説明

バッグ用ホルダー

ハンドバッグをテーブルに吊すための本発明の装置(11)は、特にコーティングされた鋼材バネであるバネを備えたU字形の弾性リボン(13)からなる。前記リボンは、第1端部域(22)を備える第1引張分枝部と、内側にU字型に曲げられる第2端部域(33)を備えた第2外方湾曲分枝部(25)とを含む。第2端部域(33)は、閉鎖位置において第1端部域(22)の周りに導かれ、圧力によって外側から押圧され、該第1端部域が引っ張られる。前記2つの分枝部が互いに押圧され、両端部域が相互に押圧されて互いに対し平行な方向で配向される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッグ又は同様の物品をテーブル、椅子、プレート、或いは棒などに掛け又は固定する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レストラン、バー或いはホストの家などで、ハンドバッグ、バッグ、リュックサック又は同様のものを持ち運ぶ人達は、これを適切な場所に置こうとして困ることが多い。多くの場合、バッグは、床の上、膝の上、椅子の後ろに置くことになる。これは、衛生面、快適さ及び/又は安全面において満足できない状況である。
【0003】
様々な機会に関してこうした理由から、例えばテーブルの上面にバッグを掛けることができるバッグホルダーが提案されてきた。
【0004】
このようなバッグホルダーは、米国特許第2、692、108号で公知である。このバッグホルダーは、支持面の上側に置かれ、該支持面との間に摩擦載置が生じるように設計されたディスク状の円形載置部を有する。載置部の下側には、ゴム又はフェルトを備えている。上側は装飾の役割を果たす。キャッチアイレット(catch eyelet)が載置部の縁部から突出している。ハンガー部分は、キャッチアイレットの正反対にある載置部の縁部から突出している。ハンガー部分は、載置部を半分だけ囲む弾性材料からなる湾曲したワイヤー本体を有し、更に自由端部を有する。この自由端部は、キャッチアイレットと取り外し可能に係合する第1位置と、ハンドバッグを掛けるために載置部の下に配置される第2位置との間で移動可能である。ハンガー部分は、載置部に回転可能に着座している。ハンガー部分は、ディスク状載置部の平面内にある第1位置から、載置部の平面に垂直な平面にある第2位置へ回すことができる。キャッチアイレットは、ハンガー部分に一体部品として形成されているので、同期して共に回転し、その結果、自由端部はあらゆる回転位置においてもキャッチアイレットに掛けることができるようになる。更に、手袋ホルダーがバッグホルダー上に形成されている。これは、布で覆われたゴム製ループで形成され、ハンガー部分と同じ場所で載置部の縁部全体にわたって突出しており、キャッチアイレットに掛けることができる。
【0005】
このようなバッグホルダーは更に仏国特許第1,015,197号で公知である。これは、腕輪の形態で設計されている。バネ鋼製バンドを閉じて腕輪にし、同様に開くこともできる。載置ディスクがバンドに取り付けられている。載置ディスクの一方側にフックが形成されており、該フックはバンドの一方端部から外方に形作られ、第2フックを形成するバンドの他方端部をそこに掛けることができる。載置ディスクは、開口部が摩擦インレーで閉じられている貝殻状に形成されている。バンドを開くと、この載置ディスクをテーブル上部に取り付けることができる。従って、バンドの自由端部はテーブル上部の下に延びる。このようにして、バッグ又は同様のものをバンドの自由端部に掛けることができる。
【0006】
これらのバッグホルダーの欠点は、バッグを取り付けるための弾性金属部分が、ロックを可能にするために複雑な様態で曲がる必要がある点である。更に、これらのバッグホルダーは、異なる材料の複数の異なる部品からなる必要がある。別の欠点は、環状に閉鎖することができる部分の材料は、一方では弾性を有することが必要であり、他方では表面の手入れが不要であるように退色しないことが必要である点である。
【0007】
【特許文献1】米国特許第2、692、108号
