化に付す段階を含む。1の実施態様では、最初に、炭素に基づいたエネルギー担体物質を6未満のpHに曝露し、そしてpHを8超まで上げることによってpHの変化は作り出されるが、但しpHの変化は少なくとも4pH単位でなければならない。たとえば、酸性のpHが6であれば、pHは少なくとも10まで上げられ、酸性のpHが5であれば、pHは少なくとも9まで上げられる等である。
【0034】
他の実施態様では、最初に、炭素に基づいたエネルギー担体物質を8超のpHに曝露し、そしてpHを6未満まで下げることによってpHの変化は作り出されるが、但しpHの変化は少なくとも4単位でなければならない。たとえば、アルカリ性のpHが8であれば、pHは4以下まで下げられ、アルカリ性のpHが9であれば、pHは5以下まで下げられる等である。
【0035】
特に好まれる実施態様では、最初に、炭素に基づいたエネルギー担体物質を3未満のpHに曝露し、そしてpHを6超まで上げる段階を、pHの変化は含む。
【0036】
好都合には、炭素に基づいたエネルギー担体物質に酸または塩基の水性溶液をそれぞれ添加することによって、pHの変化は作り出される。好適な酸は、鉱酸、特に強鉱酸、たとえば塩酸、硝酸、および硫酸を包含する。有機酸、特に後続のエネルギー担体物質の水熱転化において製造されることができるような有機酸も適している。何故ならば、本方法が実施される場所においてそれらが豊富に利用可能であり、かつ本方法の他の段階とそれらが適合するからである。
【0037】
好適な塩基は、無機物質、特に安価な無機物質、たとえばカリ、ソーダ灰、苛性化合物、および石灰を包含する。
【0038】
エネルギー担体物質への酸そして塩基(または塩基そして酸)の引き続く添加は、塩の存在をもたらす。一般に、塩は後続の水熱転化反応と干渉しない。典型的には、水に富んだ相および炭化水素に富んだ相を含んでおり、実質的にすべての塩が該水に富んだ相中に存在している液状生成物の生成を、水熱転化はもたらす。水に富んだ相から任意の適当な技術によって、塩は回収されることができる。
【0039】
好まれる実施態様では、塩は、炭素に基づいたエネルギー担体物質中に微小結晶の形態で埋め込まれる。溶液中に存在する塩が沈降するように条件を変えることによって、これは行われる。一般に、エネルギー担体物質の粒子の外表面上に塩結晶を堆積させることは望ましくない。したがって、最初に過剰の液体が流し去られて、塩溶液に浸漬されたエネルギー担体物質が残される。次に、条件が変えられて、塩の沈降がエネルギー担体物質の粒子の内部で引き起こされる。この条件の変化は、特定の塩の沈降を引き起こす任意のものでよく、たとえば温度の変化、pHの変化、溶媒(これはほとんどの場合に水である。)の蒸発、およびこのような手段の組み合わせを包含することができる。
【0040】
エネルギー担体物質の粒子の内部に埋め込まれた塩結晶は、これらの粒子を壊しまたは開裂しやすく、それによってエネルギー担体物質の、後続の水熱処理に対して必要とされる増感に寄与する。
【0041】
他の実施態様では、バイオマス物質は以下のように、
a)粒子形状のバイオマス物質を用意する段階、
b)該粒子状バイオマス物質と溶媒とのスラリーを調製する段階、および
c)該スラリー中へと粒子状で不溶性の無機物質を導入する段階、
を含む方法で前処理される。
【0042】
好適には、ポリマー物質の源は農業または林業廃棄物の形態である。この例は、バガス、甜菜パルプ、刻んだわら、綿くず、トウモロコシの茎、トウモロコシの穂軸、木材チップ、おがくず、樹皮、草等を含む。
【0043】
本発明の方法のために、ポリマー物質は粒子形状で、好ましくは3mm未満、好ましくは0.1〜1mmの範囲の平均粒子直径を有する粒子形状で用意される。一般に、この粒子状物質はより大きい粒子から、粉砕、磨砕、微粉化等のような手法によって調製される。しかし、本発明の方法は比較的粗い粒子状ポリマー物質とともに使用するのに適していることが発見され、その結果、この粒子サイズを減少する段階は省略されてもよい。たとえば、木がチェーンソーで切られたときに製造される木材チップは、粒子サイズをさらに小さくしないで本発明の方法に使用されることができる。
【0044】
粒子状ポリマー物質は溶媒と混合されてスラリーを形成する。任意の適当な混合機、たとえばヘリカルミキサー、インペラー、スクリューミキサー等で、混合は実施されることができる。高せん断混合の形式を採用することが望ましいということができる。
【0045】
低コストで操業することが望ましいので、多くの場合、水が好まれる溶媒である。しかし、他の溶媒が、本転化方法の他の段階から低コストで利用可能であることがある。たとえば、本発明の方法が発酵方法と一体化されるならば、エタノールが低コストで豊富に利用可能であることができる。また、本発明の方法の反応生成物は液相を含んでおり、これは水性相および有機相へと分離されることができる。水性相は水および水溶性有機化合物を含んでいる。この水性相は、段階b)のスラリーを造るための溶媒として、この中に含有されている有機化合物を予め除いてまたは除かないで使用されることができる。
【0046】
段階c)でスラリー中へと導入される不溶性無機物質は、好ましくはアルカリ性物質である。さらにより好まれるのは、層状物質または熱処理された形態の層状物質である。
【0047】
層状物質は、スメクタイト、アニオン粘土、層状ヒドロキシ塩、およびこれらの混合物から成る群から選択される。非常に好まれるのは、Mg−AlおよびCa−Alアニオン粘土である。
【0048】
熱処理された層状物質は、上記の群から選択された層状物質であって、約300〜900℃の範囲の温度で熱処理されたものである。
