パチンコ機
【課題】演出表示器を大型化しなくても画像の表示領域を拡大することができ、演出効果を高めることができるパチンコ機を実現する。
【解決手段】遊技に用いる透明のタッチセンサ91が有機ELディスプレイ92の表面に設けられたタッチパネル90が上受け皿6の表面に設けられている。第1タッチパネル90aに触れると、第1タッチパネル90aに表示されている画像Z1により表される日本刀が武器として選択され、日本刀を使って戦う武士の動画が演出表示器30によって表示される。
【解決手段】遊技に用いる透明のタッチセンサ91が有機ELディスプレイ92の表面に設けられたタッチパネル90が上受け皿6の表面に設けられている。第1タッチパネル90aに触れると、第1タッチパネル90aに表示されている画像Z1により表される日本刀が武器として選択され、日本刀を使って戦う武士の動画が演出表示器30によって表示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発射装置により発射された遊技球が始動口に入賞した場合に大当りかハズレかの大当り判定を行うとともに動画の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置を備えたパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、従来のパチンコ機の正面説明図である。従来のパチンコ機600は、発射ハンドル601と、遊技盤602と、始動口603と、演出表示器604と、上受け皿605と、変動入賞装置606とを備える。遊技者が発射ハンドル601を操作して発射された遊技球が始動口603に入賞すると、始動口603に入賞した遊技球を検出するスイッチがオンし、制御基板(図示省略)に搭載されたマイクロコンピュータが、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う。
【0003】
そして、演出表示器604が動画の表示を開始し、その途中で複数の図柄を配列して成る図柄列の変動表示(スクロール表示ともいう)を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した図柄を配列して成る図柄列を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては、画面の右から左へ移動するように図柄列を表示する。
【0004】
そして、演出表示器604が画像列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したマイクロコンピュータによる大当り判定の結果に対応する図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、大当り判定の結果が大当りであった場合は、各表示領域に「7」が確定表示され、表示領域全体で「777」の同一数字から成る大当り図柄が確定表示される。また、抽選結果がハズレであった場合は、表示領域全体で「767」など、少なくとも1つ以上の表示領域に異なる図柄を有するハズレ図柄が確定表示される。
【0005】
なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す図柄が確定された表示状態のことであり、図柄列が再変動することのない表示状態のことである。以下、図柄列の変動表示が各表示領域においてそれぞれ開始されてから、大当り図柄またはハズレ図柄が各表示領域において確定表示されるまでを1回の変動表示と数える。
【0006】
演出表示器604が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、変動入賞装置606が開閉部材607を開作動させ、大入賞口608を開口させる。大入賞口608は、遊技球の入賞領域が普通の入賞口よりも大きいため、入賞が容易になる。遊技球が大入賞口608に入賞すると、パチンコ機600の内部に設けられた賞球払出装置から所定個数の賞球が上受け皿605に払出される。そして、大入賞口608に規定数(たとえば、10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口608の開口時間が規定時間(たとえば、約30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材607が閉成し、大入賞口608が閉口する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−315918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のパチンコ機では、演出表示器による演出効果を高めるため、演出表示器の画面が大型化する傾向にある。
しかし、遊技盤の大きさには制約があるため、演出表示器が大型化すると、遊技球の流下領域が狭くなるという問題がある。
【0009】
そこで、この発明は、上記の問題を解決するために創作されたものであり、演出表示器を大型化しなくても画像の表示領域を拡大することができ、演出効果を高めることができるパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、遊技球の流下領域が形成された遊技盤(5)と、前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置(4,4a〜4g)と、前記遊技盤に設けられた入賞口(17〜20)および始動口(21,22)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行うマイクロコンピュータ(51)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞した場合に動画の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に前記大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置(30)と、前記遊技盤に設けられており、遊技球の入賞領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口(24a,25a)を有し、前記マイクロコンピュータによる大当り判定の結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成された変動入賞装置(24,25)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記入賞口または始動口に入賞したときに、当該パチンコ機の内部から、当該パチンコ機にて遊技を行う遊技者が視認可能な領域へ賞球を払出す賞球払出装置(38c)と、前記領域に設けられており、前記賞球払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材(6,7)と、を備えたパチンコ機(1)において、
遊技に用いる透明のタッチセンサ(91)が有機ELディスプレイ(92)の表面に設けられたタッチパネル(90)が、前記貯留部材の表面に設けられているという技術的手段を用いる。
なお、有機ELディスプレイのELは、Electro-Luminescenceの略である。以下同じ。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のパチンコ機(1)において、前記有機ELディスプレイ(90)が前記動画と関連のある画像を表示するという技術的手段を用いる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のパチンコ機(1)において、フレキシブルな前記タッチパネル(90)が前記貯留部材(6,7)の曲面に形成された表面と一体化して設けられているという技術的手段を用いる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記タッチパネル(90)に触れることにより、そのタッチパネルに表示されている画像が、前記画像表示装置(30)に表示される動画の中で用いられるように構成されているという技術的手段を用いる。
【0014】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0015】
(請求項1に係る発明の効果)
請求項1に係る発明を実施すれば、遊技に用いる透明のタッチセンサが有機ELディスプレイの表面に設けられたタッチパネルが、賞球払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材の表面に設けられているため、画像表示装置のみでは不足していた表示領域を有機ELディスプレイによって補うことができる。
したがって、画像表示装置を大型化しなくても画像の表示領域を拡大することができ、演出効果を高めることができる。
しかも、遊技に用いる透明のタッチセンサが有機ELディスプレイの表面に設けられているため、タッチセンサを設けるためのスペースを省くことができる。
【0016】
(請求項2に係る発明の効果)
請求項2に係る発明を実施すれば、有機ELディスプレイが画像表示装置の動画と関連のある画像を表示するため、画像表示装置による演出効果を高めることができる。
【0017】
(請求項3に係る発明の効果)
請求項3に係る発明を実施すれば、貯留部材の表面のうち、曲面に形成された部分にもタッチパネルを一体化するように設けることができる。
したがって、貯留部材の表面にタッチパネルを配置するために、貯留部材の形状として曲面が使えなくなってしまうおそれがない。
【0018】
(請求項4に係る発明の効果)
請求項4に係る発明を実施すれば、タッチパネルに触れることにより、そのタッチパネルに表示されている画像が、画像表示装置に表示される動画の中で用いられるため、その動画による演出に遊技者が参加することができる。
したがって、遊技の面白さを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の平面図である。
【図3】図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の正面図である。
【図4】図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の裏面図である。
【図5】図4のA−A矢視断面図の一部を省略して示す説明図である。
【図6】図1に示すパチンコ機1に設けられた下受け皿7の平面図である。
【図7】図1に示すパチンコ機1に設けられた下受け皿7の正面図である。
【図8】図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。
【図9】図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の斜視図である。
【図10】図8において可動部材40が下降した状態を示す正面図である。
【図11】(a)は図8に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図8に示す遊技盤5に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【図12】図1に示すパチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図13】図1に示すパチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図14】(a)は図2に示す上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図であり、(b)は(a)に示すタッチパネル90に表示された画像を拡大して示す説明図である。
【図15】図2に示す上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図である。
【図16】図8に示す遊技盤5に設けられた演出表示器30に表示された画像の一例を示す説明図である。
【図17】図2に示す上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図である。
【図18】従来のパチンコ機600の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施形態に係るパチンコ機について説明する。
[主要構成]
この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【0021】
パチンコ機1の左側にはプリペイド記録媒体読取装置100が設けられている。パチンコ機1には、外殻を構成する外枠セット8が設けられており、この外枠セット8の前面には前枠セット2が設けられている。また、前枠セット2には天板1aが備えられており、その天板1aの左端前方には回動軸部材1bが設けられている。前枠セット2には透明のガラス枠セット3が、回動軸部材1bを回動軸にして開閉可能に取付けられている。
【0022】
ガラス枠セット3の内側には、遊技盤(図8において符号5で示す)が設けられており、前枠セット2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4aが取付けられている。発射ハンドル4aには、遊技球の発射強度を調節するための発射レバー4bが発射ハンドル4aに対して回動自在に装着されている。
【0023】
遊技盤5の下方には、パチンコ機1の排出口6bから払出された賞球や貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の貯留可能数を超えて内部から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。
【0024】
前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14とが設けられている。また、前枠セット2には、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。
【0025】
プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイド記録媒体の利用が可能であることを示す利用ランプ101と、貸出金額の単位(たとえば、100円、200円、300円、500円)の選択を行うための金額設定ボタン102と、金額設定ボタン102により選択した貸出金額を表示する貸出金額表示部103と、100円未満の残高およびメンテナンス情報を度数表示部6eに表示させる場合に押す端数表示ボタン104と、プリペイド記録媒体読取装置100が接続されるパチンコ機1の方向を示す連結台方向表示ランプ105とが設けられている。
