説明

バッテリの充電システム

【課題】複数のバッテリから他のバッテリに電力を好適に供給する。
【解決手段】コントローラ450は、複数の充電器410,420,430の夫々に接続されたバッテリ114,116,118のうち、余剰の電力量が大きいバッテリから優先的に、残存容量が最も低いバッテリ、電力量の不足量が最も大きいバッテリまたは利用者によって指定されたバッテリに優先的に電力を供給させるように、複数の充電器410,420,430を制御する。さらに、コントローラ450は、電力を放電したバッテリの余剰の電力量が、充電中でない他のバッテリの余剰の電力量と同じになると、余剰の電力量が同じ複数のバッテリから、特定のバッテリに電力を供給させるように、複数の充電器410,420,430を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バッテリの充電システムに関し、特に、バッテリから別のバッテリへ電力を供給する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電動モータからの駆動力で走行する電気自動車およびハイブリッド車が知られている。一般的に、電気自動車には、電動モータに供給する電力を蓄えるバッテリが搭載されている。バッテリは、たとえば充電ステーションおよび自宅などにおいて、電気自動車の外部から供給される電力により充電される。別の充電方式として、特開2010−252520号公報は、一方の車両のバッテリから他方の車両のバッテリに電力を供給することを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−252520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特開2010−252520号公報においては、1つのバッテリから他の1つのバッテリに電力を供給する場合のみを想定し、複数のバッテリから他のバッテリに電力を供給する場合は想定されていない。
【0005】
本発明の目的は、複数のバッテリから他のバッテリに電力を好適に供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
ある実施例において、バッテリの充電システムは、3つ以上の複数の双方向コンバータと、複数の双方向コンバータを制御する制御装置とを備える。制御装置は、複数の双方向コンバータの夫々に接続されたバッテリのうち、余剰の電力量が大きいバッテリから優先的に、特定のバッテリに電力を供給させ、電力を放電したバッテリの余剰の電力量と、充電中でない他のバッテリの余剰の電力量との差がしきい値以下になると、余剰の電力量の差がしきい値以下の複数のバッテリから、特定のバッテリに電力を供給させるように、複数の双方向コンバータを制御する。
【0007】
この構成によると、電力量の余裕が大きいバッテリから優先的に放電し、その後、複数のバッテリから放電することによって、電源となるバッテリの残存容量を平準化できる。そのため、バッテリ間の残存容量の差異を低減できる。その結果、複数のバッテリから他のバッテリに電力を好適に供給できる。
【0008】
別の実施例において、特定のバッテリは、各双方向コンバータに接続されたバッテリのうち、残存容量が最も低いバッテリである。
【0009】
この構成によると、電力が消費されたバッテリの残存容量を優先的に回復できる。
さらに別の実施例において、特定のバッテリは、各双方向コンバータに接続されたバッテリのうち、電力量の不足量が最も大きいバッテリである。
【0010】
この構成によると、電力が消費されたバッテリの残存容量を優先的に回復できる。
さらに別の実施例において、特定のバッテリは、各双方向コンバータに接続されたバッテリの中から利用者によって指定されたバッテリである。
【0011】
この構成によると、例えば利用者が使用したいと希望するバッテリの残存容量を優先的に回復できる。
【0012】
さらに別の実施例において、充電システムは、複数の双方向コンバータを迂回して、特定のバッテリと余剰の電力量が最も大きいバッテリとを直接接続し、余剰の電力量が最も大きいバッテリから特定のバッテリへ電力を供給する迂回回路をさらに備える。制御装置は、特定のバッテリの型式と、余剰の電力量が最も大きいバッテリの型式とが同じである場合、または、特定のバッテリの仕様と、余剰の電力量が最も大きいバッテリの仕様とが同じである場合に、迂回回路に、複数の双方向コンバータを迂回して、特定のバッテリと余剰の電力量が最も大きいバッテリとを直接接続させる。
【0013】
この構成によると、双方向コンバータで電力を損失せずに、特定のバッテリを充電できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】電気自動車を示す概略構成図である。
【図2】電気自動車の電気システムを示す図である。
【図3】充電システムを示す図である。
【図4】商用電源が利用可能である場合の充電システムを示す図である。
【図5】商用電源が利用不可である場合、または商用電源を利用しない場合の充電システムを示す図である。
