バイパスダイオード
【課題】反りを低減したバイパスダイオードを提供する。
【解決手段】バイパスダイオード201は、互いに対向する第1表面31および第2表面32を有する半導体基板1と、第1表面31に配置された第1導電型電極としてのp電極4および第2導電型電極としてのn電極5と、第2表面32に配置され、半導体基板1と同じ極性を有する裏面電極7と、第1表面31に配置された第1酸化膜12aと、第2表面32に配置された第2酸化膜12bとを備える。
【解決手段】バイパスダイオード201は、互いに対向する第1表面31および第2表面32を有する半導体基板1と、第1表面31に配置された第1導電型電極としてのp電極4および第2導電型電極としてのn電極5と、第2表面32に配置され、半導体基板1と同じ極性を有する裏面電極7と、第1表面31に配置された第1酸化膜12aと、第2表面32に配置された第2酸化膜12bとを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池セル用のバイパスダイオードに関するものである。特に、人工衛星や宇宙ステーションなどに搭載される宇宙用太陽電池セルに使用可能なバイパスダイオードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人工衛星、宇宙ステーションなどの電源には、太陽電池セルが使用されている。このように使用される太陽電池セルは、軽量であることが望ましく、たとえば0.1mm程度の厚みの単結晶シリコン太陽電池セルが使用されている。また、近年では、厚さ0.05mm以下の化合物系太陽電地セルなどを使用することが検討されている。このような太陽電池セルを複数集めて直列または並列に接続したものとして太陽電池モジュールが構成される。
【0003】
たとえば複数の太陽電池セルが直列に接続された太陽電池モジュールが部分的に影に入った場合、その影になっている箇所の太陽電池セルにおいては、発電がされないだけに留まらず、逆方向に電圧がかかり、太陽電池モジュールの全体の出力を低下させてしまう。
【0004】
また、化合物系の太陽電池セルを接続した太陽電池モジュールの場合、逆方向の耐圧が低く、逆方向に電圧がかかった際に太陽電池セルが故障するおそれがある。このような事態を防ぐためには各太陽電池セルに並列にバイパスダイオードを接続する必要がある。化合物系の太陽電池セルとしては、セル間の接続を容易に行なえるように、太陽電池セルの両極の電極を受光面側に配置した構造のものが開発されている。このような太陽電池セルとの接続を容易にするために、バイパスダイオードについても、両極の電極を一方の表面に配置したものが開発されている。たとえば図10(a),(b)に示すバイパスダイオード101は、半導体基板1の一方の表面にp電極4およびn電極5が設けられている。
【0005】
太陽電池セルとこのバイパスダイオードとの接続方法の一例を図11に示す。複数の太陽電池セル24がインターコネクタ16によって接続されることによって太陽電池モジュール151が構成されている。太陽電池セル24同士の接続には、2つのインターコネクタ16が並列に介在している。各太陽電池セル24には1つのバイパスダイオード101が接続されている。1つの太陽電池セル24と1つのバイパスダイオード101との接続には、2つのインターコネクタ17が並列に介在している。インターコネクタ16,17による接続は片側の面のみで行なわれる。
【0006】
また、上述のとおり、化合物系の太陽電池セルとしては、非常に薄いものが開発されており、バイパスダイオードも太陽電池セルに合わせて非常に薄いものが開発されている。
【0007】
(文献に記載されたバイパスダイオードの例)
特開平6−53377号公報(特許文献1)には、宇宙空間で動作する人工衛星や宇宙ステーションの電源に使用される太陽電池においてブロッキングダイオードまたはバイパスダイオードとして用いられるダイオードの一例が記載されている。
【0008】
特開2009−158697号公報(特許文献2)は、本発明と同一の発明者かつ同一の出願人による出願である。特許文献2には、半導体基板の主表面にpn接合ダイオードを設け、p電極、n電極を配置した構成の太陽電池セル用バイパスダイオードが記載されている。
【0009】
(従来の製造方法)
図12〜図20を参照して、従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法について説明する。これは、特許文献2に記載されたバイパスダイオードの製造方法に相当する。
【0010】
まず、シリコン結晶のインゴッドをスライスして得られた半導体基板は、スライスの際にその表面近傍にダメージ層が存在する。そこで、酸性またはアルカリ性の溶液を用いてダメージ層をエッチングすると共に半導体基板を所望の厚さまでエッチングする。こうして、図12に示す半導体基板1が得られる。
【0011】
次に、半導体基板1を1000〜1200℃に加熱された石英炉内に入れ、酸素や水蒸気により半導体基板1の表裏に酸化膜2a,2bを形成する。こうして、図13に示す状態となる。
【0012】
次に、図14に示すように、半導体基板1上にフォトレジスト6aを用いてパターンを形成した後、酸化膜2aを所望の形状にエッチングする。
【0013】
次に、半導体基板1上のフォトレジスト6aを除去することによって図15に示す状態とした後、800〜1100℃程度に加熱された石英炉内にこの構造体を入れ、ホウ素を含むガスを流す。こうして、図16に示すように、酸化膜2aの開口部に露出する半導体基板1の上面近傍にp+層3が形成される。
