説明

パターン化垂直磁気記録媒体、磁気記録ディスクドライブ、TAR磁気記録ディスクドライブ、及びパターン化垂直磁気記録ディスク

【課題】FePt層およびCo/X多重層の交換結合複合記録構造を有するパターン化垂直磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】ビットパターン化媒体(BPM)磁気記録ディスクは、交換結合複合(ECC)記録層(RL)を含む離散的なデータアイランドを有する。この記録層(RL)は、化学的規則性をもつ高異方性のFePt合金の下部層と、垂直磁気異方性を有する低異方性のCo/X積層体または多重層(ML)の上部層と、場合によって設けられる、FePt層とMLとの間の非磁性の分離層または結合層(CL)とから形成される。FePt合金層は、シード層構造の上にスパッタリング堆積され、その間、ディスクの基板は、高い異方性磁場Hを得るのを保証するため、高温に維持される。高温の堆積は、CrRu/Ptシード層構造と相俟って、後続のMLの堆積に対して非常に滑らかな表面を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、磁気記録ハードディスクドライブにおいて使用するディスクのようなパターン化垂直磁気記録媒体に関し、より具体的には、磁気記録特性が改善されたデータアイランドを有するパターン化ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
パターン化磁気記録媒体を含む磁気記録ハードディスクドライブにおいてはデータ密度の増大が提案されてきた。従来の連続磁気記録媒体においては、磁気記録層は、ディスクの全表面にわたる連続層である。ビットパターン化媒体(bit−patterned media:BPM)とも呼称されるパターン化媒体においては、ディスク上の磁気記録層は、同心の複数のデータトラック内に配置される絶縁された微小なデータアイランドにパターン化される。BPMディスクは、磁化の方向が記録層の平面に平行であるかあるいはその平面内にあるような長手方向の磁気記録ディスクとしてもよいが、BPMの場合は、磁化の方向が記録層の平面に垂直であるかあるいはその平面外に向く垂直磁気記録ディスクが、垂直媒体のデータ密度増大の可能性のために良い選択になり得る。パターン化データアイランドの磁気絶縁を形成するために、アイランド間のスペースの磁気モーメントは、除去されるか、あるいはこのスペースがほぼ非磁性を呈するように大幅に低減される。代わりの方式として、媒体を、アイランド間のスペースに磁性材料が存在しないように製作してもよい。
【0003】
BPMディスク上に所望のアイランドのパターンを形成する方法として、ナノインプリントリソグラフィー(nanoimprint lithography:NIL)が提案されてきた。NILは、所望のナノスケールのパターンを有するマスターテンプレートまたはモールドによってインプリントレジスト層を変形することに基づいている。マスターテンプレートは、電子ビーム工具のような高解像度のリソグラフィー工具によって作製される。被パターン化基板は、石英、ガラスまたはシリコンのようなエッチング可能な材料から形成されるディスクのブランク、あるいは、磁気記録層と任意の必要な下層とが連続層としてその上に形成されるディスクのブランクとすることができる。続いて、この基板に、例えばポリメチルメタクリレート(PMMA)である熱可塑性ポリマーのようなインプリントレジストをスピンコーティングする。次に、このポリマーを、そのガラス転移温度を超える温度に加熱する。熱可塑性レジストは、その温度において粘性体となり、テンプレートから比較的高圧で転写することによって、インプリントレジスト上にナノスケールのパターンが複写される。ポリマー冷却後、インプリントレジストからテンプレートを取り外すと、インプリントレジスト上に凹部および空間のナノスケールの逆パターンが残される。熱可塑性ポリマーの熱的硬化に代わる方式として、例えばMolecular Imprints,Inc.から入手できるMonoMatのような紫外(UV)線によって処理可能なポリマーをインプリントレジストとして使用できる。このパターン化インプリントレジスト層は、次に、下に位置する基板に所望のアイランドのパターンを形成するためのエッチング用マスクとして用いられる。
【0004】
BPMにおけるアイランドは、高いビット面密度(例えば500Gb/in以上)を可能にするために、十分に微小で、かつ十分な磁気品質のものである必要がある。例えば、1Tb/inのビット面密度を達成するためには、データアイランドの直径は約15〜20nmであり、アイランド間の非磁性スペースの幅は約10〜15nmになるであろう。従って、アイランドの寸法の低減に伴って、アイランドの熱的な安定性を維持することが重要である。
【0005】
