説明

バルコニー及びこれを備えたユニット建物

【課題】床パネルの梁背を低くするとともに取付金具の板背を低くして、床パネル全体の厚みを薄くできるバルコニーを提供する。
【解決手段】梁材21,22を組み合わせた床パネル26と、ユニット建物1の構造体12aに配置して床パネル26を取付ける取付金具32と、を備え、床パネル26をユニット建物1から張出して形成するバルコニー2において、取付金具31は、構造体12aに固定する取付部32aと、この取付部32aから床パネル26の張出し方向に沿って突出する突出部32bと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バルコニー及びこれを備えたユニット建物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅のバルコニーとして下階の建物ユニットの上に設けられるものや、下階の建物ユニットがなく片持ち状に張り出すものなどが知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、複数の孔を有する取付金具を建物に取付け、この複数の孔に対応する複数の孔をバルコニー側にも設け、いずれかひとつの孔を合致させた状態で棒材を挿入し、この孔を回転中心として傾斜させてすべての孔を合致させるバルコニーの取付方法が開示されている。この構成によれば、きわめて容易かつ迅速に取付作業をおこなうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公平7−68720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記特許文献1では、建物に取付けた取付金具が建物の前面より前方に突出しているため、バルコニー内に取付金具が突出することとなり、カバーを設ける必要があった。
【0006】
また、床パネル全体の厚みに配慮したものではなかったため、床パネル全体の厚みが大きくなり、居室内からバルコニーへ出入りしにくいものとなっていた。
【0007】
そこで、本発明は、床パネルの梁背を低くするとともに取付金具の板背を低くして、床パネル全体の厚みを薄くできるバルコニーと、このバルコニーを備えたユニット建物と、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明のバルコニーは、梁材を組み合わせた床パネルと、建物の構造体に配置して前記床パネルを取付ける取付金具と、を備え、前記床パネルを前記建物から張出して形成するバルコニーにおいて、前記取付金具は、前記建物の構造体に固定する取付部と、該取付部から前記床パネルの張出し方向に沿って突出する突出部と、を有することを特徴とする。
【0009】
そして、前記床パネルは、前記建物に沿って並設し、前記取付金具は、並設される前記床パネルの隣接する梁材の両方を取付ける並設部取付金具とし、前記突出部は、隣接する前記梁材の間に挟まれて接合する構成とすることができる。
【0010】
また、前記取付部は、前記建物に沿う板材により形成し、前記突出部は、前記取付部の中心よりも、接合する前記床パネルの梁材側に偏位した位置から突出する構成とすることができる。
【0011】
そして、前記突出部は、少なくとも取付ける前記床パネルの梁材の略半分の長さを有することが好ましい。
【0012】
そして、前記床パネルの梁材のうち前記突出部に接合する一方の梁材の梁背は、該突出部に接合しない対向する位置にある他方の梁材の梁背より低く形成する構成とすることができる。
【0013】
そして、前記突出部の板背は、前記床パネルの仕上がり面より上に突出しないように形成する構成とすることができる。
【0014】
そして、前記建物の構造体は、前記床パネルの前記建物に沿う梁材を下方から支持する受金具を有する構成とすることができる。
【0015】
そして、前記突出部は、突出方向に並ぶ複数の取付孔を有し、該複数の取付孔は、前記取付部側に配置したものほど前記突出部の下端からの距離が小さい構成とすることができる。
【0016】
そして、本発明のユニット建物は、上記したいずれか一項に記載のバルコニーを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
このように、本発明のバルコニーは、床パネルと取付金具とを備え、この床パネルを建物から張出して配置するバルコニーであって、前記取付金具は、前記建物の構造体に固定する取付部と、該取付部から前記床パネルの張出し方向に沿って突出する突出部と、を有している。
【0018】
したがって、取付金具によって床パネルを建物の構造体に取付ける際に、取付金具の突出部によって梁材を補強して梁背を低くしつつ、梁材によって突出部を補強して突出部の板背を低くすることで、床パネル全体の厚みを薄くできる。
【0019】
また、床パネルを建物に沿って並設し、取付金具を並設される床パネルの隣接する梁材の両方を取付ける並設部取付金具とし、突出部を隣接する前記梁材の間に挟まれて接合する場合では、一対の梁材で突出部を挟み込むことで、梁材同士でも補強しあうことができ、梁背及び板背をさらに低くすることができて床パネル全体の厚みを薄くできる。
【0020】
また、取付部を建物に沿う板材により形成し、突出部を取付部の中心よりも、接合する床パネルの梁材側に偏位した位置から突出する場合では、突出部の梁材取付け面の裏側に生じる空間を利用して床パネルの梁材を突出部に取付けることができ、作業性の向上を図ることができる。また、床パネルの表面に床板を設置可能な領域を拡大することができ、建物施工現場での工程を低減することができる。