【0049】
(熱処理された)層状物質を含有する粒子は、さらに他の物質を含んでいてもよい。このような他の物質の例は、慣用の触媒成分、たとえばシリカ、アルミナ、アルミノシリケート、ジルコニア、チタニア、ボリア、カオリン、酸浸出カオリン、脱アルミニウムカオリン、ベントナイト、(修飾されたまたはドープされた)リン酸アルミニウム、ゼオライト(たとえば、X、Y、REY、USY、RE−USYゼオライト、またはZSM−5、ベータゼオライト、シリカライト)、ホスフェート(たとえば、メタまたはピロホスフェート)、吸着剤、フィラー、およびこれらの組み合わせである。
【0050】
好ましくは、該粒子はW、Mo、Ni、Co、Fe、V、および/またはCeのような金属も含有する。このような金属は粒子中に水素化処理機能を導入し(とりわけ、W、Mo、Ni、Co、およびFe)、またはイオウおよび/または窒素含有化学種(Zn、Ce、V)の除去を増進することができる。
【0051】
粒子は、(熱処理された)層状物質を含有する使用済み(残油)FCC触媒であることができる。これは廃棄物質の再使用を含むので、非常に好都合であろう。該使用済み触媒は磨砕されまたは粉砕されてより小さい粒子になり、それによってその分散性を増加することができる。
【0052】
(熱処理された)層状物質を含有する固形粒子は、好ましくは高い接近可能性を有し、それによって本発明の方法の際に、接近妨害をより低度に受けやすくなる。
【0053】
粒子状無機物質は、好適には1〜500マイクロメーター、好ましくは10〜150マイクロメーターの範囲の平均粒子直径を有する。
【0054】
以下は、本発明の方法に使用するのに適した特定の層状物質の例である。
【0055】
スメクタイト
【0056】
スメクタイトは、格子電荷を持ち、かつ水およびアルコールで溶媒和されると特徴的に膨張する2:1粘土物質である。層は負に帯電している。層間に、カチオンが収容される。スメクタイトの例はモンモリロナイトおよびサポナイトであり、これらはMg、Al、およびSi含有スメクタイトである。
【0057】
天然に産出するまたは合成的に調製されたスメクタイトが使用されることができる。Mg、Al、およびSi含有スメクタイトを調製する方法は、国際公開第01/12319号に開示されている。熱処理、たとえば300〜900℃の範囲の温度におけるカ焼は、活性化されたスメクタイト粘土の生成をもたらす。
【0058】
アニオン粘土
【0059】
アニオン粘土は、一般式
[M2+3+(OH)2m+2n](Xn/zz−)・bH
に相当する層状構造物であり、この式で、M2+は2価金属であり、M3+は3価金属であり、mおよびnはm/n=1〜10、好ましくは1〜6であるような値を有し、およびbは0〜10の範囲の値、一般には2〜6の値、しばしば約4の値を有する。Xは価数zを有するアニオン、たとえばCO2−、OH、またはアニオン粘土の層間に通常存在する任意の他のアニオンである。m/nは2〜4の値を有すべきことがより好まれ、より特には3に近い値である。
【0060】
従来技術では、アニオン粘土は層状副水酸化物およびハイドロタルサイト様物質とも呼ばれる。
【0061】
アニオン粘土は、金属水酸化物の特定の組み合わせから構成された正に帯電した層であって、その層間にアニオンおよび水の分子が存在する層から成る結晶構造を有する。ハイドロタルサイトは、その中でAlが3価金属であり、Mgが2価金属であり、および炭酸イオンが、存在する主要なアニオンであるところの天然に産出するアニオン粘土である。ミックスネライトは、その中でAlが3価金属であり、Mgが2価金属であり、およびヒドロキシルイオンが、存在する主要なアニオンであるところのアニオン粘土である。
【0062】
ハイドロタルサイト様アニオン粘土では、ブルーサイト様主要層は、その中に水分子およびアニオン、より特には炭酸イオンが分配されているところの中間層と、それと交互に存在する8面体層とから構成される。中間層は、アニオン、たとえばNO、OH、Cl、Br、I、SO2−、SO2−、CrO2−、BO2−、MnO、HGaO2−、HVO2−、ClO、BO2−、ピラーアニオン、たとえばV10286−およびMo246−、モノカルボン酸イオン、たとえば酢酸イオン、ジカルボン酸イオン、たとえばシュウ酸イオン、スルホン酸アルキルイオン、たとえばスルホン酸ラウリルイオンを含有することができる。
【0063】
約200℃超の温度における熱処理後、アニオン粘土は、いわゆる固溶体、すなわちアニオン粘土に再水和可能である混合酸化物に変換される。これより高い温度、約800℃超では、スピネルタイプの構造が形成される。これはアニオン粘土に再水和可能ではない。
【0064】
本発明の方法に使用されるべき固形粒子中に存在することができる、該熱処理されたアニオン粘土は、固溶体またはスピネルタイプ物質であることができる。
【0065】
本発明の目的のためには、種々のタイプの(熱処理された)アニオン粘土が適している。(熱処理された)アニオン粘土中に存在する好適な3価金属(M3+)の例は、Al3+、Ga3+、In3+、Bi3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、Sc3+、La3+、Ce3+、およびこれらの組み合わせを含む。好適な2価金属(M2+)は、Mg2+、Ca2+、Ba2+、Zn2+、Mn2+、Co2+、Mo2+、Ni2+、Fe2+、Sr2+、Cu2+、およびこれらの組み合わせを包含する。とりわけ好まれるアニオン粘土はMg−AlおよびCa−Alのアニオン粘土である。
【0066】