【0014】
次に、900〜1200℃に加熱された石英炉内にこの構造体を入れ、図17に示すように、酸素や水蒸気により半導体基板1上に酸化膜12a,12bを形成する。酸化膜12a,12bは、元々あった酸化膜2a,2bを取り込んで形成される。この熱処理によって、同時にドライブインが行なわれる。ここでいう「ドライブイン」とは基板の表面近傍にある不純物原子を深い位置にまで拡散させることである。このときの石英炉の温度は拡散時の温度より高いことが望ましい。ドライブインの結果、図17に示されるようにp+層3の深さが増す。
【0015】
次に、図18に示すように、一方の面にフォトレジスト6bを用いてパターンを形成した後、酸化膜12a,12bを所望の形状にエッチングする。その後、フォトレジスト6bを除去することによって、図19に示す構造を得る。すなわち、一方の面に所望パターンの酸化膜12aが残り、他方の面からは酸化膜12bがなくなる。
【0016】
次に、図20に示すように、半導体基板1の表面にp電極4およびn電極5を形成する。下面には裏面電極7を形成する。
【0017】
次に、ダイシングソーを用いて半導体基板1を切断し、チップ状のバイパスダイオードが完成する。図12〜図20では、説明の便宜のためにチップ状のものとして表示していたが、実際には、大判の基板の状態で各工程を進め、最後に切断してチップ状のバイパスダイオードを得るのが普通である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平6−53377号公報
【特許文献2】特開2009−158697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
図17から図18にかけて酸化膜2をエッチングした結果、この構造体は反る傾向にある。図18の時点で反っている場合、バイパスダイオードとして完成させた状態においても反りが残る。ある程度以上の大きな反りがあるバイパスダイオードは不良品となる。
【0020】
そこで、本発明は、反りを低減したバイパスダイオードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明に基づくバイパスダイオードは、互いに対向する第1表面および第2表面を有する半導体基板と、上記第1表面に配置された第1導電型電極および第2導電型電極と、上記第2表面に配置され、上記半導体基板と同じ極性を有する裏面電極と、上記第1表面に配置された第1酸化膜と、上記第2表面に配置された第2酸化膜とを備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、半導体基板の第1表面だけでなくその裏側の第2表面にも酸化膜が備わっているので、酸化膜に起因して生じていた反りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に基づく実施の形態1におけるバイパスダイオードの断面図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1におけるバイパスダイオードを用いた太陽電池モジュールの平面図である。
【図3】本発明に基づく実施の形態2におけるバイパスダイオードの製造方法の第7の工程の説明図である。
【図4】本発明に基づく実施の形態2におけるバイパスダイオードの製造方法の第8の工程の説明図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態2におけるバイパスダイオードの製造方法の第9の工程の説明図である。
【図6】本発明に基づく実施の形態3におけるバイパスダイオードの説明図である。
【図7】本発明に基づく実施の形態3におけるバイパスダイオードの第1の変形例の説明図である。
【図8】本発明に基づく実施の形態3におけるバイパスダイオードの第2の変形例の説明図である。
【図9】本発明に基づく実施の形態1,2で示したバイパスダイオードの変形例の断面図である。
【図10】従来技術に基づくバイパスダイオードの、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図11】従来技術に基づくバイパスダイオードを用いた太陽電池モジュールの平面図である。
【図12】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第1の工程の説明図である。
【図13】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第2の工程の説明図である。
【図14】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第3の工程の説明図である。
【図15】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第4の工程の説明図である。
【図16】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第5の工程の説明図である。
【図17】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第6の工程の説明図である。
【図18】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第7の工程の説明図である。