【特許文献2】仏国特許第1,015,197号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、環状の閉鎖可能部品を極めて簡単な方法で製造することができるホルダーを提供することである。本発明の1つの有利な実施態様では、ホルダーが固定される家具だけでなくホルダーに掛けられるバッグや物品の表面がやさしく扱われる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は請求項1による装置によって達成される。開いた位置でU字形となり、第1端部領域を有する延びている第1リムと、U字形の内側に曲がった第2端部領域を有するC字形アーチ状の第2リムと、2つのリムをつなぐ接続アーチ部とを含む伸縮性のある弾性バンドを備えた、ハンドバッグをテーブルなどに掛けるための既知の形式の装置は、2つの端部領域が互いに押し合うホルダーであって、このようにしてリング状に閉じて再度開くことを繰り返すことができる。これにより閉じた位置では、第2端部領域が第1端部領域の周りを覆い、第1端部領域に対して外側から押圧する。
【0010】
本発明によれば、本発明の目的は請求項1の特徴部によるホルダーにより達成される。この装置では、第1端部領域は延ばされた状態で設計され、第1領域上に載っている曲げられて戻った第2領域が、互いに2つのリムを押圧することにより、第1端部領域と重なり、この重なり部分における2つの端部領域は本質的に互いに対し平行に向けられる。これらの端部領域の実際に平行な重なり領域は、平坦な状態で互いに載置される。上述の既知の装置に関連して示唆されたように、端部領域の互いに対する連結部は存在しない。これにより、2つの端部領域を互いに向かって横方向に変位させるだけでリングを開くことが可能である。互いに端部領域を持ち上げることは必要ではない。この理由のため、バンドのバネ力を従来よりも強く設計することができ、これに起因して取り扱い性能が損われることはない。更に、バンドは極めて製造が容易で、他の材料でコーティングすることもできる。
【0011】
ホルダーをリング状に閉じることができるので、実際に紛失しないようにバッグ又はリュックサックのループ部分に取り付けることができるといった利点が得られる。更に、ホルダーで棒状の物に取り付けられる物品は、ホルダーを閉じることにより固定することができる。
【0012】
第2リムの湾曲した第1リム部分は、接続アーチと第1リムの第1端部領域との間の領域において第1リムへの第2リムの距離が最大になるように、接続アーチへの接続が設計されている。この第1リム部分と接続し、更に第2端部領域が接続される第2リムの第2リム部分は同様に、ホルダーに何も掛けられておらず開いた状態において、第2端部領域に向かって第1リムに接近する。接続アーチに対する接続部となり、好ましくは湾曲して設計された第1リム部分は、荷物が掛けられた状態で第1リムに対しほぼ直角に整列させられる。この第1リム部分によりテーブル端部の厚さに対して掛けることがきる。閉じたホルダーは、コーナーが小半径に曲がり、側辺がより大きな半径で延び又は曲げられたほぼ三角形を描く。この好都合なホルダー形状により、ホルダーが延びている第1リムで水平な上面に載って置かれると、第2リムに掛けられた物品の荷重が上面の下に配置されることが確保される。軽荷重の係合点は第2アームに沿って自由に変位することができ、重荷重の係合点は第1リムの端部領域の下に配置される第2アームの端部にあるので、傾き或いは丸みのあるテーブル縁部の場合でも、荷物を安定して掛けることができる。
【0013】
2つの重なり端部領域は、閉じた位置で互いに平行に押し合う。平行な端部領域は、ほぼ1cmから2cm、好ましくは12cmから17mmだけ重なり合う。これは、ホルダーの開閉動作を比較的容易にすると同時に、意図しない開放を充分に保護することができる好ましい設計である。
【0014】
第2リムの湾曲は、第1リムと第2リムとの間の最大の距離が、U字形の開きが増大するにつれて接続湾曲部分から離れて第2端部領域へ変位するように設計されるのが有利である。より重い物品であるほど、軽いものよりも上部の縁部からより遠位に掛けられる。
【0015】
ホルダーはバンド状バネ鋼で作られるのが好ましい。バネ鋼は、特に魅力的で耐食性が良いわけではない。バネ鋼の外見を良好に維持するには、手入れをするか或いは研磨する必要がある。更に、バネ鋼は平滑な表面にはあまり良好に載せておくことができず、このような表面上では滑り易いと同時に表面を傷つける傾向がある。しかしながら、必要なスプリング力を備えたプラスチックでも表面載置力は不十分である。この理由により、ホルダーは、皮革、軟質プラスチック(2成分プラスチック)、織布、ゴム或いはこれらの材料の組み合わせの摩擦係数の高い材料からなる層を少なくともホルダーの内側に有し、好ましくはその内側と外側を覆うカバーを更に有することである。摩擦係数の高い材料は、特に延びているリムの内側に有用である。このような材料をカバーとして、又は接合される層として配置し、キャスト法で配置し、又は他の方法で付着させることができる。
