説明

バックライトユニット及び液晶表示装置

【課題】拡散板におけるきしみ音の発生を抑制する。
【解決手段】シャーシ12が一対の側壁部11の頂部11bにそれぞれ突出して形成された突出部18を有し、反射シート14が突出部18に嵌挿される貫通孔29を有し、拡散板15が貫通孔29から突出した突出部18によって支持されるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトユニット及び液晶表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンピュータ、テレビ及び携帯電話等の電子機器の表示装置として使用される液晶表示装置が広く知られている。液晶表示装置は、一対の基板の間でシール部材により封止された液晶層を有する液晶表示パネルと、液晶表示パネルに対向して配置されて液晶表示パネルに光を照射するバックライトユニットとを備えている。
【0003】
バックライトユニットには、導光板の側面に光源として蛍光管が配置されたサイドエッジ型のバックライトユニットと、シャーシの内部に反射シート及び複数の蛍光管が収納された直下型のバックライトユニットとが知られている。バックライトユニットの蛍光管には、一般的に、冷陰極蛍光管等の細径の蛍光管が用いられている。
【0004】
サイドエッジ型のバックライトユニットは、蛍光管からの光を導光板に形成された回折格子等により導光して光を出射するよう構成されている。一方、直下型のバックライトユニットは、シャーシの液晶表示パネル側に配置された拡散板に蛍光管からの直接の光と反射シートによって反射した光とを入射させて拡散させ、均一な面状の光を出射するように構成されている。この直下型のバックライトユニットは、蛍光管からの直接の光を利用しているため、サイドエッジ型に比較して光の利用効率が高く高輝度を必要とする場合に適している。
【0005】
直下型のバックライトユニットは、図6に示すように、略矩形に形成されて外縁に曲げ起こされて形成された互いに対向する一対の側壁部100を有する金属製のシャーシ101と、シャーシ101の内側に配置された複数の直管形の蛍光管102と、シャーシ101の内側で複数の蛍光管102とシャーシ101の表面との間に配置されると共に一対の側壁部100の頂部に配置された反射シート103と、一対の側壁部100の間を覆ってシャーシ101に配置された拡散板104とを備えている。
【0006】
複数の蛍光管102は、一対の側壁部100に対して平行に所定の間隔で並んでそれぞれ配置されている。反射シート103は、一対の側壁部100の頂部に端部がそれぞれ配置されてシャーシ100の内側の全面を覆っている。そして、拡散板104が、反射シート103の端部を介して一対の側壁部101の頂部に支持されている。そのことにより、反射シート103の端部が一対の側壁部101の頂部と拡散板104とにそれぞれ挟まれて固定され、シャーシ101の内側で側壁部100に対向して配置された反射シート103が蛍光管102からの光を効率的に拡散板104へ反射するように所定の角度に傾斜して位置決めされている。これら反射シート103及び拡散板104は、それぞれ樹脂により形成されている。
【0007】
上記拡散板104は、一対の側壁部100の頂部におけるシャーシ101の外側の表面に形成された拡散板ガイド105によって位置決めされている。また、図示は省略するが、この複数の蛍光管102が並ぶ方向に沿ったシャーシ101の2辺には、複数の蛍光管102の両端部を覆って配置され、蛍光管102からの光を拡散板104へ反射する一対のサイドリフレクターが設けられている。これら一対のサイドリフレクター及び一対の側壁部100と、拡散板104とによってシャーシ101の内側は密閉状態になっている。
【0008】
また、拡散板104には、図示は省略するが、拡散シート及びプリズムシート等の複数の光学シートがシャーシ101とは反対側に重ねて配置され、これら拡散板104及び光学シートがフレームで覆われている。
【0009】
上記バックライトユニットについて、特許文献1では、シャーシにおける蛍光管の両端側の2辺(蛍光管が並ぶ方向に沿った2辺)を蛍光管の端部を覆うようにそれぞれ折り曲げ、そのシャーシにおける液晶表示パネル側の全面に反射シートを貼り付けている。そのことにより、サイドリフレクターを配置する必要をなくし、部品数を減少させてコストを低減している。
【特許文献1】特開2007−12569号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、液晶表示装置の電源を入れると蛍光管の光によってシャーシの内側の温度が上昇するため、拡散板が膨張する。一方、液晶表示装置の電源を切るとシャーシの内側の温度が低下するため、拡散板が収縮する。すなわち、拡散板は、蛍光管からの光の有無によって変化するシャーシの内側の温度に影響されて膨張又は収縮する。
