バックライト
【課題】 導光板内で反射を繰り返してきた光を有効に利用できるバックライトを提供する。
【解決手段】 表裏の片面を出射面1aとし、他面を反射面1bとする導光板1の1端の入射面1cに対向して光源2を配置したバックライトであって、導光板1の反射面1bは、入射面1c側から反対側の端面に至るほど出射面1aに近接する傾斜面にし、反射面1bの全面に、平坦傾斜面とこれに連設する部分円弧状の湾曲傾斜面とを有する光反射凹部を形成したバックライト。
【解決手段】 表裏の片面を出射面1aとし、他面を反射面1bとする導光板1の1端の入射面1cに対向して光源2を配置したバックライトであって、導光板1の反射面1bは、入射面1c側から反対側の端面に至るほど出射面1aに近接する傾斜面にし、反射面1bの全面に、平坦傾斜面とこれに連設する部分円弧状の湾曲傾斜面とを有する光反射凹部を形成したバックライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトに関する。
【背景技術】
【0002】
図12は従来のバックライトの構成を示す側面図である。また図13は導光板41の拡大図であり、同図(a)が断面図、同図(b)は凹部44の底面側からの平面図である。41は導光板、41aは出射面、41bは反射面、41cは入光面、41dは出光面、42は光源、43は基板、44は凹部、44aは凹部44の平坦斜面、44bは凹部44の湾曲面、45aは入射光、45bは反射光を表している。図12に示すように、導光板41の1端面に光源42を配置し、導光板41の入光面41cより光を入射する。入射した光45aは、導光板41内を全反射して進行し、反射面41bに設けられた凹部44により角度を変えられ、矢印45bに示すように出射面41aに臨界角以下の角度で入射し、この出射面41aから外部に出射光46として出光する。
【0003】
反射面41bに設けられた凹部44は、図13に示すような構造をしており、入光面側は平坦斜面44aとなり、入光面の反対側は、湾曲面44bとなっている。図14は、端面の入光面41c側から導光板41内に入射した入射光45aの光路を示したものである。入射光45aが平坦斜面44aにほぼ平行に入光すると、反射光45bは上面に向けられ、図9に示す出射面41aに対し臨界角以下で入射することになり、光が導光板41から出射光46として出射する。平坦斜面44aは斜面に向けて平行に入射する光を効率よく反射させて導光板41から出射させる角度に設定されている。
【0004】
図15は、図12に示す反入光面41dから光が入射したときの光路を示したものである。入射光45aが湾曲面44bに入光すると、湾曲面44bに対し、法線方向に入射しないため、反射光45bは入射角度により様々に変化し、導光板41の出射面41aに対し、臨界角以下で入射する割合が少なくなる。すなわち、入光面41cから入光した光が導光板41内で全反射を繰り返し、反入光面41dまで到達し、さらに反射してきた光は有効に活用することができない。
【0005】
加えて、従来のエッジライト方式のバックライトで、LEDを光源とした場合、可能な限り安価で効率よく均一に面発光させるためには、使用するLEDの使用数を減らしす必要性があるが、上記従来の方式では、LEDの使用数を減らすことで消費電力とコストを低減させても、光源であるLEDと導光板とが構造的に近接しているため、LEDに近い部分の導光板領域で、導光板の下面に配置された反射シート部分の反射が強くなり、導光板の光放射面においてLEDに近い部分が他の領域よりも明るくなる。これは明るい点光源を用いて均一に面発光するバックライトを実現する上での解決すべき課題となっていた。
【特許文献1】特開平8−271891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、導光板内で反射を繰り返してきた光を有効に利用し、明るくてしかも均一な面発光が可能なバックライトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいて、前記導光板の反射面は、前記入射面側から反対側の端面に至るほど前記出射面に近接する傾斜面にし、前記反射面の全面に、平坦傾斜面とこれに連設する部分円弧状の湾曲傾斜面とを有する光反射凹部を形成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のバックライトにおいて、前記導光板は、前記入光面と反対側の端部において前記出射面と反射面とが鋭角をなして交わる形状にしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいて、前記導光板の反射面において、前記光源の近傍領域に光拡散処理を施して光拡散反射面を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、導光板内で反射を繰り返してきた光を効率良く出射面から出光させることができ、液晶面を明るく照明できるバックライトを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0012】
(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態のバックライトの断面図、図2は斜視図である。図1、図2において1は導光板、1aは出射面、1bは反射面、1cは入光面、1dは反入光面、2は光源、3は基板を表している。本実施の形態は、導光板1を表裏の片面に対し他面が傾斜した平板であり、一端の入光面1cに対して出射面1aは直角をなし、反射面1bを傾斜面とし、入光面1cから遠ざかるにつれ導光板1の厚さを薄くし、反入光面1dを入光面1cに対して小さくなる形状である。傾斜した反射面1bには従来同様に多数の凹部44が形成してある。
【0013】
光源2は、基板3に適切な間隔をおいて配置した複数個のLEDによって構成してある。光源2からの光は導光板1の入光面1cに入射する。入光面1cから入射した光は、導光板1内部を全反射しながら進行するが、反射面1bが傾斜しているため、反射面1bで反射した光が、出射面1aに対し、臨界角以下の角度で入光しやすくなる。また、反入光面1dに近づくにつれ導光板1の厚さが薄くなるため、多数の凹部44それぞれの反射面44aに光が当たりやすくなり、反入光面1dに到達する前に、大多分の入射光を反射させて出射面1aから効率良く出射させることができる。
【0014】
尚、光源2に指向性のある点光源を用いることも可能である。光源2に指向性のある点光源を用いることにより、各凹部44の平坦な反射面44aに略45°の角度で入射する可能性が高くなり、出射面から効率よく光を取り出すことが可能となる。
【0015】
また、導光板1の形状については、第1の実施の形態における肉厚が小さくなった反入射面1d側を鋭角にして断面が楔形となるものを採用することができる。そしてその場合、スペース的に空スペースとなる尖端側下面に点灯駆動回路を配置することで、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0016】
(第2の実施の形態)図3は本発明の第2の実施の形態のバックライトの断面図であり、図4は上面図である。図3、図4において、21は点光源、22は基板、23は導光板、23aは入光面、23bは反射面、23cは出光面、24は反射シート、25a、25bは光学フィルム、26はバックライトケース、27は固定接着剤、28は溝加工部、29は光拡散反射性塗料を表している。
【0017】
本実施の形態は、導光板23の反射面23bに対して、その光源近傍には光拡散反射性塗料29による印刷パターンを形成し、点光源21から十分離れた所には溝加工28を形成したことを特徴としている。以下に詳しく説明する。
【0018】
導光板23の一端面である入光面23aに近接して複数個の点光源21を配置している。本実施の形態の構成では点光源21はLEDを使用している。点光源21は、LEDのほかに他の電解放出素子や放電灯であってもよいし、図3のように基板22に配置してもよい。また、点光源21は、導光板23の長軸方向、短軸方向に配置してもよいし、また、長軸方向の両端部、短軸方向の両端部に配置してもよい。
【0019】
導光板23の出光面23cの上部に、光学フィルム25a、25bが配置してある。光学フィルム25a、25bは少なくとも1枚以上配置してあり、要求される配光特性により、複数枚使用する。
【0020】
導光板23の反射面23bには、点光源21の配置してある近傍に光拡散反射性塗料29がスクリーン印刷などの方法により配置してある。反射面23bにおける点光源21から離れた部分には、ムーンカットやシボ加工などの適切な加工法によって溝加工部28が形成してある。
【0021】
点光源21から導光板23内に入光した光は、導光板23内部を全反射しながら進行していく。光が光拡散反射性塗料29面に入射すると、インク面で拡散反射し、導光板23に再入光する。再入光した光の一部は、出光面23cに臨界角以下の角度で入射し、出光面23cから出光する。これにより、出光面23cにある程度の広がりをもって出光するため、輝線が発生しにくい。また、光拡散反射性塗料29は、入光部23a近傍の出光面23cのムラを低減するように、塗布面の大きさやピッチ、密度を変化させながら配置することにより、点光源21を使用したときに問題となる入光部近傍での光のムラを改善することができる。
【0022】
光拡散反射性塗料面29に入射した光は、前述したように、一部は光が拡散して出光面23cから出光するほかに、一部はインク面から透過して反射シート24に到達する。反射シート24で反射した光は、もう一度導光板23に入射しようとするが、インク面で再反射してしまい、有効に光を活用することができない。そのため、入光部近傍以外は、溝加工部28を形成してある。溝加工部28に入射した光は、一部は、導光板の出光面側に反射され、出光面から出光する。一部は、反射シート24側に透過するが、反射シート24で反射された光が導光板23に再入光し、効率良く光を利用することができ、結果として、均一な面発光を可能にする。
【0023】
(第3の実施の形態)図5は本発明の第3の実施の形態のバックライトのランプの長手方向の断面図である。図5において、30はサンドブラストによって表面拡散処理を施した表面拡散処理部を表している。尚、図5において、図3、図4と同一の要素には同一の符号を用いて表している。
【0024】
本実施の形態は、導光板23の反射面23bに対して、その光源21近傍の部分にサンドブラストによる表面拡散処理部30を設け、光源21から十分離れた部分には、溝加工部28を形成してある。
【0025】
導光板23における入光面23a近傍の反射面23bにサンドブラストによる表面拡散処理部30を形成することにより、光源21近傍のムラを低減することができ、また入光面23aの近傍以外の反射面23bに溝加工部28を形成することにより、効率良く光を利用することができる。
【0026】
(第4の実施の形態)図6は本発明の第4の実施の形態のバックライトの断面図である。図6において31は光拡散反射面を表している。尚、図6において、図3〜図5と同一の要素には同一の符号を用いて表している。
【0027】
本実施の形態は、導光板23の反射面23bに溝加工部28を形成し、また、光源近傍部分には、溝加工部28とは別の溝加工によって光拡散反射面31と形成したことを特徴とする。この光拡散反射面31に形成した溝の形状は、図7〜図9のいずれかのように、導光板23のエッジから入射した光源21からの光が拡散できるような曲面形状をしている。図7は円錐形の溝31a、図8は円錐台形の溝31b、図9は円柱形の溝31cを例示している。
【0028】
反射面23bの入光面23aの近傍以外の部分に溝加工部28を形成し、入光面23aの近傍には光拡散反射面31を形成することにより、光源近傍のムラを低減することができる。また、入光面23aの近傍以外は光拡散反射面31としないことで、効率良く光を利用することが可能となる。
【0029】
尚、光拡散処理は、光拡散反射性塗料を塗布してもよいし、表面を光拡散反射処理を施してもよい。
【0030】
また、本発明の第2〜第4の実施の形態のように、表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいてその導光板の反射面に、光源の近傍領域に光拡散処理を施して光拡散反射面を形成する場合には、この導光板は光源とは判定側の端面に行くほどに厚みを薄くすることなく、均一な厚みのものを採用することも可能である。
【0031】
(第5の実施の形態)図10は本発明の第5の実施の形態のバックライトの端部の構造を示す図である。図10において、11は光源としてのLED、12はアルミ基板、13はフレーム、14は金属板、15は導光板を表している。導光板15の一端面の側方に複数個のLED11を装着させた板厚0.3〜0.5mmのアルミ基板12が配置してある。光源11は、単品又は複数個の砲弾型又は表面実装型LEDのほかに、放電灯であってもよい。光源11が放電灯の場合、長軸方向に配置してもよいし、短軸方向に配置してもよい。フレーム13の内部に内接するようにアルミなど熱伝導性の高い材料を用いた金属板14が設置してあり、その内側に導光板15が配置してある。光源11として、金属板14と導光板15との間に導光板入光部に対し鉛直方向へ配置するようにLEDアセンブリが設けてある。
【0032】
本実施の形態によれば、アルミ基板12と金属板14とが密着することにより光源11の点灯時に発生する熱を拡散させ局部的高温を緩和することができる。
【0033】
(第6の実施の形態)図11は本発明の第6の実施の形態のバックライトの端部の構造を示す図である。尚、図11において図10と同一の要素には同一の符号を用いて表している。本実施の形態は、フレーム13の内部に内接するようにアルミなど熱伝導性の高い材料を用いた金属板14を設置し、その内側に導光板15を配置し、その金属板14と導光板15の間に導光板入光部に対して鉛直方向になるように光源11としてのLEDアセンブリを設けている。また、アルミ基板12と金属板14との間にL型に屈曲したアルミなど熱伝導性の高い部材16を挟みこみ上部方向と底面方向から熱源である光源11を挟み込むようにして固定させ、密着させている。
【0034】
本実施の形態によれば、部材16により熱拡散させ局部的高温を緩和し、また上部方向へ漏れ出た光を導光板15の内部方向へ誘導し、再利用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施の形態のバックライトの断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のバックライトの斜視図。
【図3】本発明の第2の実施の形態のバックライトの断面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態のバックライトの上面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態のバックライトの断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態のバックライトの断面図。
【図7】同図(a)は上記実施の形態における光拡散反射面に形成された溝の一例の断面図及び拡大図斜視図、同図(b)は当該溝の光反射機能説明図。
【図8】同図(a)は上記実施の形態における光拡散反射面に形成された溝の他の例の断面図及び拡大図斜視図、同図(b)は当該溝の光反射機能説明図。
【図9】同図(a)は上記実施の形態における光拡散反射面に形成された溝のさらに他の例の断面図及び拡大図斜視図、同図(b)は当該溝の光反射機能説明図。
【図10】本発明の第5の実施の形態のバックライトの端部の構造を示す図。
【図11】本発明の第6の実施の形態のバックライトの端部の構造を示す図。
【図12】従来のバックライトのランプの断面図。
【図13】従来のバックライトの拡大断面図。
【図14】従来のバックライトの凹部の作用説明図その1。
【図15】従来のバックライトの凹部の作用説明図その2。
【符号の説明】
【0036】
1 導光板
1a 出射面
1b 反射面
1c 入光面
1d 反入光面
2 光源
3 基板
4 凹部
11 光源
21 点光源(LED)
22 基板
23 導光板
23a 入光面
23b 反射面
23c 出光面
24 反射シート
28 溝加工部
29 光拡散反射性塗料
31 光拡散反射面
31a〜31c 溝
44a 反射面
44b 湾曲面
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトに関する。
【背景技術】
【0002】
図12は従来のバックライトの構成を示す側面図である。また図13は導光板41の拡大図であり、同図(a)が断面図、同図(b)は凹部44の底面側からの平面図である。41は導光板、41aは出射面、41bは反射面、41cは入光面、41dは出光面、42は光源、43は基板、44は凹部、44aは凹部44の平坦斜面、44bは凹部44の湾曲面、45aは入射光、45bは反射光を表している。図12に示すように、導光板41の1端面に光源42を配置し、導光板41の入光面41cより光を入射する。入射した光45aは、導光板41内を全反射して進行し、反射面41bに設けられた凹部44により角度を変えられ、矢印45bに示すように出射面41aに臨界角以下の角度で入射し、この出射面41aから外部に出射光46として出光する。
【0003】
反射面41bに設けられた凹部44は、図13に示すような構造をしており、入光面側は平坦斜面44aとなり、入光面の反対側は、湾曲面44bとなっている。図14は、端面の入光面41c側から導光板41内に入射した入射光45aの光路を示したものである。入射光45aが平坦斜面44aにほぼ平行に入光すると、反射光45bは上面に向けられ、図9に示す出射面41aに対し臨界角以下で入射することになり、光が導光板41から出射光46として出射する。平坦斜面44aは斜面に向けて平行に入射する光を効率よく反射させて導光板41から出射させる角度に設定されている。
【0004】
図15は、図12に示す反入光面41dから光が入射したときの光路を示したものである。入射光45aが湾曲面44bに入光すると、湾曲面44bに対し、法線方向に入射しないため、反射光45bは入射角度により様々に変化し、導光板41の出射面41aに対し、臨界角以下で入射する割合が少なくなる。すなわち、入光面41cから入光した光が導光板41内で全反射を繰り返し、反入光面41dまで到達し、さらに反射してきた光は有効に活用することができない。
【0005】
加えて、従来のエッジライト方式のバックライトで、LEDを光源とした場合、可能な限り安価で効率よく均一に面発光させるためには、使用するLEDの使用数を減らしす必要性があるが、上記従来の方式では、LEDの使用数を減らすことで消費電力とコストを低減させても、光源であるLEDと導光板とが構造的に近接しているため、LEDに近い部分の導光板領域で、導光板の下面に配置された反射シート部分の反射が強くなり、導光板の光放射面においてLEDに近い部分が他の領域よりも明るくなる。これは明るい点光源を用いて均一に面発光するバックライトを実現する上での解決すべき課題となっていた。
【特許文献1】特開平8−271891号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、導光板内で反射を繰り返してきた光を有効に利用し、明るくてしかも均一な面発光が可能なバックライトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいて、前記導光板の反射面は、前記入射面側から反対側の端面に至るほど前記出射面に近接する傾斜面にし、前記反射面の全面に、平坦傾斜面とこれに連設する部分円弧状の湾曲傾斜面とを有する光反射凹部を形成したことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のバックライトにおいて、前記導光板は、前記入光面と反対側の端部において前記出射面と反射面とが鋭角をなして交わる形状にしたことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3の発明は、表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいて、前記導光板の反射面において、前記光源の近傍領域に光拡散処理を施して光拡散反射面を形成したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、導光板内で反射を繰り返してきた光を効率良く出射面から出光させることができ、液晶面を明るく照明できるバックライトを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて詳説する。
【0012】
(第1の実施の形態)図1は本発明の第1の実施の形態のバックライトの断面図、図2は斜視図である。図1、図2において1は導光板、1aは出射面、1bは反射面、1cは入光面、1dは反入光面、2は光源、3は基板を表している。本実施の形態は、導光板1を表裏の片面に対し他面が傾斜した平板であり、一端の入光面1cに対して出射面1aは直角をなし、反射面1bを傾斜面とし、入光面1cから遠ざかるにつれ導光板1の厚さを薄くし、反入光面1dを入光面1cに対して小さくなる形状である。傾斜した反射面1bには従来同様に多数の凹部44が形成してある。
【0013】
光源2は、基板3に適切な間隔をおいて配置した複数個のLEDによって構成してある。光源2からの光は導光板1の入光面1cに入射する。入光面1cから入射した光は、導光板1内部を全反射しながら進行するが、反射面1bが傾斜しているため、反射面1bで反射した光が、出射面1aに対し、臨界角以下の角度で入光しやすくなる。また、反入光面1dに近づくにつれ導光板1の厚さが薄くなるため、多数の凹部44それぞれの反射面44aに光が当たりやすくなり、反入光面1dに到達する前に、大多分の入射光を反射させて出射面1aから効率良く出射させることができる。
【0014】
尚、光源2に指向性のある点光源を用いることも可能である。光源2に指向性のある点光源を用いることにより、各凹部44の平坦な反射面44aに略45°の角度で入射する可能性が高くなり、出射面から効率よく光を取り出すことが可能となる。
【0015】
また、導光板1の形状については、第1の実施の形態における肉厚が小さくなった反入射面1d側を鋭角にして断面が楔形となるものを採用することができる。そしてその場合、スペース的に空スペースとなる尖端側下面に点灯駆動回路を配置することで、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0016】
(第2の実施の形態)図3は本発明の第2の実施の形態のバックライトの断面図であり、図4は上面図である。図3、図4において、21は点光源、22は基板、23は導光板、23aは入光面、23bは反射面、23cは出光面、24は反射シート、25a、25bは光学フィルム、26はバックライトケース、27は固定接着剤、28は溝加工部、29は光拡散反射性塗料を表している。
【0017】
本実施の形態は、導光板23の反射面23bに対して、その光源近傍には光拡散反射性塗料29による印刷パターンを形成し、点光源21から十分離れた所には溝加工28を形成したことを特徴としている。以下に詳しく説明する。
【0018】
導光板23の一端面である入光面23aに近接して複数個の点光源21を配置している。本実施の形態の構成では点光源21はLEDを使用している。点光源21は、LEDのほかに他の電解放出素子や放電灯であってもよいし、図3のように基板22に配置してもよい。また、点光源21は、導光板23の長軸方向、短軸方向に配置してもよいし、また、長軸方向の両端部、短軸方向の両端部に配置してもよい。
【0019】
導光板23の出光面23cの上部に、光学フィルム25a、25bが配置してある。光学フィルム25a、25bは少なくとも1枚以上配置してあり、要求される配光特性により、複数枚使用する。
【0020】
導光板23の反射面23bには、点光源21の配置してある近傍に光拡散反射性塗料29がスクリーン印刷などの方法により配置してある。反射面23bにおける点光源21から離れた部分には、ムーンカットやシボ加工などの適切な加工法によって溝加工部28が形成してある。
【0021】
点光源21から導光板23内に入光した光は、導光板23内部を全反射しながら進行していく。光が光拡散反射性塗料29面に入射すると、インク面で拡散反射し、導光板23に再入光する。再入光した光の一部は、出光面23cに臨界角以下の角度で入射し、出光面23cから出光する。これにより、出光面23cにある程度の広がりをもって出光するため、輝線が発生しにくい。また、光拡散反射性塗料29は、入光部23a近傍の出光面23cのムラを低減するように、塗布面の大きさやピッチ、密度を変化させながら配置することにより、点光源21を使用したときに問題となる入光部近傍での光のムラを改善することができる。
【0022】
光拡散反射性塗料面29に入射した光は、前述したように、一部は光が拡散して出光面23cから出光するほかに、一部はインク面から透過して反射シート24に到達する。反射シート24で反射した光は、もう一度導光板23に入射しようとするが、インク面で再反射してしまい、有効に光を活用することができない。そのため、入光部近傍以外は、溝加工部28を形成してある。溝加工部28に入射した光は、一部は、導光板の出光面側に反射され、出光面から出光する。一部は、反射シート24側に透過するが、反射シート24で反射された光が導光板23に再入光し、効率良く光を利用することができ、結果として、均一な面発光を可能にする。
【0023】
(第3の実施の形態)図5は本発明の第3の実施の形態のバックライトのランプの長手方向の断面図である。図5において、30はサンドブラストによって表面拡散処理を施した表面拡散処理部を表している。尚、図5において、図3、図4と同一の要素には同一の符号を用いて表している。
【0024】
本実施の形態は、導光板23の反射面23bに対して、その光源21近傍の部分にサンドブラストによる表面拡散処理部30を設け、光源21から十分離れた部分には、溝加工部28を形成してある。
【0025】
導光板23における入光面23a近傍の反射面23bにサンドブラストによる表面拡散処理部30を形成することにより、光源21近傍のムラを低減することができ、また入光面23aの近傍以外の反射面23bに溝加工部28を形成することにより、効率良く光を利用することができる。
【0026】
(第4の実施の形態)図6は本発明の第4の実施の形態のバックライトの断面図である。図6において31は光拡散反射面を表している。尚、図6において、図3〜図5と同一の要素には同一の符号を用いて表している。
【0027】
本実施の形態は、導光板23の反射面23bに溝加工部28を形成し、また、光源近傍部分には、溝加工部28とは別の溝加工によって光拡散反射面31と形成したことを特徴とする。この光拡散反射面31に形成した溝の形状は、図7〜図9のいずれかのように、導光板23のエッジから入射した光源21からの光が拡散できるような曲面形状をしている。図7は円錐形の溝31a、図8は円錐台形の溝31b、図9は円柱形の溝31cを例示している。
【0028】
反射面23bの入光面23aの近傍以外の部分に溝加工部28を形成し、入光面23aの近傍には光拡散反射面31を形成することにより、光源近傍のムラを低減することができる。また、入光面23aの近傍以外は光拡散反射面31としないことで、効率良く光を利用することが可能となる。
【0029】
尚、光拡散処理は、光拡散反射性塗料を塗布してもよいし、表面を光拡散反射処理を施してもよい。
【0030】
また、本発明の第2〜第4の実施の形態のように、表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいてその導光板の反射面に、光源の近傍領域に光拡散処理を施して光拡散反射面を形成する場合には、この導光板は光源とは判定側の端面に行くほどに厚みを薄くすることなく、均一な厚みのものを採用することも可能である。
【0031】
(第5の実施の形態)図10は本発明の第5の実施の形態のバックライトの端部の構造を示す図である。図10において、11は光源としてのLED、12はアルミ基板、13はフレーム、14は金属板、15は導光板を表している。導光板15の一端面の側方に複数個のLED11を装着させた板厚0.3〜0.5mmのアルミ基板12が配置してある。光源11は、単品又は複数個の砲弾型又は表面実装型LEDのほかに、放電灯であってもよい。光源11が放電灯の場合、長軸方向に配置してもよいし、短軸方向に配置してもよい。フレーム13の内部に内接するようにアルミなど熱伝導性の高い材料を用いた金属板14が設置してあり、その内側に導光板15が配置してある。光源11として、金属板14と導光板15との間に導光板入光部に対し鉛直方向へ配置するようにLEDアセンブリが設けてある。
【0032】
本実施の形態によれば、アルミ基板12と金属板14とが密着することにより光源11の点灯時に発生する熱を拡散させ局部的高温を緩和することができる。
【0033】
(第6の実施の形態)図11は本発明の第6の実施の形態のバックライトの端部の構造を示す図である。尚、図11において図10と同一の要素には同一の符号を用いて表している。本実施の形態は、フレーム13の内部に内接するようにアルミなど熱伝導性の高い材料を用いた金属板14を設置し、その内側に導光板15を配置し、その金属板14と導光板15の間に導光板入光部に対して鉛直方向になるように光源11としてのLEDアセンブリを設けている。また、アルミ基板12と金属板14との間にL型に屈曲したアルミなど熱伝導性の高い部材16を挟みこみ上部方向と底面方向から熱源である光源11を挟み込むようにして固定させ、密着させている。
【0034】
本実施の形態によれば、部材16により熱拡散させ局部的高温を緩和し、また上部方向へ漏れ出た光を導光板15の内部方向へ誘導し、再利用させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明の第1の実施の形態のバックライトの断面図。
【図2】本発明の第1の実施の形態のバックライトの斜視図。
【図3】本発明の第2の実施の形態のバックライトの断面図。
【図4】本発明の第2の実施の形態のバックライトの上面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態のバックライトの断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態のバックライトの断面図。
【図7】同図(a)は上記実施の形態における光拡散反射面に形成された溝の一例の断面図及び拡大図斜視図、同図(b)は当該溝の光反射機能説明図。
【図8】同図(a)は上記実施の形態における光拡散反射面に形成された溝の他の例の断面図及び拡大図斜視図、同図(b)は当該溝の光反射機能説明図。
【図9】同図(a)は上記実施の形態における光拡散反射面に形成された溝のさらに他の例の断面図及び拡大図斜視図、同図(b)は当該溝の光反射機能説明図。
【図10】本発明の第5の実施の形態のバックライトの端部の構造を示す図。
【図11】本発明の第6の実施の形態のバックライトの端部の構造を示す図。
【図12】従来のバックライトのランプの断面図。
【図13】従来のバックライトの拡大断面図。
【図14】従来のバックライトの凹部の作用説明図その1。
【図15】従来のバックライトの凹部の作用説明図その2。
【符号の説明】
【0036】
1 導光板
1a 出射面
1b 反射面
1c 入光面
1d 反入光面
2 光源
3 基板
4 凹部
11 光源
21 点光源(LED)
22 基板
23 導光板
23a 入光面
23b 反射面
23c 出光面
24 反射シート
28 溝加工部
29 光拡散反射性塗料
31 光拡散反射面
31a〜31c 溝
44a 反射面
44b 湾曲面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいて、
前記導光板の反射面は、前記入射面側から反対側の端面に至るほど前記出射面に近接する傾斜面にし、
前記反射面の全面に、平坦傾斜面とこれに連設する部分円弧状の湾曲傾斜面とを有する光反射凹部を多数形成したことを特徴とするバックライト。
【請求項2】
前記導光板は、前記入光面と反対側の端部において前記出射面と反射面とが鋭角をなして交わる形状にしたことを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいて、
前記導光板の反射面において、前記光源の近傍領域に光拡散処理を施して光拡散反射面を形成したことを特徴とするバックライト。
【請求項1】
表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいて、
前記導光板の反射面は、前記入射面側から反対側の端面に至るほど前記出射面に近接する傾斜面にし、
前記反射面の全面に、平坦傾斜面とこれに連設する部分円弧状の湾曲傾斜面とを有する光反射凹部を多数形成したことを特徴とするバックライト。
【請求項2】
前記導光板は、前記入光面と反対側の端部において前記出射面と反射面とが鋭角をなして交わる形状にしたことを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
表裏の片面を出射面とし、他面を反射面とする導光板の一端の入射面に対向して光源を配置したバックライトにおいて、
前記導光板の反射面において、前記光源の近傍領域に光拡散処理を施して光拡散反射面を形成したことを特徴とするバックライト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−42479(P2007−42479A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−226415(P2005−226415)
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月4日(2005.8.4)
【出願人】(000111672)ハリソン東芝ライティング株式会社 (995)
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