【0016】
カバーは、可撓性のチューブ又はバッグとして形成されるのが有用であり、この可撓性のチューブ又はバッグを押してバネ鋼バンドを覆う。これにより、カバーは、短い端部をバッグ状に閉じるように設計され、反対側の短い端部ではバッグ開口部を含むのが好ましい。カバーで覆った状態では、バッグ開口は別個の閉鎖部品により閉じられる。
【0017】
閉鎖部品は、通常金属又はプラスチックのクリップであり、曲がって戻った第2領域の一方の後縁を取り囲む。
【0018】
カバーの内側と外側は、異なる材料からなるものとすることもできる。すなわち、カバーの内側は軟質プラスチック、特に2成分プラスチック、発泡性ゴム或いはゴムで作られるのが有利である。カバーの外側は通常、見栄えのする皮革又は模造皮革、或いはプラスチック又は織布で作られるのが有利である。皮革又は模造皮革はまた、充分な載置力を有するので、カバー全体がこの材料からなることもできる。カバーは、金属コア部分を覆うことができ、例えば、外面をコーティングする射出成形で設計することもできる。
【0019】
ホルダーは、装飾用の石或いは飾りなどの装飾を外側に施すのに好適である。ホルダーはまた、腕時計を配置することもできる。1つの有利な実施態様では、第1送信器及び/又は受信器をホルダーに取り付け、第2送信器及び/又は受信器と通信し、2つの送信器/受信器間が互いからのある定められた距離に達するとアラーム音を発するようになっている。
【0020】
本発明によるこのようなホルダーは、例えば、服、バッグ又はリュックサックなどの荷物を、例えばテーブル又は椅子、棒又はパイプなどの家具或いは構成部品に掛けるのに使用される。このようなホルダーは装飾品として役立ち、腕輪又は腕時計として手首に着用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明を図を用いて更に詳細に説明する。
U字形のホルダー11は、湾曲して延びるステンレスバネ鋼製のバンド13(図6)からなる。バネ鋼は好都合な弾性特性と望ましい伸縮性を有する。バンド状のバネ鋼の幅はモデルに応じて1.0から5.0cmの範囲にわたり、安定性と荷重を受けた時に横方向へ移動する傾向を低減させる点で極めて重要である。バンドスプリング鋼12の材料の厚さはモデルに応じて0.6から2mmの間である。
【0022】
ホルダー11は、2つのリム15、25(図1)を備えたU字形の形状にされたバンド13として説明することができる。ホルダー11の載置部15として本明細書で説明される第1リム15は、直線から僅かに曲がった状態で延びている。例えば、載置部15は、ホルダー使用時テーブル21の表面の上に載り、この理由により延びている端部領域22を有する。この長さは実施形態に応じて約3から12cmの間である。荷物を掛けた状態では、ホルダー11が支持面21から滑るのを阻止する好適な表面摩擦がコーティング23(図8、7)又はホルダー11を覆う材料(図4から7)により発生する。最小限に曲がった載置部15は、荷重に応じて延ばして載置部表面をより大きくすると、滑りを阻止する摩擦力が更に大きくなる。
【0023】
本明細書では、第2リム25は荷物保持部25とも呼ばれる。第2リムは、載置部よりも約2から3倍長く、大きく湾曲した接続アーチ部16と僅かに曲がった第1リム部分27との接続部から始まる。次いで、第2リム部分29は、遷移湾曲部28を介して第1リム部分27に接続されている。従って、この遷移湾曲部28は、テーブル表面21或いは他の支持要素20のかなり下に位置する。支持要素20の縁部の通常の場合における厚みは、第1リム部分27とこれに接続された2つのアーチ部にを経て乗り越えられる。軽度から中程度の湾曲の第2リム部分29が遷移湾曲部に続く。これは、支持要素21の下側31に接して端部に向かう傾向にある。
【0024】
