説明

バックパッキングストーブ

燃焼を提供するためのバーナ(30)を含むバーナ組立体(22)を有する燃焼器具(20)である。この器具(20)は、バーナ組立体に燃料を供給するための燃料用先端部(38)と、燃料用先端部と協働して、バーナ(30)に供給される燃料の制御並びに器具が動作している間の燃料用先端部(38)のクリーニングを可能にする、燃料制御・クリーニング組立体(28)とを有する。クリーニング組立体(28)を、器具(30)自体に形成してもよく、クリーニング組立体(28)は、クリーニング要素(46)、クリーニング要素制御機構(48)及び放熱界面部(52)を組み込んでもよく、放熱界面部(52)は、クリーニング要素及びクリーニング要素制御機構に対して、器具(20)が動作している間、使用者が手袋又は他の保護具を使用せずにクリーニング要素制御機構を用いてクリーニング要素を制御することができるように、配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の参照]
本特許出願は、2006年8月4日に出願されその開示内容がすべて本明細書に援用される、米国仮特許出願第60/821,522号明細書の利益を主張する。
【0002】
[発明の技術分野]
本発明は、燃料燃焼器具、特にバックパッキングストーブ及びキャンピングストーブに関する。
【背景技術】
【0003】
[発明の背景]
キャンプ及び屋外で使用するための燃料燃焼キャンプストーブ及びランタンは、周知であり、例えば、本発明の譲受人であるコールマン社(The Coleman Company, Inc.)が所有する米国特許第3,876,364号明細書に記載されている。かかるキャンプストーブ及びランタンで使用されることが多い液体燃料は、例えば、コールマン商標の燃料、ホワイトガソリン、無鉛ガソリン又は他の液体燃料であり得る。
【0004】
コールマン社が長年提供してきたもののような従来の液体燃料キャンプストーブの中には、圧力をかけた状態で空気が注入される圧力容器又は燃料タンクに、燃料が収容されているものがある。米国特許第3,876,364号明細書に記載されているように、燃料タンクには、ほとんどタンクの底部まで延在する浸漬管(dip tube)が装着されている。浸漬管は、燃料が入ることのできる小径の穴(orifice)を除いて、底部で閉鎖されている。浸漬管は内部導管を有し、それは底部で開口しており、意図されている最大燃料レベルより上となる、圧力容器の上側の部分と連通している。浸漬管の穴は、燃料制御システムに適切に接続されているニードル(needle)が挿入されることによって、部分的に閉塞されることができる。ニードルは、点火サイクル中は穴を部分的に閉塞し、通常の燃焼サイクル中は、穴を閉塞しないように取り外される。点火サイクル中のこの部分的な閉塞により、空気が、圧力容器の上側の部分の開口から、浸漬管の内部導管と外部導管との間の空間内に引き込まれる。この空気が燃料に付随して内部導管の上方へ上昇するので、燃料と空気との燃料希薄混合物が生成され点火を促進する。燃料希薄混合物は初期点火に必要である。それは、混合物内の燃料は気化せず、それ故、燃焼のために多くの空気と混合されなければならないためである。そして、空気・燃料の混合物は、燃料制御システムにより浸漬管に接続されているジェネレータに進む。ジェネレータは、金属管であり、ストーブのバーナの上方を通って、バーナに接続されているベンチュリ組立体内に通じている。ジェネレータは、バーナが動作しているときにそのバーナの炎によって加熱される。燃料は、ジェネレータの端部の穴又は噴出しノズルから、空気が吸引及び混合されるベンチュリ内に、高速で放出され、燃焼のための可燃性混合物としての空気/燃料混合物でバーナに供給される。
【0005】
バーナが最初のある期間動作し、ジェネレータが十分に加熱された後、ジェネレータ内を通る燃料は気化する。したがって、ジェネレータが加熱された後、燃料は膨張し、より希薄でない混合物として供給され得る。この時点で、ニードルが、通路を閉塞しないように取り除かれてもよい。
【0006】
米国特許第3,876,364号明細書では、燃料制御ノブを回転させることにより閉塞ニードルを動作させている。他の器具では、器具の始動及び運転を調整するためにレバーが使用される。レバーは、始動のために上方に移動され、その後運転のために下方に移動される。
