説明

パルス幅変調回路

【課題】 マルチチャンネルタイプのオーディオ装置等に適用可能であり、かつ単安定マルチバイブレータを用いた新規な構成のパルス幅変調回路を提供する。
【解決手段】 本願発明のパルス幅変調回路は、オーディオ信号をパルス幅変調してその変調信号を出力するものであって、一定の周波数を有するトリガーパルス信号に同期させて出力パルスを発生させる単安定マルチバイブレータ回路1と、単安定マルチバイブレータ回路1に対して一定の充電電流を供給する定電流回路2と、を備えている。単安定マルチバイブレータ回路1は、定電流回路2から供給される一定の充電電流によって充電する充電用コンデンサC1と、入力されるオーディオ信号の電位を充電用コンデンサC1による充電開始時又は終了時の基準電位とし、充電用コンデンサC1による充電時間に基づいて出力パルスのパルス幅を変化させる第1及び第2トランジスタQ1,Q2とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、オーディオ信号をパルス幅変調(PWM)してその変調信号を出力するパルス幅変調回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばオーディオアンプでは、オーディオ信号をパルス幅変調してその変調信号を出力するパルス幅変調回路が用いられている。そして、このパルス幅変調回路としては、図13に示すように、無安定マルチバイブレータを用いた回路が知られている。
【0003】
同図に示すパルス幅変調回路は、定電流iを出力する定電流部Kと、充電用コンデンサC11(後述)に定電流iの一部i1を充電電流として供給する抵抗r1とトランジスタQ11とからなる第1電流供給回路と、第2コンデンサC12(後述)に定電流iの残りi2(=i−i1)を充電電流として供給する抵抗r2とトランジスタQ12とからなる第2電流供給回路と、第1トランジスタQ13のコレクタと第2トランジスタQ14のベースとが充電用コンデンサC11とで結合されるとともに、第2トランジスタQ14のコレクタと第1トランジスタQ13のベースとが第2コンデンサC12とで結合された無安定マルチバイブレータからなるパルス信号生成部と、によって大略構成されている。
【0004】
上記構成によると、第1電流供給回路のトランジスタQ11のベースにオーディオ出力源AUからのオーディオ信号(変調信号)が入力されることにより、充電用コンデンサC11の充電電流i1と第2コンデンサC12の充電電流i2との電流比k(=i2/i1)が変化されてパルス信号生成部から発生されるパルス信号のパルス幅変調が行われる。
【0005】
このパルス幅変調回路は、第1及び第2電流供給回路(差動増幅回路)に対して定電流回路Kから定電流iが供給されており、トランジスタQ11のベースに入力されるオーディオ信号のレベル変動に応じて充電用コンデンサC11に供給される電流i1と第2コンデンサC12に供給される電流i2とがi1+i2=iの関係を保持しながら変化するようになっている。電流i1,i2による第1及び第2コンデンサC11,C12の充電動作によって第1トランジスタQ13と第2トランジスタQ14とが交互にオン・オフをするため、オーディオ信号に基づいて充電電流i1,i2の電流比kが変化し、この電流比kの変化に応じて第2トランジスタQ14のオン期間とオフ期間とが変化するようになっている。すなわち、オーディ信号の振幅の変化に応じて第2トランジスタQ14のコレクタ端子から出力されるパルス信号のパルス幅が変化するようになっている。
【0006】
図13に示す無安定マルチバイブレータを用いたパルス幅変調回路は、オーディオ信号のレベルの変化に応じてパルス幅が変化するものの、オーディオ信号のレベル変動に応じてパルス周期も変化するという特性を有する。
【0007】
【特許文献1】特許第3591519号公報
【0008】
しかしながら、このような無安定マルチバイブレータを用いたパルス幅変調回路では、これをステレオタイプのオーディオ装置あるいはマルチチャンネルタイプのオーディオ装置に用いた場合、下記に示す問題点があった。
【0009】
すなわち、例えばマルチチャンネルタイプのオーディオ装置に、上記パルス幅変調回路を適用した場合には、上記パルス幅変調回路をチャンネルごとに複数個用意する必要があるのであるが、無安定マルチバイブレータを用いたパルス幅変調回路では、それぞれが固有の周波数で独立して動作するため、パルス幅変調回路間においてグランド電位を共通にした場合、互いの周波数同士で干渉が生じてしまうことがある。
【0010】
例えば一のパルス幅変調回路では約400kHzの周波数で動作し、他のパルス幅変調回路では約401kHzの周波数で動作する場合、両周波数間で干渉が生じ、スピーカ等から外部に出力される音声信号には両周波数の差である約1kHzの可聴領域の音声が出力されてしまうことがあった。そのため、良好な音声信号が出力されず、マルチチャンネルタイプのオーディオ装置等に上記無安定マルチバイブレータを用いたパルス幅変調回路を適用することは音質等の点で困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、マルチチャンネルタイプのオーディオ装置等に適用可能であり、かつ単安定マルチバイブレータを用いた新規な構成のパルス幅変調回路を提供することを、その課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0013】
