説明

バックライト装置及び液晶表示装置

【課題】光源基板に実装された発光素子の温度を均一にする。
【解決手段】透過型の液晶パネル4と、透過型の液晶パネル4を背面側から照明するバックライトユニット3を備え、バックライトユニット3は、照明光を照射する複数の発光素子11が実装される複数の光源基板10と、複数の光源基板10が一方の面側に取り付けられるボトムシャーシ6と、ボトムシャーシ6の一方の面側にボトムシャーシ6と対向間隔を介して取り付けられ、光源基板10から照射された照明光に光学処理を施す光学シートブロック20とを有し、ボトムシャーシ6には、発光素子11から発生された熱が光源基板10を介して伝導されることにより、低温領域と、低温領域より温度が高い高温領域とが形成され、低温領域に取り付けられる光源基板10は、断熱手段6c,31,41を介してボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透過型の液晶パネルを照明するバックライト装置と、このバックライト装置を備える液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、2枚の透明基板の間に液晶が封入され、電圧が印加されることにより液晶分子の向きが変えられ光透過率を変化させることで所定の映像等が光学的に表示される。この液晶表示装置には、液晶自体が発光体ではないため、例えば液晶パネルの背面側に、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode )を光源として照明光を照射するバックライト装置を備えるものがある(特許文献1参照。)。また、このバックライト装置には、複数のLEDが実装された複数の光源基板が、ハーネス等の配線部材によってそれぞれ配線され、ボトムシャーシ等にネジ等の結合部材によって直接取り付けられている。
【0003】
LEDを光源とするバックライト装置は、LEDから発生された熱が光源基板を介してボトムシャーシに伝導され、熱が上方に伝播するために、熱流束が集中するボトムシャーシの中央部及び上部に、温度が高い高温領域が形成され、下部及び左右部に、高温領域に比べて温度が低い低温領域が形成されるという特徴がある。
【0004】
また、LEDは、温度が上がるほど発光効率が落ちる特性を有する。この現象は、特に赤色LEDの高温劣化が他色のLEDと比べて大きい。このため、バックライト装置は、ボトムシャーシの中央部で白色を所定色温度にあわせても、電源が投入された後、LEDの発熱によって温度が上がり、温度の高い環境で発光させていると、中央部及び上部において赤色LEDの発光効率が落ち、色相がシアン色方向に動き、輝度むらや色むらが生じるといった問題が発生する。
【0005】
また、LEDは、温度が高いところで使用すると、寿命が短くなるため、高温領域に取り付けられたLEDの寿命は、低温領域に取り付けられたLEDの寿命より短くなってしまい、寿命にばらつきが生じるといった問題が発生する。
【0006】
【特許文献1】特開2006−058486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、LEDの温度を均一化することで、照明光を液晶パネルに対して均一かつ安定な状態で照射することができるバックライト装置及びこのバックライト装置を備える液晶表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するために本発明に係るバックライト装置は、透過型の液晶パネルを背面側から照明し、照明光を照射する複数の発光素子が実装される複数の光源基板と、上記複数の光源基板が一方の面に取り付けられるボトムシャーシと、上記ボトムシャーシの一方の面側にボトムシャーシと所定の間隔を介して取り付けられ、上記光源基板に実装された上記発光素子から照射された照明光に光学処理を施す光学シートブロックとを備える。そして、上記ボトムシャーシには、上記発光素子から発生された熱が光源基板を介して伝導されることにより、低温領域と、当該低温領域より温度が高い高温領域とが形成され、上記低温領域に取り付けられる光源基板は、断熱手段を介して上記ボトムシャーシの一方の面に取り付けられる。
【0009】
また、上述した目的を達成するために本発明に係る液晶表示装置は、透過型の液晶パネルと、上記透過型の液晶パネルを背面側から照明するバックライト装置とを備えるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、発光素子から発生された熱が光源基板を介してボトムシャーシに伝導されることによって、ボトムシャーシに形成された高温領域と低温領域のうち、低温領域に取り付けられる光源基板は、断熱手段を介してボトムシャーシに取り付けられることで、ボトムシャーシに直接取り付けられた高温領域の光源基板と比べて、発光素子から発生された熱が光源基板を介してボトムシャーシに伝播されにくくなり、これにより、発光素子の温度が上がり、高温領域に取り付けられた発光素子との温度差を小さくすることができ、発光素子の温度を均一化することができる。したがって、本発明によれば、照明光を液晶パネルの全面に亘って均一かつ安定な状態で照射することができ、輝度むらや色むらが生じることを防止することができる。また、本発明によれば、発光素子の寿命にバラツキが生じることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用したバックライト装置及び液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
【0012】
本発明が適用された液晶表示装置1は、例えば大型表示画面を有するテレビジョン受像機の表示パネルに用いられる。この液晶表示装置1は、図1及び図2に示すように、透過型の液晶パネル4を有する液晶パネルユニット2と、この液晶パネルユニット2の背面側に組み合わされ液晶パネルユニット2に対して照明光を照明する本発明が適用されたバックライトユニット3とを備える。
【0013】
バックライトユニット3により背面側から照明光が照明される液晶パネルユニット2は、略矩形状の液晶パネル4と、この液晶パネル4を保持する前面フレーム部材5a及び背面フレーム部材5bとを有する。
【0014】