【0007】
ジェネレータが冷えているときに液体燃料器具の点火を可能にするための上記構造を、「瞬間点火システム」と呼ぶ。瞬間点火システムを含まない液体燃料器具では、始動中にジェネレータを加熱するための他の手段、例えば液体プライミング燃料(liquid priming fuel)、加熱ペースト、又は通常高温セラミック材料からなるプライミングパッド(priming pad)が必要である。いずれの場合も、点火プロセスには何らかの形態の予熱が必要である。
【0008】
これは、当該技術分野において直火式のバーナ(impingement burner)として知られるものを有する、燃料燃焼キャンプストーブ及びバックパックストーブに当てはまる。直火式のバーナを有する、かかるストーブの中には、上述した液体燃料に加えて多くの異なる燃料源を使用して動作することができるものもある。一般に、かかるストーブは、「マルチ燃料型」のキャンピングストーブ及び/又はバックパッキングストーブ(backpacking stove)とみなされる。一般的にいえば、これらマルチ燃料型のストーブは、特に、液体燃料、プロパン、ブタン、灯油及びさまざまなプロパン/ブタン混合物を燃焼させることができる。
【0009】
マルチ燃料型のキャンピングストーブ及び/又はバックパッキングストーブにおける上述した液体燃料ストーブに対する利点は、主に、そのストーブが使用され得る世界の地域において利用可能な複数の燃料源が利用できることである。冒険キャンプ市場の場合、ハイカー、登山者及び他の冒険家は、通常、自身の次の登山、ハイキング又は他の挑戦に取り組むためにさまざまな遠隔地に進む。不都合なことに、利用可能な燃料供給は、所与の土地で何が入手可能であるかによって決まる。したがって、マルチ燃料型のストーブは、かかる愛好者たちには理想的な道具である。
【0010】
しかしながら、既存のマルチ燃料型のストーブには限界がある。特に複数の燃料源で動作する設計及び能力のため、炎、そしてストーブの熱出力を正確に制御する能力が限られている。さらに、かかるマルチ燃料型のストーブでは、一般に、複雑な燃料用先端部クリーニングシステム(fuel tip cleaning system)が採用されている。クリーニングシステムの特徴及び構造のため、ストーブが消され、状況によっては冷却されない限り、燃料用先端部を適切にクリーニングすることができない。
【0011】
したがって、限定はされないが、動作し続けている間にクリーニングされ得る燃料用先端部を有する、キャンピング及びバックパッキングストーブ、ランタン、トーチ又は他の装置等の、マルチ燃料型燃料燃焼器具(multi-fuel fuel burning appliance)が、当該技術分野で必要とされているが現在のところ入手可能でない。より好ましくは、使用者が、ストーブが動作している間に、素手で、すなわち手袋等のいかなる特別な保護具もなしに、この機能を実行することができるように、かかるストーブは設計されるべきである。かかる機能性のための制御は、燃料タンク、燃料供給ライン、及び燃料供給弁の特徴ではなく、ストーブの構成要素であるべきであるが、ストーブのサイズ又は複雑性を大幅に増大させるものであるべきでない。かかるマルチ燃料型のストーブを提供することが、本発明の主な目的である。
【発明の概要】
【0012】
以下は、本発明が基本的に理解されるために、本発明のいくつかの実施形態の簡単な概要を提示する。この概要は、本発明の外延的な概説ではない。この概要は、本発明の主要な/重要な要素を特定するようにも、本発明の範囲を規定するようにも意図されていない。その唯一の目的は、本発明のいくつかの実施形態を、後に提示するより詳細な説明に対する序文として簡略化した形式で提示することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
一実施形態によれば、燃焼を提供するためのバーナを含むバーナ組立体と、燃料をバーナに供給するための燃料用先端部とを有する燃焼器具を提供する。燃料制御及びクリーニング組立体が燃料用先端部と協働して、ストーブが動作している間、バーナに供給される燃料の制御と、燃料用先端部のクリーニングとを可能にする。
