説明

バルブ付紙袋

【課題】異物混入やブロッキングの原因を排除し、粉粒体の充填後の外側スリーブバルブ封止も容易且つ確実にして、開封後の口部も容易に開閉出来るバルブ付紙袋を提供する。
【解決手段】紙袋本体2の開口部3に、弁紙にて折り曲げ形成した外側スリーブバルブ4を取り付け、これを通して粉粒体を紙袋本体内に充填自在となし、外側スリーブバルブの粉粒体投入開口5側を、所定幅で紙袋本体の反対側に1回以上折り畳んで1以上の折畳部7を形成し、これに自着性接着剤塗布面6を設けてなり、粉粒体の充填後に、粉粒体投入開口側を、1回以上折り畳んで、1以上の折畳部の自着性接着剤塗布面同士を当接させ貼着させて折畳貼着部分34とし、これにより粉粒体投入開口を閉じるから、粉粒体の充填後の外側スリーブバルブの封止も容易且つ確実にし、さらに紙袋本体に口封バンド37を収納してあるから、開封後の口部36も開閉が自在である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、米、麦、そば等の粉粒体を収納するためのバルブ付紙袋に関するものであり、より詳しくは、多層の紙状物で構成した紙袋本体の開口部に、弁紙にて形成した外側スリーブバルブを取り付け、この外側スリーブバルブの粉粒体投入開口側に1以上の折畳部を形成し、その折畳部に自着性接着剤塗布面を設けてなり、袋体へ粉粒体を充填した後に外側スリーブバルブの粉粒体投入開口側を折り畳んで、折畳部の自着性接着剤塗布面同士を当接させ貼着させ、粉粒体投入開口を閉じてなるバルブ付紙袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の紙袋として、図12、13に示すように、多層紙状物による紙状筒aを平坦に折り潰し、この紙状筒aの開口端部bの両角に折込み部c、dを形成すると共に、紙状筒aの上紙e及び下紙fの一方を開いて展開面gとし、この展開面gの中心の開口部hを塞ぐように、上紙e及び下紙fを折れ筋iに沿い折り畳んで貼り合わせ、その上から化粧紙jを接着固定し、底部を構成する最も簡易な形状のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献1に記載されたような紙袋にバルブを取り付け、粉粒体を紙袋に容易に充填できるようにしたものが知られている。
すなわち、このバルブ付紙袋は、図14に示すように、上記した展開面gの折込み部c、dのいずれか一方に外側スリーブバルブkを取り付け、この外側スリーブバルブkの内側全面に加熱溶融接着剤塗布面を設けてなり、粉粒体を外側スリーブバルブkを通じてバルブ付紙袋内に充填後、外側スリーブバルブkを加熱し、加熱溶融接着剤塗布面により外側スリーブバルブkの内側全面を接着して、バルブ付紙袋を密封するものである(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、図15、16に示すバルブ付紙袋は、外側スリーブバルブkの内面Lの外端側に加熱溶融接着剤塗布面mを設けて、外端側の加熱溶融接着剤塗布面mを接着し、バルブ付紙袋を密封するものである(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、特許文献1、2のバルブ付紙袋とは別に、バルブを使用せず、したがって、バルブを閉じる工程が無く、粉粒体を紙袋に充填できるようにしたものが知られている。すなわち、この紙袋は、図17(特許文献4参照)に示すように、底部が上記特許文献1に記載された紙袋と同じに形成されているが、口部nには紙製の口封バンドoが取り付けられ、口部nから粉粒体が紙袋内に充填された後、口封バンドoが縛られて口部nが閉じられ、紙袋が密封されるものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実公平1−26600号公報
【特許文献2】実用新案登録第3046996号公報
【特許文献3】特開2005−178818号公報
【特許文献4】実公昭50−1447号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】日本工業規格JIS Z0102:2004 クラフト紙袋 3.5.3「ひだなし開口式底ばり袋」 A−1’紙バンド付片底ばり袋
