説明

パチンコ機

【課題】演出の斬新さ、遊技者へのインパクトを一層強めることができ、満足する演出効果が得られるパチンコ機を提供する。
【解決手段】盤面に図柄表示画面2及びその周囲を飾る装飾部品1を配置し、これらの配置領域で視覚上の演出を行うパチンコ機であって、装飾部品1を、固定装飾部品3及び可動装飾部品4で構成する。固定装飾部品3は、画面2を跨ぐ位置にあって各々の一方端が画面2の外周に位置し、同他方端が画面2から遠ざかる方向に延出する一対の線状発光部41を備える。また可動装飾部品4を、固定装飾部品1と組み合う第1位置及び一対の線状発光部41の延出方向に沿った下方の第2位置相互間を移動可能に構成する。一対の線状発光部41の発光による演出領域の拡張、可動装飾部品4の移動によるダイナミック感の付与、画面2による線状発光画像46やその他の演出画像の表示を、適宜に組み合わせることができ、様々な場面で様々な演出を行うことを可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技盤面の、図柄表示画面及びこの図柄表示画面を囲む部品が配置された領域で視覚上の演出を行うパチンコ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のパチンコ機には、遊技盤中央部の図柄表示画面を各々跨ぐように第1ランプ表示部及び第2ランプ表示部を設け、図柄表示画面の画面表示と第1,第2ランプ表示部の点灯表示とを組み合わせて光りの演出を行うというものがあった(特許文献1参照)。
また、文字,図柄等を可変表示する可変表示部及び可動体を備え、可動体が可変表示部周辺部に位置してその可変表示部の表示態様と対応して動くことで視覚上の演出行うというものがあった(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−283246号公報
【特許文献2】特開2001−38005号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1,2に記載の発明では、各々斬新さを有し、遊技者にインパクトを与えることができるという利点はあるものの、全体としては未だ満足できる演出効果を得ることができなかった。
本発明の課題は、演出の斬新さ、遊技者へのインパクトを一層強めることができ、満足する演出効果が得られるパチンコ機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するための手段を以下に述べる。
各手段は、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明の理解を容易にするためであって、本明細書に記載の技術的特徴が以下の各項に記載のものに限定されるものではない。
以下の各手段のうち、(1)項が請求項1に、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、各々対応する。なお、各手段においては、必要に応じてその作用等についても述べる。
【0005】
(1)遊技盤面に、図柄表示画面とこの図柄表示画面の周囲を飾る装飾部品とが配置され、これら図柄表示画面及び装飾部品の配置領域にて視覚上の演出を行うパチンコ機であって、前記装飾部品は固定装飾部品及び可動装飾部品からなり、前記固定装飾部品は、前記図柄表示画面を跨ぐ位置にあって各々の一方端が前記図柄表示画面の外周又はその近傍に位置し、同他方端が前記図柄表示画面から遠ざかる方向に延出する一対の線状発光部を有し、前記可動装飾部品は、前記固定装飾部品と組み合う第1位置及び前記一対の線状発光部の延出方向に沿った下方の第2位置相互間を移動可能に構成されたことを特徴とするパチンコ機。
装飾部品は、遊技盤面のほぼ中央に配置される図柄表示画面の周囲を飾る装飾部品、つまりセンタ飾りへの適用が好例である。しかし、基本的には図柄表示画面の遊技盤面上の位置に制約はない。
線状発光部の発光は、直線状とすれば簡単な発光部材形状で、その先端(上記他方端)を図柄表示画面から最も遠ざけることができて演出領域に広がりを持たせ得るが、必ずしも直線状でなくてもよい。例えば、稲妻形や弧状であってもよい。