【0011】
拡散板は、側壁部の頂部において反射シートに比較的大きい面積で接触して反射シートを固定しており、上述したように、拡散板と反射シートとは樹脂により形成されているため、拡散板と反射シートとの間の摩擦抵抗が比較的大きい。そのことにより、拡散板が膨張又は収縮した場合には、拡散板と反射シートとが擦れることによってきしみ音が発生する。
【0012】
本発明は、斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、拡散板におけるきしみ音の発生を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、この発明では、拡散板と反射シートとの間に隙間を設けると共に、拡散板を比較的小さい接触面積でシャーシによって支持するようにした。
【0014】
具体的に、本発明に係るバックライトユニットは、外縁に曲げ起こされて形成された少なくとも一組の互いに対向する一対の側壁部を有するシャーシと、上記シャーシの内側に配置された光源と、上記光源と上記シャーシの表面との間に配置されると共に上記一対の側壁部の頂部に配置された反射シートと、上記一対の側壁部の間を覆って上記シャーシに配置された拡散板とを備え、上記一対の側壁部の頂部と上記拡散板との間に上記反射シートがそれぞれ配置された状態で上記拡散板が上記一対の側壁部の頂部に支持されたバックライトユニットであって、上記シャーシは、上記一対の側壁部の頂部にそれぞれ突出して形成された突出部を有し、上記反射シートは、上記突出部に嵌挿される貫通孔を有し、上記拡散板は、上記貫通孔から突出した上記突出部によって支持されている。
【0015】
上記突出部は、頂部に凸面を有する凸部であることが好ましい。
【0016】
上記突出部は、上記側壁部の幅方向に延びて頂部に凸面を有する突条であることが好ましい。
【0017】
上記突出部における上記シャーシの外側の端部には、上記側壁部の頂部に配置された上記反射シートの表面に対して垂直な側面が形成されていることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る液晶表示装置は、液晶表示パネルと、上記液晶表示パネルに対向して配置されたバックライトユニットとを備え、上記バックライトユニットは、外縁に曲げ起こされて形成された少なくとも一組の互いに対向する一対の側壁部を有するシャーシと、上記シャーシの内側に配置された光源と、上記光源と上記シャーシの表面との間に配置されると共に上記一対の側壁部の頂部に配置された反射シートと、上記一対の側壁部の間を覆って上記シャーシに配置された拡散板とを備え、上記一対の側壁部の頂部と上記拡散板との間に上記反射シートがそれぞれ配置された状態で上記拡散板が上記一対の側壁部の頂部に支持された液晶表示装置であって、上記シャーシは、上記一対の側壁部の頂部にそれぞれ突出して形成された突出部を有し、上記反射シートは、上記突出部に嵌挿される貫通孔を有し、上記拡散板は、上記貫通孔から突出した上記突出部によって支持されている。
【0019】
上記突出部は、頂部に凸面を有する凸部であることが好ましい。
【0020】
上記突出部は、上記側壁部の幅方向に延びて頂部に凸面を有する突条であることが好ましい。
【0021】
上記突出部における上記シャーシの外側の端部には、上記側壁部の頂部に配置された上記反射シートの表面に対して垂直な側面が形成されていることが好ましい。
【0022】
−作用−
上記バックライトユニットは、拡散板が貫通孔から突出した突出部によって支持されているため、拡散板と反射シートとの間には隙間が設けられている。そのことにより、拡散板が膨張又は収縮したときに、拡散板と反射シートとが擦れることが抑制される。そのことに加えて、拡散板と突出部とが接触する面積は比較的小さいため、拡散板と突出部との間の摩擦抵抗が比較的小さい。したがって、拡散板におけるきしみ音の発生が抑制される。
【0023】
さらに、突出部が頂部に凸面を有する凸部である場合には、拡散板と突出部との接触が点接触となるため、拡散板と突出部との接触面積がさらに小さくなる。そのことにより、拡散板と突出部との間の摩擦抵抗がより小さくなるため、拡散板におけるきしみ音の発生がさらに抑制される。
【0024】
また、突出部が側壁部の幅方向に延びて頂部に凸面を有する突条に形成されている場合には、拡散板と突出部との接触が線接触となるため、拡散板と突出部との接触面積がさらに小さくなる。そのことにより、拡散板と突出部との間の摩擦抵抗がより小さくなるため、拡散板におけるきしみ音の発生がさらに抑制される。