好適なアニオン粘土は任意の知られた方法によって調製されることができる。その例は、可溶性の2価および3価金属塩の共沈降、ならびに水不溶性の2価および3価金属化合物、たとえば酸化物、水酸化物、炭酸塩、およびヒドロキシ炭酸塩間のスラリー反応である。後者の方法は、アニオン粘土への安価な経路を提供する。
【0067】
層状ヒドロキシ塩
【0068】
金属ヒドロキシ塩(LHS)は、2価金属のみから構成され、他方、層状副水酸化物は2価および3価金属の双方から構成される点でアニオン粘土と区別される。
【0069】
LHSの例は、以下の理想化された式、すなわち[(Me2+,M2+(OH)(Xn−1/n]に従う2価金属のヒドロキシ塩であり、この式で、Me2+およびM2+は同一または異なった2価金属イオンであることができ、ならびにXn−はOH以外のアニオンである。LHSの他の例は、一般式[(Me2+,M2+(OH)2+(Xn−2/n]を有し、この式で、Me2+およびM2+は同一または異なった2価金属イオンであることができ、ならびにXはOH以外のアニオンである。
【0070】
LHSが2の異なった金属を含有するならば、該2の金属の相対量の比は1に近くてよい。あるいは、この比はこれよりはるかに高くてもよく、それは該金属のうちの一方が他方よりも優勢であることを意味する。これらの式は理想的なものであり、化学分析が該理想的な式を満たさない組成を示すかも知れないけれども、実際には全体としての構造が維持されるであろうことを認識することが重要である。
【0071】
1のタイプの金属を有する好適な層状ヒドロキシ塩の例は、Zn−LHS(たとえば、Zn(OH)(X)、Zn(OH)X、Zn(OH)(X)・2HO、Zn(OH)(X))、Co−LHS(たとえば、Co(OH)X)、Ni−LHS(たとえば、Ni(OH)X)、Mg−LHS(たとえば、Mg(OH)X)、Fe−LHS、Mn−LHS、およびLa−LHS(La(OH)NO)である。2以上の異なったタイプの金属を含んでいる好適な層状ヒドロキシ塩の例は、Zn−Cu LHS、Zn−Ni LHS、Zn−Co LHS、Fe−Co LHS、Zn−Mn LHS、Zn−Fe LHS、Ni−Cu LHS、Cu−Co LHS、Cu−Mg LHS、Cu−Mn LHS、Fe−Co LHS、Ni−Co LHS、Zn−Fe−Co LHS、Mg−Fe−Co LHS、およびNi−Cu−Co LHSである。とりわけ好まれる層状ヒドロキシ塩はZn−Mn LHSおよびZn−Fe LHSである。
【0072】
好適な中間層アニオンXn−の例は、NO、OH、Cl、Br、I、SO2−、SO2−、CrO2−、BO2−、MnO、HGaO2−、HVO2−、ClO、BO2−、ピラーアニオン、たとえばV10286−およびMo246−、モノカルボン酸イオン、たとえば酢酸イオン、ジカルボン酸イオン、たとえばシュウ酸イオン、スルホン酸アルキルイオン、たとえばスルホン酸ラウリルイオンである。
【0073】
(ジ)炭酸イオンまたは有機アニオンで交換されたLHSは、カ焼すると、該アニオンが分解し、それによって該LHSの多孔度および表面積を増加する利点をもたらす。
【0074】
層状ヒドロキシ塩を調製する好適な方法は、金属酸化物を、溶解された金属塩と反応させ(Inorg.Chem.1993年、第32巻、1209〜1215ページ参照)、そして金属塩溶液から共沈降させること(J.Solid State Chem.1999年、第148巻、26〜40ページおよびJ.Mater.Chem.1991年、第1巻、531〜537ページ参照)を含む。LHSの調製後、所望であれば常法のイオン交換手順によって、中間層アニオンが交換されることができる。
【0075】
300℃超の温度でLHSを熱処理すると、金属酸化物または混合金属酸化物が生成される。
【0076】
他の方法は、押出機および/または混練機の使用を含む。混練は均一かつ緊密な混合をもたらすのに非常に適していて反応が行われるのを許し、他方、押出は物質の高せん断の機械的処理をもたらし、これはバイオマス複合物の溶解を助け該物質の輸送を促進する。特に、本発明の方法で使用するためにはスクリュー押出機の使用が好まれる。何故ならば、これは高価な装置を要求しないで高圧力における操作を許すからである。
【0077】
混合段階は、バイオマス物質の粒子サイズを低減する工程と一緒にされることができることが理解されるだろう。たとえば、粒子状固形物質の存在においてバイオマスをボールミルまたは磨砕することは、該バイオマスと該粒子状固形物質との緊密な混合物をもたらすだろう。
【0078】
ここでバイオマスを活性化する目的のために押出機および/または混練機を使用することに焦点を合わせると、高められた温度において本方法を実施することが可能である。蒸気または加熱油がその中を循環することができる加熱マントルを備えた多くのスクリュー押出機が提供されている。バレルの所定の場所に設けられたノズル中に蒸気を注入することも可能である。蒸気注入は、バイオマスを加熱することおよび溶媒(水)を添加することの複合効果を与える。
【0079】
押出機内部の圧力は、該押出機内のバイオマスの粘度、押出機内のスクリューの設計(たとえば、テーパーピッチスクリューは一定ピッチスクリューよりも高い圧力を与える。)、および押出機の出口にある多孔板の設計によって決まる。この多孔板によって与えられる背圧は、閉面積の量に対する開口面積の量の関数であり、開口面積/閉面積比が低ければ低いほど、それだけ背圧が大きくなる。
【0080】
押出機を一回通すことが十分な混合をもたらさないならば、2以上の押出機が直列に設けられることができ、または物質が1の押出機中の2回以上の通過に付されることができる。同様にして、2以上の押出機を並列に運転することによって、プラントの能力は容易に増加されることができる。