可動装飾部品の第1位置及び第2位置相互間の移動は、基本的には双方向に可能である。この移動は、図柄表示画面に表示される画像による所定の演出時や線状発光部の発光時に合わせて行われ、顕著な演出効果を発揮し得る。
図柄表示画面は所望の図柄、画像を表示可能であり、前記一対の線状発光部の発光に合わせて線状発光画像を表示することも可能である。
【0006】
(2)予め決められたタイミングで、前記一対の線状発光部を発光させると共に、その一対の発光相互を結ぶように線状発光画像を前記図柄表示画面に表示させ、かつ、前記タイミングで又はこのタイミング後の所定時点に、前記可動装飾部品を第1位置から第2位置に移動させる演出制御手段が付加されたことを特徴とする(1)項に記載のパチンコ機。
演出制御手段は、一対の線状発光部を発光させると共に、その一対の発光相互を結ぶように線状発光画像を前記図柄表示画面に表示させ、かつ、予め決められたタイミングで又はこのタイミング後の所定時点に、前記可動装飾部品を第1位置から第2位置に移動させる。
上記可動装飾部品を移動させるタイミングにつき、線状発光画像を表示させるタイミング後の所定時点とは、通常は、線状発光画像の表示直後を指す。また、線状発光画像の表示後の可動装飾部品の移動に不自然さを感じさせない時間、つまり、線状発光画像の表示と何らかの関係をもって可動装飾部品が移動したと感じ得る時間であれば、線状発光画像の表示直後を超える時間であってもよい。これは、一対の線状発光部の発光と線状発光画像が、例えば斬りつけた刀の刃先の軌跡を表し、可動装飾部品の移動が、切られた対象物の落下を表すとしたとき、それらの間に演出上、間(ま)を持たせることがあるが、この場合の間(経過時間)を許容する主旨である。
線状発光画像は、線状発光部の形状、換言すれば線状発光部の発光形状、と同じ線状、例えば直線状にすることに限定されず、稲妻形や弧状等であってもよい。通常は、線状発光部による発光形状に合わされるが、線状発光部による発光形状が直線状でありながら線状発光画像は稲妻形とする、というように別形状であってもよい。
【0007】
(3)前記固定装飾部品は発光制御可能な電飾部を有し、この電飾部を有した固定装飾部品の配置面よりも前面側の面に前記可動装飾部品が配置され、その可動装飾部品の、前記第1位置は前記固定装飾部品の前記電飾部を含む予め決められた隠蔽領域を覆う位置に設定され、かつ、前記第2位置は前記第1位置で覆われる前記隠蔽領域のうちの少なくとも前記電飾部を含む所定領域を現出させる位置に設定されたことを特徴とする(1)項又は(2)項に記載のパチンコ機。
可動装飾部品の第1位置から第2位置への移動時、つまり可動装飾部品により覆われていた隠蔽領域中の電飾部を含む所定領域を現出させる移動において、その移動と共に電飾部が作動することにより、顕著な演出効果を発揮し得る。
電飾部は発光制御可能であって、この発光制御による点灯、点消灯あるいは点滅が上記作動に含まれる。電飾部は、通常、複数の光源を備え、この複数の光源を適宜配列し、あるいは散在させ、その各々について発光制御することにより、多様な電飾演出が可能である。
【発明の効果】
【0008】
(1)項に記載の発明では、図柄表示画面を跨ぐ位置にあって各々の一方端が図柄表示画面の外周又はその近傍に位置する一対の線状発光部の各他方端が、図柄表示画面から遠ざかる方向に延出するので、その発光時には演出領域に広がりを持たせ得る。
したがって、この一対の線状発光部の発光を、図柄表示画面に表示される画像による所定の演出時に合わせて行えば、視覚上の演出領域を広げることができる。特に、一対の線状発光部の各一方端を結ぶ線状発光画像の図柄表示画面への表示と合わせて行えば、一方の線状発光部の発光→図柄表示画面における線状発光画像→他方の線状発光部の発光と、線状の発光が繋がり、視覚上の演出領域を最大限に広げることができ、顕著な演出効果を発揮し得る。
のみならず、可動装飾部品の移動はそれ自体でダイナミックな演出が可能となるが、この移動を、図柄表示画面に表示される画像による所定の演出時や線状発光部の発光時に合わせて行えば、特に、一対の線状発光部の発光、図柄表示画面による線状発光画像の表示に合わせて行えば、更に顕著な演出効果を発揮し得る。
つまり、一対の線状発光部の発光による演出領域の拡張、可動装飾部品の移動によるダイナミック感の付与、図柄表示画面による線状発光画像やその他の演出画像の表示を、適宜に組み合わせ得、様々な場面で様々な演出を行うことができ、演出の斬新さ、遊技者へのインパクトを一層強め、満足する演出効果が得られるパチンコ機を提供できる。