【図6】2つのバッテリから1つのバッテリに電力を供給する場合の充電システムを示す図である。
【図7】充電器を迂回して2つのバッテリを直接接続した状態の充電システムを示す図である。
【図8】コントローラが実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0016】
図1を参照して、電気自動車には、電動モータ100と、バッテリ110と、ECU(Electronic Control Unit)120とが搭載される。電気自動車は、電動モータ100からの駆動力により走行する。すなわち、電動モータ100が駆動源として電気自動車に搭載される。
【0017】
電動モータ100は、たとえば、U相コイル、V相コイルおよびW相コイルを備える、三相交流回転電機である。電動モータ100は、バッテリ110に蓄えられた電力により駆動する。電動モータ100の駆動力は、駆動輪130に伝えられる。
【0018】
電気自動車の回生制動時には、駆動輪130により電動モータ100が駆動され、電動モータ100が発電機として作動する。これにより電動モータ100は、制動エネルギを電力に変換する回生ブレーキとして作動する。電動モータ100により発電された電力は、バッテリ110に蓄えられる。
【0019】
バッテリ110は、複数のバッテリセルを一体化したバッテリモジュールを、さらに複数直列に接続して構成された組電池である。バッテリ110の電圧は、たとえば200V程度である。バッテリ110には、電動モータ100の他、電気自動車の外部の電源から供給される電力が充電される。
【0020】
なお、本実施の形態においては、一例として電気自動車を用いるが、内燃機関などのエンジンを搭載したハイブリッド車または航続距離拡張機能付電気自動車を用いてもよい。燃料電池を搭載した燃料電池車を用いてもよい。
【0021】
ECU120は、電動モータ100およびバッテリ110などを制御する。本実施の形態において、ECU120は、バッテリ110の残存容量(SOC:State Of Charge)[%]、バッテリ110の余剰の電力量[kWh]、バッテリ110の電力量の不足分、バッテリ110の型式、バッテリ110の仕様などの種々の情報を算出および記憶する。
【0022】
一例として、バッテリ110の残存容量は、バッテリ110の放電電力量および充電電力量などから周知の方法を用いて算出される。バッテリ110の余剰の電力量とは、バッテリ110の残存容量の予め定められた下限値と現在の残存容量との差または差を電力量に換算した値に相当する。バッテリ110の電力量の不足分とは、満充電時の残存容量と現在の残存容量との差または差を電力量に換算した値に相当する。
【0023】
本実施の形態において、電気自動車には、さらに、通信装置140が搭載される。通信装置140は、後述する充電システムのコントローラと、無線および有線などの任意の通信方式で通信するために用いられる。通信装置140は、バッテリ110の電圧、バッテリ110の残存容量、バッテリ110の余剰の電力量、バッテリ110の電力量の不足分、バッテリ110の型式、バッテリ110の仕様などの種々の情報を、充電システムのコントローラに向けて送信する。
【0024】
図2を参照して、電気自動車の電気システムについてさらに説明する。電気自動車には、コンバータ200と、インバータ210とが設けられる。
【0025】
コンバータ200は、リアクトルと、二つのnpn型トランジスタと、二つダイオードとを含む。リアクトルは、各バッテリの正極側に一端が接続され、2つのnpn型トランジスタの接続点に他端が接続される。
【0026】
2つのnpn型トランジスタは、直列に接続される。npn型トランジスタは、ECU120により制御される。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すようにダイオードがそれぞれ接続される。
【0027】
なお、npn型トランジスタとして、たとえば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることができる。npn型トランジスタに代えて、パワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field-Effect Transistor)等の電力スイッチング素子を用いることができる。
【0028】
バッテリ110から放電された電力を電動モータ100に供給する際、電圧がコンバータ200により昇圧される。逆に、電動モータ100により発電された電力をバッテリ110に充電する際、電圧がコンバータ200により降圧される。
【0029】
インバータ210は、U相アーム、V相アームおよびW相アームを含む。U相アーム、V相アームおよびW相アームは並列に接続される。U相アーム、V相アームおよびW相アームは、それぞれ、直列に接続された2つのnpn型トランジスタを有する。各npn型トランジスタのコレクタ−エミッタ間には、エミッタ側からコレクタ側へ電流を流すダイオードがそれぞれ接続される。そして、各アームにおける各npn型トランジスタの接続点は、電動モータ100の各コイルの中性点とは異なる端部にそれぞれ接続される。