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献2のバルブ付紙袋は、外側スリーブバルブkの内側全面に加熱溶融接着剤塗布面を設けてあり、粉粒体の充填は外側スリーブバルブk内に粉粒体供給用ノズルを差し込んで行うから、加熱溶融接着剤塗布面と粉粒体供給用ノズルとが内側全面にわたりこすれて、加熱溶融接着剤の一部が異物として粉粒体に混入する虞がある。また、加熱溶融接着剤塗布面が外側スリーブバルブkの内側全面に設けてあるから、バルブ付紙袋の保管中にそれだけブロッキングする虞も高くなる。
【0009】
その一方で、粉粒体をバルブ付紙袋内に充填した後、外側スリーブバルブkを加熱して加熱溶融接着剤塗布面により内側全面を接着するのであるが、現実には、その加熱が外側スリーブバルブkの外端側以外は化粧紙j、上紙e及び下紙fを通して加熱溶融接着剤塗布面に対して行われるため、これら化粧紙j、上紙e及び下紙fが断熱材の役割を担い、特に上紙e及び下紙fを通して加熱される加熱溶融接着剤塗布面の部位、すなわち、外側スリーブバルブkの内端側の内周面は接着されていないケースが発生する。したがって、外側スリーブバルブkの加熱溶融接着剤塗布面は、異物混入の原因やブロッキングの原因とはなっても、接着に関与しない場合があり、バルブ付紙袋の密封に寄与していない。
【0010】
また、特許文献3のバルブ付紙袋は、加熱溶融接着剤塗布面mを外側スリーブバルブkの接着に実際に寄与する領域のみとしたから、異物混入の原因やブロッキングの原因になることは無いものの、加熱溶融接着剤塗布面mを加熱溶融して接着するのが煩わしく、そのための設備も別途必要となる。
【0011】
また、特許文献4及び非特許文献1の紙袋は、中に粉粒体を充填した後、口封バンドoを縛ることで密封し、逆に縛ってある口封バンドoを解いて開封し粉粒体を取り出すから
、いずれもかなりの労力を必要とすることになる。
【0012】
そこで、本発明の目的は、異物混入の原因やブロッキングの原因を排除し、粉粒体の充填後の外側スリーブバルブの封止も容易且つ確実にして、その上、開封後の口部も容易に開閉することが出来るバルブ付紙袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために提案されたものであって、下記の構成からなることを特徴とするものである。
すなわち、本発明によれば、多層紙状物で構成した紙袋本体の開口部に、弁紙にて折り曲げ形成した外側スリーブバルブを取り付け、該外側スリーブバルブを通して粉粒体を前記紙袋本体内に充填自在となし、前記外側スリーブバルブの粉粒体投入開口側を、所定幅で前記紙袋本体の反対側に1回以上折り畳んで1以上の折畳部を形成し、該1以上の折畳部に自着性接着剤塗布面を設けてなり、粉粒体の充填後に、前記外側スリーブバルブの粉粒体投入開口側を、1回以上折り畳んで、1以上の折畳部の自着性接着剤塗布面同士を当接させ貼着させて折畳貼着部分とし、該折畳貼着部分により前記粉粒体投入開口を閉じることを特徴とするバルブ付紙袋が提供される。
【0014】
また、本発明によれば、前記紙袋本体の開口部側を覆う化粧紙は延出部を有し、前記外側スリーブバルブの前記粉粒体投入開口側の前記折畳貼着部分上に、前記化粧紙を前記延出部を延出させて貼着し、その延出部にて前記折畳貼着部分を巻き込み覆い、且つ、前記紙袋本体と前記外側スリーブバルブとにより形成したポケット内に前記延出部を挿入するバルブ付紙袋が提供される。
【0015】
また、本発明によれば、前記紙袋本体を形成する多層紙状物内に、前記紙袋本体の開封後の口部を閉じる口封バンドを、前記紙袋本体の軸方向に収納したバルブ付紙袋が提供される。
【0016】
また、本発明によれば、前記紙袋本体の多層紙状物内における前記口封バンドの収納箇所は、前記多層紙状物における外層紙状物同士の貼合部と内層紙状物同士の貼合部との間をずらしてスペースを空け、該スペースにおける前記外層紙状物と前記内層紙状物とを、前記口封バンドを収納する隙間が出来るように貼着してなるバルブ付紙袋が提供される。
