パッケージ及びアプリケータ具
【課題】化粧用組成物のアプリケータを提供する。
【解決手段】本発明は、塗布のための組成物(P)を収容した容器と容器に収容した組成物を塗布するためのアプリケータとを含むパッケージ及びアプリケータ具に関し、アプリケータは、柄及び柄の一端に設けられたアプリケータ要素(6)を含み、アプリケータ要素は、プラスチック材料、特に射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部(13)を有し、分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、分岐部は、それらの端部で接触してその間に空洞(12)を形成し、空洞は、組成物を塗布する際に使用するためのアプリケータ要素の少なくとも1つの面を介して外側に開いており、空洞はまた、細長い形状であって分岐部に沿って延びており、分岐部は、アプリケータ要素が組成物を離れて組成物が塗布されるまでの間に空洞の実質的な変形を妨げるほど十分に剛性である。
【解決手段】本発明は、塗布のための組成物(P)を収容した容器と容器に収容した組成物を塗布するためのアプリケータとを含むパッケージ及びアプリケータ具に関し、アプリケータは、柄及び柄の一端に設けられたアプリケータ要素(6)を含み、アプリケータ要素は、プラスチック材料、特に射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部(13)を有し、分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、分岐部は、それらの端部で接触してその間に空洞(12)を形成し、空洞は、組成物を塗布する際に使用するためのアプリケータ要素の少なくとも1つの面を介して外側に開いており、空洞はまた、細長い形状であって分岐部に沿って延びており、分岐部は、アプリケータ要素が組成物を離れて組成物が塗布されるまでの間に空洞の実質的な変形を妨げるほど十分に剛性である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケア製品を含む化粧用組成物のアプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許EP0792602−B1は、スポンジ材料の少なくとも1層で少なくとも部分的に覆われたアプリケータ部分を形成する可撓性支持体を含むアプリケータを開示している。柄の端部に配置されたアプリケータ要素を含み、アプリケータ要素が、場合により拭き取り部材が設けられた容器に浸されることによって組成物が装填される従来のアプリケータとは、このようなアプリケータは、異なる使い方をされる。
【0003】
米国特許第6120202号は、2つの装飾模様を同時に爪上に作ることを可能にする装置を開示しており、この装置は、各々が一端に設けられた2つの柄をし、かつ円形の凹部が設けられたアプリケータ部材を有するアプリケータを含む。
欧州特許出願EP0875169−A1は、一端でフロック加工された発砲体のブロックを有するアプリケータ部材を含むアプリケータを開示している。アプリケータ部材の側面は、縞模様になっている。
【0004】
欧州特許EP0824329−B1は、少なくとも部分的に気泡材料から作られた拭き取り部材を含むパッケージ及びアプリケータ具を説明している。一実施形態では、アプリケータ部材は、供給組成物を収容するのに適切な空洞をなす中空体の形態である。
フランス特許出願FR2771077もまた、少なくとも部分的に弾性変形可能な多孔質材料で構成された拭き取り部材を含むパッケージ及びアプリケータ具を説明している。一実施形態では、このアプリケータ部材は、拭き取り部材が届くことを困難にするほど十分に狭い溝穴を有し、アプリケータ部材内の供給組成物をそれが拭かれた後にも保持する働きをする。
【0005】
欧州特許EP1053695−B1は、拭き取り部材を通過する時に変形することができるアプリケータ部材を含むアプリケータを開示している。このアプリケータの表面は比較的狭く、塗布する際の快適性は必ずしも満足なものではない。
欧州特許出願EP0693263−A1は、別々に柄に結合された2つの端部を有するループを含むアプリケータ部材を端部に有する柄を含むアプリケータを開示している。このようなアプリケータは、より具体的にはマニキュア液を塗布するように意図されており、柄は、アプリケータ部材のものと同様の可撓性をなしている。
【0006】
米国特許出願第2002/0005209号は、睫毛又は眉毛に組成物を塗布するアプリケータを開示しており、このアプリケータは、分岐部を含み、それは、それらの端部で一体になり、フロック加工されている場合がある突出要素を担持している。
米国特許番号US4974498は、アプリケータを柄の縦軸に沿って観察した時に、断面を柄の断面に内接させたアプリケータ部材を開示している。言い換えれば、このアプリケータ部材は、柄から横方向に突出していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許EP0792602−B1
【特許文献2】米国特許第6120202号
【特許文献3】欧州特許出願EP0875169−A1
【特許文献4】欧州特許EP0824329−B1
【特許文献5】フランス特許出願FR2771077
【特許文献6】欧州特許EP1053695−B1
【特許文献7】欧州特許出願EP0693263−A1
【特許文献8】米国特許出願第2002/0005209号
【特許文献9】米国特許番号US4974498
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、使い心地がよく、比較的多量の組成物を保管することが可能な、化粧品をきれいに塗布することを可能にする新しいアプリケータに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、使い心地がよく、比較的多量の組成物を保管することが可能な、化粧品をきれいに塗布することを可能にする新しいアプリケータを提供することを目的とするものである。
態様の1つにおいて、本発明は、パッケージ及びアプリケータ具を提供し、これは、
・塗布するための組成物を収容する容器と、
・容器に収容した組成物を塗布するためのアプリケータと、
を含み、このアプリケータは、柄と柄の一端にあるアプリケータ要素とを含み、このアプリケータ要素は、好ましくはほぼ平らな形状をなし、プラスチック材料、好ましくは射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、この分岐部は、それらの端部で接し、それらの間に外側に開いた、例えば、組成物を塗布するために使用するアプリケータ要素の少なくとも1つの面に開いた空洞を形成し、分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、空洞は、細長い形状であり、分岐部に沿って延びている。
【0010】
例えば、分岐部は、アプリケータ要素が組成物を離れてから組成物が塗布されるまでの間、空洞が実質的に変形しないように十分に剛性であるとすることができる。
空洞は、それが存在する時には、その実質的な変形がないことにより、組成物がそこから放出されるのを避けることが可能になる。
アプリケータ要素の分岐部は、適切な場合は、組成物の塗布中に実質的に変形しない場合がある。
【0011】
アプリケータ要素が製品を離れてから組成物が塗布されるまでの間に拭き取り部材を通る時に、空洞の変形の欠如は、アプリケータ要素をあまり変形させないほど十分に可撓性の拭き取り部材、例えば、波状のリップ部を含む拭き取り部材を使用することから、又は調節可能な拭き取り部材の特定の調節からもたらされる場合がある。
このような場合、拭き取り部材の別の調節は、空洞の可能な変形を生じる場合がある。
【0012】
分岐部の少なくとも1つは、例えば、その長さの少なくとも半分又は好ましくはその長さ全体にわたってフロック加工のコーティングを含むことができる。
塗布の前に、空洞を完全に又は部分的に組成物で満たすことができる。空洞にある組成物は、処置されている表面と直接接触することができる。
組成物は、例えば、唇、皮膚、爪、又は睫毛や眉毛などのケラチン繊維へ塗布する液体とすることができる。組成物はまた、固形物又は粉末の形態とすることができ、例えば、ケーキの形態であり、任意的に、組成物を取り込めるようにするために湿らす必要がある。
【0013】
組成物は、例えば、非気泡材料、例えばエラストマーで作られた拭き取り部材が設けられた容器にパッケージすることができ、これは、空洞により多くの組成物を残すことを可能にすることができる。一例として、拭き取り部材は、1つ又はそれよりも多くの溝穴を有することができる。
空洞は、組成物の供給を構成する働きをすることができ、アプリケータ要素がより長く使い続けられることを可能にし、又は、例えばリップグロスの明るさなど唇に塗布する組成物の色又は明るさのような化粧効果を強化するために、より多量の組成物を堆積させることを容易にする。また、爪やケラチン繊維、特に睫毛及び/又は眉毛に、化粧又はケアの目的で塗布を行うことができる。
【0014】
アプリケータ要素の一部分のみがフロック加工されている場合、例えば、利用者は、望ましい化粧効果に応じてフロック加工されるか又はフロック加工されていないアプリケータ要素の特定の分岐部、端部、側部、又は表面を選択することが可能になる。
分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的に丸い形状の断面をなすことができる。このような形状は、塗布中の快適性を向上させることができ、アプリケータ要素が化粧品を塗布している領域へ移動する時に既に塗布した組成物を取り除く危険性を軽減することができる。一例として、分岐部の少なくとも1つは、円形、卵形、又は楕円形の断面をなすことができる。変形では、分岐部の少なくとも1つは、実質的に三角形、正方形、又は矩形の断面をなすことができる。
【0015】
各分岐部は、実質的に直線的又は曲線的、又は場合により波状の縦軸をなすことができる。
分岐部の少なくとも1つは、空洞の幅よりも大きい断面の寸法、例えば、空洞の幅よりも大きい幅又は高さをなすことができる。
空洞は、柄の直径よりも大きい最大幅をなすことができる。
アプリケータ要素又はアプリケータ全体でさえも、金属を使用しないで作り、例えば、電子レンジで加熱することができるようにすることができる。
【0016】
アプリケータ要素の形状は、特に組成物を塗布する身体又は顔面の領域によって決まる場合がある。
例えば、唇では、空洞は、アプリケータ要素が結合されている柄の縦軸と非ゼロの角度を形成する平面に実質的に平行に延びているのが有利である。従って、アプリケータ要素の少なくとも一部は、支持柄の縦軸と非ゼロ角度を形成する縦軸に沿って細長くすることができる。また、アプリケータ要素の縦軸は、アプリケータ要素を担持する柄の軸と実質的に一致させることができる。
【0017】
アプリケータ要素は、円対称である包絡面をなすことができ、又はそうでないこともある。アプリケータ要素は、中央面、特に支持柄の縦軸を含む中央面に関して対称的な形状をなすことができる。アプリケータ要素を担持する支持柄の端部から離れた支持柄の端部は、容器を閉じるキャップに結合させることができる。
アプリケータ部材が結合された柄から、アプリケータ部材の幅は増大し、次にアプリケータ部材の遠位端に向けて減少させることができる。アプリケータ部材の幅は、従って、少なくともその長さの一点で、例えば、長さの4分の1又は半分よりも大きい点で柄の直径よりも大きい場合がある。アプリケータ要素は、柄に対して横方向に外側にオフセットした少なくとも縦の側面を含むことができる。従って、アプリケータ要素は、少なくとも1つの側面で柄から横方向に突出することができる。
【0018】
アプリケータ要素は、柄の幅よりも大きい幅であるために及び/又はアプリケータ要素が突出している方向のために、柄から横方向に突出していることがある。
アプリケータ要素が柄から突出する距離は、例えば、フロック加工の繊維の長さに相当するか又はそれよりも大きいことがある。
空洞の周りの材料の厚さは、アプリケータ要素の少なくとも遠位側半分では、例えば、分岐部の接合部に形成されたより厚い領域のために一定ではないことがある。