【0081】
段階b)で使用されるのに適した溶媒は、水、アルコール(特に、エタノールおよびグリセロール)、バイオマスの後続の転化からのバイオオイルまたは他の生成物、液体酸、酸および塩基の水性溶液、液状CO等を含む。多くの使用において、水が、その可用性、低コスト、および取扱いの容易さの故に、好まれる溶媒である。バイオマスの後続の転化の際に製造される液体も容易に入手でき、その理由故に好まれることができる。
【0082】
段階a)で使用されるのに適した固形物質は、固体酸および塩基、塩、鉱物、粘土、層状物質等を包含する。触媒特性を有する固形物質が好まれる。この例は、金属酸化物、金属水酸化物、アルカリおよびアルカリ土類金属酸化物、水酸化物、炭酸塩、ヒドロキシ炭酸塩、ハイドロタルサイト様物質等を含む。上記したように、いくつかの固形物質、または1以上の固形物質と1以上の溶媒との組み合わせをバイオマスに添加することが望ましいということができる。
【0083】
バイオマスを固体無機粒子状物質と混練および/または磨砕すると、バイオマスの結晶可能成分(たとえば、セルロース)と無機物質との共結晶を生成することが可能であることがある。このような共結晶の生成は、バイオマス出発物質の結晶構造と異なりかつ無機物質の結晶構造とも異なる結晶構造を示すXRDパターンによって確かめられることができる(参考文献:Ning Shan、Fumio TodaおよびWilliam Jones、「メカノケミカル論および共結晶生成:反応動力学への溶媒の効果」、Chem.Commun.2002年、2372〜2373ページを参照せよ。)。
【0084】
同様に、無機固体の前駆体を添加して、混合工程の間にこれらを固体化または結晶化さえさせることも可能である。たとえば、温度の増加またはpHの変化に応じて、ある種の無機固体は溶液から沈降することができる。バレルを加熱することによってまたは蒸気を注入することによって、混練機中の温度の増加は実現されることができる。酸または塩基の溶液を注入することによって、pHの変化は実現されることができる。同様に、混合物の温度を上げることによって、非晶質物質が結晶化されることもできる。
【0085】
上記のように、溶媒の添加は任意である。たとえば、多くの場合水が最適の溶媒である。多くの形態の非食用バイオマスは本発明の目的のために十分な量の水を含有し、追加の水を添加する必要は省かれる。活性化段階の間に水を除くことが望ましくさえあることがある。これは、たとえばバイオマスを100℃超の温度まで加熱し、そして押出機が本方法に使用されるならば、押出機のバレルに沿って置かれた圧力弁を介して蒸気を放出させることによって、達成されることができる。
【0086】
多くの場合、活性化されたバイオマスが混練機もしくは押出機中でまたはその双方中でまだ処理されている間に、転化段階c)は始まる。この処理が混練機中で完了しなければ、活性化されたバイオマスは第二の混練機中でさらに処理されることができ、または第一の混練機中のもう一度の通過に付されることができる。あるいは、バイオマスは別の処理機に移送されて段階c)が完了されてもよい。このような処理機の好適な例は、フィルタープレスであり、これは温度および圧力の望ましい条件で操作されることができる。
【0087】
転化段階c)から得られた液状生成物は、転化されていないバイオマスから分離されることが非常に好まれる。この分離の目的は二重である。第一に、これは、段階d)におけるさらなる転化に付される必要がある物質の質量を低減し、このことは段階d)の操作をより効率的にする。第二に、これは、段階c)からの液状転化生成物を後続の転化工程に付すことを回避し、このようなさらなる処理によるこの液状生成物の劣化が防止される。
【0088】
特定の実施態様では、第一の転化の一部は、高められた温度および圧力の条件下にフィルタープレス中で行われる。活性化されたバイオマスをフィルタープレス中に取り込み、そして蒸気を注入して温度および圧力の双方を上げることによって、これは達成されることができる。この第一の転化段階が完了した後、フィルタープレスはろ過媒体、たとえばろ布またはスクリーン越しに減圧され、そして反応生成物が液体ろ液流およびろ過ケーキへと分離される。液体流は、溶媒および液状転化生成物、ならびに転化されていないバイオマスの微小粒子を含んでいる。ろ過ケーキは、転化されていないバイオマス、保持された溶媒、および液状反応生成物を含んでいる。
【0089】
本明細書で使用される「転化されていないバイオマス」の語は、段階c)で液状生成物に転化されなかったバイオマスをいう。該語は、何らの化学転化もしなかったバイオマス物質を包含する。該語は、いくらかの転化をしたが液体を形成するには不十分であったバイオマスも包含する。たとえば、セルロースは、より低い平均分子量のセルロースに転化されたかも知れないが依然として固形であることができる。これは、本明細書で使用されるこの語の意味の範囲内の「転化されていないバイオマス」とみなされるだろう。このような物質は、それが段階d)における液状生成物への転化に対してより感受性になる様式で、その分子量が低減されているならば、ならびに/またはそのマクロおよび/もしくはミクロな構造が変わっているならば、当然に「活性化された転化されていないバイオマス」である。
【0090】
他の実施態様では、ナノろ過または薄膜分離によって、該液体は残留固体から分離されることができる。ろ過技術の代わりに、抽出分離が使用されてもよい。
【0091】
段階c)からの転化されていないバイオマスは、ときには「扱いにくいセルロース」と呼ばれるバイオマスの一成分を含有する。これは、穏やかな条件下には容易に転化されないセルロースの一部である。バイオマス源に応じて、この扱いにくいセルロースは主にリグニン、または結晶セルロース、またはその双方であることができる。
