説明

パイル部材及びその製造方法。

【課題】本発明は、プラスチック製のバッキング部材使用した従来のパイル部材の欠点を改良して、繊維からなるバンド部材を使用して柔軟性を向上させたパイル部材を提供するものである。
【解決手段】パイル部材10は,繊維材料からなるバンド部材24及び当該バンド部材24の長手方向に沿って延展せしめられている両端部22a、22bから延びている両側面部22cとから構成されている。当該バンド部材24は、当該両端部22a、22bと当該パイル19の両側面部22cとに超音波的に融着せしめられており、当該バンド部材24は当該パイル側面部を実質的に直立させる事ができる様な十分な幅を有している。叉、内部繊維状ストリップ16は当該パイルの両端部22a、22bに於いて当該パイル内で叉当該パイル側面部22c一部内で任意的に長手方向い延びていても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパイル部材に関するものであり、特に詳しくは、繊維布帛補強パイル部材に関するものである。
【0002】
本発明は、ペイントに適用されるブラシ或は隙間塞ぎ部材として使用される事が可能な柔軟性をもつパイル部材を提供するのに有用なものである。
【背景技術】
【0003】
パイル部材は、従来から米国特許第4148953号、第4302494号、第6252757号、第5472762号、及び国際特許出願公開番号WO96/06965号等の明細書中に示されている様に、繊維を移動バンド部或は移動マンドレルに巻き付ける事によって組み立てられて来た。そして、当該形成されたループに例えば、基布、細幅のストリップ或はストランド(糸類)等の補強部材を当該繊維ループに沿った部位に取り付ける。
【0004】
そして、当該繊維ループをスリットするか切断する事により、複数個のパイル部材が供給され、それぞれのパイル部材には、一つの補強部材(backing structure)が接合されている。
【0005】
典型的には、当該補強部材の取り付けは、超音波融着、加圧接着、或は接着剤の使用或はそれらの組み合わせによって行われる。
【0006】
当該隙間塞ぎ部材のためのパイル部材に於いて使用されるバッキング部材は、米国特許第特許第4148953号、第42423292号、第4302494号等の明細書中に開示されている様に、ポリプロピレンの様なプラスチック材料からなる硬いストリップ(細幅状帯状物)で作られて来ている。
【0007】
従って、この様なバッキング部材は、柔軟性に制約があり、叉高温度の環境に対しては熔融点温度が低すぎる。
【0008】
更に、当該プラスチックからなるバッキング部材を持ったパイル部材は、当該パイル部材を織物材料等に対して逢着或はスティッチすることを要求する分野への適用は全く有用ではない。
【0009】
従って、当該パイル部材の柔軟性を改善する事が出来且つ高温の融点を持つ様な繊維材料で構成されたバッキング部材を提供する事は望ましいことである。
【0010】
当該パイル部材は、米国特許第3002253号、第3175256号等の明細書、及び再発行米国特許第31403号明細書等に開示されている様に、繊維状のバッキング部材或はストリップを使用して開発されてきている。
【0011】
然しながら,これらのバッキング部材は、当該パイルを実質的に直立状に維持する為に、繊維状のバッキング部材を当該パイルの端部と両側の側面部の一部に一致させる事によって改良された柔軟性を提供するような方法でパイルに取り付けられていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従って、本発明に於ける主たる目的は、プラスチック製のバッキング部材使用した従来のパイル部材の欠点を改良して、繊維からなるバンド部材を使用して柔軟性を向上させたパイル部材を提供するものである。
【0013】
本発明に於ける他の目的は、当該パイルを実質的に直立状に維持する為に、当該端部と当該各端部から延展されるパイルの両側面部の一部に一致させる様に、超音波的に融着された柔軟性を持つ繊維状のバンド部材を持つパイル部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
要約するならば、本発明を具体化する当該パイル部材は、繊維材料からなるバンド部材と当該バンド部材の長手方向に沿って延展しているパイルを定義する閉鎖状の端部から延展している両側面部を有する繊維状のループとを有している。
