説明

バーコード読取装置及び商品販売データ処理装置

【課題】同一商品のバーコードを複数回読み取ったことを、すばやく確認できるようにすることが課題であった。
【解決手段】1客の読み取った商品データを記憶する読取データ記憶手段30と、
この読取データ記憶手段30内にすでに記憶されている商品番号データと今回読み取った商品番号データとを比較する番号データ比較手段ST3と、この番号データ比較手段ST3によりこれらの商品番号データが一致していると判断された場合に、その商品データの読取回数を加算する商品別読取カウンタ32と、この商品別読取カウンタ32の読取回数を表示する回数表示器23とを備え、回数表示器23を読取窓23に近接して設けたバーコード読取装置1である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケットなどの店頭において、商品に貼り付けられた値札などに印刷されたバーコードを読み取り、それにより金銭の精算処理を行うPOS端末と接続したバーコード読取装置及び商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のバーコード読取装置は、例えば特許文献1に示されるように、バーコード読取装置の光学装置によって1個の商品に貼り付けられたバーコードラベルを所定時間内に連続してスキャンすることにより、そのラベルに印刷されたバーコードを正確に読み取り、その結果をPOSステーションのホストにデータ送信するようになっている。
【0003】
このバーコード読取装置には、二度読防止用タイマが設けられており、今回読み取ったバーコードが前回読み取ったバーコードと同一である場合に、二度読防止用タイマの所定時間内であることでタイマが動作中においては、今回のデータを破棄するとともに、高い周波数の音を発生させて報知する。また二度読防止用タイマの所定時間を過ぎてタイマが動作していないときには、低い周波数の音を発生させて報知するとともに、今回読み取ったバーコードデータが前回と同一であっても、別の商品の正常なバーコードデータとしてPOSステーションのホストに送信するようになっている。
【0004】
このように、顧客が同一の商品を複数購入したことにより、バーコード読取装置が同一のバーコードデータを連続して読み取った場合は、購入数分の商品のバーコードデータをPOSステーションのホストに連続して送信している。
【特許文献1】特開2001−14419号公報(第5頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術においては、二度読防止用タイマの所定時間内であることによりタイマが動作中においては、高い周波数の音を発生させて報知するが、騒音が発生する店内などにおいては警報音が聞こえない場合や、同一の商品を複数購入したときの複数回の読み取りと間違える場合があり、円滑なデータ入力操作が行われないことがあった。
【0006】
従って、バーコード読取装置のオペレータが、1個の商品のバーコードを間違って複数回読み取ってしまったことがすばやく確認することが困難であった。
【0007】
本発明は、上記事情によりなされたものであって、バーコード読取装置の読取窓に近接した位置に、1客の取引中に同一商品の読み取りが何回あったことを表示する回数表示器を設けたことにより、キャッシャに同一商品が読み取られた回数を容易に確認できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、読取部の読取窓から外方に向ってレーザ光を照射するとともに、このレーザ光により走査されたバーコードの反射光を受光部で受光して、前記バーコードの商品データを読み取るバーコード読取装置において、1客の読み取った商品データを記憶する読取データ記憶手段と、この読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと今回読み取った商品番号データとを比較する番号データ比較手段と、この番号データ比較手段によりこれらの商品番号データが一致していると判断された場合に、その商品データの読取回数を加算する商品別読取カウンタと、この商品別読取カウンタの読取回数を表示する回数表示器とを備え、前記回数表示器を前記読取窓に近接して設けたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、読取部の読取窓から外方に向ってレーザ光を照射するとともに、このレーザ光により走査されたバーコードの反射光を受光部で受光して、前記バーコードの商品データを読み取るバーコード読取手段と、1客の読み取った商品データを記憶する読取データ記憶手段と、この読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと今回読み取った商品番号データとを比較する番号データ比較手段と、この番号データ比較手段によりこれらの商品番号データが一致していると判断された場合に、その商品データの読取回数を加算する商品別読取カウンタと、この商品別読取カウンタの読取回数を表示する回数表示器と、この回数表示器を前記読取窓に近接して設けたバーコード読取装置を有する商品販売データ処理装置としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、同一商品のバーコードを2回以上読み取ったときに、その読取回数を回数表示器に表示することにより、キャッシャは顧客が購入予定の商品数と読み取りが行われた回数とを素早く確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明によるバーコード読取装置の実施態様について、図1から図5を参照して説明する。