【0014】
別の実施形態によれば、複数の燃料のうちの任意のもので動作することができるマルチ燃料型燃焼器具を提供する。このマルチ燃料型燃焼器具は、燃焼を提供するためのバーナを有するバーナ組立体と、バーナに燃料を供給するための燃料用先端部とを含む。燃焼器具には、クリーニング組立体が、バーナに供給される燃料の量を制御する一方で、ストーブの動作中に少なくとも部分的に燃料用先端部をクリーニングするように、構成され且つ配置されている。
【0015】
さらに別の実施形態によれば、燃焼器具用のクリーニング組立体を提供する。クリーニング組立体は、燃焼器具に取り付けられていることが好ましく、クリーニング要素、クリーニング要素制御機構及び放熱界面部(heat dissipating interface)を含んでもよい。放熱界面部は、クリーニング要素及びクリーニング要素制御機構に対して、器具が動作している間、使用者が手袋及び他の保護具を使用せずにクリーニング要素制御機構を用いてクリーニング要素を制御することができるように、配置されている。
【0016】
さらに別の実施形態では、マルチ燃料型燃焼器具の燃料用先端部を通る燃料供給を制御する一方で、燃焼器具が動作している間に燃料用先端部の少なくとも部分的なクリーニングを促進するための方法を提供する。
【0017】
本発明の他の特徴は、図面と併用すると以下の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施形態によるストーブ及び燃料タンクの上面斜視図である。
【図2】図1に示すストーブの構成要素の一部を分解した上面斜視図である。
【図3A】図1に示すストーブの側面より見た分解斜視図である。
【図3B】図3Aに示すストーブの側面斜視図であり、組み立てられて拡げられた構成を示すものである。
【図3C】図3Aに示すストーブの側面斜視図であり、組み立てられて折り畳まれた構成を示すものである。
【図4A】図1に示すストーブのクリーニング弁組立体の側面斜視図である。
【図4B】図4Aに示すクリーニング弁組立体の端面図である。
【図4C】図4Aの切断線A−Aに沿った図4Bのクリーニング弁組立体の断面図である。
【図4D】図4Cのクリーニング弁組立体の部分断面図であり、クリーニング要素及び燃料用先端部が協働して燃料流量の低い状態を提供するものを示す図である。
【図4E】図4Cのクリーニング弁組立体の部分断面図であり、クリーニング要素及び燃料用先端部が協働して燃料流量の高い状態を提供するものを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下の説明では、本発明のさまざまな実施形態について説明する。説明の目的で、実施形態が完全に理解されるために、特定の構成及び詳細を示す。しかしながら、当業者には、それらの詳細が特定されなくとも本発明を実施することができることも明らかとなろう。さらに、説明されている実施形態を不明瞭にしないために、周知の特徴を省略するか又は簡略化する場合もある。
【0020】
可能な限り、同じ参照符号が、図面を通して同じか又は同様の部分を参照するために使用されている。本発明の例示的な燃焼器具を、バックパッキングストーブとして図1に示し、通常全体を通して参照符号20によって示す。
【0021】
図示する実施形態では、ストーブ20は、燃料供給ライン24によって液体燃料タンク26に接続されているバーナ組立体22を含む。液体燃料供給ライン24は、ジェネレータ27に接続しており、ジェネレータ27は、さらに弁組立体、好ましくはクリーニング弁組立体28に接続されている。ジェネレータ27は、当該技術分野において既知である方法で、バーナ組立体22の周囲及びバーナ組立体22の上方に曲げて配置され、それにより、ジェネレータ27は、バーナ、好ましくは直火式のバーナ30で生成される炎によって加熱され得る。そして、ジェネレータ27は、ストーブ20の底部へ下方に向かって延在し且つクリーニング弁組立体28の一方の側面の中に延在する。
【0022】