【図19】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第8の工程の説明図である。
【図20】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第9の工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施の形態1)
(構成)
図1、図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるバイパスダイオードについて説明する。図1に示すように、本実施の形態におけるバイパスダイオード201は、互いに対向する第1表面31および第2表面32を有する半導体基板1と、第1表面31に配置された第1導電型電極としてのp電極4および第2導電型電極としてのn電極5と、第2表面32に配置され、半導体基板1と同じ極性を有する裏面電極7と、第1表面31に配置された第1酸化膜12aと、第2表面32に配置された第2酸化膜12bとを備える。
【0025】
(作用・効果)
本実施の形態では、半導体基板1の第1表面31だけでなく第2表面32にも酸化膜が備わっているので、酸化膜に起因して生じていた反りを低減することができる。
【0026】
さらに、本実施の形態で示したように、第1酸化膜12aと第2酸化膜12bとは半導体基板1を挟んで対称に配置されていることが好ましい。対称となっていれば、2つの面の各部位における酸化膜による応力が同程度となり、反りを効果的に低減することができる。
【0027】
なお、このバイパスダイオード201を用いて複数の太陽電池セル24を接続し、太陽電池モジュールとした例を図2に示す。太陽電池モジュール251は、複数の太陽電池セル24と複数のバイパスダイオード201とを含んでいる。各バイパスダイオード201は、各太陽電池セル24に対応する。図2では、2つの太陽電池セル24を表示しているが、太陽電池モジュール251は、より多くの数の太陽電池セル24を接続したものであってよい。
【0028】
(実施の形態2)
(製造方法)
図12〜図17、図3〜図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるバイパスダイオードの製造方法について説明する。ここでは、実施の形態1で示したバイパスダイオード201を製造するものとして説明する。
【0029】
本実施の形態におけるバイパスダイオードの製造方法は、図12〜図17までの工程に関しては、従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法として説明したものと基本的に同じである。ただし、図12に示した工程においては、シリコン結晶のインゴッドをスライスして得られた半導体基板に対して、酸性またはアルカリ性の溶液を用いてダメージ層をエッチングすると共に半導体基板を厚み0.1mm程度となるまでエッチングする。ここで、半導体基板1はn型でもp型でもよく、半導体基板1の大きさや厚さはここで示す例に限定されない。
【0030】
また、ここでは便宜上n型の半導体基板を用いて以下の説明を行なうが、p型の半導体基板を使用してもよい。p型の半導体基板を使用する場合は、以下に出てくるp+層はn+層と読み替え、n+層はp+層と読み替えればよい。ただし、n型の半導体基板を用いる場合とp型の半導体基板を用いる場合とで、拡散条件などは異なるものとなる。
【0031】
本実施の形態におけるバイパスダイオードの製造方法では、図17に示した状態から、図18に示したようにフォトレジスト6bを上面のみに形成して裏面の酸化膜を全て除去してしまうのではなく、図17に示した状態から図3に示すように、フォトレジスト6bのパターンを上下面の両方に形成する。そして、酸化膜12a,12bの両方を同じようにパターニングする。この後、フォトレジスト6bを除去し、図4に示す状態を得る。次に、図5に示すように、半導体基板1の上面に、p電極4およびn電極5を形成する。
【0032】
ここで、p電極4およびn電極5の電極材料としては、銀、アルミニウムなどの高導電材料が用いられることが好ましい。また、p電極4およびn電極5の形成方法としては、たとえば高真空中における電子ビーム加熱による電極材料の蒸着による方法を採用可能である。あるいは、電極材料を含むペーストのスクリーン印刷によってもよい。あるいは、電極材料のメッキによってもよい。これらの方法に限らず公知技術による適宜の方法を用いることができる。その後、p電極4およびn電極5の形成と同様の手段を用いて裏面電極7を形成する。さらに、半導体基板1とp電極4、n電極5および裏面電極7との良好なオーミック接触を得るために、半導体基板1への電極材料の付着後に400℃〜500℃の熱処理が行なわれることが好ましい。
【0033】
次にダイシングソーを用いて半導体基板1を切断し、チップ状のバイパスダイオードが完成する。半導体基板1を切断する際には、ダイシングソーに代えてレーザーなどを用いてもよい。図3〜図5では、説明の便宜のためにチップ状のものとして表示していたが、実際には、大判の基板の状態で各工程を進め、最後に切断してチップ状のバイパスダイオードを得るのが普通である。
【0034】
(作用・効果)
本実施の形態におけるバイパスダイオードの製造方法によれば、実施の形態1で説明したようなバイパスダイオードを得ることができる。
【0035】
(実施の形態3)
(変形例)