本願発明によって提供されるパルス幅変調回路は、オーディオ信号をパルス幅変調してその変調信号を出力するパルス幅変調回路であって、一定の周波数を有するトリガーパルス信号に同期させて出力パルスを発生させる単安定マルチバイブレータ回路と、前記単安定マルチバイブレータ回路に対して一定の充電電流を供給する定電流回路と、を備え、前記単安定マルチバイブレータ回路は、前記定電流回路から供給される一定の充電電流によって充電する充電手段と、入力される前記オーディオ信号の電位を前記充電手段による充電開始時又は終了時の基準電位とし、前記充電手段による充電時間に基づいて前記出力パルスのパルス幅を変化させるパルス幅変調手段と、を有することを特徴としている(請求項1)。
【0014】
この構成によれば、単安定マルチバイブレータ回路では、トリガーパルス信号が入力されると、それに同期して出力パルスが発生される。このとき、単安定マルチバイブレータ回路では、定電流回路からの一定の充電電流によって充電が行われ、この充電時間に基づいて出力パルスのパルス幅が変化される。充電の際には、入力されるオーディオ信号の電位が充電開始時又は終了時の基準電位となるので、オーディオ信号に応じたパルス幅の出力パルスをパルス幅変調信号として出力することができる。
【0015】
このように、単安定マルチバイブレータ回路は例えば外部からのトリガーパルス信号によって動作するため、例えばステレオタイプやマルチチャンネルタイプのオーディオ装置等にパルス幅変調回路が用いられる場合には、上述したパルス幅変調回路をチャンネル数だけ複数回路設け、各回路にトリガーパルス信号を入力すればよい。つまり、このトリガーパルス信号をいわゆるマスタークロックとして用いることができるため、各パルス幅変調回路を同一の周波数で動作させることができる。したがって、従来の無安定バイブレータを用いたパルス幅変調回路にように周波数同士が干渉して可聴帯域の音声信号がスピーカ等から出力されるといったことを防止することができる。
【0016】
また、本願発明のパルス幅変調回路において、前記パルス幅変調手段は、少なくとも2つのスイッチング素子を有し、前記充電手段による充放電動作に基づいて前記各スイッチング素子が交互にオン、オフ動作することにより前記出力パルスを生成するとよい(請求項2)。
【0017】
また、本願発明のパルス幅変調回路において、正電圧及び負電圧を出力する電源回路を備え、少なくとも一方の前記スイッチング素子の出力端における電圧レベルを正電圧又は負電圧に反転させる際、前記電源回路の出力と当該スイッチング素子の出力端とを導通させる導通手段が設けられているとよい(請求項3)。
【0018】
また、本願発明のパルス幅変調回路において、前記定電流回路は、複数のスイッチング素子を有するカレント・ミラー回路からなるとよい(請求項4)。
【0019】
また、本願発明のパルス幅変調回路において、前記オーディオ信号のレベルを調整するレベル調整回路を備え、前記単安定マルチバイブレータ回路は、前記レベル調整回路によってレベルが調整された後の前記オーディオ信号を入力するとよい(請求項5)。
【0020】
本願発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本願発明の好ましい実施の形態を、添付図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
<第1実施形態>
図1は、本願発明の第1実施形態に係るパルス幅変調回路を示す回路図である。
【0023】
このパルス幅変調回路は、例えばオーディオ信号をパルス幅変調(PWM)してその変調信号を出力するものである。このパルス幅変調回路は、トリガーパルス信号を出力するトリガーパルス発信器TPに接続された単安定マルチバイブレータ回路1と、単安定マルチバイブレータ回路1の充電用コンデンサC1(後述)に一定の充電電流を供給するための定電流回路2と、オーディオ信号を発生させるオーディオ信号発生源AUに接続されたレベル調整回路3とを備えている。レベル調整回路3は、単安定マルチバイブレータ回路1に接続され、単安定マルチバイブレータ回路1に対してレベル調整したオーディオ信号を供給する。
【0024】
図1を参照すると、トリガーパルス発信器TPの正極側には、第1ダイオードD1のカソードが接続され、トリガーパルス発信器TPの負極側はグランド電位に接続されている。トリガーパルス発信器TPは、図2(a) のA点波形に示すように、一定の周波数(例えば400kHz)を有するトリガーパルス信号を単安定マルチバイブレータ回路1に出力するものであり、このトリガーパルス信号は、Hレベルの期間がLレベルの期間より比較的長くなるように設定されている。第1ダイオードD1は、トリガーパルス発信器TPからのトリガーパルス信号のうちLレベルの状態を単安定マルチバイブレータ回路1に引き込みやすくするためのものである。