【0030】
インバータ210は、バッテリ110から供給される直流電流を交流電流に変換し、電動モータ100に供給する。また、インバータ210は、電動モータ100により発電された交流電流を直流電流に変換する。コンバータ200およびインバータ210は、ECU120により制御される。
【0031】
図3を参照して、バッテリを充電する充電ステーションについて説明する。充電ステーションには、AC/DC変換回路(双方向インバータ)402と、充電器(双方向DC/DCコンバータ)410,420,430と、リレー440と、コントローラ450と、切替回路460とを備える充電システム400が設けられる。図3においては、3つの充電器410,420,430を示すが、4つ以上の充電器を設けてもよい。また、リレーの数および構成は、図示するものに限定されない。
【0032】
一例として、充電システム400は、3台の車両のバッテリを接続可能であるように、3つのポート471,472,473が設けられる。なお、4台以上の車両のバッテリを接続可能であるように構成してもよい。充電システム400には、車両に搭載されていないバッテリが接続可能であってもよい。充電システム400、特に充電器410,420,430は、コントローラ450により制御される。
【0033】
AC/DC変換回路402は、単相ブリッジ回路から成る。AC/DC変換回路402は、たとえば電力会社が所有する施設(発電所、変電所など)から供給された交流電力を直流電力に変換する。また、AC/DC変換回路402は、コイルをリアクトルとして用いることにより電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路としても機能し得る。
【0034】
充電器410,420,430は、AC/DC変換回路402とバッテリとの間に接続される。充電器410,420,430は、一例としてバッテリ114,116,118を充電するための電力を出力する。充電器410,420,430は、絶縁トランスを有する絶縁型充電器である。絶縁型の充電器を用いなくてもよい。バッテリ114,116,118は、車両に搭載されてもよく、特定の場所に設置されてもよい。
【0035】
さらに、本実施の形態において、充電器410,420,430は、双方向DC/DCコンバータとしての機能を有するため、夫々の充電器410,420,430に接続されたバッテリ114,116,118から放電するように動作することも可能である。
【0036】
リレー440は、AC/DC変換回路402と、充電器410,420,430との間に設けられる。リレー440を開くと、商用電源470と充電器410,420,430とが遮断される。
【0037】
切替回路460は、リレー461,462,463と、迂回回路464とを含む。リレー461,462,463は、夫々、充電器410,420,430とバッテリ114,116,118との間に設けられる。リレー461が開くと、充電システム400とバッテリ114とが遮断される。同様に、リレー462が開くと、充電システム400とバッテリ116とが遮断され、リレー463が開くと、充電システム400とバッテリ118とが遮断される。
【0038】
迂回回路464は、複数の充電器410,420,430を迂回して、バッテリ同士を直接接続し、バッテリから他のバッテリへ電力を供給する。迂回回路464は、リレー465,466を含む。本実施の形態においては、リレー461,462,463とリレー465,466とを組み合わせることにより、直接接続するバッテリの組合せを選択可能である。
【0039】
コントローラ450は、AC/DC変換回路402と、充電器410,420,430と、リレー440,461,462,463と、迂回回路464とを制御する。さらに、コントローラ450は、各車両に搭載された通信装置から、バッテリの電圧、バッテリの残存容量、バッテリの余剰の電力量、バッテリの電力量の不足分、バッテリの型式、バッテリの仕様などの種々の情報を受信する。
【0040】
コントローラ450は、たとえば商用電源470が利用可能である場合は、図4に示すように、リレー440を閉じるとともに、リレー461,462,463の少なくともいずれか1つを閉じて、バッテリ114,116,118のうちの少なくともいずれか1つを充電するように、各充電器410,420,430を制御する。
【0041】
一方、停電時または昼間などの予め定められた時間帯において、コントローラ450は、リレー440を開き、複数の充電器410,420,430の夫々に接続されたバッテリ114,116,118のうち、余剰の電力量が大きいバッテリから優先的に、残存容量が最も低いバッテリ、電力量の不足量が最も大きいバッテリまたは利用者によって指定されたバッテリに優先的に電力を供給させるように、複数の充電器410,420,430を制御する。停電が発生したか否かは、たとえばAC/DC変換回路402の入力電圧がしきい値以下であるか否かに基づいてコントローラ450が判断する。