【0015】
当該バンド部材は、当該パイルを実質的に直立状に維持する為に、当該ループの端部と当該ループの両側面部の一部を含む当該パイルの一部を包含する様に十分な幅を有しており且つ当該パイルに超音波的に融着している。
【0016】
当該繊維材料からなるバンド部材は、当該バンド部材を上記した閉鎖状の端部及び当該パイルの側面部に完全に一致させる為に、当該バンド部材を、当該パイルの当該閉鎖状の端部の周りに及び当該パイルの側面部に沿って折り畳み且つ融着させる様に形成されたキャビティーを有する超音波ホーンを使用して当該パイルに融着されている様に構成しても良い。
【0017】
任意的には、当該両端部の内側で、且つ当該パイル側面の一部の範囲内で、当該パイルのループ内での長手方向に沿って延展している繊維状内部ストリップが設けられても良い。
【0018】
本発明のブラシへの応用に際しては、ペイントを供給する為に十分なブラシを提供する為に、当該パイルの側面部は、当該パイルの側面部に沿って配置されている当該バンド部材の延展長さよりも長く構成されていても良い。
【0019】
布帛類に応用する場合には、当該バンド部材は、当該パイルが当該パイル部材がひとつ或は一つ以上の布帛部材に逢着せしめられる事を可能にするために、支持部材を提供する。
【0020】
叉、隙間塞ぎ部材への応用に際しては、当該パイルと当該バンド部材は当該隙間塞ぎ部材を提供する為に十分な硬性を有する材料であっても良い。
【0021】
二つの当該パイル部材を組み合わせる方法が、移動式マンドレルに沿って提供される。
【0022】
1つ或は一つ以上の繊維糸状が2つの対向する端部を持ち、当該それぞれの端部は、当該マンドレルの2つの対向した端部の一つと隣接しており、且つ当該対向している両端部間に延展している両側面部を有する連続した繊維状ループを形成する為に、移動しているマンドレルの周りに巻き付けられる。
【0023】
次いで、当該移動しているマンドレルに沿った当該繊維状ループの両端部の一つと、及び当該両端部から延展している両側面部の少なくとも一部とに完全に一致する様に繊維材料からなるバンド部材が供給され、折り畳まれ、そして超音波的に融着せしめられる。
【0024】
次いで、当該移動しているマンドレルに沿った当該繊維状ループの他の端部と、及び当該両端部から延展している両側面部の少なくとも一部とに完全に一致する様に別の繊維状のバッキング部材が供給され、折り畳まれ、そして超音波的に融着せしめられる。
【0025】
当該繊維状のループは、当該移動しているマンドレルの上面及び下面に沿ってスリットされ、それによって、それぞれが、当該両側面部を実質的に直立状に維持する為に、当該繊維状のループの側面に融着させた時に、十分な幅を有する繊維からなるバンド部材を持っている2つの長手方向に延展したパイル部材構造体を提供する。
【0026】
当該繊維糸条を巻き付けるのに先立って、2つの内部ストリップ部材が当該マンドレルに任意的に供給されるもので有っても良い。その場合、それぞれの当該内部ストリップ部材は、当該マンドレルの2つの対向する端部の異なる端部のそれぞれに、その長手方向に沿って供給され、それによって当該糸条は当該内部ストリップ部材の上に巻き付けられる。
【0027】
此処に於ける繊維と言う用語は、織物のように当該繊維糸条が使用される如何なる織物或は布帛材料を意味するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
上記した本発明に於ける特徴及び効果は添付されている図面を参照しながら以下の説明を理解する事によってより明らかになる。
【0029】
即ち、本発明を具体化したパイル部材の構成は、図1乃至図6から理解される。
【0030】
当該パイル部材を形成する為の方法は、米国特許第4148953号、同第4302494号及び同5338882号等の明細書に記載されている隙間塞ぎ部材の為の形成方法に類似している。
【0031】
装置8は、2つのパイル部材が同時に形成される事を可能にしている。
【0032】
一つのマンドレル(或は金属バンド)12が、図1に於ける矢印によって示されている様に、左から右の方向に連続的に駆動されている。
【0033】
パイル部材を形成するに際しての当該マンドレルの使用に関する更なる情報のために、此処に参照文献として組み込まれている米国特許第4302494号明細書を参照する。