【0092】
転化されていないバイオマスは、段階d)における第二の転化工程に付される。段階c)の液状転化生成物が、段階d)の前に、転化されていないバイオマスから分離されるならば、既に生成された反応生成物を劣化する危険を冒さずに、この第二の転化は第一の転化よりも厳しい条件下に実施されることができる。たとえば、転化されていないバイオマスは、慣用のHTU法または熱分解法に付されることができる。
【0093】
本発明の方法の好まれる実施態様では、従来技術のHTU法および熱分解法よりも低度に厳しい条件下に段階d)が実施されることができるように、段階d)の前に、転化されていないバイオマスは活性化される。多くの場合、段階c)からの転化されていないバイオマスは、既に活性化されている。というのは、たとえば段階a)で添加された無機粒子状物質が、転化されていないバイオマスとともに段階d)中へと持ち越されるからである。転化されていないバイオマスは、段階c)における部分的転化の結果として、バイオマスを液状にするには不十分であるがそれをさらなる転化に対してより感受性にするには十分に活性化されることもできる。
【0094】
任意の転化方法が段階d)で使用されるのに適している。HTU法および熱分解法は既に挙げられており、望ましくはこれらの方法はバイオマスの活性化が許すであろうできるだけ穏やかな条件下に実施される。ガス化法は、たとえば、本方法全体の熱要求量を満たすためのガス状燃料をつくり出す目的のためには、望ましい選択肢であるということができる。ある場合には、活性化された転化されていないバイオマスは、酵素発酵法によってエタノールに転化されることができる。
【0095】
ほとんどの場合、段階c)およびd)の双方は、液状バイオマス誘導体化合物の混合物を製造し、これらは合わせて「バイオオイル」と呼ばれる。このバイオオイルは、一部変更された石油精製プロセス、たとえば流動接触分解法、水素化転化法(hydroconversion)、熱転化法等において好適な液体輸送燃料に転化されることができる。これらの方法では、バイオオイルは単一の供給原料であることができ、または原油に基づいた慣用の供給原料とブレンドされることができる。
【0096】
他の実施態様では、活性化段階a)は混練機/押出機の集合体において無機固体、たとえばアルカリもしくはアルカリ土類金属酸化物または水酸化物の存在下に実施され、また段階c)の生成物は段階d)において水熱的に処理される。段階a)/段階b)で均一に混合される無機物質は、このようにして最も有効に分散されそして転化されていないバイオマスと緊密に接触して段階c)および/またはd)に存在し、効率的な転化がもたらされる。当該固体は、転化方法をいっそう強化する触媒特性を有することができる。
【0097】
他の実施態様では、段階a)で導入された無機添加物は単に熱伝達媒体、たとえば砂、粘土または鉱物、鉱石または土のようなものであり、これらも触媒特性を有してもよい。この場合には、段階c)の生成物は熱分解転化法に付されることができる。この方法の利点は、ここで熱伝達媒体が分散された形態でバイオマスと密接かつ完全な接触をすることである。
【0098】
他の実施態様では、段階a)における活性化は酸または塩基の添加を含むことができ、これらは熱および/または蒸気を加えることによって支援されて、たとえば、酸加水分解法および/または酵素転化法によって、バイオマス複合物の緻密な構造を解体して後続の転化に対してより感受性にする。
【0099】
他の実施態様では、水および任意的な添加物を含有する、段階a)におけるバイオマスは、機械的に処理されながら100℃超に加熱されて、その結果水が自然に蒸発される。
【0100】
他の実施態様では、バイオマスは段階a)および段階b)において他の炭素質物質、たとえば石炭、亜炭、タールサンドおよびシェールの存在において、任意的に添加物を添加されて機械的に処理され、それに続いて、転化されていないバイオマスのガス化が行われる。
【0101】
他の実施態様では、段階a)、b)および/またはc)で製造され任意的に添加物を含有する造形体は熱処理をされて、さらなるバイオマス溶解を生じさせられ、そしてその後に酵素で処理されてもよい。
【0102】
他の実施態様では、段階a)、b)および/またはc)で製造され任意的に添加物を含有する造形体は水熱的に処理されて、さらなるバイオマス溶解を生じさせられ、そしてその後に酵素で処理されてもよい。
【0103】
他の実施態様では、バイオマスはボールミル中で添加物と緊密に混合され、該ボールミルは該成分を一緒に磨砕して活性化されたバイオマスを生成する。任意的に液状溶媒が添加されることができる。
【0104】
他の実施態様では、バイオマスは流動床および/または噴流床中で添加物とともに磨砕される。
【0105】
他の実施態様では、段階c)の転化されていないバイオマスは、多くの場合バイオマスの繊維状結晶セルロース成分が添加物で被覆された外観をしており、これはジーゼル燃料油に適したパラフィンに転化される。
【0106】
他の実施態様では、触媒活性な添加物で被覆された繊維状結晶セルロースが、Huberらによって提案された反応経路に従ってまたはそれと同様にしてジーゼル油に転化される。G.W.Huber、J.N.Chheda、C.J.Barrett、J.A.Dumesic、Science、2005年、第308巻、1446ページを参照せよ。
【0107】
他の実施態様では、段階c)の転化されていないバイオマスは、しばしば繊維状結晶セルロースが添加物で被覆された外観をしており、これは紙、板紙または建設材料に適した物質に転化される。