BPMの開発に関するもう1つの重大な問題点は、スイッチング磁場分布(switching field distribution:SFD)(すなわち、保磁場(coersive field)のアイランド間における変動)を、隣接アイランドにオーバーライトすることなく個々のアイランドの正確なアドレス指定能力を確保するように十分に狭くしなければならないという点である。理想的には、SFDの幅はゼロであるが、これは、すべてのビットが同じ書き込み磁場強度においてスイッチングされることを意味している。SFDは、パターン化アイランドの寸法、形状および間隔における変動、使用磁気材料の本質的な磁気異方性の分布、および隣接アイランド間の双極子の相互作用のような、その起源となるものを多く有している。さらに、磁気アイランドの寸法がBPMの達成し得るビット面密度を制限するが、そのアイランドの寸法の低減と共に、SFDが拡がる(すなわち、保磁場におけるビット間の変動が増大する)ことが判明している。
【0006】
交換結合複合(exchange−coupled composite:ECC)媒体とも呼称される交換スプリング(exchange−spring)媒体は垂直磁気記録用として知られている。ECC垂直記録材料は、実質的に異なる異方性磁場(H)を有する2つ以上の強磁性的交換結合磁気層の複合体である。(一軸磁気異方性Kを有する強磁性層の有効異方性磁場Hは、本質的に、磁化を完全に外部の磁場の方向に揃えるために磁化困難軸に沿って印加する必要がある磁場である)。この複合媒体の磁気シミュレーションによれば、一様な書き込み磁場が存在する場合、低H層の磁化が、最初に回転し、高H層の磁化の反転を補助するであろうことが示されている。この挙動は、時に「交換スプリング」挙動と呼称される。種々のタイプのECCが(非特許文献1)および(非特許文献2)に記載されている。本出願と同じ譲受人に譲渡された係属中の出願の(特許文献1)および(特許文献2)は、ECC材料から形成されるデータアイランドを有する種々のタイプの垂直BPMを記述している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願第11/751,823号明細書
【特許文献2】米国特許出願第12/412,403号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】R.H.Victoraら著「Composite Media for Perpendicular Magnetic Recording」、IEEE Trans MAG 41(2)、2005年2月、p537−542
【非特許文献2】J.P.Wangら著「Composite mediadynamic tilted media) for magnetic recording」、Appl.Phys.Lett.86(14)、2005年4月4日、Art.No.142504
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
高い熱的安定性と狭いSFDとを備えるECC材料のアイランドを有するパターン化垂直磁気記録媒体が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はビットパターン化媒体(BPM)に関する。このビットパターン化媒体(BPM)においては、離散的な磁気アイランドにおける記録層(recording layer:RL)が、化学的規則性をもつ高HのFePt合金の下部層と、垂直磁気異方性を有する低HのCo/X積層体または多重層(multilayer:ML)(XはPt、PdまたはNiである)の上部層と、場合によって設けられる、FePt層とMLとの間の非磁性の分離層または結合層(coupling layer:CL)とを含む交換結合複合(ECC)構造である。硬磁性(高Hの)FePt層は、好ましくは、L1相に基づく化学的規則性をもつ等原子(equiatomic)の二元合金FePtであるが、例えば(Fe(y)Pt(100−y))−X(yは約45〜55原子パーセントの間の値であり、元素Xは、Ni、Au、Cu、PdまたはAgとすることができ、約0%〜約20%原子パーセントの間の範囲内で存在する)のようなFePtのL1相に基づく擬二元合金とすることも可能である。FePt合金層は、CrRu/Pt二重層のようなシード層構造の上にスパッタリング堆積され、その間、ディスクの基板は、高い異方性磁場Hを得るのを保証するため、高温に維持される。高温の堆積は、CrRu/Ptシード層構造と相俟って、後続のML(および場合によって設けられるCL)の堆積に対して非常に滑らかな表面を提供する。MLは、FePt層(あるいは場合によって設けられるCL)の上に形成され、一連のCo/X二重層を備えている。ここで、XはPt、PdまたはNiである。二重層の個数とCo層およびX層の相対的な厚さとは、異方性磁場の値Hを含む所望の磁気の特性を実現するように選択される。別個のCo/X MLは、それ自体として、非常に狭いスイッチング磁場分布(SFD)、すなわちFePt層の場合より遥かに狭いSFDを有するので、複合RLのSFDは狭くなるのである。このECC RLは、硬磁性(高Hの)FePt層および軟磁性(低Hの)Co/X ML双方の非常に明確な垂直異方性のために、強いリードバック信号を供給する。
【0011】
このECC RLは、垂直BPMディスクの離散的なデータアイランドにおいて用いられる。この垂直BPMディスクは、書き込み磁場のための磁束の戻り径路として作用するデータアイランドの下の軟磁性下層(soft magnetic underlayer:SUL)、およびSULとデータアイランドとの間の交換遮断層(exchange break layer:EBL)であって、RLとSULとの間の磁気交換結合を遮断する交換遮断層(EBL)を有することができる。また、このECC RLは、熱アシスト記録(thermally−assisted recording:TAR)ディスクドライブにおける垂直BPMディスクの離散的なデータアイランドにおいても用いることができる。TARディスクドライブにおいては、ヒートシンク層をデータアイランドの下に配置してもよい。
【0012】
本発明の本質および利点を完全に理解するためには、添付の図面に基づいてなされる以下の説明が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ビットパターン化媒体(BPM)を含む垂直磁気記録ディスクドライブの上面図であり、先行技術に従って、同心の複数の円形のデータトラック内に配置されるパターン化データアイランドを示す。
【図2】先行技術のBPMディスクの拡大部分上面図であって、データアイランドの詳細な配置を示す。
【図3A】先行技術によってディスクをエッチング処理しかつ平坦化する操作の第1段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図3B】先行技術によってディスクをエッチング処理しかつ平坦化する操作の第2段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図3C】先行技術によってディスクをエッチング処理しかつ平坦化する操作の第3段階におけるBPMディスクの断面図である。
【図4】本発明による交換結合複合(ECC)記録層(RL)を有するデータアイランドを示すディスク基板の一部分の断面図である。
【図5A】高HのFePtのL1層に対する異方性磁場の分布の、低HのFePtのL1層との比較を示す。
【図5B】高HのFePtのL1層に対する異方性磁場の分布の、室温で堆積された低HのCo/PdまたはCo/Ni多重層との比較を示す。
【図6】熱アシスト記録(TAR)システムに用いる空気ベアリングスライダと、本発明によるECC RLを有するデータアイランドを備えるTARディスクの一部分との断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、パターン化媒体磁気記録ディスク200を有するパターン化媒体磁気記録ディスクドライブ100の上面図である。ドライブ100は、アクチュエータ130と、磁気記録ディスク200を回転させる駆動モータとを支持するハウジングまたは基礎112を有する。アクチュエータ130は、剛性アーム131を有しかつ矢印133で示すようにピボット132の回りで回転するボイスコイルモータ(voice coil motor:VCM)回転アクチュエータとすることができる。ヘッドサスペンションアセンブリは、一方の端部がアクチュエータアーム131の端部に取り付けられるサスペンション135と、サスペンション135のもう一方の端部に取り付けられる空気ベアリングスライダ120のようなヘッドキャリアとを含む。サスペンション135は、スライダ120をディスク200の表面にきわめて近接した状態に維持して、ディスク200が矢印20の方向に回転する時、スライダ120が、ディスク200によって生成される空気ベアリング上において「ピッチ(pitch)」かつ「ロール(roll)」することを可能にする。磁気抵抗性の読み取りヘッド(図示せず)および誘導性の書き込みヘッド(図示せず)は、通常、当分野ではよく知られているように、スライダ120の終端部上に一連の薄膜および構造としてパターン化された一体型の読み取り/書き込みヘッドとして形成される。スライダ120は、通常、アルミナ/炭化チタン(Al/TiC)複合体のような複合材料から構成される。図1には、関連するスライダおよび読み取り/書き込みヘッドを備える1つのディスク表面のみが示されているが、通常は、スピンドルモータによって回転されるハブ上に積層された多重ディスクが存在し、各ディスクのそれぞれの表面に、別個のスライダおよび読み取り/書き込みヘッドが関連付けられている。
【0015】
パターン化媒体磁気記録ディスク200は、硬質または剛性のディスク基板と、その基板上の磁化可能材料の離散的なデータアイランド30とを含む。データアイランド30は、半径方向に離間して配置される複数の円形トラック118内に配置される。図1には、数個のアイランド30と、ディスク200の内径および外径近傍の代表的なトラック118とだけが示されている。アイランド30は、円形として表現されているが、他の形状、例えば、概して長方形、長円形または楕円形を有することもできる。ディスク200が矢印20の方向に回転すると、アクチュエータ130の動きによって、スライダ120の終端部上の読み取り/書き込みヘッドが、ディスク200上の異なるデータトラック118にアクセスできる。
【0016】