【0025】
第1ダイオードD1のアノード側には、単安定マルチバイブレータ回路1の接続点B(図1参照)が接続されているとともに、抵抗R1を介して正電圧供給源4が接続されている。正電圧供給源4は、例えば+5Vを各回路に対して供給するものである。
【0026】
単安定マルチバイブレータ回路1は、トリガーパルス発信器TPからのトリガーパルス信号に同期させてパルス幅変調信号としての出力パルスを発生させる回路であり、オーディオ信号に応じて充電用コンデンサC1による充電時間を変化させることによってパルス幅を変化させ、それをパルス幅変調信号として出力端子OUT(図1のD点参照)から出力するものである。
【0027】
単安定マルチバイブレータ回路1は、スイッチング素子としての第1トランジスタQ1と、第1トランジスタQ1のオン、オフ動作に対して交互にオン、オフ動作する同じくスイッチング素子としての第2トランジスタQ2と、定電流回路2からの充電電流を蓄積するための充電用コンデンサC1と、第1トランジスタQ1のベース電圧制限用の抵抗R3とを備えている。
【0028】
第1トランジスタQ1は、NPN型トランジスタであって、後述するように、トリガーパルス信号のLレベルの状態が入力され、充電用コンデンサC1による充電が開始されるときオン動作し、充電用コンデンサC1において蓄積された充電電荷に基づいて第2トランジスタQ2がオン状態になるときオフ動作するものである。第1トランジスタQ1のコレクタには、接続点Bが接続されているとともに、充電用コンデンサC1の一端が接続されている。
【0029】
第1トランジスタQ1のベースには、抵抗R4を介して負電圧供給源5が接続されているとともに、抵抗R3を介して出力端子OUTが接続されている。負電圧供給源5は、各回路に対して例えば−5Vを供給するものである。出力端子OUTには、例えば図示しないドライバ回路が接続され、出力端子OUTからパルス幅変調信号が出力される。
【0030】
充電用コンデンサC1は、定電流回路2から供給される一定の充電電流に基づいて充電を行い、この充電電荷に基づいて第1及び第2トランジスタQ1,Q2をオン、オフ動作させるものである。充電用コンデンサC1の他端(図1のC点参照)には、第2トランジスタQ2のベースが接続されている。
【0031】
第2トランジスタQ2は、NPN型トランジスタであって、充電用コンデンサC1において蓄積された充電電荷に基づいてオン動作し、トリガーパルス信号のLレベルの状態が入力されるときオフ動作するものである。第2トランジスタQ2のコレクタには、このパルス幅変調回路の出力端子OUTが接続されているとともに、電流制限用の抵抗R2を介して正電圧供給源4に接続されている。
【0032】
第2トランジスタQ2のベースには、定電流回路2が接続されている。定電流回路2は、一定の充電電流を生成し、それを単安定マルチバイブレータ回路1の充電用コンデンサC1に対して供給するものである。一定の充電電流は、例えば第1トランジスタQ1がオン状態であって、第2トランジスタQ2がオフ状態のとき、図1に示す充電経路Lを流れて、充電用コンデンサC1に供給される。
【0033】
定電流回路2は、第3トランジスタQ3及び第4トランジスタQ4によるカレント・ミラー回路によって構成されている。すなわち、第3及び第4トランジスタQ3,4は、それぞれPNP型トランジスタであって、各エミッタが互いに正電圧供給源4に接続されている。第3及び第4トランジスタQ3,Q4は、そのベース同士が接続され、その接続点と第4トランジスタQ4のコレクタが接続され、第4トランジスタQ4のコレクタは、抵抗R5を介してグランド電位に接続されている。一方、第3トランジスタQ3のコレクタは、上述した第2トランジスタQ2のベースに接続されている。
【0034】
また、第2トランジスタQ2のベースには、レベル調整回路3が接続されている。レベル調整回路3は、オーディオ信号発生源AUからのオーディオ信号を所定のレベルに調整するための回路である。オーディオ信号発生源AUの正極側には、レベル調整回路3のバイパスコンデンサC2の一端が接続されている。バイパスコンデンサC2は、オーディオ信号発生源AUから出力されるオーディオ信号の直流分をカットするものである。
【0035】
バイパスコンデンサC2の他端は、抵抗R6及び抵抗R7の接続点G(図1参照)に接続されている。抵抗R6は、正電圧供給源4に接続される一方、抵抗R7は、負電圧供給源5に接続され、これら抵抗R6,R7は、接続点Gにおけるオーディオ信号のバイアス電圧を決定している。
【0036】
また、接続点Gには、第5トランジスタQ5のベースが接続されている。第5トランジスタQ5は、NPN型トランジスタであって、オーディオ信号を増幅するためのものである。第5トランジスタQ5のコレクタは、正電圧供給源4に接続され、第5トランジスタQ5のエミッタ(図1のF点参照)は、抵抗R8を介して負電圧供給源5に接続されているとともに、第2ダイオードD2のアノードに接続されている。そして、第2ダイオードD2のカソードは、上述した第2トランジスタQ2のベース(図1のC点参照)に接続されている。第2ダイオードD2は、逆電流防止用のダイオードであり、レベル調整回路3によってレベル調整されたオーディオ信号を単安定マルチバイブレータ1に供給するためのものである。