【0021】
そして、突出部を、少なくとも梁材の略半分の長さを有するように形成することで、突出部によって効果的に梁材を補強することができる。
【0022】
そして、床パネルの梁材のうち突出部に接合する一方の梁材の梁背を、突出部に接合しない対向する位置にある他方の梁材の梁背より低く形成することで、床パネル全体の厚みを薄くしつつも、他方の梁材によって床パネル全体の剛性を維持できる。
【0023】
そして、突出部の板背を、床パネルの仕上がり面より上に突出しないように形成することで、突出部を保護するためのカバーを設ける必要がなくなる。
【0024】
そして、建物の構造体が、床パネルの建物に沿う梁材を下方から支持する受金具を有することで、床パネルを薄くした場合でも撓みや振動を抑制して安定した歩行感を得ることができる。
【0025】
そして、突出部が突出方向に並ぶ複数の取付孔を有し、これらの複数の取付孔が、取付部側に配置したものほど突出部の下端からの距離が小さいことで、梁材の水平調整を容易に行うことができ、取付精度及び作業性の向上を図ることができる。
【0026】
そして、本発明のユニット建物が、上記したいずれかのバルコニーを備えることで、バルコニーの床パネルが所定の剛性を有しつつも、床パネル全体の厚みを薄くしたユニット建物となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の実施例1のバルコニーの構成を説明する斜視図である。
【図2】ユニット建物全体の構成を説明する斜視図である。
【図3】本発明の実施例1のバルコニーの構成を説明する断面図である。
【図4】実施例1のバルコニーの並設部の構成を説明する平面図である。
【図5】実施例1のバルコニーの並設部の構成を説明する断面図である。
【図6】実施例1のバルコニーの並設部取付金具の構成を説明する斜視図である。
【図7】実施例1のバルコニーの出隅部の構成を説明する平面図である。
【図8】実施例1のバルコニーの取付金具の構成を説明する斜視図である。
【図9】実施例1のバルコニーの並設部取付金具の変形例1の構成を説明する説明図であり、(a)は分解斜視図、(b)は平面図である。
【図10】実施例1のバルコニーの並設部取付金具の変形例2の構成を説明する説明図であり、(a)は斜視図、(b)は要部平面図、(c)は正面図である。
【図11】実施例1のバルコニーの並設部取付金具の変形例3の構成を説明する分解斜視図である。
【図12】実施例1のバルコニーの並設部取付金具の変形例4の構成を説明する斜視図である。
【図13】図12に示す並設部取付金具を適用したバルコニーの並設部の構成を示す平面図である。
【図14】(a)は図13におけるA−A断面図であり、(b)は図13におけるB−B断面図であり、(c)は図13におけるC−C断面図である。
【図15】図13に示すバルコニーの並設部の側面図である。
【図16】実施例1のバルコニーの出隅部の変形例の構成を説明する説明図であり、(a)は平面図、(b)は図16(a)におけるD−D断面図である。
【図17】本発明の実施例2のバルコニーの構成を説明する斜視図である。
【図18】実施例2のバルコニーの並設部の構成を説明する分解斜視図である。
【図19】実施例2のバルコニーの構成を説明する建物の桁に沿った断面図である。
【図20】実施例2のバルコニーの取付金具の構成を説明する説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は正面図である。
【図21】実施例2のバルコニーの並設部を説明する平面図である。
【図22】実施例2のバルコニーの並設部を説明する断面図である。
【図23】実施例2のバルコニーの並設部の変形例を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0029】
まず、図2を用いて本発明のバルコニー2を備えるユニット建物1の全体構成を説明する。
【0030】
本発明のユニット建物(建物)1は、図2に示すように、基礎の上に設置された1階部分となる複数の建物ユニット11,…と、この建物ユニット11,…の上に設置された2階部分となる複数の建物ユニット12,…と、2階部分の建物ユニット12,12の前面に片持ち状に張出したバルコニー2,2と、建物ユニット12,…の上に設置された屋根パネルと、を備えている。
【0031】
なお、この図2ではユニット建物1は2階の建物となっているが、少なくとも2階以上であればよく、3階以上の建物としてもよい。また、地下部分がある場合など1階部分にも適用できる。
【0032】
この建物ユニット11,12は、建物の構造体として、矩形の頂点に配置された4本の柱と、この柱の下端間を連結した4本の床梁と、この柱の上端間を連結した4本の天井梁とからなる骨組み構造体を備えている(不図示)。
【0033】
ここにおいて、この骨組み構造体では柱として角形鋼管などを使用することができる。さらに、床梁および天井梁として、溝形鋼などを使用することができる。
【0034】
そして、本実施例のユニット建物1には、図1,2に示すように、2階の建物ユニット12,12の前面に、下方に支持する構造体がなく、片持ち状に張出したバルコニー2,2が設けられている。
【0035】
