説明

バネバランサ構造

【課題】 組み立てが容易で、ロッドの先端とシリンダとの間の回転位置のずれを容易に修正することのできるバネバランサ構造を提供すること。
【解決手段】 リテーナ6の中央部に貫通孔17を設けてロッド5の一端を貫通させ、ロッド5の一端に刻設された雄ネジ16にナット19を緩めに螺合してロッド5の回転を許容する。または、リテーナ6の中央部に雌ネジ21を設け、ロッド5の一端に刻設された雄ネジ16を緩めに螺合することによってロッド5の回転を許容する。ロッド5の先端とシリンダ4との間の回転位置のずれを組み立て完了後に修正できるので、組み立て時の厳密な位置合わせが不要となり、製造工程が簡略化される。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バネバランサ構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ロボットアーム等を始めとする機械の揺動可動部の姿勢変化によって生じる重力負荷の変動を相殺するバネバランサ構造が公知である。図5および図6に従来のバネバランサ構造を示す。
【0003】図5は、ロボットアーム1の主要部とバネバランサ2の外観を示す側面図であり、ロボットアーム1はベース3上に揺動可能に取り付けられてサーボモータ等を駆動源として垂直面内で揺動駆動されるようになっている。姿勢1aに示すようにロボットアーム1が直立した状態ではロボットアーム1の中心軸に沿って作用する荷重がロボットアーム1とベース3の枢着点Qの半径方向に作用するだけでQ点の周りに何らの回転モーメントも作用しないが、姿勢1bに示すようにロボットアーム1が反時計方向に揺動するとQ点の周りに左回りの回転モーメントが、また、姿勢1cに示すようにロボットアーム1が時計方向に揺動するとQ点の周りに右回りの回転モーメントが作用し、これらのモーメントに抗してロボットアーム1の静止状態を保つためにサーボモータ等に大きな負荷が作用して電力の無駄につながる。
【0004】バネバランサ2は、このような姿勢変化で生じる重力負荷の変動を相殺または軽減するために設けられたものであり、図6(a)に示す通り、概略において、シリンダ4,フロントプレート8,ロッド5,リテーナ6,コイルスプリング7,リアプレート10によって構成される。
【0005】シリンダ4の先端には、中央部に貫通孔を備えたフロントプレート8が固設され、その貫通孔に挿通したロッド5の一端に取り付けられたリテーナ6とフロントプレート8との間に予圧したコイルスプリング7が介装されて、ロッド5が常にシリンダ4に突入する方向に付勢されている。なお、スリーブ9はロッド5の直動性を保持するための補助部材であり、フロントプレート8側にボルト等で固着されてロッド5の直動をガイドするようになっている。
【0006】シリンダ4の外周部両側には、ベース3上に一体に立設されたステープル11のピン12と嵌合するスリーブ13が一体的に設けられ、図5に示すように、スリーブ13およびピン12を介し、シリンダ4がステープル11に対して揺動自在に枢着されている。また、ロッド5の先端には、ロボットアーム1の下端部に固着されたピン14と嵌合する貫通孔を備えたクレビス15が一体的に設けられ、図4に示すように、ピン14を介してロッド5の先端がロボットアーム1の下端部に揺動自在に枢着されている。
【0007】要するに、図5の姿勢1bに示すようにロボットアーム1が反時計方向に揺動すると、バネバランサ2の姿勢が2bの状態に変化してコイルスプリング7が圧縮され、クレビス15がピン14を引いてロボットアーム1に時計方向の回転モーメントを与えることによりロボットアーム1の姿勢変化で生じた重力負荷による反時計方向の回転モーメントを打ち消し、また、姿勢1cに示すようにロボットアーム1が時計方向に揺動すると、バネバランサ2の姿勢が2cの状態に変化してコイルスプリング7が圧縮され、クレビス15がピン14を引いてロボットアーム1に反時計方向の回転モーメントを与えてロボットアーム1の姿勢変化で生じた重力負荷による時計方向の回転モーメントを打ち消す構造である。
【0008】このような構成においては、重力負荷の打ち消し効果を安定的に維持する必要上、コイルスプリング7が最大限に伸長した状態でも、その内部に或る程度の弾性エネルギーが蓄圧されるようにする必要がある。つまり、コイルスプリング7を或る程度予圧した状態でフロントプレート8とリテーナ6との間に介装しなければならないということであって、さもないと、ロボットアーム1が図5に示す直立姿勢1aの状態から僅かに傾いた際に、コイルスプリング7の反力による重力負荷の打ち消し効果が全く期待できなくなるといった問題が生じる。