図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるバイパスダイオードについて説明する。本実施の形態におけるバイパスダイオードは、実施の形態1の変形例に相当する。以下、図6〜図8はバイパスダイオードを下方から見た図である。すなわち、バイパスダイオードを第2表面の側から見たところである。本来は第2酸化膜12bは裏面電極7によって覆い隠されているが、ここでは説明の便宜のために、裏面電極7を取り去った状態を表示している。ここでは説明の便宜のために外形を簡略化して正方形で表示しているが、実際にはバイパスダイオードの外形は正方形とは限らない。
【0036】
図6に示すように、本実施の形態では、第2酸化膜12bは格子状に配置されている。図6に示した例では、第2酸化膜12bは元々全域を覆うように形成されていたものから格子状に残すようにパターニングされている。言い換えれば、小さな正方形の開口部が方陣状に配列されている。
【0037】
(作用・効果)
本実施の形態で示したように第2酸化膜が格子状に配置された構成とすることによって、たとえ第2酸化膜が第1酸化膜と対称でないとしても、第2酸化膜のパターンが全域にほぼ均等に分布することとなるので、全体的に反りをある程度緩和することができる。
【0038】
(変形例)
以下、本実施の形態のさらなる変形例について説明する。第2酸化膜はストライプ状に配置されていてもよい。一例を図7に示す。図7に示した例では、第2酸化膜12bはストライプ状に残すようにパターニングされている。このように第2酸化膜がストライプ状に配置された構成とすることによって、たとえ第2酸化膜が第1酸化膜と対称でないとしても、第2酸化膜のパターンが全域にほぼ均等に分布することとなるので、全体的に反りをある程度緩和することができる。
【0039】
さらに他の変形例について説明する。第2酸化膜は各々孤立した複数の基本形状が規則的に配置されたものであってよい。一例を図8に示す。図8に示した例では、第2酸化膜12bは正方形を基本形状として、この基本形状のパターンが各々孤立して規則的に方陣状に配置されたものとなっている。言い換えれば、元々全域を覆っていた第2酸化膜12bのうち格子状の領域を除去した形となっている。このように第2酸化膜を、各々孤立した複数の基本形状が規則的に配置された構成とすることによって、たとえ第2酸化膜が第1酸化膜と対称でないとしても、第2酸化膜のパターンが全域にほぼ均等に分布することとなるので、全体的に反りをある程度緩和することができる。
【0040】
第2酸化膜の配置として実施の形態1,3のいずれのパターンを採用する場合であっても、第1表面31のうち第1酸化膜12aで覆われていない部分の面積に対して、第2表面32のうち第2酸化膜12bで覆われていない部分の面積の比率が20%以上であることが好ましい。この構成を採用することにより、両方の面における酸化膜が占める割合のバランスがとりやすくなるので、反りを低減しやすくなる。
【0041】
なお、半導体基板1の厚みについては、100μm以下であることが好ましい。なぜなら、人工衛星で使用される部品は軽量であることが求められており、半導体基板1の厚みが100μm以下であれば、ダイオードの十分な軽量化を図ることができるからである。
【0042】
なお、実施の形態1,2では、半導体基板1の上面の第1酸化膜12aの2つの開口部については、その一方の開口部にp+層3を形成するのみの構成を前提に説明したが、このような構成とする代わりに、2つの開口部のうち一方にp+層3を形成し、他方にn+層を形成する構成としてもよい。一例を図9に示す。一方の開口部にp+層3が形成され、他方の開口部にn+層8が形成されている。p電極4の下側にp+層3が位置し、n電極5の下側にn+層8が位置する。n+層を形成することによって、n電極5と半導体基板1とのオーミック接触を改善することができる。n+層を形成するためには、たとえば700〜900℃に加熱された石英炉内にこの構造体を入れてリンを含むガスを流すこととすればよい。
【0043】
なお、上記実施の形態で示した例のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0044】
1 半導体基板、2a,2b,12a,12b 酸化膜、3 p+層、4 p電極、5 n電極、6a,6b フォトレジスト、7 裏面電極、8 n+層、16,17 インターコネクタ、24 太陽電池セル、31 第1表面、32 第2表面、101 (従来の)バイパスダイオード、151 (従来の)太陽電池モジュール、201 バイパスダイオード、251 太陽電池モジュール。
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池セル用のバイパスダイオードに関するものである。特に、人工衛星や宇宙ステーションなどに搭載される宇宙用太陽電池セルに使用可能なバイパスダイオードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人工衛星、宇宙ステーションなどの電源には、太陽電池セルが使用されている。このように使用される太陽電池セルは、軽量であることが望ましく、たとえば0.1mm程度の厚みの単結晶シリコン太陽電池セルが使用されている。また、近年では、厚さ0.05mm以下の化合物系太陽電地セルなどを使用することが検討されている。このような太陽電池セルを複数集めて直列または並列に接続したものとして太陽電池モジュールが構成される。
【0003】