【0017】
また、本発明によれば、前記自着性接着剤塗布面における自着性接着剤は、ゴム・ラテックス、アクリル、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン、ホットメルトからなる群より選択されるいずれかであるバルブ付紙袋が提供される。
【0018】
上記第1の課題解決手段による作用は次の通りである。
すなわち、紙袋本体内に外側スリーブバルブを通して粉粒体を充填した後、外側スリーブバルブの粉粒体投入開口側を、所定幅で紙袋本体の反対側に1回以上折り畳んで、1以上の折畳部の自着性接着剤塗布面同士を当接させ貼着させて、この折畳貼着部分により外側スリーブバルブの粉粒体投入開口を閉じる。
【0019】
また、上記第2の課題解決手段による作用は、化粧紙の延出部にて折畳貼着部分を巻き込み覆い、さらにポケット内に延出部を挿入する。
【0020】
また、上記第3の課題解決手段による作用は、紙袋本体の開封後、その口部を閉じる必要があるとき、多層紙状物内に収納してある口封バンドを取り出し、口部を口封バンドにて縛り付けて閉じたり、口封バンドを解き口部を開ける。
【0021】
また、上記第4の課題解決手段による作用は、スペースにおける外層紙状物と内層紙状物との貼着部分間による隙間である収納箇所内に、口封バンドを収納してあるから、嵩張らず、且つ邪魔にならない。
【0022】
また、上記第5の課題解決手段による作用は、自着性接着剤塗布面同士が接した場合のみ接着するから、他の紙状物部分や充填する粉粒体が自着性接着剤塗布面に接着しない。
【発明の効果】
【0023】
本発明のバルブ付紙袋によれば、異物混入の原因やブロッキングの原因を排除出来、粉粒体の充填後の外側スリーブバルブの封止も、他の紙状物部分や充填する粉粒体を関与させることなく、容易且つ確実に出来る効果がある。
【0024】
また、本発明のバルブ付紙袋によれば、上記の効果に加えて、化粧紙にて外側スリーブバルブの封止がより確実となり、さらに紙袋本体の密封性や防護性も高まる効果がある。
【0025】
また、本発明のバルブ付紙袋によれば、上記の効果に加えて、紙袋本体の開封後、口封バンドにて口部を容易に閉じることが出来、逆に開けることも容易となる効果がある。
【0026】
また、本発明のバルブ付紙袋によれば、上記の効果に加えて、貼着部分による隙間で形成した収納箇所にて、嵩張らず且つ邪魔にならずに口封バンドを収納出来る効果がある。
【0027】
また、本発明のバルブ付紙袋によれば、上記の効果に加えて、種々の自着性接着剤により、外側スリーブバルブの封止が出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態を示すバルブ付紙袋の斜視図である。
【図2】同バルブ付紙袋の製作状態を示す斜視図である。
【図3】同バルブ付紙袋の製作状態を示す平面図である。
【図4】同バルブ付紙袋の外側スリーブバルブの製作状態を示す平面図である。
【図5】図4の外側スリーブバルブの製作状態を示す斜視図である。
【図6】図4の外側スリーブバルブの製作状態を示す平面図である。
【図7】図4の外側スリーブバルブの製作状態を示す平面図である。
【図8】図4の外側スリーブバルブの製作状態を示す平面図である。
【図9】図4の外側スリーブバルブの製作状態を示す平面図である。
【図10】図4の外側スリーブバルブの封止状態を示す一部を断面した側面図である。
【図11】同バルブ付紙袋の口封バンドの収納状態を示す断面図である。
【図12】特許文献1に示された従来例の平面図である。
【図13】同じく特許文献1に示された従来例の平面図である。
【図14】特許文献2に示された従来例の平面図である。
【図15】特許文献3に示された従来例の斜視図である。
【図16】同じく特許文献3に示された従来例の外側スリーブバルブの斜視図である。
【図17】特許文献4に示された従来例の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、図面を参照して本発明を実施するための好ましい形態を説明する。