【0034】
米国特許第4148953号明細書に開示されている様に、任意的なストリッパーワイヤ13が当該マンドレル12のそれぞれ反対側の面12aと12bとの表面に沿って、且つ当該マンドレル12の中心からずれた位置に設けられていても良い。
【0035】
2つの任意的な内部繊維状ストリップ16が当該パイル部材の一部として供給される場合には、任意的に、当該マンドレルが通過する形成ヘッド(forming head)14が設けられる。
【0036】
当該形成ヘッド14が使用される場合には、当該2つの内部繊維状ストリップ16は、当該形成ヘッド14の内部に供給され、そして当該形成ヘッド14によって、当該マンドレルの相対向する両端部12cと12dのそれぞれの周りに巻きつけられる。
【0037】
当該内部繊維状ストリップ16は、ポリエステル或は他の布帛材料から構成されているもので有っても良い。
【0038】
当該それぞれの内部ストリップ16の幅は、当該マンドレルがその長手方向に移動するに際して、当該形成ヘッド14が当該内部ストリップ16を当該マンドレル12の端部の周りに折り畳む事が出来るように十分なものであれば良く、それによって、当該内部ストリップの一部が当該マンドレル12の上面12aと下面12bの上に伸びている。
【0039】
当該マンドレルの上面及び下面上に沿って延展されている当該内部ストリップのそれぞれの長さは、等しくても良くまた等しくなくとも良い。
【0040】
例えば、当該マンドレル12の幅が3.5cmである場合、それぞれの当該内部ストリップ16の幅は、約0.6cmであり、そして、当該内部ストリップの幅の約1/4は、当該マンドレルの上面上に折り畳まれ、当該幅の残りの3/4は、個々の端部12cと12dの一つを廻って、当該マンドレルの下面に折り畳まれる。
【0041】
次に、ポリエステルモノフィラメントの様な糸18の形をした繊維が、当該マンドレル12の周りに巻き付けられパイル19を規定するループを形成する。(当該糸18は、若し当該マンドレルのそれぞれの端部12cと12dに2つの内部ストリップ部16が設けられている場合には、その上に巻き付けられる。)
一本或は複数本の当該撚られている糸18が、当該装置8を介して移動する時に、巻き付けられる。
【0042】
組み付けヘッド(weaving head)20が当該糸18を回転させ巻き付かせる。その様な組み付けヘッド20の一つが図示されている。当該撚り糸のそれぞれに対して別々の当該組み付けヘッドが設けられることが好ましい。
【0043】
取り付けられている当該パイル19の密度は、巻き付けられる当該撚り糸の数の関数である。
【0044】
ポリエステル繊維が好ましいけれども、他の繊維例えば、ポリプロピレン繊維も少し好ましさの程度は低いが使用可能である。
【0045】
上記の様にして得られたパイル19は、当該マンドレル12の端部12cと12dに沿って個別に形成されている閉鎖状ループ22aと22bを有する、当該マンドレル12の周りに巻き付けられている糸18の連続したループを有しており、そして2つのパイル側面部22cは、当該マンドレル12の上面と下面12aと12bに沿って個別に両端閉鎖状ループ22aと22bの間に延展せしめられている。
【0046】
更に、当該マンドレル12の移動に伴なって柔軟性の繊維状バンド部材(或はバッキング部材)24が当該バンド部材が巻かれているリール22から引き出されて当該マンドレル12のエッジ部12d(つまり、閉鎖状ループ端部22b)に沿ったパイル19に隣接するホイール26に供給される。
【0047】
当該バンド部材24は、当該マンドレル12の端部よりも幅広く構成されており、それによって、当該バンド部材24は、当該閉鎖状ループの端部22bから延長されているパイル19の2つの側面部22cのそれぞれの少なくとも一部の周りに折り畳まれる事が可能である。
【0048】
当該ホイール26は、当該バンド部材24を案内する外縁部に沿って平坦なチャネル27を有している。
【0049】
当該ホイール26は、当該マンドレル12の移動につれて回転し、当該マンドレルエッジ12dが当該チャネル27内に延展するに従って(図4参照)、当該バンド部材24を糸18に適応させる。
【0050】
当該バンド部材24は、ポリエステルの様な繊維材料で作られており、それは、超音波によって熔融せしめられ或は当該糸に融着せしめられる。
【0051】