【0026】
また、プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイド記録媒体がパチンコ機1に対応していることを示す表示ランプ106と、プリペイド記録媒体を挿入する挿入口108と、挿入口108にプリペイド記録媒体が挿入されていることを示す挿入中ランプ107とが設けられている。プリペイド記録媒体読取装置100の内部には、挿入口108から挿入されたプリペイド記録媒体を装填する装填装置(図示省略)が設けられている。プリペイド記録媒体としては、プリペイドカードまたはプリペイドコインなどが使用される。
【0027】
挿入口108から挿入されたプリペイド記録媒体は、その端部が挿入口108から突出しない状態で上記の装填装置に装填されるため、装填装置が故障すると、プリペイド記録媒体を返却することができなくなる。そこで、装填装置は、挿入口108を含む前面パネルの一部と共に前面に引き出し可能に構成されている。装填装置は、普段はロック機構によって引き出し不能になっているが、プリペイド記録媒体読取装置100に設けられた鍵穴109から鍵を差し込んでロック状態を解除することができるように構成されている。
【0028】
[上受け皿の構造]
次に、上受け皿6の構造について図を参照して説明する。
図2は図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の平面図である。図3は図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の正面図である。図4は図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の裏面図である。図5は図4のA−A矢視断面図の一部を省略して示す説明図である。
【0029】
図2に示すように、上受け皿6のうち、排出口6a(図1)に近い部分に開口部6gが形成されており、その開口部6gから上受け皿6の底面6fが露出している。開口部6gは、上受け皿6に貯留されている遊技球の貯留状態を視認するために形成されている。また、開口部6gは、上受け皿6に貯留されている遊技球を指で均すことができるように形成されている。
図1および図5に示すように、上受け皿6の表面は、上方に膨らんだ曲面に形成されている。図4に示すように、上受け皿6の底面6fは、発射装置(図示省略)へ遊技球を供給する供給口6hに向けて下り勾配に形成されている。
【0030】
上受け皿6の表面には、フレキシブルのタッチパネル90が設けられている。図4および図5に示すように、タッチパネル90は、上受け皿6の表面の形状に合致する形状に形成されており、上受け皿6の表面と一体化している。図5に示すように、タッチパネル90は、上受け皿6に一体的に設けられた有機ELディスプレイ92と、その有機ELディスプレイ本体92の表面に一体的に設けられた透明のタッチセンサ91とを備える。
【0031】
有機ELディスプレイ92は公知の構造である。たとえば、有機ELディスプレイ92は、薄板でフレキシブルのプラスチック基板と、このプラスチック基板上に配置された薄板でフレキシブルのガラス基板と、このガラス基板上に配置されたフレキシブルの透明電極と、この透明電極上に配置されたフレキシブルの有機ELと、この有機EL上に配置されたフレキシブルの電極と、この電極および有機ELを封止するフレキシブルのガスバリア層と、このバスバリア層を覆うフレキシブルの保護フィルムとを備える。
【0032】
また、遊技者の指が触れたことを検知するタッチセンサ91も公知の構造である。たとえば、タッチセンサ91は、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、超音波表面弾性波方式、音響パルス認識方式、振動検出方式などの各種の方式において採用されている構造である。
【0033】
上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aが設けられている。また、上受け皿6には、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、プリペイド記録媒体読取装置100の挿入口108から挿入されているプリペイド記録媒体を返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。
【0034】
度数表示部6eは、残り度数を8セグLEDや液晶を使って数字で表示する。たとえば、度数表示部6eは、残り度数を3桁の数字で表示するように構成されており、たとえば、度数の最小表示単位が100円である場合に500円分が残っているときには、005と表示する。また、上受け皿6には、遊技者が演出内容を選択するときなどに操作する演出ボタン9が設けられている。この実施形態では、演出ボタン9はプッシュ式のスイッチである。
【0035】
[下受け皿の構造]
次に、下受け皿7の構造について図を参照して説明する。
図6は図1に示すパチンコ機1に設けられた下受け皿7の平面図である。図7は図1に示すパチンコ機1に設けられた下受け皿7の正面図である。
【0036】
下受け皿7は、上面が開口で有底の凹形状に形成されている。図7に示すように、下受け皿7の後方には排出口7eが開口形成されている。上受け皿6の貯留限界を超えて流下した遊技球、あるいは、上受け皿6に設けられた球抜きレバー6aを操作することにより流下した遊技球は、排出口7eから下受け皿7に排出され、貯留される。
【0037】
下受け皿7の底面7dには、下受け皿7に貯留されている遊技球を抜くための球抜き口7cが開閉可能に形成されている。また、下受け皿7の前面には、球抜き口7cを開閉させるために操作する球抜きレバー7aが設けられている。球抜きレバー7aを操作すると、球抜き口7cが開口し、下受け皿7に貯留されている遊技球が、下受け皿7の下方に配置された賞球箱(図示省略)へ排出される。また、球抜きレバー7aを操作前の位置に戻すと球抜き口7cが閉口し、遊技球の排出が阻止される。
【0038】
[遊技盤の主要構成]
次に、パチンコ機1に備えられた遊技盤の主要構成について図を参照して説明する。
図8は図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。図9は図8に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。図10は図8に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。図11(a)は図8に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図8に示す遊技盤5に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【0039】
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技球の流下経路は、遊技盤5の盤面に打ち込まれた多数の遊技釘28によって規制されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射ソレノイド(図12において符号4fで示す)などの発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
【0040】
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、図9に示すように盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、演出表示器30が設けられている。演出表示器30は、演出図柄の変動表示、確定図柄の確定表示、各種の演出画像の表示および保留数の表示などを行う。
この実施形態では、演出表示器30は、液晶表示器により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置したドット表示器、7セグメントLED、有機ELディスプレイなどを演出表示器30として用いることもできる。
【0041】
センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。センター飾り16の下部には、流入口16bからセンター飾り16の内部に流入した遊技球が遊技領域に流出する流出口16cが開口形成されている。盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。
【0042】
左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。センター飾り16の左外面には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。図10に示すように、センター飾り16の内部には、流入口16bから流入した遊技球を案内するための案内通路16eが設けられている。センター飾り16の左内面には、案内通路16eによって案内された遊技球を流出させるための流出口16cが開口形成されている。
【0043】
センター飾り16の下部には、流出口16cから流出した遊技球が転動するためのステージ16dが設けられている。流出口16cから流出した遊技球は、ステージ16dの上を流下経路R2にて流下し、流下経路R3〜R5のいずれかに沿って流下する。ステージ16dの直下であって、流下経路R3に沿った箇所には、中始動口21が設けられている。遊技状態が確変遊技状態に変化しているときに遊技球が中始動口21に入賞すると、現在の確変遊技状態から通常遊技状態へ転落するか否かを決定するための抽選、いわゆる転落抽選が行われる。ステージ16dの上方には、流出口16cから流出した遊技球以外の遊技球がステージ16dに落下しないようにするための防護部材16fが設けられている。センター飾り16の上面には、案内部16aが形成されており、案内部16aに乗った遊技球は、流下経路R1に沿って、センター飾り16の右方に形成された右寄り遊技領域(流下領域)へ案内される。
【0044】
盤面の右側には、右サイド飾り37が設けられており、その右サイド飾り37には、ゲート23および右肩入賞口20が設けられている。右寄り遊技領域のセンター飾り16には、普通電動役物27が設けられている。普通電動役物27は、翼形状の開閉翼片27cを備えている。開閉翼片27cは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方(図中では右方)へ開いたり内方(図中では左方)へ閉じたりする。
【0045】
開閉翼片27cが外方へ開くと、その開いた開閉翼片27cとセンター飾り16との間に右始動口22が形成される。図8は、開閉翼片27cが外方へ開き、右始動口22が形成された状態を示す。遊技状態が確変遊技状態に変化しているときに遊技球が右始動口22に入賞すると、現在の確変遊技状態から通常遊技状態へ転落するか否かを決定するための抽選、いわゆる転落抽選が行われる。遊技盤5の下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。
【0046】
演出表示器30の上方であってセンター飾り16の中央には、LEDによって装飾された可動役物40が設けられている。図10に示すように、可動役物40の両端は、支持部材40a,40aによって支持されている。可動役物40は、演出表示器30が表示する特定の演出に連動して演出表示器30の前面に自然落下し、モータ(図13において右リフトモータ40dおよび左リフトモータ40fで示す)などの昇降装置によって上昇して落下前の原点に復帰する(図8)。
【0047】
また、可動役物40は、モータ(図13において家紋モータ40bで示す)およびカム機構(図示せず)などの駆動装置によって振動する。図10に示すように、可動役物40の背面には、LEDによって装飾された可動役物43が設けられている。可動役物43は、モータ(図13において万華鏡モータ43aで示す)などの駆動装置によって回転し、可動役物40が落下すると、その背後から出現する。また、センター飾り16の両側には、可動役物41,42が設けられている。可動役物41,42は、それぞれモータ(図13において左竜モータ41aおよび右竜モータ42aで示す)などの駆動装置によって作動する。
【0048】
また、図9に示すように、センター飾り16の下部であって、演出表示器30の前面下部には、箱状の収納部材46が設けられている。この収納部材46の内部には、図10に示す可動役物44,45が収納されている。可動役物44,45は、それぞれモータ(図13において扉左モータ44aおよび扉右モータ45aで示す)などの駆動装置によって左右方向へ移動する。可動役物44,45は、合体したときに一つの意匠を構成する。
【0049】
収納部材46の正面および背面は、透光性材料によって形成されており、遊技者が可動役物44,45の状態を視認できるようになっている。また、相互に離反した可動役物44,45間に形成された空間の奥には、LEDにより装飾された装飾部材(図示省略)が設けられており、可動役物44,45が相互に離反したときに装飾部材の各LEDが点灯または点滅するようになっている。
【0050】
この実施形態では、可動役物40は、家紋を模した形状に形成されており、可動役物40を装飾しているLEDが点灯することによって家紋が浮き出るように構成されている。また、可動役物43は万華鏡を模した形状に形成されており、可動役物43を装飾しているLEDが点灯または点滅することにより、あたかも万華鏡を覗いているように見える演出を行う。また、可動役物41,42は、それぞれ竜の頭を模した形状に形成されており、前述した駆動装置によって竜が口を開閉する。
【0051】
図10は、可動役物41,42が作動し、一対の竜がそれぞれ口を開けた状態を示す。また、可動役物41,42の内部には、それぞれLED41c,42cが設けられており、そのLEDが点灯することにより、あたかも竜が火を吹くように見える演出を行う。また、可動役物44,45は、それぞれ扉形状に形成されており、各前面には竜の一部がそれぞれ描かれている。そして、可動役物44,45が合体すると、竜が完成するようになっている。
【0052】
上述した各可動役物40〜45は、遊技中の所定のタイミングで動作して演出効果を高める。また、各可動役物40〜45は、大当りの発生の予告、大当りの発生の示唆、演出表示器30が大当り発生の確率が高い演出画像を表示することの予告など、各種の報知および予告を行う。
【0053】