たとえば複数の太陽電池セルが直列に接続された太陽電池モジュールが部分的に影に入った場合、その影になっている箇所の太陽電池セルにおいては、発電がされないだけに留まらず、逆方向に電圧がかかり、太陽電池モジュールの全体の出力を低下させてしまう。
【0004】
また、化合物系の太陽電池セルを接続した太陽電池モジュールの場合、逆方向の耐圧が低く、逆方向に電圧がかかった際に太陽電池セルが故障するおそれがある。このような事態を防ぐためには各太陽電池セルに並列にバイパスダイオードを接続する必要がある。化合物系の太陽電池セルとしては、セル間の接続を容易に行なえるように、太陽電池セルの両極の電極を受光面側に配置した構造のものが開発されている。このような太陽電池セルとの接続を容易にするために、バイパスダイオードについても、両極の電極を一方の表面に配置したものが開発されている。たとえば図10(a),(b)に示すバイパスダイオード101は、半導体基板1の一方の表面にp電極4およびn電極5が設けられている。
【0005】
太陽電池セルとこのバイパスダイオードとの接続方法の一例を図11に示す。複数の太陽電池セル24がインターコネクタ16によって接続されることによって太陽電池モジュール151が構成されている。太陽電池セル24同士の接続には、2つのインターコネクタ16が並列に介在している。各太陽電池セル24には1つのバイパスダイオード101が接続されている。1つの太陽電池セル24と1つのバイパスダイオード101との接続には、2つのインターコネクタ17が並列に介在している。インターコネクタ16,17による接続は片側の面のみで行なわれる。
【0006】
また、上述のとおり、化合物系の太陽電池セルとしては、非常に薄いものが開発されており、バイパスダイオードも太陽電池セルに合わせて非常に薄いものが開発されている。
【0007】
(文献に記載されたバイパスダイオードの例)
特開平6−53377号公報(特許文献1)には、宇宙空間で動作する人工衛星や宇宙ステーションの電源に使用される太陽電池においてブロッキングダイオードまたはバイパスダイオードとして用いられるダイオードの一例が記載されている。
【0008】
特開2009−158697号公報(特許文献2)は、本発明と同一の発明者かつ同一の出願人による出願である。特許文献2には、半導体基板の主表面にpn接合ダイオードを設け、p電極、n電極を配置した構成の太陽電池セル用バイパスダイオードが記載されている。
【0009】
(従来の製造方法)
図12〜図20を参照して、従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法について説明する。これは、特許文献2に記載されたバイパスダイオードの製造方法に相当する。
【0010】
まず、シリコン結晶のインゴッドをスライスして得られた半導体基板は、スライスの際にその表面近傍にダメージ層が存在する。そこで、酸性またはアルカリ性の溶液を用いてダメージ層をエッチングすると共に半導体基板を所望の厚さまでエッチングする。こうして、図12に示す半導体基板1が得られる。
【0011】
次に、半導体基板1を1000〜1200℃に加熱された石英炉内に入れ、酸素や水蒸気により半導体基板1の表裏に酸化膜2a,2bを形成する。こうして、図13に示す状態となる。
【0012】
次に、図14に示すように、半導体基板1上にフォトレジスト6aを用いてパターンを形成した後、酸化膜2aを所望の形状にエッチングする。
【0013】
次に、半導体基板1上のフォトレジスト6aを除去することによって図15に示す状態とした後、800〜1100℃程度に加熱された石英炉内にこの構造体を入れ、ホウ素を含むガスを流す。こうして、図16に示すように、酸化膜2aの開口部に露出する半導体基板1の上面近傍にp+層3が形成される。
【0014】
次に、900〜1200℃に加熱された石英炉内にこの構造体を入れ、図17に示すように、酸素や水蒸気により半導体基板1上に酸化膜12a,12bを形成する。酸化膜12a,12bは、元々あった酸化膜2a,2bを取り込んで形成される。この熱処理によって、同時にドライブインが行なわれる。ここでいう「ドライブイン」とは基板の表面近傍にある不純物原子を深い位置にまで拡散させることである。このときの石英炉の温度は拡散時の温度より高いことが望ましい。ドライブインの結果、図17に示されるようにp+層3の深さが増す。
【0015】
次に、図18に示すように、一方の面にフォトレジスト6bを用いてパターンを形成した後、酸化膜12a,12bを所望の形状にエッチングする。その後、フォトレジスト6bを除去することによって、図19に示す構造を得る。すなわち、一方の面に所望パターンの酸化膜12aが残り、他方の面からは酸化膜12bがなくなる。
【0016】
次に、図20に示すように、半導体基板1の表面にp電極4およびn電極5を形成する。下面には裏面電極7を形成する。
【0017】
次に、ダイシングソーを用いて半導体基板1を切断し、チップ状のバイパスダイオードが完成する。図12〜図20では、説明の便宜のためにチップ状のものとして表示していたが、実際には、大判の基板の状態で各工程を進め、最後に切断してチップ状のバイパスダイオードを得るのが普通である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】特開平6−53377号公報
【特許文献2】特開2009−158697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