【0037】
オーディオ信号発生源AUから発生されたオーディオ信号は、バイパスコンデンサC2によってその直流分がカットされ、抵抗R6,R7によってそのバイアス電圧が決定される。その後、オーディオ信号の交流成分は、第5トランジスタQ5によって増幅されて、第2ダイオードD2を介して第2トランジスタQ2のベースに供給される。
【0038】
次に、上記回路構成における作用を、図2に示すタイミングチャートを参照して説明する。なお、下記説明においてHレベルの電位は例えば+5Vに、Lレベルの電位は例えば0Vにそれぞれ設定されている。
【0039】
図2(a) に示すように、トリガーパルス発信器TPからトリガーパルス信号が図1の点Aに出力され、トリガーパルス信号がLレベルの状態に立ち下がると(図2(a) のt1参照)、ダイオードD1のカソード側(アクティブLOW)は、HレベルからLレベルになるとともに、第1トランジスタQ1のコレクタ(図1のB点参照)もダイオードD1を通して瞬時にLレベルになる。
【0040】
第1トランジスタQ1のコレクタがLレベルになることにより、第2トランジスタQ2のベース(図1のC点参照)は、Lレベルより充電用コンデンサC1の電圧分だけ低い電位となるので、第2トランジスタQ2はオフ状態になる(図2(e) 参照)。
【0041】
第2トランジスタQ2がオフ状態になると、第2トランジスタQ2のコレクタに接続されている、パルス幅変調の出力端子OUT(図1のD点参照)は、抵抗R2を介して正電圧供給源4から+5Vが供給されているため、Hレベルとなる(図2(c) 参照)。そのため、第1トランジスタQ1のベースの電位が上昇し、第1トランジスタQ1はオン状態となる(図2(d) 参照)。ここで、第1トランジスタQ1がオン状態であって第2トランジスタQ2がオフ状態のときの状態を、以下「準安定状態」という。
【0042】
なお、第2トランジスタQ2のベース(図1のC点参照)の電位は、Lレベルより低い電位であるが、第2ダイオードD2を通して第5トランジスタQ5のエミッタ(図1のF点参照)の電位に制限されるため、それ以下にはならない。
【0043】
ここで、定電流回路2では、第3及び第4トランジスタQ3,Q4によって、一定の充電電流が生成され、この電流が図1に示す充電経路Lを流れて、充電用コンデンサC1に供給される。これにより、図2に示す期間Tの間(準安定状態の間)、充電用コンデンサC1は除々に充電される。そのため、第2トランジスタQ2のベースの電位は、図2(b) のC点波形に示すように、直線状に上昇する。
【0044】
第2トランジスタQ2のベース(図1のC点参照)の電位が、第2トランジスタQ2のベース・エミッタ電圧Vbe(例えば0.65V)に到達すると、図2の時刻t2において第2トランジスタQ2がオン状態になる(図2(e) 参照)。第2トランジスタQ2がオン状態になると、出力端子OUT(図1のD点参照)がLレベルとなる(図2(c) 参照)とともに、第1トランジスタQ1のベース電圧は低下し、第1トランジスタQ1はオフ状態になる(図2(d) 参照)。この状態は、次のトリガーパルス信号のLレベルがトリガーパルス発信器TPから出力されるまで維持される。ここで、第1トランジスタQ1がオフ状態であって第2トランジスタQ2がオン状態にあるときを、以下「安定状態」という。
【0045】
次いで、トリガーパルス信号の次のLレベルが図2(a) に示す時刻t3において出力されると、上述したように、第2トランジスタQ2がオフ状態となる一方、第1トランジスタQ1がオン状態となる(安定状態から準安定状態に移行する)。その後、再び、定電流回路2からの一定の充電電流によって第2トランジスタQ2がオンになるまで充電用コンデンサC1が充電される。
【0046】
上記の動作において、オーディオ信号源AUからオーディオ信号が出力される場合を考えると、オーディオ信号は、レベル調整回路3において抵抗R6,R7によって所定のバイアス電圧が与えられ、第5トランジスタQ5によってレベル調整されて、図2(b) に示すようなオーディオ信号波形となって第2ダイオードD2を介して第2トランジスタQ2のベースに供給される。
【0047】
このとき、オーディオ信号は、充電用コンデンサC1にも供給されることになるため、オーディオ信号は、充電用コンデンサC1において充電が開始される電位を決定する。すなわち、トリガーパルス信号のLレベルが出力され、第2トランジスタQ2がオフ状態となったときの充電が開始される電位は、入力されたオーディオ信号の電位となる。
【0048】
そして、充電用コンデンサC1における充電速度は、このオーディオ信号の電位に応じて比例して変化する。そのため、トリガーパルス信号が入力され、第2トランジスタQ2がオフ状態となった時点からオン状態になる時点までの準安定状態の期間T(図2(b) 参照)は、入力されるオーディオ信号の電位が高くなればなるほど短くなる。この準安定状態の期間Tは、第2トランジスタQ2がオフ状態となる期間であり、その期間は、図2(c) に示すように、出力端子OUT(図1のD点参照)に出力されるパルス信号のHレベルの期間となる。したがって、オーディオ信号の入力レベルに比例したパルス信号がパルス幅変調信号として出力端子OUTから出力される。