図8において中始動口21と右肩入賞口20との間(図中において符号Bで示す破線で囲まれた領域)には、図11(a)に示すように、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25が上下に重ねて設けられている。第1変動入賞装置24は、横長板状の第1開閉部材24dを備えており、この第1開閉部材24dは、ソレノイド(図12において第1大入賞口ソレノイド24bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第1開閉部材24dが開放すると、第1大入賞口24aが開口する。
【0054】
第2変動入賞装置25は、横長板状の第2開閉部材25dを備えており、この第2開閉部材25dは、ソレノイド(図12において第2大入賞口ソレノイド25bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第2開閉部材25dが開放すると、第2大入賞口25aが開口する。図11(a)は、第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aがそれぞれ開口した状態を示す。第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aは、大当りが発生したときに開口する。この実施形態では、第1開閉部材24dおよび第2開閉部材25dは、それぞれ横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に開閉するように構成されている。
【0055】
図8において左サイド飾り36の左袖上入賞口17の左側(図中において符号Aで示す破線で囲まれた領域)には、図11(b)に示すように、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。
この実施形態では、特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置33および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
【0056】
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、図11(b)に示すように7個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が中始動口21または右始動口22に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。
【0057】
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。
【0058】
また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
ここで、時短とは、特別図柄が変動表示を開始したタイミングから変動表示を終了したタイミングまでに要する時間が短縮され、かつ、普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮された遊技状態をいう。
【0059】
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が中始動口21または右始動口22に入賞したときは、その入賞に基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、演出表示器30によって表示される。
【0060】
[パチンコ機の主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図12および図13を参照して説明する。
【0061】
図12に示すように、主制御基板50には、主制御用MPU51が搭載されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。
【0062】
主制御用CPU52は、大当り判定、確変大当り判定、転落抽選、転落抽選に当選した場合の遊技状態の設定、大当り図柄の抽選、ハズレ図柄の抽選、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令など、遊技の進行に必要な処理を実行する。主制御用CPU52は、確変遊技状態のときに遊技球が中始動口21または右始動口に入賞したときは、転落抽選を行った後に大当り判定を行う。
【0063】
また、主制御用MPU51は、バックアップ電源端子VBBと、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定を行う際に参照する大当り値が設定された大当り値テーブル(図示省略)、転落抽選を行う際に参照する当り値が設定された当り値テーブル、各種の演出を行うときに参照する演出テーブルなどが読出し可能に記憶されている。
【0064】
主制御用RAM54は、主制御用CPU52が前述した各処理を実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が前述した各処理を実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、主制御用RAM54は、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、確変大当り判定の結果など、電源遮断直前に記憶していたデータを記憶保持する。
【0065】
また、主制御基板50には、中始動口21に入賞した遊技球を検出する中始動口スイッチ21aと、右始動口22に入賞した遊技球を検出する右始動口スイッチ27aと、外部端子板503とが電気的に接続されている。主制御用CPU52は、大当りの発生回数、入賞数および特別図柄の変動回数などのデータを外部端子板503を介してホールコンピュータへ送信する。ホールコンピュータは、当該パチンコ機1が設置されたパチンコホールの管理室などに配置されている。
【0066】
また、主制御基板50には、図柄表示基板84が電気的に接続されている。図柄表示基板84には、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが搭載されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60と、セキュリティ中継端子板89と、電源基板76とが電気的に接続されている。
【0067】
セキュリティ中継端子板89には、不正行為において使用される誘導磁界を検出するための誘導磁界センサ500と、不正行為において使用される磁気を検出するための第1磁気センサ501と、第2磁気センサ502とが電気的に接続されている。
払出制御基板60には、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ7bと、扉開放中継端子板86とが電気的に接続されている。扉開放中継端子板86には、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ87と、外枠セット8が開放された状態を検出するための外枠開放スイッチ88とが電気的に接続されている。
【0068】
また、払出制御基板60には、払出中継端子板83が電気的に接続されており、払出中継端子板83には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38cと、この払出モータ38cによって払出された遊技球を検出するための前部払出センサ38a,後部払出センサ38bと、払出モータ38cによって払出す遊技球が切れていることを検出する前部球切れスイッチ38d,後部球切れスイッチ38eとが電気的に接続されている。これらの前部払出センサ38a〜後部球切れスイッチ38eが賞球払出装置を構成している。
【0069】
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38cを制御し、賞球および貸球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、前部払出センサ38aおよび後部払出センサ38bからそれぞれ出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数および貸球数を計数する。また、払出制御用MPU61は、バックアップ電源端子VBBと、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
【0070】
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に記憶されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、払出制御用RAM64は、未払いの賞球数および貸球数を記憶し、主電源77が遮断されたときに、未払いの賞球数および貸球数を記憶保持する。
【0071】
また、払出制御基板60には、プリペイド記録媒体の残り度数を表示する度数表示基板504が貸出装置接続端子板78を介して電気的に接続されている。貸出装置接続端子板78には、プリペイド記録媒体読取装置100(図1)が電気的に接続されている。
【0072】
さらに、発射制御基板4には、遊技球を発射する発射装置を駆動する発射ソレノイド4fと、遊技球を発射位置へ供給する球供給装置を駆動する球送りソレノイド4gと、発射レバー4bの回動量に応じて発射装置4の発射強度を調節するための発射強度電子ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出して発射装置4を駆動させるためのタッチスイッチ4dと、発射レバー4bの回動によってオンまたはオフし、発射ソレノイド4fを駆動する発射スイッチ4eとが電気的に接続されている。
【0073】
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための左袖上入賞口スイッチ17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための左袖入賞口スイッチ18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための左下入賞口スイッチ19aと、右肩入賞口20に入賞した遊技球を検出するための右肩入賞口スイッチ20aと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための第1大入賞口スイッチ24cと、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ23aと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための第2大入賞口スイッチ25cと、第1変動入賞装置24を駆動するための第1大入賞口ソレノイド24bと、普通電動役物27を駆動するための普通電動役物ソレノイド27bと、第2変動入賞装置25を駆動するための第2大入賞口ソレノイド25bとが電気的に接続されている。
【0074】
図13に示すように、パチンコ機1には、演出制御基板400が設けられており、その演出制御基板400には、画像音声制御基板70と、盤面演出中継端子板82と、盤面LED中継端子板81と、補助演出駆動基板410と、演出電源基板79とが電気的に接続されている。演出制御基板400には、演出制御用CPU402を備えた演出制御用MPU401が搭載されている。演出制御用CPU402は、主制御用CPU52(図12)から送信された演出制御信号を受信し、その受信した演出制御信号を対応する基板に振り分ける処理などを行う。
【0075】
画像音声制御基板70には、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、有機ELディスプレイ92を駆動するための有機EL駆動回路93が電気的に接続されており、その有機EL駆動回路93には有機ELディスプレイ92が電気的に接続されている。さらに、画像音声制御基板70には、タッチセンサ91および盤面演出中継端子板82が電気的に接続されており、その盤面中継端子板82には、枠部演出中継端子板85を介して右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが電気的に接続されている。また、枠部演出中継端子板85には、枠部LED駆動基板66を介して照光付演出スイッチ9aが電気的に接続されている。照光付演出スイッチ9aは、演出ボタン9を押圧操作したときにオンし、演出ボタン9に内蔵されているLEDを点灯させるスイッチである。
【0076】
画像音声制御基板70には、画像音声制御用MPU71および音量調節装置75が搭載されている。画像音声制御用MPU71は、画像音声制御用CPU72と、画像音声制御用ROM73と、画像音声制御用RAM74とを備える。画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って演出表示器30を制御し、演出制御信号に対応する画像を演出表示器30に表示させる。
【0077】
また、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って有機EL駆動回路93を制御し、演出制御信号に対応する画像を有機ELディスプレイ92に表示させる。さらに、画像音声制御用CPU72は、タッチセンサ91からの信号の変化を検出する。たとえば、遊技者がタッチセンサ91に触れると、画像音声制御用CPU72がタッチセンサ91からの信号の変化を検出し、演出表示器30に表示する動画を変化させる。
【0078】
また、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って各スピーカ10〜12を駆動し、演出制御信号に対応する効果音などを各スピーカ10〜12から出力させる。
【0079】
画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブルが読出し可能に記憶されている。この実施形態では、画像音声制御用ROM73には、演出表示器30が演出内容を表示するためのコンピュータプログラムと、有機ELディスプレイ92が演出内容を表示するためのコンピュータプログラムと、タッチセンサ91からの信号の変化に応じた演出内容を演出表示器30が表示するためのコンピュータプログラムとが読出し可能に記憶されている。
【0080】
画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。音量調節装置75は、各スピーカ10〜12が出力する効果音などの音量を調節する音量調節つまみを備える。
【0081】