本発明のこの実施形態によって構成されるように、ジェネレータ27及び/又はクリーニング弁組立体28の一部は予熱されなければならず、それにより、ジェネレータ27を通ってクリーニング弁組立体28に供給される燃料が気化できるほど十分高温になり、点火及び燃焼が起こることができる。図2に示すように、バーナ組立体22の下方にバーナ支持組立体32が配置されており、バーナ支持組立体32は、クリーニング弁組立体28とクリーニング弁組立体28の下に且つその周囲に位置する予熱パッド34とを支持している。バーナ組立体22のバーナ30の下には、クリーニング弁組立体28の上部分に、燃料用先端部38の出口穴36が位置している。本明細書で使用する「燃料用先端部」は、燃料が燃料導管から出て燃焼のために放出される場所である。本実施形態では、放出される場所は出口穴36である。
【0023】
予熱パッド34は、高温セラミック材料からなることが好ましい。ストーブ20を点火する前に、予熱パッド34を、液体燃料、アルコール又は他の燃料源により濡らすことができる。この燃料源を点火し燃焼させることにより、クリーニング弁組立体28の一部及びジェネレータ27において燃料を少なくとも部分的に気化させるために、十分な熱を数分間にわたって生成することができる。この気化により、適切な燃料及び空気の混合物の提供が補助され、その混合物は、出口穴36を通って放出され、バーナ組立体22に火炎を発生させるために燃料を提供することができる。
【0024】
ここで図3Aを参照すると、ストーブ20の分解斜視図が示されている。バーナ30を含むバーナ組立体22は、バーナ支持組立体32に、好ましくはねじによる接続を介して、クリーニング弁組立体28の上部において燃料用先端部38に隣接して取り付けられている。バーナ支持組立体32は、好ましくはストーブハウジング40に接続されており、ストーブハウジング40には、複数の脚42が回転可能に取り付けられている。このため、図3Cに示すように、脚42は、ハウジング40と係合したり係合を解除したりするように回動することができ、それにより、ストーブを、パッキング且つ/又は運搬を容易にするためにコンパクトにすることができる。図3Bは、脚42が拡げられた状態にして組み立てられた構成の図3Aのストーブ20を示し、図3Cは、脚42がハウジング40に隣接した状態にして折り畳まれた構成の図3Aのストーブ20を示す。
【0025】
図4A〜図4Eに、新規なクリーニング弁組立体28の詳細を示す。図4Aに示すように、クリーニング弁組立体28は、燃料用先端部38が取り付けられている弁ハウジング44を含むことが好ましい。燃料用先端部38の穴36内には、クリーニング要素、好ましくはクリーニングニードル46(図4C)が配置されている。ニードル46を、コントロールレバー48(図2)の回転によって制御してもよい。コントロールレバー48は、弁ハウジング44から、離れたレバーハウジング50まで延び且つレバーハウジング50から外に延びている。図4Bに示すように、レバー48は、レバーハウジング50の中心を通って延びている。
【0026】
従来のストーブでは、弁組立体のすべての構成要素が、一般的に真鍮製であり、真鍮は、それが有する高い熱伝導特性で知られている。従来のストーブがクリーニングニードルをこれら真鍮製弁組立体に組み込んでいると、弁組立体は、ストーブの動作中、手で触れられないほど高温になり、そのため、ストーブが燃料を燃焼している間はクリーニングニードルを使用することができない。クリーニングニードルは、従来のマルチ燃料型のストーブの動作中に使用することができないため、かかるストーブの燃料用先端部からの燃料の放出量を制御するために使用されていなかった。代りに、燃料の流れ及び/又は圧力は、一般に、燃料供給ラインの上流で弁によって燃料タンク又は燃料シリンダにおいて制御されていた。その結果、これら従来技術によるストーブの場合、達成可能な炎及びバーナ制御が限られており、従来技術によるストーブは、十分な炎及び熱の調節性を有するようには期待されていない。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、新規な放熱要素、図面に示す実施形態では、弁ハウジング44とレバーハウジング50との間に配置された放熱界面部52を使用することにより、炎調整機能における微調整が達成される。一実施形態では、放熱界面部52は、限定されないがセラミック材料、チタン又は好ましくはステンレス鋼等の低熱伝導率材料からなる管状部材である。図4Cに示すように、レバー48は、レバーハウジング50を通り、放熱界面部52を通り、弁ハウジング44内まで延びている。