【0025】
突出部におけるシャーシの外側の端部に側壁部の頂部に配置された反射シートの表面に対して垂直な側面が形成されている場合には、突出部におけるシャーシの外側の端部が貫通孔に引っ掛かりやすくなるため、反射シートが貫通孔で突出部によって確実に係止固定さる。そのことにより、シャーシの内側で側壁部に対向して配置された反射シートが光源に対して所望の角度に配置された状態が確実に維持される。
【0026】
上記液晶表示装置は、拡散板が貫通孔から突出した突出部により支持されているため、拡散板と反射シートとの間に隙間が設けられ、拡散板と反射シートとが擦れることが抑制される。さらに、拡散板と突出部とは接触面積が比較的小さく拡散板と突出部との間の摩擦抵抗が比較的小さい。したがって、拡散板におけるきしみ音の発生が抑制される。
【0027】
さらに、突出部が頂部に凸面を有する凸部である場合には、拡散板と突出部との接触面積がさらに小さくなるため、拡散板におけるきしみ音の発生がさらに抑制される。
【0028】
また、突出部が側壁部の幅方向に延びて頂部に凸面を有する突条である場合には、拡散板と突出部との接触面積がさらに小さくなるため、拡散板におけるきしみ音の発生がさらに抑制される。
【0029】
突出部におけるシャーシの外側の端部に側壁部の頂部に配置された反射シートの表面に対して垂直な側面が形成されている場合には、突出部の端部が貫通孔に引っ掛かりやすくなるため、シャーシの内側で側壁部に対向して配置された反射シートが光源に対して所望の角度に配置された状態が確実に維持される。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、拡散板が貫通孔から突出した突出部により支持されているため、拡散板と反射シートとの間に隙間が設けられ、拡散板が膨張又は収縮したときに、拡散板と反射シートとが擦れることを抑制できる。そのことに加えて、拡散板と突出部との接触面積は比較的小さく、拡散板と突出部との間の摩擦抵抗が比較的小さい。その結果、拡散板におけるきしみ音の発生を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0032】
《発明の実施形態1》
図1〜図3は、本発明の実施形態1を示している。図1は、液晶表示装置40の構成を概略的に示す斜視図である。図2は、バックライトユニット10を概略的に示す断面図である。図3は、突出部18により貫通孔29で反射シート14を係止した状態のシャーシ12を概略的に示す斜視図である。尚、図2については、複数の光学シート31及びフレーム32等の図示を省略し、シャーシ12、複数の蛍光管13、反射シート14、拡散板15及び拡散板ガイド19のみを図示した。また、図3については、拡散板15等の図示を省略し、シャーシ12及び反射シート14のみを図示した。
【0033】
液晶表示装置Sは、図1に示すように、液晶表示パネル40と、液晶表示パネル40に対向して配置されたバックライトユニット10とを備えている。液晶表示パネル40は、バックライトユニット10の前面側に配置されている。尚、本明細書において、前面側とは図1の上方向を示し、図1の下方向は背面側と称する。
【0034】
上記液晶表示パネル40は、図示は省略するが、例えば、アクティブマトリクス基板と、対向基板と、これらアクティブマトリクス基板と対向基板との間に形成されたシール部材によって封止された液晶層とを備えている。
【0035】
上記アクティブマトリクス基板には、複数の画素が設けられ、各画素毎にTFT(薄膜トランジスタ)が形成されている。また、アクティブマトリクス基板は、液晶層側の表面に配向膜が設けられていると共に、液晶層とは反対側の表面に偏光板が積層されている。さらに、アクティブマトリクス基板には、各TFTを駆動制御するためのドライバ部が実装されている。上記対向基板には、カラーフィルタやITOからなる共通電極等が形成されている。また、対向基板は、液晶層側の表面に配向膜が設けられると共に、液晶層とは反対側の表面に偏光板が積層されている。
【0036】
さらに、液晶表示パネル40は、その表示面が露出するように矩形枠状に形成された金属製のベゼル41を液晶表示パネル40の前面側に配置すると共に、そのベゼル41をバックライトユニット10の外周部にねじ止めすることによって、バックライトユニット10の前面側に配置されている。
【0037】