補助演出駆動基板410には、補助演出上中継端子板508と、補助演出右中継端子板68と、補助演出下中継端子板507とが電気的に接続されている。補助演出上中継端子板508には、可動役物40の背面に配置された可動役物43を回転させる万華鏡モータ43aと、その可動役物43が原点に復帰したことを検出する万華鏡原点センサ43bと、可動役物42を駆動する右竜モータ42aと、可動役物42が原点に復帰したことを検出する右竜原点センサ42bと、可動役物41を駆動する左竜モータ41aと、可動役物41が原点に復帰したことを検出する左竜原点センサ41bとが電気的に接続されている。
【0082】
補助演出右中継端子板68には、可動役物40を振動させる家紋モータ40bと、可動役物40の位置を検出する家紋位置確認センサ40cと、可動役物40を上昇させる右リフト(図示省略)を駆動する右リフトモータ40dと、右リフトが原点に復帰したことを検出する右リフト原点センサ40eとが電気的に接続されている。
補助演出下中継端子板507には、可動役物40を上昇させる左リフト(図示省略)を駆動する左リフトモータ40fと、左リフトが原点に復帰したことを検出する左リフト原点センサ40gと、収納部材46に収納された右側の可動役物45を移動させる扉右モータ45aと、その可動役物が原点に復帰したことを検出する扉右原点センサ45bと、左側の可動役物44を移動させる扉左モータ44aと、その可動役物44が原点に復帰したことを検出する扉左原点センサ44bとが電気的に接続されている。
【0083】
補助演出駆動基板410には、補助演出制御用MPU420が搭載されている。補助演出制御用MPU420は、補助演出制御用CPU421と、補助演出制御用ROM422と、補助演出制御用RAM423とを備える。補助演出制御用CPU421は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って可動役物40〜45などの動作を制御する。補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(たとえば、可動役物40〜45などの動作パターン)が読出し可能に記憶されている。
【0084】
補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
【0085】
また、パチンコ機1には、主電源(AC/24V)77に接続された電源基板76(図12)が備えられており、電源基板76は、主電源77から供給される電源を主制御基板50と、払出制御基板60と、演出電源基板79(図13)とに供給する。演出電源基板79は、電源基板76から供給される電源を演出電源基板79と電気的に接続された各基板へ分配する。盤面LED中継端子板81には、遊技盤5に設けられた装飾用の各LEDが搭載されている。
【0086】
[上受け皿6による演出例]
次に、上受け皿6による演出例について図を参照して説明する。
図14(a)は上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図であり、(b)は(a)に示すタッチパネル90に表示された画像を拡大して示す説明図である。図15は上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図である。図16は遊技盤5に設けられた演出表示器30に表示された画像の一例を示す説明図である。図17は上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図である。
【0087】
(演出例1)
図14(a)に示すように、上受け皿6の表面に設けられたタッチパネル90は、第1タッチパネル90aおよび第2タッチパネル90bを備える。第1タッチパネル90aおよび第2タッチパネル90bは、それぞれ異なる画像を表示可能に構成されている。第1タッチパネル90aおよび第2タッチパネル90bは、演出表示器30が表示する動画の中で用いられる画像と同じまたは類似した画像を表示する。
【0088】
たとえば、演出表示器30が戦国時代の戦闘シーンを表す動画を表示する場合に、戦闘シーンに登場する武士が使用する武器を遊技者に選択させるための画像を表示する。たとえば、「武器を選択せよ!」というメッセージ画像を表示し、第1タッチパネル90aおよび第2タッチパネル90bにそれぞれ異なる武器の画像を表示する。そして、遊技者がどちらかのタッチパネルに指で触れると、そのタッチパネルの出力信号が変化し、その変化が画像音声制御用CPU72(図13)によって検知される。そして、画像音声制御用CPU72が、演出表示器30に表示させる動画として、上記の触れた方のタッチパネルに表示されている武器を使用した武士が戦闘する動画を選択し、その選択した動画を演出表示器30に表示させる。
【0089】
図14(b)に示す例では、第1タッチパネル90aは日本刀を表す画像Z1を表示し、第2タッチパネル90bは槍を表す画像Z2を表示している。たとえば、遊技者が指で第1タッチパネル90aに触れると、武器として日本刀が選択され、演出表示器30が日本刀を使用して戦う武士の動画を表示する。また、遊技者が指で第2タッチパネル90bに触れると、武器として槍が選択され、演出表示器30が槍を使用して戦う武士の動画を表示する。
【0090】
また、演出表示器30およびタッチパネル90は、タッチパネル90に触れた指を演出表示器30の方向へ移動させることにより、タッチパネル90に表示されている画像が演出表示器30の画面に飛び込むように表示される構成にすることもできる。たとえば、図14(b)において第1タッチパネル90aに指を触れ、その触れた状態で指を演出表示器30の方向(図面上方)へ移動させると、日本刀を示す画像Z1が第1タッチパネル90aの画面上で演出表示器30の方向へ移動し、それに続いて、演出表示器30の画面には、画像Z1と同じ画像が出現し、画面中に表示されている武士が、画面に出現した画像Z1により表される日本刀を掴む。
【0091】
上記のように、従来のパチンコ機では演出表示器30に表示している画像Z1,Z2を上受け皿6に設けたタッチパネル92に表示することができるため、その分、演出表示器30は演出画像の表示領域を拡大することができる。
しかも、演出表示器30が表示する武士が、遊技者が選択した武器を使って戦うという演出を行うことができる。
したがって、演出表示器30が表示する演出に遊技者が参加することができるため、従来には存在しない面白い遊技を楽しむことができる。
【0092】
(演出例2)
図15に示すように、上受け皿6の表面には、フレキシブルの有機ELディスプレイ92が一体的に設けられている。その有機ELディスプレイ92に遊技状態の変化を報知する報知画像Z3を表示することもできる。たとえば、パチンコ機1が実行する演出モードが複数種類存在する場合に、どの演出モードに変化しているのかを表示することができる。図示の例では、有機ELディスプレイ92には、「修羅モード突入」というメッセージから成る報知画像Z1が表示されており、修羅モードという演出モードに変化したことを報知している。
【0093】
また、遊技球を発射する方向を指示する指示画像を有機ELディスプレイ92に表示することができる。たとえば、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25(図11(a))の少なくとも一方が開閉する遊技状態に変化したときに、遊技球がセンター飾り16の右側を流下するように、いわゆる右打ちを指示する「右打ち」というメッセージから成る指示画像を表示することができる。
このように、従来のパチンコ機では演出表示器30に表示しているメッセージを上受け皿6に設けた有機ELディスプレイ92に表示することができるため、その分、演出表示器30は演出画像の表示領域を拡大することができる。
【0094】
(演出例3)
演出表示器30が変動表示する演出図柄と同じ図柄、あるいは、関連する図柄をタッチパネル90に表示することができる。図16に示すように、演出表示器30は、一〜九の漢数字を表現した演出図柄Z7を配列した演出図柄列を、画面の横方向の3箇所においてそれぞれ画面の上から下へ数字の昇順に変動表示している。図示の状態は、演出表示器30の画面において横方向に設定された3つの表示領域のうち、左右の表示領域における演出図柄Z7の変動表示が停止し、左右の表示領域には漢数字の七が確定表示されており、中央の表示領域では演出図柄が変動中の状態になっている。
【0095】
つまり、リーチ変動の状態になっている。ここで、リーチ変動とは、大当り判定の結果が大当りであることを示す大当り図柄を構成する演出図柄が複数の表示領域のうち1つの表示領域以外の表示領域においてそれぞれ確定表示されており、上記1つの表示領域では演出図柄の図柄列の変動表示が行われている変動態様のことである。
また、図17に示すように、タッチパネル90は、一〜九の漢数字を表現した演出図柄Z6を配列した演出図柄列を、画面の上から下へ数字の昇順に変動表示している。また、タッチパネル90は、演出表示器30の変動表示の速度と同じ速度で変動表示を行っている。
【0096】
また、演出表示器30およびタッチパネル90は、指でタッチパネル90に触れるとタッチパネル90における演出図柄Z6の変動表示が停止するとともに、演出表示器30における演出図柄Z7の変動表示が停止するように構成されている。つまり、遊技者が指でタッチパネル90に触れることにより、あたかも演出表示器30の変動表示が停止するかのように見える演出を行う。このような演出を行うことにより、演出表示器30が表示する演出に遊技者が参加することができるため、従来には存在しない面白い遊技を楽しむことができる。なお、演出表示器30が確定表示する演出図柄の種類は、主制御用CPU52(図12)または画像音声制御用CPU72(図13)が決定し、遊技者がタッチパネル90に触れるタイミングでは決定しない。
【0097】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ機1を実施すれば、遊技に用いる透明のタッチセンサ91が有機ELディスプレイ92の表面に設けられたタッチパネル90が、上受け皿6の表面に設けられているため、演出表示器30のみでは不足していた表示領域を有機ELディスプレイ92によって補うことができる。
したがって、演出表示器30を大型化しなくても画像の表示領域を拡大することができ、演出効果を高めることができる。
しかも、遊技に用いる透明のタッチセンサ91が有機ELディスプレイ92の表面に設けられているため、タッチセンサ91を設けるためのスペースを省くことができる。
【0098】
(2)また、有機ELディスプレイ92が演出表示器30の動画と関連のある画像を表示するため、演出表示器30による演出効果を高めることができる。
【0099】
(3)さらに、上受け皿6の表面のうち、曲面に形成された部分にもタッチパネル90を一体化するように設けることができる。
したがって、上受け皿6の表面にタッチパネル90を配置するために、上受け皿6の形状として曲面が使えなくなってしまうおそれがない。
【0100】
(4)さらに、タッチパネル90に触れることにより、そのタッチパネル90に表示されている画像が、演出表示器30に表示される動画の中で用いられるため、その動画による演出に遊技者が参加することができる。
したがって、遊技の面白さを増大させることができる。
【0101】
〈他の実施形態〉
(1)下受け皿7の表面にタッチパネル90を設けることもできる。この場合、下受け皿7は、パチンコ機1の下方に配置されており、下受け皿7の正面は見難いため、下受け皿7の上部端面にタッチパネル90を設けることが望ましい。このように、下受け皿7の表面にタッチパネル90を設けた場合でも前述の実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0102】
(2)演出表示器30が表示する複数種類のキャラクタをキャラクタ毎に複数のタッチパネルに表示し、遊技者が触れたいずれかのタッチパネルに表示されているキャラクタが演出表示器30の動画に登場するように構成することもできる。
(3)タッチパネル90が演出ボタン9の役割をするように構成することもできる。
【符号の説明】
【0103】
1・・パチンコ機(遊技機)、4a・・発射ハンドル(発射装置)、
5・・遊技盤、6・・上受け皿(貯留部材)、7・・下受け皿(貯留部材)、
17・・左袖上入賞口(入賞口)、21・・中始動口(始動口)、
22・・右始動口(始動口)、24・・第1変動入賞装置(変動入賞装置)、
24a・・第1大入賞口(大入賞口)、25・・第2変動入賞装置(変動入賞装置)、
25a・・第2大入賞口(大入賞口)、30・・演出表示器(画像表示装置)、
90・・タッチパネル、91・・タッチセンサ、92・・有機ELディスプレイ、
Z1,Z2・・画像。
【技術分野】
【0001】
この発明は、発射装置により発射された遊技球が始動口に入賞した場合に大当りかハズレかの大当り判定を行うとともに動画の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置を備えたパチンコ機に関する。
【背景技術】
【0002】
図18は、従来のパチンコ機の正面説明図である。従来のパチンコ機600は、発射ハンドル601と、遊技盤602と、始動口603と、演出表示器604と、上受け皿605と、変動入賞装置606とを備える。遊技者が発射ハンドル601を操作して発射された遊技球が始動口603に入賞すると、始動口603に入賞した遊技球を検出するスイッチがオンし、制御基板(図示省略)に搭載されたマイクロコンピュータが、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行う。
【0003】
そして、演出表示器604が動画の表示を開始し、その途中で複数の図柄を配列して成る図柄列の変動表示(スクロール表示ともいう)を開始する。たとえば、連続した異なる数字(たとえば、0〜9)を表現した図柄を配列して成る図柄列を画面上の横方向3箇所の表示領域において、数字の昇順に画面の上から下へ移動するように表示する。また、機種によっては、画面の右から左へ移動するように図柄列を表示する。
【0004】
そして、演出表示器604が画像列の変動表示を開始してから所定時間経過すると、各表示領域において図柄列の変動表示が停止し、前述したマイクロコンピュータによる大当り判定の結果に対応する図柄が各表示領域に確定表示される。たとえば、大当り判定の結果が大当りであった場合は、各表示領域に「7」が確定表示され、表示領域全体で「777」の同一数字から成る大当り図柄が確定表示される。また、抽選結果がハズレであった場合は、表示領域全体で「767」など、少なくとも1つ以上の表示領域に異なる図柄を有するハズレ図柄が確定表示される。
【0005】
なお、確定表示とは、大当り判定の結果を示す図柄が確定された表示状態のことであり、図柄列が再変動することのない表示状態のことである。以下、図柄列の変動表示が各表示領域においてそれぞれ開始されてから、大当り図柄またはハズレ図柄が各表示領域において確定表示されるまでを1回の変動表示と数える。