【0012】
〔実施例1〕
図1は、商品販売データ処理装置Aの全体の概略構成を示す。POS端末100には、バーコード読取装置1がケーブル200により接続されている。前記バーコード読取装置1は商品等に付されたバーコードラベルからバーコード10を読み取る読取部としてのバーコード読取部300や、バーコード10が付されていない商品についてキーボード(図示せず)等を用いて入力する操作部400を備えている。この操作部400には後述する1客の購入希望商品に対する入力終了を宣言する小計キー410や、何らかの読取操作の間違いにキャッシャが気づいた場合、取消操作ができる取消キー420を有している。また、前記POS端末100には、バーコード読取装置1の小計キー410が押下されたことにより送信された読取データを記憶する売上登録メモリ110を備えている。
【0013】
図2は、本発明のバーコード読取装置1のハードウエア構成を示すブロック図である。このブロック図には、コンピュータの中央制御回路であるCPU2を中心として、各種処理を実行するための各種のコンピュータプログラムや、所定の数値データなどのテーブルを格納するROM(リードオンリーメモリ)3、および各種処理を実行する場合のワークエリアとして使用されて、1次的なデータが格納されるRAM(ランダムアクセスメモリ)4が接続されている。
【0014】
また、このCPU2には、POS端末100との間でデータ交信を行うための通信I/F5が接続されるとともに、CPU2により処理された各種のデータを表示する複数種の表示器6、およびデータの内容にしたがって音声により報知する音声出力装置7が接続されている。なお、前記表示器6には表示状態をコントロールする表示コントローラ8が上位に設けられ、全てバスライン9により接続されている。
【0015】
さらに、このブロック図1には前述したCPU2、ROM3、RAM4などにより制御され、販売する商品に貼付されている太さの異なる白線と黒線とが交互に印刷されてなるバーコード10を、レーザ光により走査して商品データを読み取るための構成が示されている。このバーコード10には、その商品の分類を示す商品分類コード、その商品名を特定する商品コードなどを付した商品番号データが含まれている。
【0016】
制御回路11は、レーザ駆動部12およびモータ駆動部13に接続され、これらにより走査機構14が駆動されるようになっている。この走査機構14は、モータ駆動部13により制御されたモータにより回転駆動される図示しないポリゴンミラーを有し、レーザ駆動部12によりレーザ発光部15から発射されたレーザ光を、このポリゴンミラーにより反射させて、バーコード10へ向けて多方向から高速で走査する機能を備えている。
【0017】
また、走査機構14は、バーコード10から反射されたレーザ光を、さらにポリゴンミラーから受光部16に向かって反射させる。そして、受光部16で受光したレーザ光は光電変換部17により電子信号に変換される。この光電変換部17は、フォトダイオードなどの光電変換素子を有し、この光電変換素子により光量に応じた電気信号に変換して後述する読取データ記憶手段に一旦格納させる。この読取データ記憶手段に格納された読取データは、ROM3に記憶されたコンピュータプログラムに従いCPU2およびRAM4などによって処理されるものである。読取データ記憶手段に一旦格納された電気信号は、バーコード10に記録された商品データを読み取ったものであり、これらの商品データには、前記したように、商品分類、商品名、商品価格などの商品番号データが含まれている。
【0018】
次に、図3は、バーコード読取装置1のバーコード読取部300を示している。このバーコード読取部300は、通常垂直状態となった透明板ガラス21がはめ込まれた読取窓22を有しており、この読取窓22の内側に前述したレーザ駆動部12、モータ駆動部13、走査機構14、レーザ発光部15、受光部16、光電変換部17が設けられている。また、この読取窓22の近接している直上に液晶板からなる回数表示器23が取付けられ、同一商品のバーコード10を複数回読み取ったときに、その読取回数を表示するようになっている。回数表示器23は、複数個設けられた表示器7の中の一個である。また前記回数表示器23の左側には、読取報知部24が設けられている。この読取報知部24は、例えば、商品25に付されたバーコード10が正確に読み取られると緑色に点灯し、何らかの読取不具合が生じた場合は赤色に点灯し、前記音声出力装置8と連動することでキャッシャに報知している。
【0019】
そして、レーザ発光部15によって発射されたレーザ光は、走査機構14に備えたポリゴンミラーにより、読取窓22に設けた透明板ガラス21を透過するように外方に向かって照射されている。この透明板ガラス21を透過したレーザ光は、その上面を商品25に貼付されたバーコード10が通過したときに、このバーコード10の表面を走査する。そして、このバーコード10に反射したレーザ光は、再び読取窓22の透明板ガラス21からバーコード読取部300の内側に入射し、回転するポリゴンミラーに反射されて受光部16で受光され、光電変換部17によって電子信号に変換されて商品番号データとして読取データ記憶手段に記憶されるようになっている。
【0020】
図4は、バーコード10を読み取った際にRAM4に確保される読取データ記憶手段を示しており、読み取ったデータを一時的に記憶する読取データ記憶エリア30、バーコード10を読み取った際にその商品の読取回数を記憶する商品別読取カウンタ31、読取回数を回数表示器26に表示させるための読取回数表示メモリ32を備えている。商品別読取カウンタ31は、それぞれの商品ごとに読取回数または個数をカウントできるように、商品別にそれぞれ設けられている。
【0021】
次に、図5に示したフローチャートにより、複数の商品25の購入を希望する1人の顧客、すなわち1客について、バーコード読取装置1によりバーコード10を読み取る場合について具体的に説明する。
【0022】
一客の商品25について、キャッシャが読取窓22の上面を通過させることにより、図5のステップ1(ST1のYES)でバーコード10を読み取ると、ステップ2でCPU2は、その商品25の商品番号データをRAM3の読取バッファメモリである、図4に示した読取データ記憶エリア30に記憶する。次にステップ3で、今回読み取った商品番号データと同一の商品番号データが、今回以前に読取られて読取データ記憶エリア30に記憶されているか否かを比較する。比較した結果、同一商品番号データが無い場合(ST3のNO)はステップ4へ移行し、読取回数n=1とする。これにより前記商品別読取カウンタ31には「1」とカウントされるが、ステップ5に示すように、前記読取回数表示メモリ32及び回数表示器23への表示は行われない。
【0023】
また、今回以前に同一の商品データが読取られていることにより、ステップ3で読取データ記憶エリア30に同じ商品番号データが存在する場合(ST3のYES)は、ステップ6へ移行し、RAM4内の商品別読取カウンタ31で読取回数の加算を行い、その後ステップ7にて読取回数表示メモリ32にカウントされた回数が回数表示器23に表示される。この操作は、1人の顧客に対する全ての商品の入力が終了するまで行われる。つまり操作部400に設けられた小計キーが押下されるまで行われる(ST8のYES)。なお、前記ステップ3は番号データ比較手段に相当する。
【0024】
ステップ9は、操作部400に設けられている前記取消キー420が押下されたか否かを判断している。このステップ9は、キャッシャによる商品25に付されたバーコード10の入力操作で、顧客の購入予定商品の数と回数表示器23にカウントされた数とが一致していない(不一致)ことに気が付いた場合に1つ前の商品入力を取消すか否かを判断している。入力操作に誤りがあったことに気が付いたキャッシャは取消キー420を押し(ST9のYES)、商品別読取カウンタ31及び読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23が「2」である場合(ST10のYES)は、ステップ11の減算処理後、ステップ12で回数表示器23が「1」に変更される。この回数表示器23の表示により「2」→「1」へ減算されたことがキャッシャに報知される。
【0025】
次に読取データ記憶エリア30に今回の読み取り以前に記憶された同一の商品番号データが無く新規である場合、入力操作の誤りや、バーコード10の入力が終わった直後に顧客から「その商品の購入を止めます」という旨が伝えられると、キャッシャは取消キー420を押す(ST9のYES)。この場合、商品別読取カウンタ31には「1」だが読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23に何も表示されていない(カウント無し)。従って直前取消が行われたかどうかをキャッシャが把握するために、商品別読取カウンタ31が「1」の場合(ST13のYES)は、ステップ14の減算処理後、ステップ15で読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23の表示を「0」にする。この回数表示器23の「無表示」→「0」の表示により減算されたことがキャッシャに報知される。
【0026】
さらに、入力操作に誤りがあったことに気が付いたキャッシャは取消キー420を押す(ST9のYES)。ステップ10でNO、ステップ13もNOであることからステップ16で商品別読取カウンタ31及び読取回数表示メモリに伴う回数表示器23が3以上あると判断し、ステップ17の減算処理後、ステップ18で回数表示器23が「n-1」に変更される。つまり「-1」減算された値を表示することで、回数表示器23の表示により減算されたことがキャッシャに報知される。
【0027】
以上のような商品入力操作を繰り返し、ステップ8で顧客の1取引の終了を宣言する小計キー410が押下されると、前記読取データ記憶エリア30の読取データがPOS端末100の前記売上登録メモリ110に送信され終了し、次の顧客に対するバーコード10の入力に備える。顧客はPOS端末100に移動して精算を行い会計処理が終了する。
【0028】
このような構成において、顧客が購入予定の商品を入力する場合の処理を説明する(図4参照)。
【0029】
顧客は、例えば、カップラーメン1個、牛乳1つ、チョコレート2つ、ガム3つ、DVDソフト1枚の計8点を購入しようとしている。ここでは、商品読取順序として、(1)チョコレート→(2)牛乳→(3)ガム→(4)ガム→(5)チョコレート→(6)ガム→(7)カップラーメン→(8)DVDの順で、一品ずつ商品に付されたバーコード10を読み取る場合の例とする。
【0030】
まず、キャッシャは、顧客から上記8点の商品が入ったカゴを受け取り、バーコード読取装置1のバーコード読取部300に有する読取窓22に沿って右から左へ読み取り動作を行う。先ず、(1)のチョコレートのバーコード10を読み取らせ、この読み取りが正常に行われると、前記読取報知部24が緑色に点灯し同時に音声出力装置7の音声が出力される。これによりキャッシャは正常に読み取れたことが把握できる。この正常な入力が行われると読取データ記憶エリア30に商品データとして例えば商品番号データが記憶される。この場合、この顧客が購入する予定の商品の入力は始めてであることから、商品別読取カウンタ31は「1」で読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23は何も表示されない。
【0031】
次に(2)牛乳、(3)ガムまで入力する。この時も同様、読取データ記憶エリア30に今回以前に読取られたと同じ商品番号データが無いので回数表示器23は表示がされない。このように同一商品である同じ商品番号データが、今回以前の読取データ記憶エリア30に存在しない場合は、商品別読取カウンタ31には「1」とカウントされるが、読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23には何も表示されない。
【0032】
次に(4)でガムを入力する。ガムは3.で入力したガムと同じ商品つまり同じ商品番号データであることから、読取データ記憶エリア30に記憶する際、商品別読取カウンタ31をカウントアップし、読取回数表示メモリ32も「2」とカウントする。したがって回数表示器23に「2」と表示されることから、過去に同一商品が2回読まれたことをキャッシャは把握できる。
【0033】
次に(5)でチョコレートを入力する。チョコレートも今回の読み取り以前の(1)で一度読取データ記憶エリア30に記憶されていることから、商品別読取カウンタ31に加算し、読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23もカウントアップされ「2」と表示する。
【0034】
次に(6)でガムを入力する。このガムは(3)及び(4)と同一商品で同一の商品番号データであることから商品別読取カウンタ31に加算され、読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23に「3」と表示される。例えば、何らかの読取不具合やキャッシャの2度読取操作が行われた場合、購入予定のガムの数は3個であるが、読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23が例えば「4」と表示されていたとする。この時は、キャッシャは操作部400の取消キー420を押下すると、商品別読取カウンタ31が減算処理されることで読取回数表示メモリ32及び回数表示器23は「3」に表示変更される。
【0035】
次に(7)で牛乳を入力する。牛乳は今回の読み取り以前に読取データ記憶エリア30に記憶されていないことから、商品別読取カウンタ31で「1」とし、読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23は何も表示されない。例えば、何らかの読取不具合やキャッシャの2度読取操作が行われた場合、購入予定の牛乳の数は1個であるが、読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23が「2」と表示されていたとする。この時は、キャッシャは操作部400の取消キー420を押下すると、商品別読取カウンタ31が減算処理されることで、読取回数表示メモリ32及び回数表示器23は「1」に表示変更される。つまり、読取データ記憶エリア30に今回の読み取りと同一の商品番号データが無い場合は、商品別読取カウンタ31には「1」とカウントされるが、回数表示器23には何も表示されない制御となっている。つまり回数表示器23に「1」と表示されるのは取消操作がされ、「2」から「1」に変更された場合のみである。
【0036】
最後に(8)でDVDソフトを入力する。DVDは今回の読み取り以前に読取データ記憶エリア30に記憶されていないことから、商品別読取カウンタ31で「1」とし、読取回数表示メモリ32に伴う回数表示器23は何も表示されない。ここで、例えば顧客が全ての商品を支払う現金を所持していないことに気がつき、入力されたDVDの購入をキャンセルする旨がキャッシャに伝えられたとする。キャッシャは、取消キー420を押下する。すると、読取データ記憶エリア30のDVDに対する商品番号データの取消処理に伴い読取回数表示メモリ32が「0」となり、回数表示器23も「0」と表示される。つまり読取データ記憶エリア30で同一の商品番号データが無い商品の取消が行われると、回数表示器23は「無表示」→「0」に表示が切り換わる。したがって、回数表示器23が「0」に表示されたことにより訂正処理が行われたことを把握できる。
【0037】
この後、小計キー410が押下されると、POS端末100の売上登録メモリ110に顧客の読取データが記憶され、購入商品(7点)の合計金額(1000円)を支払い取引処理が終了することになる。
【0038】
このようにバーコード10の入力が正常に入力され、読取データ記憶エリア30に今回以前に同じ商品番号データが存在しない場合は、回数表示器23には何もカウントしない(「1」と表示されない)。回数表示器23が「1」と表示されるパターンは、同一の商品番号データが2つ存在し、訂正処理で減算された場合にのみ表示がされる。これは商品番号データが新規入力される度に「1」とカウントされると、回数表示器23をキャッシャが都度目視することが考えられ、入力操作に支障をきたす(集中できない)虞があるからである。
【0039】
上記実施例1では、回数表示器は読取窓の上方に近接して設けたが、この回数表示器を読取窓の片隅に位置して設けることもできる。つまり、キャッシャの目線が読取窓を見ながら回転表示器も視野に入る位置ならば問題ない。また、本実施例では入力された商品の直後に取消を行う直前取消キーが押されたことを例としたが、指定取消(商品入力履歴から指定された商品のみ取消)でも同様の処理が行えることは言うまでも無い。なお、本実施例ではバーコード読取装置にバーコード読取部と操作部を設けたが、バーコード読取部と操作部を別体に構成してもよいことは言うまでもない。
【0040】
以上説明したように、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲でいろいろなバーコード読取装置に適用することができる。
【0041】
〔実施例2〕
次に、前記バーコード読取装置1を用いた商品販売データ処理装置Aに関して説明をする。なお、実施例1の図1乃至図5で用いた符号に関して同一ものは説明を省略する。
【0042】
前述したバーコード読取装置1と商品販売データ処理装置Aの異なる点は、前記図4のRAM4の構成つまり読取データ記憶手段をPOS端末100に設けた点である。
【0043】
図6に商品販売データ処理装置AのRAM101における一部メモリの構成を示す。このRAM101内は、バーコード読取装置1で読み取られた読取データを一時的に記憶する読取データ記憶手段としての読取データ記憶エリア310、この読取データ記憶エリア320に記憶されたデータを売上情報として記憶する売上登録メモリ320、バーコード10を読み取った際に同一商品の読取回数を記憶する商品別読取カウンタ330、同一商品を読み取った際にその回数を回数表示器26に表示させるための読取回数表示メモリ340を備えている。
【0044】
このような構成において、キャッシャは顧客が購入を希望する商品をバーコード読取装置1のバーコード読取部300で商品に付されたバーコード10を読み取ると、その商品データは、POS端末100のRAM101内にある読取データ記憶エリア310などに記憶される。この後の操作に関しては図5のフローチャートの動作を同じであるので説明を省略する。
【0045】
以上説明したように、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲でいろいろな商品販売データ処理装置に適用することができる。なお、本発明は1品ずつ読み取る例を示したが、操作部に設けられている乗算キーを用いてまとめて商品入力した場合でも、指定取消操作をすることで回数表示器のカウンタが減算可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明によるバーコード読取装置を含む商品販売データ処理装置の概略構成図である(実施例1)。
【図2】図1に示すバーコード読取装置のブロック図ある。
【図3】図1に示すバーコード読取装置のバーコード読取部を表す正面図である。
【図4】図1に示すバーコード読取装置のRAMにおける一部メモリの模式図である。
【図5】図1に示すバーコード読取装置においてバーコードの読取処理を行うフローチャート図である。
【図6】本発明による商品販売データ処理装置のRAMにおける一部メモリの模式図である(実施例2)。
【符号の説明】
【0047】
A 商品販売データ処理装置
1 バーコード読取装置
10 バーコード
16 受光部
22 読取窓
25 商品
23 回数表示器
30 読取データ記憶手段
31 商品別読取カウンタ
ST3 番号データ比較手段
100 POS端末
101 RAM
300 バーコード読取部
310 読取データ記憶手段
400 操作部
420 取消キー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取部の読取窓から外方に向ってレーザ光を照射するとともに、このレーザ光により走査されたバーコードの反射光を受光部で受光して、前記バーコードの商品データを読み取るバーコード読取装置において、
1客の読み取った商品データを記憶する読取データ記憶手段と、
この読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと今回読み取った商品番号データとを比較する番号データ比較手段と、
この番号データ比較手段によりこれらの商品番号データが一致していると判断された場合に、その商品データの読取回数を加算する商品別読取カウンタと、
この商品別読取カウンタの読取回数を表示する回数表示器とを備え、
前記回数表示器を前記読取窓に近接して設けたことを特徴とするバーコード読取装置。
【請求項2】
前記番号データ比較手段により、今回読み取った商品番号データが前記読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと一致するものがないと判断された場合に、前記回数表示器に読取回数を表示しないことを特徴とする請求項1記載のバーコード読取装置。
【請求項3】
前記番号データ比較手段により今回読み取った商品番号データが前記読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと一致していると判断され、前記商品別読取カウンタの読取回数が「2」となっていた場合、取消操作の入力により前記商品別読取カウンタの読取回数を「1」とし、前記回数表示器に「1」と表示することを特徴とする請求項1乃至請求項2記載のバーコード読取装置。
【請求項4】
前記番号データ比較手段により今回読み取った商品番号データが前記読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと一致するものがないと判断され、取消操作の入力がされた場合、前記読取カウンタの読取回数をクリアし、前記回数表示器に「0」と表示することを特徴とする請求項1乃至請求項2記載のバーコード読取装置。
【請求項5】
読取部の読取窓から外方に向ってレーザ光を照射するとともに、このレーザ光により走査されたバーコードの反射光を受光部で受光して、前記バーコードの商品データを読み取るバーコード読取手段と、
1客の読み取った商品データを記憶する読取データ記憶手段と、
この読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと今回読み取った商品番号データとを比較する番号データ比較手段と、
この番号データ比較手段によりこれらの商品番号データが一致していると判断された場合に、その商品データの読取回数を加算する商品別読取カウンタと、
この商品別読取カウンタの読取回数を表示する回数表示器と、
この回数表示器を前記読取窓に近接して設けたバーコード読取装置を有することを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項6】
前記番号データ比較手段により、今回読み取った商品番号データが前記読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと一致するものがないと判断された場合に、前記回数表示器に読取回数を表示しないことを特徴とする請求項5記載の商品販売データ処理装置。
【請求項7】
前記番号データ比較手段により今回読み取った商品番号データが前記読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと一致していると判断され、前記商品別読取カウンタの読取回数が「2」となっていた場合、取消操作の入力により前記商品別読取カウンタの読取回数を「1」とし前記回数表示器に「1」と表示することを特徴とする請求項5乃至請求項6記載の商品販売データ処理装置。
【請求項8】
前記番号データ比較手段により今回読み取った商品番号データが前記読取データ記憶手段内にすでに記憶されている商品番号データと一致するものがないと判断され、取消操作の入力がされた場合、前記読取カウンタの読取回数をクリアし、前記回数表示器に「0」と表示することを特徴とする請求項5乃至請求項7記載の商品販売データ処理装置。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2009−217654(P2009−217654A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61960(P2008−61960)
【出願日】平成20年3月12日(2008.3.12)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】