第2リム25の第2端部領域33は、極めてフックに似た形状にされている。載置部15が水平に置かれているホルダーを横から見ると、第2リム25の第2端部領域は、第1リム15の第1端部領域22の下の鉛直線上に位置する。ホルダーの開口幅(これは第1端部領域22と第2端部領域33との間の距離である)と支持要素20の厚さによっては、ホルダーが支持要素20をクランプする作用を生む場合もある。これは、荷物が取り除かれたときに、ホルダーが支持要素20から滑り落ちない利点がある。開口幅の大きさは様々であり、モデルによって異なるが、約1から6cmの間である。バッグ、リュックサック、又は他の物品がホルダーに吊される場合、そのキャリア35(図2)は、通常(すなわちテーブルや同様のものの上で使用される場合)第2リム部分29又はこれに接続する湾曲部分に位置付けられる。詳細には、第2リム部分29は、この位置及び吊される物品の重量に応じて、大きく又は小さく下方に曲げられる(図2)。ホルダー11は、一体部品で且つ伸縮性の材料で形成されているので、第2リム25に加わる力は更に第1リム15に伝達され、支持要素20により支えられる。材料に応力が発生することにより、荷物に応じて力の比率も変わり、更に力のベクトルの係合点が平行移動する。荷物により第2リム部分29が下方向により大きく曲がる程、荷重Lもより大きくなり、従って、支持面21に作用する力ベクトルFも同様に、テーブル縁部から第1リム15の第1端部領域22の方向で変位する。これにより、ホルダー11が支持面21から滑り落ちる危険性が大幅に低減され、例えば、テーブル縁部が傾斜している場合又はホルダー11の利用可能な取り付けスペースが少ししかない場合でもホルダーを有用且つ安定して利用することが可能となる。
【0025】
材料に伸縮性がある結果、ホルダーを様々な厚さの支持要素20に取り付けることができる。従って、ホルダー11が開いた状態において、2つの端部領域22、33は、開口幅が支持要素20の厚さよりも大きくなるまで広がる必要がある。ホルダーから外した時には、開口幅は、材料特性により元の大きさにまで小さくなる。
【0026】
実施形態によっては、ホルダー11は、皮革(例えば図4から7)、布地、又はプラスチック製、或いはこれらの材料の組合せからなるカバー37を有する。これにより、吊される物品、支持要素20の表面21、ホルダーと接触する他の物品に対する損傷が大部分回避される。外観が迅速に磨耗するのを低減し、且つホルダー11の表面を保護するために、ゴムの薄層によりこれらの傷つき易い個所を更に保護するようにしてもよい。
【0027】
テーブル又は同様のものの上にホルダー11を取り付けることができない場合には、その設計により別の変形形態が可能となる。具体的には、例えば椅子の背もたれ又はアームレスト、或いは棒又は同様のものにホルダー11を掛けることに関して:
− 背もたれに荷物を掛ける場合、第1リム15は背もたれに載り、主に第1リム部分27又は第1リム部分27に繋がる接続アーチ16若しくは遷移アーチ28でホルダー11が背もたれに載り、キャリア35は第2端部領域の湾曲部に支持される。
− 開いた状態でアームレスト、パイプ又は同様のものにホルダー11を掛ける場合、ホルダー11は同様に、主に第1リム15と第2リム25の第1リム部分27の間、すなわち第1リム15と第2リム25との間の接続アーチ16の領域で支持要素上に載る。キャリア35は第2端部領域33の湾曲部に掛けられる。しかしながら、ホルダー11がリング状に閉じられた場合、好適な物品にどのような位置でもホルダーを固定することができる。このように、ホルダー11の異なる部分が、位置に応じて荷物保持部すなわち載置部の役割を担う。
【0028】
ホルダー11は、第1端部領域22と第2端部領域33を互いに押圧することによって閉じることができる。これにより、荷物保持部25が広がり、第1端部領域22が第2端部領域33の下に押し出され、その結果、2つの端部領域が重なり合う。この重なりはモデルによってその程度が異なる。有用な最小限の重なりを1cmは確保する必要がある。そのため、端部領域22、33の重なり部分は平行な面上にある(図3)。
【0029】
閉じた状態において、例えばバッグのキャリア35を囲んでホルダー11が閉じられている場合は、ホルダー11は紛失することもなく持ち運ばれ、常に手元にあることになる。バッグのキャリア35に掛けられることで、小さな装身具とすることもできる。更に、ホルダー11で固定された物品の盗難をある程度防ぐことが可能となる。
【0030】
図4は、カバー付きホルダー11である。カバー37は皮革製の可撓性チューブからなる。皮革は、短い端部と、可撓性チューブの対向して延びている双方の長手方向側部とに沿って縫い合わされる。開いている短い端部は縫い合わされない。この開いた短い側部を引っ張って、第1端部領域側から曲がっているバンド状のバネ鋼湾曲部を覆う。従って、このバッグに似た皮革製の可撓性チューブの開口は最後には第2端部領域33にくる。この開口が金属製の閉鎖要素39で閉じられる。この閉鎖要素39は、第2端部領域33の後縁の周りで上に曲げられる。