【0006】
演出表示器604が大当り図柄を確定表示すると大当りが発生し、変動入賞装置606が開閉部材607を開作動させ、大入賞口608を開口させる。大入賞口608は、遊技球の入賞領域が普通の入賞口よりも大きいため、入賞が容易になる。遊技球が大入賞口608に入賞すると、パチンコ機600の内部に設けられた賞球払出装置から所定個数の賞球が上受け皿605に払出される。そして、大入賞口608に規定数(たとえば、10個)の遊技球が入賞したという条件、あるいは、大入賞口608の開口時間が規定時間(たとえば、約30秒)に達したという条件が満足されると、開閉部材607が閉成し、大入賞口608が閉口する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−315918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、従来のパチンコ機では、演出表示器による演出効果を高めるため、演出表示器の画面が大型化する傾向にある。
しかし、遊技盤の大きさには制約があるため、演出表示器が大型化すると、遊技球の流下領域が狭くなるという問題がある。
【0009】
そこで、この発明は、上記の問題を解決するために創作されたものであり、演出表示器を大型化しなくても画像の表示領域を拡大することができ、演出効果を高めることができるパチンコ機を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するため、この出願の請求項1に係る発明では、遊技球の流下領域が形成された遊技盤(5)と、前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置(4,4a〜4g)と、前記遊技盤に設けられた入賞口(17〜20)および始動口(21,22)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行うマイクロコンピュータ(51)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞した場合に動画の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に前記大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置(30)と、前記遊技盤に設けられており、遊技球の入賞領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口(24a,25a)を有し、前記マイクロコンピュータによる大当り判定の結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成された変動入賞装置(24,25)と、前記発射装置により発射された遊技球が前記入賞口または始動口に入賞したときに、当該パチンコ機の内部から、当該パチンコ機にて遊技を行う遊技者が視認可能な領域へ賞球を払出す賞球払出装置(38c)と、前記領域に設けられており、前記賞球払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材(6,7)と、を備えたパチンコ機(1)において、
遊技に用いる透明のタッチセンサ(91)が有機ELディスプレイ(92)の表面に設けられたタッチパネル(90)が、前記貯留部材の表面に設けられているという技術的手段を用いる。
なお、有機ELディスプレイのELは、Electro-Luminescenceの略である。以下同じ。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載のパチンコ機(1)において、前記有機ELディスプレイ(90)が前記動画と関連のある画像を表示するという技術的手段を用いる。
【0012】
請求項3に記載の発明では、請求項1または請求項2に記載のパチンコ機(1)において、フレキシブルな前記タッチパネル(90)が前記貯留部材(6,7)の曲面に形成された表面と一体化して設けられているという技術的手段を用いる。
【0013】
請求項4に記載の発明では、請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機(1)において、前記タッチパネル(90)に触れることにより、そのタッチパネルに表示されている画像が、前記画像表示装置(30)に表示される動画の中で用いられるように構成されているという技術的手段を用いる。
【0014】
なお、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【発明の効果】
【0015】
(請求項1に係る発明の効果)
請求項1に係る発明を実施すれば、遊技に用いる透明のタッチセンサが有機ELディスプレイの表面に設けられたタッチパネルが、賞球払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材の表面に設けられているため、画像表示装置のみでは不足していた表示領域を有機ELディスプレイによって補うことができる。
したがって、画像表示装置を大型化しなくても画像の表示領域を拡大することができ、演出効果を高めることができる。
しかも、遊技に用いる透明のタッチセンサが有機ELディスプレイの表面に設けられているため、タッチセンサを設けるためのスペースを省くことができる。
【0016】
(請求項2に係る発明の効果)
請求項2に係る発明を実施すれば、有機ELディスプレイが画像表示装置の動画と関連のある画像を表示するため、画像表示装置による演出効果を高めることができる。
【0017】
(請求項3に係る発明の効果)
請求項3に係る発明を実施すれば、貯留部材の表面のうち、曲面に形成された部分にもタッチパネルを一体化するように設けることができる。
したがって、貯留部材の表面にタッチパネルを配置するために、貯留部材の形状として曲面が使えなくなってしまうおそれがない。
【0018】
(請求項4に係る発明の効果)
請求項4に係る発明を実施すれば、タッチパネルに触れることにより、そのタッチパネルに表示されている画像が、画像表示装置に表示される動画の中で用いられるため、その動画による演出に遊技者が参加することができる。
したがって、遊技の面白さを増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の平面図である。
【図3】図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の正面図である。
【図4】図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の裏面図である。
【図5】図4のA−A矢視断面図の一部を省略して示す説明図である。
【図6】図1に示すパチンコ機1に設けられた下受け皿7の平面図である。
【図7】図1に示すパチンコ機1に設けられた下受け皿7の正面図である。
【図8】図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。
【図9】図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の斜視図である。
【図10】図8において可動部材40が下降した状態を示す正面図である。
【図11】(a)は図8に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図8に示す遊技盤5に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【図12】図1に示すパチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図13】図1に示すパチンコ機1の主な電気的構成をブロックで示す説明図である。
【図14】(a)は図2に示す上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図であり、(b)は(a)に示すタッチパネル90に表示された画像を拡大して示す説明図である。
【図15】図2に示す上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図である。
【図16】図8に示す遊技盤5に設けられた演出表示器30に表示された画像の一例を示す説明図である。
【図17】図2に示す上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図である。
【図18】従来のパチンコ機600の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施形態に係るパチンコ機について説明する。
[主要構成]
この実施形態に係るパチンコ機の主要構成について図を参照して説明する。図1は、この実施形態に係るパチンコ機1を斜め前方から見た斜視図である。
【0021】
パチンコ機1の左側にはプリペイド記録媒体読取装置100が設けられている。パチンコ機1には、外殻を構成する外枠セット8が設けられており、この外枠セット8の前面には前枠セット2が設けられている。また、前枠セット2には天板1aが備えられており、その天板1aの左端前方には回動軸部材1bが設けられている。前枠セット2には透明のガラス枠セット3が、回動軸部材1bを回動軸にして開閉可能に取付けられている。
【0022】
ガラス枠セット3の内側には、遊技盤(図8において符号5で示す)が設けられており、前枠セット2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル4aが取付けられている。発射ハンドル4aには、遊技球の発射強度を調節するための発射レバー4bが発射ハンドル4aに対して回動自在に装着されている。
【0023】
遊技盤5の下方には、パチンコ機1の排出口6bから払出された賞球や貸球を貯留する上受け皿6が設けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の貯留可能数を超えて内部から流下した遊技球を貯留する下受け皿7が設けられている。
【0024】
前枠セット2には、払出すべき遊技球が無いことを報知する球切れLED13と、遊技球の払出しの異常を報知する払出異常LED14とが設けられている。また、前枠セット2には、効果音を発生する右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが設けられている。
【0025】
プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイド記録媒体の利用が可能であることを示す利用ランプ101と、貸出金額の単位(たとえば、100円、200円、300円、500円)の選択を行うための金額設定ボタン102と、金額設定ボタン102により選択した貸出金額を表示する貸出金額表示部103と、100円未満の残高およびメンテナンス情報を度数表示部6eに表示させる場合に押す端数表示ボタン104と、プリペイド記録媒体読取装置100が接続されるパチンコ機1の方向を示す連結台方向表示ランプ105とが設けられている。
【0026】
また、プリペイド記録媒体読取装置100には、プリペイド記録媒体がパチンコ機1に対応していることを示す表示ランプ106と、プリペイド記録媒体を挿入する挿入口108と、挿入口108にプリペイド記録媒体が挿入されていることを示す挿入中ランプ107とが設けられている。プリペイド記録媒体読取装置100の内部には、挿入口108から挿入されたプリペイド記録媒体を装填する装填装置(図示省略)が設けられている。プリペイド記録媒体としては、プリペイドカードまたはプリペイドコインなどが使用される。
【0027】
挿入口108から挿入されたプリペイド記録媒体は、その端部が挿入口108から突出しない状態で上記の装填装置に装填されるため、装填装置が故障すると、プリペイド記録媒体を返却することができなくなる。そこで、装填装置は、挿入口108を含む前面パネルの一部と共に前面に引き出し可能に構成されている。装填装置は、普段はロック機構によって引き出し不能になっているが、プリペイド記録媒体読取装置100に設けられた鍵穴109から鍵を差し込んでロック状態を解除することができるように構成されている。
【0028】
[上受け皿の構造]
次に、上受け皿6の構造について図を参照して説明する。
図2は図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の平面図である。図3は図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の正面図である。図4は図1に示すパチンコ機1に設けられた上受け皿6の裏面図である。図5は図4のA−A矢視断面図の一部を省略して示す説明図である。
【0029】
図2に示すように、上受け皿6のうち、排出口6a(図1)に近い部分に開口部6gが形成されており、その開口部6gから上受け皿6の底面6fが露出している。開口部6gは、上受け皿6に貯留されている遊技球の貯留状態を視認するために形成されている。また、開口部6gは、上受け皿6に貯留されている遊技球を指で均すことができるように形成されている。
図1および図5に示すように、上受け皿6の表面は、上方に膨らんだ曲面に形成されている。図4に示すように、上受け皿6の底面6fは、発射装置(図示省略)へ遊技球を供給する供給口6hに向けて下り勾配に形成されている。
【0030】
上受け皿6の表面には、フレキシブルのタッチパネル90が設けられている。図4および図5に示すように、タッチパネル90は、上受け皿6の表面の形状に合致する形状に形成されており、上受け皿6の表面と一体化している。図5に示すように、タッチパネル90は、上受け皿6に一体的に設けられた有機ELディスプレイ92と、その有機ELディスプレイ本体92の表面に一体的に設けられた透明のタッチセンサ91とを備える。
【0031】
有機ELディスプレイ92は公知の構造である。たとえば、有機ELディスプレイ92は、薄板でフレキシブルのプラスチック基板と、このプラスチック基板上に配置された薄板でフレキシブルのガラス基板と、このガラス基板上に配置されたフレキシブルの透明電極と、この透明電極上に配置されたフレキシブルの有機ELと、この有機EL上に配置されたフレキシブルの電極と、この電極および有機ELを封止するフレキシブルのガスバリア層と、このバスバリア層を覆うフレキシブルの保護フィルムとを備える。
【0032】