若し、内部ストリップ16が存在する場合には、当該内部ストリップ16も当該バンド部材24の材料と同じ材料で作られるもので有ってもよい。
【0052】
次に、超音波ヘッド(或はホーン)28が設けられており、当該超音波ヘッド28は、前部30と側面開口端部28aと28bを有する長手方向の空間部であるキャビティー32、及び当該前部に設けられた長手方向開口部33を有している。
【0053】
当該長手方向開口部33は、それを介して、当該側面部22cの一部と当該パイル19の閉鎖状ループ端部22bとそれに隣接しているマンドレル12の一部が受け入れられ、それによって、当該閉鎖状ループ端部22bとこれに隣接しているバンド部材24とを当該キャビティー32の長手方向に伸びた底部が平坦なチャネル部36内に位置決めする。(図3、図3A及び図3B)
当該前部の長手方向開口部33は、2つの長手方向に伸びた突出棚部35aに沿った案内縁部35に繋がる内側に傾斜した側面34を有するもので有っても良い。
【0054】
当該チャネル36は、底部面36aと2つの上方向に延展している側壁部37を有している。
【0055】
説明の為に、当該マンドレル7とパイル19を除いて、当該ヘッド28の当該キャビティー32が図3Bに示されている。
【0056】
当該キャビティー32内の当該2つのチャネル壁37から延びている2つの対向する角度付けされた側面部29が設けられており、当該側面部29は、当該突出棚部35aに到るまで相互に離れる様に角度付けされている。
【0057】
当該キャビティー32内では、当該底部面36aに沿って設けられている当該バンド部材24は、2つの側面部24aを有しており、当該それぞれの側面部24aは、当該側壁部37の一つに沿って上方に向けて当該案内縁部35に到る様に延展されており、当該側壁部37は、当該バンド部材24の両側面部24aを当該閉鎖状のループ端部22bを廻って当該パイル側面部22cに沿って折り畳む。
【0058】
図3に示す様に、叉更に詳細が図3Aに示されている様に、当該チャネル36内の当該バンド部材24の部分は(つまりチャネル底部面36aと側壁部37に沿って)パイル19に融着されており、従って当該バンド部材24は、当該パイル19の閉鎖状ループ端部22bとそれらの両端部から延展している両パイル側面部22cの一部とに一致している。
【0059】
当該キャビティー32を出た後は、当該チャネル36から当該案内縁部35に向けて延展せしめられている当該側面部24aの部分は、当該バンド部材を折り畳む事により叉それをパイル19に融着する事により当該パイル側面部22cに近接して保持される。
【0060】
更に、当該バンド部材24は十分な幅を有しているので、当該パイル側面部22cはそれらが当該マンドレル12から分離された場合でも実質的に垂直な状態に維持される。
【0061】
当該バンド部材24は当該2つのパイル側面部22cに沿って均等に或は不均等に延展していてもよい。
【0062】
例えば、パイル19に融着された当該バンド部材24は、0・7cmの幅を有していて、一方の当該側面部22cに沿って0.3cm上方に閉鎖状ループ端部22cから延展されており、叉他方の側面部22cに沿って0.2cm上方に延展されており、且つ当該バンド部材の残りの0.2cmは、当該閉鎖状のループ端部22bに於いて当該パイル19の端部に沿って延展している。
【0063】
若し、内部ストリップ16が使用されている場合には、当該内部ストリップ16が当該チャネル36に於いて同様にパイル19に融着されており、それによって当該閉鎖状ループ端部22b内で当該部ストリップ16を当該糸条18内に保持する。
【0064】
上記したキャビティー32に関して説明されている当該超音波ヘッド28の長手方向の内部形状は、当該超音波ヘッド28を介して一方の開口端部28aから他方の開口端部28bに延展されている。
【0065】
説明の目的に為に図3Bは側面開口端部28bのみでの当該キャビティー32の内部形状を示している。
【0066】
図1に示されている様に、ホイール26から離れる時の当該バンド部材24は実質的に平坦であるが、当該ホイール26と当該超音波ヘッド28との間(符号23で示されている部分)では、当該バンド部材24は当該超音波ヘッド28により当該バンド部材24がパイル19の周りに折り畳まれために、矢印11の方向に沿ってパイル19の周りで、局率が増加していく様なU字型の形状を呈している。
【0067】