図17から図18にかけて酸化膜2をエッチングした結果、この構造体は反る傾向にある。図18の時点で反っている場合、バイパスダイオードとして完成させた状態においても反りが残る。ある程度以上の大きな反りがあるバイパスダイオードは不良品となる。
【0020】
そこで、本発明は、反りを低減したバイパスダイオードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
上記目的を達成するため、本発明に基づくバイパスダイオードは、互いに対向する第1表面および第2表面を有する半導体基板と、上記第1表面に配置された第1導電型電極および第2導電型電極と、上記第2表面に配置され、上記半導体基板と同じ極性を有する裏面電極と、上記第1表面に配置された第1酸化膜と、上記第2表面に配置された第2酸化膜とを備える。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、半導体基板の第1表面だけでなくその裏側の第2表面にも酸化膜が備わっているので、酸化膜に起因して生じていた反りを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に基づく実施の形態1におけるバイパスダイオードの断面図である。
【図2】本発明に基づく実施の形態1におけるバイパスダイオードを用いた太陽電池モジュールの平面図である。
【図3】本発明に基づく実施の形態2におけるバイパスダイオードの製造方法の第7の工程の説明図である。
【図4】本発明に基づく実施の形態2におけるバイパスダイオードの製造方法の第8の工程の説明図である。
【図5】本発明に基づく実施の形態2におけるバイパスダイオードの製造方法の第9の工程の説明図である。
【図6】本発明に基づく実施の形態3におけるバイパスダイオードの説明図である。
【図7】本発明に基づく実施の形態3におけるバイパスダイオードの第1の変形例の説明図である。
【図8】本発明に基づく実施の形態3におけるバイパスダイオードの第2の変形例の説明図である。
【図9】本発明に基づく実施の形態1,2で示したバイパスダイオードの変形例の断面図である。
【図10】従来技術に基づくバイパスダイオードの、(a)は平面図、(b)は断面図である。
【図11】従来技術に基づくバイパスダイオードを用いた太陽電池モジュールの平面図である。
【図12】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第1の工程の説明図である。
【図13】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第2の工程の説明図である。
【図14】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第3の工程の説明図である。
【図15】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第4の工程の説明図である。
【図16】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第5の工程の説明図である。
【図17】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第6の工程の説明図である。
【図18】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第7の工程の説明図である。
【図19】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第8の工程の説明図である。
【図20】従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法の第9の工程の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施の形態1)
(構成)
図1、図2を参照して、本発明に基づく実施の形態1におけるバイパスダイオードについて説明する。図1に示すように、本実施の形態におけるバイパスダイオード201は、互いに対向する第1表面31および第2表面32を有する半導体基板1と、第1表面31に配置された第1導電型電極としてのp電極4および第2導電型電極としてのn電極5と、第2表面32に配置され、半導体基板1と同じ極性を有する裏面電極7と、第1表面31に配置された第1酸化膜12aと、第2表面32に配置された第2酸化膜12bとを備える。
【0025】
(作用・効果)
本実施の形態では、半導体基板1の第1表面31だけでなく第2表面32にも酸化膜が備わっているので、酸化膜に起因して生じていた反りを低減することができる。
【0026】
さらに、本実施の形態で示したように、第1酸化膜12aと第2酸化膜12bとは半導体基板1を挟んで対称に配置されていることが好ましい。対称となっていれば、2つの面の各部位における酸化膜による応力が同程度となり、反りを効果的に低減することができる。
【0027】
なお、このバイパスダイオード201を用いて複数の太陽電池セル24を接続し、太陽電池モジュールとした例を図2に示す。太陽電池モジュール251は、複数の太陽電池セル24と複数のバイパスダイオード201とを含んでいる。各バイパスダイオード201は、各太陽電池セル24に対応する。図2では、2つの太陽電池セル24を表示しているが、太陽電池モジュール251は、より多くの数の太陽電池セル24を接続したものであってよい。
【0028】
