説明

パソコンデスクの開閉装置

【課題】特に扉を上方へ持ち上げて開けると、主台が連動して上昇するパソコンデスクの開閉装置を提供する。
【解決手段】ベース10と、主動部材組20と、従動部材組30と、シリンダ40とを有し、ベース10は、両側に夫々設けられるサイドプレート13と、各サイドプレートの内面の対向する位置に夫々形成される摺動溝16とを備え、主動部材組20は、ベース板21と、ベース板21の両側に夫々設けられるアーム22と、アーム22を貫通するように、ベース10のサイドプレート13に枢設される軸23とを備え、従動部材組30は、一側が主動部材組20のアーム22に枢設されると共に、他側がベース10の摺動溝16に摺動可能に設置される従動板31を備え、シリンダ40は、一端がベース10に取り付けられる円筒部41と、円筒部41の他端に設けられると共に、伸縮可能に従動板31の底面に連結される伸縮軸42とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に扉を上方へ開くと、それに連動して主台が浮き上がるデスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の開閉式デスクは、ベースに扉が枢設されると共に、ベースの内部に主台が上下移動可能に設置され、該ベース内に電源と接続可能な駆動装置が取り付けられ、この駆動装置に上昇軸が設けられ、上昇軸の一端が主台の底面に連結され、駆動装置のスイッチがベースの外部に取り付けられる構成を有する。
【0003】
パソコンをデスクに配置する時は、モニタを扉の内面に配置すると共に、主台にキーボード及びマウスを配置し、使用時に、扉を上方へ開き、モニタを傾斜状に持ち上げて、スイッチを押して駆動装置を駆動させると、上昇軸が伸長して主台が上昇し、パソコンを使用することができる。また、パソコンを使用しない時には、扉及び主台を折り畳んでベースに収納することにより、空間を節約することができるので、利便性が高い。
【0004】
既存のパソコンデスクは、文献1に示すように、モニタがベースの一側に設置されると共に、中央に開閉可能な扉が枢設され、他側にキーボードが摺動可能に設置され、使用する時は、単に扉を枢転させて開けばよい。この構成によれば、扉の内面に書類などを放置することができるので、使用者はモニタ及び書類を見ながら、キーボードを操作することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】台湾実用新案第091209006号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の開閉式デスクにおいては、扉を開く動作と、主台の上昇とが別々に作動し、例えば、扉を上方へ枢転させて開く時、主台は扉と連動していないことから、駆動装置を駆動させなれば主台を上昇させることができなく、更に、駆動装置の駆動にも電力を消耗するので、実用的ではなかった。その上、従来の開閉式デスクは、駆動装置を備えるので、駆動装置のコストだけではなく、メンテナンス費用も懸かっていたので、改良する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るパソコンデスクの開閉装置は、両側に夫々設けられるサイドプレートと、該各サイドプレートの内面の対向する位置に夫々形成される摺動溝とを備えるベースと、
ベース板と、該ベース板の両側に夫々設けられるアームと、該アームを貫通するように、前記ベースのサイドプレートに枢設される軸とを備える主動部材組と、
一側が前記主動部材組のアームに枢設されると共に、他側が前記ベースの摺動溝に摺動可能に設置される従動板を備える従動部材組と、
一端が前記ベースに取り付けられる円筒部と、該円筒部の他端に設けられると共に、伸縮可能に前記従動板の底面に連結される伸縮軸とを備えるシリンダと、を有するものである。
【0008】
また、係るパソコンデスクの開閉装置において、前記ベースは、収容空間を備え、フロントプレートと、該フロントプレートと相対するバックプレートと、該フロントプレートとバックプレートとの間の両側にそれぞれ設けられるサイドプレートと、上部に形成される開口と、該フロントプレートからバックプレートに向って斜め下方に延設される傾斜部と、該各サイドプレートにおける、傾斜部の近傍に位置する摺動溝とを備え、前記円筒部の一端が前記ベースのバックプレートに取り付けられることが好ましい。
【0009】
