説明

パッドホルダー

【課題】装着時の吸収性パッドのズレを防止し、併用される吸収性パッドの保持性及びフィット性が向上し、防漏性に優れたパッドホルダーを提供すること。
【解決手段】本発明のパッドホルダー1は、ウエスト開口部5、レッグ開口部6、股下部4を有し、股下部4に吸収性パッド7を配して着用される。パッドホルダー1は、X方向に伸縮性を有するパッド押さえ伸縮ベルト8、Y方向の伸長性を抑制しうる、縦方向に延びる一対の前身頃第1伸長抑制部21,22を有している。パッド押さえ伸縮ベルト8は、ウエスト開口部5と吸収性パッド7の端部71との間に亘って配され、腸骨稜9を覆うようになされている。一対の前身頃第1伸長抑制部21,22は、股下部4から側部1aに向かってパッド押さえ伸縮ベルト8に連結するまで左右対称に延びており、領域23は、Y方向に伸長性を有し、X方向に伸縮性を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性パッドと併用されるパッドホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パッドホルダーの股下部の肌対向面上に吸収性パッドを取り付けた状態で該パッドホルダーを着用し、吸収性パッドが液を吸収した後に、吸収性パッドのみを新品と交換する一方、パッドホルダーは再利用することが行われている。斯かるパッドホルダーは、吸収性パッドを着用者の股間部にフィットした状態に保持するものであり、パッドホルダーを吸収性パッドと組み合わせて使用することにより、ゴミの量やコストの削減を図ることができる。
【0003】
従来のパッドホルダーとして、伸縮性シートから形成され、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部を有し、股下部の肌対向面上に吸収性パッドを配して着用されるパッドホルダーが知られている。例えば、特許文献1には、クロッチ部から腰天回り部に向けて設けられた帯状領域に伸縮性が微少な部材で構成された微伸縮部が割り当てられており、腰天回り部近傍で後身頃と前身頃に亘って設けられたウエストホールド部を備えるショーツが記載されている。
【0004】
また、先に出願人は、レッグ開口部の開口周縁部にレッグ部弾性部材が配されて太腿ギャザーが形成されており、前身頃に、着用者のそけい部に沿ってそけい部弾性部材が配されてそけいギャザーが形成されているパッドホルダーを提案した(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−254860号公報
【特許文献2】特開2008−284038号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のショーツは、ウエストホールド部が細い帯状に形成されているため、装着時にズレを防止することが難しく、生理用ナプキン、パッド等の吸収性物品を保持することが難しかった。また、特許文献1に記載のショーツは、クロッチ部から腰天回り部に向けて微伸縮部を1本、細幅状に設けられているのみであるため、該ショーツを引き上げて着用する際に、微伸縮部に歪みが生じ易く、期待するフィット感が得られず、フィット性に劣るものであった。
また、特許文献2に開示のパッドホルダーによれば、パッドの股間部へのフィット性や防漏性に優れているが、更に装着時のズレを防止し、パッドの保持性、フィット性及び防漏性が向上したパッドホルダーが望まれていた。
【0007】
従って、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得るパッドホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部と、着用者の股間部に対応する股下部とを有し、該ウエスト開口部から該股下部に向かう方向である縦方向と、該縦方向と直交する方向である幅方向とを有しており、前記股下部の肌対向面上に吸収性パッドを配して着用される前記縦方向及び前記幅方向それぞれに伸長性を有するパンツ型のパッドホルダーであって、前記幅方向に伸縮性を有するパッド押さえ伸縮ベルトと、前身頃に配され前記縦方向の伸長性を抑制しうる、前記縦方向に延びる一対の前身頃第1伸長抑制部とを有しており、前記パッド押さえ伸縮ベルトは、前記ウエスト開口部と、着用時に配される前記吸収性パッドの縦方向の端部を覆いうる位置との間に亘って配され、該パッド押さえ伸縮ベルトによって着用者の腸骨稜が覆われるようになされており、一対の前記前身頃第1伸長抑制部は、前記股下部から両側部に向かって前記パッド押さえ伸縮ベルトに連結するように左右対称に延びており、一対の該前身頃第1伸長抑制部どうしの間の領域は、前記縦方向に伸長性を有し、前記幅方向に伸縮性を有しているパッドホルダーを提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のパッドホルダーは、装着時の吸収性パッドのズレを防止し、併用される吸収性パッドの保持性及びフィット性が向上し、防漏性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明のパッドホルダーの一実施形態を、前身頃と後身頃の肌対向面同士を面接させて平面状とした状態(自然状態)において、前身頃側から見た背面図である。
【図2】図1に示すパッドホルダーの使用状態(着用状態)を前身頃側から見た図である。
【図3】図1に示すパッドホルダーを、前身頃と後身頃の肌対向面同士を面接させて平面状とした状態(自然状態)において、後身頃側から見た正図である。
【図4】図1に示すパッドホルダーの使用状態(着用状態)を後身頃側から見た図である。
【図5】図1に示すパッドホルダーの使用状態(着用状態)を側方から見た図である。
【図6】腸骨稜の位置を示す人体図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のパッドホルダーを、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。
本実施形態のパッドホルダー1は、図1,図3(自然状態)に示すように、パンツ型の形態を有し、ウエスト開口部5及び一対のレッグ開口部6,6と、着用者の股間部に対応する股下部4とを有している。ウエスト開口部5は、着用者のウエスト部分が挿通される部分であり、一対のレッグ開口部6,6は、着用者の脚が挿通される部分である。
また、パッドホルダー1は、図1,図3に示すように、ウエスト開口部5から股下部4に向かう縦方向(以下、「Y方向」ともいう)と、縦方向(Y方向)と直交する幅方向(以下、「X方向」ともいう)とを有している。
また、パッドホルダー1は、図1に示すように、パッドホルダー1の着用時に着用者の腹側に配される前身頃2と、図3に示すように、パッドホルダー1の着用時に着用者の背側に配される後身頃3とを有している。
【0012】
パッドホルダー1は、股下部4の肌対向面(パッドホルダー着用時に着用者の肌側に向けられる面)上に、図2及び4に示すように、吸収性パッド7が配された状態で着用される。股下部4は、着用時に着用者の股間部に配される部分である。吸収性パッド7は、一般に、液透過性の表面シート、液不透過性又は撥水性の裏面シート及びこれら両シート間に挟持固定された吸収性コアを備えている。吸収性パッド7は、前記裏面シート側の面に、パッドホルダー1に固定するための固定手段(粘着部等)を有するものでも有しないものであっても良い。
パッドホルダー1は、図1,図3に示すように、パッドホルダーの縦方向(Y方向)に延びる縦中心線CLに対して左右対称に形成されている。
【0013】
本発明のパッドホルダーは、縦方向(Y方向)及び幅方向(X方向)それぞれに少なくとも伸長性を有していればよいが、幅方向(X方向)に伸縮性を有していることが好ましく、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)それぞれに伸縮性を有していることが更に好ましい。パッドホルダー1においては、後身頃2及び前身頃3それぞれが、伸縮性シートで構成されており、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)それぞれに伸縮性を有しており、全体的に伸縮性を有している。尚、縦方向(Y方向)及び幅方向(X方向)それぞれに伸縮性(特に臀部〜背側腰部)を有すると、歩行や立ち座り等の動きによる臀部近傍の皮膚の伸びにパッドホルダー1が追従し易くなり、ずり落ちの発生を抑制し易くなるので好ましく、また、腹部(特に高齢者の多重腹)や臀部等の凹凸のある複雑形状に沿うことが容易となり、フィット性が良好となる点からも好ましい。
【0014】
パッドホルダー1を形成する伸縮性シートとしては、編地、伸縮性不織布等を用いることができるが、特に、糸自体が伸縮性を有すると共に、伸縮性が発現し易い編み方で形成された編地を用いることが好ましい。
パッドホルダー1は、丸編機等により製造された伸縮性に富む円筒状の編地から形成されており、後身頃2及び前身頃3が、股下部4において互いに接合されて、図1,図3に示すように、接合部42を形成しており、股下部4以外においては、互いをつなぎ合わせる継ぎ目が無いシームレスで形成されている。パッドホルダー1における接合部42は、図1,図3に示すように、股下部4から一対のレッグ開口部6,6に至るまで延びて形成されているが、接合部42を有さずに、後身頃2及び前身頃3をつなぎ合わせる継ぎ目の無い全域シームレスで形成されていてもよい。
一対のレッグ開口部6,6間の領域41の幅方向(X方向)距離は、パッドホルダー1および吸収性パッド7の着用者の股間部への密着性向上の観点から、3〜15cmであることが好ましく、6〜12cmであることがより好ましい。
【0015】
パッドホルダー1の接合部42は、図1,図3に示すように、後身頃2及び前身頃3を股下部4において互いに縫製により接合されているが、接着剤や、ファスナー等の係止手段や、ボタン等を用いることもできる。接合部42は、強い引き上げ力に抗する強度を確保する観点から、縫製等により使用時には開閉不能に閉じられていることが好ましい。
【0016】
本発明のパッドホルダーは、少なくとも幅方向(X方向)に伸縮性を有するパッド押さえ伸縮ベルト8を有しており、パッド押さえ伸縮ベルト8は、ウエスト開口部5と、吸収性パッド7の縦方向(Y方向)の端部71を覆いうる位置との間に亘って配され(図2,図4参照)、パッド押さえ伸縮ベルト8によって着用者の腸骨稜9が覆われるようになされている(図2参照)。詳述すると、パッド押さえ伸縮ベルト8は、パッドホルダー1においては、縦方向(Y方向)及び幅方向(X方向)それぞれに伸縮性を有する伸縮性の材料から構成されており、図1〜図4に示すように、ウエスト開口部5の開口縁から、着用される吸収性パッド7の縦方向(Y方向)の端部71を覆いうる位置に亘って配され、ウエスト開口部5の開口縁全周に沿って形成されている。このように、パッド押さえ伸縮ベルト8が、腹巻き状の太い環状に形成されており、着用時に、パッド押さえ伸縮ベルト8によって着用者の腸骨稜9とともに上前腸骨棘91も覆うように形成されている。
【0017】
尚、腸骨稜(ちょうこつりょう)(図6に符号9で示す部分)及び上前腸骨棘(じょうぜんちょうこつきょく)(図6に符号91で示す部分)は、共に解剖学の用語である。上前腸骨棘91は、図6に示すように、腸骨稜9の前方下部に位置する鈍円な突起である。ここで、腸骨稜について説明すると、腸骨稜は、腸骨(ちょうこつ)が、寛骨臼(かんこつきゅう)の上部を作る腸骨体(ちょうこつたい)とそれより上方において扇状に拡がる腸骨翼(ちょうこつよく)とを有しており、その腸骨翼の上縁(図6に符号9で部分)に位置する部分のことである。上前腸骨棘91及び腸骨稜9は、着用者の左右に一対存在する。尚、図2には、へその位置を符号10で示してある。
【0018】
パッド押さえ伸縮ベルト8は、縦方向(Y方向)の長さが、パッドホルダー1の縦方向(Y方向)の長さの30%以上であることが好ましく、履き心地とパッドの装着感の観点から、70%以下であることが更に好ましい。特に、35%以上65%以下であることが好ましい。尚、パッド押さえ伸縮ベルト8の縦方向(Y方向)の長さもパッドホルダー1の縦方向(Y方向)の長さも自然状態での、パッドホルダー幅方向長さを二等分する線である中心線CLに沿って測定したときの、前身頃及び後身頃それぞれにおける長さである。
パッド押さえ伸縮ベルト8は、自然状態において、縦方向(Y方向)の長さが80〜210mmであることが好ましく、パッドホルダー1は、自然状態において、縦方向(Y方向)の長さが230〜330mm、特に250〜300mmであることが好ましい。
【0019】
パッド押さえ伸縮ベルト8は、上述したように、少なくとも幅方向(X方向)に伸縮性を有していればよいが、パッドホルダー1においては、後身頃2及び前身頃3それぞれが、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)それぞれに伸縮性を有する伸縮性材料、詳細には伸縮性シートで構成されており、全体的に伸縮性を有している。このように、全体的に伸縮性を有すると、履きやすく高齢者の体型にもフィットし、装着時に苦しくない。更にホルダーのズレ落ち防止及びパッドのフィット性に優れる。
【0020】
パッド押さえ伸縮ベルト8を形成する伸縮性シートとしては、パッドホルダー1と同様に、編地、伸縮性不織布等を用いることができ、編地を用いる場合には、編地の編み方や網目の密度を変えることにより幅方向(X方向)及び/又は縦方向(Y方向)の後述する最大伸長率や伸長応力を適宜調節したり、伸縮性に富むシートに、伸長性に劣る帯状のシートを縫合や融着等により接合して幅方向(X方向)及び/又は縦方向(Y方向)の後述する最大伸長率等を適宜調節したりしたものを用いてもよい。パッドホルダー1のパッド押さえ伸縮ベルト8は、パッドホルダー1を形成する編地を、網目を密にすることにより縦方向(Y方向)に対して幅方向(X方向)のみ最大伸長率を低下させ、その部分を折り返し、その端部をホルダーの内面(又は外面)に固定することにより形成されており、2重に形成されている。尚、編地を折り返すのに代えて、パッド押さえ伸縮ベルト8は、パッドホルダー1とは別の編地、弾性部材、例えば、ポリウレタン繊維を含む伸縮性織布や不織布、合成ゴムシート、天然ゴムシート等を取り付けて形成してもよい。
【0021】
前述のように、パッド押さえ伸縮ベルト8は、パッドホルダー1においては、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)それぞれに伸縮性を有する編地を用いているが、幅方向(X方向)のみ最大伸長率を低下させて形成されており、幅方向(X方向)の最大伸長率が、縦方向(Y方向)の最大伸長率よりも小さい。その為、ホルダーのズレ落ち防止及びパッドのフィット性にすぐれる。
【0022】
ここで最大伸長率とは、それ以上伸ばせない長さ(材破する直前の長さ)まで伸長したときの伸長率であり、最大伸長率は、下記式(1)で求められる。
最大伸長率(%)={(伸長後の長さ−伸長前の長さ)/伸長前の長さ}×100% (1)
【0023】
前身頃2及び後身頃3それぞれにおけるパッド押さえ伸縮ベルト8の幅方向(X方向)の最大伸長率は、ホルダーのズレ落ち防止と適度な装着感を与える観点から、200%未満であることが好ましく、130〜190%がより好ましく、140〜180%が更に好ましい。また、縦方向(Y方向)の最大伸長率は、ホルダーのズレ落ち防止及びパッドの装着位置安定性の観点から500%未満であることが好ましく、150〜450%がより好ましく、250〜350%が更に好ましい。
【0024】
パッド押さえ伸縮ベルト8は、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)それぞれに伸縮性を有する編地を用いているが、幅方向(X方向)の伸長応力が、縦方向(Y方向)の伸長応力よりも大きい。その為、ホルダーのズレ落ち防止及びパッドのフィット性にすぐれる。ここで伸長応力とは、伸長率100%まで伸長させたときの荷重である。
【0025】
前身頃2及び後身頃3それぞれにおけるパッド押さえ伸縮ベルト8の幅方向(X方向)の伸長応力は、35N未満であることが好ましく、10〜30Nがより好ましく、15〜25Nが更に好ましい。また、縦方向(Y方向)の伸長応力は、30N未満であることが好ましく、5〜25Nがより好ましく、7〜15Nが更に好ましい。
【0026】
以下に、パッド押さえ伸縮ベルト8の幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)の最大伸長率及び伸長応力の測定方法について詳述する。
【0027】
〔パッド押さえ伸縮ベルト8の幅方向(X方向)の最大伸長率及び伸長応力測定方法〕
測定対象のパッドホルダーから、自然状態において、その幅方向(X方向)に100mm、長手方向(Y方向相当)に30mmの寸法の長方形形状で、かつ、測定用サンプルの長手方向(X方向相当)に、パッド押さえ伸縮ベルト8が、少なくとも60mmの範囲に亘って含まれるように切り出し、この切り出された長方形形状を測定用サンプルとする。なお、上記サンプル調製方法では、60mmの範囲全長に亘り連続してパッド押さえ伸縮ベルト8が配置されていることを前提としているが、パッド押さえ伸縮ベルト8がその一部で分断されている形態もこの範疇に含めるものとする。
この測定サンプルを、その長手方向(X方向相当)が引っ張り方向となるように、引張試験機のチャックに取り付ける。チャック間距離は50mm(チャック部は測定用サンプルの前後25mmの部分)とする。測定サンプルを300mm/minで引っ張り、測定用サンプルの少なくとも一部が材破した時のチャック間距離を測定し、最大伸長率とする。
ただし、100N荷重後も測定用サンプルが材破しない場合は、100N荷重時のチャック間距離を測定し、最大伸長率とする。
また、上記と同じようにサンプル調製及び測定方法で引っ張り、測定用サンプルの伸長率100%まで伸長させたときの荷重を伸長応力とする。
測定対象のパッドホルダーから上記のようにサンプルが取り出せない場合は、適宜サンプル長さ、サンプル幅、チャック間距離、チャック幅、を変更しても良い。
【0028】
〔パッド押さえ伸縮ベルト8の縦方向(Y方向)の最大伸長率及び伸長応力測定方法〕
測定対象のパッドホルダーから、自然状態において、その縦方向(Y方向)に100mm、幅方向(X方向)に30mmの寸法の長方形形状で、かつ、測定用サンプルの長手方向(Y方向相当)中央に少なくとも60mmの範囲に亘ってパッド押さえ伸縮ベルト82が含まれるように切り出し、この切り出された長方形形状を測定用サンプルとする。なお、上記サンプル調整方法は60mmの範囲全長に亘り連続してパッド押さえ伸縮ベルト8が配置されていることを前提としているが、パッド押さえ伸縮ベルト8が、その一部で分断されている形態もこの範疇に含めるものとする。
この測定サンプルを、その長手方向(Y方向相当)が引っ張り方向となるように、引張試験機のチャックに取り付ける。チャック間距離は50mm(チャック部は測定用サンプルの前後25mmの部分)とする。測定サンプルを300mm/minで引っ張り、測定用サンプルの少なくとも一部が材破した時のチャック間距離を測定し、最大伸長率とする。
ただし、100N荷重後も測定用サンプルが材破しない場合は、100N荷重時のチャック間距離を測定し、最大伸長率とする。
また、上記と同じようにサンプル調製及び測定方法で引っ張り、測定用サンプルの伸長率100%まで伸長させたときの荷重を伸長応力とする。
測定対象のパッドホルダーから上記のように測定用サンプルが取り出せない場合は、適宜サンプル長さ、サンプル幅、チャック間距離、チャック幅、を変更しても良い。
【0029】
また、前述のように、パッドホルダー1のパッド押さえ伸縮ベルト8は、2重の生地(伸縮性シート)から形成されている。その為、締め付け力を強くすることができるとともに、保温効果を向上させることができる。
【0030】
尚、一対のレッグ開口部6,6それぞれの開口周縁部には、レッグ開口弾性部61が環状に形成されている。レッグ開口弾性部61は、レッグ開口部6の周方向に伸縮する。パッドホルダー1におけるレッグ開口弾性部61は、パッド押さえ伸縮ベルト8と同様に、伸縮性シートを折り返し、その端部をホルダー内面(又は外面)に固定することにより形成されていてもよいし、これに代えて、パッド押さえ伸縮ベルト8と同様に、別の弾性部材、例えば、ポリウレタン繊維を含む伸縮性織布や不織布、合成ゴムシート、天然ゴムシート等を取り付けて形成してもよい。
【0031】
次に、パッドホルダー1の前身頃2について詳述すると、本発明のパッドホルダーは、図1,図2に示すように、前身頃2に縦方向に延びるように配されて、縦方向(Y方向)の伸長性を抑制しうる一対の前身頃第1伸長抑制部21,22を有している。一対の前身頃第1伸長抑制部21,22は、股下部4から両側部1a,1aに向かってパッド押さえ伸縮ベルト8に連結するように左右対称に延びている。ここで、側部1a,1aとは、図1,図3に示すように、パッドホルダー1を、前身頃2と後身頃3との肌対向面どうしを面接させて、平面状の自然状態としたときに生じる折曲線近傍の部分である。また、「連結する」とは、伸長抑制部がパッド押さえ伸縮ベルト8と直接繋がっている場合の他、他の連結部を介して接続されている場合も含む。この場合、連結部は縦方向の伸長を抑制する部分であることが好ましい。本実施形態においては、前身頃伸長抑制部21,22がパッド押さえ伸縮ベルト8とは第2伸張抑制部241を介して連結しており、第2伸長抑制部241は幅方向及び縦方向の伸長性を抑制するものである。一対の前身頃第1伸長抑制部21,22は、接合部42において互いに接しないことが好ましい。一対の一対の前身頃第1伸長抑制部21,22は、図1に示すように、股下部4側の一端部21a,22aそれぞれが、一対のレッグ開口部6,6間の領域41まで入り込んで接合部42に連結するように帯状に延びており、ウエスト開口部5側の他端部21b,22bそれぞれが、両側部1a,1aに向かってパッド押さえ伸縮ベルト8に連結するように帯状に延びている。一対の前身頃第1伸長抑制部21,22は、図1に示すように、略円弧状に形成されており、着脱性及び着用感の観点から、着用者のそけい部に沿わないように形成されていることが好ましい。前身頃第1伸長抑制部21と前身頃第1伸長抑制部22とは、中心線CLを対称軸に、左右対称に形成されている。一対の前身頃第1伸長抑制部21,22の幅(図1のX方向の長さ)は特に制限されないが、例えば図示例のものの幅は0.5〜5cm程度である。
【0032】
本発明のパッドホルダーにおいては、一対の前身頃第1伸長抑制部21,22どうしの間の領域23は、縦方向(Y方向)に伸長性を有し、少なくとも幅方向(X方向)に伸縮性を有していればよいが、パッドホルダー1においては、上述したように、幅方向(X方向)及び縦方向(Y方向)それぞれに伸縮性を有する伸縮性シートで構成されている。このような伸縮性シートで領域23が構成されていると、吸収性パッドの装着性及び保持性の観点から好ましい。
【0033】
パッドホルダーは、前身頃3において、図1に示すように、幅方向(X方向)の伸長性を抑制しうる、幅方向(X方向)に延びる前身頃第2伸長抑制部24を3〜8本有していることが好ましく、パッドホルダー1においては、4本の前身頃第2伸長抑制部241,242,243,244を有している。4本の前身頃第2伸長抑制部241,242,243,244は、一対の前身頃第1伸長抑制部21,22どうしの間に亘って、パッドホルダー1の縦方向(Y方向)に間欠に配置されている。4本の前身頃第2伸長抑制部24のうちの最もウエスト開口部5寄りの前身頃第2伸長抑制部241は、パッドホルダー1の縦方向(Y方向)においては、パッド押さえ伸縮ベルト8の下端に接して配され、幅方向(X方向)においては、後身頃第2伸長抑制部351と連続しており、且つ一対の前身頃第1伸長抑制部21,22と接続又は交差している。
【0034】
また、図1に示すように、4本の前身頃第2伸長抑制部24のうちの最も股下部4寄りの前身頃第2伸長抑制部244は、パッドホルダー1の縦方向(Y方向)においては、接合部42の上方に配され、幅方向(X方向)においては、一対の前身頃第1伸長抑制部21,22どうしの間に亘って配されている。そして、前身頃第2伸長抑制部241と前身頃第2伸長抑制部244との間に配された2本の前身頃第2伸長抑制部242,243それぞれは、パッドホルダー1の縦方向(Y方向)においては、略等間隔を開けて間欠的に配置されており、一対の前身頃第1伸長抑制部21,22どうしの間に亘って配されている。前身頃第2伸長抑制部24の幅(図1のY方向の長さ)は特に制限されないが、例えば図示例のものの幅は0.5〜5cm程度である。
【0035】
前身頃第1伸長抑制部21,22、及び前身頃第2伸長抑制部24は、それらの部分の編地の網目を他の部分より密にすることで後述する最大伸長率等を低下させたり、伸縮性に富むシートに、伸長性に劣る帯状のシートを縫合や融着等により接合して後述する最大伸長率等を低下させたりして形成される。
【0036】
前身頃第1伸長抑制部21,22それぞれの縦方向(Y方向)の最大伸長率は、吸収性パッドを着用者の股間部に安定的にフィットした状態に保持する観点から、パッドホルダー1においては、パッド押さえ伸縮ベルト8の縦方向(Y方向)の最大伸長率よりも低いことが好ましい。前身頃第1伸長抑制部21,22それぞれの縦方向(Y方向)の最大伸長率は、180%未満であることが好ましく、20〜150%がより好ましく、40〜120%が更に好ましい。前身頃第1伸長抑制部21,22の縦方向(Y方向)の最大伸長率の測定方法は、上記パッド押さえ伸縮ベルト8の測定方法に準じる。但し、測定用サンプルを切り出す際には、測定用サンプル中に可能な限り、他の伸長抑制部を含まないようにして切り出し、測定対象のパッドホルダーから上記のように測定用サンプルが取り出せない場合は、適宜サンプル長さ、サンプル幅、チャック間距離、チャック幅、を変更して測定する。
【0037】
一対の前身頃第1伸長抑制部21,22どうしの間の領域23(高伸長領域)は、その幅方向(X方向)の最大伸長率が、70%以上、特に120%以上であることが好ましい。
但し、上記最大伸長率は、パッドホルダー1のように、前身頃第2伸長抑制部24(4本の前身頃第2伸長抑制部241,242,243,244)を備えている場合には、領域23から前身頃第2伸長抑制部24(4本の前身頃第2伸長抑制部241,242,243,244)を除いた領域(高伸長領域)の値である。領域23の幅方向(X方向)の最大伸長率の測定方法は、上記パッド押さえ伸縮ベルト8の測定方法に準じる。但し、測定用サンプルを切り出す際には、測定用サンプル中に可能な限り、他の伸長抑制部を含まないようにして切り出し、測定対象のパッドホルダーから上記のように測定用サンプルが取り出せない場合は、適宜サンプル長さ、サンプル幅、チャック間距離、チャック幅、を変更して測定する。
【0038】
また、パッドホルダー1の有する前身頃第2伸長抑制部24(4本の前身頃第2伸長抑制部241,242,243,244)の幅方向(X方向)の最大伸長率は、吸収パッドを確実に押さえる観点から、パッド押さえ伸縮ベルト8の幅方向(X方向)の最大伸長率よりも低いことが好ましい。パッドホルダー1の有する前身頃第2伸長抑制部24(4本の前身頃第2伸長抑制部241,242,243,244)の幅方向(X方向)の最大伸長率は、200%未満であることが好ましく、50〜180%がより好ましく、70〜160%が更に好ましい。前身頃第2伸長抑制部24(4本の前身頃第2伸長抑制部241,242,243,244)の幅方向(X方向)の最大伸長率の測定方法は、上記パッド押さえ伸縮ベルト8の測定方法に準じる。但し、測定用サンプルを切り出す際には、測定用サンプル中に可能な限り、他の伸長抑制部を含まないようにして切り出し、測定対象のパッドホルダーから上記のように測定用サンプルが取り出せない場合は、適宜サンプル長さ、サンプル幅、チャック間距離、チャック幅、を変更して測定する。
【0039】
次に、パッドホルダー1の後身頃3について詳述する。
パッドホルダー1は、後身頃3においては、図3,図4に示すように、縦方向(Y方向)の伸長性を抑制しうる一対の後身頃第1伸長抑制部31,32を有している。一対の後身頃第1伸長抑制部31,32は、図3,図4に示すように、股下部4から両側部1a,1aに向かってパッド押さえ伸縮ベルト8に連結するように左右対称に帯状に延びており、幅方向(X方向)外方に凸状に湾曲しながら延在している。一対の後身頃第1伸長抑制部31,32は、図3に示すように、接合部42において互いに接しておらず、股下部4側の一端部31a,32aそれぞれが、一対のレッグ開口部6,6間の領域41まで入り込んで接合部42に連結するように帯状に延びており、ウエスト開口部5側の他端部31b,32bそれぞれが、両側部1a,1aに向かってパッド押さえ伸縮ベルト8に後身頃第2伸張抑制部351を介して連結するように帯状に延びている。一対の後身頃第1伸長抑制部31,32は、図3,図4に示すように、略円弧状に形成されており、後身頃第1伸長抑制部31と後身頃第1伸長抑制部32とは、中心線CLを対称軸に、左右対称に形成されている。一対の後身頃第1伸長抑制部31,32の幅(図3のX方向の長さ)は特に制限されないが、例えば図示例のものの幅は0.5〜5cm程度である。なお、本実施形態では後身頃第2伸長抑制部351は幅方向及び縦方向の伸長性を抑制する。
【0040】
パッドホルダー1は、後身頃3においては、図3,図4に示すように、縦方向(Y方向)の伸長性を抑制しうる一対の後身頃中間伸長抑制部33,34が、中心線CLを対称軸に、左右対称に形成されている。図3,図4に示すように、後身頃中間伸長抑制部33は、後身頃第1伸長抑制部31と中心線CLとの間に配され、後身頃中間伸長抑制部34は、後身頃第1伸長抑制部32と中心線CLとの間に配されている。一対の後身頃中間伸長抑制部33,34は、接合部42において互いに接しておらず、股下部4からパッド押さえ伸縮ベルト8に連結するように左右対称に帯状に延びており、幅方向(X方向)外方に凸状に湾曲しながら延在している。一対の後身頃中間伸長抑制部33,34は、図3に示すように、接合部42において後身頃第1伸長抑制部31,32とも接しておらず、股下部4側の一端部33a,34aそれぞれが、一対のレッグ開口部6,6間の領域41まで入り込んで接合部42に連結するように帯状に延びており、ウエスト開口部5側の他端部33b,34bそれぞれが、パッド押さえ伸縮ベルト8に後身頃第2伸長抑制部351を介して連結するように帯状に延びている。一対の後身頃中間伸長抑制部33,34の幅(図3のX方向の長さ)は特に制限されないが、例えば図示例のものの幅は0.5〜5cm程度である。
【0041】
また、パッドホルダーは、後身頃3においては、図3,図4に示すように、幅方向(X方向)の伸長性を抑制しうる、幅方向(X方向)に延びる後身頃第2伸長抑制部35を3〜8本有していることが好ましく、パッドホルダー1においては、4本の後身頃第2伸長抑制部351,352,353,354を有している。4本の後身頃第2伸長抑制部351,352,353,354は、図3,図4に示すように、パッドホルダー1においては、縦方向(Y方向)に略等間隔に間欠に配置されており、互いに並行となるように配置されている。後身頃第2伸長抑制部35の幅(図3のY方向の長さ)は特に制限されないが、例えば図示例のものの幅は0.5〜5cm程度である。
【0042】
4本の後身頃第2伸長抑制部351,352,353,354のうちの最もウエスト開口部5寄りの後身頃第2伸長抑制部351は、パッドホルダー1の縦方向(Y方向)においては、パッド押さえ伸縮ベルト8の下端に接して配され、幅方向(X方向)においては、前身頃第2伸長抑制部241と連続しており、且つ一対の後身頃中間伸長抑制部33,34及び一対の後身頃第1伸長抑制部31,32と接続又は交差している。また、図3に示すように、4本の後身頃第2伸長抑制部35のうちの最も股下部4寄りの後身頃第2伸長抑制部354は、パッドホルダー1の縦方向(Y方向)においては、接合部42の上方に配され、幅方向(X方向)においては、一対の後身頃中間伸長抑制部33,34と交差し、一対の後身頃第1伸長抑制部31,32どうしの間に亘って配されている。そして、後身頃第2伸長抑制部351と後身頃第2伸長抑制部354との間に配された2本の後身頃第2伸長抑制部352,353それぞれは、パッドホルダー1の縦方向(Y方向)においては、略等間隔を開けて間欠的に配置されており、一対の後身頃中間伸長抑制部33,34と交差し、一対の後身頃第1伸長抑制部31,32どうしの間に亘って配されている。
【0043】
後身頃第1伸長抑制部31,32、後身頃中間伸長抑制部33,34及び後身頃第2伸長抑制部35は、それらの部分の編地の網目を他の部分より密にすることで最大伸長率等を低下させたり、伸縮性に富むシートに、伸長性に劣る帯状のシートを縫合や融着等により接合して最大伸長率等を低下させたりして形成される。
【0044】
後身頃第1伸長抑制部31,32及び後身頃中間伸長抑制部33,34それぞれの縦方向(Y方向)の最大伸長率は、180%未満であることが好ましく、20〜150%がより好ましく、40〜120%が更に好ましい。後身頃第1伸長抑制部31,32及び後身頃中間伸長抑制部33,34の縦方向(Y方向)の最大伸長率の測定方法は、上記パッド押さえ伸縮ベルト8の測定方法に準じる。但し、測定用サンプルを切り出す際には、測定用サンプル中に可能な限り、他の伸長抑制部を含まないようにして切り出し、測定対象のパッドホルダーから上記のように測定用サンプルが取り出せない場合は、適宜サンプル長さ、サンプル幅、チャック間距離、チャック幅、を変更して測定する。
【0045】
また、後身頃第2伸長抑制部35(4本の後身頃第2伸長抑制部351,352,353,354)の幅方向(X方向)の最大伸長率は、200%未満であることが好ましく、50〜180%がより好ましく、70〜160%が更に好ましい。後身頃第2伸長抑制部35(4本の後身頃第2伸長抑制部351,352,353,354)の幅方向(X方向)の最大伸長率の測定方法は、上記パッド押さえ伸縮ベルト8の測定方法に準じる。但し、測定用サンプルを切り出す際には、測定用サンプル中に可能な限り、他の伸長抑制部を含まないようにして切り出し、測定対象のパッドホルダーから上記のように測定用サンプルが取り出せない場合は、適宜サンプル長さ、サンプル幅、チャック間距離、チャック幅、を変更して測定する。
【0046】
パッドホルダー1においては、図5に示すように、前身頃2の4本の前身頃第2伸長抑制部24のうちの最もウエスト開口部5寄りの前身頃第2伸長抑制部241と、後身頃3の4本の後身頃第2伸長抑制部35のうちの最もウエスト開口部5寄りの後身頃第2伸長抑制部351とが、連接されている。このように、パッド押さえ伸縮ベルト8以外の部位でも、前身頃2と後身頃3とが伸長抑制部で連接されているため、パッドを確実に保持することが出来る。
【0047】
次に上述した本発明の実施形態のパッドホルダー1を使用した際の作用効果について説明する。
本実施形態のパッドホルダー1は、図1〜図2に示すように、パッド押さえ伸縮ベルト8と、一対の前身頃第1伸長抑制部21,22とを有しており、パッド押さえ伸縮ベルト8が着用者の腸骨稜9を覆うように幅広に形成され、一対の前身頃第1伸長抑制部21,22が股下部4から両側部1a,1aに向かってパッド押さえ伸縮ベルト8に連結するように延びており、一対の前身頃第1伸長抑制部21,22どうしの間の領域23が幅方向(X方向)に伸縮性を有している。特に、腸骨稜9を覆うパッド押さえ伸縮ベルト8と一対の前身頃第1伸長抑制部21,22とが第2伸長抑制部241を介して連結しているため、体液吸収後の吸収性パッド7がズレ落ち難く、吸収性パッド7の保持性が向上する。特に、パッド押さえ伸縮ベルト8が着用者の腸骨稜9を覆うように幅広に形成されているので、ズレ落ちを防止しながら、着用者の胴周りを緩くしめることができ、フィット性が向上する。また、幅広のパッド押さえ伸縮ベルト8により、骨盤周辺を固定するため、装着感に優れ、骨盤周辺の筋肉に作用して姿勢を矯正することができる。
【0048】
また、本実施形態のパッドホルダー1は、前身頃2においては、図1〜図2に示すように、幅方向(X方向)に延びる、前身頃第2伸長抑制部24を複数本有しているので、体液吸収後の吸収性パッド7の中間領域を押さえることができるので、更にズレ落ち難く、吸収性パッド7の保持性が更に向上する。
【0049】
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は実施形態に制限されない。
例えば、上述したパッドホルダー1においては、図1,図3に示すように、ブリーフ型であるが、ボクサーブリーフ型や、トランクス型でもよい。また、上述したパッドホルダー1においては、図3に示すように、後身頃3に、一対の後身頃第1伸長抑制部31,32、一対の後身頃中間伸長抑制部33,34、及び複数本の後身頃第2伸長抑制部35を有しているが、有しなくてもよく、何れかの抑制部のみを有していてもよい。
【符号の説明】
【0050】
1 パッドホルダー
1a 側部
2 前身頃
21,22 前身頃第1伸長抑制部
21a,22a 前身頃第1伸長抑制部の一端部
21b,22b 前身頃第1伸長抑制部の他端部
23 一対の前身頃第1伸長抑制部どうしの間の領域
24(241,242,243,244) 前身頃第2伸長抑制部
3 後身頃
31,32 後身頃第1伸長抑制部
31a,32a 後身頃第1伸長抑制部の一端部
31b,32b 後身頃第1伸長抑制部の他端部
33,34 後身頃中間伸長抑制部
35(351,352,353,354) 後身頃第2伸長抑制部
4 股下部
41 一対のレッグ開口部間の領域
42 接合部
5 ウエスト開口部
51 ウエスト開口弾性部
6 レッグ開口部
61 レッグ開口弾性部材
7 吸収性パッド
71 縦方向(Y方向)の端部
8 パッド押さえ伸縮ベルト
9 腸骨稜
91 上前腸骨棘
10 へそ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエスト開口部及び一対のレッグ開口部と、着用者の股間部に対応する股下部とを有し、該ウエスト開口部から該股下部に向かう方向である縦方向と、該縦方向と直交する方向である幅方向とを有しており、前記股下部の肌対向面上に吸収性パッドを配して着用される 前記縦方向及び前記幅方向それぞれに伸長性を有するパンツ型のパッドホルダーであって、
前記幅方向に伸縮性を有するパッド押さえ伸縮ベルトと、前身頃に配され前記縦方向の伸長性を抑制しうる、前記縦方向に延びる一対の前身頃第1伸長抑制部とを有しており、
前記パッド押さえ伸縮ベルトは、前記ウエスト開口部と、着用時に配される前記吸収性パッドの縦方向の端部を覆いうる位置との間に亘って配され、該パッド押さえ伸縮ベルトによって着用者の腸骨稜が覆われるようになされており、
一対の前記前身頃第1伸長抑制部は、前記股下部から両側部に向かって前記パッド押さえ伸縮ベルトに連結するように左右対称に延びており、一対の該前身頃第1伸長抑制部どうしの間の領域は、前記縦方向に伸長性を有し、前記幅方向に伸縮性を有しているパッドホルダー。
【請求項2】
前身頃に配され前記横方向の伸長性を抑制しうる前身頃第2伸長抑制部を有し、該前身頃第2伸長抑制部は、一対の前記前身頃第1伸長抑制部どうしの間に亘って、前記縦方向に間欠的に複数本配されている請求項1記載のパッドホルダー。
【請求項3】
前記パッド押さえ伸縮ベルトの前記縦方向の長さが、前記パッドホルダーの前記縦方向の長さの30%以上70%以下である請求項1又は2に記載のパッドホルダー。
【請求項4】
前記パッド押さえ伸縮ベルトは、2重の生地から形成されている請求項1〜4の何れか1項に記載のパッドホルダー。
【請求項5】
前記パッド押さえ伸縮ベルトは、前記縦方向にも伸縮性を有しており、前記幅方向の最大伸長率が前記縦方向の最大伸長率よりも小さい請求項1〜5の何れか1項に記載のパッドホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−115385(P2012−115385A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266407(P2010−266407)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】