(実施の形態2)
(製造方法)
図12〜図17、図3〜図5を参照して、本発明に基づく実施の形態2におけるバイパスダイオードの製造方法について説明する。ここでは、実施の形態1で示したバイパスダイオード201を製造するものとして説明する。
【0029】
本実施の形態におけるバイパスダイオードの製造方法は、図12〜図17までの工程に関しては、従来技術に基づくバイパスダイオードの製造方法として説明したものと基本的に同じである。ただし、図12に示した工程においては、シリコン結晶のインゴッドをスライスして得られた半導体基板に対して、酸性またはアルカリ性の溶液を用いてダメージ層をエッチングすると共に半導体基板を厚み0.1mm程度となるまでエッチングする。ここで、半導体基板1はn型でもp型でもよく、半導体基板1の大きさや厚さはここで示す例に限定されない。
【0030】
また、ここでは便宜上n型の半導体基板を用いて以下の説明を行なうが、p型の半導体基板を使用してもよい。p型の半導体基板を使用する場合は、以下に出てくるp+層はn+層と読み替え、n+層はp+層と読み替えればよい。ただし、n型の半導体基板を用いる場合とp型の半導体基板を用いる場合とで、拡散条件などは異なるものとなる。
【0031】
本実施の形態におけるバイパスダイオードの製造方法では、図17に示した状態から、図18に示したようにフォトレジスト6bを上面のみに形成して裏面の酸化膜を全て除去してしまうのではなく、図17に示した状態から図3に示すように、フォトレジスト6bのパターンを上下面の両方に形成する。そして、酸化膜12a,12bの両方を同じようにパターニングする。この後、フォトレジスト6bを除去し、図4に示す状態を得る。次に、図5に示すように、半導体基板1の上面に、p電極4およびn電極5を形成する。
【0032】
ここで、p電極4およびn電極5の電極材料としては、銀、アルミニウムなどの高導電材料が用いられることが好ましい。また、p電極4およびn電極5の形成方法としては、たとえば高真空中における電子ビーム加熱による電極材料の蒸着による方法を採用可能である。あるいは、電極材料を含むペーストのスクリーン印刷によってもよい。あるいは、電極材料のメッキによってもよい。これらの方法に限らず公知技術による適宜の方法を用いることができる。その後、p電極4およびn電極5の形成と同様の手段を用いて裏面電極7を形成する。さらに、半導体基板1とp電極4、n電極5および裏面電極7との良好なオーミック接触を得るために、半導体基板1への電極材料の付着後に400℃〜500℃の熱処理が行なわれることが好ましい。
【0033】
次にダイシングソーを用いて半導体基板1を切断し、チップ状のバイパスダイオードが完成する。半導体基板1を切断する際には、ダイシングソーに代えてレーザーなどを用いてもよい。図3〜図5では、説明の便宜のためにチップ状のものとして表示していたが、実際には、大判の基板の状態で各工程を進め、最後に切断してチップ状のバイパスダイオードを得るのが普通である。
【0034】
(作用・効果)
本実施の形態におけるバイパスダイオードの製造方法によれば、実施の形態1で説明したようなバイパスダイオードを得ることができる。
【0035】
(実施の形態3)
(変形例)
図6を参照して、本発明に基づく実施の形態3におけるバイパスダイオードについて説明する。本実施の形態におけるバイパスダイオードは、実施の形態1の変形例に相当する。以下、図6〜図8はバイパスダイオードを下方から見た図である。すなわち、バイパスダイオードを第2表面の側から見たところである。本来は第2酸化膜12bは裏面電極7によって覆い隠されているが、ここでは説明の便宜のために、裏面電極7を取り去った状態を表示している。ここでは説明の便宜のために外形を簡略化して正方形で表示しているが、実際にはバイパスダイオードの外形は正方形とは限らない。
【0036】
図6に示すように、本実施の形態では、第2酸化膜12bは格子状に配置されている。図6に示した例では、第2酸化膜12bは元々全域を覆うように形成されていたものから格子状に残すようにパターニングされている。言い換えれば、小さな正方形の開口部が方陣状に配列されている。
【0037】
(作用・効果)
本実施の形態で示したように第2酸化膜が格子状に配置された構成とすることによって、たとえ第2酸化膜が第1酸化膜と対称でないとしても、第2酸化膜のパターンが全域にほぼ均等に分布することとなるので、全体的に反りをある程度緩和することができる。
【0038】
(変形例)
以下、本実施の形態のさらなる変形例について説明する。第2酸化膜はストライプ状に配置されていてもよい。一例を図7に示す。図7に示した例では、第2酸化膜12bはストライプ状に残すようにパターニングされている。このように第2酸化膜がストライプ状に配置された構成とすることによって、たとえ第2酸化膜が第1酸化膜と対称でないとしても、第2酸化膜のパターンが全域にほぼ均等に分布することとなるので、全体的に反りをある程度緩和することができる。
【0039】
さらに他の変形例について説明する。第2酸化膜は各々孤立した複数の基本形状が規則的に配置されたものであってよい。一例を図8に示す。図8に示した例では、第2酸化膜12bは正方形を基本形状として、この基本形状のパターンが各々孤立して規則的に方陣状に配置されたものとなっている。言い換えれば、元々全域を覆っていた第2酸化膜12bのうち格子状の領域を除去した形となっている。このように第2酸化膜を、各々孤立した複数の基本形状が規則的に配置された構成とすることによって、たとえ第2酸化膜が第1酸化膜と対称でないとしても、第2酸化膜のパターンが全域にほぼ均等に分布することとなるので、全体的に反りをある程度緩和することができる。