さらに、係るパソコンデスクの開閉装置において、開閉部材組を有し、該開閉部材組は、中央部に前記ベースの開口と連通する穴が形成されるように、該ベースの上部に設置されるロ字形板と、前記主動部材組のベース板に設けられる扉と、前記従動部材組の従動板に設けられる主台とを備え、また前記従動部材組における、アームと従動板とが枢設される側に、主台の上方へ突出する阻止部材が延設されることが好ましい。
【0010】
また、係るパソコンデスクの開閉装置において、前記扉に掛止部材が取り付けられると共に、前記ベースのフロントプレートに、該掛止部材と対応する位置決め部材が設けられることが好ましい。
【0011】
また、係るパソコンデスクの開閉装置において、前記扉にロックプレートが設けられると共に、前記ベースのフロントプレートにロック部材が設けられ、該ロック部材にロック穴が形成され、該ロック部材にロックプレートと対応するフックが設けられることが好ましい。
【0012】
また、係るパソコンデスクの開閉装置において、前記従動板の一側の両端に夫々、前記ベースの摺動溝に沿って摺動する摺動部材が設けられることが好ましい。
【0013】
また、係るパソコンデスクの開閉装置において、前記主動部材組のベース板にモニタ用の固定ユニットが取り付けられることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明は上記の構成を有するので、パソコンデスクを使用する時、扉を上に向かって開くと、従動部材組が主動部材組のアームと共に上昇すると共に、従動板の摺動部材がサイドプレートの摺動溝に沿って上方へ摺動し、シリンダが従動部材組を押し上げる。
【0015】
一方、パソコンデスクを収容する時は、扉を下方へ閉じると、従動部材組の従動板が主動部材組のアームと共に下降し、従動板の摺動部材がサイドプレートの摺動溝に沿って下方へ摺動することによって、主台が従動板と共にベースの収容空間に収納される。
【0016】
上述したように、本発明に係るパソコンデスクの開閉装置は、扉に主台が連動することから、使用上、非常に便利であり、また、ベースに駆動装置を設ける必要がないことから、電力を消耗しないので、製造コストやメンテナンスのコストを節約することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るパソコンデスクの開閉装置の分解斜視図。
【図2】本発明に係るパソコンデスクの開閉装置の斜視図。
【図3】本発明に係るパソコンデスクの開閉装置が開いた状態を示す側面断面図。
【図4】本発明に係るパソコンデスクの開閉装置が閉じた状態を示す側面断面図。
【図5】本発明に係るパソコンデスクの開閉装置において、フックがロックプレートと掛合する作動状態を示す部分拡大側面図。
【図6】本発明に係るパソコンデスクの開閉装置の正面図。
【図7】本発明に係るパソコンデスクの開閉装置の使用状態を示す部分断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。尚、下記実施例は、本発明の好適な実施の形態を示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲は、下記実施例そのものに何ら限定されるものではない。
【0019】
図1及び図2に示すように、本発明に係るパソコンデスクの開閉装置は、ベース10と、主動部材組20と、従動部材組30と、シリンダ40とを有し、その内、該ベース10は、収容空間を備え、フロントプレート11と、該フロントプレート11と相対するバックプレート12と、該フロントプレート11とバックプレート12との間の両側に夫々設けられるサイドプレート13と、上部に形成される開口14と、該フロントプレート11からバックプレート12に向って斜め下方に延設される傾斜部15と、該各サイドプレート13の両側における、傾斜部15の近傍に位置すると共に、夫々対向するように形成される傾斜状の摺動溝16と、該摺動溝16の上端に水平方向に延出する止め部(図4の如く)とを備える。
【0020】
前記主動部材組20は、ベース10に枢設され、ベース板21と、該ベース板21の両側に夫々設けられる三角形またはL字形のアーム22と、それらアーム22の中央の位置(即ち、三角形の頂角近傍)またはコーナー近傍を貫通するように、ベース10におけるサイドプレート13の一側に枢設される軸23とを備える。
【0021】
前記従動部材組30は、ベース10の収容空間に上下移動可能に設置され、一側が主動部材組20のアーム22に枢設される従動板31と、該従動板31の他側の両端に夫々取り付けられると共に、ベース10の摺動溝16に沿って摺動可能に設置される摺動部材32とを備える。
【0022】