当該マンドレル12の他の縁部12cに沿って、第2のホイール26によって他のバンド部材2がパイル19の糸条18に供給され、そして第2の超音波ヘッド28が当該バンド部材24を受入れ、そして当該バンド部材24を上記(図5)で説明したと同様に、当該閉鎖状ループ端部22aと当該端部から延展している当該パイル側面部22cに於いて、
当該パイル19に融着する。
【0068】
2つの超音波ヘッド28は、好ましくは、当該マンドレル12の長さ方向通路に沿って、相互にずらせて配置せれているものである。
【0069】
図4は、第1のホイール26が当該マンドレルの端部12dに沿って作動するのと同様に、当該マンドレルの端部12cに沿ってパイル19に当該バンド部材24を供給する第2のホイール26とチャネル27を示している。
【0070】
融着後、当該マンドレル12は、上面と下面12aと12bのそれぞれに沿ってパイル19を形成する繊維ループを切断する2つのスリッター38の間に供給され、それによってそれぞれが閉鎖状ループ端部22aと22bから形成されている開放端部を持つ繊維ループを提供する(図6)。
【0071】
スプリッタワイヤ13が若し使用されるならば、当該ストリッパーワイヤ13は糸条を当該マンドレル12から持ち上げそれによって、当該スリットホイール38を鈍くしてしまう恐れのあるマンドレル12と接触するスリットホイール38が無くても当該糸条を切断できる。
【0072】
スリット処理後、2つの一体化されたパイル部材構造物が供給され、それぞれは、個別に閉鎖状ループ端部22c或は22dの周りで、当該パイル19に融着されたバンド部材24を有しており、且つそれぞれがパイル側面部22cの一部を有し叉個々に開放されたループ端部22c或は22dを有している。
【0073】
図7に示す様に、任意的な内部ストリップ16を含む完成されたパイル部材10は、当該バンド部材24と、当該糸条18により形成された2列のパイル19と内部ストリップ16とで構成されており、当該バンド部材24は当該パイル19の長手方向い沿って融着され、当該パイルの閉鎖状のループ端部と一致せしめられており、且つ少なくとも当該あいる側面部22cの一部に沿って、当該パイルを当該閉鎖状のループ端部から離れる方向で実質的に垂直に維持する。
【0074】
当該内部ストリップ16は、当該パイル部材10の当該閉鎖状ループ端部内に於いて及び当該端部から延展している当該パイル側面部22c内で、当該パイル19の内部と完全に一致せしめられていても良い。
【0075】
それぞれのパイル部材10は連続状で供給され、柔軟性を持っている。
【0076】
繊維ループが切断されるので、当該パイル部材はリール上に巻かれても良い。
【0077】
当該パイル部材10は、図8に示す様に布帛に逢着されるものであっても良い。
【0078】
一つ或はそれ以上の縫い目50が当該パイル部材10に沿って当該バンド部材24(若し内部ストリップ16が使用される場合には、当該内部ストリップも)を介して適用され、それによって当該パイル部材を一つ或はそれ以上の布帛部材48に逢着させる。当該布帛部材48は、一つの布帛からなる同じ布帛片の両端部で有っても良く、或は、室内装飾用材料の様に、2つの別々の布帛片の両端部で有っても良い。
【0079】
当該パイル部材10は、図9に示す様に、ブラシ52として使用する事も可能であり、その場合、当該パイル側面部22cの長さは、当該パイル側面部22cに沿ったバンド部材24よりも長い。
【0080】
当該パイル部材10は、ブラシ52の望ましい幅に応じて長手方向の幅を持つように切断され、叉次いで例えば接着剤によってペンキ塗布具(或はハンドル)53の端部に取り付けられる。
【0081】
当該ペンキ塗布具53の端部53aは、当該パイル部材10のバンド部材24がその中に受け入れられる様なチャネル(図示せず)を有していても良い。
【0082】
従って、多種のサイズからなるブラシが当該パイル部材10を使用して作られる事になり、且つ適切なサイズの塗布具53に対して適用可能である。
【0083】
当該パイル部材10は、当該パイル19の糸条18及びストリップ16の一方若しくは双方が十分に硬性を持つ場合には、隙間塞ぎ部材として使用する事も出来る。
【0084】
例えば、窓或は扉の枠部(frame)のような閉鎖部材(closure member)内に当該パイル部材が配置された場合に、一般的な隙間塞ぎ部材と同様に当該糸条18は当該枠部と当該枠部に隣接されている他の締め切り部材との間の空間を縮めるか、及び/または、当該枠部と他の締め切り部材との間を満たす。