【0042】
さらに、コントローラ450は、電力を放電したバッテリの余剰の電力量と、充電中でない他のバッテリの余剰の電力量との差がしきい値以下になると、余剰の電力量の差がしきい値以下の複数のバッテリから、充電対象の特定のバッテリに電力を供給させるように、複数の充電器410,420,430を制御する。しきい値は、「0」以上の所定の値として開発者により予め定められる。したがって、電力を放電したバッテリの余剰の電力量が、充電中でない他のバッテリの余剰の電力量と同じになると、余剰の電力量が同じ複数のバッテリから、充電対象の特定のバッテリに電力を供給させるように、複数の充電器410,420,430が制御される。
【0043】
一例として、複数の充電器410,420,430の夫々に接続されたバッテリ114,116,118のうち、バッテリ118の余剰の電力量が最も大きいと想定する。また、バッテリ114,116,118のうち、バッテリ114の残存容量が最も低いと想定する。
【0044】
この場合、図5に示すように、リレー440とリレー462とが開かれ、リレー461とリレー463とが閉じられる。その結果、バッテリ118とバッテリ114とが、充電器410と充電器430とを介して接続される。この状態において、充電器430は、バッテリ118から放電するようにコントローラ450によって制御される。充電器410は、バッテリ118から放電された電力をバッテリ114に供給するようにコントローラ450によって制御される。
【0045】
バッテリ118の余剰の電力量と、バッテリ116の余剰の電力量との差がしきい値以下になるまで(例えば、バッテリ118の余剰の電力量が、バッテリ116の余剰の電力量と同じになるまで)低下すると、図6に示すように、さらに、リレー462が閉じられる。その結果、バッテリ116が、充電器410と充電器420とを介してバッテリ114に接続される。この状態において、充電器430は、バッテリ118から放電するようにコントローラ450によって制御されるとともに、充電器420は、バッテリ116から放電するようにコントローラ450によって制御される。充電器410は、バッテリ118およびバッテリ116から放電された電力をバッテリ114に供給するようにコントローラ450によって制御される。
【0046】
バッテリ114の充電は、一例として、バッテリ114の残存容量が予め定められた目標値に到達するまで、あるいは、バッテリ118の残存容量もしくはバッテリ116の残存容量が所定の下限値に到達するまで継続される。
【0047】
電力量の余裕が大きいバッテリ118から優先的に放電し、その後、複数のバッテリ116,118から放電することによって、電源となるバッテリ116,118の残存容量を平準化できる。そのため、バッテリ116とバッテリ118との間の残存容量の差異を低減できる。バッテリ116とバッテリ118の残存容量を平準化することで、停電時においてもバッテリ116およびバッテリ118の電力を同等に確保できる。したがって、バッテリ116を搭載した車両と、バッテリ118を搭載した車両との両方を走行可能な状態に維持できる。
【0048】
また、コントローラ450は、充電対象となる特定のバッテリの型式と、余剰の電力量が最も大きいバッテリの型式とが同じである場合、または、充電対象となる特定のバッテリの仕様と、余剰の電力量が最も大きいバッテリの仕様とが同じである場合に、迂回回路464に、複数の410,420,430を迂回して、充電対象となる特定のバッテリと余剰の電力量が最も大きいバッテリとを直接接続させる。
【0049】
一例として、バッテリ118の余剰の電力量が最も大きく、バッテリ114の残存容量が最も低く、バッテリ114の型式とバッテリ118の型式とが同じであると想定する。この場合、図7に示すように、リレー440とリレー462とが開かれ、リレー461と、リレー463と、リレー465と、リレー466とが閉じられる。その結果、バッテリ118とバッテリ114とが、充電器410と充電器430とを迂回して直接接続される。これにより、バッテリ118からバッテリ114に自発的に電力が供給される。そのため、充電器410,430での電力損失を生じさせずに、バッテリ114を充電できる。
【0050】
図8を参照して、本実施の形態においてコントローラ450が実行する処理について説明する。以下に説明する処理は、ソフトウェアにより実現してもよく、ハードウェアにより実現してもよく、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現してもよい。
【0051】
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、停電が発生したか、あるいは現在時刻が予め設定された時間帯に含まれるかが判断される。停電が発生した場合、または、現在時刻が予め設定された時間帯に含まれる場合(S100にてYES)、S102にて、AC/DC変換回路402と充電器410,420,430との間のリレー440が開かれる。
【0052】