【0028】
図4Cに示すように、レバー48は、クリーニングニードル46を収容するクリーニングニードルハウジング56と協働する屈曲端54を有することが好ましい。クリーニングニードルは、その直径が、好ましくは0.02(2/100)インチ〜0.005(5/1000)インチであり、最も好ましくは0.009(9/1000)インチである。図4D及び図4Eに示すように、レバー48が回転すると、レバー48の屈曲端54は偏心した軌道をとる。この軌道をとる間、屈曲端54は、クリーニングニードルハウジング56内の切欠きと係合したままであり、偏心した軌道は、クリーニングニードルハウジング56に関してカムとして作用し、それにより、燃料用先端部38の穴36内でクリーニングニードル46が上昇及び下降する。
【0029】
屈曲端54及びクリーニングニードルハウジング56が金属の単一片である代わりに、屈曲端54をクリーニングニードルハウジング56の切欠きと係合させることにより、クリーニングニードルとレバー48との間の熱伝導が制限される。このため、コントロールレバー48の端部への熱伝達が減少する。
【0030】
穴36内のクリーニングニードル46の移動は、少なくとも2つの機能を有する。第1に、その移動は、穴36内の燃料用先端部38の壁から、燃料通過により残る堆積物及び燃焼により生成されて残る堆積物を取り除く。第2に、図4D及び図4Eに明確に示すように、クリーニングニードル46は、レバー48の位置に応じて穴36に出入りする際に、穴36を通る燃料の流量(他の属性のものの流量も同様)を変更する。
【0031】
燃料用先端部38の内側は、径が絞られていることが好ましく、クリーニングニードル46が燃料用先端部38に入るように上昇する際に、穴36を通過することができる燃料の量を低減するために、1つ又は複数のガスケットを組み込んでもよい。一般的に言えば、クリーニングニードルと燃料用先端部38の壁との間の最適な隙間は、少なくとも約0.002(2/1000)インチであるべきである。
【0032】
本発明の放熱部は、放熱界面部52によって提供されることが好ましい。一実施形態では、レバー48の長さ全体が、セラミック材料、チタン、ステンレス鋼、又はそれらのいくつかの組合せ等の低熱伝導率材料からなる。同じことが、クリーニングニードル46にも当てはまり得る。バーナ組立体22からの熱をうけて、ストーブ20の本体は、一般的に約華氏500度〜華氏600度で運転する。もし、上述した構成要素のすべてが、真鍮等の高熱伝導率材料からなるならば、レバーの端部の温度は、ストーブ20の本体の温度に非常に近くなる。一実施形態によれば、レバー48、クリーニングニードル46及び放熱界面部52がすべてステンレス鋼であり、放熱界面部52の長さがおよそ1と1/4インチである場合、ストーブ20の本体が華氏500度から華氏600度の間であってストーブが運転中であるときに、レバーハウジング50はおよそ華氏200度であり、レバーの端部はおよそ室温である。放熱部材52の長さが長くなるほど、レバー48の端部に伝達される熱が少なくなる。当業者は、レバー48の端部への熱伝達を低減するために、上述した要素のすべてが低熱伝導率材料からなる必要はないことを理解するであろう。他の組合せ又は構成が同様に有効であり得、それらがこの開示によって包含されるように意図されている。一般的に言えば、放熱界面部52の長さは、少なくとも1cmであり、好ましくは1インチであり、最も好ましくは1と1/4インチより長くあるべきである。長さ自体が長くなることにより、追加されて増えた表面積部分がその表面積部分の周囲にある周囲空気に晒されるため放熱が促進される。
【0033】
本発明の精神の範囲内で他に様々な変形がある。このため、本発明に対してさまざまな変更及び代替構成が可能であるが、そのうちの1つの例示された実施形態が、図面に示されて、上述において詳細に記載された。しかしながら、本発明を、開示された特定の1つ又は複数の形態に限定する意図はなく、逆に、添付の特許請求の範囲で規定されるように、本発明の精神及び範囲内にあるすべての変更、代替構成及び均等物を包含することを意図していることが理解されるべきである。