【0049】
このように、単安定マルチバイブレータ回路1を用いたパルス幅変調回路においては、トリガーパルス発信器TPを接続して一定周波数を有するトリガーパルス信号を入力し、それを同期信号として用い、入力されたオーディオ信号を変調してパルス幅変調信号として出力することができる。
【0050】
そのため、ステレオタイプやマルチチャンネルタイプのオーディオ装置等にパルス幅変調回路が用いられる場合には、上述したパルス幅変調回路をチャンネル数だけ複数回路設け、トリガーパルス発信器TPを、複数のパルス幅変調回路にそれぞれ並列に接続すればよい。このようにすれば、各パルス幅変調回路では、トリガーパルス発信器TPから出力されるトリガーパルス信号をいわゆるマスタークロックとして用いることができ、各パルス幅変調回路を同一の周波数で動作させることができる。そのため、従来の構成のように周波数同士が干渉して可聴帯域の音声信号がスピーカ等から出力されるといったことを防止することができる。
【0051】
なお、上記構成においては、オーディオ信号に対する変調を確実に行うために、トリガーパルス信号の周期は、オーディオ信号のそれよりも十分高く設定されることが望ましい。また、オーディオ信号の出力レベルが最大になったときでも、第2トランジスタQ2が確実にオン状態からオフ状態になるように、第5トランジスタQ5のベース(図1のG点参照)に適切なバイアス電源が供給されることが好ましいため、抵抗R6及び抵抗R7の値は適切に設定される必要がある。
【0052】
さらに、トリガーパルス信号の1周期において、第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2の反転がオーディオ信号の入力レベルに応じて確実に生じるように、充電用コンデンサC1の容量、及び定電流回路3の抵抗R5の値等を適切に設定することが望ましい。
【0053】
また、図3に示すように、第1ダイオードD1のカソード側入力には、コンデンサC3及び抵抗R9からなる微分回路6が設けられていてもよい。すなわち、微分回路4は、トリガーパルス発信器TPからのトリガーパルス信号をより矩形状のパルス信号に成形するものである。微分回路6は、一端がトリガーパルス発信器TPの出力に接続され、他端が第1ダイオードD1のカソードに接続されたコンデンサC3と、一端が正電圧供給源4に接続され、他端がコンデンサC3の他端に接続された抵抗R9とによって構成されている。なお、抵抗R3の両端には、コンデンサC4が並列接続されてもよい。その他の構成については、上述した実施形態の構成と略同様である。
【0054】
<第2実施形態>
ところで、第1実施形態に係るパルス幅変調回路(図1参照)では、安定状態と準安定状態とが交互に繰り返されてパルス幅変調信号が出力されるのであるが、ここで、図2に示す時刻t2においては、第2トランジスタQ2がオンになった後、第1トランジスタQ1のコレクタ(図1のB点参照)は抵抗R1によってHレベルに引き上げられる。しかしながら、接続点Bには充電用コンデンサC1が接続されているため、この充電用コンデンサC1と抵抗R1とによって時定数回路が形成され、例えば図4(d) に示すように、第1トランジスタQ1のコレクタでは、Hレベルになる立ち上がりにおいてパルス波形がなまってしまい、Hレベルになるまでに時間がかかってしまうことになる。
【0055】
そのため、第1トランジスタQ1のコレクタの電圧が低い状態が継続され、トリガーパルス発信器TPからのLレベルのトリガーパルス信号が入力されても、第2トランジスタQ2のオン状態が継続されることがあり、オフ状態に移行しにくくなる。すなわち、安定状態が継続されることになり、適切なパルス幅変調信号が出力されなくなって、音質の劣化や歪みの発生等の不具合を生じることがある。
【0056】
この場合、抵抗R1の値を小さくするとともに、充電用コンデンサC1の値を小さくすることにより立ち上がりの速度を上げることも考えられるが、接続点BがHレベルになるときに抵抗R1に流れる電流が多くなって抵抗R1にかかる負担が大きくなったり、充電用コンデンサC1における浮遊容量が充電用コンデンサC1の値に影響を及ぼしたりするため、抵抗R1及び充電用コンデンサC1には、ある程度の抵抗値又は容量値が必要となる。
【0057】
そこで、第2実施形態に係るパルス幅変調回路では、第1トランジスタQ1のコレクタを即座にHレベルに立ち上げるための第1補助回路が設けられている。なお、この第1補助回路は、本願でいう導通手段として機能する。
【0058】
図5は、本願発明の第2実施形態に係るパルス幅変調回路を示す回路図である。このパルス幅変調回路では、単安定マルチバイブレータ回路1に、第1補助回路7が接続され、第1補助回路7は、第6トランジスタQ6、抵抗R10及び抵抗R11によって構成されている。
【0059】