また、遊技者の指が触れたことを検知するタッチセンサ91も公知の構造である。たとえば、タッチセンサ91は、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式、超音波表面弾性波方式、音響パルス認識方式、振動検出方式などの各種の方式において採用されている構造である。
【0033】
上受け皿6には、上受け皿6に貯留されている遊技球を下受け皿7へ排出させるために操作する球抜きレバー6aが設けられている。また、上受け皿6には、貸球の払出しを行わせるために操作する貸出ボタン6cと、プリペイド記録媒体読取装置100の挿入口108から挿入されているプリペイド記録媒体を返却させるために操作する返却ボタン6dと、プリペイド記録媒体に記録されている残り度数(残高)を表示する度数表示部6eとが設けられている。
【0034】
度数表示部6eは、残り度数を8セグLEDや液晶を使って数字で表示する。たとえば、度数表示部6eは、残り度数を3桁の数字で表示するように構成されており、たとえば、度数の最小表示単位が100円である場合に500円分が残っているときには、005と表示する。また、上受け皿6には、遊技者が演出内容を選択するときなどに操作する演出ボタン9が設けられている。この実施形態では、演出ボタン9はプッシュ式のスイッチである。
【0035】
[下受け皿の構造]
次に、下受け皿7の構造について図を参照して説明する。
図6は図1に示すパチンコ機1に設けられた下受け皿7の平面図である。図7は図1に示すパチンコ機1に設けられた下受け皿7の正面図である。
【0036】
下受け皿7は、上面が開口で有底の凹形状に形成されている。図7に示すように、下受け皿7の後方には排出口7eが開口形成されている。上受け皿6の貯留限界を超えて流下した遊技球、あるいは、上受け皿6に設けられた球抜きレバー6aを操作することにより流下した遊技球は、排出口7eから下受け皿7に排出され、貯留される。
【0037】
下受け皿7の底面7dには、下受け皿7に貯留されている遊技球を抜くための球抜き口7cが開閉可能に形成されている。また、下受け皿7の前面には、球抜き口7cを開閉させるために操作する球抜きレバー7aが設けられている。球抜きレバー7aを操作すると、球抜き口7cが開口し、下受け皿7に貯留されている遊技球が、下受け皿7の下方に配置された賞球箱(図示省略)へ排出される。また、球抜きレバー7aを操作前の位置に戻すと球抜き口7cが閉口し、遊技球の排出が阻止される。
【0038】
[遊技盤の主要構成]
次に、パチンコ機1に備えられた遊技盤の主要構成について図を参照して説明する。
図8は図1に示すパチンコ機1に設けられた遊技盤5の正面図である。図9は図8に示す遊技盤5を斜め前方から見た斜視図である。図10は図8に示す遊技盤5に設けられた可動役物40が下降した状態を示す正面図である。図11(a)は図8に示す遊技盤5に設けられた第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25を拡大して示す正面図であり、(b)は図8に示す遊技盤5に設けられた特別図柄表示装置31などを拡大して示す正面図である。
【0039】
遊技盤5の盤面には、遊技球が流下する遊技領域が形成されており、遊技球の流下経路は、遊技盤5の盤面に打ち込まれた多数の遊技釘28によって規制されている。遊技盤5の盤面の周囲には、発射ソレノイド(図12において符号4fで示す)などの発射装置によって発射された遊技球を遊技領域に案内するためのレールセット15が設けられている。
【0040】
遊技盤5の中央には、センター飾り16が設けられている。このセンター飾り16は、図9に示すように盤面から前方へ突出する立体形状に形成されており、遊技領域の中央領域を占有している。センター飾り16には、演出表示器30が設けられている。演出表示器30は、演出図柄の変動表示、確定図柄の確定表示、各種の演出画像の表示および保留数の表示などを行う。
この実施形態では、演出表示器30は、液晶表示器により構成されている。なお、LEDをドットマトリクス状に配置したドット表示器、7セグメントLED、有機ELディスプレイなどを演出表示器30として用いることもできる。
【0041】
センター飾り16の左端には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。センター飾り16の下部には、流入口16bからセンター飾り16の内部に流入した遊技球が遊技領域に流出する流出口16cが開口形成されている。盤面の左側には、レールセット15の内周に沿って左サイド飾り36が設けられている。左サイド飾り36とセンター飾り16との間には、遊技球が流下する左寄り遊技領域が形成されている。その左寄り遊技領域には、遊技球の流下経路を変化させる風車35が回転自在に設けられている。
【0042】
左サイド飾り36には、左袖上入賞口17と、左袖入賞口18と、左下入賞口19とが設けられている。センター飾り16の左外面には、遊技球がセンター飾り16の内部に流入可能な流入口16bが開口形成されている。図10に示すように、センター飾り16の内部には、流入口16bから流入した遊技球を案内するための案内通路16eが設けられている。センター飾り16の左内面には、案内通路16eによって案内された遊技球を流出させるための流出口16cが開口形成されている。
【0043】
センター飾り16の下部には、流出口16cから流出した遊技球が転動するためのステージ16dが設けられている。流出口16cから流出した遊技球は、ステージ16dの上を流下経路R2にて流下し、流下経路R3〜R5のいずれかに沿って流下する。ステージ16dの直下であって、流下経路R3に沿った箇所には、中始動口21が設けられている。遊技状態が確変遊技状態に変化しているときに遊技球が中始動口21に入賞すると、現在の確変遊技状態から通常遊技状態へ転落するか否かを決定するための抽選、いわゆる転落抽選が行われる。ステージ16dの上方には、流出口16cから流出した遊技球以外の遊技球がステージ16dに落下しないようにするための防護部材16fが設けられている。センター飾り16の上面には、案内部16aが形成されており、案内部16aに乗った遊技球は、流下経路R1に沿って、センター飾り16の右方に形成された右寄り遊技領域(流下領域)へ案内される。
【0044】
盤面の右側には、右サイド飾り37が設けられており、その右サイド飾り37には、ゲート23および右肩入賞口20が設けられている。右寄り遊技領域のセンター飾り16には、普通電動役物27が設けられている。普通電動役物27は、翼形状の開閉翼片27cを備えている。開閉翼片27cは、その基部が回動可能に軸支されており、その基部の回動によって先端を外方(図中では右方)へ開いたり内方(図中では左方)へ閉じたりする。
【0045】
開閉翼片27cが外方へ開くと、その開いた開閉翼片27cとセンター飾り16との間に右始動口22が形成される。図8は、開閉翼片27cが外方へ開き、右始動口22が形成された状態を示す。遊技状態が確変遊技状態に変化しているときに遊技球が右始動口22に入賞すると、現在の確変遊技状態から通常遊技状態へ転落するか否かを決定するための抽選、いわゆる転落抽選が行われる。遊技盤5の下方には、どこにも入賞などしなかった遊技球を回収するためのアウト口26が開口形成されている。
【0046】
演出表示器30の上方であってセンター飾り16の中央には、LEDによって装飾された可動役物40が設けられている。図10に示すように、可動役物40の両端は、支持部材40a,40aによって支持されている。可動役物40は、演出表示器30が表示する特定の演出に連動して演出表示器30の前面に自然落下し、モータ(図13において右リフトモータ40dおよび左リフトモータ40fで示す)などの昇降装置によって上昇して落下前の原点に復帰する(図8)。
【0047】
また、可動役物40は、モータ(図13において家紋モータ40bで示す)およびカム機構(図示せず)などの駆動装置によって振動する。図10に示すように、可動役物40の背面には、LEDによって装飾された可動役物43が設けられている。可動役物43は、モータ(図13において万華鏡モータ43aで示す)などの駆動装置によって回転し、可動役物40が落下すると、その背後から出現する。また、センター飾り16の両側には、可動役物41,42が設けられている。可動役物41,42は、それぞれモータ(図13において左竜モータ41aおよび右竜モータ42aで示す)などの駆動装置によって作動する。
【0048】
また、図9に示すように、センター飾り16の下部であって、演出表示器30の前面下部には、箱状の収納部材46が設けられている。この収納部材46の内部には、図10に示す可動役物44,45が収納されている。可動役物44,45は、それぞれモータ(図13において扉左モータ44aおよび扉右モータ45aで示す)などの駆動装置によって左右方向へ移動する。可動役物44,45は、合体したときに一つの意匠を構成する。
【0049】
収納部材46の正面および背面は、透光性材料によって形成されており、遊技者が可動役物44,45の状態を視認できるようになっている。また、相互に離反した可動役物44,45間に形成された空間の奥には、LEDにより装飾された装飾部材(図示省略)が設けられており、可動役物44,45が相互に離反したときに装飾部材の各LEDが点灯または点滅するようになっている。
【0050】
この実施形態では、可動役物40は、家紋を模した形状に形成されており、可動役物40を装飾しているLEDが点灯することによって家紋が浮き出るように構成されている。また、可動役物43は万華鏡を模した形状に形成されており、可動役物43を装飾しているLEDが点灯または点滅することにより、あたかも万華鏡を覗いているように見える演出を行う。また、可動役物41,42は、それぞれ竜の頭を模した形状に形成されており、前述した駆動装置によって竜が口を開閉する。
【0051】
図10は、可動役物41,42が作動し、一対の竜がそれぞれ口を開けた状態を示す。また、可動役物41,42の内部には、それぞれLED41c,42cが設けられており、そのLEDが点灯することにより、あたかも竜が火を吹くように見える演出を行う。また、可動役物44,45は、それぞれ扉形状に形成されており、各前面には竜の一部がそれぞれ描かれている。そして、可動役物44,45が合体すると、竜が完成するようになっている。
【0052】
上述した各可動役物40〜45は、遊技中の所定のタイミングで動作して演出効果を高める。また、各可動役物40〜45は、大当りの発生の予告、大当りの発生の示唆、演出表示器30が大当り発生の確率が高い演出画像を表示することの予告など、各種の報知および予告を行う。
【0053】
図8において中始動口21と右肩入賞口20との間(図中において符号Bで示す破線で囲まれた領域)には、図11(a)に示すように、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25が上下に重ねて設けられている。第1変動入賞装置24は、横長板状の第1開閉部材24dを備えており、この第1開閉部材24dは、ソレノイド(図12において第1大入賞口ソレノイド24bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第1開閉部材24dが開放すると、第1大入賞口24aが開口する。
【0054】
第2変動入賞装置25は、横長板状の第2開閉部材25dを備えており、この第2開閉部材25dは、ソレノイド(図12において第2大入賞口ソレノイド25bで示す)などの駆動装置によって開閉する。第2開閉部材25dが開放すると、第2大入賞口25aが開口する。図11(a)は、第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aがそれぞれ開口した状態を示す。第1大入賞口24aおよび第2大入賞口25aは、大当りが発生したときに開口する。この実施形態では、第1開閉部材24dおよび第2開閉部材25dは、それぞれ横長の板状に形成されており、両側の下端を軸にして前後に開閉するように構成されている。
【0055】
図8において左サイド飾り36の左袖上入賞口17の左側(図中において符号Aで示す破線で囲まれた領域)には、図11(b)に示すように、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが設けられている。
この実施形態では、特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置33および普通図柄保留数表示装置34は、それぞれLEDにより構成されているが、液晶表示装置などにより構成することもできる。
【0056】
特別図柄表示装置31は複数(たとえば、図11(b)に示すように7個)のLEDにより構成されており、それらのLEDは、遊技球が中始動口21または右始動口22に入賞すると所定の点滅パターンで点滅する。それらのLEDが点灯したときの発光色および消灯したときのLEDの地の色が特別図柄を構成し、LEDが点滅している状態が、特別図柄が変動表示している状態である。
【0057】
特別図柄表示装置31は、各LEDをランダムに点滅させ、その点滅が停止したときに点灯しているLEDおよび消灯しているLEDの組合せが特定の組合せであるときに大当りが発生し、その組合せの種類によって大当りの種類が異なる。大当りの種類は、大当り遊技において実行可能な最大ラウンド数、通常大当り、確変大当りおよび時短のうちの2つ以上を組み合わせて構成されている。
【0058】
また、大当りの種類によって第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25のどちらかが動作して大当り遊技が行われる。
ここで、時短とは、特別図柄が変動表示を開始したタイミングから変動表示を終了したタイミングまでに要する時間が短縮され、かつ、普通図柄が変動表示を開始してから変動表示を終了するまでに要する時間が短縮された遊技状態をいう。
【0059】
特別図柄表示装置31が特別図柄を変動表示しているときに遊技球が中始動口21または右始動口22に入賞したときは、その入賞に基づく特別図柄の変動表示は直ぐに実行されず、一旦保留される。その保留数は、演出表示器30によって表示される。
【0060】
[パチンコ機の主な電気的構成]
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図12および図13を参照して説明する。
【0061】
図12に示すように、主制御基板50には、主制御用MPU51が搭載されている。主制御用MPU51は、主制御用CPU52と、主制御用ROM53と、主制御用RAM54とを備える。
【0062】
主制御用CPU52は、大当り判定、確変大当り判定、転落抽選、転落抽選に当選した場合の遊技状態の設定、大当り図柄の抽選、ハズレ図柄の抽選、入賞の検出、ゲート通過の検出、普通図柄の当り判定、賞球の払出命令など、遊技の進行に必要な処理を実行する。主制御用CPU52は、確変遊技状態のときに遊技球が中始動口21または右始動口に入賞したときは、転落抽選を行った後に大当り判定を行う。
【0063】
また、主制御用MPU51は、バックアップ電源端子VBBと、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
主制御用ROM53には、主制御用CPU52が上記の各処理を実行するためのコンピュータプログラム、各制御基板へ送信する制御コマンド、大当り判定を行う際に参照する大当り値が設定された大当り値テーブル(図示省略)、転落抽選を行う際に参照する当り値が設定された当り値テーブル、各種の演出を行うときに参照する演出テーブルなどが読出し可能に記憶されている。
【0064】
主制御用RAM54は、主制御用CPU52が前述した各処理を実行するときに使用するワーク領域を有する。また、主制御用RAM54は、主制御用CPU52が前述した各処理を実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、主制御用RAM54は、パチンコ機1に供給されている電源が遮断されたときにコンデンサ(図示省略)からバックアップ電源の供給を受け、確変大当り判定の結果など、電源遮断直前に記憶していたデータを記憶保持する。
【0065】
また、主制御基板50には、中始動口21に入賞した遊技球を検出する中始動口スイッチ21aと、右始動口22に入賞した遊技球を検出する右始動口スイッチ27aと、外部端子板503とが電気的に接続されている。主制御用CPU52は、大当りの発生回数、入賞数および特別図柄の変動回数などのデータを外部端子板503を介してホールコンピュータへ送信する。ホールコンピュータは、当該パチンコ機1が設置されたパチンコホールの管理室などに配置されている。
【0066】
また、主制御基板50には、図柄表示基板84が電気的に接続されている。図柄表示基板84には、特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置33と、普通図柄保留数表示装置34とが搭載されている。また、主制御基板50には、払出制御基板60と、セキュリティ中継端子板89と、電源基板76とが電気的に接続されている。
【0067】
セキュリティ中継端子板89には、不正行為において使用される誘導磁界を検出するための誘導磁界センサ500と、不正行為において使用される磁気を検出するための第1磁気センサ501と、第2磁気センサ502とが電気的に接続されている。
払出制御基板60には、下受け皿7が遊技球で満杯になった状態を検出するための下皿満杯スイッチ7bと、扉開放中継端子板86とが電気的に接続されている。扉開放中継端子板86には、ガラス枠セット3が開放された状態を検出するための扉開放スイッチ87と、外枠セット8が開放された状態を検出するための外枠開放スイッチ88とが電気的に接続されている。
【0068】
また、払出制御基板60には、払出中継端子板83が電気的に接続されており、払出中継端子板83には、遊技球を上受け皿6へ払出す部材を駆動するための払出モータ38cと、この払出モータ38cによって払出された遊技球を検出するための前部払出センサ38a,後部払出センサ38bと、払出モータ38cによって払出す遊技球が切れていることを検出する前部球切れスイッチ38d,後部球切れスイッチ38eとが電気的に接続されている。これらの前部払出センサ38a〜後部球切れスイッチ38eが賞球払出装置を構成している。
【0069】
払出制御基板60には、払出制御用MPU61が搭載されており、その払出制御用MPU61は、払出制御用CPU62と、払出制御用ROM63と、払出制御用RAM64とを備える。払出制御用CPU62は、主制御用MPU51から送信される払出制御コマンドに従って払出モータ38cを制御し、賞球および貸球の払出しを制御する。また、払出制御用CPU62は、前部払出センサ38aおよび後部払出センサ38bからそれぞれ出力される信号の変化を検出し、払出された賞球数および貸球数を計数する。また、払出制御用MPU61は、バックアップ電源端子VBBと、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子とを備える。
【0070】
払出制御用ROM63には、払出制御用CPU62が実行するコンピュータプログラムなどが読出し可能に記憶されている。払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、払出制御用RAM64は、払出制御用CPU62が上記のコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。さらに、払出制御用RAM64は、未払いの賞球数および貸球数を記憶し、主電源77が遮断されたときに、未払いの賞球数および貸球数を記憶保持する。
【0071】
また、払出制御基板60には、プリペイド記録媒体の残り度数を表示する度数表示基板504が貸出装置接続端子板78を介して電気的に接続されている。貸出装置接続端子板78には、プリペイド記録媒体読取装置100(図1)が電気的に接続されている。
【0072】
さらに、発射制御基板4には、遊技球を発射する発射装置を駆動する発射ソレノイド4fと、遊技球を発射位置へ供給する球供給装置を駆動する球送りソレノイド4gと、発射レバー4bの回動量に応じて発射装置4の発射強度を調節するための発射強度電子ボリューム4cと、遊技者が発射レバー4bに触れたことを検出して発射装置4を駆動させるためのタッチスイッチ4dと、発射レバー4bの回動によってオンまたはオフし、発射ソレノイド4fを駆動する発射スイッチ4eとが電気的に接続されている。
【0073】
主制御基板50には、盤面中継端子板37が電気的に接続されており、その盤面中継端子板37には、左袖上入賞口17に入賞した遊技球を検出するための左袖上入賞口スイッチ17aと、左袖入賞口18に入賞した遊技球を検出するための左袖入賞口スイッチ18aと、左下入賞口19に入賞した遊技球を検出するための左下入賞口スイッチ19aと、右肩入賞口20に入賞した遊技球を検出するための右肩入賞口スイッチ20aと、第1大入賞口24aに入賞した遊技球を検出するための第1大入賞口スイッチ24cと、ゲート23を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ23aと、第2大入賞口25aに入賞した遊技球を検出するための第2大入賞口スイッチ25cと、第1変動入賞装置24を駆動するための第1大入賞口ソレノイド24bと、普通電動役物27を駆動するための普通電動役物ソレノイド27bと、第2変動入賞装置25を駆動するための第2大入賞口ソレノイド25bとが電気的に接続されている。
【0074】
図13に示すように、パチンコ機1には、演出制御基板400が設けられており、その演出制御基板400には、画像音声制御基板70と、盤面演出中継端子板82と、盤面LED中継端子板81と、補助演出駆動基板410と、演出電源基板79とが電気的に接続されている。演出制御基板400には、演出制御用CPU402を備えた演出制御用MPU401が搭載されている。演出制御用CPU402は、主制御用CPU52(図12)から送信された演出制御信号を受信し、その受信した演出制御信号を対応する基板に振り分ける処理などを行う。
【0075】
画像音声制御基板70には、液晶中継端子板30aを介して演出表示器30が電気的に接続されている。また、画像音声制御基板70には、有機ELディスプレイ92を駆動するための有機EL駆動回路93が電気的に接続されており、その有機EL駆動回路93には有機ELディスプレイ92が電気的に接続されている。さらに、画像音声制御基板70には、タッチセンサ91および盤面演出中継端子板82が電気的に接続されており、その盤面中継端子板82には、枠部演出中継端子板85を介して右スピーカ10と、左スピーカ11と、下スピーカ12とが電気的に接続されている。また、枠部演出中継端子板85には、枠部LED駆動基板66を介して照光付演出スイッチ9aが電気的に接続されている。照光付演出スイッチ9aは、演出ボタン9を押圧操作したときにオンし、演出ボタン9に内蔵されているLEDを点灯させるスイッチである。
【0076】
画像音声制御基板70には、画像音声制御用MPU71および音量調節装置75が搭載されている。画像音声制御用MPU71は、画像音声制御用CPU72と、画像音声制御用ROM73と、画像音声制御用RAM74とを備える。画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って演出表示器30を制御し、演出制御信号に対応する画像を演出表示器30に表示させる。
【0077】
また、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って有機EL駆動回路93を制御し、演出制御信号に対応する画像を有機ELディスプレイ92に表示させる。さらに、画像音声制御用CPU72は、タッチセンサ91からの信号の変化を検出する。たとえば、遊技者がタッチセンサ91に触れると、画像音声制御用CPU72がタッチセンサ91からの信号の変化を検出し、演出表示器30に表示する動画を変化させる。
【0078】
また、画像音声制御用CPU72は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って各スピーカ10〜12を駆動し、演出制御信号に対応する効果音などを各スピーカ10〜12から出力させる。
【0079】
画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、画像音声制御用ROM73には、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブルが読出し可能に記憶されている。この実施形態では、画像音声制御用ROM73には、演出表示器30が演出内容を表示するためのコンピュータプログラムと、有機ELディスプレイ92が演出内容を表示するためのコンピュータプログラムと、タッチセンサ91からの信号の変化に応じた演出内容を演出表示器30が表示するためのコンピュータプログラムとが読出し可能に記憶されている。
【0080】
画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、画像音声制御用RAM74は、画像音声制御用CPU72がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。音量調節装置75は、各スピーカ10〜12が出力する効果音などの音量を調節する音量調節つまみを備える。
【0081】
補助演出駆動基板410には、補助演出上中継端子板508と、補助演出右中継端子板68と、補助演出下中継端子板507とが電気的に接続されている。補助演出上中継端子板508には、可動役物40の背面に配置された可動役物43を回転させる万華鏡モータ43aと、その可動役物43が原点に復帰したことを検出する万華鏡原点センサ43bと、可動役物42を駆動する右竜モータ42aと、可動役物42が原点に復帰したことを検出する右竜原点センサ42bと、可動役物41を駆動する左竜モータ41aと、可動役物41が原点に復帰したことを検出する左竜原点センサ41bとが電気的に接続されている。
【0082】
補助演出右中継端子板68には、可動役物40を振動させる家紋モータ40bと、可動役物40の位置を検出する家紋位置確認センサ40cと、可動役物40を上昇させる右リフト(図示省略)を駆動する右リフトモータ40dと、右リフトが原点に復帰したことを検出する右リフト原点センサ40eとが電気的に接続されている。
補助演出下中継端子板507には、可動役物40を上昇させる左リフト(図示省略)を駆動する左リフトモータ40fと、左リフトが原点に復帰したことを検出する左リフト原点センサ40gと、収納部材46に収納された右側の可動役物45を移動させる扉右モータ45aと、その可動役物が原点に復帰したことを検出する扉右原点センサ45bと、左側の可動役物44を移動させる扉左モータ44aと、その可動役物44が原点に復帰したことを検出する扉左原点センサ44bとが電気的に接続されている。
【0083】
補助演出駆動基板410には、補助演出制御用MPU420が搭載されている。補助演出制御用MPU420は、補助演出制御用CPU421と、補助演出制御用ROM422と、補助演出制御用RAM423とを備える。補助演出制御用CPU421は、主制御用CPU52から演出制御基板400を介して送信された演出制御信号に従って可動役物40〜45などの動作を制御する。補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421が実行するコンピュータプログラムが読出し可能に記憶されている。また、補助演出制御用ROM422には、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに参照する各種のテーブル(たとえば、可動役物40〜45などの動作パターン)が読出し可能に記憶されている。
【0084】
補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行するときに使用するワーク領域を有する。また、補助演出制御用RAM423は、補助演出制御用CPU421がコンピュータプログラムを実行することにより発生する処理結果および判定結果などを読出しおよび書換え可能に記憶する。
【0085】
また、パチンコ機1には、主電源(AC/24V)77に接続された電源基板76(図12)が備えられており、電源基板76は、主電源77から供給される電源を主制御基板50と、払出制御基板60と、演出電源基板79(図13)とに供給する。演出電源基板79は、電源基板76から供給される電源を演出電源基板79と電気的に接続された各基板へ分配する。盤面LED中継端子板81には、遊技盤5に設けられた装飾用の各LEDが搭載されている。
【0086】
[上受け皿6による演出例]
次に、上受け皿6による演出例について図を参照して説明する。
図14(a)は上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図であり、(b)は(a)に示すタッチパネル90に表示された画像を拡大して示す説明図である。図15は上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図である。図16は遊技盤5に設けられた演出表示器30に表示された画像の一例を示す説明図である。図17は上受け皿6に設けられたタッチパネル90に表示された画像の一例を示す説明図である。
【0087】
(演出例1)