【0009】また、コイルスプリング7が予圧されていても、リテーナ6がリアプレート10に底突きしてコイルスプリング7の反力がリアプレート10で受け止められてしまっては無意味であるから、コイルスプリング7が最大限に伸長した状態でも、リテーナ6とリアプレート10との間に或る程度の間隙ΔDが形成されるようにしなければならない。機械各部の組み立て誤差やバネバランサ2の取り付け誤差を解消してコイルスプリング7の反力による重力負荷の打ち消し効果を確保するためにも、この間隙ΔDは重要である。
【0010】一方、ステープル11のピン12およびロボットアーム1のピン14に対しバネバランサ2を円滑に揺動させるためには、ピン12とピン14が平行であるのと同様、バネバランサ2の組み立て段階で、スリーブ13の中心軸とクレビス15の貫通孔の中心軸とが完全に平行となるようにシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相を合わせておく必要があり、図6(b)に示されるようにスリーブ13の中心軸とクレビス15の貫通孔の中心軸との間に捩じれが生じてしまった場合には、クレビス15、即ち、ロッド5を強制的に回転させてシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相を修正しなければならなくなる。
【0011】しかし、バネバランサ2の組み立て段階でシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相を合わせるためには専用の治具を利用した複雑な組み立て作業が必要であり、また、組み立て作業が完了してからシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相を修正する場合には、既に、予圧したコイルスプリング7がリテーナ6とフロントプレート8との間に介装されており、クレビス15とリテーナ6もロッド5に対して溶接されているので、クレビス15を回転させるためには、実質的にこれと一体化されているリテーナ6を、リテーナ6とコイルスプリング7の端面との間に作用する強力な摩擦力に抗して回転させなければならず、大きな力が必要になるという問題が生じる。
【0012】更に、このような強制的な作業によってクレビス15を回転させることができたとしても、リテーナ6とコイルスプリング7の端面との間の摩擦によってコイルスプリング7が捩られる場合があり、クレビス15から力を取り除いたときにこの捩じれが回復し、当初予定した回転位置にリテーナ6やクレビス15が静止しなくなるといった問題もある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題は、前記従来技術の欠点を解消し、組み立てが容易で、しかも、組み立てが完了してからでもロッドの先端とシリンダとの間の回転位置のずれを容易に修正することのできるバネバランサ構造を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、中央部に貫通孔を備えたフロントプレートをシリンダの先端に固設し、前記貫通孔に挿通したロッドの一端に取り付けたリテーナと前記フロントプレートとの間に予圧したスプリングを介装し、前記シリンダを機械の固定部に枢着すると共に前記ロッドの他端を機械の揺動可動部に枢着して、前記揺動可動部の姿勢変化によって前記固定部と揺動可動部との間に生じる重力負荷の変動を、スプリングの伸縮で生じる反力の変化により相殺するようにしたバネバランサ構造において、リテーナに対しロッドを容易に回転できるようにしたことを特徴とする構成により前記課題を達成した。
【0015】リテーナに対してロッドを容易に回転させるための具体的な手段として、リテーナの中央部に貫通孔を設けて前記ロッドの一端を貫通させ、該ロッドの一端に刻設された雄ネジにナットを螺合してリテーナを止める構成、および、リテーナの中央部に雌ネジを設けて前記ロッドの一端に刻設された雄ネジを螺合することによりリテーナを止める構成を提案する。
【0016】更に、ロッドの一端に刻設された雄ネジにナットを螺合してリテーナを止める場合には、中央部に開口を有するリアプレートをシリンダの後端に固設し、ロッドの先端とシリンダとの間の回転位置の位相を修正した後に、リアプレートの開口から前記ナットを完全に締結してリテーナとロッドとの間の完全固定作業を行うようにする。