接続構成を説明すると、接続点Bには、抵抗R11の一端が接続され、その他端には第6トランジスタQ6のコレクタが接続され、そのエミッタには正電圧供給源4が接続されている。第6トランジスタQ6のベースには、抵抗R10を介して第2トランジスタQ2のコレクタが接続されている。第6トランジスタQ6は、NPN型トランジスタであって、第1トランジスタQ1のコレクタを即座にHレベルに立ち上げるための補助スイッチとして機能するものである。その他の構成については、上述した第1実施形態の構成と略同様である。
【0060】
この構成によると、図6に示す期間T(準安定状態)においては、第1トランジスタQ1がオン状態であり、かつ第2トランジスタQ2がオフ状態であるため、定電流回路2によって充電用コンデンサC1が除々に充電される。このとき、出力端子OUTはHレベル(図6(c) 参照)であるため、第6トランジスタQ6もオフ状態にある(図6(f) 参照)。
【0061】
次いで、第2トランジスタQ2のベースの電位が、そのベース・エミッタ電圧Vbeに到達すると、図6の時刻t2において第2トランジスタQ2がオン状態になる。第2トランジスタQ2がオン状態になると、出力端子OUT(図1のD点参照)がLレベルとなるため、第6トランジスタQ6も同時にオン状態となる。この第6トランジスタQ6のオン動作により、第1トランジスタQ1のコレクタと正電圧供給源4とが導通され、すなわち、第6トランジスタQ6及び抵抗R11を通して正電圧供給源4から電源電圧が瞬時に供給され、図6(d) の時刻t2に示すように、接続点Bの電圧は即座にHレベルになる。
【0062】
この時点で、回路は安定状態となり、次のLレベルのトリガーパルス信号が入力されるまで、この安定状態が継続される。そして、トリガーパルス発信器TPからLレベルのトリガーパルス信号が入力されると、第6トランジスタQ6及び抵抗R11を通して第1ダイオードD1に順方向電流が流れる。このとき、接続点Bの電圧は、第1ダイオードD1の準方向電圧(約0.6V)に維持され、Lレベルとなる。
【0063】
第1トランジスタQ1のベースには、抵抗R2,R3を介してHレベルの電圧が供給されるため、第1トランジスタQ1はオン状態になり、抵抗R2,R3の接続点における電圧(D点参照)が第6トランジスタQ6のベース閾値電圧を下回ると、第6トランジスタQ6はオフ状態になる。すなわち、第2トランジスタQ6は、第2トランジスタQ2と同期してオン、オフ動作する。
【0064】
このように、第2実施形態に係るパルス幅変調回路では、第1トランジスタQ6のコレクタに補助スイッチとしての第6トランジスタQ6を設けることにより、充電用コンデンサC1による充電後に、第1トランジスタQ1のコレクタを即座にHレベルに立ち上げることができ、適切なパルス幅変調信号が出力することが可能となり、音質の劣化や歪みの発生等の不具合を解消することができる。
【0065】
なお、図5において、抵抗R11は、トリガーパルス発信器TPからLレベルのトリガーパルス信号が出力されたとき、第6トランジスタQ6から第1ダイオードD1を通して流れる電流の負荷となる抵抗となるものであるが、第1実施形態における抵抗R1より十分小さい抵抗値に設定されることが好ましい。
【0066】
また、この第2実施形態では、第1トランジスタQ1のコレクタを即座にHレベルにするためにバイポーラトランジスタとしての第6トランジスタQ6が用いられていたが、図7に示すように、このバイポーラトランジスタに代えてMOS−FET(電界効果トランジスタ)が用いられてもよい。このMOS−FETが用いられることにより、回路上、より動作スピードが増すといった利点を享受することができる。
【0067】
ところで、第2実施形態に係るパルス幅変調回路では、準安定状態において充電用コンデンサC1による充電後、第2トランジスタQ2はオン動作するのであるが、図5又は図7に示したように、第1補助回路7の抵抗R10の一端が第2トランジスタQ2のコレクタに直接的に接続されると、第2トランジスタQ2のオン動作が遅くなる場合がある。
【0068】
そこで、これらのパルス幅変調回路に対して、図8に示すように、第2トランジスタQ2のオン動作が遅くならないように補助する第2補助回路8が設けられていてもよい。すなわち、第2補助回路8は、第7トランジスタQ7及び抵抗R12によって構成されている。
【0069】
第7トランジスタQ7は、PNP型トランジスタであって、第2トランジスタQ2とともに、オフ、オフ動作するものである。第7トランジスタQ7は、そのベースが第2トランジスタQ2のコレクタに接続され、第7トランジスタQ7のエミッタには、抵抗R12を介して正電圧供給源4が接続されている。また、第7トランジスタQ7のエミッタには、抵抗R10を介して第6トランジスタQ6のベースが接続されている。第7トランジスタQ7のコレクタは、グランド電位に接続されている。その他の構成については、上述した第2実施形態の構成と略同様である。
【0070】
この構成により、準安定状態において充電用コンデンサC1による充電後、第2トランジスタQ2がオン動作するとき、第7トランジスタQ7も同時にオン動作するため、第2トランジスタQ2のオン動作を促進することができる。したがって、第2トランジスタQ2は、即座にオン状態になり、安定状態に良好に移行することができる。
【0071】