【0085】
当該バンド部材24と糸条18がポリエステル材料で構成されている場合、プラスチックバッキング構造、例えばストリップ等を有し、低融点温度を持つ従来の隙間塞ぎ部材よりも高い温度に於いて使用するのに適した高度に柔軟性のある隙間塞ぎ部材が提供される。
【0086】
当該隙間塞ぎ部材として使用されるパイル部材10の具体例は図10に示されている。
【0087】
図示されている締め切り部材54に於いては、当該パイル部材10は、バンド部材側面部24aの長手方向端部(或は両端部)58に沿って当該バンド部材24を捕捉する為のくり貫き部分である、チャネル55内に挿入されており、それによって、当該パイル部材10をチャネル表面56に沿って当該チャネル内に固定しそしてパイル19が当該チャネル開口部59を介して延展する事を可能とする。
【0088】
当該パイル部材が当該チャネル開口部59を介してその中に挿入される際には、2つのパンド部材側面部24a間にある当該バンド部材24とパイル19は圧縮される事が必要であり、つまり当該バンド部材24がチャネル55内に配置されている時には、その膨張が、当該チャネル表面56に沿って、当該チャネル内に当該バンド部材側面部24aを捕捉する。
【0089】
上記した説明から、改良された柔軟性を持つパイル部材が提供されることが明かである。
【0090】
ここで説明されたパイル部材及び当該パイル部材の製造方法に関する変形態様や修正態様は、明らかにそれ自身当業者に示唆されている。
【0091】
従って、上記説明は説明的なものとして捉えられるべきであり、限定的な意味として捉えるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】図1は、本発明の具体例であるパイル部材を形成する為の装置を示す概略斜視図である。
【図2】図2は、図1の平面図である。
【図3】図3は、図1に示す装置の断面図であり、図2のA−A線に沿って見た断面図である。
【図3A】図3Aは、図1の超音波融着装置を示す図3のより詳細な部分拡大図である。
【図3B】図3Bは、図1に示す超音波融着装置に於ける、マンドレルとパイルを取り除いた部分的正面斜視図である。
【図4】図4は、図1に示す装置の断面図であり、図2のB−B線に沿って見た断面図である。
【図5】図5は、図1に示す装置の断面図であり、図2のC−C線に沿って見た断面図である。
【図6】図6は、図1に示す装置の断面図であり、図2のD−D線に沿って見た断面図である。
【図7】図7は、本発明に於ける具体例である完成されたパイル部材の部分的構成を示す斜視図である。
【図8】図8は、織物に逢着された本発明の具体例に係るパイル部材を示す断片的な斜視図である。
【図9】図9は、ブラシ用の本発明の具体例に係るパイル部材を示す断片的な図である。
【図10】図10は、隙間塞ぎ部材として使用されているパイル部材を示す断片的な断面図である。
【符号の説明】
【0093】
10 パイル部材
11 矢印(マンドレルの進行方向)
12 マンドレル
13 ストリッパーワイヤ
14 形成ヘッド
16 内部ストリップ
18 糸条
19 パイル
20 組み付けヘッド
22 パイル側面部
24 バンド部材
26 ホイール
27 チャネル
28 超音波ヘッド
32 キャビティー
36 チャネル部
38 スリッター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維材料からなるバンド部材;及び
当該バンド部材の長手方向に沿って延展せしめられているパイルを構成する複数の繊維状ループとから構成されているパイル部材供給用構造体であって、当該ループは、当該バンド部材に超音波的に融着せしめられる側面部と当該両側面部の部分間に延展せしめられている端部とを有し、更に当該バンド部材は、当該ループの当該端部と当該ループの当該側面部の一部を含む当該パイルの一部分を包含し、融着される事によって当該側面部を実質的に直立させる事ができる様な十分な幅を有している事を特徴とするパイル部材供給用構造体。
【請求項2】
当該バンド部材は、融着される当該両端部と当該両側面部の一部とに一致する様に当該バンド部材の長手方向に沿って折り畳まれている事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項3】