【0108】
他の実施態様では、(主に結晶セルロースである)転化されていない物質が、Huberらによって提案された水性相改質法によって輸送燃料に転化される。G.W.Huber、J.N.Chheda、C.J.Barrett、J.A.Dumesic、Science、2005年、第308巻、1446ページを参照せよ。
【0109】
他の実施態様では、可溶化された物質が、Huberらによって提案された水性相改質法によって輸送燃料に転化される。G.W.Huber、J.N.Chheda、C.J.Barrett、J.A.Dumesic、Science、2005年、第308巻、1446ページを参照せよ。
【0110】
他の実施態様では、段階b)および/またはc)の転化されていない物質が、最初に電磁および/または超音波エネルギーに、任意的にエタノールのような極性溶媒の存在において供される。この処理に引き続いて、このように活性化された物質が上記の手段のいずれかによって転化される。
【0111】
他の実施態様では、段階b)および/またはc)の転化されていない物質が、電磁波の吸収に感受性の物質を含んでおり、これが最初に電磁波に、任意的にエタノールのような極性溶媒の存在において供される。この処理に引き続いて、このように活性化された物質が上記の手段のいずれかによって転化される。
【0112】
他の実施態様では、段階b)および/またはc)の転化されていない物質が、最初に添加物との緊密な混合に、任意的にエタノールのような極性溶媒の存在において供される。この処理に引き続いて、このように活性化された物質が上記の手段のいずれかによって転化される。
【0113】
かくして、本発明は上で検討された特定の実施態様を参照することによって説明されてきた。これらの実施態様は、当業者に周知の様々な変形および代替形態を受け入れる余地があることは認識されるだろう。
【実施例1】
【0114】
建築木材片を丸鋸で繰り返して切ることによって、おがくずが調製された。外観から判断して、おがくず粒子は形状が主として棒状であり、長手方向の粒子寸法の平均約1〜2mm、および直径方向の粒子寸法の平均約0.5mmを有していた。
【0115】
10バールを優に超える圧力に耐えることができる2mLのガラス試験管中で、実験が実施された。該試験管にベークライト栓がされ、それに該試験管内部の圧力を監視するための圧力センサーが装着された。試験管は磁気撹拌子を入れられ、油浴中で加熱された。全ての実験において油浴は180℃に保たれた。試験管内部の圧力は10バールであり、180℃の試験管内部の温度に対応していた。
【0116】
式MgAl(CO)(OH)16・4HOのヒドロキシ炭酸マグネシウムアルミニウム、CAS番号11097−59−9であるところのAldrich社からのハイドロタルサイト(「HTC」)が、650℃において1時間、空気中でカ焼された。
【0117】
2mL試験管のうちの1の中に、おがくず90mg、カ焼されたHTC21mg、および蒸留されたHOの1390mgが計量された。該混合物は撹拌下に180℃で1時間加熱された(サンプルB1)。
【0118】
比較例では、同じ源からのおがくずの別のサンプルが、HTCまたは何らかの他の添加物の不存在において180℃において撹拌下に1時間蒸留水中で加熱された(サンプルA2)。
【0119】
本発明に従う第二の実験例では、HTCのカ焼されていないサンプル(21g)が、おがくず89mgおよび蒸留水1440mgとともにスラリー化され、そして撹拌下に180℃において1時間加熱された(サンプルB2)。
【0120】
処理されたおがくずのサンプルが液化の割合を目視で判定され、そして処理されていないおがくずサンプル(サンプルA1)と光学顕微鏡下に比較された。
【0121】
結果が以下の表にまとめられる。

【0122】
実験B1においておがくず粒子のヘミセルロースおよびリグニン成分は完全に液化されたが、結晶セルロースのほとんどは固形のままであったことをこの結果は示す。カ焼されていないハイドロタルサイトサンプル(実験B2)は外見上疎水性であった。該粒子は有機物質、たとえばステアリン酸で被覆されていたかも知れず、これは該粒子を合成ポリマー物質と相容性にするためにしばしば行われている。ハイドロタルサイトはカ焼後には親水性であるので、カ焼はハイドロタルサイトをより有効にした。加えて、カ焼は層状物質、たとえばHTCをより触媒活性にすることが知られている。
【0123】
カオリン、ベントナイト、モンモリロナイト、Zn−LHS、およびZnO/FeO混合金属酸化物の粒子をそれぞれ用いて、実験が繰り返された。同様な結果が得られた。
【実施例2】
【0124】
ホワイトパイン木材から造られた、500マイクロメートルの平均粒子サイズまで粉砕されたバイオマス物質が、Mg(NOおよびAl(NOを含有する溶液中に分散される。この溶液のMg/Alモル比は3である。得られたスラリーが30分間撹拌されて、該溶液が木材粒子中に最大に浸透することが許される。過剰の溶液が流し去られ、そして得られた湿ったバイオマス物質が、最終pHが9〜10であるように水酸化ナトリウム溶液中に再スラリー化される。
【0125】
得られたスラリーは2に小分けされる。第一の小分け分は85℃において6時間熟成される。第二の小分け分は180℃において1時間熟成される。
【0126】
得られたスラリーはろ過されそして乾燥される。
【0127】
双方のサンプル中に結晶セルロースとHTCとの混合物の存在がX線回折によって確認され、処理温度が高ければ結晶化度がそれだけ高いことを示す。
【0128】