前面フレーム部材5a及び背面フレーム部材5bに保持される液晶パネル4は、図2に示すように、スペーサビーズ等によって対向間隔が保持された第1のガラス基板4aと第2のガラス基板4bとの間に図示しない液晶が封入されてなる。第1のガラス基板4aの内面には、例えば、ストライプ状の透明電極と、絶縁膜と、液晶分子を一定方向に配列させる配向膜とが設けられる。また、第2のガラス基板4bの内面には、例えば、光の三原色のカラーフィルタと、このカラーフィルタを保護するオーバコート層と、ストライプ状の透明電極と、液晶分子を一定方向に配列させる配向膜とが設けられる。更に、第1のガラス基板4aと第2のガラス基板4bとの表面には、それぞれ偏向フィルムと位相差フィルム等からなる光学フィルム層4cが設けられている。
【0015】
以上のような構成を有する液晶パネル4は、スペーサビーズ等によって対向間隔が保持された第1のガラス基板4aと第2のガラス基板4bとの間に液晶が封入され、透明電極に電圧が印加されると、ポリイミドからなる配向膜によって液晶分子が界面に対して水平方向に配列されて液晶分子の向きを変えることで光透過率を変化させる。そして、液晶パネル4は、光学フィルム層4cによってバックライトユニット3から照明された照明光の波長特性が無彩色化又は白色化され、カラーフィルタによってフルカラー化を図り、所定の映像等がカラー表示される。なお、液晶パネル4は、上述した構成に限定されるものではない。
【0016】
液晶パネル4を保持する前面フレーム部材5a及びと背面フレーム部材5bは、枠状に形成され、図2に示すように、スペーサ2a,2b及びガイド部材2cを介して液晶パネル4の外周縁部を挟み込み、液晶パネル4を保持する。
【0017】
以上のような構成を有する液晶パネルユニット2は、背面側にバックライトユニット3が組み合わされ、液晶パネルユニット2に対して照明光が照明されることで所定の映像等がカラー表示される。また、本発明が適用された液晶表示装置1は、次に説明する本発明が適用されたバックライトユニット3が背面側に備えられることで、バックライトユニット3が液晶パネルユニット2に対して照明光を全面に亘って均一かつ安定な状態で照明され、輝度むらや色むら等が少なくなり画質等の向上が図られる。
【0018】
液晶パネルユニット2の背面側に組み合わされ照明光を照明するバックライトユニット3は、図2に示すように、液晶パネルユニット2の背面と略同じ大きさの外形寸法を有しており、背面フレーム部材5b等に組み合わされるボトムシャーシ6と、ボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられ、実装された複数の発光ダイオード(以下、LEDという。)11を光源として照明光を照射する複数の光源基板10と、ボトムシャーシ6の一方の面側にボトムシャーシ6と所定の対向間隔を介して取り付けられ、光源基板10から照射された照明光に光学処理を施す光学シートブロック20とを有する。
【0019】
背面フレーム部材5b等に組み合わされるボトムシャーシ6は、例えば機械的剛性を有する金属材に亜鉛メッキが施されて形成され、図2に示すように、液晶パネル4の外形よりもやや大型の略矩形薄板状の主面部6aと、この主面部6aの周囲に背面フレーム部材5bと外周部で組み合わされる外周壁部6bとで構成されている。
【0020】
主面部6aには、後述する複数のLED11が実装された光源基板10が一方の面に複数個直接取り付けられる。これにより、主面部6aは、これらのLED11から発生された熱が、光源基板10を介して伝導され、伝導された熱が、特に上方に伝播するために、熱流束が集中する中央部及び上部等に温度が高い高温領域と、その他の領域、特に下部及び、左右部等に、高温領域に比べて温度が低い低温領域とが形成される。
【0021】
また、主面部6aには、図3及び図4に示すように、低温領域に対応して断熱溝6cが形成されている。なお、図4中の矢印Y方向は、使用状態において、液晶表示装置1の上方向とし、図4中の矢印X方向は、使用状態において、液晶表示装置1の正面視左方向として説明していく。具体的に、断熱溝6cは、所定の深さを有し、低温領域である下部及び左右部に連続して略U字状に形成されている。この断熱溝6c上に取り付けられた低温領域のLED11は、LED11から発生された熱を、光源基板10を介して放熱する際に、断熱溝6cの空気層7が断熱層となるため、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられたときと比べて、放熱されにくい状態となっている。したがって、断熱溝6c上に取り付けられた低温領域のLED11は、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられたときよりLED10の温度が上昇する。なお、断熱溝6cは、主面部6aの下部及び左右部に連続して略U字状に形成されていることに限定されるものではなく、例えば主面部6aの下部、左部及び右部にそれぞれ独立した断熱溝6cを形成するようにしてもよい。
【0022】
また、主面部6aには、図5に示すように、光源基板10を配置する際に、各光源基板10を所定の位置に位置決めする位置決め突起部6dと、位置決め突起部6dによって位置決めされた各光源基板10を一方の面に図示しないネジ等の結合部材で取り付ける結合孔6eとが形成されている。位置決め突起部6dは、各光源基板10に少なくとも2箇所以上、例えば対角する2箇所に形成されている。結合孔6eは、各光源基板10に少なくとも2箇所以上、例えば位置決め突起部6dと相対する対角する2箇所に形成されている。
【0023】
更に、主面部6aには、図4に示すように、光源基板10が配置されない領域(以下、この領域を配置部6fという。)に、後述する光学スタッド部材24が挿入されて立設される挿入孔6gが複数形成されている。具体的に、挿入孔6gは、光学スタッド部材24がボトムシャーシ6の配置部6fに、縦方向、すなわち図4中の矢印Y方向に所定の間隔を介して3個、横方向、すなわち図4中の矢印X方向に所定の間隔を介して4個、合計12個、形成されている。なお、挿入孔6gの数及び配置位置は、液晶パネル4の大きさ等によって異なり、適宜変更可能である。
【0024】
また、主面部6aには、光源基板10が電気的に接続されるLED駆動回路基板14a,14bと、後述する反射板21をボトムシャーシ6に接着する両面粘着テープ13とが設けられている。更に、外周壁部6bには、両面粘着テープ13によって一方の面に接着された反射板21の外周縁部が取り付けられる。
【0025】
ボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられ、照明光を照射する複数のLED11が実装された複数の光源基板10は、図5に示すように、表面に導電層が形成され、アルミニウム材等で形成された可撓性や熱伝導性を有するメタルコア基板であり、略矩形薄板状に形成されている。具体的に、光源基板10は、図6に示すように、アルミニウム箔等で0.2mm程度の厚さに形成された基材10aの表面に0.15mm程度の厚さの絶縁層10bが形成され、この絶縁層10bの表面に銅箔等で、LED11が実装されるランド部や配線部材が接続される光源配線部等を有する配線用パターンが形成された導電層10cが形成され、この導電層10cの表面に配線用パターンを覆い、配線用パターンを保護する半田レジスト層10dが形成され、全体で0.5mm程度の厚さに形成されている。
【0026】
また、導電層10cのランド部には、図4に示すように、例えば赤色LEDと青色LEDとを各1個、緑色LEDを2個、合計4個を組み合わせて構成されたLED11が、光源基板10の長辺方向に対して略等間隔に複数個実装されている。具体的に、光源基板10には、長辺方向に対して、LED11が略等間隔に3個実装されている。なお、LED11は、赤色LEDと青色LEDと緑色LEDとを各1個、合計3個を組み合わせて構成されるようにしてもよい。また、光源基板10に実装されるLED11の数及び配置位置は、液晶パネル4の大きさ等によって異なり、適宜変更可能である。
【0027】
更に、光源基板10には、図5に示すように、ボトムシャーシ6に取り付けられる際に、位置決めされる位置決め孔10eとネジ等によってボトムシャーシ6に結合される貫通孔10fとが形成されている。位置決め孔10eは、ボトムシャーシ6の一方の面に形成された位置決め突起部6dの配置位置に対応して複数個形成され、例えば対角する2箇所に形成されている。貫通孔10fは、ボトムシャーシ6の一方の面に形成された結合孔6eの配置位置に対応して複数個形成され、例えば位置決め突起部6dと相対する対角する2箇所に形成されている。光源基板10は、位置決め孔10eがボトムシャーシ6の位置決め突起部6dに挿通されることで、ボトムシャーシ6の一方の面に位置決めされて配置され、図示しないネジ等の結合部材が、貫通孔10fを介して結合孔6eにネジ止めされて、ボトムシャーシ6に取り付けられている。
【0028】
以上のような構成を有する光源基板10は、アルミニウム材等で形成されたメタルコア基板であると共に、基材10aの厚さが0.2mm程度であり、全体の厚さが0.5mm程度と、薄く形成されているので、可撓性に優れているので、例えばボトムシャーシ6の高温領域において、ボトムシャーシ6の形状、例えばボトムシャーシ6の一方の面が凹凸等を有する場合であっても、形状に応じて例えば湾曲させて、高温領域に取り付けられる光源基板10が、ボトムシャーシ6との間に空隙が形成されることなく、ボトムシャーシ6に密着させることができ、効果的に高温領域に取り付けられるLED11から発生された熱をボトムシャーシ6に放熱することができる。
【0029】
なお、光源基板10の厚さは、基材10a及び全体の厚さが薄く形成されることで、優れた可撓性及び熱伝導性を有していればよく、基材10a、絶縁層10b、導電層10c及び半田レジスト層10dの厚さが上述したものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、位置決め孔10e及び貫通孔10fの数及び配置位置は、光源基板10を、ボトムシャーシ6の一方の面に位置決めして、ボトムシャーシ6に取り付けることができればよく、適宜変更である。また、光源基板10は、基材10aにアルミニウム材で形成されたメタルコア基板を用いることに限定されるものではなく、他の金属材で形成されたメタルコア基板やガラスエポキシ基板等を用いてもよい。
【0030】
また、上述したように、ボトムシャーシ6に取り付けられる光源基板10は、図4に示すように、長辺を縦方向、すなわちボトムシャーシ6の長辺に対して直交する図4中の矢印Y方向に向けて、ボトムシャーシ6の一方の面に直接、例えばマトリックス状に2行×12列に取り付けられる。なお、光源基板10は、例えば長辺を、横方向、すなわち図4中の矢印X方向に向けてボトムシャーシ6に直接取り付けられるようにしてもよい。
【0031】
更に、縦方向に並べて配置された光源基板10,10は、図4に示すように、配線基板12によって電気的に接続されている。配線基板12は、表面に導電層が形成され、アルミニウム材等で形成された可撓性や熱伝導性を有するメタルコア基板であり、略矩形薄板状に形成されている。具体的に、配線基板12は、図7に示すように、アルミニウム箔等で0.2mm程度の厚さに形成された基材12aの表面に0.15mm程度の厚さの絶縁層12bが形成され、この絶縁層12bの表面に銅箔等で、光源基板10の光源接続部と接続される配線接続部等を有する配線用パターンが形成された導電層12cが形成され、この導電層12cの表面に配線用パターンを覆い、配線用パターンを保護する半田レジスト層12dが形成され、全体で0.5mm程度の厚さに形成されている。
【0032】
また、配線基板12は、図4に示すように、光源基板10の半田レジスト層10dに対して、半田レジスト層12dを対向させて、配線接続部を、光源基板10の光源接続部に半田付け又はACF(Anisotropic Conductive Film)接続等で接続させ、縦方向に並べて配置された光源基板10,10を、電気的に接続させている。更に、配線基板12は、縦方向に並べて配置された光源基板10,10のうち、一方の光源基板10を、ボトムシャーシ6に設けられた一方のLED駆動回路基板14aと電気的に接続させ、他方の光源基板10を、ボトムシャーシ6に設けられた他方のLED駆動回路基板14bと電気的に接続させている。
【0033】
以上のような構成を有する配線基板12は、アルミニウム材等で形成されたメタルコア基板であると共に、基材12aの厚さが0.2mm程度であり、全体の厚さが0.5mm程度と、薄く形成されているので、可撓性に優れ、容易に光源基板10,10間を電気的に接続することができ、更にLED11から伝導された熱を、効果的にボトムシャーシ6に放熱することができる。また、配線基板12は、メタルコア基板であるので、不要輻射電波を放出することを抑制し、耐電磁波を強くすることができる。なお、配線基板12の厚さは、基材12a及び全体の厚さが薄く形成されることで、優れた可撓性及び熱伝導性を有していればよく、基材12a、絶縁層12b、導電層12c及び半田レジスト層12dの厚さが上述したものに限定されるものではなく、適宜変更可能である。また、縦方向に並べて配置された光源基板10,10は、配線基板12によって電気的に接続されることに限定されるものではなく、ハーネス等で電気的に接続するようにしてもよい。
【0034】