上記バックライトユニット10は、図2に示すように、外縁に曲げ起こされて形成された一対の互いに対向する側壁部11を有する金属製のシャーシ12と、シャーシ12の内側に配置された光源である直管形の複数の蛍光管13と、複数の蛍光管13とシャーシ12の表面との間に配置されると共に一対の側壁部11の頂部11bに配置された反射シート14と、一対の側壁部11の間を覆ってシャーシ12に配置された樹脂製の拡散板15とを備えている。
【0038】
上記シャーシ12は、略矩形に形成されており、一方の互いに対向する一対の辺のそれぞれに側壁部11が形成されている。このシャーシ12は、一対の側壁部11の間に平坦な底面16を有する底部17を備えている。
【0039】
一対の側壁部11は、シャーシ12の底面16に対して垂直に折り曲げられて起こされた第1の壁部11aと、第1の壁部11aの頂部からシャーシ12の底面16に平行にシャーシ12の外側に折り曲げられて形成された頂部11bと、頂部11bにおけるシャーシ12の外側の端部から第1の壁部11aに沿って折り返されて形成された第2の壁部11cとによりそれぞれ構成されている。このシャーシ12は、例えば金属板等をプレス加工することによって形成されている。尚、シャーシ12の外側とは、シャーシ12の中央からシャーシ12の外縁へ向かう方向を示す。
【0040】
シャーシ12は、図2及び図3に示すように、一対の側壁部11の頂部11bにそれぞれ突出して形成された複数の突出部18を有する。各突出部18は、頂部に凸面を有する凸部であり、略半球形状に形成されている。これら複数の突出部18は、側壁部11の頂部11bにおける第1の壁部11a側にそれぞれ設けられており、側壁部11の長さ方向に所定の間隔で並んで形成されている。これら突出部18は、例えば絞り加工等によって形成されている。また、一対の側壁部11の頂部11bには、第2の壁部11c側の表面に側壁部11の長さ方向に延びる突条の拡散板ガイド19がそれぞれ形成されている。
【0041】
上記複数の蛍光管13は、図1及び図2に示すように、一対の側壁部11に平行に一対の側壁部11が対向する方向に所定の間隔で並んでそれぞれ配置されている。この蛍光管13は、例えば冷陰極蛍光管等の細形の蛍光管である。尚、蛍光管13には、冷陰極管や熱陰極管等の蛍光ランプ、キセノンランプ等の放電ランプ等を適用することが可能である。
【0042】
図1に示すように、蛍光管13の一方の端部からは配線20が延びており、隣り合う蛍光管13が配線20によって接続されている。一方、蛍光管13の他方の端部からは配線21が延びており、この配線21は、光源駆動回路基板22に接続されて蛍光管13に電力を供給できるように形成されている。
【0043】
蛍光管13の両端部には、蛍光管13の端部を覆って蛍光管13を保持すると共にシャーシ12に係止する光源ホルダ23,24がそれぞれ装着されている。この光源ホルダ23,24は、例えばゴム材料又は合成樹脂等の弾性変形可能な材料から形成されている。これら光源ホルダ23,24には、シャーシ12に接触する表面に突起状の係合部25が形成されている。
【0044】
一方、上記光源ホルダ23,24が配置されるシャーシ12の表面には、光源ホルダ23,24の係合部25が係合する切り欠き状の被係合部26が光源ホルダ23,24毎に係合部25に対応して複数形成されている。そうして、各光源ホルダ23,24の係合部25がシャーシ12の被係合部26にそれぞれ係合することにより、複数の蛍光管13がシャーシ12の内側で所定の位置にそれぞれ配置されている。
【0045】
シャーシ12における一対の側壁部11が形成された辺にそれぞれ直交する辺には、複数の蛍光管13の両端部の光源ホルダ23,24をそれぞれ覆って配置されたカバー状の一対のサイドリフレクター27が配置されている。
【0046】
これらサイドリフレクター27には、蛍光管13を嵌入可能な複数の切り欠き部28が形成されており、これら切り欠き部28に蛍光管13がそれぞれ嵌入して固定されている。これら一対のサイドリフレクター27と一対の側壁部11とは、互いに端部でそれぞれ接触している。そうして、一対のサイドリフレクター27及びシャーシ12によって液晶表示パネル40側が開口した扁平な筐体が形成されている。
【0047】
上記反射シート14は、図2に示すように、一対の側壁部11側の両端部が側壁部11の頂部11bにそれぞれ配置されると共にシャーシ12における内側の表面全体を覆っている。すなわち、反射シート14は、一対の側壁部11の頂部11bをそれぞれ一部覆って配置されている。シャーシ12の内側で第1の壁部11aに対向して配置された反射シート14は、蛍光管13からの光が効率的に拡散板15へ反射されるように、シャーシ12の底面16に対して所定の角度(例えば45°等)で配置されている。
【0048】
