説明

バッグ兼抱っこ補助具

【課題】 幼児を抱っこする際、使用者が立ったままの状態で幼児を支えながら幼児の背中を支える背当て部材を首や肩に掛ける作業は容易ではない。又、バッグとして使用する際、小物等を収納するための十分大きな収納スペースが確保されない。
本発明は使用者が立ったままの状態で装着および取り外しが素早く容易にでき、バッグとして使用する際、バッグの中に小物等を収納するための十分大きな収納スペースが確保されたバッグ兼抱っこ補助具を提供する。
【解決手段】 ループ状に連結してなる肩掛けベルト及び、前記肩掛けベルトに分岐して一端が縫合されたバッグで構成されており、バッグの他端は前記肩掛けベルトの特定の2箇所に連結することができ、連結箇所を変えることによりバッグから抱っこ補助具へ素早く切替えられ、また、十分な収納スペースがあることを特徴とするバッグ兼抱っこ補助具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抱っこ補助機能を備えたバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、抱っこ補助機能を備えたバッグは、両端にウエストベルトが連結されたバッグ本体と、使用者が肩や首に掛けて幼児を保持するための吊りバンドと、前記バッグの中に収納されて前記バッグ本体の上に腰掛けた幼児を支承するための支承部材とを備えていることを特徴とするものである(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】 特開2002ー262969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の抱っこ補助機能を備えたバッグは、使用者が幼児を抱っこしてバッグの上に腰掛けさせるだけでは幼児が安定して保持されず、前記幼児の腰部を保持するための背当て部と前記背当て部の上部に取り付けられたループ状の吊りバンドを前記バッグの中から取り出し、前記使用者の首や肩に前記吊りバンドを掛けなければ前記幼児が安定して保持されない。又、前記使用者が立ったままの状態で前記幼児を支えながら前記吊りバンドを首や肩に掛ける作業は容易ではなく、素早く容易に装着できない。
【0005】
又、幼児を降ろす際、使用者の首や肩に掛けられた前記吊りバンドを取り外さなければ、幼児を降ろすことができず、使用者が立ったままの状態で幼児を支えながら前記吊りバンドを首や肩から取り外す作業は容易ではなく、素早く容易に幼児を降ろすことができない。
【0006】
又、バッグとして使用する際、前記幼児の腰部を保持する前記背当て部と前記吊りバンドが前記バッグの中に収納され、しかも前記幼児を支承する支承部材も前記バッグの中に固定されているため、小物等を収納するための十分大きな収納スペースが確保されない。
本発明は、以上の問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
バッグ本体の両端に第1連結帯と第2連結帯が縫合され、前記第1連結帯の先端部に雄型留め具が設けられ、前記バッグ本体の背面が幼児の尻部を十分覆うことのできる面積を有するバッグと、両端が長さ調節機能付き着脱自在の第1バックルを介してループ状に連結し、前記第1バックルが位置しないループ上の外側の面を前記第1連結帯の先端部から前記第2連結帯の先端部まで前記バッグ全体の背面に沿って弛むことなく重ね合わせたとき、前記第2連結帯の先端部と重なる面に前記第2連結帯の先端部が縫合され、前記第1連結帯の先端部と重なる面に第2雌型留め具が設けられ、前記第2雌型留め具が設けられた箇所から前記バッグの背面と重なっている側の方向に向かって前記第1連結帯と前記第2連結帯を含んだバッグ全体の横長の約3分の1程度離れた箇所の面に第1雌型留め具が設けられた肩掛けベルトから構成されており、前記第1連結帯の先端部に設けられた前記雄型留め具と、前記肩掛けベルトに設けられた前記第1雌型留め具及び、前記第2雌型留め具は互いに着脱自在に連結できることを特徴としたバッグ兼抱っこ補助具。
【発明の効果】
【0008】
吊りバンドを使用者の首や肩に掛けることなく、バッグに幼児を腰掛けさせるだけで、前記幼児が安定して保持され、前記使用者が立ったままの状態で装着及び取り外しが素早く容易にできる。また、バッグとして使用する際、バッグの中に小物等を収納するための十分大きな収納スペースが確保される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の使用状態を示す斜視図
【図2】本発明の装着方法を示す状態図
【図3】本発明の装着方法を示す状態図