【実施例1】
【0030】
図面において、バルブ付紙袋1は、後に詳述する多層紙状物10で構成した紙袋本体2の開口部3に、弁紙30(図4参照)にて折り曲げ形成した外側スリーブバルブ4を取り付け、この外側スリーブバルブ4を通して粉粒体を紙袋本体2内に充填自在となし、外側スリーブバルブ4の粉粒体投入開口5側を、所定幅で紙袋本体2の反対側に1回以上折り畳んで1以上の折畳部7(図6参照)を形成し、該1以上の折畳部7に自着性接着剤塗布面6を設けてなり、粉粒体の充填後に、外側スリーブバルブ4の粉粒体投入開口5側を、1回以上折り畳んで、1以上の折畳部7の自着性接着剤塗布面6同士を当接させ貼着させて折畳貼着部分34(図10参照)とし、この折畳貼着部分34により粉粒体投入開口5を閉じるものである。
【0031】
前記紙袋本体2は、図2、3に示すように、多層紙状物10による紙状筒11を平坦に折り潰し、この紙状筒11の一方の開口端部12の両角12a、12bに折込み部13、14を形成すると共に、上紙15及び下紙15aの一方を開いて展開面16とし、この展開面16の開口部3を塞げるように、前記上紙15及び下紙15aに折れ筋17、17を付け、この折れ筋17、17に沿い上紙15及び下紙15aを折り畳んで貼り合わせ、さらに、その上に化粧紙18を貼り合わせ底部を形成してなるものである。この化粧紙18は、紙袋本体2の開口部3側を覆い、さらに延出部18aを有し、外側スリーブバルブ4の粉粒体投入開口5側の折畳貼着部分34上に延出部18aを延出させて貼着し、その延出部18aにて折畳貼着部分34を巻き込み覆い、且つ、紙袋本体2と外側スリーブバルブ4とにより形成したポケット31内に延出部18aを挿入するものである。この化粧紙18は、外側スリーブバルブ4の封止をより確実とし、さらに、紙袋本体2の密封性や防護性も高めることが出来るものである。
【0032】
この紙状筒11は、径及び長さとも使用目的に合わせた任意のものが選択され、図1、2では外層紙状物20、内層紙状物21を有する2枚重ねにした紙状物10が使用されているが、これに限定されず3層以上の多層でも良い。材質もクラフト紙に限らず、樹脂シート、紙に樹脂シートを貼り付けたもの等が使用される。
【0033】
そして、この紙状筒11は、図2に示すように、平坦に折り潰し、折れ筋22に沿い矢線A方向に折り曲げ、図3に示すように、開口端部12の両角12a、12bに三角形状の折込み部13、14を形成し、紙状筒11の上紙15側を開いて六角形状の展開面16を形成する。この展開面16には中心部に開口部3があるから、これを塞ぐにために、上紙15及び下紙15aを開口部3側に折り曲げる必要がある。従って、前記折れ筋17、17が上紙15及び下紙15aに付けられ、この折れ筋17、17に沿って下紙15aを先に折り畳み、その上に上紙15を折り畳んで、上紙15及び下紙15aの少なくとも斜線部分23及び23aに貼合剤を塗布し貼り付けることになる。なお、この貼合剤は、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、アクリル系、ゴム系、澱粉糊等の接着剤が使用される。
【0034】
一方、前記外側スリーブバルブ4は、まず、図4、5に示すように、弁紙30の粉粒体投入開口5の反対側となる端部5Aを外面4a側に折り畳み、前記紙袋本体2と外側スリーブバルブ4とにより形成した粉粒体の漏れ防止のポケット31(図10参照)となるようにして、さらに、図4の二点鎖線で示す折れ目に沿い折り畳んで筒状(図5、6参照)にしてなる。この外側スリーブバルブ4は、図3に示す前記折れ筋17、17間の幅があり、折込み部14の頂角14aよりも外側であり、更に好ましくは、折込み部14の底辺14bを越え前記開口部3に架かる長さがある。そして、この外側スリーブバルブ4は、上紙15及び下紙15aが折れ筋17、17に沿って折り畳まれる際、折込み部14内に挿入され密封状態に貼り付けられるものである。
【0035】