その後、S104にて、充電対象のバッテリが特定される。一例として、利用者がコントローラ450を操作することによってバッテリを指定した場合、指定されたバッテリが、充電対象のバッテリとして特定される。利用者がバッテリを指定しない場合、バッテリ残存容量が最も低いバッテリを充電対象のバッテリとして特定してもよく、電力量の不足量が最も大きいバッテリを充電対象のバッテリとして特定してもよい。
【0053】
さらに、S106にて、優先的に放電するバッテリが特定される。一例として、余剰の電力量が最も大きいバッテリが特定される。その後、S108にて、充電対象となる特定のバッテリの型式と、優先的に放電されるバッテリの型式とが同じであるかが判断される。充電対象となる特定のバッテリの仕様と、優先的に放電されるバッテリの仕様とが同じであるかを判断してもよい。
【0054】
充電対象となる特定のバッテリの型式と優先的に放電されるバッテリの型式とが同じ、または、充電対象となる特定のバッテリの仕様と優先的に放電されるバッテリの仕様とが同じであると(S108にてYES)、S110にて、充電器を迂回して、充電対象となる特定のバッテリと優先的に放電されるバッテリとが直接接続される。
【0055】
その後、充電対象となる特定のバッテリの電圧と優先的に放電されるバッテリとが一致すると(S112にてYES)、S104にて、充電対象のバッテリが再び特定され、後続の処理が繰り返される。
【0056】
充電対象となる特定のバッテリの型式と優先的に放電されるバッテリの型式とが異なる場合(S108にてNO)、S114にて、優先的に放電される、余剰の電力量が最も大きいバッテリから充電対象の特定のバッテリに電力を供給するように、複数の充電器410,420,430が制御される。
【0057】
その後、電力を放電したバッテリの余剰の電力量と、充電中でない他のバッテリの余剰の電力量とがしきい値以下になると(S116にてYES)、S118にて、余剰の電力量の差がしきい値以下の複数のバッテリから、特定のバッテリに電力を供給させるように、複数の充電器410,420,430が制御される。
【0058】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0059】
100 電動モータ、110,114,116,118 バッテリ、140 通信装置、400 充電システム、402 AC/DC変換回路、410,420,430 充電器、440,461,462,463,465,466 リレー、450 コントローラ、460 切替回路、464 迂回回路、470 商用電源、471,472,473 ポート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つ以上の複数の双方向コンバータと、
前記複数の双方向コンバータを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
前記複数の双方向コンバータの夫々に接続されたバッテリのうち、余剰の電力量が大きいバッテリから優先的に、特定のバッテリに電力を供給させ、
電力を放電したバッテリの余剰の電力量と、充電中でない他のバッテリの余剰の電力量との差がしきい値以下になると、余剰の電力量の差が前記しきい値以下の複数のバッテリから、前記特定のバッテリに電力を供給させるように、前記複数の双方向コンバータを制御する、バッテリの充電システム。
【請求項2】
前記特定のバッテリは、各前記双方向コンバータに接続されたバッテリのうち、残存容量が最も低いバッテリである、請求項1に記載のバッテリの充電システム。
【請求項3】
前記特定のバッテリは、各前記双方向コンバータに接続されたバッテリのうち、電力量の不足量が最も大きいバッテリである、請求項1に記載のバッテリの充電システム。
【請求項4】
前記特定のバッテリは、各前記双方向コンバータに接続されたバッテリの中から利用者によって指定されたバッテリである、請求項1に記載のバッテリの充電システム。
【請求項5】
前記複数の双方向コンバータを迂回して、前記特定のバッテリと余剰の電力量が最も大きいバッテリとを直接接続し、余剰の電力量が最も大きいバッテリから前記特定のバッテリへ電力を供給する迂回回路をさらに備え、
前記制御装置は、前記特定のバッテリの型式と、余剰の電力量が最も大きいバッテリの型式とが同じである場合、または、前記特定のバッテリの仕様と、余剰の電力量が最も大きいバッテリの仕様とが同じである場合に、前記迂回回路に、前記複数の双方向コンバータを迂回して、前記特定のバッテリと余剰の電力量が最も大きいバッテリとを直接接続させる、請求項1に記載のバッテリの充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−99233(P2013−99233A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−243395(P2011−243395)
【出願日】平成23年11月7日(2011.11.7)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】