【0009】
(2)項に記載の発明によれば、一方の線状発光部の発光から、図柄表示画面における線状発光画像を経て、他方の線状発光部の発光に至る、線状に繋がった発光による演出領域を拡張する演出を行うことができる。同時に、又はその所定時間後に、可動装飾部品の移動によるダイナミック感を付与する演出を行うことができ、演出の斬新さ、遊技者へのインパクトを一層強め、満足する演出効果が得られるパチンコ機を提供できる。
【0010】
(3)項に記載の発明では、固定装飾部品は発光制御可能な電飾部を有している。そして可動装飾部品は、固定装飾部品の上記電飾部を含む隠蔽領域を覆う第1位置、及びこの第1位置で覆われる隠蔽領域のうちの電飾部を含む領域を現出させる第2位置相互間を移動可能である。
したがって、可動装飾部品の移動時に、それまで覆われていた隠蔽領域の電飾部を発光制御でき、これにより隠蔽領域の電飾部を様々に発光可能である。つまり、可動装飾部品の移動に合わせて現出した隠蔽領域において、様々に制御される発光も行え、全体的にダイナミックで動作範囲をより大きく見せ得る。したがって、この(1)項に記載の発明によれば、演出動作の斬新さ、遊技者へのインパクトを一層強め得るパチンコ機を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。なお、各図間において、同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1及び図2は、各々本発明に係るパチンコ機の一実施形態の要部を示す正面図で、図1は基本状態、図2は演出状態を示している。
これらの図において、装飾部品1は、後述する遊技盤面に配置される図柄表示画面(図柄表示装置の画面)2の周囲を飾る盤面構成部品であり、固定装飾部品3と可動装飾部品4とを備えてなる。
なお、図1,図2においては、他の箇所との境界を明確にするため、可動装飾部品4の輪郭を太線で強調して描いたが、可動装飾部品4の外周に実際に太線が描かれているとの限定をするものではない。
【0012】
本実施形態において、上記固定装飾部品3は、図3に取り出して示すように、図柄表示画面2の全周を囲むほぼ四辺形の枠状に形成されている。
またこの固定装飾部品3は、図柄表示画面2を跨ぐ位置にあって各々の一方端が図柄表示画面2の外周又はその近傍に位置し、同他方端が図柄表示画面2から遠ざかる方向に延出する一対の線状発光部41,41を有して構成されている。一対の線状発光部41,41は、図示例では固定装飾部品3の四辺形の図中左上方の隅部から右下方の隅部を結ぶ対角線上に、各々直線状に配設されている。
一対の線状発光部41,41は、図4に取り出して示すように、各々四角形の透明板42と複数の光源、ここでは4つのLED43とからなる。透明板42は、後端面44にレンズカット加工が施され、このレンズカット加工された後端面44に近接対向して4つのLED43が配列され、この4つのLED43の点灯により、その前端面45、つまり図1,図2において直線状に露出している正面部分が発光し、直線状に輝いて見える。レンズカット加工を後端面44ではなく、前端面45に施してもよい。正面部分が発光して直線状に輝いて見えれば、その他の方法を採用してもよい。
【0013】
図2中、46は、上記一対の線状発光部41,41による発光相互を結ぶように図柄表示画面2に表示される線状発光画像である。この線状発光画像46は、後述する演出制御装置によって一対の線状発光部41,41による発光と同時に図柄表示画面2に表示される。これによれば、一方の線状発光部41の発光→図柄表示画面2における線状発光画像46→他方の線状発光部41の発光と、線状の発光が繋がり、視覚上の演出領域が最大限に広がる。
【0014】
本実施形態において、固定装飾部品3は、発光制御可能な電飾部5をその四辺形の上辺側部分、下辺側部分及び右辺側部分に有する。なお本実施形態では、下辺側部分及び右辺側部分の各電飾部の説明は省略し、上辺側部分の電飾部5についてのみ説明する。
【0015】
電飾部5は、その全ての構成を固定装飾部品3に備えるようにしてもよいが、ここでは、固定装飾部品3に備えられた透光性を有する飾り部6と、この透光性飾り部6の後面側に、同透光性飾り部6の面方向に複数の光源を配置してなる光源ユニット(図示せず)とから構成されている。
上記複数の光源は、配列あるいは散在され、発光制御によって多様な電飾演出が可能である。複数の光源には、豆球、LED等が用いられるが、固定装飾部品3の透光性飾り部6の後面側に配置されるので、輝度が高いことが望まれる。ここではLEDが用いられ、光源ユニットは透光性飾り部6の面方向、特に図中左右方向にその複数のLED(図示せず)が散在されてなる。
【0016】
図示例では、固定装飾部品3の上辺側部分はそのほぼ全域が透光性飾り部6を形成している。またこの透光性飾り部6には、淡い桃色に着色され桃の花を模した浮彫り(桃の花浮彫り)8が施されている。上記複数のLEDは、この桃の花浮彫り8位置に合わせて配置されている。固定装飾部品3の上辺側部分の上部右側には桃の実を模した浮彫り(桃の実浮彫り)9も施されている。
固定装飾部品3の右辺側部分には般若面形状の装飾部材(般若面装飾部材)10が取り付けられている。この般若面装飾部材10の前方(図示面に対して手前方向)に突出する部分の最先端は固定装飾部品3の配置面位置より前方に突出しないか、しても僅かとなるように設定されている。すなわち、固定装飾部品3の配置面よりも前面側の面に配置される可動装飾部品4の後述移動時に、般若面装飾部材10がその移動を妨害しないように設定されている。
【0017】
上記可動装飾部品4は、図5に取り出して示すように、図柄表示画面2の上辺側部分から右辺側部分に亘る半周を囲むほぼ¬状(かぎ状)に形成され、少なくとも上辺側部分は全域が透光性を有し、その前面には飾り部11を有する。この飾り部11には、図示するように「桃太郎侍」という装飾文字からなる浮彫り(桃太郎侍文字浮彫り)12が施されている。可動装飾部品4の上辺側部分全域が透光性を有するので、上記光源ユニットの光源からの光りは、固定装飾部品3の透光性飾り部6及び可動装飾部品4の上辺側部分(透光性領域)を透過して装飾部品1の前面側から見ることができる。つまり、可動装飾部品4の電飾部5を覆う上辺側部分(透光性領域)においても間接的ではあるが電飾効果を発揮できる。
【0018】
この可動装飾部品4は、固定装飾部品3の配置面よりも前面側の面に配置され、図1に示す第1位置(基本状態の位置)と図2に示す第2位置(演出状態の位置)との間を双方向に移動可能である。
図1,図2から分かるように、第1位置は、固定装飾部品3の電飾部5のほぼ全域に亘って設定された隠蔽領域13を覆う位置である。また第2位置は、第1位置で覆われる隠蔽領域13のうちの少なくとも電飾部5を含む所定領域、ここでは桃の花浮彫り8部分の上半分の領域、を現出させる位置である。
【0019】
第1位置と第2位置との間を双方向に移動させる機構(可動装飾部品4の駆動機構)は、リンクや歯車等を用いた種々の機構のうち、どの機構を用いてもよい。本実施形態では、全体を図示しないがリンク機構が用いられている。図3中の31は、リンク機構の出力レバーを示している。この出力レバー31は支点32において軸支され、その作用端33が可動装飾部品4に連結されており、可動装飾部品4は、上記出力レバー31等の正転、逆転により、第1位置と第2位置との間を双方向に移動する。
なお、図3中の34は、可動装飾部品4の後面に形成されたガイド用のレール部や溝等(図示せず)に係合してあるいは填り込んで、可動装飾部品4の上記移動の際にガイドとして機能するガイド部材である。
【0020】
本実施形態では、図1,図2を比較対照して分かるように、固定装飾部品3と一体をなす装飾部材14が可動装飾部品4の前面側に位置しているが、この装飾部材14は、本発明における固定装飾部品3には含まれない。このような装飾部材14は、固定装飾部品3や可動装飾部品4により装飾しきれなかった場合の補助装飾、あるいは可動装飾部品4の駆動機構の目隠し等に用いて有効である。
【0021】
図6は、上述した装飾部品1がセンタ飾りとして用いられた本発明に係るパチンコ機の遊技盤面の一例を示す図である。
この図に示すように、遊技盤面(以下、盤面と略記する。)51には、レール52が取り付けられており、このレール52の内側には、遊技領域53が形成されている。レール52は、図示しないハンドルの操作により発射された遊技球(図示せず)を盤面51の左側上部から遊技領域53へ送り込むように案内する。