これらのサンプルの熱分解が、Mettler−Toledo TGA/SDTA851e熱天秤を使用して実施される。サンプル(10〜15mg)がアルミナカップ(70ml)中に入れられ、そしてAr(アルゴン)流(30ml/分)下に5℃/分の加熱速度で25℃から700℃まで加熱される。
【0129】
DTG曲線が、対応する重量対温度曲線から計算される。サンプルの(25℃における)初期重量および(600℃における)残重量間の差として、合計重量損失が測定される。バイオ物質−触媒混合物の場合には、触媒は実験の間変化しないと仮定して初期重量および残重量から触媒の重量を差し引くことによって、合計重量損失が測定される。
【0130】
そのままで(in−situ)HTCを含有している2のサンプルについての重量損失は、かく処理されていない木材よりも約5〜10%高く、その上これらの木材サンプルの分解は処理されていない木材よりも低い温度で開始する。
【実施例3】
【0131】
ホワイトパイン木材チップが最初に機械的混合機で5分間粉砕されて、粒子サイズが約5mmまで低減される。この木材物質は粗天然マグネサイト粉体とともに(10:2の木材とマグネサイトとの比)、遊星高エネルギーミル(Puverisette 6)中で3時間湿式(木材の重量について15重量%のスラリー)粉砕される。該スラリーは100℃で乾燥される。
【0132】
セルロースとともにMgCOの無機相の存在がX線回折によって確認される。
【0133】
上記の実施例2に記載された同じ方法を使用すると、マグネサイトで処理され乾燥された木材サンプルの重量損失は、処理されていない木材よりも約5〜10%高く、その上該木材の分解は処理されていない木材よりも低い温度で開始する。
【実施例4】
【0134】
マグネサイト粉体をMgCl溶液(10:2の木材とMgClとの比)で代替して、実施例3を繰り返す。最終スラリーは木材の重量について15重量%の固形分である。
【0135】
セルロースとともに無機相の存在がX線回折によって確認される。
【0136】
上記の実施例2に記載された同じ方法を使用すると、MgClで処理され乾燥された木材サンプルの重量損失は、処理されていない木材よりも約5〜10%高く、その上該木材の分解は処理されていない木材よりも低い温度で開始する。
【実施例5】
【0137】
小量(木材の重量当たり2%)の水がホワイトパイン木材のバイオマス物質(500ミリミクロンの平均粒子サイズ)とマグネサイト粉体との混合物に添加され、そして該混合物が遊星高エネルギーミル(Pulverisette 6)中で3時間粉砕される。
【0138】
セルロースとともにMgCO無機相の存在がX線回折によって確認される。
【0139】
上記の実施例2に記載された同じ方法を使用すると、マグネサイトで処理され乾燥された木材サンプルの重量損失は、処理されていない木材よりも約5〜10%高く、その上該木材の分解は処理されていない木材よりも低い温度で開始する。
【実施例6】
【0140】
水がエタノールによって代替されている実施例5を繰り返す。
【0141】
セルロースとともにMgCOの無機相の存在がX線回折によって確認される。
【0142】
上記の実施例2に記載された同じ方法を使用すると、マグネサイトで処理され乾燥された木材サンプルの重量損失は、処理されていない木材よりも約5〜10%高く、その上該木材の分解は処理されていない木材よりも低い温度で開始する。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の方法の1の実施態様の概略図である。
【図2】本発明の方法の他の実施態様の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)バイオマスを活性化して、該バイオマスを転化をより受けやすくする段階、
b)任意的に、溶媒を添加する段階、
c)該活性化されたバイオマスを部分的に転化して、可溶化された物質を生成する段階、および
d)段階c)からの転化されていないバイオマスを転化工程に付する段階
を含む、バイオマスを燃料および/または化学製品に転化する方法。
【請求項2】
段階a)が無機物質の添加を含む、請求項1に従う方法。
【請求項3】
段階a)が有機物質の添加を含む、請求項1に従う方法。
【請求項4】
無機物質が粒子形状をしている、請求項2に従う方法。
【請求項5】
無機物質が、カチオン粘土、アニオン粘土、天然粘土、ハイドロタルサイト様物質、層状物質、鉱石、鉱物、金属酸化物、アルカリおよびアルカリ土類族の金属の水酸化物、ならびにこれらの混合物から成る群から選択される、請求項2または3に従う方法。
【請求項6】
段階a)が、反応して新しい相を形成する1以上の添加物を添加することを含む、請求項1に従う方法。
【請求項7】
段階a)で添加された1または複数の添加物が反応して、新しい結晶相を形成する、請求項6に従う方法。
【請求項8】
段階a)で添加された1または複数の添加物が反応して、バイオマス表面上を被覆するところの新しい相を形成する、請求項6または7に従う方法。
【請求項9】
段階a)におけるバイオマスが粒子形状をしており、かつ段階a)で添加された1または複数の添加物が反応して、該バイオマス粒子内部に分配された新しい相を形成する、請求項6または7に従う方法。
【請求項10】
バイオマスがセルロースを含む、請求項1に従う方法。
【請求項11】
バイオマスがリグニンを含む、請求項1に従う方法。
【請求項12】
セルロースが結晶セルロースを含む、請求項10に従う方法。
【請求項13】
段階c)の後および段階d)の前に、転化されていないバイオマスを、可溶化された物質から分離する追加の段階を含む、請求項1に従う方法。
【請求項14】