図2は、ディスク200の一部分の拡大上面図であり、先行技術による1つのパターンタイプにおけるディスク基板の表面上のデータアイランド30の詳細な配置を示す。アイランド30は、磁化可能な記録材料を含み、トラック118a〜118eとして示すように、円形のトラック内に半径方向もしくはトラック横断方向に間隔をあけて配置される。トラックは、通常、固定トラック間隔TSだけ離して等間隔に配置される。1つのトラック内におけるデータアイランド間の間隔は、トラック118aにおけるデータアイランド30aと30bとの間の距離ISによって示され、隣接するトラックは、トラック118aおよび118bによって示すように、距離IS/2だけ互いにずらされている。各アイランドは、ディスク200の平面に平行な横方向の寸法Wを有する。アイランドが円形であれば、このWはその直径である。アイランドは、他の形状、例えば、概して長方形、長円形または楕円形を有することができ、その場合は、寸法Wは、非円形アイランドの最小寸法、例えば長方形アイランドの短辺とみなすことができる。隣接するアイランドは、横方向寸法Dを有する非磁性の領域またはスペースによって分離される。Dの値はWの値よりも大きくしてもよい。
【0017】
図2に示すようなBPMディスクは、磁化の方向がアイランドにおける記録層の平面に垂直であるかあるいはその平面外に向く垂直磁気記録ディスクとすることができる。パターン化データアイランド30に必要な磁気絶縁を形成するために、アイランド30間の領域またはスペースの磁気モーメントを、除去するか、あるいはこのスペースがほぼ非磁性を呈するように大幅に低減しなければならない。「非磁性」という用語は、アイランド30間のスペースが、誘電体のような非強磁性材料、あるいは、印加磁場がない場合には実質的に残留モーメントを有しない材料、あるいは、読み取りまたは書き込みに悪影響を及ぼさないようにアイランド30から下に十分深く掘り込まれたトレンチ内の磁気材料から形成されることを意味している。非磁性のスペースは、磁気記録層またはディスク基板におけるトレンチまたは凹部のような、磁気材料が存在しない部分としてもよい。
【0018】
図3Aは、BPMディスクを形成するためのリソグラフィーによるパターン化およびエッチング処理する前の、先行技術によるディスク200を示す断面図である。ディスク200は、概して平面状の表面202を有する基板201であり、その表面202上に、代表的な層が通常スパッタリングによって堆積される。ディスク200は、垂直な(すなわち基板表面202に対してほぼ垂直な)磁気異方性を有する記録層(RL)と、場合によって設けられるRLの下の軟磁性下層(SUL)とを含む垂直磁気記録ディスクとして示す。場合によって設けられるSULは、ディスクドライブの書き込みヘッドからの書き込み磁場のための磁束の戻り径路として機能する。
【0019】
硬質のディスク基板201は、商業的に入手可能な任意のガラス基板とすることができるが、NiP表面被膜を有する従来のアルミニウム合金、あるいは、シリコン、カナサイトまたは炭化ケイ素のような代替的基板としてもよい。SUL成長のための付着層またはオンセット層(onset layer:OL)はAlTi合金とすることができ、あるいは、約2〜10nmの厚さの類似材料が基板表面202の上に堆積される。
【0020】
SULは透磁性材料から形成することができるが、この材料としては、例えばCoNiFe、FeCoB、CoCuFe、NiFe、FeAlSi、FeTaN、FeN、FeTaC、CoTaZr、CoFeTaZr、CoFeBおよびCoZrNbなどの合金がある。SULは、また、AlまたはCoCrの導電性膜のような非磁性膜によって分離された複数の軟磁性膜から形成される積層SULまたは多重層SULとすることができる。SULは、さらにまた、Ru、IrまたはCr、あるいはそれらの合金のような反強磁性結合を仲介する中間層膜によって分離された複数の軟磁性膜から形成される積層SULまたは多重層SULとすることもできる。SULは、約5〜50nmの範囲の厚さを有することができる。
【0021】
交換遮断層(EBL)は、通常、SULの上面に配置される。この層は、SULの透磁性膜とRLとの間の磁気交換結合を遮断するように作用し、かつ、RLのエピタキシャル成長を促進する機能をも有する。EBLは必要でない場合もあるが、使用する場合は、非磁性チタン(Ti)層;Si、GeおよびSiGe合金のような非導電性材料;Cr、Ru、W、Zr、Nb、Mo、V、TaおよびAlのような金属;NiW、NiTa、CrTiおよびNiPのような金属合金;CN、CHおよびCのような非晶質炭素;あるいは、Si、Al、Zr、TiおよびBからなる群から選択される元素の酸化物、窒化物または炭化物とすることができる。EBLは約1〜40nmの範囲の厚さを有することができる。
【0022】
図3Aのディスクは、例えばナノインプリント法によってリソグラフィーによりパターン化される。ナノインプリント法においては、マスターテンプレートを、所望のデータアイランドのパターンと非磁性領域とを得るように、例えば直接eビーム書き込みによって製作する。インプリントレジスト(すなわち熱可塑性ポリマー)の薄膜をディスク上にスピンコーティングする。次に、予め定められたパターンを有するマスターテンプレートをインプリントレジスト膜と接触させ、テンプレートおよびディスクを一緒に加圧して熱を加える。インプリントレジストのポリマーがそのガラス転移温度を超える温度に加熱されると、テンプレートのパターンがレジスト膜の中に加圧成形される。冷却後、マスターテンプレートをディスクから分離すると、RL上にパターン化されたレジストが残される。パターン化されたインプリントレジストは、続いて、エッチング用のマスクとして用いられる。データアイランドおよび非磁性領域を形成するために、インプリントレジストにおけるパターンを、下に位置するディスクに移すように、反応性イオンエッチング(reactive−ion−etching:RIE)またはイオンミリングを用いることができる。
【0023】
図3Bは、リソグラフィーによるパターン化およびエッチング処理後のディスク200の断面図である。エッチング後には、基板表面202の上部に、RL材料の隆起ランド30と溝または凹部32とが形成される。凹部32の典型的な深さは、本質的にランド30の高さでもあるが、約4〜50nmの範囲にあり、凹部の典型的な幅も約4〜50nmの範囲にある。図3Bに示す例においては、エッチング処理が、RL材料のすべてとEBL材料の一部分とが凹部32の領域から除去されるような深さまで実施されている。しかし、代わりの方式として、エッチングを、RL材料の一部分のみが除去されるような深さに実施することも可能である。その場合は、凹部32の下部表面の下にもRL材料の層が存在することになる。
【0024】
図3Cは、凹部32の内部およびランド30の上面に保護被膜34を堆積した後、および、凹部32内に充填材料36を堆積して化学的機械的研磨(chemical−mechanical−polishing:CMP)した後の、図3Bのエッチング処理ディスク200の断面図である。保護被膜34は、好ましくはダイヤモンドライククカーボン(diamond−like carbon:DLC)のような非晶質炭素の層である。非晶質炭素またはDLCは、当分野でよく知られているように水素化および/または窒化してもよい。代替方式として、保護被膜34を、SiまたはSiNのような窒化ケイ素とすることができる。充填材料36はSiOまたはポリマー材料とすることができる。CMPによって、本質的に平坦化されたディスク表面が得られる。次に、平坦化された表面上に、場合によって、保護被膜の付加層(図示せず)を堆積させることができ、これに続いて、従来の液体の潤滑剤の層(図示せず)を堆積させる。
【0025】
本発明のパターン化垂直媒体においては、離散的な磁気アイランドにおけるRLは、化学的規則性をもつ高HのFePt合金の下部層と、垂直磁気異方性を有する低HのCo/X積層体または多重層(ML)(XはPt、PdまたはNiである)の上部層と、場合によって設けられる、FePt層とMLとの間の非磁性の分離層または結合層(CL)とを含む交換結合複合(ECC)構造である。図4は、EBLを上に有するSULの一部分と、EBL上の本発明によるデータアイランド230とを示すディスク基板の一部分の断面図である。FePt層250の成長を促進するため、シード層構造240をEBLの上に堆積する。シード層構造240は、CrRuの下部層と、そのCrRu層上のPtの上部層との二重層とすることができる。EBLおよびシード層構造240の合計厚さは1nm〜25nmの範囲にあることが望ましい。このシード層構造240の上に、FePt層250を約3〜10nmの範囲の厚さに堆積する。非磁性のCL260は、好ましくは、FePt層250の上に約0.5〜4nmの範囲の厚さに堆積されるPtまたはPdの層である。ML270は、CL260上に形成され、一連のCo/X二重層を備えている(XはPt、PdまたはNiである)。図4においては、3つの二重層、すなわち、Co層271、273、275とX層272、274、276とが示されている。二重層の個数とCo層およびX層の相対的な厚さとは、異方性磁場の値Hを含む所望の磁気の特性を実現するように選択される。場合によって設けられるCL260を用いない場合は、第1二重層のX層(Pt、PdまたはNi)をFePt層250の上に堆積し、続いてCoおよびXの層を交互に堆積して、ML270を完成する。場合によって、PdまたはPtの層のようなキャッピング層280を、ML270の上部層の上に約1〜3nmの範囲の厚さに堆積することができる。
【0026】
ECC構造における硬磁性(高Hの)層250は、好ましくは、L1相に基づく化学的規則性をもつ等原子の二元合金FePtである。L1に規則化されたFePt(およびFePd)の化学的規則性をもつ合金は、その結晶磁気異方性および磁化が高いことで知られている。これらは、高密度の磁気記録材料として好ましい特性である。化学的規則性をもつFePt合金は、そのバルク形態においては、面心正方(face−centered tetragonal:FCT)のL1規則化相材料(CuAu材料とも呼称される)として知られている。L1相のc軸は磁化容易軸であり、ディスク基板に垂直に向けられる。化学的規則性をもつFePt合金層250は、例えば(Fe(y)Pt(100−y))−X(yは約45〜55原子パーセントの間の値であり、元素Xは、Ni、Au、Cu、PdまたはAgとすることができ、約0%〜約20%原子パーセントの間の範囲内で存在する)のようなFePtのL1相に基づく擬二元合金とすることも可能である。擬二元合金は、一般的に二元合金FePtと同様に高い異方性を有する一方、RLの磁気的および構造的特性に対する追加的な制御を可能にする。
【0027】
化学的規則性をもつFePt合金層250はシード層構造240の上にスパッタリング堆積され、その間、ディスクの基板は、300℃を超える、好ましくは500℃を超える高温に維持される。堆積を高温で行うことによって、高い異方性磁場Hの実現が保証される。異方性磁場は、約30〜150kOeの間であることが望ましい。FePt層250に段階的な異方性磁場を形成するために、ディスク基板の温度を、堆積の間に、例えば、約600℃の開始温度から約300℃の最終温度まで徐々に下げることが可能である。なおこの場合、異方性磁場は厚さの増大と共に低下する。高温の堆積は、CrRu/Ptシード層構造240と相俟って、後続のCL260およびML270の堆積に対して非常に滑らかな表面を提供する。FePt層250の上部表面は、表面粗度の二乗平均の平方根(root−mean−square:RMS)として1nmより小さい値を有するべきである。高HのFePt層250の代替的な形成方法として、FeおよびPtの順次交互の層を、別個のFeおよびPtターゲットからのスパッタリング堆積によって堆積することが可能である。この場合は、FeおよびPtターゲットを交互にカバーするシャッターを使用する。引き続いて、得られた構造体を、約300℃〜700℃において約1〜30分間アニーリング処理する。アニーリング時間が非常に短く(約2〜60秒)かつ温度をきわめて急速に上昇させる急速熱アニーリング(rapid thermal annealing:RTA)も用いることができる。
【0028】
Co/X ML270は2組〜10組の間のCo/X二重層を有することが望ましい。Co/X MLにおけるHは、0.1〜0.4nmの厚さ範囲の薄いCo層において最も高い。また、Co/Ni二重層は、一般的にCo/PdおよびCo/Pt二重層よりも低いHを呈する。一例においては、5組のCo(0.28nm)/Pd(0.9nm)二重層のCo/Pd多重層は約30kOeのHを有し、3組のCo(0.2nm)/Ni(0.6nm)二重層のCo/Ni多重層は約5kOeのHを有するであろう。Co/X MLは、所望の厚さを生成するように、CoおよびX層を室温または200℃未満の温度において所望時間、順次スパッタリング堆積することによって堆積される。MLの異方性磁場は約1〜40kOeの間の値であることが望ましい。
【0029】
本発明のECC RLは狭いSFDを呈する。化学的規則性をもつFePtは、低いHを実現するために低温度(約400℃未満)で堆積すると狭いSFDを有しない。異方性磁場の分布の幅が非常に広くなり、多くの結晶粒が面内(in−plane)にある一方、他の結晶粒はなお部分的にL1規則化されたままである。従って、段階的なHを有する1つのFePt層、または異なる値のHを有する個別のFePt層は、その双方共、FePtのECC構造の一部を低温度で堆積する必要があるが、このようなFePtのみに基づくECC構造は望ましくない。図5Aは、約80kOeのHを達成するように約500〜700℃で堆積された高HのFePtL1層の異方性磁場分布(曲線A)を、約20kOeのHを達成するように約200〜400℃で堆積された低HのFePtL1層のそれ(曲線B)と比較したものである。図5Aは、曲線Bに表示される幅の広いSFDが、FePtのみに基づく好ましくないECC構造をもたらす可能性が高いことを示している。
【0030】
本発明のRLにおいては、室温において堆積可能な別個のCo/X MLを軟磁性層として用いるが、これは、それ自体として非常に狭いSFDを有する。図5Bは、約80kOeのHを達成するように約500〜700℃で堆積された高HのFePtL1層の異方性磁場分布(曲線A)を、約20kOeのHを達成するように室温で堆積された低HのCo/PdまたはCo/Ni MLのそれ(曲線C)と比較したものである。図5Bは、図5Aの曲線Bよりも遥かに狭いSFD(曲線C)を明らかに示している。従って、本発明によるECC RLは、硬磁性(高Hの)FePt層(曲線Aで表現されるSFDを有する)と、軟磁性(低Hの)Co/X ML(曲線Cで表現されるSFDを有する)とから作製される複合系の狭いSFDを呈する。すなわち、一般的に、単独のFePt層に対するSFDは、複合ECC RLに対するSFDより大きく、後者のSFDは単独のMLに対するSFDより大きい。また、ECC RLは、硬磁性(高Hの)FePt層および軟磁性(低Hの)Co/X ML双方の非常に明確な垂直異方性のために、強いリードバック信号を供給する。
【0031】
BPMを含む垂直磁気記録ディスクは、主として、誘導書き込みヘッドのみがデータをアイランドに書き込む従来の磁気記録に用いるものとして提案されてきた。しかし、垂直BPMディスクは、熱アシスト記録(TAR)とも呼称される加熱アシスト記録用としても提案されてきた。TARシステムにおいては、近接場変換器(near−field transducer:NFT)を備える光導波路が、レーザのような放射源から熱を導いてディスク上の磁気記録層の局所領域を加熱する。放射は、誘導書き込みヘッドによって書き込みが生じさせるのに十分な程度に保磁力を下げるために、磁気材料をそのキュリー温度近傍またはそれを超える温度まで局所的に加熱する。本発明のECC RLはTARディスクドライブ用の垂直BPMディスクにも適用可能である。
【0032】
図1は、垂直BPMディスク200と、書き込みヘッドおよび読み取りヘッドを支持する空気ベアリングスライダ120とを有する従来の磁気記録装置を示している。図6は、TARシステムに使用する空気ベアリングスライダ120'とTARディスク200'の一部分との断面図である。図6は、きわめて微小な形状を示す難しさのために縮尺どおりには表現されていない。空気ベアリングスライダ120'は、書き込みヘッド50(ヨーク54および書き込み磁極52を含む)と、読み取りヘッド60と、シールドS1およびS2とを支持する。TARディスク200'においては、アイランド30および非磁性領域32の下部にヒートシンク層21が配置される。アイランド30は、図4のアイランド230のような本発明によるECC RLを有するアイランドとすることができる。ヒートシンク層21は、Cu、Au、Agまたは他の適切な金属、あるいは金属合金のような良好な伝熱体である材料から形成される。層19は、MgOまたはSiOの層のような、ヒートシンク層21およびアイランド30間の熱抵抗層とすることができる。この層は、熱があまりに急速にヒートシンク層21に伝達されないように熱流を制御するためのものである。TARディスク200'は、場合によってSULも含むことができる。SULを設ける場合は、SULは、ヒートシンク層21の下に配置される。SULが存在しない場合は、EBLは必要でない。スライダ120'は、ディスク200'に面する空気ベアリング面(air−bearing surface:ABS)を有する。スライダ120'は、また、レーザ70と、ミラー71と、光導波路またはチャネル72と、ABSにおいてその出力を有するNFT74とを支持する。
【0033】
書き込み電流がコイル56に導通されると、書き込み磁極52は磁束をデータアイランド30に導く。図においては、これが、データアイランド30の1つに導かれる矢印42で示されている。矢印を含む破線17は、戻り磁極54への磁束の戻り径路を示す。NFT74は、TARディスク200'がスライダに対して方向20に動く時に、近接場放射を、波形矢印82で示すようにデータアイランド30に導く。NFTにおける電荷の振動によってデータアイランド30が加熱され、同時に、データアイランドは書き込み磁極52からの書き込み磁場に曝露される。これによって、データアイランド内の磁気記録材料の温度が、そのキュリー温度近傍またはそれを超える温度まで上昇し、それによって、材料の保磁力が低下して、書き込み磁場によるデータアイランドの磁化のスイッチングが可能になる。本発明によるECC RLをTARディスクドライブのデータアイランドに用いる場合は、FePt層の異方性磁場は約30〜150kOeの間の値にすることが望ましく、MLの異方性磁場は、約1〜40kOeの間の値であって、FePt層の異方性磁場よりも低い値にすることが望ましい。また、データアイランドのMLにおいては、CoをNiと合金させること、例えばCoNi/X(X=PtまたはPd)二重層とすることが望ましい場合がある。これによって、軟磁性MLのキュリー温度を、TARディスクドライブの性能を最適化するように調整することが可能になるであろう。
【0034】
本発明を好ましい実施形態を参照して具体的に示しかつ説明してきたが、本発明の本質および範囲から逸脱することなく形態および詳細における種々の変更をなし得ることが、当業者には理解されるであろう。従って、開示された発明は、単に例示的なものと見做されるべきであり、添付の特許請求の範囲に規定される範囲においてのみ限定される。
【符号の説明】
【0035】
100 ディスクドライブ
112 ハウジング
118 トラック
120、120' 空気ベアリングスライダ
130 アクチュエータ
131 剛性アーム
132 ピボット
135 サスペンション
17 磁束の戻り径路
19 熱抵抗層
21 ヒートシンク層
200、200' 磁気記録ディスク
201 基板
202 基板表面
230 データアイランド
240 シード層構造
250 FePt層
260 結合層
270 多重層
271、273、275 Co層
272、274、276 X層
280 キャッピング層
30 アイランド
32 凹部
34 保護被膜
36 充填材料
50 書き込みヘッド
52 書き込み磁極
54 ヨーク
56 コイル
60 読み取りヘッド
70 レーザ
71 ミラー
72 導波路
74 近接場変換器
ABS 空気ベアリング面
CL 結合層
D 非磁性の領域の横方向寸法
EBL 交換遮断層
IS データアイランド間の距離
ML 多重層
OL オンセット層
RL 記録層
S1、S2 シールド
SUL 軟磁性下層
TS トラック間隔
W アイランドの横方向寸法

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上にありかつ実質的な非磁性領域によって分離される複数の離散的な磁気アイランドであって、各アイランドは、前記基板上の、垂直磁気異方性を有する化学的規則性をもつFePt合金の層と、そのFePt層の上にありかつそのFePt層に交換結合された多重層とを備える交換結合複合磁気記録構造を有し、その多重層は、Co/Ptを含む多重層、Co/Pdを含む多重層およびCo/Niを含む多重層からなる群から選択される、複数の離散的な磁気アイランドと、
を備えるパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項2】