【0017】また、リテーナに対してロッドを容易に回転させるための別の段として、リテーナの中央部に貫通孔を設けてロッドを貫通させ、該ロッドの一端に設けたフランジによってリテーナの抜け止めを形成する構成を提案する。このような構成においては、シリンダの後端に固設したリアプレートに孔を設け、この孔から押圧部材を突入させることによりスプリングの予圧に抗してリテーナを前進させ、フランジとリテーナとの当接面に間隙を形成させることで、前記ロッドの回転を容易に行えるようにする。
【0018】例えば、前記孔を雌ネジによって形成し、押圧部材となる雄ネジを捩じ込んで前記リテーナを前進させるようにすることで、フランジとリテーナとの当接面に簡単に間隙を形成させることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1はリテーナ6の中央部に貫通孔を設けてロッド5の一端を貫通させ、ロッド5に刻設された雄ネジ16にナット17を螺合することによってリテーナ6にロッド5を回転自在に取り付けるようにした場合の実施形態について示す断面図である。
【0020】リテーナ6とロッド5の取り付け構造およびリアプレート10の形状を除く他の構成に関しては図6R>6の従来例と同様であるので、図1においては図6と重複する部分の記載は省略している。
【0021】図1に示すように、雄ネジ16は縮径されたロッド5の一端に刻設され、リテーナ6の中央部には縮径されたロッド5の一端を通すための貫通孔17が穿設されている。
【0022】リテーナ6は、最終的に、ロッド5の縮径部と大径部との間に形成された段差部18と雄ネジ16に螺合されたナット19とによって表裏を挟まれてロッド5に一体的に固定されるが、バネバランサ2の組み立ての段階では、段差部18とリテーナ6の内側端面との間に2〜3ピッチ分のネジ山を残してナット19を螺合するようにし、リテーナ6に対してロッド5が自由に回転できるようにしておく。
【0023】この実施形態の場合、バネバランサ2の組み立て完了後にシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相のずれが発見された場合であっても、これを後から容易に修正することができるので、組み立ての段階でシリンダ4とクレビス15の回転位置を正確に合わせる必要はない。
【0024】そして、バネバランサ2の組み立て完了後に図6(b)に示されるようなシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相のずれが検出された場合には、図4に示すようにしてクレビス15を回転させて、実質的な現物合わせによりロボットアーム1側のピン14にクレビス15の貫通孔を差し込めるようにする。
【0025】クレビス15を固着したロッド5はリテーナ6に対して回転自在とされているので、クレビス15の回転位置の修正は容易である。また、クレビス15から手を放しても一旦決めた回転位置にロッド5およびクレビス15がそのまま維持されるので、ピン14とクレビス15の貫通孔との間に捩じり戻しによる噛りが生じることもない。
【0026】リテーナ6とロッド5の最終的な固定作業は、リアプレート10の中央部に穿設された開口20からボックスレンチ等を差し込み、ナット19でリテーナ6をロッド5に完全に締結させることで達成される。また、この作業によりリテーナ6の位置が組み立て段階で残しておいたネジ山の分だけフロントプレート8側に向けて前進し、リテーナ6とリアプレート10との間に必要とされる間隙ΔDが確保される。
【0027】図2はリテーナ6の中央部に雌ネジ21を設けてロッド5の一端に刻設した雄ネジ16を直に螺合することによってリテーナ6にロッド5を回転自在に取り付けるようにした場合の実施形態について示す断面図である。
【0028】リテーナ6とロッド5の取り付け構造を除く他の構成に関しては図5の従来例と同様であるので、図2においては図6と重複する部分の記載は省略している。
【0029】図2に示すように、雄ネジ16は縮径されたロッド5の一端に刻設され、リテーナ6の中央部にはロッド5の雄ネジ16を螺合させるための雌ネジ21が刻設されている。
【0030】バネバランサ2の組み立てに際し、ロッド5の雄ネジ16と大径部との間に形成された段差部18とリテーナ6の内側端面との間に2〜3ピッチ分のネジ山を残して雄ネジ16にリテーナ6を螺合するようにし、リテーナ6に対してロッド5が或る程度回転できるようにしておく。
【0031】この際、リテーナ6の回り止めとして段差部18とリテーナ6の内側端面との間にスプリングワッシャ等を介装してもよく、その場合は、ロッド5の回転を妨げないよう、スプリングワッシャに圧縮される余地を残して取り付けるようにする。