この外側スリーブバルブ4は、前記ポケット31があるから、粉粒体供給ノズルからの粉粒体を外側スリーブバルブ4まわりから漏らすことなく、紙袋本体2内に供給することが出来、その粉粒体供給終了後に、外側スリーブバルブ4を閉じることになる。この外側スリーブバルブ4は、図6乃至9に示すように、順次3回折り畳んで閉じることになるから、折畳部7は3つある。すなわち、3つの折畳部7a、7b、7cを形成することになる。その折畳部7aの図6における裏に自着性接着剤塗布面6を設けてあり、一方、折畳部7cの図6における表に自着性接着剤塗布面6をそれぞれ設けてある。
【0036】
まず、図6の外側スリーブバルブ4を2点鎖線32から矢線B方向に折り畳むと、図7に示す状態になり、折畳部7aの自着性接着剤塗布面6が表になる。さらに、図7の外側スリーブバルブ4を2点鎖線33から矢線C方向に折り畳むと、図8に示す状態になり、折畳部7aの自着性接着剤塗布面6と折畳部7cの自着性接着剤塗布面6とが当接し貼着して、外側スリーブバルブ4を閉じることになる。図8の外側スリーブバルブ4を2点鎖線33aから矢線D方向に折り畳むと、図9に示す状態になり、折畳部7a、7b、7cが重なった折畳貼着部分34を形成する。なお、外側スリーブバルブ4の材質は、多層紙状物10と同様のものが使用される。また、この外側スリーブバルブ4では、3回折り畳んだ場合を説明したが、1回、2回あるいは4回以上でも差し支えない。
【0037】
前記自着性接着剤塗布面6の自着性接着剤とは、これの塗布面同士が接した場合にのみ接着するものであり、他の多層紙状物部分や充填途中の粉粒体が、自着性接着剤塗布面6に接しても接着することがないものである。自着性接着剤塗布面6に使用される自着性接着剤は、自着性があれば特に限定がないが、ゴム・ラテックス、アクリル、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン、ホットメルトなどが例示でき、これらから任意の自着性接着剤が選択される。
【0038】
そして、前記紙袋本体2の開口部3に外側スリーブバルブ4を取り付けた後の上紙15及び下紙15aの上に、前記化粧紙18を貼り合わせて、製品として完成する。但し、化粧紙18を貼り合わせるのは、上述のように、紙袋本体2内に外側スリーブバルブ4を通して粉粒体を供給した後である。従って、外側スリーブバルブ4を開放した状態で、且つ化粧紙18を貼り合わせていない状態のバルブ付紙袋1として、需要家に引き渡される。 したがって、需要家にてバルブ付紙袋1内部に粉粒体を収納した後、粉粒体投入開口5側を紙袋本体4の反対方向に折り畳んで、折畳部7aの自着性接着剤塗布面6、折畳部7cの自着性接着剤塗布面6同士を当接させ貼着させて、外側スリーブバルブ4を閉じる。さらに、折り畳んで、その折畳部分34をポケット31内に挿入してから、その上に化粧紙18を貼り合わせ、その延出部18aにて折畳貼着部分34を巻き込み覆い、前記ポケット31内にその延出部18aを挿入するものである。
【0039】
また、図2に示す前記紙状筒11の他方の開口端部12Aは、図1に示すように、既述の一方の開口端部12に比べて、外側スリーブバルブ4が無いこと及び化粧紙18にカットテープ35が取り付けられていること以外、ほぼ同様の構成となって、口部36を形成している。
【0040】
また、前記紙袋本体2を形成する多層紙状物10内には、紙袋本体2の口部36が開封された後、その口部36を閉じる口封バンド37が紙袋本体2の軸線方向に収納されている。そして、紙袋本体2の多層紙状物10内における口封バンド37の収納箇所は、図10に示すように、多層紙状物10における外層紙状物20同士の貼合部38と内層紙状物21同士の貼合部39との間をずらしてスペース40を空け、このスペース40における外層紙状物20と内層紙状物21とを、口封バンド37を収納する隙間41が出来るように貼着してなるものである。したがって、紙袋本体2の開封した後、その口部36を閉じる必要があるとき、多層紙状物10内に収納してある口封バンド37を取り出し、口部36を口封バンド37にて縛り付けて、口部36を閉じることが出来るし、口封バンド37を解けば口部36を開けることも出来る。
【0041】