前記シリンダ40は、ベース10と従動部材30とに連結するように、該ベース10の収容空間に設置され、一端がベース10のバックプレート12に取り付けられる円筒部41と、該円筒部41の他端に設けられると共に、伸縮可能に従動板31の底面に連結される、従動板31の上昇および下降を制御する伸縮軸42とを備える。
【0023】
更に、本発明に係るパソコンデスクの開閉装置は、開閉部材組50を有し、該開閉部材組50は、ベース10の上部に設置されると共に、中央部にベース10の開口14と連通する穴が形成されるロ字形板51と、主動部材組20のベース板21に設けられる扉52と、従動部材組30の従動板31に設けられる主台53とを備える。尚、指で簡単に扉52を開けられるようにするために、該扉52の上側、即ち、扉52における、フロントプレート11の近傍の一側に凹部が形成されてもよい。また、前記従動部材組30における従動板31のアーム22と従動板31とが枢設する一側に、主台53の上方へ突出する阻止部材33が延設される。
【0024】
前記開閉部材組50は、扉52の内面一側に掛止部材54が取り付けられると共に、ベース10のフロントプレート11に、該掛止部材54と対応する位置決め部材55が設けられ、該扉52の内面他側にU字形のロックプレート56が設けられ、該ベース10のフロントプレート11にロック部材57が設けられ、更に、該ロック部材57にロック穴58が形成されると共に、ロックプレート56と対応するフック59が設けられる。
【0025】
図6に示すように、前記主動部材組20のベース板21における、扉52と反対する側にモニタ用の固定ユニット60が設けられ、該固定ユニット60に複数の固定孔61が形成される。
【0026】
尚、図1及び図2に示すように、本発明に係る開閉装置は、開閉部材組50のロ字形板51の底面に複数の足部90が取り付けられても良い。
【0027】
図3に示すように、本発明に係るパソコンデスクの開閉装置を開けて使用する時は、先ず扉52を押し込んで、該扉52上の掛止部材54をベース10上の位置決め部材55から離脱させて扉52をやや上方へ移動させてから、指を扉52の凹部に引っ掛けて、扉52を上方に向かって開ける。そして、扉52と共に主動部材組20を上方へ移動させ、その主動部材組20に連動させてアーム22で従動部材組30の従動板31を上昇させる。この時、該従動板31の摺動部材32がサイドプレート13の摺動溝16に沿って上方へ摺動すると共に、シリンダ40が従動部材組30を押し上げ、主台53がロ字形板51と同一平面上に位置する。
【0028】
一方、図4に示すように、本発明に係るパソコンデスクの開閉装置を閉じる時は、扉52を下方へ押し込んで閉じ、それに伴ない主動部材組20のベース板21及びアーム22を下方へ移動させると共に、アーム22と共に従動部材組30の従動板31を下方へ移動させ、また、従動板31の摺動部材32をサイドプレート13の摺動溝16に沿って下方へ摺動させる。これにより、扉52がロ字形板51と同一平面上に位置し、主台53が従動板31と一緒にベース10の収容空間に収納される。
【0029】
この構成によれば、扉52がベース10の開口14をカバーする時、扉52の掛止部材54がベース10の位置決め部材55に掛合して固定されるので、扉52がベース10から移動することはない。
【0030】
また、図5に示す、本発明に係るパソコンデスクの開閉装置においては、パソコンデスクを閉じた状態でロックしてもよく、キーをベース10上のロック部材57の錠穴58に差し込んで回転させてフック59を回しロックプレート56に掛合させれば、扉52をベース10に固定することができる。
【0031】
また、図7に示す、本発明に係るパソコンデスクの開閉装置においては、モニタ70、キーボード80、マウス等を配置することができ、その内、モニタ70の裏面には固定部材71が取り付けられ、該固定部材71がモニタ用の固定ユニット60に掛合して固定されることによって、モニタ70を主動部材組20のベース板21に配置することができ、また、紐等によりモニタ70を主動部材組20のベース板21又は開閉部材組50の扉52に固定しても良い。更に、従動板31に阻止部材33が設けられることから、キーボード80及びマウスが主台53から落下することはない。
【0032】