【0022】
盤面51には、レール52の他にも種々の盤面構成部品が設けられている。
すなわち、盤面51のほぼ中央には液晶表示器等からなる図柄表示装置の画面(図柄表示画面)2が配置されている。そして、その図柄表示画面2の周囲には、図1,図2示す装飾部品1がセンタ飾りとして配置され、図柄表示画面2の周囲を装飾している。
図柄表示画面2の下方には始動入賞口54が設けられ、また、始動入賞口54の下方には大入賞口55が設けられている。その他、いくつかの一般入賞口56が盤面1上に設けられている。
上記大入賞口55は、開放時に、他の入賞口54,56よりも入賞が著しく容易な形態となるように、ここでは入賞開口が著しく大きくなるように構成されている。
【0023】
盤面51のレール52内側の左サイドには、サイドランプ57が設けられている。ゲート58や風車59も適所に設けられている。
レール52内側の最下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口60が設けられている。
更に、上記各部品54〜59やアウト口60を避けた適宜箇所には、多数の遊技釘(符号省略)が打ち込まれている。なお、盤面51は透明ガラス板(図示せず)により覆われ、遊技球が遊技領域53から離脱することはない。
【0024】
上記図柄表示画面2の表示領域は、例えば横方向に左、中、右、3つの表示領域LA,CA,RAに分けられている。
これら3つの表示領域LA,CA,RAには各々図柄L,C,Rが表示されるが、表示される図柄L,C,Rは変動可能であり、また、変動開始すると所定時間後に停止するようになされている。このときの表示図柄L,C,Rは、ここでは3つの表示領域LA,CA,RA共に0〜9までの数字であり、変動時にはこの数字0〜9が繰返し表示される。表示図柄L,C,Rの変動は、始動入賞口6への遊技球の入賞により、つまり後述始動入賞球センサによる始動入賞球の検出に応じて行われる、大当りか外れかの抽選と共に、又は抽選直後に開始される。
【0025】
以上のような盤面51の構成において、センタ飾り1に備わる固定装飾部品3の一対の線状発光部41,41の発光や可動装飾部品4の移動が、図柄表示画面2に表示される図柄や画像による所定の演出時、特に線状発光画像46の表示による演出時に合わせて行われる。つまり、盤面51の、図柄表示画面2及びこの図柄表示画面2を囲む部品が配置された領域で、広がりをもったダイナミックで斬新な演出が行われ、遊技者へのインパクトが一層強められた、満足する演出効果が発揮される。
また、可動装飾部品4の第2位置への移動時に現出される電飾部5(図2参照)が発光制御されて、更に斬新な演出を行い得る。
またこのセンタ飾り1は、可動装飾部品4の上辺側部分の全域が透光性を有するので、可動装飾部品4が固定装飾部品3の上記電飾部5を覆う位置にあるときにも、電飾部5による電飾効果を可動装飾部品4前面においても発揮させ得る。
浮彫り8(図2参照)、浮彫り9,12は上記電飾部5の非発光時にも装飾効果を発揮する。
【0026】
図7は、図6に示す盤面を備えた本発明に係るパチンコ機の要部を示すブロック図である。
図から分かるように、このパチンコ機は、入賞球センサ61…、主制御装置62及び遊技に係わる種々の演出動作等を制御する演出制御装置71を備えて構成されている。この演出制御装置71は、ここでは図柄制御装置63、効果音制御装置64、光源制御装置65及び可動装飾部品制御装置66を備えて構成されている。
図示するように、パチンコ機はまた、大入賞口駆動ソレノイド67及び賞球払出制御装置68も備えている。
【0027】
上記入賞球センサ61は、入賞球を検出するスイッチからなり、図6に示す盤面51に設けられた入賞口54〜56に一対一対応で設けられている。このうち61aは、始動入賞口54への入賞球を検出する始動入賞球センサである。
【0028】
主制御装置62は、上記制御装置63〜66,68、大入賞口駆動ソレノイド67等(パチンコ機全般)を制御する装置であり、入力ポート62a、CPU62b、出力ポート62c、ROM62d及びRAM62e等を備えてなる。
ROM62dには、CPU62bが読み込んで実行するパチンコ遊技のプログラム及びこのプログラムの実行時に必要なデータ等が格納されている。RAM62eは、上記プログラムの実行時の作業領域等に使用される。
【0029】
図7に示すように、主制御装置62には、入賞球センサ61…(始動入賞球センサ61aを含む。)が接続されており、主制御装置62の入力ポート62aは、それら入賞球センサ61…からの信号を受け、CPU62bに与える。
CPU62bは、入賞球を検出すると、出力ポート62cを介して図柄制御装置63、効果音制御装置64、光源制御装置65や賞球払出制御装置68等に制御コマンドを出力し、あるいは大入賞口駆動ソレノイド67を駆動させ、入賞に対応した遊技処理を行う。
【0030】
またCPU62bは、プログラムによって予め決められたイベントの発生時(図柄表示画面2に表示される図柄や画像による所定の演出時)、光源制御装置65及び図柄制御装置63に制御コマンドを出力し、図6に示すセンタ飾り1の固定装飾部品3の一対の線状発光部41,41を発光させると共に、その一対の発光相互を結ぶように線状発光画像46を図柄表示画面2に表示させる。また、可動装飾部品制御装置66にも制御コマンドを出力し、駆動機構66aを制御して可動装飾部品4を上述した第1位置から第2位置に移動させる。
CPU62bは、同時に効果音制御装置64にも制御コマンドを出力し、上記イベントの発生に伴う効果音の出力も行わせる。
本実施形態では、光源制御装置65はCPU62bからの制御コマンドを受けて、図2示す電飾部5も発光制御する。ここでは、電飾部5を構成する複数のLED(図示せず)を、図2において桃の花浮彫り8部分の左端から右端向けて繰返し流れるように点灯制御する。
上記イベントの発生時とは、いわゆるリーチに係る予告演出時あるいは大当り予告演出時や、後述する大当り抽選における大当り時等が例として挙げられるが、そのうちのいずれにするかは任意である。なお、可動装飾部品4は適時第2位置から第1位置に復帰移動される。
【0031】
上記図柄制御装置63は、一例を上述したように、遊技の演出、進行等のために種々の図柄、画像を図柄表示装置63aの画面2に表示させる装置である。また、効果音制御装置64は、同じく遊技の演出、進行等のために種々の効果音(合成音声を含む。)をスピーカ64aから発生させる装置である。更に光源制御装置65は、同じく遊技の演出、進行等のために図6に示す盤面51上のサイドランプ57、電飾部5及び線状発光部41を、点灯、点消灯あるいは点滅させる装置である。
可動装飾部品制御装置66は、上記のように可動装飾部品4の駆動機構66aを制御して可動装飾部品4を移動させる装置である。
大入賞口駆動ソレノイド67は、大当り動作時に駆動して大入賞口55を開放させるソレノイドである。また賞球払出制御装置68は、入賞に対応した賞球払出処理を行う装置である。
【0032】
ここで上記主制御装置62は、遊技動作中、大当り決定乱数を所定の周期でカウンタ(図示せず)から生成させ、図6に示す始動入賞口54への遊技球入賞時、つまり始動入賞球センサ61aが始動入賞球を検出した時に生成された上記乱数の値(乱数値)を取得し、予め設定されている大当り値と比較(大当り抽選)する。そして主制御装置62は、その乱数値と大当り値とが一致する場合に大当りと判定し、以下に述べる大当り処理をする。
【0033】
具体的には、図6に示す始動入賞口54に遊技球が入賞すると、主制御装置62は、始動入賞球センサ61aからの信号を受けて、上記大当り抽選をする。同時に、入賞に対する賞球の払出しを行わせるための賞球払出信号を出力すると共に、図柄変動開始信号を生成し、図柄制御装置63を介して図柄表示装置63aを制御し、その画面2の左、中、右表示領域LA,CA,RAの各々に表示されている図柄L,C,Rの変動を開始させる。
【0034】
この3つの図柄L,C,Rは、最終的に停止するが、上記大当り抽選結果が大当りであれば、その停止時の図柄L,C,Rが所定の種類の図柄で揃う大当り図柄表示を行う。ここでは、図柄L,C,Rとして0〜9までの数字が用いられ、それらが種々の形態で変動し、停止時の図柄L,C,Rが所定の数字、例えば「7、7、7」で揃う大当り図柄表示を行う(図6参照)。
図柄表示装置63aが大当り図柄表示を行う(大当りになる)と大入賞口55が開放し、より多くの入賞、賞球獲得が可能となる。