なお、口封バンド37は、スペース40における外層紙状物20と内層紙状物21との貼着部分42、43による前記隙間41である収納箇所内に収納されているから、嵩張らず、且つ邪魔にならないことになる。
【0042】
以上、本発明の実施例1を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は適宜可能であることは理解されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明のバルブ付紙袋は、異物混入の原因やブロッキングの原因を出来るだけ排除し、粉粒体の充填後の外側スリーブバルブの封止も容易且つ確実にして、さらに開封後の口部も容易に閉じたり、開きたいような場合に、利用可能性が極めて高くなる。
【符号の説明】
【0044】
1 バルブ付紙袋
2 紙袋本体
3、h 開口部
4、k 外側スリーブバルブ
4a 外面
5 粉粒体投入開口
5A 端部
6 自着性接着剤塗布面
7、7a、7b、7c 折畳部
10 多層紙状物
11、a 紙状筒
12、12A、b 開口端部
12a、12b 角
13、14、c、d 折込み部
14a 頂角
14b 底辺
15、e 上紙
15a、f 下紙
16、g 展開面
17、22、i 折れ筋
18、j 化粧紙
18a 延出部
20 外層紙状物
21 内層紙状物
23、23a 斜線部分
30 弁紙
31 ポケット
32、33、33a 2点鎖線
34 折畳貼着部分
35 カットテープ
36、n 口部
37、o 口封バンド
38、39 貼合部
40 スペース
41 隙間
42、43 貼着部分
L 内面
m 加熱溶融接着剤塗布面


【特許請求の範囲】
【請求項1】
多層紙状物で構成した紙袋本体の開口部に、弁紙にて折り曲げ形成した外側スリーブバルブを取り付け、該外側スリーブバルブを通して粉粒体を前記紙袋本体内に充填自在となし、前記外側スリーブバルブの粉粒体投入開口側を、所定幅で前記紙袋本体の反対側に1回以上折り畳んで1以上の折畳部を形成し、該1以上の折畳部に自着性接着剤塗布面を設けてなり、粉粒体の充填後に、前記外側スリーブバルブの粉粒体投入開口側を、1回以上折り畳んで、1以上の折畳部の自着性接着剤塗布面同士を当接させ貼着させて折畳貼着部分とし、該折畳貼着部分により前記粉粒体投入開口を閉じることを特徴とするバルブ付紙袋。
【請求項2】
前記紙袋本体の開口部側を覆う化粧紙は延出部を有し、前記外側スリーブバルブの前記粉粒体投入開口側の前記折畳貼着部分上に、前記化粧紙を前記延出部を延出させて貼着し
、その延出部にて前記折畳貼着部分を巻き込み覆い、且つ、前記紙袋本体と前記外側スリーブバルブとにより形成したポケット内に前記延出部を挿入する請求項1記載のバルブ付紙袋。
【請求項3】
前記紙袋本体を形成する多層紙状物内に、前記紙袋本体の開封後の口部を閉じる口封バンドを前記紙袋本体の軸方向に収納した請求項1または2記載のバルブ付紙袋。
【請求項4】
前記紙袋本体の多層紙状物内における前記口封バンドの収納箇所は、前記多層紙状物における外層紙状物同士の貼合部と内層紙状物同士の貼合部との間をずらしてスペースを空け、該スペースにおける前記外層紙状物と前記内層紙状物とを、前記口封バンドを収納する隙間が出来るように貼着してなる請求項2記載のバルブ付紙袋。
【請求項5】
前記自着性接着剤塗布面における自着性接着剤は、ゴム・ラテックス、アクリル、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリウレタン、ホットメルトからなる群より選択されるいずれかである請求項1ないし3のいずれか1項記載のバルブ付紙袋。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−66858(P2012−66858A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214615(P2010−214615)
【出願日】平成22年9月26日(2010.9.26)
【出願人】(591034512)石川株式会社 (13)
【Fターム(参考)】