このバルコニー2,2は、梁材としての妻梁21,21及び桁梁22,22を矩形に組み合わせた床パネル26と、建物の構造体としての2階の床梁12aに配置されて床パネル26を取付ける取付金具としての取付金具31、並設部取付金具32、受金具33と、を備えており、一対の床パネル26,26が妻方向(短辺方向)に並設されて形成されるバルコニー2,2である。
【0036】
それぞれのバルコニー2は、図1,4に示すように、構造体として短辺方向に配置される妻梁21,21と、長辺方向に配置される桁梁22,22と、対向する桁梁22,22間に架け渡される小梁23,…と、隅角部に立設される支柱24,24,24と、支柱24,24間に架け渡される手摺25,25と、を備えている。
【0037】
この妻梁21,21は、断面C字状の鋼材によって形成されるもので、並設部取付金具32の突出部32bと接合される一方の妻梁21の梁背は、床パネル26の仕上がり面より上に突出しないように、対向する他方の妻梁21の梁背よりも低く形成されている。
【0038】
加えて、後述する図7に示すように、対向する他方の出隅部の妻梁21の端面には、取付部21aが溶接され、この取付部21aに直交して突出部21bが溶接されている。
【0039】
さらに、桁梁22,22は、断面C字状の鋼材によって形成されるもので、ユニット建物1に近い一方の桁梁22の梁背は、2階の建物ユニット12内の床レベルとバルコニー2内の床レベルとが略同一となるように、対向する桁梁22の梁背よりも低く形成されている。
【0040】
そして、この妻梁21と桁梁22とが矩形に組み合わされた上で、桁梁22,22間に小梁23,…が配置され、小梁23,…の上に野地板、防水シート、塩ビ被覆鋼板などが貼設され、小梁23,…の下に軒天受合板を介して合板が貼設されて、床パネル26が形成される。
【0041】
また、並設部や入隅部などに配置される並設部取付金具32は、図4,5,6に示すように、並設されるバルコニー2,2の隣接する妻梁21,21の両方を支持している。
【0042】
この並設部取付金具32は、鋼板によって形成されるもので、ユニット建物1の2階の建物ユニット12の構造体としての床梁12aに取付けられる取付部32aと、隣接する梁材としての妻梁21,21の間に挟まれて接合される突出部32bと、を備えている。
【0043】
この取付部32aは、図6に示すように、鋼板などによって平板状に形成されるもので、板面の中央からやや下方に突出部32bが溶接によって突設されているとともに、上方と中央付近にはボルトなどによって床梁12aに取付けるための取付孔が設けられている。
【0044】
また、突出部32bは、図6に示すように、鋼板などによって断面逆T字の板状に形成されるもので、一端が取付部32aに溶接によって固定されたうえで補強板32e,32eによって補強されるとともに、ウェブ32cとフランジ32dには妻梁21を固定するための固定孔が設けられている。
【0045】
したがって、並設部取付金具32の突出部32bのウェブ32cは、両方の妻梁21,21のウェブにボルトなどによって固定され、突出部32bのフランジ32dは、両方の妻梁21,21の下フランジにボルトなどによって固定される。
【0046】
そして、この突出部32bの突出方向の長さは、妻梁21に対する補強効果が大きくなるように、少なくとも隣接する妻梁21の全長の略半分の長さを有するように形成されている。なお、この突出部32bの突出方向の長さは、妻梁21の長さと略同一に形成されることが補強効果の面からは好ましい。
【0047】
加えて、この突出部32bのウェブ32cの高さである梁背は、床パネル26の仕上がり面よりも上に突出しないように形成されている。
【0048】
そして、出隅部に配置される取付金具31は、鋼板によって形成されるもので、図7,8に示すように、バルコニー2の出隅部の妻梁21を支持している。
【0049】
この出隅部の取付金具31は、ユニット建物1の2階の建物ユニット12の構造体としての柱12bに取付けられる取付部31aと、梁材としての妻梁21に取付けられる突出部31bと、を備えており、取付板12cで補強された柱12bに取付けられている。
【0050】
したがって、図7に示すように、出隅部の取付金具31の突出部31bと、出隅部の妻梁21の突出部21bと、がボルトなどによって固定されることで、出隅部において床パネル26が建物の構造体に取付けられる。
【0051】
さらに、2階の建物ユニット12の桁方向中央近傍に配置される受金具33は、バルコニー2のユニット建物1に近いほうの桁梁22の中央近傍を支持している。
【0052】
この受金具33は、鋼板を略L字状に折り曲げて形成されるもので、一方の面がボルトなどによって2階の建物ユニット12の床梁12aに取付けられ、他方の面が床パネル26の桁梁22を支持した状態で桁梁22とボルトなどによって固定されている。
【0053】
次に、本実施の形態のバルコニーの作用・効果について説明する。
【0054】
(1) このように、本発明のバルコニー2,2は、床パネル26と、床パネル26を取付ける取付金具31及び並設部取付金具32と、を備えており、床パネル26が建物ユニット12から張出して形成するものである。
【0055】
そして、取付金具である並設部取付金具32は、建物の構造体としての床梁12aに固定する取付部32aと、この取付部32aから床パネル26の張出し方向に沿って突出する突出部32bと、を有している。
【0056】
このため、並設部取付金具32の突出部32bによって妻梁21を補強して梁背を低くしつつ、妻梁21によって突出部32bを補強して突出部32bの板背を低くすることができ、床パネル26全体の厚みを薄くすることができる。
【0057】
そして、実施例1のバルコニー2では、床パネル26を建物ユニット12に沿って並設し、取付金具である並設部取付金具32は、床パネル26,26の隣接する妻梁21,21の両方を取付ける構成であり、突出部32bは、隣接する妻梁21,21の間に挟まれて接合する。
【0058】
したがって、バルコニー2の下方に別の建物ユニットがないような場合であっても、並設部取付金具32によって床パネル26を建物の構造体に取付けることができる。
【0059】
加えて、並設部取付金具32の突出部32bによって妻梁21を補強して妻梁21の梁背を低くしつつ、妻梁21によって突出部32bを補強して突出部32bの板背を低くすることで、床パネル26全体の厚みを薄くできる。
【0060】
すなわち、並設部では、一方の妻梁21と並設部取付金具32と他方の妻梁21との3つの部材が互いに補強しあうことによって、それぞれの部材の高さを抑制できる。
【0061】
(2) そして、並設部取付金具32の突出部32bは、少なくとも梁材としての妻梁21の略半分の長さを有するように形成されることで、突出部32bによって効果的に妻梁21を補強することができる。
【0062】
つまり、バルコニー2に荷重が作用した場合に曲げモーメントが大きくなる、妻梁21付け根近傍の所定範囲を並設部取付金具32によって補強することで、妻梁21の梁背を低く抑えることができる。
【0063】
(3) また、床パネル26の梁材のうち突出部32bと接合される一方の梁材としての妻梁21の梁背は、対向する他方の妻梁21の梁背より低く形成されることで、床パネル26全体の厚みを薄くしつつも、他方の梁材としての妻梁21によって床パネル26全体の剛性を維持できる。
【0064】
すなわち、バルコニー2どうしが接合される並設部においては仕上がり面より上に一方の妻梁21が突出しないようにすることで、部品点数を削減できる、施工性が向上する、通行の際の障害物がなくなる、外観意匠が向上する、などの効果が達成される。
【0065】
加えて、出隅部においては仕上がり面より上に他方の妻梁21が突出しても、バルコニー2の壁内に突出するだけで問題は少ないため、梁背を高くして床パネル26全体の剛性を上げている。
【0066】
(4) さらに、出隅部の取付金具31は、建物の構造体としての柱12bに取付けられる取付部31aと、床パネル26の梁材としての妻梁21や桁梁22に取付けられる突出部31bと、を備えるとともに、突出部31bの板背は、床パネル26の仕上がり面より上に突出しないように形成されることで、突出部31bを保護するためのカバーを設ける必要がなくなる。
【0067】
つまり、従来は、取付金具31の突出部31bが床パネル26の仕上がり面より上に突出していたため、これを覆おうためのカバーを設けることが必要であった。そこで、突出部31bの板背(高さ)を抑制することで、取付強度はやや劣るものの必要な強度は確保しつつカバーを不要にした。
【0068】
(5) また、建物の構造体としての床梁12aには、床パネル26の建物に沿う梁材としての桁梁22を下方から支持する受金具33が配置されることで、床パネル26を薄くした場合でも撓みや振動を抑制して安定した歩行感を得ることができる。
【0069】
すなわち、床パネル26を薄くすると、それに伴って荷重による撓みや振動などが問題となることが予測されるため、これを防ぐために桁梁22の途中部分を支持して固有振動数を変化させることで歩行感を向上させている。
【0070】
(6) そして、本発明のユニット建物1は、上記したいずれかのバルコニー2を備えることで、バルコニー2の床パネル26が所定の剛性を有しつつも、床パネル26全体の厚みを薄くしたユニット建物1となる。
【0071】
加えて、このようにバルコニー2の床パネル26を薄くして床レベルを下げることができれば、片持ち状に張出さない通常のバルコニーとの部品の共通化を図ることができるうえ、片持ち状のバルコニー2と通常のバルコニーとを連続的に配置することも容易になる。
【0072】
また、従来は小梁23,…の上に根太を設置していたが、この根太を配置せずに小梁23,…の上に直接的に面材を貼設することによって、部品点数を削減し、施工性を向上させることができる。
【0073】
(変形例1)
まず、構成を説明する。
図9は、実施例1のバルコニーの並設部取付金具の変形例1の構成を説明する説明図であり、(a)は分解斜視図、(b)は平面図である。
【0074】
変形例1の並設部取付金具34は、建物ユニット12に固定する取付部34aと、取付部34aから床パネル張出し方向に突出する突出部34bと、を備えている。
【0075】
取付部34aは、建物ユニット12の柱12bに固定する平板状の固定部34aaと、固定部34aaから床パネル張出し方向に延在する断面L字状の延在部34abと、を有している。延在部34abは、固定部34aaに溶着している。また、延在部34abは、固定部34aaの中心から建物ユニット12の中心側にオフセットした位置に固定している。
【0076】
突出部34bは、並設する床パネル26,26の一方の妻梁21の端面に設けた平板状の固着プレート36aと、この固着プレート36aから建物ユニット12に向かって突出した平板状の取付用プレート36bと、を有するブラケット34baと、互いに隣接する妻梁21,21の間に挟まれる補強プレート34bbと、を備えている。
【0077】
固着プレート36aは、妻梁21の端面に溶着している。取付用プレート36bは、延在部34abに対向配置され、図示しないボルトを介してこの延在部34abに取付けられる。
【0078】
補強プレート34bbは、少なくとも互いに隣接する妻梁21,21の略半分の長さを有する鋼板であり、その板背(高さ)は床パネル26の仕上がり面より上に突出しないように形成する。そして、この補強プレート34bbを挟んだ状態で、ボルトBにより隣り合う妻梁21、21を互いに固定する。
【0079】
次に、作用を説明する。
この変形例1の並設部取付金具34を介して、並設する床パネル26,26を取付けるには、まず、建物ユニット12の柱12bに設けた取付部34aの延在部34abと、一方の妻梁21に設けた突出部34bの取付用プレート36bを対向させる。このとき、延在部34abが断面L字状であるため、この延在部34abに取付用プレート36bを仮置きでき、位置決めを容易に行うことができる。
【0080】
そして、延在部34abと取付用プレート36bを、図示しないボルトを介して固定し、一方の妻梁21を建物ユニット12に固定する。
【0081】
その後、補強プレート34bbを挟んで並設する他方の妻梁21を、既に建物ユニット12に固定された一方の妻梁21に固定する。このとき、延在部34abが建物ユニット12の中心側にオフセットした位置に固定しているので、並設する妻梁21,21の床パネル接合面S1と、隣接する建物ユニット12,12の建物ユニット接合面S2との位置を一致させることができる(図9(b)参照)。
【0082】
また、補強プレート34bbを妻梁21,21間に挟むことで、梁背の高さを小さくしても床パネルの撓みを防止することができ、床パネル全体の厚みを薄くできる。
【0083】
(変形例2)
図10は、実施例1のバルコニーの並設部取付金具の変形例2の構成を説明する説明図であり、(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は正面図である。
【0084】
変形例2の並設部取付金具37は、建物ユニット(ここでは図示せず)に固定する取付部37aと、取付部37aから床パネル張出し方向に沿って突出する突出部37bと、を有している。
【0085】
取付部37aは、隣接する建物ユニットの双方にまたがって固定可能な幅を有する板材により形成する。この取付部37aには、ボルト等により建物ユニットに取付けるための取付孔が形成されている。
【0086】
突出部37bは、断面逆T字状を呈する鋼材により形成し、溶接により取付部37aの中央に固定している。この突出部37bには、ボルト等により妻梁を固定するための取付孔が形成されている。さらに、この突出部37bの基部の両側には、補強板37c,37cが2段ずつ設けられている。
【0087】
この変形例2の並設部取付金具37では、突出部37bの両側を補強板37c,37cで補強することで、補強強度の向上を図ることができ、床パネルの撓みや振動等をさらに抑制することができる。
【0088】
(変形例3)
図11は、実施例1のバルコニーの並設部取付金具の変形例3の構成を説明する分解斜視図である。
【0089】
変形例3の並設部取付金具38は、建物ユニット12に固定する取付部38aと、取付部38aから床パネル張出し方向に沿って突出する突出部38bと、を有している。
【0090】
取付部38aは、互いに隣接する建物ユニット12,12の一方の柱12bに取付ける平板鋼板からなる第一取付部39aと、他方の柱12bに取付ける平板鋼板からなる第二取付部39bと、を有している。第一,第二取付部39a,39bは、それぞれ床パネル張出し方向に突出する突出部保持板40と、桁梁保持板41と、を備えると共に、柱12bに固定するためのボルト(図示せず)が貫通する複数の貫通孔43が形成されている。
【0091】
各突出部保持板40,40は、互いに近接する位置に設けられた平板鋼板からなり、第一,第二取付部39a,39bに溶着している。これらの突出部保持板40,40には、それぞれ一対のボルト貫通孔40a,40aが形成されている。このボルト貫通孔40a,40aには、突出部38bを貫通保持するボルトBが貫通する。
【0092】
また、各桁梁保持板41,41は、互いに離反する位置に設けられた平板鋼板からなり、第一,第二取付部39a,39bに溶着している。これらの桁梁保持板41,41には、それぞれ複数のボルト貫通孔41a,…が形成されている。このボルト貫通孔41a,…には、床パネルの桁梁を固定するボルト(図示せず)が貫通する。
【0093】
突出部38bは、並設する一対の床パネルの妻梁に挟まれるものであり、床パネル(図示せず)に仕上がり面より上に突出しない大きさの板背(高さ)を有する帯状の平板鋼板から形成されている。この突出部38bの一端部には、ボルトBが貫通する一対のボルト貫通孔38c,38cが形成され、中間部には、突出方向に並ぶ複数の妻梁固定用のボルト貫通孔38d,38dが形成されている。
【0094】
この変形例3の並設部取付金具38では、突出部38bが隣接する建物ユニット12,12の接合面に沿って突出することができると共に、これらの建物ユニット12,12の両方で突出部38bを支持することができる。
【0095】
このため、突出部38bを安定して支持することができ、床パネルの撓み等の発生を防止できる。
【0096】
(変形例4)
図12は、実施例1のバルコニーの並設部取付金具の変形例4の構成を説明する斜視図である。図13は、図12に示す並設部取付金具を適用したバルコニーの並設部の構成を示す平面図である。図14は、(a)は図13におけるA−A断面図であり、(b)は図13におけるB−B断面図であり、(c)は図13におけるC−C断面図である。図15は、図13に示すバルコニーの並設部の側面図である。
【0097】
変形例4の並設部取付金具45は、建物ユニット12に固定する取付部45aと、取付部45aから床パネル張出し方向に沿って突出する突出部45bと、を有している。
【0098】
取付部45aは、隣接する建物ユニット12,12の双方にまたがって固定可能な幅を有する板材により形成する。この取付部45aには、ボルト等により建物ユニットに取付けるための取付孔が形成されている。
【0099】
突出部45bは、並設する床パネル26,26の妻梁21,21の間に挟まれて接合される第一突出部46aと、隣接する建物ユニット12,12の間に挟まれて接合される第二突出部46bと、を有している。
【0100】
第一突出部46aは、断面逆T字状を呈する鋼材により形成し、取付部45aに溶着している。この第一突出部46aの垂直方向に起立するウェブ46cには、ボルト等により妻梁21,21を固定するための複数の取付孔が形成されている。また、第二突出部46bは平板形状を呈する鋼材により形成し、取付部45aに垂直方向に起立した状態で溶着している。この第二突出部46bにも、ボルト等により建物ユニット12,12を固定するための複数の取付孔が形成されている。ここで、図14(b),(c)に示すように、第一突出部46aのウェブ46cの高さは、床パネル26の妻梁21の梁背よりも僅かに高くなっている。
【0101】
この変形例4の並設部取付金具45では、突出部45bが床パネル26側と建物ユニット12側とのそれぞれに突出しているので、床パネル接合面S1と建物ユニット接合面S2との間にズレが生じにくくなり、安定して床パネル26を設置することができる。
【0102】
(変形例5)
図16は、実施例1のバルコニーの出隅部の変形例の構成を説明する説明図であり、(a)は平面図、(b)は図16(a)におけるD−D断面図である。
【0103】
この変形例5は、床パネル26の出隅部を建物ユニット12に固定する取付金具の変形例であり、この取付金具47は、建物ユニット12の柱12bにボルトBにより固定された平板状の取付部47aと、この取付部47aに溶着された平板状の突出部47bと、を有している。
【0104】
ここで、突出部47bは、建物ユニット12に沿って、つまり取付部47aに対して平行に延在しており、取付部47aから突出した部分(図16(a)においてαで示す部分)には、床パネル26をボルトBで固定するための取付孔が形成されている。
【0105】
この出隅部の変形例では、取付部47aと突出部47bとが平行になっているため、建物ユニット12からの床パネル26の張出し量を抑制することができる。
【実施例2】
【0106】
実施例2のバルコニーは、1つの取付金具に対して1つの床パネルを取付ける構成としたものである。
【0107】
まず、構成を説明する。
実施例2のバルコニー2Aは、図17に示すように、妻梁21,21及び桁梁22,22を矩形に組み合わせた床パネル26と、建物の構造体である2階の床梁12a又は柱12bに配置した取付金具としての第一取付金具51、第二取付金具52、受金具53と、を備えている。
【0108】
このバルコニー2Aは、一対の床パネル26,26を建物ユニット12,12に沿って妻方向(短辺方向)に並設して形成する。なお、床パネル26の構成は実施例1と同等であるので説明を省略する。
【0109】
第一取付金具51は、並設する一対の床パネル26,26同士が隣接する並設部を支持する取付金具であり、図18及び図19に示すように、建物ユニット12の柱12bに固定する取付部51aと、取付部51aから床パネル26の張出し方向に沿って突出する突出部51bと、を有している。この第一取付金具51は、取付部51aを一対のボルトB1,B1により建物ユニット12の床梁12aに固定することで、建物ユニット12に取付ける。また、突出部51bには、一対のボルトB2,B2により床パネル26の妻梁21を取付ける。なお、妻梁21の内側には予めウエルドナットN,Nを溶接しておく。
【0110】
第二取付金具52は、床パネル26の出隅部を支持する取付金具であり、構成は実施例1の取付金具31と同等であるので、ここでは説明を省略する。
【0111】
受金具53は、床パネル26のユニット建物1に近い方の桁梁22の中央部近傍を支持する取付金具であり、構成は実施例1の受金具33と同等であるので、ここでは説明を省略する。
【0112】
第一取付金具51の取付部51aは、図20に示すように、鋼板などによって平板状に形成されるもので、突出部51bの一端が下端部の位置を揃えた状態で溶着されていると共に、上方と中央付近にはボルトB1,B1がそれぞれ貫通する一対の取付孔54a,54aが設けられている。
【0113】
第一取付金具51の突出部51bは、図20に示すように、鋼板などによって断面L字の板状に形成されるもので、一端が取付部51aに溶着された上で背面側が補強板51e,51eによって補強されている。また、垂直方向に起立したウェブ51cには、ボルトB2が貫通する一対の取付孔54b,54b及び位置合せ用穴54cが設けられている。そして、水平方向に延びるフランジ51dは、取付ける妻梁21側に突出している。さらに、この突出部51bは、取付部51aの中心よりも、接合する妻梁21側に偏位した位置から突出する(図20(c)参照)。
【0114】
さらに、一対の取付孔54b,54bは、取付部51a側に配置したものほど、突出部51bの下端部、すなわちフランジ51dからの距離が小さい。つまり、図20(b)において、H1>H2となっている。
【0115】
次に、作用を説明する。
実施例2のバルコニー2Aを建物ユニット12に設けるには、まず、建物ユニット12に第一取付金具51、第二取付金具52、受金具53をそれぞれ取付ける。ここで、各取付金具は、予め工場内で溶接組立されており、ユニット建物1の施工現場では、ボルトB1,B1等によって建物ユニット12の所定位置に取付けられる。また、第一取付金具51、第二取付金具52、受金具53は、それぞれ1つの床パネル26ごとに1つずつ使用される。
【0116】
次に、床パネル26を各取付金具に固定し、バルコニー2Aを形成する。ここで、床パネル26は、予め工場内で妻梁21と桁梁22とが矩形に組み合わされると共に、その内側に小梁23,…が配置される。さらに、図21においてドットで示す領域には、小梁23,…の上に野地天等からなる床板が、予め工場内で設置される。
【0117】
一方、この床パネル26を第一取付金具51に取付けるには、床パネル26の外側からのボルト締結作業によって行う。すなわち、図22に示す並設部では、互いに隣り合う第一取付金具51,51の各突出部51b,51bが、それぞれ取付部51aの中心よりも、接合する妻梁21側に偏位した位置から突出しているため、隣接する突出部51b,51b間に空間Sが生じている。この空間Sを利用して、床パネル26の下方からボルト締結作業を行う。つまり、第一取付金具51に対して妻梁21を位置決めしたら、床パネル26の下方から空間SへボルトB2を挿入し、空間S側から突出部51bの取付孔54bへボルトB2を差し込む。このとき、妻梁21は、位置合わせした状態で突出部51bのフランジ51d上に配置されているので、ボルトB2がナットNに螺合することで第一取付金具51に妻梁21を固定することができる。
【0118】
これにより、床パネル26の外側からのボルト締結作業によって床パネル26を固定することができる。なお、妻梁21と突出部51bとの位置合せ作業も、床パネル26の外側から行うことができる。
【0119】
この結果、図21においてドットで示す領域への床板設置作業を予め工場内で実施しておくことができ、実施例1の場合と比較して予め床板を設置可能な領域を拡大することができる。このため、建物施工現場での施工作業性の向上を図ることができる。
【0120】
また、妻梁21を突出部51bのフランジ51dに仮置きできるため、さらに作業性の向上を図ることができる。
【0121】
さらに、突出部51bのウェブ51cに設けた一対の取付孔54b,54bは、取付部51a側に配置したものほど、突出部51bの下面であるフランジ51dからの距離が小さい。このため、突出部51bの取付部51a側が自重で下方に引っ張られても、取付孔54b,54bが上下にずれているので、床パネル26を取付ける際の水平調整を容易に行うことができる。
【0122】
なお、図21中21cは、妻梁21に形成された吊り金具用孔であるが、この吊り金具用孔21cは露出させておく必要がある。この吊り代部分(図21においてドットが付されていない領域)では、床パネル26の固定後、建物施工現場にて野地天等からなる床板の設置を行う。
【0123】
また、図22に示すように、突出部51bの板背であるウェブ51cが、妻梁21の梁背とほぼ同じ高さであるため、このウェブ51cが床パネル26の仕上がり面である床板57より上に突出しないようになっている。このため、突出部51bを保護するためのカバーを設ける必要がなくなる。また、床パネル26の下面(軒天面57a)側にも突出部51bが張り出さず、平坦に仕上げることができる。
【0124】
さらに、この実施例2のバルコニーでは、1つの床パネル26に対して1つの第一取付金具51を使用する構成になっている。このため、並設部における第一取付金具51が負担する床パネル26の荷重を、実施例1の場合と比較して軽減することができる。その結果、突出部51bの板背の高さを抑制することができ、突出部51bを小型化・軽量化できると共に、作業性の向上やコスト削減を図ることができる。
【0125】
次に、効果を説明する。
実施例2のバルコニーにあっては、下記に挙げる効果を得ることができる。
【0126】
(7) 取付部51aは、建物ユニット12に沿う板材により形成し、突出部51bは、取付部51aの中心よりも、接合する床パネル26の妻梁21側に偏位した位置から突出している。
このため、床パネル26の取付作業を妻梁21の外側から行うことができるので、工場内で予め行うことができる床板設置領域の拡大を図ることができ、建物施工現場での作業性の向上を図ることができる。また、1つの第一取付金具51で1つの床パネル26を支持することになり、第一取付金具51が負担する荷重を軽減することで、突出部51bを小型化・軽量化できると共に、作業性の向上やコスト削減を図ることができる。
【0127】
(8) 突出部51bは、突出方向に並ぶ複数の取付孔54b,54bを有し、この複数の取付孔54b,54bは、取付部51a側に配置したものほど突出部51bの下面であるフランジ51dからの距離が小さくなっている。