また、反射シート14は、一対のサイドリフレクター27が互いに対向する方向の長さがシャーシ12における一対のサイドリフレクター27が互いに対向する方向の長さよりも僅かに短く形成されており、シャーシ12の被係合部26を覆わないように形成されている。この反射シート14は、例えばポリエステル又はポリプロピレン系の樹脂等により形成されている。
【0049】
反射シート14は、突出部18に嵌挿される貫通孔29を有している。すなわち、反射シート14は、側壁部11の頂部11bに配置されるように形成された複数の貫通孔29を有している。そして、それら反射シート14に形成された貫通孔29を嵌挿して突出部18が貫通孔29から前面側へ突出している。そうして、貫通孔29が突出部18に嵌挿されていることにより、反射シート14が貫通孔29で突出部18によって係止固定され、シャーシ12の内側で第1の壁部11aに対向して配置された反射シート14がシャーシ12の底面16に対して所定の角度に配置された状態が維持されている。
【0050】
シャーシ12の底部17に配置された反射シート14の表面には、前面側に延びる複数の支持ピン30が所定の間隔で固定して配置されている。そうして、シャーシ12の内部の温度変化によって拡散板15が膨張して反射シート14側に反ったときに、これら支持ピン30によって拡散板15を支持して拡散板15の反りが抑制されるように構成されている。
【0051】
上記拡散板15は、貫通孔29から突出した突出部18により支持されている。すなわち、拡散板15は、一対の側壁部11側の両端部が一対の側壁部11の頂部11bに形成された突出部18によってそれぞれ支持され、上記筐体の開口部を覆ってシャーシ12に配置されている。そうして、一対の側壁部11の頂部11bと拡散板15との間に反射シート14がそれぞれ配置された状態で、拡散板15が一対の側壁部11の頂部11bに支持されている。この拡散板15は、拡散板ガイド19によって位置決めされている。
【0052】
拡散板15の前面側には、図1に示すように、例えば拡散シート、プリズムシート等の複数の光学シート31が重ねて配置されている。これら複数の光学シート31の前面側には、複数の光学シート31及び拡散板15をシャーシ12に保持する矩形枠状の部材であるフレーム32が配置されている。このフレーム32は、例えば金属板等をプレス加工することにより形成される。尚、フレーム32は、合成樹脂等から一体的に形成されていてもよく、公知の方法により形成可能である。
【0053】
また、シャーシ12の背面側には、複数の蛍光管13を駆動する光源駆動回路基板22が配設されており、その光源駆動回路基板22を背面側から覆うカバー部材33が装着されている。光源駆動回路基板22は、蛍光管13を駆動する電子及び電気回路が形成された回路基板である。カバー部材33は、例えば金属板等の導体により形成されている。また、その他に、シャーシ12の背面側には、液晶表示パネル40を制御する制御回路基板42が配置されており、この制御回路基板42を背面側から覆うカバー部材43が装着されている。
【0054】
こうして、バックライトユニット10は、複数の蛍光管13からの直接の光と反射シート14によって反射した光とを拡散板15及び複数の光学シート31介して液晶表示パネル40側へ出射するように構成されている。そして、液晶表示装置Sは、画素毎に液晶表示パネル40の液晶層に電圧を印加して、その印加電圧の大きさに応じて液晶層の液晶分子の配向状態を制御することにより、バックライトユニット10から出射された光が液晶表示パネル40を透過するときの透過率を調整して、画像が表示されるようになっている。
【0055】
−実施形態1の効果−
したがって、この実施形態1によると、拡散板15が貫通孔29から突出した突出部18により支持されているため、拡散板15と反射シート14との間に隙間sが設けられている。そのことにより、拡散板15が膨張又は収縮したときに、拡散板15と反射シート14とが擦れることを抑制できる。そのことに加えて、拡散板15と突出部18とが接触する面積は比較的小さいため、拡散板15と突出部18との間の摩擦抵抗が比較的小さい。その結果、拡散板15におけるきしみ音の発生を抑制できる。
【0056】
さらに、突出部18が頂部に凸面を有する凸部であるため、拡散板15と突出部18との接触が点接触となり、拡散板15と突出部18との接触面積をさらに小さくすることができる。そのことにより、拡散板15と突出部18との間の摩擦抵抗をより小さくできるため、拡散板15におけるきしみ音の発生をさらに抑制できる。
【0057】
《発明の実施形態2》
図4は、本発明の実施形態2を示している。尚、以降の各実施形態では、図1〜図3と同じ部分については同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。図4は、実施形態2の突出部18によって反射シート14を貫通孔29で係止した状態のシャーシ12を概略的に示す斜視図である。
【0058】
上記実施形態1では、突出部18が頂部に凸面を有する凸部であるとしたが、本実施形態2では、突出部18は、図4に示すように、側壁部11の幅方向に延びて頂部に凸面を有する突条である。
【0059】
突出部18は、断面半円状に形成されている。また、突出部18におけるシャーシ12の外側の端部には、側壁部11の頂部11bに配置された反射シート14の表面に対して垂直な側面35が形成されている。そうして、上記実施形態1と同様に、拡散板15が貫通孔29から突出した突出部18によって支持されている。
【0060】
−実施形態2の効果−
したがって、この実施形態2によっても、拡散板15が貫通孔29から突出した突出部18によって支持されているため、上記実施形態1と同様に、拡散板15におけるきしみ音の発生を抑制できる。
【0061】
さらに、突出部18が頂部に凸面を有する突条であるため、拡散板15と反射シート14との接触が線接触となり、拡散板15と反射シート14との接触面積をさらに小さくすることができる。その結果、拡散板15と反射シート14との間の摩擦抵抗をより小さくすることができるため、拡散板15におけるきしみ音の発生をさらに抑制できる。
【0062】
突出部18におけるシャーシ12の外側の端部には、側壁部11の頂部11bに配置された反射シート14の表面に対して垂直な側面35が形成されているため、突出部18におけるシャーシ12の外側の端部が貫通孔29に引っ掛かりやすくなる。そのことにより、反射シート14を突出部18によって確実に係止固定できる。その結果、シャーシ12の内側で側壁部11に対向して配置された反射シート14が蛍光管13に対して所望の角度に配置された状態を確実に維持することができる。
【0063】
《その他の実施形態》
上記実施形態1では、突出部18が頂部に凸面を有する凸部であるとした。また、上記実施形態2では、突出部18が頂部に凸面を有する突条であるとしたが、本発明はこれに限られず、突出部18は、立方状又は直方状に形成されていてもよく、反射シート14に形成された貫通孔29から突出して拡散板15を安定して支持することが可能なように形成されていればよい。
【0064】
上記実施形態1では、第1の壁部11aがシャーシ12の底面16に対して垂直に折り曲げられて形成されているとしたが、本発明はこれに限られず、第1の壁部11aは、図5に示すように、シャーシ12の底面16に対して所定の角度に傾けて配置された反射シート14の背面側の表面を支持するように上記所定の角度と同じ角度に曲げ起こされて形成されていてもよい。
【0065】
上記実施形態1では、一対の側壁部11の頂部11bが反射シート14によってそれぞれ一部覆われているとしたが、本発明はこれに限られず、一対の側壁部11の頂部11bは反射シート14により全面がそれぞれ覆われていてもよい。
【0066】
上記実施形態1では、シャーシ12が外縁に互いに対向する一対の側壁部11を有しているとしたが、本発明はこれに限られず、シャーシ12は、外縁に互いに対向する2組の側壁部11を有していてもよい。
【0067】
すなわち、蛍光管13の両端側に形成された側壁部11は蛍光管13を保持すると共に蛍光管13の端部を覆うように折り曲げられて形成されている。そうして、シャーシ12は、液晶表示パネル40側に開口部を有する筐体状に形成されている。シャーシ12の拡散板15側の表面の全面には反射シート14が配置されている。この構成においては、突出部18は、2組の互いに対向する一対の側壁部11の頂部11bのそれぞれに形成されていてもよく、少なくとも1組の互いに対向する一対の側壁部11の頂部11bに形成されていればよい。
【0068】
この構成によっても、拡散板15が突出部18によって支持されるため、上記実施形態1と同様に、拡散板15におけるきしみ音の発生を抑制できる。また、この構成によると、複数の蛍光管13の両端部を覆うサイドリフレクター27が不要となり、バックライトユニット10の部品数を減少させてコストの低減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0069】
以上説明したように、本発明は、バックライトユニット及び液晶表示装置について有用であり、特に、拡散板におけるきしみ音の発生を抑制する場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】実施形態1の液晶表示装置を概略的に示す斜視図である。