【0034】
本明細書で引用した刊行物、特許出願及び特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個々にそして具体的に示されて言及されることにより援用され、且つそのすべてが本明細書に説明されているような場合と同程度に、言及されることより本明細書に援用される。
【0035】
本発明を説明する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)「1つの」、「その(前記)」及び同様の指示語は、本明細書において特に明示されない限り、又は文脈上明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈される。「備える」、「有する」、「含む」及び「含有する」という用語は、特に断りのない限り、限定されない(open-ended)用語として解釈される(すなわち、「含むが、ただし限定されない」を意味する)。「接続される」という用語は、何らかのものが介在していたとしても、部分的に又は全体的に内包される、取り付けられる、又は結合されるとして解釈される。本明細書における値の範囲の示すものは、本明細書において特に示されていない限り、単に、その範囲内に入る値の各々に対して個々に言及する簡略な方法としての役割を果たすように意図されているに過ぎず、値の各々は、本明細書において個々に示されているかのように、本明細書に組み込まれている。本明細書に記載されているすべての方法を、本明細書において特に明示されない限り、又は文脈上明らかに矛盾しない限り、いかなる適切な順序で行うことも可能である。本明細書において提供されている任意のそしてすべての例又は例示的な言語(例えば「等」)の使用は、特に特許請求の範囲に記載されていない限り、単に、本発明の実施形態の理解をより容易にするように意図されるものに過ぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる文言も、特許請求の範囲に記載されていない要素を本発明の実施に対して必須であると示すものと解釈されるべきではない。
【0036】
本明細書では、本発明を実行するために本発明者が知る最良の形態を含む本発明の好ましい実施形態を説明している。それら好ましい実施形態の変形は、当業者には、上述した説明を読むことにより明らかとなり得る。本発明者は、当業者が必要に応じてかかる変形を採用することを予測し、本明細書において特に記載されているものとは異なるもので本発明が実施されるように意図している。したがって本発明は、添付の特許請求の範囲において示される主題におけるすべての変形及び均等物を、適用法令によって許可されるように包含する。さらに、本明細書において特に明示されない限り、又は文脈上明らかに矛盾しない限り、すべてのあり得る変形における上述した要素のいかなる組み合せも、本発明によって包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼器具であって、
燃焼を提供するためのバーナを有するバーナ組立体と、
前記バーナ組立体に燃料を供給するための燃料用先端部と、
前記燃料用先端部と協働して前記バーナに供給される燃料の制御を可能にし、前記ストーブが動作している間における前記燃料用先端部のクリーニングを可能にする、燃料制御・クリーニング組立体と
を備える、燃焼器具。
【請求項2】
ストーブを構成する、請求項1に記載の燃焼器具。
【請求項3】
ランタンを構成する、請求項1に記載の燃焼器具。
【請求項4】
前記燃料用先端部が、燃料を前記バーナ組立体に供給するための穴を含み、前記燃料制御・クリーニング組立体が、前記穴の閉塞の量を変化させるように移動可能である物体を有する、請求項1に記載の燃焼器具。
【請求項5】
前記物体を移動させることにより、前記穴の内側がクリーニングされる、請求項4に記載の燃焼器具。
【請求項6】
前記物体がクリーニングニードルである、請求項5に記載の燃焼器具。
【請求項7】