このため、床パネル26の水平方向の位置合せを容易に行うことができ、取付作業性のさらなる向上をはかることができる。
【0128】
(変形例1)
図23に、実施例2のバルコニー2Aの変形例1を示す。
【0129】
この変形例1のバルコニー2Aでは、一対の床パネル26,26を並設する並設部に排水用の軒樋60を設け、この並設部をいわゆる水下とする構成にした。
【0130】
この場合、軒樋60及び床パネル26の出隅部(図示せず)から軒樋60までの領域の床板61は、予め工場内で組み立てておく。そして、建物施工現場において、並設部に配置された取付金具51に床パネル26を固定した後、この並設部にまたがって床板継材62を設置する。
【0131】
このため、この水下となる並設部では、床板継材62により床面を平坦にすることができる。
【0132】
以上、図面を参照して、本発明の実施例1及び2を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0133】
例えば、前記実施例1では、並設部取付金具32の突出部32bが妻梁21の略半分の長さに形成される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、突出部32bと妻梁21を略同一長さに形成するものであってもよい。
【0134】
また、前記実施例1及び実施例2では、並設部取付金具32又は取付金具51を床パネル26,26が隣接する並設部(接合部)に用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、上記並設部取付金具32や取付金具51を入隅部や出隅部に適用することもできる。
【0135】
さらに、前記実施例1及び実施例2では、受金具33,53を用いる場合について説明したが、これに限定されるものではなく、必要な取付強度を確保できれば、受金具33は用いなくてもよい。
【符号の説明】
【0136】
1 ユニット建物(建物)
12 建物ユニット
12a 床梁(建物の構造体)
12b 柱(建物の構造体)
2 バルコニー
21 妻梁(梁材)
21a 取付部
21b 突出部
22 桁梁(梁材)
23 小梁
26 床パネル
31 取付金具
31a 取付部
31b 突出部
32 並設部取付金具(取付金具)
32a 取付部
32b 突出部
33 受金具



【特許請求の範囲】
【請求項1】
梁材を組み合わせた床パネルと、建物の構造体に配置して前記床パネルを取付ける取付金具と、を備え、前記床パネルを前記建物から張出して形成するバルコニーにおいて、
前記取付金具は、前記建物の構造体に固定する取付部と、該取付部から前記床パネルの張出し方向に沿って突出する突出部と、を有することを特徴とするバルコニー。
【請求項2】
請求項1に記載されたバルコニーにおいて、
前記床パネルは、前記建物に沿って並設し、
前記取付金具は、並設される前記床パネルの隣接する梁材の両方を取付ける並設部取付金具とし、
前記突出部は、隣接する前記梁材の間に挟まれて接合することを特徴とするバルコニー。
【請求項3】
請求項1に記載されたバルコニーにおいて、
前記取付部は、前記建物に沿う板材により形成し、
前記突出部は、前記取付部の中心よりも、接合する前記床パネルの梁材側に偏位した位置から突出することを特徴とするバルコニー。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載されたバルコニーにおいて、
前記突出部は、少なくとも取付ける前記床パネルの梁材の略半分の長さを有することを特徴とするバルコニー。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載されたバルコニーにおいて、
前記床パネルの梁材のうち前記突出部に接合する一方の梁材の梁背は、該突出部に接合しない対向する位置にある他方の梁材の梁背より低く形成することを特徴とするバルコニー。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載されたバルコニーにおいて、
前記突出部の板背は、前記床パネルの仕上がり面より上に突出しないように形成することを特徴とするバルコニー。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載されたバルコニーにおいて、
前記建物の構造体は、前記床パネルの前記建物に沿う梁材を下方から支持する受金具を有することを特徴とするバルコニー。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載されたバルコニーにおいて、
前記突出部は、突出方向に並ぶ複数の取付孔を有し、
該複数の取付孔は、前記取付部側に配置したものほど前記突出部の下端からの距離が小さいことを特徴とするバルコニー。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のバルコニーを備えることを特徴とするユニット建物。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−12535(P2011−12535A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247399(P2009−247399)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000002174)積水化学工業株式会社 (5,781)