【0031】
この閉鎖要素39とカバー37は図5に図示されている。第1端部領域22は、第2端部領域33の下に置かれ、バンド状バネ鋼のスプリング力により内側から第2端部領域33を押圧する。2つの端部領域の重なり部分は長さ15mmである。
【0032】
図6の断面図から、カバー37は外層と内層を有し、該2つの層は、バンドバネ鋼13の縁部に沿って縫製されていることがわかるであろう。内層はホルダー11の必要な滑り抵抗を確保し、外層は上品な外観を提供する。
【0033】
重なり部分が図7に断面で示されている。バンドバネ鋼の湾曲部により、2つの端部領域22,23は互いに押圧し合い、その結果リングを形成する。閉鎖要素39は第2端部領域に配置され、第1端部領域が可能な限り平坦になり、且つ滑り抵抗性の材料によりより広い範囲にわたりテーブル面上に載せることができる。
【0034】
要約すると、ハンドバッグ、バッグ、同様の物品を掛けるために開いた状態でU字形のホルダー11は、バンドバネ鋼のストリップ13で作られているといえる。ホルダー11は、延びている第1端部領域22を備えた第1リム15を有する。ホルダー11は、接続アーチ16により第1リム15に接続されている同じストリップ13の第2リム25を有する。外方に湾曲したU字形の第2リムは、U字形の内側に戻る湾曲した第2端部領域33を有する。このホルダー11では、2つのリム15、25を互いに押圧して押し合う端部領域22、33が約10mmの長さで重なり合うように、第2リム25の湾曲形状と長さは、第1リム15の長さに適合される。これにより、ホルダー11は、閉じてリング状にされ、更に再度開かれることの繰り返しが可能である。環状の閉じた状態では、第2端部領域33は、第1端部領域22を囲むように置かれる。ホルダーは、高い摩擦係数を有する材料で覆われるのが好ましい。ホルダーの外側を装飾し、又は表面を広告に使用することも可能である。ホルダー11により、バッグ、リュックサックなどの物品を、例えばテーブル上面、椅子の背もたれやアームレスト、さらには棒などに掛けることができる。ホルダー11は愛らしいので、バッグに掛けて装飾品として又は腕時計として持ち運ぶことができる。従ってホルダーが必要なときにはいつでも利用可能である。
【0035】
別の実施形態による実施例のリムの断面が図8に示される。このホルダーでは、コア部分はペリフェラル射出成形法で形成される。このペリフェラル射出成形法は2成分プラスチックからなる。更に腕時計43が第1リム上に固定される。
【0036】
この事例の腕時計は、組み込みの送信器/受信器ユニットを有し、これはキーリングとして設計された第2送信器/受信器ユニット(45)と協働する(矢印)。この2つの送信器/受信器ユニットは、互いから5メートルより遠位に離れると直ちにシグナル音を発する。この基準距離は、第2送信器/受信器ユニット上で設定することができる。2つの協働する送信器/受信器ユニットが一定時間の間基準距離よりも互いに接近したときにだけ第1受信器ユニットのシグナル音が止まるが、或いは、第2送信器/受信器ユニットの起動によりオフに切り換えることもできる。第2送信器/受信器ユニットのシグナル音は、手動で終了させてもよい。シグナル音の切り換えは、ここで述べた以外も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】水平上部になる開口ホルダーの概略図である。
【図2】バッグを掛けた状態の図1によるホルダーの概略図である。
【図3】図1および図20による閉じたホルダーの概略図である。
【図4】皮革カバーで覆われたホルダーの透視略図である。
【図5】第2リムの重なり端部領域を備えた、第1リム側からの図4による閉じたホルダーである。
【図6】図4又は5によるホルダーのリムの断面図である。
【図7】2つのリムの2つが重なる端部領域の長手方向断面図である。
【図8】コア部分がバネ鋼からなり、そのカバーがペリフェラル射出成形で構成され、腕時計が配置されているホルダーのリムの断面図である。
【符号の説明】
【0038】
11 ホルダー、15 第1リム、16 接続アーチ、22 第1端部領域、25 第2リム、27 第1リム部分、28 遷移アーチ、29 第2リム部分、33 第2端部領域、37 カバー、39 閉鎖要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にバネ鋼バンドのような伸縮性のある弾性材料で作られ且つ開いた状態でU字形であるバンド(13)を有する、ハンドバッグをテーブルに掛けるための装置(11)であって、