アプリケータ要素は、中央軸を中心にした単一の先端を含んで、化粧に正確さを与えることができる。
アプリケータ要素は、アプリケータ要素の分岐部と一体成形されてそこから突出しているスパイクや歯などの細長い形状のいかなるレリーフ部分も有する必要はない。
【0019】
上述のように、容器は、容器に取り付けられた、例えば、容器のネックに固定された拭き取り部材を含むことができる。変形では、容器には拭き取り部材がない。容器の開口部の最小断面は、容器に拭き取り部材が取り付けられたか否かに関わらず円形とすることができる。
アプリケータ部材は、様々な方法で柄に固定することができ、特に、アプリケータ部材は、柄に係合したファスナ末端部を含むことができる。アプリケータ要素は、柄に圧着するか又はその中に又はその上にスナップ留めする末端部を含むことができる。柄に取り付ける代わりに、アプリケータ要素を少なくとも部分的に柄と一体的に作ることができる。
【0020】
柄は、2.5ミリメートル(mm)に等しいか又はそれよりも大きい、好ましくは3mmに等しいか又はそれよりも大きい、特に約4mmの外径をなし、従って、化粧品を塗布する精度を向上させるためにある一定量の剛性を与えることができる。
空洞は、アプリケータ要素の幅の半分よりも大きく延びることができる。
空洞の幅は、2つの分岐部を合わせた幅よりも小さくすることができる。空洞は、空洞の長さの半分よりも長い部分でアプリケータ要素を貫通して延びることができる。
【0021】
空洞は、幅が一定ではなく、例えば、ほぼ三角形の形状とすることができる。空洞がアプリケータ要素を貫通して延びておらず、かつアプリケータ要素が、分岐部と共に単体として成形されるか又は分岐部に固定された膜を含む時、膜の厚さは、1mmに等しいか又はそれよりも小さいとすることができる。
空洞は、アプリケータ要素の長さの半分よりも大きく延びることができる。
アプリケータ要素は、磁性を有することができ、特に磁性粒子を含むことができる。
アプリケータ要素は、拭き取り部材がある時に拭き取り部材を通過しやすくする形状をした近位及び遠位部分を含むことができる。例えば、遠位部分は、柄から離れる時に細くなっている。
アプリケータ要素は、少なくとも1つの分岐部がアプリケータ要素の縦軸と平行でない縦軸を有する2つよりも多い分岐部を有することができる。
【0022】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、容器及びそれに付随する場合がある拭き取り部材から独立して、個別に考えられたアプリケータを提供する。一例として、このようなアプリケータは、アプリケータを挿入する際に通す必要があるネックを有する容器に必ずしも入っていない供給組成物に関連させるためのものである。一例として、供給組成物は、恐らくはカップに収容したケ−キや圧密パウダーの形態の組成物の塊とすることができる。
特に、組成物が例えば睫毛や眉毛などのケラチン繊維に塗布するためのものである時、アプリケータ要素の2つの分岐部は、例えば、異なる形状をなすことができる。組成物が化粧やケアの目的で唇に塗布するものである時も同様である。
【0023】
例えば、分岐部の1つがより厚く、それによって空洞が中心を外れるようにすることができる。空洞は1つだけとすることができる。
空洞は、空洞の長さをm、最大幅をnとすると、比m/nが3、又は4、又は5、又は6に等しいか又はそれも大きい比較的細長い形状とすることができる。空洞の比較的細い形状は、例えば、組成物の保持力を強化することができる。
空洞の幅は、その2つの自由端の間に極値を通り、例えば、その極値は最大値である。空洞は、柄の縦軸とは一致しない縦軸、例えば、柄の縦軸と平行であるがオフセットした軸、又は曲線の軸などに沿って延びることができる。
【0024】
分岐部は、例えば、分岐部の長さの中間付近で外側に凸状か、又は外側に凹状か、又は長さの少なくとも一部分が実質的に直線である縦の外縁をなすことができる。
アプリケータ要素は、少なくとも部分的に外側に向けて凸状の外縁を備えた第1の分岐部と、少なくとも部分的に凹状か又は直線の外縁を備えた第2の分岐部とを有することができる。
変形では、アプリケータ要素は、少なくとも部分的に外側が凹状である外縁を備えた第1の分岐部と、少なくとも部分的に外側が凹状か又は直線である外縁を備えた第2の分岐部とを有することができる。
【0025】
分岐部の少なくとも1つの外縁は、少なくとも部分的に溝をつけることができる。
これらの分岐部は、熱可塑性材料から一緒に成形することができ、それらは、成形した後に、少なくとも部分的にフロック加工することができる。
分岐部は、柄に向けて進むと、柄に到達する前に柄の側面で互いに接触する。
アプリケータ要素は、例えば、アプリケータ要素の遠位端付近により長い剛毛など、異なる長さ及び/又は直径をなすフロック加工した剛毛を含むことができ、従って、短い睫毛を化粧することを可能にする。剛毛は、様々な材料で作ることができる。
【0026】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、皮膚、唇、又は睫毛及び/又は眉毛に塗布するための組成物のためのパッケージ及びアプリケータ具を提供し、この装置は、
・組成物を収容する容器と、
・睫毛及び/又は眉毛上に組成物を塗布するためのアプリケータと、
を含み、このアプリケータは、
・柄と、
・柄の端部のアプリケータ要素と、
を含み、このアプリケータ要素は、端部が1つになって空洞を間に形成したプラスチック材料、好ましくは射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、このアプリケータ要素は、分岐部の間に突出するスパイク又は歯などの細長い形状のいかなるレリーフ部分もない。
【0027】
このような装置は、睫毛及び/又は眉毛に化粧品を塗布するか又は処置し、例えば、この装置自体にあるアプリケータの分岐部の1つを使用して組成物を側面に塗布し、又は両方の分岐部を使用して組成物を平らに塗布するいくつかの可能性を提供する。分岐部の数は、2つのみとすることができる。分岐部は、縞をつける必要はない。
このようなアプリケータは、任意的に、例えば、剛毛の混合、特に様々な直径及び/又は長さの剛毛を使用してフロック加工することができる。特に、フロック加工は、分岐部の少なくとも1つに、例えば、その長さの実質的に全体にわたって延びることができる。フロック加工の剛毛はまた、様々な材料から形成することができる。一例として、アプリケータ要素の遠位部分は、短い睫毛の化粧を容易にするために、より長い及び/又はより密集した剛毛で形成されたフロック加工を有することができる。
【0028】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、アプリケータを提供し、これは、
・柄と、
・柄に固定された第1の端部及び自由な第2の端部を有するアプリケータ要素と、
・プラスチック材料で成形されて少なくとも部分的にフロック加工で覆われた少なくとも3つの分岐部と、
を含む。
第1及び第2の端部間の距離は、一定とすることができる。その間に、3つの分岐部が、組成物を満たすことができる空洞を形成する。
このようなアプリケータは、例えば、皮膚、粘膜、爪、又は、睫毛又は眉毛などのケラチン繊維に化粧又はケアの目的で使用することができる。
【0029】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、上述の装置によって皮膚又は唇を化粧する方法を提供し、組成物は、柄と柄の一端に設けられたアプリケータ要素とを含むアプリケータによって皮膚又は唇に塗布され、アプリケータ要素は、プラスチック材料、特に射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、少なくとも1つの分岐部は、少なくとも部分的にフロック加工され、分岐部は、それらの端部で接触してその間に空洞を形成し、空洞は、組成物を塗布するために使用するアプリケータ要素の少なくとも1つの面で外側に開き、空洞はまた、細長い形状を有して分岐部に沿って延び、分岐部は、アプリケータ要素が組成物を離れてから組成物が塗布されるまでの間に空洞が実質的に変形するのを防止するほど十分に剛性である。
本発明は、その非限定的な実施形態の以下の詳細説明を読み、添付図面を調べるとより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明により作成したパッケージ及びアプリケータ具の概略的な部分縦断面図である。
【図2】図1のアプリケータ要素を分離して示した図である。
【図3】図2のIII−IIIでの断面図である。
【図4】図2の矢印IVに沿って見た側面図である。
【図5】図4のV−Vでのアプリケータ要素の縦断面図である。
【図6】図1の容器の変形実施形態の上部部分を分離して示した図である。
【図7】唇に組成物を塗布するためのアプリケータの使用を示す図である。
【図8】少なくとも部分的に気泡材料から作られた拭き取り部材を使用する可能性を示す図である。
【図9】拭き取り部材を分離して示した図8のIX−IXでの断面図である。
【図10】拭き取り部材の変形実施形態の一部を示す端面図である。
【図11】アプリケータ要素を柄に固定する様々な方法の1つを示す図5に類似した図である。
【図12】アプリケータ要素を柄に固定する様々な方法の1つを示す図5に類似した図である。
【図13】アプリケータ要素を柄に固定する様々な方法の1つを示す図5に類似した図である。
【図14】アプリケータ要素の変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図15】アプリケータ要素の変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図16】アプリケータ要素の変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図17】アプリケータ要素の変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図18】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図19】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図20】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図21】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図22】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図23】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図24】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図25】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図26】変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図27】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図28】本発明の変形実施形態に従ったアプリケータ要素の側面図である。