【0032】前記と同様、バネバランサ2の組み立て完了後にシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相のずれが発見された場合であっても、これを後から容易に修正することができるので、組み立ての段階でシリンダ4とクレビス15の回転位置を正確に合わせる必要はない。
【0033】バネバランサ2の組み立て完了後に図6(b)に示されるようなシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相のずれが検出された場合には、クレビス15を回転させて、実質的な現物合わせによりロボットアーム1側のピン14にクレビス15の貫通孔を差し込めるようにする。
【0034】クレビス15を固着したロッド5はリテーナ6に対して回転可能とされているので、クレビス15の回転位置の修正は容易である。また、クレビス15から手を放しても一旦決めた回転位置にロッド5およびクレビス15がそのまま維持されるので、ピン14とクレビス15の貫通孔との間に捩じり戻しによる噛りが生じることもない。
【0035】図3はリテーナ6の中央部に貫通孔17を設けてロッド5を貫通させ、ロッド5の一端に設けたフランジ22によってリテーナ6の抜け止めを形成し、更に、リテーナ6を前進させるための押圧部材を突入させるための孔23をリアプレート10に設けることで、リテーナ6に対してロッド5を回転自在に取り付けるようにした場合の実施形態について示す断面図である。
【0036】リテーナ6とロッド5の取り付け構造およびリアプレート10の形状を除く他の構成に関しては図6R>6の従来例と同様であるので、図3においては図6と重複する部分の記載は省略している。
【0037】図3に示すように、ロッド5の一端にはリテーナ6の抜け止めとなるフランジ22が一体に形成され、ロッド5の全長は、フランジ22の内側端面の位置までリテーナ6が後退したときに、リテーナ6とリアプレート10との間に必要とされる間隙ΔDが形成されるように調整されている。
【0038】また、孔23はリアプレート10を貫通する雌ネジによって構成され、この雌ネジ23に押圧部材となる雄ネジ24を螺合してネジジャッキのように突入させることにより、リテーナ6をコイルスプリング7の予圧に抗して前進させ、フランジ22とリテーナ6との当接面、つまり、フランジ22の内側端面とリテーナ6の外側端面との間に間隙を形成させて、リテーナ6と独立してロッド5を自在に回転させられるようになっている。
【0039】なお、リテーナ6をコイルスプリング7の予圧に抗して前進させる際にリテーナ6とロッド5の摺動面に不用意な噛りが発生するのを防止する必要上、雌ネジ23は、リアプレート10の周方向に沿って等間隔に複数配備することが望ましい。図3に示す例では180度ピッチで2ヵ所に配備している。
【0040】前記と同様、バネバランサ2の組み立て完了後にシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相のずれが発見された場合であっても、ロッド5の回転によってこれを後から容易に修正することができるので、組み立ての段階でシリンダ4とクレビス15の回転位置を正確に合わせる必要はない。
【0041】そして、バネバランサ2の組み立て完了後に図6(b)に示されるようなシリンダ4とクレビス15の回転位置の位相のずれが検出された場合には、図3に示すようにしてリアプレート10の孔23(雌ネジ23)に押圧部材となる雄ネジ24を螺合し、雄ネジ24の先端でリテーナ6を押圧して前進させ、フランジ22とリテーナ6との当接面に間隙を形成させてロッド5が自由に回転できるようにしてクレビス15の回転位置合わせを行う。
【0042】また、押圧部材となる雄ネジ24として長めのものを使用してコイルスプリング7を圧縮すれば、クレビス15をロッド5の軸方向にも或る程度自由に突出縮退させることができるので、バネバランサ2の取り付けに際して軸方向の誤差が生じてロボットアーム1側のピン14とクレビス15の貫通孔の位置にずれが生じたような場合にも、この取り付け誤差を解消して簡単に組立作業を行うことができる。
【0043】その後、押圧部材となる雄ネジ24の螺合を解除してリアプレート10から取り外せば、リテーナ6とリアプレート10との間に必要とされる間隙ΔDが自動的に形成される。
【0044】図3の実施形態ではリアプレート10の孔23を雌ネジによって構成し、この孔に雄ネジ24を螺合することによってリテーナ6を容易に前進させられるようにしているが、リアプレート10に孔さえ開けておけば、そこから押圧部材を突入させてリテーナ6を前進させることは可能である。