当該バンド部材は、超音波により熔融しうる材料により構成されている事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項4】
当該繊維ループは、糸で構成されている事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項5】
当該バンド部材は、ポリエステル或はポリオレフィンの何れか一つの材料で構成されている事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項6】
当該パイル部材供給用構造体は、更に、当該ループの両端部の内側で、当該ループの両側面部の一部内で長手方向に沿って延展されている内部繊維状ストリップ(細幅状帯)を含んでいる事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項7】
当該繊維状ストリップは、当該ループに於ける両端部の内側で且つ両側面部の一部内に一致する様に折り畳まれている事を特徴とする請求項6に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項8】
当該繊維状ストリップは当該パイルに融着せしめられている事を特徴とする請求項6に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項9】
当該バンド部材は、当該バンド部材を当該パイルの一部に完全に一致させる為に、当該バンド部材を、当該パイルの当該取り囲まれているパイルの一部に沿って折り畳み且つ融着させる様に形成されたキャビティーを有する超音波ホーンを使用して当該パイルに融着されている事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項10】
当該繊維状ループは、ポリエステルからなる糸で構成されている事を特徴とする請求項 1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項11】
当該パイルは、少なくとも当該バンド部材を介して一つ或はそれ以上の布帛部材に逢着可能に構成されている事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項12】
当該パイルは、隙間塞ぎ部材(weather strip)を供給する為に十分に硬いループとバンド部材を有している事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項13】
当該パイル部材は、チャネル内に当該バンド部材を固定するための面を提供する切り落とし部(undercut)である当該チャネル部材内に配置可能である事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項14】
当該パイルの両側面部は当該バンド部材の幅よりも長い事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項15】
ペイントに十分適合する為のブラシを提供する為に、当該パイルの両側面部は当該バンド部材の幅よりも長い事を特徴とする請求項1に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項16】
当該パイル部材供給用構造体は、更に当該パイル部材に取り付けられた把持部が含まれている事を特徴とする請求項15に記載のパイル部材供給用構造体。
【請求項17】
パイル部材を形成するための方法であって、当該方法は、
上面と下面を有し、且つ2つの対向する端部を有する移動可能なマンドレル(芯材、mandrel)を準備する工程、
当該マンドレルの周りに一つ若しくはそれ以上の繊維を巻き付け、それぞれが当該マンドレルの2つの対向する当該マンドレルの端部の一つに隣接する2つの対向する端部を有し、且つ当該対向する2つの端部間に延展せしめられている側面部を形成する連続した繊維状ループを形成する工程、及び
当該繊維ループを当該端部の一つから実質的に直立させる十分な様に、当該マンドレルの長手方向に沿って当該繊維状ループに於ける両端部の一つ及び少なくとも当該両端部の一つから延展せしめられている当該両側面部の一部とに一致する様に繊維状のバッキング部材を融着させる工程、