【図29】図28のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図30】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図31】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図32】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図33】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図34】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図35】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図36】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図37】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図38】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図39】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図40】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図41】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図42】3つの分岐部を有するアプリケータ要素の概略的な斜視図である。
【図43】3つの分岐部を有するアプリケータ要素の概略的な斜視図である。
【図44】図42のXLIVにおける断面図である。
【図45】図43のXLVにおける断面図である。
【図46】アプリケータの変形実施形態の縦断面図である。
【図47】本発明の態様に従って作成した化粧用アプリケータセットの図である。
【図48】アプリケータ要素の変形実施形態の上面図である。
【図49】図48のアプリケータ要素の底面図である。
【図50】アプリケータ要素の立面図である。
【図51】図48のLI−LIに沿った断面図である。
【図52】容器の変形実施形態の概略的な縦断面図である。
【図53】拭き取り部材の変形の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示すパッケージ及びアプリケータ具1は、塗布する組成物Pを収容した容器2と、第1の端部に容器2を漏れないように閉じるキャップともなるハンドル要素5及び反対の端部にアプリケータ要素6が設けられた縦軸Xの柄4を含むアプリケータ3とを含む。
図示の例では、柄4の縦軸Xは直線であるが、変形では曲線の場合もある。
容器2は、その上端部に、拭き取り部材が取り付けられていないネック7が設けられている。
ハンドル要素5は、ネック7にネジ込まれるが、変形では、例えば、スナップ留めなどの他の方法で締めることができる。
【0032】
図示の例では、アプリケータ要素6は、図5で分るように、対称中央面Mに対してほぼ対称な形状、かつ2つの分岐部13によってその側面上に、及び分岐部13が1つになる遠位及び近位部分14及び15によって軸線方向に形成された空洞12を含む形状をなす。分岐部は、図4で分るように、柄4の軸Xに対して角度αをなす平面Bと実質的に平行に延びているそれぞれの縦軸Yに沿って細長く、ここでの角度αは、例えば、約20°から約30°の範囲とすることができる。各軸Yと対称中央面Mの間の角度βは、図2で分るように、例えば、5°から45°の範囲である。
【0033】
分岐部13及び遠位及び近位部分14及び15は、プラスチック材料を射出成形して形成し、フロック加工で覆われる。
遠位部分14は、中央軸に中心を有する単一の先端部を形成する。
アプリケータ要素6は、柄の軸に沿って観察すると軸から横方向に突出しているために、遠位及び近位部分14及び15の形状は、有利な態様においては、容器2の開口部11を通過しやすくするように選択される。従って、近位部分15は、軸Xに対して斜めに延びる、柄4に隣接した縁部60を有することができ、遠位部分14は、通常テーパ付になった形状とすることができる。
【0034】
説明した例では、分岐部13は、遠位部分14に向う時に互いの方へ収束し、アプリケータ要素6を正面で見た時に、空洞12は、実質的に三角形の形状をなす。
一例として、特に図2及び5で分るように、空洞12は、アプリケータ要素6の幅bの4分の1よりも大きく、また、アプリケータ要素6の長さlの4分の1よりも大きく延びている。空洞12の寸法は、アプリケータを容器から引き抜いた後に任意的に空洞12に保持することが望ましい組成物の量に応じて選択することができ、保持力は、特に毛管現象によるものである。
【0035】
図6に示す変形では、拭き取り部材8が、ネック7に係合している。拭き取り部材8は、ネック7の上端縁に位置するカラー9と、説明した例では、例えば柄4の直径と実質的に等しい直径aの円形部分の拭き取り開口部11を形成する拭き取りリップ部10とを有する。柄は、通常2.5mmよりも大きい直径をなし、例えば、約4mmである。
拭き取り部材8は、アプリケータ要素6が実質的に変形することなく空洞12から引き抜かれるように十分に可撓性とすることができる。
【0036】
空洞12にある組成物Pは、アプリケータをより長く使用することを可能にし、また、アプリケータが処置中の表面上を滑りやすくすることにより、塗布中の快適性を向上させることができる。
一例として、組成物Pは、唇に塗布するためのものであり、利用者は、例えば、図7に示すように、アプリケータ6の後面20を唇と接触させるようにして組成物Pを唇に堆積させることができる。説明の例において、後面20は、アプリケータ要素6を分岐部13が前方に延びるようにして観察する時に後ろ側に位置する面に相当する。
【0037】
塗布中に、処置される区域に接触しているアプリケータ要素6の表面に応じて、堆積する組成物の厚さは異なる場合があり、従って、利用者は、例えば化粧の明るさを変えることができる。
アプリケータ要素6を平らに使用する時、空洞12にある組成物Pは、堆積状態になる可能性があり、唇と接触する組成物Pを担持する表面積は、唇をすばやく化粧することができるように比較的大きくなる可能性がある。
適切な場合は、例えば輪郭を描くために、遠位部分15の端部のみを使用して塗布を行うことができる。
【0038】
図8は、図6に示す拭き取り部材とは異なる拭き取り部材8を取り付けることができることを示している。
図8では、拭き取り部材8は、弾力的に圧縮可能である気泡材料のブロックで構成されている。
拭き取り部材8は、図9に示すように1つ又はそれよりも多くの溝穴と共に容器の開口部11を形成する中央を貫通する凹部42を有する。
凹部42の直径は、例えば、柄4の直径に実質的に対応することができる。
その気泡性又は他の性質に関わらず、拭き取り部材はまた、触れるか又は触れない縁部を有する1つ又はそれよりも多くの溝穴を有することができる。
【0039】
図10は、複数の溝穴100と共に中央開口部、例えば円形開口部を有するエラストマーの拭き取り部材8を示し、溝穴は、放射状であり、開口部は、柄及びアプリケータ要素を通過させるのに役立つものである。
アプリケータ要素6は、様々な方法で柄4に固定することができる。
図1の例では、近位部分15は、図5で分るように、柄4の内部に係合した末端部18によって延びている。
この末端部18は、例えば、接着剤、ステープル、又はヒートシールによって柄4の中に固定することができる。また、柄4は、図11に示すように末端部に圧着することができる。
【0040】
図12は、アプリケータ要素をスナップ留めによって柄に取り付けることができることを示している。この例の末端部18は、柄4の端部に形成されたヘッド70にスナップ留めするように構成されている。この時に末端部18の外径は、例えば、柄4の外径と実質的に対応するようにすることができる。
図示していない変形では、柄4が、末端部18にスナップ留めされる。
図13に示すように、アプリケータ要素の本体は、柄4と一体的に形成することができる。
【0041】
図14は、アプリケータ要素6の少なくとも一部が、柄4の縦軸Xと角度γをなす縦軸Zに沿って延びる場合があることを示し、軸X及びZは、共通の平面に含まれ、空洞12は、この平面と実質的に平行に延びている。
図15は、アプリケータ要素6が、柄4の軸Xに対して対称でない形状をなす場合があることを示している。適切な場合は、図16に示すように、アプリケータ要素6は、柄4と実質的に一線になって延びる1つの縁部72をなすことができる。
【0042】
アプリケータ要素6は、縁部72と反対側では柄から横方向に突出している。
アプリケータ要素6はまた、1つよりも多い空洞12、例えば、図17に示すように2つの空洞12を有することができる。
一例として、2つの空洞12は、アプリケータ要素6の縦軸上で一直線になっていることが可能である。正面図では、アプリケータ要素6は、図8の一般的な形状をなすことができる。
図1の例では、アプリケータ要素6は、柄4の縦軸Xに対して斜めに延びている。
また、図示していない変形では、アプリケータ要素6は、曲線の縦軸に沿って細長い場合がある。
【0043】
アプリケータ要素6は、様々に形成することができ、各分岐部13は、例えば、その縦軸Yが柄4の縦軸Xと平行な面に含まれるように延びることができる。
特に、図1の例においては、空洞12は、図2のように正面から見る時にアプリケータ要素6の前後に開いている。
分岐部13は、その長さの少なくとも一部分にわたって、例えば円形断面の中実の断面をなすことができる。図18から22は、分岐部13に可能な様々な断面形状を示している。図示していない変形では、分岐部13が中空である。
分岐部13は、例えば、図22に示すように、分枝間の空洞12の幅wよりも大きい高さhをなすことができる。
【0044】
上述の例では、空洞12は、アプリケータ要素6が容器に収容した組成物と接触する前は空気で満たされている。これは、必ずしもそうである必要はない。
すなわち、空洞12は、図23に示すように、アプリケータ要素6の本体から延びるフロック加工で少なくとも部分的に占めることができる。アプリケータ要素6の本体を覆うフロック加工の剛毛は、例えば、分岐部13の対向面に位置する剛毛に対して十分に長くすることができる。
【0045】
図24に示しているように、アプリケータ要素6は、例えば、分岐部13を1つにしている膜80で分割され、その厚さにわたって中間に位置する2つの空洞12を有することができる。
空洞12は、図25に示すように、アプリケータ要素6の片面に開くことができ、このアプリケータ要素は、例えば、膜自体の外面83によってアプリケータの表面の少なくとも部分的に形成する膜82を有する。一例として、膜82は、その外面にフロック加工を有することができる。図示していない変形では、少なくとも1つのオリフィスにより、空洞12に収容された組成物が膜82を通って外面83に達するようになっている。
【0046】
膜80は、任意的にフロック加工することができる。膜80は、図26に示すようにグリッド81で置換することができる。
膜80又は82は、分岐部13と一体成形することができる。
膜82は、図27で示すように取り付けた別の膜34で置換することができる。一例として、膜34は、例えば、織布又は不織布、発砲体、有孔フィルム、グリッド、フェルトなどを含むことができる。
膜34は、任意的に、空洞12に含まれる組成物Pに対して透過性とすることができる。
【0047】
アプリケータ要素6の本体は、例えば、少なくとも部分的に熱可塑性材料を射出成形することにより形成され、熱可塑性材料には、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)ブロックコポリマーとスチレン・エチレン・ブチレン(SEB)ブロックコポリマーの混合物、ニトリル、シリコーン、エチレン・プロピレン・ジエン(EPDM)、「Hytrel(登録商標)」、「Pebax(登録商標)」、「Santoprene(登録商標)」、又はエラストマーなどの他の熱可塑性材料がある。
また、アプリケータ要素6は、例えば、樹脂、特に可撓性樹脂などの非熱可塑性材料で形成することができ、又は、成形以外、例えば、切り抜きによって形成することができる。
【0048】
図28及び29は、少なくとも空洞12の一部に沿ってアプリケータ要素の遠位端に向けて収束する上面及び底面130及び131をなすアプリケータ要素6を示している。
柄4の縦軸Xは、例えば、これらの面のうちの1つ、例えば、上面130と実質的に平行である。
この例では、アプリケータ要素6はまた、図29で示すように上から観察すると実質的に直線的であって遠位端に向けて収束する縦縁部をなす。
【0049】
図30から45に示すアプリケータ要素は、有利な態様においては、組成物、すなわち、化粧品又はケア製品を睫毛又は眉毛などのケラチン繊維に塗布するために使用することができる。
このようなアプリケータ要素では、単一の空洞12は、空洞の長さmの空洞の最大幅nに対する比が、例えば、3、又は4、又は5、又は6に等しいか又はそれよりも大きい細長い形状である。例えば、3≦m/n≦6である。
【0050】
図30は、空洞が少なくともその長さの半分にわたって幅が実質的に一定のアプリケータ要素を示している。分岐部13の縦縁部は、空洞の中間に位置する中央部分のどちら側でも直線的で相互に平行である。
図31の例では、アプリケータ要素6は、フロック加工されて、その遠位部分は、分岐部13を覆っている剛毛よりも長い剛毛で覆われている。この遠位部分は、例えば、眼角に化粧品を塗布するために使用される。
図32の例では、分岐部13は等しくない幅であり、空洞12は中心を外れている。
図33の例では、分岐部13の縦縁部は、アプリケータ要素を上から観察すると溝が刻まれているように見える。
【0051】
図34は、アプリケータ要素の分岐部13が、外面がくぼんだ縦縁部をなすことが可能であることを示している。この時に空洞は、軸線方向の2つの端部間で最小値を通る幅をなすことができる。
図35の例では、分岐部の縦縁部は、外面がくぼんでおり、空洞12は、上から観察するとレンズの形状である。
図13に示すアプリケータ要素は、曲線をなす縦軸Yをなし、アプリケータ要素の自由端は、柄の縦軸X上にはない。分岐部のうちの一方は、外面が膨らんだ外縁部をなし、他方の分岐部は、外面がくぼんだ外縁部をなす。
【0052】
図37のアプリケータ要素は、外面が膨らんだ外縁部を有する分岐部と、直線的な外縁部を有する別の分岐部とをなす。更に、この図では、空洞12を比較的狭くして、細い溝穴を形成することができることが分る。
図38の実施形態では、空洞12は、図37の例よりも大きく、極値を通って変化する幅をなす。
図39は、2つの分岐部を有して、そのうちの一方は直線的な外縁部を示し、他方は外側がくぼんでいる外縁部をなすアプリケータ要素が存在することを示している。
図40の例では、アプリケータ要素は、図36の例と同様に曲線をなす縦軸をなし、アプリケータ要素の自由端は、アプリケータ要素の事実上残った部分全てと同じ柄の縦軸Xの側に位置する。
【0053】
図41は、アプリケータ要素の分岐部の一方が溝をなし、他方の分岐部には溝がない分岐部が存在することを示している。これらの溝は、例えば、分岐部に対して横に延びる。
図42及び43は、各々がアプリケータ要素の遠位及び近位部分を相互に結合する第3の分岐部16を有するアプリケータ要素を示している。
図42の例では、第3の分岐部は、図44で分るように、他の2つの分岐部13の縦軸によって形成された平面の片側に位置する。一例として、分岐部16は、弓形の形状である。
【0054】
図43の例では、2つの分岐部13及び第3の分岐部16は、アプリケータ要素の縦軸Yの周りに規則的に配置されており、アプリケータ要素の近位端は、図45で分るように、ほぼ三角形又は3つに分かれた星形の形状の断面を有する。
図46は、アプリケータ要素の本体を柄及びハンドル部材と一体的に形成することができることを示し、これは、容器を閉じる部材として働くことができる。
図30から45のアプリケータ要素は、例えば、少なくとも部分的には、材料、特に熱可塑性材料を成形することによって作られる。
図30から45のアプリケータ要素は、比較的多量の組成物を睫毛に載せるために使用することができる。アプリケータ要素の2つの分岐部は、組成物を睫毛に塗布するために同時に又は順番に使用することができる。
【0055】
上述のアプリケータ要素の全てに関して、組成物は、適切な場合は、期待する効果によって決まる様々な方法で塗布することができ、例えば、アプリケータ要素を平らに、又はその縁部で、又は様々な傾斜角度で使用して、例えば、利用者が選択した向きが化粧の濃さを決め、又は睫毛を梳かすように働かせる。
アプリケータ要素は、図示の形状以外の形状をなす場合もあり、例えば、正面から観察するとひし形、円形、又は楕円の形状である場合がある。
アプリケータ要素は、例えば、組成物に含有された磁性繊維を引き付けることができるように磁性粒子を含むことができる。
アプリケータ要素が変形可能である時、容器の内面に付着した組成物を回収するために、変形可能であるという利点を使うことができる。例えば、図29から43に示すアプリケータ要素の場合のように、明らかに細長い形状のアプリケータ要素は、有利な態様においてこのような変形を行えるように形成されたものである。
【0056】
当然ながら、本発明は、上述の実施形態に限定されない。特に、様々な実施形態の特徴は、互いに組み合わせることができる。
上述のアプリケータ要素の全て、特に、図面を参照して説明したアプリケータ要素は、例えば、アプリケータ要素が、ネックが設けられた容器以外に収容した組成物の供給と関連して使用される時のように、組成物が装填されてから組成物を塗布するために使用されるまでの間にアプリケータ要素を変形させることなく使用することができる。
本発明のこのような実施形態では、アプリケータの柄は、ハンドル要素5を有する必要はない。
【0057】
一例として、組成物Pは、図47に示すように、箱110内のカップにペースト、圧密パウダー、又は自由な又は他のパウダーの形態で収容することができる。
アプリケータは、箱に形成された対応するハウジング112に受け取ることができる。
アプリケータ要素は、組成物をそれと接触させられることによって装填することができる。アプリケータ要素は、任意的に、組成物で装填される間に変形する。
【0058】
図48から51は、本発明の別の変形によるアプリケータ部材を示している。
図1の実施形態と比較すると、図48から51のアプリケータ部材は、図50のように側面から見ると更にテーパ付きになった形状を有する。
角度i1、i2、及びi3は、例えば、それぞれ6から16°の間で変動し、例えば、i1は、約11°、17.7°、及び27.7°であり、i2は、例えば、約20.7°及び25.4°及び35.4°、i3は、例えば、約30.4°である。
前面200及び後面20は、アプリケータ要素の遠位端201に向けて細くなっており、例えば、実質的に平面である。
【0059】
アプリケータ要素の側面は、軸Yと垂直な平面の断面において及び図48及び49のように上又は下から見ると、その両方で湾曲している場合がある。空洞12の高さは、軸Yに垂直に測定すると、空洞の長さの少なくとも半分にわたって変化することがある。
空洞12の長さは、軸Yに沿って測定すると、20mmに等しいか又はそれよりも小さく、又は20mmよりも大きいとすることができる。
空洞12は、空洞の長さの半分よりも大きく変化する幅を有することができる。
【0060】
上述したものの1つのようなアプリケータ要素が、関連する拭き取り部材8と共に使用される時、拭き取り部材は、図52に示すように可変とすることができる。このような場合、容器2は、拭き取り部材に対して制限を及ぼすために他方に対して移動可能であり、かつ例えば拭き取り部材の開口部の区域を変化させる少なくとも2つの部分2a及び2bで作ることができる。
図52の実施形態では、容器は、ネックを超えて延びる突出部210を含み、この突出部は、拭き取り部材を押して拭き取り部材を幾分開かせる。
【0061】
拭き取り部材の所定の調節に対して、拭き取り部材の開口部は、アプリケータ要素に制限を及ぼすほど十分に小さくすることができ、アプリケータ要素は、拭き取り部材を通過する時に変形する場合がある。
拭き取り部材の別の調節に対して、拭き取り部材の開口部の大きさは、アプリケータ要素が拭き取り部材を通過する時にいかなる制限も受けないか又は空洞12の実質的な変形に至らない制限を受けるような十分に大きいものとすることができる。
当然ながら、本発明は、拭き取り部材の開口部を変化させる特定の手段に限定されない。
【0062】
図53は、拭き取り部材8が、波状起伏220を有する波状拭き取りリップ部を含む可能性を示しており、これは、リップ部が、アプリケータ要素がそこを通過する時に広がることを可能にする。これは、空洞12の実質的な変形をもたらす制限をアプリケータ要素に与えないことを可能にすることができる。
この波状部は、例えば、拭き取り部材の開口部の周りに周方向に沿って谷間と隆起を含むことができる。
【0063】
本発明に関連する好ましい態様として、以下のものをあげることができる。
【0064】
〔1〕柄と、前記柄の一端に設けられたアプリケータ要素と、を含み、
前記アプリケータ要素は、前記柄から横方向に突出し、かつプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を有し、該分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、該分岐部は、端部を有し、かつ該端部で接触してその間に空洞を形成し、該空洞は、組成物を塗布する際に使用するための該アプリケータ要素の少なくとも1つ面を介して外側に開いており、該空洞はまた、細長い形状であって前記分岐部に沿って延びている、ことを特徴とするアプリケータ。
【0065】
〔2〕前記空洞は、前記アプリケータ要素の2つの対向する面の間を介して外に開いていることを特徴とする上記〔1〕に記載のアプリケータ。
【0066】
〔3〕前記空洞は、少なくとも1つの平面において閉じた外形をなしていることを特徴とする上記〔1〕又は上記〔2〕に記載のアプリケータ。
【0067】
〔4〕前記空洞は、前記アプリケータ要素が結合した柄の縦軸と非ゼロの角度を形成する平面と実質的に平行に延びていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔3〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0068】
〔5〕前記空洞は、前記アプリケータ要素の長さの半分を超えて延びていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔4〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0069】
〔6〕前記空洞は、平面図において実質的に三角形の形状をなしていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔5〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0070】
〔7〕前記アプリケータ要素の少なくとも遠位端部分は、フロック加工されていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔6〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0071】
〔8〕前記アプリケータ要素を前記空洞の平面と実質的に垂直な方向に見る時に、該空洞の面積は、該アプリケータ要素の外形で形成された面積の少なくとも15%を表していることを特徴とする上記〔1〕から上記〔7〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0072】
〔9〕前記空洞は、mが空洞の長さを表し、nがその最大幅を表す時に、3に等しいか又はそれよりも大きい比m/nを有する細長い形状をなしていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔8〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0073】
〔10〕前記アプリケータ要素は、中央軸に中心を有する単一の先端を含むことを特徴とする上記〔1〕から上記〔9〕のいずれか1に記載の装置。
【0074】
尚、「含む」という用語は、特に断りのない限り「少なくとも1つを含む」と同義であることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0075】
1 パッケージ及びアプリケータ具
2 容器
3 アプリケータ
6 アプリケータ要素
P 組成物
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケア製品を含む化粧用組成物のアプリケータに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州特許EP0792602−B1は、スポンジ材料の少なくとも1層で少なくとも部分的に覆われたアプリケータ部分を形成する可撓性支持体を含むアプリケータを開示している。柄の端部に配置されたアプリケータ要素を含み、アプリケータ要素が、場合により拭き取り部材が設けられた容器に浸されることによって組成物が装填される従来のアプリケータとは、このようなアプリケータは、異なる使い方をされる。
【0003】
米国特許第6120202号は、2つの装飾模様を同時に爪上に作ることを可能にする装置を開示しており、この装置は、各々が一端に設けられた2つの柄をし、かつ円形の凹部が設けられたアプリケータ部材を有するアプリケータを含む。
欧州特許出願EP0875169−A1は、一端でフロック加工された発砲体のブロックを有するアプリケータ部材を含むアプリケータを開示している。アプリケータ部材の側面は、縞模様になっている。
【0004】
欧州特許EP0824329−B1は、少なくとも部分的に気泡材料から作られた拭き取り部材を含むパッケージ及びアプリケータ具を説明している。一実施形態では、アプリケータ部材は、供給組成物を収容するのに適切な空洞をなす中空体の形態である。
フランス特許出願FR2771077もまた、少なくとも部分的に弾性変形可能な多孔質材料で構成された拭き取り部材を含むパッケージ及びアプリケータ具を説明している。一実施形態では、このアプリケータ部材は、拭き取り部材が届くことを困難にするほど十分に狭い溝穴を有し、アプリケータ部材内の供給組成物をそれが拭かれた後にも保持する働きをする。
【0005】
欧州特許EP1053695−B1は、拭き取り部材を通過する時に変形することができるアプリケータ部材を含むアプリケータを開示している。このアプリケータの表面は比較的狭く、塗布する際の快適性は必ずしも満足なものではない。
欧州特許出願EP0693263−A1は、別々に柄に結合された2つの端部を有するループを含むアプリケータ部材を端部に有する柄を含むアプリケータを開示している。このようなアプリケータは、より具体的にはマニキュア液を塗布するように意図されており、柄は、アプリケータ部材のものと同様の可撓性をなしている。
【0006】
米国特許出願第2002/0005209号は、睫毛又は眉毛に組成物を塗布するアプリケータを開示しており、このアプリケータは、分岐部を含み、それは、それらの端部で一体になり、フロック加工されている場合がある突出要素を担持している。
米国特許番号US4974498は、アプリケータを柄の縦軸に沿って観察した時に、断面を柄の断面に内接させたアプリケータ部材を開示している。言い換えれば、このアプリケータ部材は、柄から横方向に突出していない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許EP0792602−B1
【特許文献2】米国特許第6120202号
【特許文献3】欧州特許出願EP0875169−A1
【特許文献4】欧州特許EP0824329−B1
【特許文献5】フランス特許出願FR2771077
【特許文献6】欧州特許EP1053695−B1
【特許文献7】欧州特許出願EP0693263−A1
【特許文献8】米国特許出願第2002/0005209号
【特許文献9】米国特許番号US4974498
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、使い心地がよく、比較的多量の組成物を保管することが可能な、化粧品をきれいに塗布することを可能にする新しいアプリケータに対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、使い心地がよく、比較的多量の組成物を保管することが可能な、化粧品をきれいに塗布することを可能にする新しいアプリケータを提供することを目的とするものである。
態様の1つにおいて、本発明は、パッケージ及びアプリケータ具を提供し、これは、
・塗布するための組成物を収容する容器と、
・容器に収容した組成物を塗布するためのアプリケータと、
を含み、このアプリケータは、柄と柄の一端にあるアプリケータ要素とを含み、このアプリケータ要素は、好ましくはほぼ平らな形状をなし、プラスチック材料、好ましくは射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、この分岐部は、それらの端部で接し、それらの間に外側に開いた、例えば、組成物を塗布するために使用するアプリケータ要素の少なくとも1つの面に開いた空洞を形成し、分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、空洞は、細長い形状であり、分岐部に沿って延びている。
【0010】
例えば、分岐部は、アプリケータ要素が組成物を離れてから組成物が塗布されるまでの間、空洞が実質的に変形しないように十分に剛性であるとすることができる。
空洞は、それが存在する時には、その実質的な変形がないことにより、組成物がそこから放出されるのを避けることが可能になる。
アプリケータ要素の分岐部は、適切な場合は、組成物の塗布中に実質的に変形しない場合がある。
【0011】
アプリケータ要素が製品を離れてから組成物が塗布されるまでの間に拭き取り部材を通る時に、空洞の変形の欠如は、アプリケータ要素をあまり変形させないほど十分に可撓性の拭き取り部材、例えば、波状のリップ部を含む拭き取り部材を使用することから、又は調節可能な拭き取り部材の特定の調節からもたらされる場合がある。
このような場合、拭き取り部材の別の調節は、空洞の可能な変形を生じる場合がある。
【0012】
分岐部の少なくとも1つは、例えば、その長さの少なくとも半分又は好ましくはその長さ全体にわたってフロック加工のコーティングを含むことができる。
塗布の前に、空洞を完全に又は部分的に組成物で満たすことができる。空洞にある組成物は、処置されている表面と直接接触することができる。
組成物は、例えば、唇、皮膚、爪、又は睫毛や眉毛などのケラチン繊維へ塗布する液体とすることができる。組成物はまた、固形物又は粉末の形態とすることができ、例えば、ケーキの形態であり、任意的に、組成物を取り込めるようにするために湿らす必要がある。
【0013】
組成物は、例えば、非気泡材料、例えばエラストマーで作られた拭き取り部材が設けられた容器にパッケージすることができ、これは、空洞により多くの組成物を残すことを可能にすることができる。一例として、拭き取り部材は、1つ又はそれよりも多くの溝穴を有することができる。
空洞は、組成物の供給を構成する働きをすることができ、アプリケータ要素がより長く使い続けられることを可能にし、又は、例えばリップグロスの明るさなど唇に塗布する組成物の色又は明るさのような化粧効果を強化するために、より多量の組成物を堆積させることを容易にする。また、爪やケラチン繊維、特に睫毛及び/又は眉毛に、化粧又はケアの目的で塗布を行うことができる。
【0014】
アプリケータ要素の一部分のみがフロック加工されている場合、例えば、利用者は、望ましい化粧効果に応じてフロック加工されるか又はフロック加工されていないアプリケータ要素の特定の分岐部、端部、側部、又は表面を選択することが可能になる。
分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的に丸い形状の断面をなすことができる。このような形状は、塗布中の快適性を向上させることができ、アプリケータ要素が化粧品を塗布している領域へ移動する時に既に塗布した組成物を取り除く危険性を軽減することができる。一例として、分岐部の少なくとも1つは、円形、卵形、又は楕円形の断面をなすことができる。変形では、分岐部の少なくとも1つは、実質的に三角形、正方形、又は矩形の断面をなすことができる。
【0015】
各分岐部は、実質的に直線的又は曲線的、又は場合により波状の縦軸をなすことができる。
分岐部の少なくとも1つは、空洞の幅よりも大きい断面の寸法、例えば、空洞の幅よりも大きい幅又は高さをなすことができる。
空洞は、柄の直径よりも大きい最大幅をなすことができる。
アプリケータ要素又はアプリケータ全体でさえも、金属を使用しないで作り、例えば、電子レンジで加熱することができるようにすることができる。
【0016】
アプリケータ要素の形状は、特に組成物を塗布する身体又は顔面の領域によって決まる場合がある。
例えば、唇では、空洞は、アプリケータ要素が結合されている柄の縦軸と非ゼロの角度を形成する平面に実質的に平行に延びているのが有利である。従って、アプリケータ要素の少なくとも一部は、支持柄の縦軸と非ゼロ角度を形成する縦軸に沿って細長くすることができる。また、アプリケータ要素の縦軸は、アプリケータ要素を担持する柄の軸と実質的に一致させることができる。
【0017】
アプリケータ要素は、円対称である包絡面をなすことができ、又はそうでないこともある。アプリケータ要素は、中央面、特に支持柄の縦軸を含む中央面に関して対称的な形状をなすことができる。アプリケータ要素を担持する支持柄の端部から離れた支持柄の端部は、容器を閉じるキャップに結合させることができる。
アプリケータ部材が結合された柄から、アプリケータ部材の幅は増大し、次にアプリケータ部材の遠位端に向けて減少させることができる。アプリケータ部材の幅は、従って、少なくともその長さの一点で、例えば、長さの4分の1又は半分よりも大きい点で柄の直径よりも大きい場合がある。アプリケータ要素は、柄に対して横方向に外側にオフセットした少なくとも縦の側面を含むことができる。従って、アプリケータ要素は、少なくとも1つの側面で柄から横方向に突出することができる。
【0018】
アプリケータ要素は、柄の幅よりも大きい幅であるために及び/又はアプリケータ要素が突出している方向のために、柄から横方向に突出していることがある。
アプリケータ要素が柄から突出する距離は、例えば、フロック加工の繊維の長さに相当するか又はそれよりも大きいことがある。
空洞の周りの材料の厚さは、アプリケータ要素の少なくとも遠位側半分では、例えば、分岐部の接合部に形成されたより厚い領域のために一定ではないことがある。
アプリケータ要素は、中央軸を中心にした単一の先端を含んで、化粧に正確さを与えることができる。
アプリケータ要素は、アプリケータ要素の分岐部と一体成形されてそこから突出しているスパイクや歯などの細長い形状のいかなるレリーフ部分も有する必要はない。
【0019】
上述のように、容器は、容器に取り付けられた、例えば、容器のネックに固定された拭き取り部材を含むことができる。変形では、容器には拭き取り部材がない。容器の開口部の最小断面は、容器に拭き取り部材が取り付けられたか否かに関わらず円形とすることができる。
アプリケータ部材は、様々な方法で柄に固定することができ、特に、アプリケータ部材は、柄に係合したファスナ末端部を含むことができる。アプリケータ要素は、柄に圧着するか又はその中に又はその上にスナップ留めする末端部を含むことができる。柄に取り付ける代わりに、アプリケータ要素を少なくとも部分的に柄と一体的に作ることができる。
【0020】
柄は、2.5ミリメートル(mm)に等しいか又はそれよりも大きい、好ましくは3mmに等しいか又はそれよりも大きい、特に約4mmの外径をなし、従って、化粧品を塗布する精度を向上させるためにある一定量の剛性を与えることができる。
空洞は、アプリケータ要素の幅の半分よりも大きく延びることができる。
空洞の幅は、2つの分岐部を合わせた幅よりも小さくすることができる。空洞は、空洞の長さの半分よりも長い部分でアプリケータ要素を貫通して延びることができる。
【0021】
空洞は、幅が一定ではなく、例えば、ほぼ三角形の形状とすることができる。空洞がアプリケータ要素を貫通して延びておらず、かつアプリケータ要素が、分岐部と共に単体として成形されるか又は分岐部に固定された膜を含む時、膜の厚さは、1mmに等しいか又はそれよりも小さいとすることができる。
空洞は、アプリケータ要素の長さの半分よりも大きく延びることができる。
アプリケータ要素は、磁性を有することができ、特に磁性粒子を含むことができる。
アプリケータ要素は、拭き取り部材がある時に拭き取り部材を通過しやすくする形状をした近位及び遠位部分を含むことができる。例えば、遠位部分は、柄から離れる時に細くなっている。
アプリケータ要素は、少なくとも1つの分岐部がアプリケータ要素の縦軸と平行でない縦軸を有する2つよりも多い分岐部を有することができる。
【0022】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、容器及びそれに付随する場合がある拭き取り部材から独立して、個別に考えられたアプリケータを提供する。一例として、このようなアプリケータは、アプリケータを挿入する際に通す必要があるネックを有する容器に必ずしも入っていない供給組成物に関連させるためのものである。一例として、供給組成物は、恐らくはカップに収容したケ−キや圧密パウダーの形態の組成物の塊とすることができる。
特に、組成物が例えば睫毛や眉毛などのケラチン繊維に塗布するためのものである時、アプリケータ要素の2つの分岐部は、例えば、異なる形状をなすことができる。組成物が化粧やケアの目的で唇に塗布するものである時も同様である。
【0023】
例えば、分岐部の1つがより厚く、それによって空洞が中心を外れるようにすることができる。空洞は1つだけとすることができる。
空洞は、空洞の長さをm、最大幅をnとすると、比m/nが3、又は4、又は5、又は6に等しいか又はそれも大きい比較的細長い形状とすることができる。空洞の比較的細い形状は、例えば、組成物の保持力を強化することができる。
空洞の幅は、その2つの自由端の間に極値を通り、例えば、その極値は最大値である。空洞は、柄の縦軸とは一致しない縦軸、例えば、柄の縦軸と平行であるがオフセットした軸、又は曲線の軸などに沿って延びることができる。
【0024】
分岐部は、例えば、分岐部の長さの中間付近で外側に凸状か、又は外側に凹状か、又は長さの少なくとも一部分が実質的に直線である縦の外縁をなすことができる。
アプリケータ要素は、少なくとも部分的に外側に向けて凸状の外縁を備えた第1の分岐部と、少なくとも部分的に凹状か又は直線の外縁を備えた第2の分岐部とを有することができる。
変形では、アプリケータ要素は、少なくとも部分的に外側が凹状である外縁を備えた第1の分岐部と、少なくとも部分的に外側が凹状か又は直線である外縁を備えた第2の分岐部とを有することができる。
【0025】
分岐部の少なくとも1つの外縁は、少なくとも部分的に溝をつけることができる。
これらの分岐部は、熱可塑性材料から一緒に成形することができ、それらは、成形した後に、少なくとも部分的にフロック加工することができる。
分岐部は、柄に向けて進むと、柄に到達する前に柄の側面で互いに接触する。
アプリケータ要素は、例えば、アプリケータ要素の遠位端付近により長い剛毛など、異なる長さ及び/又は直径をなすフロック加工した剛毛を含むことができ、従って、短い睫毛を化粧することを可能にする。剛毛は、様々な材料で作ることができる。
【0026】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、皮膚、唇、又は睫毛及び/又は眉毛に塗布するための組成物のためのパッケージ及びアプリケータ具を提供し、この装置は、
・組成物を収容する容器と、
・睫毛及び/又は眉毛上に組成物を塗布するためのアプリケータと、
を含み、このアプリケータは、
・柄と、
・柄の端部のアプリケータ要素と、
を含み、このアプリケータ要素は、端部が1つになって空洞を間に形成したプラスチック材料、好ましくは射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、このアプリケータ要素は、分岐部の間に突出するスパイク又は歯などの細長い形状のいかなるレリーフ部分もない。
【0027】
このような装置は、睫毛及び/又は眉毛に化粧品を塗布するか又は処置し、例えば、この装置自体にあるアプリケータの分岐部の1つを使用して組成物を側面に塗布し、又は両方の分岐部を使用して組成物を平らに塗布するいくつかの可能性を提供する。分岐部の数は、2つのみとすることができる。分岐部は、縞をつける必要はない。
このようなアプリケータは、任意的に、例えば、剛毛の混合、特に様々な直径及び/又は長さの剛毛を使用してフロック加工することができる。特に、フロック加工は、分岐部の少なくとも1つに、例えば、その長さの実質的に全体にわたって延びることができる。フロック加工の剛毛はまた、様々な材料から形成することができる。一例として、アプリケータ要素の遠位部分は、短い睫毛の化粧を容易にするために、より長い及び/又はより密集した剛毛で形成されたフロック加工を有することができる。
【0028】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、アプリケータを提供し、これは、
・柄と、
・柄に固定された第1の端部及び自由な第2の端部を有するアプリケータ要素と、
・プラスチック材料で成形されて少なくとも部分的にフロック加工で覆われた少なくとも3つの分岐部と、
を含む。
第1及び第2の端部間の距離は、一定とすることができる。その間に、3つの分岐部が、組成物を満たすことができる空洞を形成する。
このようなアプリケータは、例えば、皮膚、粘膜、爪、又は、睫毛又は眉毛などのケラチン繊維に化粧又はケアの目的で使用することができる。
【0029】
態様の別のものにおいて、本発明はまた、上述の装置によって皮膚又は唇を化粧する方法を提供し、組成物は、柄と柄の一端に設けられたアプリケータ要素とを含むアプリケータによって皮膚又は唇に塗布され、アプリケータ要素は、プラスチック材料、特に射出成形されたプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を含み、少なくとも1つの分岐部は、少なくとも部分的にフロック加工され、分岐部は、それらの端部で接触してその間に空洞を形成し、空洞は、組成物を塗布するために使用するアプリケータ要素の少なくとも1つの面で外側に開き、空洞はまた、細長い形状を有して分岐部に沿って延び、分岐部は、アプリケータ要素が組成物を離れてから組成物が塗布されるまでの間に空洞が実質的に変形するのを防止するほど十分に剛性である。
本発明は、その非限定的な実施形態の以下の詳細説明を読み、添付図面を調べるとより良く理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明により作成したパッケージ及びアプリケータ具の概略的な部分縦断面図である。
【図2】図1のアプリケータ要素を分離して示した図である。
【図3】図2のIII−IIIでの断面図である。
【図4】図2の矢印IVに沿って見た側面図である。
【図5】図4のV−Vでのアプリケータ要素の縦断面図である。
【図6】図1の容器の変形実施形態の上部部分を分離して示した図である。
【図7】唇に組成物を塗布するためのアプリケータの使用を示す図である。
【図8】少なくとも部分的に気泡材料から作られた拭き取り部材を使用する可能性を示す図である。
【図9】拭き取り部材を分離して示した図8のIX−IXでの断面図である。
【図10】拭き取り部材の変形実施形態の一部を示す端面図である。
【図11】アプリケータ要素を柄に固定する様々な方法の1つを示す図5に類似した図である。
【図12】アプリケータ要素を柄に固定する様々な方法の1つを示す図5に類似した図である。
【図13】アプリケータ要素を柄に固定する様々な方法の1つを示す図5に類似した図である。
【図14】アプリケータ要素の変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図15】アプリケータ要素の変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図16】アプリケータ要素の変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図17】アプリケータ要素の変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図18】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図19】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図20】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図21】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図22】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図23】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図24】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図25】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図26】変形実施形態を示す図2に類似した図である。
【図27】変形実施形態を示す図3に類似した断面図である。
【図28】本発明の変形実施形態に従ったアプリケータ要素の側面図である。
【図29】図28のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図30】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図31】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図32】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図33】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図34】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図35】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図36】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図37】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図38】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図39】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図40】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図41】他のアプリケータ要素を上から見た図である。
【図42】3つの分岐部を有するアプリケータ要素の概略的な斜視図である。
【図43】3つの分岐部を有するアプリケータ要素の概略的な斜視図である。
【図44】図42のXLIVにおける断面図である。
【図45】図43のXLVにおける断面図である。
【図46】アプリケータの変形実施形態の縦断面図である。
【図47】本発明の態様に従って作成した化粧用アプリケータセットの図である。
【図48】アプリケータ要素の変形実施形態の上面図である。
【図49】図48のアプリケータ要素の底面図である。
【図50】アプリケータ要素の立面図である。
【図51】図48のLI−LIに沿った断面図である。
【図52】容器の変形実施形態の概略的な縦断面図である。
【図53】拭き取り部材の変形の概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1に示すパッケージ及びアプリケータ具1は、塗布する組成物Pを収容した容器2と、第1の端部に容器2を漏れないように閉じるキャップともなるハンドル要素5及び反対の端部にアプリケータ要素6が設けられた縦軸Xの柄4を含むアプリケータ3とを含む。
図示の例では、柄4の縦軸Xは直線であるが、変形では曲線の場合もある。
容器2は、その上端部に、拭き取り部材が取り付けられていないネック7が設けられている。
ハンドル要素5は、ネック7にネジ込まれるが、変形では、例えば、スナップ留めなどの他の方法で締めることができる。
【0032】
図示の例では、アプリケータ要素6は、図5で分るように、対称中央面Mに対してほぼ対称な形状、かつ2つの分岐部13によってその側面上に、及び分岐部13が1つになる遠位及び近位部分14及び15によって軸線方向に形成された空洞12を含む形状をなす。分岐部は、図4で分るように、柄4の軸Xに対して角度αをなす平面Bと実質的に平行に延びているそれぞれの縦軸Yに沿って細長く、ここでの角度αは、例えば、約20°から約30°の範囲とすることができる。各軸Yと対称中央面Mの間の角度βは、図2で分るように、例えば、5°から45°の範囲である。
【0033】
分岐部13及び遠位及び近位部分14及び15は、プラスチック材料を射出成形して形成し、フロック加工で覆われる。
遠位部分14は、中央軸に中心を有する単一の先端部を形成する。
アプリケータ要素6は、柄の軸に沿って観察すると軸から横方向に突出しているために、遠位及び近位部分14及び15の形状は、有利な態様においては、容器2の開口部11を通過しやすくするように選択される。従って、近位部分15は、軸Xに対して斜めに延びる、柄4に隣接した縁部60を有することができ、遠位部分14は、通常テーパ付になった形状とすることができる。
【0034】
説明した例では、分岐部13は、遠位部分14に向う時に互いの方へ収束し、アプリケータ要素6を正面で見た時に、空洞12は、実質的に三角形の形状をなす。
一例として、特に図2及び5で分るように、空洞12は、アプリケータ要素6の幅bの4分の1よりも大きく、また、アプリケータ要素6の長さlの4分の1よりも大きく延びている。空洞12の寸法は、アプリケータを容器から引き抜いた後に任意的に空洞12に保持することが望ましい組成物の量に応じて選択することができ、保持力は、特に毛管現象によるものである。
【0035】
図6に示す変形では、拭き取り部材8が、ネック7に係合している。拭き取り部材8は、ネック7の上端縁に位置するカラー9と、説明した例では、例えば柄4の直径と実質的に等しい直径aの円形部分の拭き取り開口部11を形成する拭き取りリップ部10とを有する。柄は、通常2.5mmよりも大きい直径をなし、例えば、約4mmである。
拭き取り部材8は、アプリケータ要素6が実質的に変形することなく空洞12から引き抜かれるように十分に可撓性とすることができる。
【0036】
空洞12にある組成物Pは、アプリケータをより長く使用することを可能にし、また、アプリケータが処置中の表面上を滑りやすくすることにより、塗布中の快適性を向上させることができる。
一例として、組成物Pは、唇に塗布するためのものであり、利用者は、例えば、図7に示すように、アプリケータ6の後面20を唇と接触させるようにして組成物Pを唇に堆積させることができる。説明の例において、後面20は、アプリケータ要素6を分岐部13が前方に延びるようにして観察する時に後ろ側に位置する面に相当する。
【0037】
塗布中に、処置される区域に接触しているアプリケータ要素6の表面に応じて、堆積する組成物の厚さは異なる場合があり、従って、利用者は、例えば化粧の明るさを変えることができる。
アプリケータ要素6を平らに使用する時、空洞12にある組成物Pは、堆積状態になる可能性があり、唇と接触する組成物Pを担持する表面積は、唇をすばやく化粧することができるように比較的大きくなる可能性がある。
適切な場合は、例えば輪郭を描くために、遠位部分15の端部のみを使用して塗布を行うことができる。
【0038】
図8は、図6に示す拭き取り部材とは異なる拭き取り部材8を取り付けることができることを示している。
図8では、拭き取り部材8は、弾力的に圧縮可能である気泡材料のブロックで構成されている。
拭き取り部材8は、図9に示すように1つ又はそれよりも多くの溝穴と共に容器の開口部11を形成する中央を貫通する凹部42を有する。
凹部42の直径は、例えば、柄4の直径に実質的に対応することができる。
その気泡性又は他の性質に関わらず、拭き取り部材はまた、触れるか又は触れない縁部を有する1つ又はそれよりも多くの溝穴を有することができる。
【0039】
図10は、複数の溝穴100と共に中央開口部、例えば円形開口部を有するエラストマーの拭き取り部材8を示し、溝穴は、放射状であり、開口部は、柄及びアプリケータ要素を通過させるのに役立つものである。
アプリケータ要素6は、様々な方法で柄4に固定することができる。
図1の例では、近位部分15は、図5で分るように、柄4の内部に係合した末端部18によって延びている。
この末端部18は、例えば、接着剤、ステープル、又はヒートシールによって柄4の中に固定することができる。また、柄4は、図11に示すように末端部に圧着することができる。
【0040】
図12は、アプリケータ要素をスナップ留めによって柄に取り付けることができることを示している。この例の末端部18は、柄4の端部に形成されたヘッド70にスナップ留めするように構成されている。この時に末端部18の外径は、例えば、柄4の外径と実質的に対応するようにすることができる。
図示していない変形では、柄4が、末端部18にスナップ留めされる。
図13に示すように、アプリケータ要素の本体は、柄4と一体的に形成することができる。
【0041】
図14は、アプリケータ要素6の少なくとも一部が、柄4の縦軸Xと角度γをなす縦軸Zに沿って延びる場合があることを示し、軸X及びZは、共通の平面に含まれ、空洞12は、この平面と実質的に平行に延びている。
図15は、アプリケータ要素6が、柄4の軸Xに対して対称でない形状をなす場合があることを示している。適切な場合は、図16に示すように、アプリケータ要素6は、柄4と実質的に一線になって延びる1つの縁部72をなすことができる。
【0042】
アプリケータ要素6は、縁部72と反対側では柄から横方向に突出している。
アプリケータ要素6はまた、1つよりも多い空洞12、例えば、図17に示すように2つの空洞12を有することができる。
一例として、2つの空洞12は、アプリケータ要素6の縦軸上で一直線になっていることが可能である。正面図では、アプリケータ要素6は、図8の一般的な形状をなすことができる。
図1の例では、アプリケータ要素6は、柄4の縦軸Xに対して斜めに延びている。
また、図示していない変形では、アプリケータ要素6は、曲線の縦軸に沿って細長い場合がある。
【0043】
アプリケータ要素6は、様々に形成することができ、各分岐部13は、例えば、その縦軸Yが柄4の縦軸Xと平行な面に含まれるように延びることができる。
特に、図1の例においては、空洞12は、図2のように正面から見る時にアプリケータ要素6の前後に開いている。
分岐部13は、その長さの少なくとも一部分にわたって、例えば円形断面の中実の断面をなすことができる。図18から22は、分岐部13に可能な様々な断面形状を示している。図示していない変形では、分岐部13が中空である。
分岐部13は、例えば、図22に示すように、分枝間の空洞12の幅wよりも大きい高さhをなすことができる。
【0044】
上述の例では、空洞12は、アプリケータ要素6が容器に収容した組成物と接触する前は空気で満たされている。これは、必ずしもそうである必要はない。
すなわち、空洞12は、図23に示すように、アプリケータ要素6の本体から延びるフロック加工で少なくとも部分的に占めることができる。アプリケータ要素6の本体を覆うフロック加工の剛毛は、例えば、分岐部13の対向面に位置する剛毛に対して十分に長くすることができる。
【0045】
図24に示しているように、アプリケータ要素6は、例えば、分岐部13を1つにしている膜80で分割され、その厚さにわたって中間に位置する2つの空洞12を有することができる。
空洞12は、図25に示すように、アプリケータ要素6の片面に開くことができ、このアプリケータ要素は、例えば、膜自体の外面83によってアプリケータの表面の少なくとも部分的に形成する膜82を有する。一例として、膜82は、その外面にフロック加工を有することができる。図示していない変形では、少なくとも1つのオリフィスにより、空洞12に収容された組成物が膜82を通って外面83に達するようになっている。
【0046】
膜80は、任意的にフロック加工することができる。膜80は、図26に示すようにグリッド81で置換することができる。
膜80又は82は、分岐部13と一体成形することができる。
膜82は、図27で示すように取り付けた別の膜34で置換することができる。一例として、膜34は、例えば、織布又は不織布、発砲体、有孔フィルム、グリッド、フェルトなどを含むことができる。
膜34は、任意的に、空洞12に含まれる組成物Pに対して透過性とすることができる。
【0047】
アプリケータ要素6の本体は、例えば、少なくとも部分的に熱可塑性材料を射出成形することにより形成され、熱可塑性材料には、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリウレタン(PU)、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、スチレン・イソプレン・スチレン(SIS)ブロックコポリマーとスチレン・エチレン・ブチレン(SEB)ブロックコポリマーの混合物、ニトリル、シリコーン、エチレン・プロピレン・ジエン(EPDM)、「Hytrel(登録商標)」、「Pebax(登録商標)」、「Santoprene(登録商標)」、又はエラストマーなどの他の熱可塑性材料がある。
また、アプリケータ要素6は、例えば、樹脂、特に可撓性樹脂などの非熱可塑性材料で形成することができ、又は、成形以外、例えば、切り抜きによって形成することができる。
【0048】
図28及び29は、少なくとも空洞12の一部に沿ってアプリケータ要素の遠位端に向けて収束する上面及び底面130及び131をなすアプリケータ要素6を示している。
柄4の縦軸Xは、例えば、これらの面のうちの1つ、例えば、上面130と実質的に平行である。
この例では、アプリケータ要素6はまた、図29で示すように上から観察すると実質的に直線的であって遠位端に向けて収束する縦縁部をなす。
【0049】
図30から45に示すアプリケータ要素は、有利な態様においては、組成物、すなわち、化粧品又はケア製品を睫毛又は眉毛などのケラチン繊維に塗布するために使用することができる。
このようなアプリケータ要素では、単一の空洞12は、空洞の長さmの空洞の最大幅nに対する比が、例えば、3、又は4、又は5、又は6に等しいか又はそれよりも大きい細長い形状である。例えば、3≦m/n≦6である。
【0050】
図30は、空洞が少なくともその長さの半分にわたって幅が実質的に一定のアプリケータ要素を示している。分岐部13の縦縁部は、空洞の中間に位置する中央部分のどちら側でも直線的で相互に平行である。
図31の例では、アプリケータ要素6は、フロック加工されて、その遠位部分は、分岐部13を覆っている剛毛よりも長い剛毛で覆われている。この遠位部分は、例えば、眼角に化粧品を塗布するために使用される。
図32の例では、分岐部13は等しくない幅であり、空洞12は中心を外れている。
図33の例では、分岐部13の縦縁部は、アプリケータ要素を上から観察すると溝が刻まれているように見える。
【0051】
図34は、アプリケータ要素の分岐部13が、外面がくぼんだ縦縁部をなすことが可能であることを示している。この時に空洞は、軸線方向の2つの端部間で最小値を通る幅をなすことができる。
図35の例では、分岐部の縦縁部は、外面がくぼんでおり、空洞12は、上から観察するとレンズの形状である。
図13に示すアプリケータ要素は、曲線をなす縦軸Yをなし、アプリケータ要素の自由端は、柄の縦軸X上にはない。分岐部のうちの一方は、外面が膨らんだ外縁部をなし、他方の分岐部は、外面がくぼんだ外縁部をなす。
【0052】
図37のアプリケータ要素は、外面が膨らんだ外縁部を有する分岐部と、直線的な外縁部を有する別の分岐部とをなす。更に、この図では、空洞12を比較的狭くして、細い溝穴を形成することができることが分る。
図38の実施形態では、空洞12は、図37の例よりも大きく、極値を通って変化する幅をなす。
図39は、2つの分岐部を有して、そのうちの一方は直線的な外縁部を示し、他方は外側がくぼんでいる外縁部をなすアプリケータ要素が存在することを示している。
図40の例では、アプリケータ要素は、図36の例と同様に曲線をなす縦軸をなし、アプリケータ要素の自由端は、アプリケータ要素の事実上残った部分全てと同じ柄の縦軸Xの側に位置する。
【0053】
図41は、アプリケータ要素の分岐部の一方が溝をなし、他方の分岐部には溝がない分岐部が存在することを示している。これらの溝は、例えば、分岐部に対して横に延びる。
図42及び43は、各々がアプリケータ要素の遠位及び近位部分を相互に結合する第3の分岐部16を有するアプリケータ要素を示している。
図42の例では、第3の分岐部は、図44で分るように、他の2つの分岐部13の縦軸によって形成された平面の片側に位置する。一例として、分岐部16は、弓形の形状である。
【0054】
図43の例では、2つの分岐部13及び第3の分岐部16は、アプリケータ要素の縦軸Yの周りに規則的に配置されており、アプリケータ要素の近位端は、図45で分るように、ほぼ三角形又は3つに分かれた星形の形状の断面を有する。
図46は、アプリケータ要素の本体を柄及びハンドル部材と一体的に形成することができることを示し、これは、容器を閉じる部材として働くことができる。
図30から45のアプリケータ要素は、例えば、少なくとも部分的には、材料、特に熱可塑性材料を成形することによって作られる。
図30から45のアプリケータ要素は、比較的多量の組成物を睫毛に載せるために使用することができる。アプリケータ要素の2つの分岐部は、組成物を睫毛に塗布するために同時に又は順番に使用することができる。
【0055】
上述のアプリケータ要素の全てに関して、組成物は、適切な場合は、期待する効果によって決まる様々な方法で塗布することができ、例えば、アプリケータ要素を平らに、又はその縁部で、又は様々な傾斜角度で使用して、例えば、利用者が選択した向きが化粧の濃さを決め、又は睫毛を梳かすように働かせる。
アプリケータ要素は、図示の形状以外の形状をなす場合もあり、例えば、正面から観察するとひし形、円形、又は楕円の形状である場合がある。
アプリケータ要素は、例えば、組成物に含有された磁性繊維を引き付けることができるように磁性粒子を含むことができる。
アプリケータ要素が変形可能である時、容器の内面に付着した組成物を回収するために、変形可能であるという利点を使うことができる。例えば、図29から43に示すアプリケータ要素の場合のように、明らかに細長い形状のアプリケータ要素は、有利な態様においてこのような変形を行えるように形成されたものである。
【0056】
当然ながら、本発明は、上述の実施形態に限定されない。特に、様々な実施形態の特徴は、互いに組み合わせることができる。
上述のアプリケータ要素の全て、特に、図面を参照して説明したアプリケータ要素は、例えば、アプリケータ要素が、ネックが設けられた容器以外に収容した組成物の供給と関連して使用される時のように、組成物が装填されてから組成物を塗布するために使用されるまでの間にアプリケータ要素を変形させることなく使用することができる。
本発明のこのような実施形態では、アプリケータの柄は、ハンドル要素5を有する必要はない。
【0057】
一例として、組成物Pは、図47に示すように、箱110内のカップにペースト、圧密パウダー、又は自由な又は他のパウダーの形態で収容することができる。
アプリケータは、箱に形成された対応するハウジング112に受け取ることができる。
アプリケータ要素は、組成物をそれと接触させられることによって装填することができる。アプリケータ要素は、任意的に、組成物で装填される間に変形する。
【0058】
図48から51は、本発明の別の変形によるアプリケータ部材を示している。
図1の実施形態と比較すると、図48から51のアプリケータ部材は、図50のように側面から見ると更にテーパ付きになった形状を有する。
角度i1、i2、及びi3は、例えば、それぞれ6から16°の間で変動し、例えば、i1は、約11°、17.7°、及び27.7°であり、i2は、例えば、約20.7°及び25.4°及び35.4°、i3は、例えば、約30.4°である。
前面200及び後面20は、アプリケータ要素の遠位端201に向けて細くなっており、例えば、実質的に平面である。
【0059】
アプリケータ要素の側面は、軸Yと垂直な平面の断面において及び図48及び49のように上又は下から見ると、その両方で湾曲している場合がある。空洞12の高さは、軸Yに垂直に測定すると、空洞の長さの少なくとも半分にわたって変化することがある。
空洞12の長さは、軸Yに沿って測定すると、20mmに等しいか又はそれよりも小さく、又は20mmよりも大きいとすることができる。
空洞12は、空洞の長さの半分よりも大きく変化する幅を有することができる。
【0060】
上述したものの1つのようなアプリケータ要素が、関連する拭き取り部材8と共に使用される時、拭き取り部材は、図52に示すように可変とすることができる。このような場合、容器2は、拭き取り部材に対して制限を及ぼすために他方に対して移動可能であり、かつ例えば拭き取り部材の開口部の区域を変化させる少なくとも2つの部分2a及び2bで作ることができる。
図52の実施形態では、容器は、ネックを超えて延びる突出部210を含み、この突出部は、拭き取り部材を押して拭き取り部材を幾分開かせる。
【0061】
拭き取り部材の所定の調節に対して、拭き取り部材の開口部は、アプリケータ要素に制限を及ぼすほど十分に小さくすることができ、アプリケータ要素は、拭き取り部材を通過する時に変形する場合がある。
拭き取り部材の別の調節に対して、拭き取り部材の開口部の大きさは、アプリケータ要素が拭き取り部材を通過する時にいかなる制限も受けないか又は空洞12の実質的な変形に至らない制限を受けるような十分に大きいものとすることができる。
当然ながら、本発明は、拭き取り部材の開口部を変化させる特定の手段に限定されない。
【0062】
図53は、拭き取り部材8が、波状起伏220を有する波状拭き取りリップ部を含む可能性を示しており、これは、リップ部が、アプリケータ要素がそこを通過する時に広がることを可能にする。これは、空洞12の実質的な変形をもたらす制限をアプリケータ要素に与えないことを可能にすることができる。
この波状部は、例えば、拭き取り部材の開口部の周りに周方向に沿って谷間と隆起を含むことができる。
【0063】
本発明に関連する好ましい態様として、以下のものをあげることができる。
【0064】
〔1〕柄と、前記柄の一端に設けられたアプリケータ要素と、を含み、
前記アプリケータ要素は、前記柄から横方向に突出し、かつプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を有し、該分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、該分岐部は、端部を有し、かつ該端部で接触してその間に空洞を形成し、該空洞は、組成物を塗布する際に使用するための該アプリケータ要素の少なくとも1つ面を介して外側に開いており、該空洞はまた、細長い形状であって前記分岐部に沿って延びている、ことを特徴とするアプリケータ。
【0065】
〔2〕前記空洞は、前記アプリケータ要素の2つの対向する面の間を介して外に開いていることを特徴とする上記〔1〕に記載のアプリケータ。
【0066】
〔3〕前記空洞は、少なくとも1つの平面において閉じた外形をなしていることを特徴とする上記〔1〕又は上記〔2〕に記載のアプリケータ。
【0067】
〔4〕前記空洞は、前記アプリケータ要素が結合した柄の縦軸と非ゼロの角度を形成する平面と実質的に平行に延びていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔3〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0068】
〔5〕前記空洞は、前記アプリケータ要素の長さの半分を超えて延びていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔4〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0069】
〔6〕前記空洞は、平面図において実質的に三角形の形状をなしていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔5〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0070】
〔7〕前記アプリケータ要素の少なくとも遠位端部分は、フロック加工されていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔6〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0071】
〔8〕前記アプリケータ要素を前記空洞の平面と実質的に垂直な方向に見る時に、該空洞の面積は、該アプリケータ要素の外形で形成された面積の少なくとも15%を表していることを特徴とする上記〔1〕から上記〔7〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0072】
〔9〕前記空洞は、mが空洞の長さを表し、nがその最大幅を表す時に、3に等しいか又はそれよりも大きい比m/nを有する細長い形状をなしていることを特徴とする上記〔1〕から上記〔8〕のいずれか1に記載のアプリケータ。
【0073】
〔10〕前記アプリケータ要素は、中央軸に中心を有する単一の先端を含むことを特徴とする上記〔1〕から上記〔9〕のいずれか1に記載の装置。
【0074】
尚、「含む」という用語は、特に断りのない限り「少なくとも1つを含む」と同義であることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0075】
1 パッケージ及びアプリケータ具
2 容器
3 アプリケータ
6 アプリケータ要素
P 組成物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柄と、
前記柄の一端に設けられたアプリケータ要素と、
を含み、
前記アプリケータ要素は、前記柄から横方向に突出し、かつプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を有し、該分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、該分岐部は、端部を有し、かつ該端部で接触してその間に空洞を形成し、該空洞は、組成物を塗布する際に使用するための該アプリケータ要素の少なくとも1つ面を介して外側に開いており、該空洞はまた、細長い形状であって前記分岐部に沿って延びている、ことを特徴とするアプリケータ。
【請求項1】
柄と、
前記柄の一端に設けられたアプリケータ要素と、
を含み、
前記アプリケータ要素は、前記柄から横方向に突出し、かつプラスチック材料の少なくとも2つの分岐部を有し、該分岐部の少なくとも1つは、少なくとも部分的にフロック加工され、該分岐部は、端部を有し、かつ該端部で接触してその間に空洞を形成し、該空洞は、組成物を塗布する際に使用するための該アプリケータ要素の少なくとも1つ面を介して外側に開いており、該空洞はまた、細長い形状であって前記分岐部に沿って延びている、ことを特徴とするアプリケータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【公開番号】特開2013−56213(P2013−56213A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−278348(P2012−278348)
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【分割の表示】特願2006−170645(P2006−170645)の分割
【原出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【分割の表示】特願2006−170645(P2006−170645)の分割
【原出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
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