図14(a)に示すように、上受け皿6の表面に設けられたタッチパネル90は、第1タッチパネル90aおよび第2タッチパネル90bを備える。第1タッチパネル90aおよび第2タッチパネル90bは、それぞれ異なる画像を表示可能に構成されている。第1タッチパネル90aおよび第2タッチパネル90bは、演出表示器30が表示する動画の中で用いられる画像と同じまたは類似した画像を表示する。
【0088】
たとえば、演出表示器30が戦国時代の戦闘シーンを表す動画を表示する場合に、戦闘シーンに登場する武士が使用する武器を遊技者に選択させるための画像を表示する。たとえば、「武器を選択せよ!」というメッセージ画像を表示し、第1タッチパネル90aおよび第2タッチパネル90bにそれぞれ異なる武器の画像を表示する。そして、遊技者がどちらかのタッチパネルに指で触れると、そのタッチパネルの出力信号が変化し、その変化が画像音声制御用CPU72(図13)によって検知される。そして、画像音声制御用CPU72が、演出表示器30に表示させる動画として、上記の触れた方のタッチパネルに表示されている武器を使用した武士が戦闘する動画を選択し、その選択した動画を演出表示器30に表示させる。
【0089】
図14(b)に示す例では、第1タッチパネル90aは日本刀を表す画像Z1を表示し、第2タッチパネル90bは槍を表す画像Z2を表示している。たとえば、遊技者が指で第1タッチパネル90aに触れると、武器として日本刀が選択され、演出表示器30が日本刀を使用して戦う武士の動画を表示する。また、遊技者が指で第2タッチパネル90bに触れると、武器として槍が選択され、演出表示器30が槍を使用して戦う武士の動画を表示する。
【0090】
また、演出表示器30およびタッチパネル90は、タッチパネル90に触れた指を演出表示器30の方向へ移動させることにより、タッチパネル90に表示されている画像が演出表示器30の画面に飛び込むように表示される構成にすることもできる。たとえば、図14(b)において第1タッチパネル90aに指を触れ、その触れた状態で指を演出表示器30の方向(図面上方)へ移動させると、日本刀を示す画像Z1が第1タッチパネル90aの画面上で演出表示器30の方向へ移動し、それに続いて、演出表示器30の画面には、画像Z1と同じ画像が出現し、画面中に表示されている武士が、画面に出現した画像Z1により表される日本刀を掴む。
【0091】
上記のように、従来のパチンコ機では演出表示器30に表示している画像Z1,Z2を上受け皿6に設けたタッチパネル92に表示することができるため、その分、演出表示器30は演出画像の表示領域を拡大することができる。
しかも、演出表示器30が表示する武士が、遊技者が選択した武器を使って戦うという演出を行うことができる。
したがって、演出表示器30が表示する演出に遊技者が参加することができるため、従来には存在しない面白い遊技を楽しむことができる。
【0092】
(演出例2)
図15に示すように、上受け皿6の表面には、フレキシブルの有機ELディスプレイ92が一体的に設けられている。その有機ELディスプレイ92に遊技状態の変化を報知する報知画像Z3を表示することもできる。たとえば、パチンコ機1が実行する演出モードが複数種類存在する場合に、どの演出モードに変化しているのかを表示することができる。図示の例では、有機ELディスプレイ92には、「修羅モード突入」というメッセージから成る報知画像Z1が表示されており、修羅モードという演出モードに変化したことを報知している。
【0093】
また、遊技球を発射する方向を指示する指示画像を有機ELディスプレイ92に表示することができる。たとえば、第1変動入賞装置24および第2変動入賞装置25(図11(a))の少なくとも一方が開閉する遊技状態に変化したときに、遊技球がセンター飾り16の右側を流下するように、いわゆる右打ちを指示する「右打ち」というメッセージから成る指示画像を表示することができる。
このように、従来のパチンコ機では演出表示器30に表示しているメッセージを上受け皿6に設けた有機ELディスプレイ92に表示することができるため、その分、演出表示器30は演出画像の表示領域を拡大することができる。
【0094】
(演出例3)
演出表示器30が変動表示する演出図柄と同じ図柄、あるいは、関連する図柄をタッチパネル90に表示することができる。図16に示すように、演出表示器30は、一〜九の漢数字を表現した演出図柄Z7を配列した演出図柄列を、画面の横方向の3箇所においてそれぞれ画面の上から下へ数字の昇順に変動表示している。図示の状態は、演出表示器30の画面において横方向に設定された3つの表示領域のうち、左右の表示領域における演出図柄Z7の変動表示が停止し、左右の表示領域には漢数字の七が確定表示されており、中央の表示領域では演出図柄が変動中の状態になっている。
【0095】
つまり、リーチ変動の状態になっている。ここで、リーチ変動とは、大当り判定の結果が大当りであることを示す大当り図柄を構成する演出図柄が複数の表示領域のうち1つの表示領域以外の表示領域においてそれぞれ確定表示されており、上記1つの表示領域では演出図柄の図柄列の変動表示が行われている変動態様のことである。
また、図17に示すように、タッチパネル90は、一〜九の漢数字を表現した演出図柄Z6を配列した演出図柄列を、画面の上から下へ数字の昇順に変動表示している。また、タッチパネル90は、演出表示器30の変動表示の速度と同じ速度で変動表示を行っている。
【0096】
また、演出表示器30およびタッチパネル90は、指でタッチパネル90に触れるとタッチパネル90における演出図柄Z6の変動表示が停止するとともに、演出表示器30における演出図柄Z7の変動表示が停止するように構成されている。つまり、遊技者が指でタッチパネル90に触れることにより、あたかも演出表示器30の変動表示が停止するかのように見える演出を行う。このような演出を行うことにより、演出表示器30が表示する演出に遊技者が参加することができるため、従来には存在しない面白い遊技を楽しむことができる。なお、演出表示器30が確定表示する演出図柄の種類は、主制御用CPU52(図12)または画像音声制御用CPU72(図13)が決定し、遊技者がタッチパネル90に触れるタイミングでは決定しない。
【0097】
[実施形態の効果]
(1)上述した実施形態のパチンコ機1を実施すれば、遊技に用いる透明のタッチセンサ91が有機ELディスプレイ92の表面に設けられたタッチパネル90が、上受け皿6の表面に設けられているため、演出表示器30のみでは不足していた表示領域を有機ELディスプレイ92によって補うことができる。
したがって、演出表示器30を大型化しなくても画像の表示領域を拡大することができ、演出効果を高めることができる。
しかも、遊技に用いる透明のタッチセンサ91が有機ELディスプレイ92の表面に設けられているため、タッチセンサ91を設けるためのスペースを省くことができる。
【0098】
(2)また、有機ELディスプレイ92が演出表示器30の動画と関連のある画像を表示するため、演出表示器30による演出効果を高めることができる。
【0099】
(3)さらに、上受け皿6の表面のうち、曲面に形成された部分にもタッチパネル90を一体化するように設けることができる。
したがって、上受け皿6の表面にタッチパネル90を配置するために、上受け皿6の形状として曲面が使えなくなってしまうおそれがない。
【0100】
(4)さらに、タッチパネル90に触れることにより、そのタッチパネル90に表示されている画像が、演出表示器30に表示される動画の中で用いられるため、その動画による演出に遊技者が参加することができる。
したがって、遊技の面白さを増大させることができる。
【0101】
〈他の実施形態〉
(1)下受け皿7の表面にタッチパネル90を設けることもできる。この場合、下受け皿7は、パチンコ機1の下方に配置されており、下受け皿7の正面は見難いため、下受け皿7の上部端面にタッチパネル90を設けることが望ましい。このように、下受け皿7の表面にタッチパネル90を設けた場合でも前述の実施形態と同じ効果を奏することができる。
【0102】
(2)演出表示器30が表示する複数種類のキャラクタをキャラクタ毎に複数のタッチパネルに表示し、遊技者が触れたいずれかのタッチパネルに表示されているキャラクタが演出表示器30の動画に登場するように構成することもできる。
(3)タッチパネル90が演出ボタン9の役割をするように構成することもできる。
【符号の説明】
【0103】
1・・パチンコ機(遊技機)、4a・・発射ハンドル(発射装置)、
5・・遊技盤、6・・上受け皿(貯留部材)、7・・下受け皿(貯留部材)、
17・・左袖上入賞口(入賞口)、21・・中始動口(始動口)、
22・・右始動口(始動口)、24・・第1変動入賞装置(変動入賞装置)、
24a・・第1大入賞口(大入賞口)、25・・第2変動入賞装置(変動入賞装置)、
25a・・第2大入賞口(大入賞口)、30・・演出表示器(画像表示装置)、
90・・タッチパネル、91・・タッチセンサ、92・・有機ELディスプレイ、
Z1,Z2・・画像。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球の流下領域が形成された遊技盤と、
前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技盤に設けられた入賞口および始動口と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行うマイクロコンピュータと、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞した場合に動画の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に前記大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置と、
前記遊技盤に設けられており、遊技球の入賞領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口を有し、前記マイクロコンピュータによる大当り判定の結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成された変動入賞装置と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記入賞口または始動口に入賞したときに、当該パチンコ機の内部から、当該パチンコ機にて遊技を行う遊技者が視認可能な領域へ賞球を払出す賞球払出装置と、
前記領域に設けられており、前記賞球払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材と、を備えたパチンコ機において、
遊技に用いる透明のタッチセンサが有機ELディスプレイの表面に設けられたタッチパネルが、前記貯留部材の表面に設けられていることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記有機ELディスプレイが前記動画と関連のある画像を表示することを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
フレキシブルな前記タッチパネルが前記貯留部材の曲面に形成された表面と一体化して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項4】
前記タッチパネルに触れることにより、そのタッチパネルに表示されている画像が、前記画像表示装置に表示される動画の中で用いられるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【請求項1】
遊技球の流下領域が形成された遊技盤と、
前記流下領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記遊技盤に設けられた入賞口および始動口と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞したときに大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)を行うマイクロコンピュータと、
前記発射装置により発射された遊技球が前記始動口に入賞した場合に動画の表示を開始し、その開始から所定時間経過後に前記大当り判定の結果に対応する画像を表示する画像表示装置と、
前記遊技盤に設けられており、遊技球の入賞領域が前記入賞口よりも大きい大入賞口を有し、前記マイクロコンピュータによる大当り判定の結果が大当りであり、その大当りに対応する画像を前記画像表示装置が表示した場合に前記大入賞口を所定回数開閉するように構成された変動入賞装置と、
前記発射装置により発射された遊技球が前記入賞口または始動口に入賞したときに、当該パチンコ機の内部から、当該パチンコ機にて遊技を行う遊技者が視認可能な領域へ賞球を払出す賞球払出装置と、
前記領域に設けられており、前記賞球払出装置により払出された賞球を貯留する貯留部材と、を備えたパチンコ機において、
遊技に用いる透明のタッチセンサが有機ELディスプレイの表面に設けられたタッチパネルが、前記貯留部材の表面に設けられていることを特徴とするパチンコ機。
【請求項2】
前記有機ELディスプレイが前記動画と関連のある画像を表示することを特徴とする請求項1に記載のパチンコ機。
【請求項3】
フレキシブルな前記タッチパネルが前記貯留部材の曲面に形成された表面と一体化して設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパチンコ機。
【請求項4】
前記タッチパネルに触れることにより、そのタッチパネルに表示されている画像が、前記画像表示装置に表示される動画の中で用いられるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載のパチンコ機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
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【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−27508(P2013−27508A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164984(P2011−164984)
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【出願人】(591142909)マルホン工業株式会社 (524)
【Fターム(参考)】
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