第1端部領域(22)で終端する延びている第1リム(15)と、
外方にC字形に湾曲し、且つU字形の内側に湾曲した第2端部領域(33)で終端する第2リム(25)と、
前記2つのリム(15,25)をつなぐ接続アーチ部(16)と、
を備え、
前記2つの端部領域(22,33)を互いに押し付け合い、従って前記装置(11)をリング状に閉じ且つ再度開くことを繰返すことができ、
前記閉じた位置において、前記第2端部領域(33)が前記第1端部領域(22)の上に導かれ、そこで前記第1端部領域(22)に対し外側から押圧する、
前記装置(11)において、
前記第1端部領域(22)と、前記閉じた位置で該第1端部領域(22)に重なる湾曲して戻った前記第2端部領域(33)とが、前記重なり部の領域において平面で向き合って延びるうに設計され、前記閉じた位置で互いに平行に向けられていることを特徴とする装置(11)。
【請求項2】
前記バンドの弾性材料に比べて摩擦係数の高い材料、特にゴム、軟質プラスチック、模造皮革、又は皮革からなる層(37)が前記バンド(13)の内側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
鋼材よりも摩擦係数の高い材料、例えば皮革、プラスチック、織布、ゴム、又はこれらの材料の組合せからなるカバー(37)が、前記バンド(13)を完全に包み込むことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記カバー(37)が、可撓性のチューブ又はバッグのように設計され、前記可撓性チューブ又は前記バッグが押されて前記バンド(13)を覆うことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記カバー(37)が、短い端部でバッグ状に閉じるように設計され、反対側の短い端部でバッグ状開口を含み、前記バッグ状開口が別個の閉鎖部品(39)で閉じられることを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記閉鎖部品(39)が前記湾曲して戻った第2端部領域(33)の後縁を囲む金属製クリップ又はプラスチック製クリップであることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記カバー(37)が、前記バンド(13)の伸縮性のある弾性材料のコーティング又はペリフェラルキャストにより、特に2成分プラスチックのペリフェラル射出成形(23)により形成されたことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記カバー上に装飾品(41)、例えば宝石又はプリントを備え、或いは前記カバー(37)の外側に腕時計(43)を備えることを特徴とする請求項3から7に記載の装置。
【請求項9】
前記バンド(13)の内側のカバー(37)が、前記バンド(13)の外側のカバー(37)とは異なる材料からなることを特徴とする請求項3から8に記載の装置。
【請求項10】
前記バンド(13)の内側の前記カバー(37)が、軟質プラスチック、特に2成分プラスチック又はゴムで作られたていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記バンド(13)の外側の前記カバー(37)が、皮革又は模造皮革、プラスチック、或いは織布で作られていることを特徴とする請求項3から10の一項に記載の装置。
【請求項12】
第1送信器及び/又は受信器(43)が前記装置上に配置され、前記バンドから離れている第2送信器及び/又は受信器(45)と通信するように装備され、前記2つの送信器/受信器(43,45)の互いに対し一定距離以遠ではアラーム音を発することを特徴とする前記請求項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−512878(P2007−512878A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541778(P2006−541778)
【出願日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【国際出願番号】PCT/CH2004/000683
【国際公開番号】WO2005/053478
【国際公開日】平成17年6月16日(2005.6.16)
【出願人】(506191471)
【Fターム(参考)】