上述したように、本発明に係るパソコンデスクの開閉装置は、扉52を閉じる時、モニタ70、キーボード80、マウスをベース10の収容空間に収納することができ、一方、扉52を開けると、モニタ70、キーボード80、マウスを外部へ上昇させてパソコンデスクとして使用することができる。更に、ベース10のフロントプレート11に傾斜部15が設けられることから、パソコンデスクとして使用する時、使用者の膝がデスクにぶつかることはなく、足をデスクの下方で自由に移動させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は上記の構成を有することから、開閉装置を折り畳む時、扉の掛止部材がベースの位置決め部材に掛合固定されると共に、ロック部材のフックが錠穴に固定されることによって、扉をベースに固定することができることから、モニタや、キーボード、マウス等をきちんとベースの収容空間に収納することができるので、使用上の利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0034】
10…ベース、
11…フロントプレート、
12…バックプレート、
13…サイドプレート、
14…開口、
15…斜部、
16…摺動溝、
20…主動部材組、
21…ベース板、
22…アーム、
23…軸、
30…従動部材組、
31…従動板、
32…摺動部材、
33…阻止部材、
40…シリンダ、
41…円筒部、
42…伸縮軸、
50…開閉部材組、
51…ロ字形板、
52…扉、
53…主台、
54…掛止部材、
55…位置決め部材、
56…ロックプレート、
57…ロック部材、
58…錠穴、
59…フック、
60…固定ユニット、
61…固定孔、
70…モニタ、
71…固定部材、
80…キーボード、
90…足部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両側に夫々設けられるサイドプレートと、該各サイドプレートの内面の対向する位置に夫々形成される摺動溝とを備えるベースと、
ベース板と、該ベース板の両側に夫々設けられるアームと、該アームを貫通するように、前記ベースのサイドプレートに枢設される軸とを備える主動部材組と、
一側が前記主動部材組のアームに枢設されると共に、他側が前記ベースの摺動溝に摺動可能に設置される従動板を備える従動部材組と、
一端が前記ベースに取り付けられる円筒部と、該円筒部の他端に設けられると共に、伸縮可能に前記従動板の底面に連結される伸縮軸とを備えるシリンダと、
を有することを特徴とするパソコンデスクの開閉装置。
【請求項2】
前記ベースは、収容空間を備え、フロントプレートと、該フロントプレートと相対するバックプレートと、該フロントプレートとバックプレートとの間の両側に夫々設けられるサイドプレートと、上部に形成される開口と、該フロントプレートからバックプレートに向って斜め下方に延設される傾斜部と、該各サイドプレートにおける、傾斜部の近傍に位置する摺動溝とを備え、
前記円筒部の一端が前記ベースのバックプレートに取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のパソコンデスクの開閉装置。
【請求項3】
さらに、開閉部材組を有し、該開閉部材組は、中央部に前記ベースの開口と連通する穴が形成されるように、該ベースの上部に設置されるロ字形板と、前記主動部材組のベース板に設けられる扉と、前記従動部材組の従動板に設けられる主台とを備え、
また、前記従動部材組における、アームと従動板とが枢設される側に、主台の上方へ突出する阻止部材が延設されることを特徴とする請求項2に記載のパソコンデスクの開閉装置。
【請求項4】
前記扉に掛止部材が取り付けられると共に、前記ベースのフロントプレートに、該掛止部材と対応する位置決め部材が設けられることを特徴とする請求項3に記載のパソコンデスクの開閉装置。
【請求項5】
前記扉にロックプレートが設けられると共に、前記ベースのフロントプレートにロック部材が設けられ、該ロック部材にロック穴が形成され、該ロック部材にロックプレートと対応するフックが設けられることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のパソコンデスクの開閉装置。
【請求項6】
前記従動板の一側の両端に夫々、前記ベースの摺動溝に沿って摺動する摺動部材が設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のパソコンデスクの開閉装置。
【請求項7】
前記主動部材組のベース板にモニタ用の固定ユニットが取り付けられることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のパソコンデスクの開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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