分離が、ろ過装置、たとえばフィルタープレス、遠心分離機、膜フィルター、またはナノフィルターに係るものである、請求項13に従う方法。
【請求項15】
溶媒が、分離段階の間に添加される、請求項14に従う方法。
【請求項16】
熱および/または蒸気が、分離段階の間に添加される、請求項15に従う方法。
【請求項17】
段階c)および/または分離段階が、高められた圧力下に実施される、請求項13に従う方法。
【請求項18】
段階d)における転化されていないバイオマスが、結晶セルロースを含む、請求項1に従う方法。
【請求項19】
段階d)において転化されていないバイオマスが粒子形状をしており、かつ該転化されていないバイオマスの粒子が無機物質の粒子を含有している、請求項1に従う方法。
【請求項20】
段階d)における転化されていないバイオマスが粒子形状をしており、かつ該転化されていないバイオマスの粒子が有機物質の粒子を含有している、請求項1に従う方法。
【請求項21】
無機物質が触媒特性を有する、請求項19に従う方法。
【請求項22】
有機物質が触媒特性を有する、請求項20に従う方法。
【請求項23】
段階c)の前に、活性化されたバイオマスが機械的装置中で処理されて、該バイオマスの成分の均一かつ緊密な混合が引き起こされる、請求項1に従う方法。
【請求項24】
活性化されたバイオマスが混練機中で処理される、請求項23に従う方法。
【請求項25】
活性化されたバイオマスが粉砕装置中で処理される、請求項23に従う方法。
【請求項26】
物質が流動床および/または噴流床中で処理される、請求項23に従う方法。
【請求項27】
機械的処理が高められた温度で実施される、請求項23〜26のいずれか1項に従う方法。
【請求項28】
活性化されたバイオマスが蒸気に曝露される、請求項27に従う方法。
【請求項29】
活性化されたバイオマスが押出機を通して処理される、請求項23に従う方法。
【請求項30】
熱および/または蒸気が押出段階の間に加えられる、請求項29に従う方法。
【請求項31】
さらなる添加物が押出段階の間に添加される、請求項29に従う方法。
【請求項32】
押出段階からの押出物が、段階d)の前に乾燥され、蒸気を加えられ、および/またはカ焼される、請求項29に従う方法。
【請求項33】
段階d)の転化方法が水熱法である、請求項1に従う方法。
【請求項34】
段階d)の転化方法が、熱分解法またはフラッシュ熱分解法である、請求項1に従う方法。
【請求項35】
段階d)の転化方法がガス化法である、請求項1に従う方法。
【請求項36】
段階d)の転化方法が、ガス化法、熱分解法、接触分解法、水素化分解法、およびこれらの組み合わせから成る群から選択された石油精製プロセスである、請求項1に従う方法。
【請求項37】
段階d)の転化方法が、酸加水分解法である、請求項1に従う方法。
【請求項38】
段階d)の転化方法が酵素法である、請求項1に従う方法。
【請求項39】
段階d)の転化方法が2以上のプロセス段階を含む、請求項1に従う方法。
【請求項40】
段階d)の転化方法が、合成ガスを製造するガス化法であり、その後に該合成ガスが液状炭化水素混合物へと転化される、請求項1に従う方法。
【請求項41】
段階d)の転化方法が、バイオオイルを製造する、請求項1に従う方法。
【請求項42】
バイオオイルを、内燃機関での使用に適した液体燃料に転化する追加の段階を含む、請求項41に従う方法。
【請求項43】
段階c)で得られた可溶化された物質を、内燃機関での使用に適した液体燃料に転化する追加の段階を含む、請求項1に従う方法。
【請求項44】
追加の段階が、FCC装置、水素化分解装置、水素化処理装置、熱分解装置、およびこれらの組み合わせから選択された装置における転化を含む、請求項42または43に従う方法。
【請求項45】
バイオオイルが段階c)および/または段階d)で製造され、かつ該バイオオイルが製油所における処理の前に化石燃料とブレンドされる、請求項1に従う方法。
【請求項46】
段階d)が、建設材料、建物材料、ナノ複合物、板紙、または紙製品の製造を含む、請求項1に従う方法。
【請求項47】
段階d)が、転化されていないバイオマスを電気エネルギーに転換することを含む、請求項1に従う方法。
【請求項48】
段階d)が、転化されていないバイオマスを水性相改質法によって輸送燃料に転化することを含む、請求項1に従う方法。
【請求項49】
段階c)で得られた可溶化された物質が、その後に水性相改質法によって輸送燃料に転化される、請求項1に従う方法。
【請求項50】
段階d)の前に、段階c)からの転化されていないバイオマスが、電磁および/または超音波エネルギーに、任意的に極性溶媒の存在において、供される、請求項1に従う方法。
【請求項51】
段階d)の前に、段階c)からの転化されていないバイオマスが、添加物との緊密な混合に、任意的に溶媒の存在において、供される、請求項1に従う方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−536237(P2009−536237A)
【公表日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−508364(P2009−508364)
【出願日】平成19年5月4日(2007.5.4)
【国際出願番号】PCT/EP2007/054378
【国際公開番号】WO2007/128800
【国際公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【出願人】(508328877)バイオイーコン インターナショナル ホールディング エヌ.ブイ. (11)