【0035】
大当り処理は、図7に示す大入賞口駆動ソレノイド67の駆動による上記大入賞口55の開放動作の他、図柄表示画面2、スピーカ64a、サイドランプ57、電飾部5、線状発光部41等による種々の演出動作(画像表示、効果音発生、ランプ,LED等の光源の点灯/点消灯/点滅動作)や賞球払出制御装置68による賞球払出動作を含む。
【0036】
以上のようなパチンコ機において、演出制御装置71は、主制御装置62のCPU62bからの制御コマンドを受け、予め決められたイベントの発生時に、センタ飾り1に備わる固定装飾部品3の一対の線状発光部41,41を発光させ、また可動装飾部品4を第1位置から第2位置に移動させる。そして、これらの発光、移動を、図柄表示画面2に表示される図柄や画像による所定の演出時、特に線状発光画像46の表示による演出時に合わせて行われる。つまり、盤面51の、図柄表示画面2及びこの図柄表示画面2を囲む部品が配置された領域で、広がりをもったダイナミックで斬新な演出が行われ、遊技者へのインパクトが一層強められた、満足する演出効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るパチンコ機の一実施形態の要部(基本状態)を示す正面図である。
【図2】同じく要部(演出状態)を示す正面図である。
【図3】図1中の固定装飾部品を取り出して示す正面図である。
【図4】図1中の線状発光部を説明するための斜視図である。
【図5】図1中の可動装飾部品を取り出して示す正面図である。
【図6】本発明に係るパチンコ機の遊技盤面の一例を示す図である。
【図7】同上パチンコ機の要部を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0038】
1:装飾部品(センタ飾り)、2:図柄表示画面、3:固定装飾部品、4:可動装飾部品、5:電飾部、6:透光性飾り部、11:飾り部、13:隠蔽領域、14:装飾部材、41:線状発光部、46:線状発光画像、51:遊技盤面、71:演出制御装置(演出制御手段)。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤面に、図柄表示画面とこの図柄表示画面の周囲を飾る装飾部品とが配置され、これら図柄表示画面及び装飾部品の配置領域にて視覚上の演出を行うパチンコ機であって、
前記装飾部品は固定装飾部品及び可動装飾部品からなり、
前記固定装飾部品は、前記図柄表示画面を跨ぐ位置にあって各々の一方端が前記図柄表示画面の外周又はその近傍に位置し、同他方端が前記図柄表示画面から遠ざかる方向に延出する一対の線状発光部を有し、
前記可動装飾部品は、前記固定装飾部品と組み合う第1位置及び前記一対の線状発光部の延出方向に沿った下方の第2位置相互間を移動可能に構成されたことを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
予め決められたタイミングで、前記一対の線状発光部を発光させると共に、その一対の発光相互を結ぶように線状発光画像を前記図柄表示画面に表示させ、かつ、前記タイミングで又はこのタイミング後の所定時点に、前記可動装飾部品を第1位置から第2位置に移動させる演出制御手段が付加されたことを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
前記固定装飾部品は発光制御可能な電飾部を有し、
この電飾部を有した固定装飾部品の配置面よりも前面側の面に前記可動装飾部品が配置され、
その可動装飾部品の、前記第1位置は前記固定装飾部品の前記電飾部を含む予め決められた隠蔽領域を覆う位置に設定され、かつ、前記第2位置は前記第1位置で覆われる前記隠蔽領域のうちの少なくとも前記電飾部を含む所定領域を現出させる位置に設定されたことを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−113954(P2008−113954A)
【公開日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−301680(P2006−301680)
【出願日】平成18年11月7日(2006.11.7)
【出願人】(000154679)株式会社平和 (1,976)
【Fターム(参考)】