【0040】
第2酸化膜の配置として実施の形態1,3のいずれのパターンを採用する場合であっても、第1表面31のうち第1酸化膜12aで覆われていない部分の面積に対して、第2表面32のうち第2酸化膜12bで覆われていない部分の面積の比率が20%以上であることが好ましい。この構成を採用することにより、両方の面における酸化膜が占める割合のバランスがとりやすくなるので、反りを低減しやすくなる。
【0041】
なお、半導体基板1の厚みについては、100μm以下であることが好ましい。なぜなら、人工衛星で使用される部品は軽量であることが求められており、半導体基板1の厚みが100μm以下であれば、ダイオードの十分な軽量化を図ることができるからである。
【0042】
なお、実施の形態1,2では、半導体基板1の上面の第1酸化膜12aの2つの開口部については、その一方の開口部にp+層3を形成するのみの構成を前提に説明したが、このような構成とする代わりに、2つの開口部のうち一方にp+層3を形成し、他方にn+層を形成する構成としてもよい。一例を図9に示す。一方の開口部にp+層3が形成され、他方の開口部にn+層8が形成されている。p電極4の下側にp+層3が位置し、n電極5の下側にn+層8が位置する。n+層を形成することによって、n電極5と半導体基板1とのオーミック接触を改善することができる。n+層を形成するためには、たとえば700〜900℃に加熱された石英炉内にこの構造体を入れてリンを含むガスを流すこととすればよい。
【0043】
なお、上記実施の形態で示した例のうち複数を適宜組み合わせて採用してもよい。
なお、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0044】
1 半導体基板、2a,2b,12a,12b 酸化膜、3 p+層、4 p電極、5 n電極、6a,6b フォトレジスト、7 裏面電極、8 n+層、16,17 インターコネクタ、24 太陽電池セル、31 第1表面、32 第2表面、101 (従来の)バイパスダイオード、151 (従来の)太陽電池モジュール、201 バイパスダイオード、251 太陽電池モジュール。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1表面および第2表面を有する半導体基板と、
前記第1表面に配置された第1導電型電極および第2導電型電極と、
前記第2表面に配置され、前記半導体基板と同じ極性を有する裏面電極と、
前記第1表面に配置された第1酸化膜と、
前記第2表面に配置された第2酸化膜とを備える、バイパスダイオード。
【請求項2】
前記第1酸化膜と前記第2酸化膜とは前記半導体基板を挟んで対称に配置されている、請求項1に記載のバイパスダイオード。
【請求項3】
前記第2酸化膜は格子状に配置されている、請求項1に記載のバイパスダイオード。
【請求項4】
前記第2酸化膜はストライプ状に配置されている、請求項1に記載のバイパスダイオード。
【請求項5】
前記第2酸化膜は各々孤立した複数の基本形状が規則的に配置されたものである、請求項1に記載のバイパスダイオード。
【請求項6】
前記第1表面のうち前記第1酸化膜で覆われていない部分の面積に対して、前記第2表面のうち前記第2酸化膜で覆われていない部分の面積の比率が20%以上である、請求項1から5のいずれかに記載のバイパスダイオード。
【請求項7】
前記半導体基板の厚みが100μm以下である、請求項1から6のいずれかに記載のバイパスダイオード。
【請求項1】
互いに対向する第1表面および第2表面を有する半導体基板と、
前記第1表面に配置された第1導電型電極および第2導電型電極と、
前記第2表面に配置され、前記半導体基板と同じ極性を有する裏面電極と、
前記第1表面に配置された第1酸化膜と、
前記第2表面に配置された第2酸化膜とを備える、バイパスダイオード。
【請求項2】
前記第1酸化膜と前記第2酸化膜とは前記半導体基板を挟んで対称に配置されている、請求項1に記載のバイパスダイオード。
【請求項3】
前記第2酸化膜は格子状に配置されている、請求項1に記載のバイパスダイオード。
【請求項4】
前記第2酸化膜はストライプ状に配置されている、請求項1に記載のバイパスダイオード。
【請求項5】
前記第2酸化膜は各々孤立した複数の基本形状が規則的に配置されたものである、請求項1に記載のバイパスダイオード。
【請求項6】
前記第1表面のうち前記第1酸化膜で覆われていない部分の面積に対して、前記第2表面のうち前記第2酸化膜で覆われていない部分の面積の比率が20%以上である、請求項1から5のいずれかに記載のバイパスダイオード。
【請求項7】
前記半導体基板の厚みが100μm以下である、請求項1から6のいずれかに記載のバイパスダイオード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2013−102073(P2013−102073A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245373(P2011−245373)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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