前記FePt層と前記多重層との間に非磁性の分離層をさらに備える、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項3】
前記非磁性分離層が、PtおよびPdから選択される材料から形成される、請求項2に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項4】
前記基板と前記FePt層との間にシード層構造をさらに備える、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項5】
前記シード層構造が、CrRu合金の層と、そのCrRu合金層の上にありかつその合金層に接触するPtの層とを備える、請求項4に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項6】
前記化学的規則性をもつFePt合金が、化学的規則性をもつFePt−Xの合金であり、元素XはNi、Au、Cu、PdおよびAgからなる群から選択される、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項7】
前記多重層の上に非磁性のキャッピング層をさらに備える、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項8】
前記基板上における透磁性材料の下層、およびその下層と前記FePt層との間の交換遮断層をさらに備える、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項9】
前記基板と前記FePt層との間にヒートシンク層をさらに備える、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項10】
前記FePt層の異方性磁場が約30〜150kOeの間の値であり、前記多重層の異方性磁場が約1〜40kOeの間の値であって、前記FePt層の異方性磁場よりも低い、請求項1に記載のパターン化垂直磁気記録媒体。
【請求項11】
請求項1のパターン化垂直磁気記録媒体と、
データアイランドにおける磁気記録材料を磁化するための書き込みヘッドと、
前記磁化されたデータアイランドを読み取るための読み取りヘッドと、
を備える磁気記録ディスクドライブ。
【請求項12】
前記基板と前記FePt層との間にヒートシンク層をさらに備える請求項1に記載の媒体と、
前記データアイランドに磁場を印加するための書き込みヘッドと、
前記データアイランドを加熱するように前記アイランドに放射を導くための光学データチャネルおよび近接場変換器と、
前記磁化されたデータアイランドを読み取るための読み取りヘッドと、
を備える熱アシスト記録(TAR)磁気記録ディスクドライブ。
【請求項13】
前記多重層が、CoNi/Pd多重層およびCoNi/Pt多重層から選択される多重層を備える、請求項12に記載のTAR磁気記録ディスクドライブ。
【請求項14】
剛性のディスク基板と、
前記基板上の透磁性材料の下層と、
前記下層上の交換遮断層(EBL)と、
前記EBL上のシード層構造と、
前記シード層構造上においてほぼ同心の複数のデータトラック内に配置され、かつ、実質的な非磁性領域によって分離される複数の離散的な磁気アイランドであって、各アイランドは、前記シード層構造上の、垂直磁気異方性を有する化学的規則性をもつFePt合金の層と、そのFePt層の上にありかつそのFePt層に交換結合された多重層とを備える交換結合複合磁気記録構造を有し、その多重層は、Co/Ptを含む多重層、Co/Pdを含む多重層およびCo/Niを含む多重層からなる群から選択される、複数の離散的な磁気アイランドと、
を備えるパターン化垂直磁気記録ディスク。
【請求項15】
前記FePt層と前記多重層との間に非磁性の分離層をさらに備え、その非磁性分離層は、PtおよびPdから選択される材料から形成される、請求項14に記載のパターン化垂直磁気記録ディスク。
【請求項16】
前記シード層構造が、CrRu合金の層と、そのCrRu合金層の上にありかつその合金層に接触するPtの層とを備える、請求項14に記載のパターン化垂直磁気記録ディスク。
【請求項17】
前記化学的規則性をもつFePt合金がほぼ等原子のFePtである、請求項14に記載のパターン化垂直磁気記録ディスク。
【請求項18】
前記化学的規則性をもつFePt合金が、式(Fe(y)Pt(100−y))−Xで表される擬二元合金であり、yは約45〜55原子パーセントの間の値であり、元素Xは、Ni、Au、Cu、PdまたはAgとすることができ、約0%〜約20%原子パーセントの間の範囲内で存在する、請求項14に記載のパターン化垂直磁気記録ディスク。
【請求項19】
前記多重層の上に非磁性のキャッピング層をさらに備える、請求項14に記載のパターン化垂直磁気記録ディスク。
【請求項20】
前記FePt層の異方性磁場が約30〜150kOeの間の値であり、前記多重層の異方性磁場が約1〜40kOeの間の値であって、前記FePt層の異方性磁場よりも低い請求項14に記載のパターン化垂直磁気記録ディスク。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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