とから構成されていることを特徴とするパイル部材を形成するための方法。
【請求項18】
当該融着工程は、超音波的手段により実行される事を特徴とする請求項17に記載のパイル部材を形成するための方法。
【請求項19】
パイル部材を形成するための方法であって、当該方法は、
上面と下面を有し、且つ2つの対向する端部を有する移動可能なマンドレルを準備する工程、
当該マンドレルに対して第1と第2の繊維状内部部材を供給する工程であって、当該第1と第2の繊維状内部部材が、当該マンドレルの2つの対向する端部の異なるそれぞれの端部の長手方向に添って供給される工程、
当該マンドレルの周りで且つ当該第1と第2の繊維状内部部材の上に一つ若しくはそれ以上の繊維を巻き付け、それぞれが当該マンドレルの2つの対向する当該マンドレルの端部の一つに隣接する2つの対向する端部を有し、且つ当該対向する2つの端部間に延展せしめられている側面部を形成する連続した繊維状ループを形成する工程、及び
当該繊維ループを当該端部の一つから実質的に直立させるに十分な様に、当該マンドレルの長手方向に沿って当該繊維状ループに於ける両端部の一つ及び当該両端部の一つから延展せしめられている当該両側面部の少なくとも一部に一致する様に繊維状のバッキング部材を供給し、折り畳みそして融着させる工程、
とから構成されていることを特徴とするパイル部材を形成するための方法。
【請求項20】
当該繊維状のバッキング部材が第1の繊維状のバッキング部材を代表しており、且つ当該繊維状ループの両端部の一つが当該繊維状ループの両端部に於ける第1の端部を代表している請求項19に記載のパイル部材を形成するための方法であって、当該方法は、更に、当該繊維ループを当該端部の一つから実質的に直立させるに十分な様に、当該マンドレルの長手方向に沿って当該繊維状ループに於ける両端部の第2の端部と及び当該両端部の当該第2の端部から延展せしめられている当該両側面部の少なくとも一部に一致する様に第2の繊維状のバッキング部材を供給し、折り畳みそして融着させる工程、及び
2つの構成物を供給する為に、当該マンドレルの上面と下面に添って、当該繊維ループをスリットし、当該構成物における第1の構成物は、当該第1の繊維状のバッキング部材と当該第1の繊維状内部部材と当該繊維ループに於ける両端部の内の第1の端部とを含んでおり、叉当該構成物における第2の構成物は、当該第の繊維状のバッキング部材と当該第2の繊維状内部部材と当該繊維ループに於ける両端部の内の第2の端部とを含んでいる構成物を形成する工程と、
を含んでいる事を特徴とするパイル部材を形成するための方法。
【請求項21】
当該第1と第2の繊維状内部部材を供給する工程は、更に、当該マンドレルの2つの対向する端部の異なるそれぞれの端部の上に当該第1と第2の繊維状内部部材を折り畳み、それによって、当該第1と第2の繊維状内部部材が、当該両端部のそれぞれの端部から延展している両側面部内の一部に沿って、当該端部のそれぞれの中で当該繊維ループと一致する様に構成する工程を含んでいる事を特徴とする請求項19に記載のパイル部材を形成するための方法。
【請求項22】
閉鎖状の端部から延展している側面部を有する複数の糸からなるループと
繊維布帛からなるバンド部材が当該閉鎖状の端部と当該側面部一部に融着せしめられる際に、当該側面部を実質的に直立させる為に、当該側面部の十分な部分に亘って当該閉鎖状端部の周りに配置されている繊維布帛からなるバンド部材とを含んでいる事を特徴とするパイル部材。
【請求項23】
当該バンド部材は超音波的に当該ループの両側面部の一部と当該閉鎖状端部とに融着せしめられている事を特徴とする請求項22に記載のパイル部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−502804(P2006−502804A)
【公表日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−545351(P2004−545351)
【出願日】平成15年10月15日(2003.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2003/032763
【国際公開番号】WO2004/035898
【国際公開日】平成16年4月29日(2004.4.29)
【出願人】(503087821)ウルトラファブ インコーポレーテッド (8)
【Fターム(参考)】