前記燃料制御・クリーニング組立体が、前記クリーニングニードルと協働するように構成され且つ配置されるコントロールレバーをさらに備え、前記コントロールレバーの作動により前記クリーニングニードルが移動して前記閉塞の量を変化させる、請求項6に記載の燃焼器具。
【請求項8】
前記燃料制御・クリーニング組立体が、前記コントロールレバーと前記クリーニングニードルとの間に配置された放熱界面部をさらに備える、請求項7に記載の燃焼器具。
【請求項9】
前記放熱界面部が、前記コントロールレバーと前記ニードルとの間の構造体を含み、前記構造体が、前記バーナ組立体から熱を放散させるのに十分な放熱特性を有し、それにより、使用者が前記コントロールレバーに直接触れて前記コントロールレバーを操作することができる、請求項8に記載の燃焼器具。
【請求項10】
前記十分な放熱特性が、ステンレス鋼、セラミック材料及びチタンのうちの少なくとも1つを含む前記放熱界面部により構成される、請求項9に記載の燃焼器具。
【請求項11】
前記燃料制御・クリーニング組立体が、前記物体と協働するように構成され且つ配置されるコントロールレバーをさらに備え、前記コントロールレバーの作動により前記物体が移動して前記閉塞の量を変化させる、請求項5に記載の燃焼器具。
【請求項12】
前記燃料制御・クリーニング組立体が、前記コントロールレバーと前記物体との間に配置された放熱界面部をさらに備える、請求項11に記載の燃焼器具。
【請求項13】
前記放熱界面部が、前記コントロールレバーと前記物体との間の構造体を含み、前記構造体が、前記バーナ組立体から熱を放散させるのに十分な放熱特性を有し、それにより、使用者が前記コントロールレバーに直接触れて前記コントロールレバーを操作することができる、請求項12に記載の燃焼器具。
【請求項14】
前記十分な放熱特性が、ステンレス鋼、セラミック材料及びチタンのうちの少なくとも1つを含む前記放熱界面部により構成される、請求項13に記載の燃焼器具。
【請求項15】
前記放熱界面部が、前記コントロールレバーの少なくとも一部の周囲に延在する構造を備える、請求項14に記載の燃焼器具。
【請求項16】
燃焼を提供するためのバーナを有するバーナ組立体と、
前記バーナ組立体に燃料を供給するための燃料用先端部であって、燃料が通って前記バーナ組立体に供給される穴を含む、燃料用先端部と、
前記穴の閉塞の量を変化させるように移動可能である物体を有する燃料制御組立体と
を備える、燃焼器具。
【請求項17】
前記燃料制御・クリーニング組立体が、前記物体と協働するように構成され且つ配置されるコントロールレバーをさらに備え、前記コントロールレバーの作動により前記物体が移動して前記閉塞の量を変化させる、請求項16に記載の燃焼器具。
【請求項18】
前記燃料制御・クリーニング組立体が、前記コントロールレバーと前記物体との間に配置された放熱界面部をさらに備える、請求項17に記載の燃焼器具。
【請求項19】
前記放熱界面部が、前記コントロールレバーと前記物体との間の構造体を含み、前記構造体が、前記バーナ組立体から熱を放散させるのに十分な放熱特性を有し、それにより、使用者が前記コントロールレバーに直接触れて前記コントロールレバーを操作することができる、請求項18に記載の燃焼器具。
【請求項20】
前記十分な放熱特性が、ステンレス鋼、セラミック材料及びチタンのうちの少なくとも1つを含む前記放熱界面部により構成される、請求項19に記載の燃焼器具。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【公表番号】特表2009−545722(P2009−545722A)
【公表日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−523903(P2009−523903)
【出願日】平成19年8月1日(2007.8.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/074987
【国際公開番号】WO2008/019273
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(593107454)ザ・コールマン・カンパニー・インコーポレイテッド (44)
【氏名又は名称原語表記】THE COLEMAN COMPANY, INC.
【Fターム(参考)】