【図4】本発明を抱っこ補助具としたときのバッグの使用状態を示す斜視図
【図5】本発明をバッグとして使用するときの状態を示す斜視図
【図6】本発明の構成を示す斜視図
【図7】バッグに腰部保持ベルトが収納された状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
(イ)バッグ(6)本体の背面(14)が幼児の尻部を十分覆うことのできる面積を有し 、両端に第1連結帯(21)と第2連結帯(22)が縫合され、前記第1連結帯( 21)の先端部に雄型留め具(4)が設けられたバッグ(6)と、両端が長さ調節 機能付き着脱自在の第1バックル(8)を介してループ状に連結された肩掛けベル ト(5)で構成される。又、バッグ本体とは第1連結帯(21)と第2連結帯(2 2)を含まないバッグを示し、バッグ全体とは第1連結帯(21)と第2連結帯( 22)を含むバッグを示すものとする。
(ロ)図6に示すようにバッグ(6)の第2連結帯(22)の先端部がループ状の肩掛け ベルト(5)の外面に縫合される。
(ハ)図5に示すようにバッグ(6)全体の背面(14)と肩掛けベルト(5)の外面が 弛むことなく重ね合わされたときに、第1連結帯(21)に設けられた雄型留め具 (4)が重なる肩掛けベルト(5)の外側の面の箇所に第2雌型留め具(9)を設 ける。このときバッグ(6)全体の背面(14)と肩掛けベルト(5)が重なり合 う部分の肩掛けベルト(5)には第1バックル(8)がないものとする。
(ニ)図5に示すように肩掛けベルト(5)に設けた第2雌型留め具(9)からバッグ( 6)の背面(14)と重なっている側の方向に向かって第1連結帯(21)と第2 連結帯(22)を含んだバッグ(6)全体の横長の約3分の1程度離れた肩掛けベ ルト(5)の外側の面上の箇所に第1雌型留め具(3)を設ける。
(ホ)バッグ(6)の第1連結帯(21)の先端部に設けられた雄型留め具(4)と、肩 掛けベルト(5)に設けられた第1雌型留め具(3)及び、第2雌型留め具(9) は互いに着脱自在に連結できることを特徴としたバッグ兼抱っこ補助具である。
本発明は以上のような構造である。
【0011】
本発明をバッグとして使用する際、図5に示すように、バッグ(6)の第1連結帯(21)に設けた雄型留め具(4)と肩掛けベルト(5)に設けた第2雌型留め具(9)を連結させ、肩掛けベルト(5)を使用者の肩に斜め掛けした状態で、バッグ(6)を使用者の背中に配置させて使用するのが最良であり、また、当然のことながらウエストバッグとして肩掛けベルト(5)を使用者の腰に掛けて使用することも可能である。
【0012】
本発明を抱っこ補助具として使用する際、肩掛けベルト(5)を斜め掛けしてバッグ(6)を使用者の背中に配置させままの状態で、幼児を抱っこして、図2に示すように肩掛けベルト(5)の第2雌型留め具(9)に連結された雄型留め具(4)を片手で取り外すとともに、雄型留め具(4)を使用者(1)の体の前まで引っ張ることによりループ状を形成する肩掛けベルト(5)が使用者(1)の胴部を軸にして回転し、図3に示すようにバッグ(6)が幼児(2)の尻部まで移動する。幼児(2)の尻部まで移動してきたバッグ(6)の背面(14)に幼児(2)を腰掛けさせるとともに、雄型留め具(4)を肩掛けベルト(5)に設けた第1雌型留め具(3)に連結することにより、幼児(2)の尻部がバッグ(6)の第1連結帯(21)と第2連結帯(22)及び、バッグ(6)の背面(14)によりしっかり覆われて幼児(2)が安定して保持される。
【0013】
本発明をバッグとして使用する際、図5に示すようにバッグ(6)の背面(14)と肩掛けベルト(5)が重なり合う部分が互いに動かないように、第1面ファスナー(13)を設け、着脱自在に係止することが好ましい。
【0014】
長さ調節機能付きの第1バックル(8)により肩掛けベルト(5)の長さを短くすると、肩掛けベルト(5)が形成するループの大きさが小さくなるため、抱っこ補助具として使用する際のバッグ(6)の位置が高くなる。逆に長くすると、肩掛けベルト(5)が形成するループの大きさが大きくなるため、抱っこ補助具として使用する際のバッグ(6)の位置が低くなる。このため幼児の成長等に合せて、バッグ(6)の位置を調整して使用でき、抱っこ補助具の買い替えが不要となる。又、バッグ(6)の位置を高くすることにより幼児が眠った際、幼児の頭部を使用者の肩に乗せることができ、幼児の頭部が安定する利点もある。又、幼児が成長して抱っこ補助機能を使用しなくなれば、バッグとしてそのまま使用することができ経済的である。
【0015】