なお、この第2補助回路8による構成は、上述したMOS−FETを用いた図7に示すパルス幅変調回路にも適用することができる。
【0072】
<第3実施形態>
図9は、本願発明の第3実施形態に係るパルス幅変調回路を示す回路図である。このパルス幅変調回路では、単安定マルチバイブレータ回路1としてNOR回路N1及びNOT回路N2等のロジック回路が適用され、定電流回路2として定電流源Iが適用され、レベル調整回路3として第1コンパレータ回路CM1が適用された構成とされている。すなわち、各回路における構成は、上記した第1及び第2実施形態とは異なる構成とされているが、図9に示す構成においても、第1及び第2実施形態と同様の作用効果を奏する。
【0073】
具体的構成を説明すると、単安定マルチバイブレータ回路1は、NOR回路N1、NOT回路N2、充電用コンデンサC1、及び第3ダイオードD3によって構成されている。トリガーパルス発信器TPの正極側には、NOR回路N1の第1入力端子が接続されている。NOR回路N1の出力端子には、パルス幅変調信号の出力端子OUTが接続されているとともに、充電用コンデンサC1の一端が接続されている。充電用コンデンサC1の他端には、NOT回路N2の入力端子が接続されているとともに、定電流回路2としての定電流源Iが接続されている。この定電流源Iは、電源電圧Vccが供給されて充電用コンデンサC1に対して一定の充電電流を供給するものである。
【0074】
NOT回路N2の入力端子には、充電用コンデンサC1の充電電荷を放電させるための第3ダイオードD3を介して電源(例えば+5V)が供給されている。NOT回路N2の出力端子には、上述したNOR回路N1の第2入力端子が接続されている。
【0075】
レベル調整回路3は、第1コンパレータ回路CM1、第2ダイオードD2、抵抗R12,R13及びバイパスコンデンサC5によって構成されている。オーディオ信号発生源AUの正極側には、バイパスコンデンサC5の負極側が接続されている。バイパスコンデンサC5の正極側には、2つの抵抗R12,R13の接続点Gが接続されるとともに、第1コンパレータ回路CM1の+側入力端子が接続されている。第1コンパレータ回路CM1の−側入力端子は、その出力端子に接続されており、この第1コンパレータ回路CM1は、負帰還動作を行う。第1コンパレータ回路CM1の出力端子は、第2ダイオードD2を介して単安定マルチバイブレータ回路1のNOT回路N2の入力端子に接続されている。なお、第2ダイオードD2は第1及び第2実施形態で示した第2ダイオードD2と同様の機能を有するものである。
【0076】
上記構成において、図10(a) に示すように、トリガーパルス発信器TPからHレベル(アクティブHIGH)のトリガーパルス信号が入力されると、NOR回路N1の出力端子(図9のD点参照)はLレベルになるとともに、NOT回路N2の出力端子(図9のH点参照)もLレベルに引き下げられる。
【0077】
定電流回路2は、充電用コンデンサC1を一定の充電電流で充電させるので、NOT回路N2の入力端子(図9のC点参照)の電圧は、時間の経過とともに、直線状に上昇する(図10の期間T参照)。そして、NOT回路N2の入力端子の電圧がNOT回路N2の閾値電圧に到達すると、NOT回路N2の出力端子がLレベルとなる。それとともに、NOR回路N1の出力端子は、図10(c) に示すようにHレベルになる。
【0078】
NOT回路N2の入力端子は、第2ダイオードD2を通してオーディオ信号出力(図9のF点参照)に接続されているので、充電用コンデンサC1による充電の開始電位は、オーディオ信号の入力レベルより第2ダイオードD2の順方向電圧(例えば0.6V)だけ低い電圧となる。
【0079】
次いで、一定周期のトリガーパルス信号のHレベルがA点に入力されることにより、NOTO回路N2の入力が再びLレベルになり、これにより、NOR回路N1の出力端子は、図10(c) に示すように、Lレベルになる。すなわち、出力端子OUTから、オーディオ信号の入力レベルに比例したパルス信号がパルス幅変調信号として出力される。このように、上記ロジック回路を用いたパルス幅変調回路の構成においても適切なパルス幅変調信号を出力することができる。
【0080】
図11は、第3実施形態に係るパルス幅変調回路の変形例を示す回路図である。このパルス幅変調回路は、上記パルス幅変調回路と同様にロジック回路によって構成されているが、単安定マルチバイブレータ1は、NOR回路N1、第2コンパレータ回路CM2、充電用コンデンサC1、及び第3ダイオードD3によって構成されている。また、レベル調整回路3は、抵抗R12,R13及びバイパスコンデンサC5によって構成され、第3実施形態に係るパルス幅変調回路に対して第1コンパレータ回路CM1及び第2ダイオードD2が省略された構成とされている。その他の構成については、上述した第3実施形態と略同様である。
【0081】
この変形例のパルス幅変調回路においても、パルス幅変調信号を良好に出力することができる。すなわち、上記構成において、図12(a) に示すように、トリガーパルス発信器TPからHレベル(アクティブHIGH)のトリガーパルス信号が入力されると、NOR回路N1の出力端子(図11のD点参照)はLレベルになる。このとき、第2コンパレータ回路CM2のマイナス入力端子は、Lレベルに引き下げられる(図11のC点参照)。