【0045】例えば、リアプレート10に2つの孔を穿設して一方の孔からロッド材等の押圧部材を突入させてリテーナ6を前進させておき、その間にもう一方の孔からL型の六角レンチを突入させてその先端屈曲部をリアプレート10の内側に引っ掛けてリテーナ6の戻りを防止することによっても、最低限必要とされる機能は達成することができる。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、バネバランサの組み立てが完了してからでもロッドの先端とシリンダとの間の回転位置のずれを容易に修正することのできるので、回転位置を合わせるための専用治具を用いた複雑な組み立て作業をなくしてバネバランサの製造工程を簡略化することができる。
【0047】また、組み立てが完了してからロッドの先端とシリンダとの間の回転位置のずれを修正する際には、予圧されたコイルスプリングの押圧力によってロッドの回転が阻害されることはないので、僅かな力でロッドを回転させて修正作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のバネバランサの内部構造を示す断面図である。
【図2】本発明の他の一実施形態のバネバランサの内部構造を示す断面図である。
【図3】本発明の更に他の一実施形態のバネバランサの内部構造を示す断面図である。
【図4】一実施形態のバネバランサの取り付け状態を示す断面図(a)と正面図(b)である。
【図5】従来のバネバランサを示す側面図である。
【図6】従来のバネバランサの内部構造を示す断面図(a)と問題となる回転位置のずれを示す正面図(b)である。
【符号の説明】
1 ロボットアーム
2 バネバランサ(従来例)
3 ベース
4 シリンダ
5 ロッド
6 リテーナ
7 コイルスプリング
8 フロントプレート
9 スリーブ
10 リアプレート
11 ステープル
12 ピン
13 スリーブ
14 ピン
15 クレビス
16 雄ネジ
17 貫通孔
18 段差部
19 ナット
20 開口
21 雌ネジ
22 フランジ
23 孔(雌ネジ)
24 押圧部材(雄ネジ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 中央部に貫通孔を備えたフロントプレートをシリンダの先端に固設し、前記貫通孔に挿通したロッドの一端に取り付けたリテーナと前記フロントプレートとの間に予圧したスプリングを介装して、前記シリンダを機械の固定部に枢着すると共に前記ロッドの他端を機械の揺動可動部に枢着し、前記揺動可動部の姿勢変化によって前記固定部と揺動可動部との間に生じる重力負荷の変動を、スプリングの伸縮で生じる反力の変化により相殺するようにしたバネバランサ構造において、前記リテーナに対し前記ロッドを容易に回転できるようにしたことを特徴とするバネバランサ構造。
【請求項2】 前記リテーナの中央部に貫通孔を設けて前記ロッドの一端を貫通させ、該ロッドの一端に刻設された雄ネジにナットを螺合することにより前記リテーナに対し前記ロッドを容易に回転できるようにしたことを特徴とする請求項1記載のバネバランサ構造。
【請求項3】 中央部に開口を有するリアプレートを前記シリンダの後端に固設し、前記リアプレートの開口から前記ナットを締結できるようにしたことを特徴とする請求項2記載のバネバランサ構造。
【請求項4】 前記リテーナの中央部に雌ネジを設けて前記ロッドの一端に刻設された雄ネジを螺合することにより前記リテーナに対し前記ロッドを容易に回転できるようにしたことを特徴とする請求項1記載のバネバランサ構造。
【請求項5】 前記リテーナの中央部に貫通孔を設けて前記ロッドを貫通させ、該ロッドの一端に設けたフランジによってリテーナの抜け止めを形成すると共に、前記シリンダの後端にリアプレートを固設し、前記リテーナをスプリングの予圧に抗して前進させてフランジとリテーナとの当接面に間隙を形成させるための押圧部材を突入させるための孔を前記リアプレートに設けたことを特徴とする請求項1記載のバネバランサ構造。
【請求項6】 前記孔を雌ネジによって形成し、押圧部材となる雄ネジを捩じ込むことによって前記リテーナを前進させるようにしたことを特徴とする請求項5記載のバネバランサ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開平11−216697
【公開日】平成11年(1999)8月10日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−33519
【出願日】平成10年(1998)2月2日
【出願人】(390008235)ファナック株式会社 (1,110)