本発明をバッグとして使用する際、使用者の肩と接する肩掛けベルト(5)の部分に第1肩当てパッド(10)を取り付けることにより使用者の肩にかかる負担を軽減することができる。第1肩当てパッド(10)は図5に示すようにバッグ(6)の第2連結帯(22)の先端部と肩掛けベルト(5)が縫合された箇所付近の肩掛けベルト(5)に取り付けることが望ましい。また、本発明を抱っこ補助具として使用する際、図1に示すように使用者(1)の肩と接する肩掛けベルト(5)の部分に第2肩当てパッド(12)を取り付けることで、幼児(2)の体重により使用者(1)の肩にかかる負担を軽減することができる。第2肩当てパッド(12)は第2雌型留め具(9)が位置する肩掛けベルト(5)の付近に取り付けることが望ましい。
【0016】
一端がバッグ(6)の第1連結帯の先端部に縫合され、他端が第2連結帯の先端部に縫合され、その中間に長さ調節機能付き着脱自在の第2バックル(16)を有する腰部保持ベルト(11)を備えることにより、図1に示すように幼児(2)の腰部が支えられることができる。又、図7に示すように腰部保持ベルト(11)を通すことができる腰部保持ベルトループ(15)をバッグ(6)の前面に少なくとも2箇所取り付けることが望ましい。腰部保持ベルト(11)は腰部保持ベルトループ(15)に通され、第2バックル(16)を連結することにより収納される。バッグの中に収納することがないので、小物等を収納するための収納スペースが確保される。
【0017】
本発明を構成するバッグ(6)は図5に示すようにファスナー付きの開閉口(7)が設けてあり、図3に示すように抱っこ補助具として使用する際、小物等を取り出せるようにバッグ(6)本体の一方の側面から上面を通り、他方の側面にかけて大きく開口するものが望ましい。
【0018】
バッグ(6)の背面(14)は、図6に示すように腰掛けた幼児の尻部が滑らず心地よく腰掛けることができるように、滑り止め効果を有するクッション材(17)が施されていることが望ましい。
【0019】
幼児がバッグ(6)の背面(14)に腰掛けた際、バッグ(6)と肩掛けベルト(5)の間の隙間に滑り落ちないように図4に示すようにバッグ(6)の背面(14)の下部中央に第3連結帯(18)が縫合され、第3連結帯(18)の先端部と肩掛けベルト(5)が長さ調節機能付き着脱自在の第3バックル(19)で連結できるようにすることが望ましい。
肩掛けベルト(5)側に設ける第3バックル(19)の位置は肩掛けベルト(5)の外側の面上の第2連結帯(22)が縫合された箇所と第1雌型留め具(3)を有する箇所の中間付近に設けるのが望ましい。第3連結帯(18)は図5に示すように第3連結帯(18)の先端部とバッグ(6)の背面(14)に施された第2面ファスナー(20)によりバッグ(6)の背面(14)に係止され収納することができる。
【符号の説明】
【0020】
1 使用者、 2 幼児、 3 第1雌型留め具、 4 雄型留め具、 5 肩掛けベルト、 6 バッグ、 7 開閉口、 8 第1バックル、 9 第2雌型留め具、 10 第1肩当てパッド、 11 腰部保持ベルト、 12 第2肩当てパッド、 13 第1面ファスナー、 14 バッグの背面、 15 腰部保持ベルトループ、 16 第2バックル、 17 クッション材、 18 第3連結帯、 19 第3バックル、 20 第2面ファスナー、 21 第1連結帯、 22 第2連結帯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッグ本体の両端に第1連結帯と第2連結帯が縫合され、前記第1連結帯の先端部に雄型留め具が設けられ、前記バッグ本体の背面が幼児の尻部を十分覆うことのできる面積を有するバッグと、両端が長さ調節機能付き着脱自在の第1バックルを介してループ状に連結し、前記第1バックルが位置しないループ上の外側の面を前記第1連結帯の先端部から前記第2連結帯の先端部まで前記バッグ全体の背面に沿って弛むことなく重ね合わせたとき、前記第2連結帯の先端部と重なる面に前記第2連結帯の先端部が縫合され、前記第1連結帯の先端部と重なる面に第2雌型留め具が設けられ、前記第2雌型留め具が設けられた箇所から前記バッグの背面と重なっている側の方向に向かって前記第1連結帯と前記第2連結帯を含んだバッグ全体の横長の約3分の1程度離れた箇所の面に第1雌型留め具が設けられた肩掛けベルトから構成されており、前記第1連結帯の先端部に設けられた前記雄型留め具と、前記肩掛けベルトに設けられた前記第1雌型留め具及び、前記第2雌型留め具は互いに着脱自在に連結できることを特徴としたバッグ兼抱っこ補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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