【図2】実施形態1のバックライトユニットを概略的に示す断面図である。
【図3】貫通孔で反射シートを係止する突出部が形成されたシャーシを概略的に示す斜視図である。
【図4】実施形態2の突出部が形成されたシャーシを概略的に示す斜視図である。
【図5】その他の実施形態におけるシャーシを示す断面図である。
【図6】従来のバックライトユニットを概略的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0071】
S 液晶表示装置
10 バックライトユニット
11 側壁部
11b 側壁部の頂部
12 シャーシ
13 蛍光管
14 反射シート
15 拡散板
18 突出部
29 貫通孔
35 突出部におけるシャーシの外側の側面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外縁に曲げ起こされて形成された少なくとも一組の互いに対向する一対の側壁部を有するシャーシと、上記シャーシの内側に配置された光源と、上記光源と上記シャーシの表面との間に配置されると共に上記一対の側壁部の頂部に配置された反射シートと、上記一対の側壁部の間を覆って上記シャーシに配置された拡散板とを備え、
上記一対の側壁部の頂部と上記拡散板との間に上記反射シートがそれぞれ配置された状態で、上記拡散板が上記一対の側壁部の頂部に支持されたバックライトユニットであって、
上記シャーシは、上記一対の側壁部の頂部にそれぞれ突出して形成された突出部を有し、
上記反射シートは、上記突出部に嵌挿される貫通孔を有し、
上記拡散板は、上記貫通孔から突出した上記突出部によって支持されている
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項2】
請求項1において、
上記突出部は、頂部に凸面を有する凸部である
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項3】
請求項1において、
上記突出部は、上記側壁部の幅方向に延びて頂部に凸面を有する突条である
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項4】
請求項1において、
上記突出部における上記シャーシの外側の端部には、上記側壁部の頂部に配置された上記反射シートの表面に対して垂直な側面が形成されている
ことを特徴とするバックライトユニット。
【請求項5】
液晶表示パネルと、上記液晶表示パネルに対向して配置されたバックライトユニットとを備え、
上記バックライトユニットは、外縁に曲げ起こされて形成された少なくとも一組の互いに対向する一対の側壁部を有するシャーシと、上記シャーシの内側に配置された光源と、上記光源と上記シャーシの表面との間に配置されると共に上記一対の側壁部の頂部に配置された反射シートと、上記一対の側壁部の間を覆って上記シャーシに配置された拡散板とを備え、上記一対の側壁部の頂部と上記拡散板との間に上記反射シートがそれぞれ配置された状態で、上記拡散板が上記一対の側壁部の頂部に支持された液晶表示装置であって、
上記シャーシは、上記一対の側壁部の頂部にそれぞれ突出して形成された突出部を有し、
上記反射シートは、上記突出部に嵌挿される貫通孔を有し、
上記拡散板は、上記貫通孔から突出した上記突出部によって支持されている
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
請求項5において、
上記突出部は、頂部に凸面を有する凸部である
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項7】
請求項5において、
上記突出部は、上記側壁部の幅方向に延びて頂部に凸面を有する突条である
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項8】
請求項5において、
上記突出部における上記シャーシの外側の端部には、上記側壁部の頂部に配置された上記反射シートの表面に対して垂直な側面が形成されている
ことを特徴とする液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−305635(P2008−305635A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−150618(P2007−150618)
【出願日】平成19年6月6日(2007.6.6)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】