ボトムシャーシ6に取り付けられる光学シートブロック20は、図2に示すように、液晶パネル4の背面側に対向して設けられている。また、光学シートブロック20は、一方の面に複数の光源基板10が取り付けられたボトムシャーシ6と一方の面側に所定の対向間隔を介して対向され、LED11から照射された照明光を一方の面側に反射する反射板21と、反射板21の一方の面側に所定の対向間隔を介して対向され、入射された照明光を内部で拡散する拡散板22と、拡散板22の一方の面側に組み合わされ、複数の光学機能シートが積層された光学機能シート積層体23と、ボトムシャーシ6と反射板21との対向間隔と、反射板21と拡散板22との対向間隔とをそれぞれ規定する光学スタッド部材24とを有する。
【0035】
ボトムシャーシ6の一方の面側に所定の対向間隔を介して対向される反射板21は、図2に示すように、高反射率特性及び機械的剛性を有する透明又は乳白色の樹脂材、例えばポリカーボネート樹脂によって、ボトムシャーシ6の主面部6aと略同等の大きさの略矩形薄板状に成形され、表面に反射剤等を塗布したものである。反射板21には、光学スタッド部材24が挿入されるボトムシャーシ6の挿入孔6gの配置位置に対応して、反射板貫通孔21aが形成されている。具体的に、反射板貫通孔21aは、挿入孔6gの配置位置に対応して、縦方向に所定の間隔を有して3個、横方向に所定の間隔を有して4個、合計12個が形成されている。また、反射板21には、ボトムシャーシ6に一方の面に配置された複数の光源基板10に実装されたLED11にそれぞれ対向し、各LED11が露出される開口部21bが形成されている。反射板21は、開口部21bから露出させた各LED11から照射された照明光を、一方の面側、すなわち拡散板22側に反射させる。
【0036】
以上のような構成を有する反射板21は、図2及び図3に示すように、ボトムシャーシ6の配置部6fに設けられた両面粘着テープ13によって、光源基板10を介してボトムシャーシ6の一方の面に接着されている。また、両面粘着テープ13によってボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられている反射板21は、外周部が、ネジ等の結合部材や接着剤によって、ボトムシャーシ6の外周壁部6bに取り付けられている。なお、反射板21は、樹脂材等によって形成されることに限定されるものではなく、照明光を反射することができればよく、例えば機械的剛性を有する金属材、例えばアルミニウム材の表面に反射剤を塗布したものであってもよい。
【0037】
反射板21の一方の面側に反射板21と所定の対向間隔を介して対向される拡散板22は、図2に示すように、導光性及び機械的剛性を有する透明又は乳白色の樹脂材、例えば、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等によって反射板21と略同形の略矩形薄板状に成形されている。また、拡散板22は、他方の面側から入射された照明光を内部において屈折、反射させて拡散させることで、全面に亘って均一な状態で一方の面に組み合わされた光学機能シート積層体23へ照明光を導光する。更に、拡散板22は、ブラケット部材22aによって外周縁部が保持されてボトムシャーシ6の外周壁部6bに取り付けられている。
【0038】
拡散板22の一方の面に組み合わされる光学機能シート積層体23は、図2に示すように、拡散板22と略同形の略矩形状であり、例えば、光源基板10に実装されたLED11から照射されて液晶パネル4に導光される照明光を直交する偏光成分に分解する機能を有する偏光フィルム、光波の位相差を補償して広角視野角化及び着色防止を図る機能を有する位相差フィルム、照明光を拡散する機能を有する拡散フィルム等からなる光学機能を有する複数の光学機能シートが積層されている。なお、光学機能シート積層体23は、上述した光学機能シートに限定されるものではなく、例えば輝度向上を図る輝度向上フィルム、位相差フィルムやプリズムシートを挟む上下2枚の拡散シート等を用いてもよい。
【0039】
上述した各光学シートの相互の対向間隔を規定する光学スタッド部材24は、図2に示すように、高反射率特性、導光性及び機械的剛性を有する透明又は乳白色の樹脂材、例えばポリカーボネート樹脂によって成形されている。光学スタッド部材24は、先端部が拡散板22の他方の面に突き当てられ拡散板22とボトムシャーシ6との対向間隔を規定する本体部24aと、この本体部24aの基端に連続して形成された取付部24bとを有する。
【0040】
拡散板22とボトムシャーシ6との対向間隔を規定する本体部24aは、本体部24aの先端側が、先端に向かって次第に小径とされる円錐形状に形成されており、この円錐形状の基端に反射板貫通孔21aよりも大径である反射板規定部24cが突出形成されている。この反射板規定部24cは、反射板21の一方の面と当接される。更に、本体部24aは、基端にボトムシャーシ6の挿入孔6gよりも大径であるボトムシャーシ規定部24dが突出形成されている。このボトムシャーシ規定部24dは、ボトムシャーシ6の一方の面と当接される。
【0041】
本体部24aの基端に連続して形成された取付部24bは、ボトムシャーシ6に形成された挿入孔6gに挿入される支軸部24eが本体部24aと一体に形成されている。この支軸部24eには、基端の外周部に、先端が挿入孔6gよりも大径であり先端面が挿入孔6gの他方の面側の周囲に支持される支持体24fが突出形成されている。この支持体24fは、弾性特性を有し、挿入孔6gよりも大径である先端が径方向に押圧されると挿入孔6gよりも一時的に小径となり、ボトムシャーシ6に脱着することができる。
【0042】
ここで、バックライトユニット3の組立方法を説明する。
【0043】
先ず、既に赤色LEDと青色LEDとを各1個、緑色LEDを2個、合計4個を組み合わせて構成されたLED11が長辺方向に所定の間隔を有して3個、ランド部に実装された光源基板10は、位置決め孔10eが、ボトムシャーシ6の位置決め突起部6dに挿通され、ボトムシャーシ6の一方の面に位置決めされて、マトリックス状に2行×12列に配置され、ネジ等の結合部材が貫通孔10fを介して結合孔6eにネジ止めされてボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられる。この際、光源基板10は、低温領域に対応する位置では断熱溝6cと対向してボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられ、高温領域に対応する位置では全面がボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられている。
【0044】
そして、配線基板12は、光源基板10の半田レジスト層10dに対して、半田レジスト層12dを対向させて、配線接続部を、光源基板10の光源接続部に半田付け又はACF接続等で接続されることで、縦方向に並べて配置された光源基板10,10間を電気的に接続させる。そして、配線基板12は、縦方向に並べて配置された光源基板10,10のうち、一方の光源基板10を、ボトムシャーシ6に設けた一方のLED駆動回路基板14aと電気的に接続させ、他方の光源基板10を、ボトムシャーシ6に設けた他方のLED駆動回路基板14bと電気的に接続させる。
【0045】
そして、ボトムシャーシ6の一方の面に配置された光源基板10が配置されていない領域である配置部6fには、各光源基板10の周囲全周に亘って、反射板21を接着する両面粘着テープ13が設けられる。
【0046】
次に、反射板21は、開口部21bからLED12を露出させると共に、反射板貫通孔21aと挿入孔6gとを対向させて、他方の面を、ボトムシャーシ6の配置部6fに設けられた両面粘着テープ13によって、ボトムシャーシ6の一方の面に接着される。そして、反射板21は、外周部を、ボトムシャーシ6の外周壁部6bにネジ等の結合部材や接着剤等によって取り付けられる。
【0047】
次に、光学スタッド部材24は、取付部24bをボトムシャーシ6の一方の面側から反射板21の反射板貫通孔21aを介して、挿入孔6g内に押し込まれる。そして、光学スタッド部材24は、取付部24bが挿入孔6g内を通過する際に、支持体24fが挿入孔6gより小径となり、通過後、弾性特性により挿入孔6gより大径に復帰することで、支持体24fの先端面が挿入孔6gの他方の面側の周囲に支持される。このとき、各光学スタッド部材24は、支持体24fの先端面がボトムシャーシ6の挿入孔6gの他方の面側の周囲に支持されると共に、ボトムシャーシ規定部24dがボトムシャーシ6の一方の面と当接されることでボトムシャーシ6に取り付けられる。
【0048】
次に、既に一方の面に光学機能シート積層体23が組み合わされた拡散板22は、他方の面を光学スタッド部材24の先端部に突き当てるように、ブラケット部材22aを用いてボトムシャーシ6の外周壁部6bに取り付けられる。このとき、光学スタッド部材24は、先端部が拡散板22の他方の面に点又は狭い面積で接触され突き当てられると共に、反射板規定部24cが反射板21の一方の面で当接されることで、拡散板22と反射板21及び反射板21とボトムシャーシ6との対向間隔を規定し、これら対向する各光学シートの主面間の平行度を全面に亘って高精度に位置決めする。
【0049】
以上のように組み立てられたバックライトユニット3は、各LED11から照射された照明光、又は各LED11から照射されて反射板21によって反射された照明光が、拡散板22の内部に入射され、拡散板22の内部に入射された照明光が、拡散板22の内部において屈折、反射されて、全面に亘って均一な状態で光学機能シート積層体23に導光され、光学機能シート積層体23に導光された照明光が、光学機能シート積層体23の各光学シート等によって光学処理が施され、光学処理が施された照明光を、液晶パネルユニット2の背面側から照明する。
【0050】
以上のように構成を有するバックライトユニット3は、LED11から発生された熱が光源基板10を介してボトムシャーシ6に伝導されることによってボトムシャーシ6の主面部6aに高温領域と低温領域とが形成され、高温領域に取り付けられた光源基板10が、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられ、LED11から発生された熱が、効果的にボトムシャーシ6に放熱され、低温領域に取り付けられる光源基板10が、断熱溝6cと対向してボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられることで、LED11から発生された熱が、断熱溝6cに設けられた空気層7によって断熱され、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられたときと比べて、光源基板10を介してボトムシャーシ6に伝播されにくくなっている。これにより、バックライトユニット3は、低温領域に取り付けられたLED11の温度が上がり、高温領域に取り付けられたLED11と低温領域に取り付けられたLED11との温度差を小さくすることができ、LED11の温度を均一化することができる。したがって、バックライトユニット3は、照明光を液晶パネルユニット2の全面に亘って均一かつ安定な状態で照射することができ、輝度むらや色むらが生じることを防止することができる。また、バックライトユニット3は、LED11の寿命にバラツキが生じることを防止することができる。
【0051】
なお、バックライトユニット3は、断熱溝6cに代わり、貫通した開口部であってもよい。また、バックライトユニット3は、低温領域に対応して複数個の孔又は凹部を設けた、所謂ディンプル形状であってもよい。これらの場合であっても、バックライトユニット3は、開口部又はディンプル形状の空気層を断熱層として、LED11から発生された熱を断熱することで、低温領域に取り付けられたLED11の温度を上昇させて、高温領域に取り付けられたLED11との温度差を小さくすることで、LED11の温度を均一化することができる。
【0052】
更に、バックライトユニットは、断熱溝6cに代えて、図8及び図9に示すように、例えばスペーサ31を用いて光源基板10とボトムシャーシ6との間に空気層32を形成し、この空気層32を断熱層として用いて、LED11から発生された熱をボトムシャーシ6に放熱されにくくすることで、低温領域に取り付けられたLED11の温度を上昇させて、高温領域に取り付けられたLED11との温度差を小さくすることで、LED11の温度を均一化するようにしてもよい。
【0053】
次に、スペーサ31を用いて、LED11の温度を均一化させるバックライトユニット30について説明する。なお、バックライトユニット30は、上述したバックライトユニット3と同様の構成部品を有する場合、同じ符号を付けて、説明を省略する。
【0054】
ボトムシャーシ6の主面部6aには、図10に示すように、低温領域である下部及び左右部に、所定の間隔を有して複数個のスペーサ31が配設されている。スペーサ31は、機械的強度と断熱性を有する樹脂材等で薄板形状に形成されている。具体的に、スペーサ31は、主面部6aに、左右部の低温領域に取り付けられる各光源基板10の一方の長辺近傍に対応させて、所定の間隔を介して4個、他方の長辺近傍に対応させて、所定の間隔を介して4個、合計8個、配置され、接着剤等で接着されている。また、スペーサ31は、下部の低温領域と対応するLED11の周囲4箇所に配置され、接着剤等で接着されている。
【0055】
低温領域に取り付けられる光源基板10は、図11に示すように、位置決め孔10eがボトムシャーシ6の位置決め突起部6dに挿通されることで、ボトムシャーシ6の一方の面に位置決めされて配置され、低温領域に対応して配置されたスペーサ31によってボトムシャーシ6との間に空気層32が形成され、図示しないネジ等の結合部材によって貫通孔10fを介して結合孔6eにネジ止めされて、ボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられている。これにより、低温領域に取り付けられたLED11は、LED11から発生された熱を、光源基板10を介して放熱する際に、スペーサ31とボトムシャーシ6との間の空気層32が断熱層となるため、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられるときと比べて、放熱されにくい状態となっている。したがって、低温領域に取り付けられたLED11は、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられるときより温度が上昇される。
【0056】
これに対して、高温領域に取り付けられる光源基板10は、ボトムシャーシ6との間に空隙が形成されることなく、ボトムシャーシ6の一方の面に密着させて直接取り付けられている。これにより、高温領域に取り付けられたLED11は、LED11から発生された熱を、効果的に、ボトムシャーシ6に放熱することができる。また、光源基板10は、低温領域及び高温領域の両領域に対応する場合であっても、可撓性を有するため、低温領域でスペーサ31を介してボトムシャーシ6に取り付けることができると共に、高温領域でボトムシャーシ6の一方の面に密着させて直接取り付けることができる。
【0057】
なお、スペーサ31は、機械的強度と断熱性を有する樹脂材で形成されることに限定されるものではなく、機械的強度を有し、光源基板10とボトムシャーシ6との間に空気層32を形成することができればよく、スペーサ31自体の断熱性の有無を問わず、樹脂材の他に、金属材、ゴム材等、如何なるもので形成されていてもよい。更に、スペーサ31の数及び配置位置は、低温領域に対応する位置に取り付けられる光源基板10とボトムシャーシ6との間に空気層32を形成して、ボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられるようにすればよく、適宜変更可能である。また、スペーサ31は、ボトムシャーシ6の一方の面に接着剤等で接着されることに限定されるものではなく、光源基板10のボトムシャーシ6と対向する他方の面の低温領域と対応する位置に、接着剤等で接着するようにしてもよい。更に、スペーサ31は、ボトムシャーシ6の一方の面又は光源基板10の他方の面に一体に形成されるようにしてもよい。
【0058】
また、バックライトユニット30では、光源基板10、配線基板12、光学シートブロック20等が上述したバックライトユニット3と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0059】
ここで、バックライトユニット30は、図8に示すように、低温領域に取り付けられた光源基板10が、薄板形状のスペーサ31を介してボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられるため、高温領域に取り付けられた光源基板10と高さが異なってしまう。このため、バックライトユニット30は、高温領域に取り付けられる光源基板10と低温領域に取り付けられる光源基板10との高さが揃わず、反射板21をボトムシャーシ6の一方の面に接着する際に、反射板21が斜めになってしまい、反射板21と拡散板22との対向間隔と、反射板21と主面部6aとの対向間隔とが一定でなくなってしまう。そこで、本実施例のバックライトユニット30では、高温領域に取り付けられる光源基板10より高さが高い低温領域に取り付けられる光源基板10に高温領域に取り付けられる光源基板10の高さが揃うように高温領域に対応する両面粘着テープ13の厚さを設けて、反射板21の高さが揃うようにしている。また、バックライトユニット30は、上述したように、低温領域と高温領域とで光源基板10の高さが異なってしまうが、配線基板12が可撓性を有しているので、高さが異なる光源基板10,10間であっても、電気的に接続することができる。
【0060】
また、バックライトユニット30の組立方法は、主面部6aの低温領域に対応して、すなわち、主面部6aの左右部及び下部に、所定の間隔を有して複数個のスペーサ31を配設する以外同じであるので、説明を省略する。
【0061】
以上のように構成を有するバックライトユニット30は、LED11から発生された熱が光源基板10を介してボトムシャーシ6に伝導されることによってボトムシャーシ6の主面部6aに高温領域と低温領域とが形成され、高温領域に取り付けられた光源基板10が、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられ、LED11から発生された熱が、効果的にボトムシャーシ6に放熱され、低温領域に取り付けられる光源基板10が、スペーサ31を介してボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられることで、LED11から発生された熱が、スペーサ31とボトムシャーシ6との間に設けられた空気層32によって断熱され、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられたときと比べて、光源基板10を介してボトムシャーシ6に伝播されにくくなっている。これにより、バックライトユニット30は、低温領域に取り付けられたLED11の温度が上がり、高温領域に取り付けられたLED11と低温領域に取り付けられたLED11との温度差を小さくすることができ、LED11の温度を均一化することができる。したがって、バックライトユニット30は、照明光を液晶パネルユニット2の全面に亘って均一かつ安定な状態で照射することができ、輝度むらや色むらが生じることを防止することができる。また、バックライトユニット30は、LED11の寿命にバラツキが生じることを防止することができる。
【0062】
なお、バックライトユニットは、低温領域に断熱溝6cを形成し、断熱溝6cの空気層7を断熱層として用いることや、光源基板10をスペーサ31を介してボトムシャーシ6の一方の面に取り付け、光源基板10とボトムシャーシ6との間の空気層32を断熱層として用いて、LED11の温度を均一化させることに限定されるものではない。バックライトユニットは、断熱溝6c及びスペーサ31に代えて、図12乃至図13に示すように、例えば断熱シート41を用いて、LED11から発生された熱をボトムシャーシ6に放熱されにくくすることで、低温領域に取り付けられたLED11の温度を上昇させて、高温領域に取り付けられたLED11との温度差を小さくすることで、LED11の温度を均一化するようにしてもよい。
【0063】
次に、断熱シート41を用いて、LED11の温度を均一化させるバックライトユニット40について説明する。なお、上述したバックライトユニット3,30と同様の構成部品を有する場合、同じ符号を付けて、説明を省略する。
【0064】
また、主面部6aには、図14に示すように、低温領域である下部及び左右部に略U字状に、断熱シート41が取り付けられている。低温領域に取り付けられる光源基板10は、図15に示すように、位置決め孔10eがボトムシャーシ6の位置決め突起部6dに挿通されることで、ボトムシャーシ6の一方の面に低温領域に対応して配置された断熱シート41を介して位置決めされて配置され、図示しないネジ等の結合部材が、貫通孔10fを介して結合孔6eにネジ止めされて、断熱シート41を介して、ボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられている。これにより、低温領域に取り付けられたLED11は、LED11から発生された熱を、光源基板10を介して放熱する際に、断熱シート41が断熱層となるため、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられているときと比べて、放熱されにくい状態となっている。したがって、低温領域に取り付けられたLED11は、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられているときより温度が上昇される。
【0065】
これに対して、高温領域に取り付けられる光源基板10は、ボトムシャーシ6との間に空隙が形成されることなく、ボトムシャーシ6の一方の面に密着させて直接取り付けられている。これにより、高温領域に取り付けられたLED11は、LED11から発生された熱を、効果的に、ボトムシャーシ6に放熱することができる。なお、光源基板10は、低温領域及び高温領域の両領域に対応する場合であっても、可撓性を有するため、低温領域でスペーサ31を介してボトムシャーシ6に取り付けることができると共に、高温領域でボトムシャーシ6の一方の面に密着させて直接取り付けることができる。
【0066】
また、バックライトユニット40では、光源基板10、配線基板12、光学シートブロック20等が上述したバックライトユニット3と同様の構成を有するため、説明を省略する。
【0067】
ここで、バックライトユニット40は、図12に示すように、低温領域に取り付けられた光源基板10が、断熱シート41を介してボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられるため、高温領域に取り付けられた光源基板10と高さが異なってしまう。このため、バックライトユニット30は、高温領域に取り付けられる光源基板10と低温領域に取り付けられる光源基板10との高さが揃わず、反射板21をボトムシャーシ6の一方の面に接着する際に、反射板21が斜めになってしまい、反射板21と拡散板22との対向間隔と、反射板21と主面部6aとの対向間隔とが一定でなくなってしまう。そこで、本実施例のバックライトユニット30では、高温領域に取り付けられる光源基板10より高さが高い低温領域に取り付けられる光源基板10に高温領域に取り付けられる光源基板10の高さが揃うように高温領域に対応する両面粘着テープ13の厚さを設けて、反射板21の高さが揃うようにしている。また、バックライトユニット40は、上述したように、低温領域と高温領域とで光源基板10の高さが異なってしまうが、配線基板12が可撓性を有しているので、高さが異なる光源基板10,10間であっても、電気的に接続することができる。
【0068】
また、バックライトユニット40の組立方法は、主面部6aの低温領域に対応して、すなわち、主面部6aの左右部及び下部に、断熱シート41を取り付ける以外同じであるので、説明を省略する。
【0069】
以上のように構成を有するバックライトユニット40は、LED11から発生された熱が光源基板10を介してボトムシャーシ6に伝導されることによってボトムシャーシ6の主面部6aに高温領域と低温領域とが形成され、高温領域に取り付けられた光源基板10が、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられ、LED11から発生された熱が、効果的にボトムシャーシ6に放熱され、低温領域に取り付けられる光源基板10が、断熱シート41を介してボトムシャーシ6の一方の面に取り付けられることで、LED11から発生された熱が、断熱シート41によって断熱され、ボトムシャーシ6の一方の面に直接取り付けられたときと比べて、光源基板10を介してボトムシャーシ6に伝播されにくくなる。これにより、バックライトユニット30は、低温領域に取り付けられたLED11の温度が上がり、高温領域に取り付けられたLED11と低温領域に取り付けられたLED11との温度差を小さくすることができ、LED11の温度を均一化することができる。したがって、バックライトユニット30は、照明光を液晶パネルユニット2の全面に亘って均一かつ安定な状態で照射することができ、輝度むらや色むらが生じることを防止することができる。また、バックライトユニット30は、LED11の寿命にバラツキが生じることを防止することができる。
【0070】
なお、バックライトユニット3,30,40は、断熱溝6c、スペーサ31及び断熱シート41等の断熱手段が、主面部6aの下部及び左右部に設けられることに限定されるものではなく、低温領域において、LED11から発生された熱を断熱することができればよく、例えば下部のみ、左右部のみ、又は、最もLED11の温度が低い温度領域である左右下部のみに、設けられるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明が適用された透過型の液晶表示装置の要部分解斜視図である。
【図2】断熱溝が形成されたバックライトユニットを備える本発明が適用された透過型の液晶表示装置の要部縦断面図である。
【図3】断熱溝が形成され、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの平面図である。
【図4】断熱溝が形成され、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの平面図である。
【図5】断熱溝が形成され、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの要部分解斜視図である。
【図6】光源基板の要部縦断面図である。
【図7】配線基板の要部縦断面図である。
【図8】スペーサが配設されたバックライトユニットを備える本発明が適用された透過型の液晶表示装置の要部縦断面図である。
【図9】スペーサが配設され、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの平面図である。
【図10】スペーサが配設され、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの平面図である。
【図11】スペーサが配設され、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの要部分解斜視図である。
【図12】断熱シートが取り付けられ、バックライトユニットを備える本発明が適用された透過型の液晶表示装置の要部縦断面図である。
【図13】断熱シートが取り付けられ、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの平面図である。
【図14】断熱シートが取り付けられ、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの平面図である。
【図15】断熱シートが取り付けられ、光源基板が取り付けられたバックライトユニットの要部分解斜視図である。
【符号の説明】
【0072】
1 液晶表示装置、2 液晶パネルユニット、2a スペーサ、2b スペーサ、2c ガイド部材、3 バックライトユニット、4 液晶パネル、4a 第1のガラス基板、4b 第2のガラス基板、4c 光学フィルム層、5a 前面フレーム部材、5b 背面フレーム部材、6 ボトムシャーシ、6a 主面部、6b 外周壁部、6c 断熱溝、6d 位置決め突起部、6e 結合孔、6f 配置部、6g 挿入孔、10 光源基板、10a 基材、10b 絶縁層、10c 導電層、10d 半田レジスト層、10e 位置決め孔、10f 挿通孔、11 LED、12 配線基板、12a 基材、12b 絶縁層、12c 導電層、12d 半田レジスト層、13 両面粘着テープ、14a LED駆動回路基板、14b LED駆動回路基板、20 光学シートブロック、21 反射板、21a 反射板貫通孔、21b 開口部、21c 結合部材貫通孔、22 拡散板、22a ブラケット部材、23 光学機能シート積層体、24 光学スタッド部材、24a 本体部、24b 取付部、24c 反射板規定部、24d ボトムシャーシ規定部、24e 支軸部、24f 支持体、30 バックライトユニット、31 スペーサ、40 バックライトユニット、41 断熱シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過型の液晶パネルを背面側から照明するバックライト装置において、
照明光を照射する複数の発光素子が実装される複数の光源基板と、
上記複数の光源基板が一方の面に取り付けられるボトムシャーシと、
上記ボトムシャーシの一方の面側にボトムシャーシと所定の間隔を介して取り付けられ、上記光源基板に実装された上記発光素子から照射された照明光に光学処理を施す光学シートブロックとを備え、
上記ボトムシャーシには、上記発光素子から発生された熱が光源基板を介して伝導されることにより、低温領域と、当該低温領域より温度が高い高温領域とが形成され、
上記低温領域に取り付けられる光源基板は、断熱手段を介して上記ボトムシャーシの一方の面に取り付けられることを特徴とするバックライト装置。
【請求項2】
上記ボトムシャーシの低温領域には、溝部が形成され、
上記断熱手段は、上記溝部の空気層であることを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
【請求項3】
上記ボトムシャーシの低温領域に取り付けられる光源基板は、スペーサを介して上記ボトムシャーシに取り付けられ、
上記断熱手段は、上記光源基板と上記ボトムシャーシとの間の空気層であることを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
【請求項4】
上記断熱手段は、断熱シートであることを特徴とする請求項1記載のバックライト装置。
【請求項5】
透過型の液晶パネルと、
上記透過型の液晶パネルを背面側から照明するバックライト装置を備え、
上記バックライト装置は、
照明光を照射する複数の発光素子が実装される複数の光源基板と、
上記複数の光源基板が一方の面に取り付けられるボトムシャーシと、
上記ボトムシャーシの一方の面側にボトムシャーシと所定の間隔を介して取り付けられ、上記光源基板に実装された上記発光素子から照射された照明光に光学処理を施す光学シートブロックとを備え、
上記ボトムシャーシには、上記発光素子から発生された熱が光源基板を介して伝導されることにより、低温領域と、当該低温領域より温度が高い高温領域とが形成され、
上記低温領域に取り付けられる光源基板は、断熱手段を介して上記ボトムシャーシの一方の面に取り付けられることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項6】
上記ボトムシャーシの低温領域には、溝部が形成され、
上記断熱手段は、上記溝部の空気層であることを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
【請求項7】
上記ボトムシャーシの低温領域に取り付けられる光源基板は、スペーサを介して上記ボトムシャーシに取り付けられ、
上記断熱手段は、上記光源基板と上記ボトムシャーシとの間の空気層であることを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。
【請求項8】
上記断熱手段は、断熱シートであることを特徴とする請求項5記載の液晶表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2009−129706(P2009−129706A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−303606(P2007−303606)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】