【0082】
定電流回路2は、充電用コンデンサC1を一定の充電電流で充電するので、第2コンパレータ回路CM2のマイナス入力端子(図11のC点参照)の電圧は、時間の経過とともに、直線状に上昇する(図12の期間T参照)。第2コンパレータ回路CM2のプラス入力端子(図11のF点参照)には、オーディオ信号が入力されるので、第2コンパレータ回路CM2のマイナス入力端子に入力される電圧がオーディオ信号を越えると、第2コンパレータ回路CM2の出力端子はLレベルとなり、NOR回路N1の出力端子はHレベルになる。
【0083】
この第3実施形態の変形例では、第2コンパレータCM2の入力に充電コンデンサC1による充電電圧と、オーディオ信号とが入力されているため、充電電圧がオーディオ信号の入力レベルに一致したとき、充電動作が終了することになる。
【0084】
次いで、一定周期のトリガーパルス信号のHレベルがNOR回路N1の他方端子に入力されることにより、NOR回路N1の出力端子はLレベルになり、これにより、NOR回路N1の出力端子は、図12(c) に示すように、Lレベルになる。すなわち、出力端子OUTから、オーディオ信号の入力レベルに比例したパルス信号がパルス幅変調信号として出力される。このように、上記ロジック回路を用いたパルス幅変調回路の構成においても適切なパルス幅変調信号を出力することができる。
【0085】
もちろん、この発明の範囲は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本願発明の第1実施形態に係るパルス幅変調回路を示す回路図である。
【図2】図1に示すパルス幅変調回路の各点における波形を示す図である。
【図3】第1実施形態に係るパルス幅変調回路の変形例を示す回路図である。
【図4】第1実施形態に係るパルス幅変調回路の各点における波形を示す図である。
【図5】本願発明の第2実施形態に係るパルス幅変調回路を示す回路図である。
【図6】図5に示すパルス幅変調回路の各点における波形を示す図である。
【図7】第2実施形態に係るパルス幅変調回路の変形例を示す回路図である。
【図8】第2実施形態に係るパルス幅変調回路の他の変形例を示す回路図である。
【図9】本願発明の第3実施形態に係るパルス幅変調回路を示す回路図である。
【図10】図9に示すパルス幅変調回路の各点における波形を示す図である。
【図11】第3実施形態に係るパルス幅変調回路の変形例を示す回路図である。
【図12】図11に示すパルス幅変調回路の各点における波形を示す図である。
【図13】従来の、無安定マルチバイブレータを用いたパルス幅変調回路を示す回路図である。
【符号の説明】
【0087】
1 単安定マルチバイブレータ
2 定電流回路
3 レベル調整回路
4 正電圧供給源
5 負電圧供給源
7 第1補助回路
8 第2補助回路
AU オーディオ信号発生源
C1 充電用コンデンサ
D1 第1ダイオード
D2 第2ダイオード
OUT 出力端子
Q1 第1トランジスタ
Q2 第2トランジスタ
TP トリガーパルス発信器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーディオ信号をパルス幅変調してその変調信号を出力するパルス幅変調回路であって、
一定の周波数を有するトリガーパルス信号に同期させて出力パルスを発生させる単安定マルチバイブレータ回路と、
前記単安定マルチバイブレータ回路に対して一定の充電電流を供給する定電流回路と、を備え、
前記単安定マルチバイブレータ回路は、
前記定電流回路から供給される一定の充電電流によって充電する充電手段と、
入力される前記オーディオ信号の電位を前記充電手段による充電開始時又は終了時の基準電位とし、前記充電手段による充電時間に基づいて前記出力パルスのパルス幅を変化させるパルス幅変調手段と、
を有することを特徴とする、パルス幅変調回路。
【請求項2】
前記パルス幅変調手段は、少なくとも2つのスイッチング素子を有し、
前記充電手段による充放電動作に基づいて前記各スイッチング素子が交互にオン、オフ動作することにより前記出力パルスを生成する、請求項1に記載のパルス幅変調回路。
【請求項3】
正電圧及び負電圧を出力する電源回路を備え、
少なくとも一方の前記スイッチング素子の出力端における電圧レベルを正電圧又は負電圧に反転させる際、前記電源回路の出力と当該スイッチング素子の出力端とを導通させる導通手段が設けられている、請求項2に記載のパルス幅変調回路。
【請求項4】
前記定電流回路は、複数のスイッチング素子を有するカレント・ミラー回路からなる、請求項1ないし3のいずれかに記載のパルス幅変調回路。
【請求項5】
前記オーディオ信号のレベルを調整するレベル調整回路を備え、
前記単安定マルチバイブレータ回路は、
前記レベル調整回路によってレベルが調整された後の前記オーディオ信号を入力する、請求項1ないし4のいずれかに記載のパルス幅変調回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate