説明

パルス電熱および熱格納氷分離装置ならびに方法

パルス電熱および熱格納氷分離のためのシステムならびに方法。パルス電熱氷分離装置は、1つ以上の冷却チューブ(4)、および随意的に、冷却液チューブと熱的に接触するフィン(2)を含む。チューブおよび/またはフィンは、抵抗ヒータ(10)を形成する。1つ以上のスイッチ(12)は、抵抗ヒータに電力を印加し、熱を生成して、チューブおよび/またはフィンから氷を分離する。冷凍ユニット(400)は、無駄な熱を消散させるための圧縮機(410)および凝縮器(420)、ならびに圧縮機、凝縮器および冷却液チューブ(430)を循環する冷却液を有する熱格納製氷システムを形成する。冷却チューブは蒸発器プレート(435)と熱的に接触している。圧縮機の後、かつ凝縮器の前のタンク(440)は、熱を冷却液から加熱液体(445)へ移動させる。加熱液体は、加熱チューブを定期的に流れ、蒸発器プレートから氷を分離する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照(PCT))
本出願は、2005年1月24日に出願された米国仮特許出願第60/646,394号、2005年1月25日に出願された米国仮特許出願第60/646,932号、および2005年11月23日に出願された米国仮特許出願第60/739,506号に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
氷または霜が、水蒸気または液体の存在で冷たい表面上に蓄積し得る。そのような氷または霜の分離は、表面をきれいに保つ目的のために(例えば、熱移動、牽引力もしくは空気力学特性を向上させる目的のために)または、氷が使用のために収穫され得るようにするために、望ましいことがあり得る。ほとんどの冷却アプリケーションにおいては、最少のエネルギーを費やして、特定の表面から氷を除去することが有利である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(概要)
一実施形態においては、パルス電熱氷分離装置は、冷却ユニットの1つ以上の冷却チューブ、およびフィンを含む。フィンは冷却チューブと熱的に接触し、かつチューブまたはフィンのうちの1つが、または両方が、抵抗ヒータを形成する。1つ以上のスイッチが抵抗ヒータに電力を印加し得、チューブおよび/またはフィンから氷を分離するために熱を生成する。抵抗ヒータは、1つより多くの加熱セクションを形成し得、スイッチは、電力をヒータセクション個々に印加するように構成され得る。
【0004】
別の実施形態において、パルス電熱氷分離装置は、冷却ユニットの1つ以上の冷却液を含む。1つ以上のチューブは抵抗ヒータを形成する。1つ以上のスイッチがヒータに電力を印加し得、熱を生成して、チューブから氷を分離する。
【0005】
別の実施形態において、一方法は、氷を、冷却ユニットの冷却チューブおよび/または冷却フィンから分離する。上記方法のステップは、通常の冷却モード中に、冷却液チューブおよび/または冷却フィン上に氷を蓄積すること、および電力のパルスをチューブおよびフィンのうちの1つに、または両方に電力のパルスを適用して、氷を分離することを含む。
【0006】
別の実施形態において、パルス電熱氷分離装置は、1つ以上の氷成長領域を有する製氷チューブを含む。1つ以上のコールドフィンガおよび/または冷却チューブは、各氷成長領域から熱を移動し去る。水が製氷チューブの中に導入されることにより、水の少なくとも一部が、氷成長領域において、凍結する。電源が、電力のパルスをチューブに、またはチューブと熱的に接触しているヒータに定期的に供給し、氷の少なくとも境界面層を溶解して、チューブから氷を分離する。
【0007】
別の実施形態において、パルス電熱氷分離装置は、1つより多くの製氷チューブを含む。コールドフィンガおよび/または冷却チューブは各製氷チューブの氷成長領域から熱を移動し去る。水が各製氷チューブに導入されることにより、氷成長領域において少なくとも水の1部が氷に凍結する。電源は、電力のパルスを周期的に各チューブに供給し、氷の少なくとも境界面層を溶解してチューブから氷を分離する。
【0008】
別の実施形態において、パルス電熱氷分離装置は、蒸発器プレートと熱的に接触する1つ以上の冷却液チューブを含む。1つ以上のヒータが蒸発器プレートに隣接して、かつ冷却液チューブ間に位置する。ヒータは電力を熱に変換し、これにより氷が蒸発器プレートから分離するように構成されている。
【0009】
別の実施形態において、パルス電熱氷分離装置は、蒸発器プレートと熱的に接触する1つ以上の冷却液チューブを含む。ヒータが冷却液チューブと蒸発器プレートとの間に位置している。ヒータは、電力を熱に変換し、これにより氷が蒸発器プレートから分離するように構成されている。
【0010】
別の実施形態において、冷凍ユニットは、熱格納製氷システムとして構成されている。冷凍ユニットは、無駄な熱を消散するための圧縮機および凝縮器と、圧縮機、凝縮器および冷却液チューブを循環する冷却液とを有する。冷却液チューブは蒸発器プレートと熱的に接触する。タンクは、圧縮機のあと、かつ凝縮器のまえに、熱を冷却液から加熱液体へ移動する。加熱液体は、蒸発器プレートと熱的に接触する加熱チューブを周期的に流れ、蒸発器プレートから氷を分離する。
【0011】
別の実施形態において、1つの方法は、氷を、冷却ユニットの冷却液チューブ、冷却フィンおよび/または蒸発器プレートから分離する。熱が、製氷または冷却モード中に、冷却液から加熱液体に移る。氷が、製氷または冷却モード中に、冷却液チューブ、冷却フィンおよび/または蒸発器プレートに蓄積する。加熱液体が、冷却液チューブ、冷却フィンおよび蒸発器プレートのうちの少なくとも1つと熱的に接触する加熱チューブを流れる。
【0012】
別の実施形態において、パルス電熱氷分離装置は、熱交換面と熱的に接触する冷却液チューブを有する熱交換器を含む。電源が、パルス加熱のために熱交換器に電気的に切り換えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
(図面の詳細な説明)
熱交換器は、熱質量の間での熱を移動するのに役立つ。一熱交換器構成においては、空気が、循環する冷却液によって冷却される熱交換器表面に隣接して循環し;上記空気は、冷却液に熱を放出する。冷却液の温度が充分に低いときは、氷が表面に発生し得、表面と空気との間の熱交換を阻害する。最小限の追加される熱でそのような氷を除去することが望ましい。なぜならば、熱せられた表面は、空気との熱交換を再開するために再び冷却されなければならないからである。
【0014】
図1は、パルス電熱氷分離装置20を概略的に示す。装置20は、ヒータ10と、電源14からヒータ10への電力の適用を制御するスイッチ12とを含む。他の実施形態において、電源14は、装置20の一部を形成し得る。装置20は、以下にさらに詳細に記述されるように、1つ以上の表面から氷を分離するように動作する。本明細書に使用されるように、「分離」とは、氷の少なくとも1つの境界面層を溶解することによって、1つ以上の表面から氷を解き放つことを意味し得、または氷の完全な溶解および/または蒸発を意味し得る。
【0015】
図2Aは、パルス電熱氷分離装置20(図3、図4参照)の一部Aを示す。装置20を含む冷却ユニット(図示されず)は、チューブ4を介して冷却液8を流す。熱は、冷却ユニットから冷却液8へ移る。冷却フィン2は、チューブ4と熱的に接触して、熱の移動を容易にする。氷6(1)は、蒸気から、チューブ4および/またはフィン2の表面上へ凝結し得る。氷6(1)は、熱移動を阻害する。装置20は周期的に、チューブ4および/またはフィン2の表面から氷6(1)を分離し、冷却効率を促進する。図2Bは、氷6(1)がチューブ4およびフィン2から分離されたあとの、部分Aを示している。
【0016】
図3は、パルス電熱氷分離装置20(1)を示す。図3は、一定の比率では描かれていないことがあり得る。冷却液8(図2A、図2Bを参照)は、冷却チューブ4(1)を介して流れ;チューブ4(1)と熱的に接触する冷却フィン2(1)は、冷却液への熱移動を容易にする。冷却液チューブ4(1)および冷却フィン2(1)は、例えば銅、アルミニュームまたはそれらの合金で作られ得る。Aと付されている場所は、図2Aおよび図2Bに示されている部分Aを表現する。氷6(1)(図2A、図2B参照)は、冷却チューブ4(1)およびフィン2(1)のいずれかまたは両方の上で成長する。装置20(1)において、フィン2(1)は、図1のヒータ10の例である。わずかいくつかのフィン2(1)のみが、図3において、図示の明確さのためにラベルが付されている。フィン2(1)は、導電性であり、図示のように、スイッチ12(1)および12(2)およびアース16の間を蛇行する構成で接続する。チューブ4(1)は、電気的絶縁体または伝導体で形成され得る;しかし、伝導体で形成された場合、チューブ4(1)は、実質的に、フィン2(1)から電気的に絶縁される。チューブ4(1)とフィン2(1)との間の電気的絶縁は、材料、例えば金属酸化物(例えばアノード処理被覆)、重合体、合成物、および/または他の誘電体を、例えば、チューブ4(1)とフィン2(1)との間に介在させることによって達成され得る。フィン2(1)は、ヒータセクション7(1)および7(2)を形成する。
【0017】
氷の分離が望まれるとき、スイッチ12(1)および/または12(2)は閉じ、端子18(1)および18(2)で利用できる電力を、ヒータセクション7(1)および/または7(2)にそれぞれ適用する。電力は、フィン2(1)で熱を生成し、氷6(1)を分離する。装置20(1)において、チューブ4(1)は、直接的には(例えば電気的に)加熱されないが、チューブ4(1)上の氷は分離する。なぜならば、チューブ4(1)は、フィン2(1)との熱的な接触を介して加熱されるからである。フィン2(1)を2つのヒータセクション7(1)および7(2)に構成することは、ただの例示である。他の実施形態においては、フィンはただ1つのヒータセクションまたは2つより多くのヒータセクションに構成され得ることは理解される。
【0018】
パルス電熱氷分離装置20(1)を含む冷却ユニットは、氷の分離の前に、冷却液源に接続されたバルブを閉じるが、冷却コンプレッサは運転し続けることによって、冷却液8をチューブ4(1)から排出し得る。氷の分離の前にチューブ4(1)から冷却液を排出することは、有利であり得る。なぜならば、氷の分離中に生成された熱は、チューブ4(1)およびフィン2(1)だけの熱質量に作用し、熱は冷却液を加熱することで浪費されないからである。冷却液を加熱しないことは、氷の分離を早め、適用されなければならない全体的な熱が減少する。従って、冷却が再開されるとき、冷却液を再冷却するために必要とされる電力が減少する。
【0019】
装置20(1)を利用する冷却または冷凍ユニットの他のプロセスは、氷の分離と調和し得ることは理解できる。例えば、冷却または冷凍ユニットがファンを利用して、熱を装置20(1)に移動する場合、ファンは氷の分離中に停止し得る。個々のファンが、氷の分離を受けているセクション(例えば、セクション7(1)または7(2))に隣接して配置される場合、氷の分離を受けているセクションに隣接したファンは、他のセクションに隣接するファンは動作し続ける一方で、停止し得る。
【0020】
図4は、パルス電熱氷分離装置20(2)を示す。図4は、一定の比率では描かれていないことがあり得る。冷却液8(図2A、図2B参照)は、冷却液チューブ4(2)を通って流れ;チューブ4(2)と熱的に接触する冷却フィン2(2)は、冷却液への熱の移動を容易にする。わずかいくつかのフィン2(2)のみが、図4において、図示の明確さのためにラベルが付されている。冷却チューブ4(2)および冷却フィン2(2)は、例えば銅、アルミニュームまたはその合金で作られている。Aと付されている場所は、図2Aおよび図2Bで示されている部分Aを表現している。氷6(1)(図2A、図2B参照)は、冷却チューブ4(2)およびフィン2(2)のいずれかまたは両方で成長する。装置20(2)において、チューブ4(2)は、図1のヒータ10の例である。チューブ4(2)は、スイッチ12(3)、12(4)および12(5)およびアース16の間で接続する。フィン2(2)は、電気的絶縁体または伝導体で形成され得る;しかし、伝導体で形成された場合、フィン2(2)は、実質的に、チューブ4(2)から電気的に絶縁される。チューブ4(2)とフィン2(2)との間の電気的絶縁は、例えば、材料、例えば金属酸化物(例えばアノード処理被覆)、重合体、合成物、および/または他の誘電体を、チューブ4(2)とフィン2(2)との間に介在させることによって達成され得る。チューブ4(2)は、ヒータセクション7(3)、7(4)および7(5)を形成する。
【0021】
氷の分離が望まれるとき、スイッチ12(3)、12(4)および/または12(5)は閉じ、端子18(3)で利用できる電力を、ヒータセクション7(3)、7(4)および/または7(5)にそれぞれ適用する。電力は、チューブ4(2)で熱を生成し、氷6(1)を分離する。装置20(2)において、フィン2(2)は、直接的には(例えば電気的に)加熱されないが、フィン2(2)上の氷は分離する。なぜならば、フィン2(2)は、チューブ4(2)との熱的な接触を介して加熱されるからである。チューブ4(2)を3つのヒータセクション7(3)、7(4)および7(5)に構成することは、ただの例示であり、他の実施形態においては、チューブは3つより少ないかまたは多いヒータセクションに構成されることは理解される。
【0022】
以上論議された装置20(1)のように、装置20(2)を含む冷却ユニットは、氷の分離の前に冷却液8を排出し得ることにより、冷却液を加熱することにより熱が浪費されることを避ける。1つの代替案において、セクション7(3)、7(4)および7(5)は、チューブ4(2)のセクションとして規定されているので、バルブおよびチューブが提供されることにより、冷却液が氷の除かれていないセクションを通って流れ続けることが可能となり、冷却液は、氷の取り除かれているセクションから分離、および/または排出可能となる。装置20(2)(装置20(1)に関連して上に論議されたように、例えばファン)を利用する冷却または冷凍ユニットにおいて動作する他の特徴は、氷の分離と調和し得る。
【0023】
別の代替案において、装置20(2)は、上記セクションが、チューブ4(2)を通る冷却液の動きに従うようにセクションにおける氷を分離し得る。例えば、図4の実施形態において、冷却液は通常、順にセクション7(3)、7(4)および7(5)を通って動き得る。冷却液がチューブ4(2)を通って動くスピードは、装置20(2)を含むユニットの冷却システム設計から決定され得る。冷却液は通常、チューブ4(2)を通って流れる一方、装置20(2)は、電力の第1パルスをセクション7(3)に印加する;第1パルスの継続期間は、セクション7(3)から氷を分離するために十分である。セクション7(3)における冷却液は、第1のパルスによって、生成された熱のいくらかを吸収する。冷却液がチューブ4(2)を通って動くスピードの知識を使用して設定された遅れ時間の後、装置20(2)は次に、電力の第2のパルスを、セクション7(4)に適用し得、それによって、第1のパルス中にセクション7(3)にあった冷却液は、第2のパルス中に、セクション7(4)にあることになる。第1のパルス中に、セクション7(3)において冷却液によって吸収された熱は、第2のパルス中にはセクション7(4)を加熱するのを助け、セクション7(4)から氷を分離するために必要とされる第2のパルスの継続期間を減少させ得る。冷却液がチューブ4(2)を通って動くスピードの知識を使用して設定された遅れ時間の後、装置20(2)は次に、電力の第3のパルスを、セクション7(5)に適用し得、それによって、第2のパルス中にセクション7(4)にあった冷却液は、第3のパルス中に、セクション7(5)にあることになる。第1および第2のパルス中に、セクション7(3)および7(4)において冷却液によって吸収された熱は、第3のパルス中にはセクション7(4)を加熱するのを助け、セクション7(5)から氷を分離するために必要とされる第3のパルスの継続期間を減少させ得る。ここに記述された方法は、冷却液が連続して流れるセクションの任意の数に対して繰り返され得ることは理解される。
【0024】
図5は、パルス電熱氷分離装置20(3)を示す。図5は一定比率では描かれていないことがあり得る。冷却液8(図2A、図2Bを参照)は、冷却チューブ4(3)の中を通り;チューブ4(3)と熱的に接触する冷却フィン2(3)は、冷却液への熱移動を容易にする。わずかいくつかのフィン2(3)のみが、図5において、図示の明確さのためにラベルが付されている。冷却チューブ4(3)および冷却フィン2(3)は、例えば、銅、アルミニュームまたはそれらの合金、または低い熱伝導抵抗を有する他の材料で作られ得る。Aと付されている場所は、図2Aおよび図2Bに示されている部分Aを表現する。氷6(1)(図2A、図2B参照)は、冷却チューブ4(2)およびフィン2(2)のいずれかまたは両方で成長する。装置20(3)において、チューブ4(3)は、図1、ヒータ10の例である。チューブ4(3)は、スイッチ12(6)、12(7)および12(8)とアース16との間で接続して、ヒータセクション7(6)、7(7)および7(8)を形成する。フィン2(3)は、電気的絶縁体または導体で形成され得;導体で形成された場合、フィン2(3)は、チューブ4(3)と電気的に接続されるが、フィン2(3)は、共通のヒータセクション内でのみ接続し、従ってヒータセクションを横切って実質的に等電位に配置されている。氷の分離のために望まれるように、スイッチ12(6)、12(7)および/または12(8)は閉じ、端子18(4)で利用可能な電力をヒータセクション7(6)、7(7)および/または7(8)にそれぞれ印加する。電力はチューブ4(3)において、熱を生成し、氷6を分離する。装置20(3)において、フィン2(3)の電気的な加熱が起こり得るが、付随的である。なぜならば、たとえ導電性があり、かつチューブ4(3)と接続されていても、電流はフィン2(3)をほとんど流れないからである。フィン2(3)上の氷は、最初に分離する(すなわち、図1に関連して上に論議されたように、離すか、または完全に溶解するおよび/または蒸発する)。なぜならばフィン2(3)は、チューブ4(3)との熱的な接触を介して加熱されるからである。チューブ4(3)を3つのヒータセクション7(6)、7(7)および7(8)に構成することはただの例示であり、他の実施形態においては、チューブは3つより少ないかまたは多いかのヒータセクションに構成され得ることは理解される。
【0025】
上に論議された装置20(1)および20(2)を含む冷却ユニットのように、装置20(3)を含む冷却ユニットは、氷の分離の前に冷却液8を排出することにより、冷却液を加熱することで熱が浪費されることを避ける。1つの代替案において、セクション7(6)、7(7)および7(8)は、チューブ4(2)のセクションとして規定されているので、バルブおよびチューブが提供され得て、冷却液が氷の除かれていないセクションを通って流れ続けることが可能となり、冷却液は、氷の取り除かれているセクションから分離され、および/または排出される。装置20(3)(装置20(1)および20(2)に関連して上に論議されたように、例えばファン)を利用する冷却または冷凍ユニットにおいて動作する他の特徴は、氷の分離と調和し得る。装置20(2)に関連して上に記述されたように、氷分離は、氷分離がセクションを通る冷却液に「従う」ように引き続くセクションでタイミングを取って実施される。
【0026】
例#1.単一の1メータチューブを含むパルス電熱氷分離装置が、構築されテストされた。チューブは、1cmの外径および1.4mohmの電気抵抗を有する銅で形成された。装置は、200のアルミニュームフィンを含み、各フィンは、0.19mmの厚さおよび4cm×4cmの面積を有し;フィンは、チューブ上で4mmの間隔で置かれた。T=−10Cでの冷たいグリコールがチューブを流れて、それを冷やしチューブおよびフィンの上に霜を結ばせた。1.4Vの電圧および1000Aの電流でのDC電力のパルスが、4〜5秒の長さで、装置に形成していた霜全てを分離(この場合は、溶解)した。
【0027】
図6は、冷却ユニットの冷却液チューブおよび/または冷却フィンから氷を分離するためのプロセス30の流れ図である。プロセス30は、例えば、パルス電熱氷分離装置20(1)〜20(3)の任意のものによってインプリメントされ得る。ステップ32において、冷却ユニットは冷却モードで動作する。低温度の冷却液は、冷却液チューブを通って循環し、チューブおよび/または冷却フィンを冷却し;熱(例えば、冷却される品目からの熱または壁もしくはユニットにおける開口部からの漏れから拡散する熱)は冷却ユニットからチューブおよび/またはフィンへ移る。冷却ユニット中の空気からの水蒸気は、冷却液チューブおよび/または冷却フィン上に氷として凝結し得る。ステップ34において、通常の冷却モードは、氷を分離するために停止される。ステップ34は随意的であり、特定な冷却ユニットにおいては起こり得ない;例えば、ステップ34は、他のセクションは氷が除かれている間に、特定のセクションにおいて冷却を続けることが望ましいユニットにおいては起こり得ない。ステップ36は、氷が除かれている第1のセクションにおいて、冷却チューブおよび/または冷却フィンを介して、電力のパルスを印加し、その中に集まった氷を分離する(例えば、離す、溶解する、または蒸発させる)。ステップ36の一例は、対応するスイッチ12(1)〜12(8)を閉じることによって、セクション7(1)〜7(8)の任意のものの上に蓄積した氷を分離することである。ステップ38は、氷の分離は完全かどうか、または冷却液チューブおよび/またはフィンの追加的なセクションで氷が除かれるべきかどうかを決定する。氷の分離が完全であれば、方法30は通常の冷却モードをステップ32において再開する。追加的なセクションで氷が除かれるべきである場合、随意的な遅延ステップ38は、1つのセクションの氷の除去で熱を吸収した冷却液が次のセクションに動くことを可能にし、ステップ40は次のセクションの氷を除き、方法30は、ステップ38に戻り、氷の分離は完全かどうかの決定を繰り返す。
【0028】
図7は、チューブとフィンのアセンブリ620のアレイを有する熱交換器600の一実施形態を示し、各アセンブリ620は、図示のように、チューブ606に取り付けられたフィン604を有する。通常の動作において、冷却されるべきガスは矢印614の方向に流れる一方、冷却液は、チューブ606を矢印612の方向に流れる。各チューブ606は、スイッチ610を介して電源608に接続することにより、スイッチ610が閉じる場合は、電流がチューブ606を流れ、熱を生成し;それによって、熱交換器600を除氷するように動作する。図7において、図示の明確さのために、ただ1つのチューブ606が、電気的な接続とともに図示されている。短い電流パルスがチューブ606を通過するとき、ジュール熱がチューブ606の壁内で生成される。チューブ606とフィン604との間には非常に低い熱抵抗があるので、非常に速い速度の熱拡散が、フィン604に起こる。このようにして、チューブ606において生成されたジュール熱は、フィン604の中に伝わり、熱交換器600に成長した氷および/または霜を溶解する。
【0029】
図8は、図7の1つのチューブとフィンアセンブリ620を貫く断面を示し、熱移動計算において利用される特定な幾何学的定義を示す。次の例は、熱拡散速度を示す。ある材料における熱拡散長さ、Lは、
【0030】
【数1】

で与えられ、
ここで、
【0031】
【数2】

であり、tは時間であり、αは材料の熱拡散性であり、kは材料の熱伝導率であり、ρは材料の密度であり、Cは材料の熱容量である。
【0032】
図9は、室温での純粋アルミニュームに対する、熱拡散長さ(m)対時間(s)を図示するチャートを示す。特に、図9は、熱が1秒間に、1.8cmにわたってアルミニュームにおいて拡散し、かつ5秒間に3.9cmにわたって拡散することを示している。従って、この拡散長さは、熱がチューブ606の内側に生成されるとき、約1秒間でフィン604(ここで、フィン604は通常のサイズである)を加熱するのに十分である。
【0033】
この実施形態は、現在冷却産業で使用されている熱交換器の広い範囲内での使用を容易にする。例えば、フィン604の形状は、環状、正方形、ピン状などのうちの1つ以上である。フィン604およびチューブ606は、アルミニューム、銅、ステンレススチール、伝導性の重合体または他の合金のうちの1つ以上で作られ得る。ステンレススチールチューブは、例えば、抵抗加熱を容易にするために使用され得る。なぜならば、ステンレススチールは比較的高い電気的抵抗を有するからである。他の金属および合金も使用され得る。
【0034】
電源608は、十分な電力を供給し得る任意のDCまたはAC電源であり得;特定の実施形態においては、電源608は、低電圧、高電流電源である。例えば、電源608は、バッテリー、スーパーコンデンサのバンク、ステップダウントランス、電子ステップダウントランスなどのうちの1つ以上であり得る。一実施形態においては、電源608は、有益な高周波数電流を生成する。なぜならば、チューブ606の電気的抵抗は、高周波数電流を搬送するとき、表皮効果のために増大されるからである。
【0035】
より均一な電気的加熱を生成するために、フィン604は、チューブ606との良好な熱的な接触を維持する一方で、チューブ606から電気的に分離され得る。例えば、アルミニューム表面上の薄いアノード処理された層、重合体の薄い層、またはエポキシ樹脂接着剤は、そのような薄い電気的な絶縁を形成し得る。
【0036】
上の例で例示されたように、そのようなパルス加熱は、ベースチューブにおける液体冷却剤との対流熱交換、および熱交換器の外側表面上の空気による熱損失を制限する。この熱損失を最小にすることで、平均的な電力要求を減少させ、かつ熱交換器600を停止することなく除氷および霜の除去を可能にする(すなわち、フリーザ、クーラまたは空気調節装置を停止することなく)。十分な周波数で加熱パルスを適用することによって、チューブのフィンおよび外面に成長した氷および霜の薄い層は溶解し、熱交換器表面にはほとんど氷および霜がない状態を維持する。そのようなパルス加熱は、熱交換器の性能および信頼性を(必要とされる起動および停止のサイクルを減少させることによって)向上させる。そのようなパルス加熱はさらに、除氷のために必要とされる電力を減少させ、かつ除氷の間の温度変動を最少にすることによって、冷却庫内に格納された食料の貯蔵寿命を延ばす。
【0037】
アルミニュームで作られ、かつ通常の寸法:内径1cmのチューブ606、壁厚0.30mmのチューブ606、直径36mmのフィン604、厚さ0.5mmのフィン604、およびフィン間の間隔4mmのスペース、を有する図7の熱交換器600を考慮されたい。そのような熱交換器は、質量約330g/m(チューブ606の1メータ長さ当たり)、および合計表面積(フィン604+チューブの外表面)0.47m/m(チューブの1メータ長さ当たりの平方メータ)を有する。チューブ606内の冷媒の温度は−18℃、チューブ606の内面での対流熱交換速度は、1000W/(m2・K)、周囲の空気温度は+5℃、および空気と熱交換器600の外面との間の熱交換率は65W/(m・K)であると仮定されたい。
【0038】
図10に示されているように、3V/mの電界が、チューブ606に印加された場合、アルミニュームの表面を0℃よりも高く加熱するためには、1.4秒より短い時間がかかる。アルミニュームの表面が、0℃よりも高くなると、アルミニュームの表面上に形成された任意の氷または霜は溶解し始める。
【0039】
【表1】

【0040】
【表2】

熱交換器が停止されているとき、パルス加熱中の熱交換器温度は、
【0041】
【数3】

によって決定され、かつ熱交換器が中断なく動作しているとき、パルス加熱中の熱交換器温度は、
【0042】
【数4】

によって決定され、ここで、
【0043】
【数5】

および、
【0044】
【数6】

である。
【0045】
図10は、動作中に加熱パルスによって電力が供給されるとき、ならびに冷却ポンプおよびファンがオフの状態で加熱パルスによって電力が供給されるとき、上にリストされた仮定に従った熱交換器600に対してシミュレーションされた温度対時間を図示するチャートを示す。特に、図10は、霜の除去が、冷却液ポンプまたはファンを停止することなしにうまく実行され得、その理由は、中断のない動作中に霜溶解を開始するためには1.4秒より少ない時間がかかるからである。この例においては、3Vが熱交換チューブ(例えばチューブ606)の1メータセクションに適用され、1.671kWの加熱電力を生成する。チューブは印加された3Vの557.004Aを伝導する。
【0046】
図11は、氷を分離するためのパルスシステムとして構成された熱交換器650を、斜視図で示す。熱交換器650は、例えば、電気的にかつ熱的に伝導性の重合体で形成される。表面654(1)および654(2)は循環する冷却液によって冷却される。空気は矢印662の方向に循環し、冷却表面652、656(1)および656(2)、ならびに、この図ではかくれている、表面652および表面654(2)の反対側の冷却表面を通過する。熱は空気から熱交換器の冷却表面へと移り、次に冷却液へと移り;氷が冷却表面上に形成し得る。薄膜氷検知器653は1つ以上の冷却表面、例えば冷却表面652に取り付けられることにより、氷および/または霜の存在を検知し、氷または霜の厚さを測定し得る。上面658および底面660は熱的に絶縁され、それにより、氷はその上には形成されない。
【0047】
図12は、蓄積された氷6(2)を有し、電源664およびスイッチ666への接続を有する熱交換器650の上面図を示す。動作において、熱交換器650は空気を冷却し、かつ氷6(2)を蓄積し得る。スイッチ666は次に閉じ、熱交換器650を介して電流の加熱パルスを送り;加熱パルスの電力および継続期間は、パルスからのかなりの熱が氷6(2)および熱交換器650の冷却面の中に消散する前に、制御され得、氷−物体境界面を溶解する。熱交換器650が垂直に向けられている場合(例えば、図11および12に示されているように)、加熱パルスが適用された後、重力により氷6(2)は熱交換器650をすべり落ちる。
【0048】
図13は、氷を分離するためのパルスシステムとして構成された熱交換器670を示す。熱交換器670は空気チャネル672を形成し、その空気チャンネル672で、熱が空気から、入口674で交換機670に入り、出口676で交換機670から出る冷却液へ移る。破線F14−F14は、図14に示される断面平面の上部を示している。
【0049】
図14は、図13の破線F14−F14から垂直下方に延びる平面から取られた、熱交換器の670の断面図である。空気が矢印680の方向に熱交換器670を通って流れる。示されたように、冷却面673は空気チャネル672の側面を形成し、熱絶縁678の層は、各空気チャネル672の上部および底部を絶縁する。各冷却面673はスイッチ684を介して電源682と接続する(図示の明確さのために、ただ1つの冷却面673が、接続されているように示されている)。
【0050】
動作において、熱交換器670は、空気を冷却し、冷却面673に氷6(3)を蓄積する。スイッチ684は閉じ得、冷却面673の各々を介して電流の加熱パルスを送り;加熱パルスの電力および継続期間は、パルスからのかなりの熱が氷6(3)の中に、冷却液および冷却面の中に消散する前に、氷−物体境界面を溶解するよう制御され得る。熱交換器670が垂直に向けられている場合(例えば、図13および14に示されているように)、加熱パルスが印加された後、重力により氷6(3)は熱交換器673をすべり落ち得る。
【0051】
熱交換器650および670の変更は、この開示の範囲内であることは理解できる。例えば、熱交換器650の冷却面は、図11および図12に示された形状とは異なる形状であり得、;冷却液は、熱交換器650のチューブまたはチャネルを介して流れ得る。冷却面を電源に接続する代わりに、加熱フォイルまたは加熱フィルムが、熱交換器650または670の冷却面に隣接した誘電体層上に配置され得る。スペースは、加熱フォイルまたは加熱フィルムと冷却面との間でシールされ、かつスペースは交互に空にされて、加熱フォイルまたは加熱フィルムを冷却面と熱的に接触させ、加圧されて、氷の分離中に加熱フォイルまたは加熱フィルムと冷却面との間に空気のギャップを発達させる。冷却面はセクション(例えば、熱交換器20(1)、20(2)および20(3)のような)を形成し得、そのようなセクションは、必ずしもすべてのセクションが所与の時間に加熱パルスを受信しないように、スイッチおよび電源との電気的接続を形成し得る。
【0052】
図15は、氷を分離するためのパルスシステムとして構成されたアコーディオンタイプの熱交換器700の概略的な断面図を示す。熱交換器700において、冷却液706(フレオン、または他の液体)が、熱交換面を形成する冷却フィン704を有する冷却液チューブ702を流れ、周囲の空気と熱を交換する。冷却チューブ702は、フィン704内に冷却液を有しているように示されているけれども、特定の実施形態は、ストレートチューブまたはパイプ(例えば、図17を参照)から横に伸びる熱交換面を有する冷却チューブを有し得る。他の実施形態においては、チューブまたはパイプは蛇行またはジグザグ形状を取り得て、熱交換面(例えば、図19参照)を形成する。冷却フィン704上に形成し得る氷6(4)は、パルス除氷を介して、除去され得る。スイッチ708が閉じるとき、電源710は、熱交換器700を介して電流の加熱パルスを送り;加熱パルスは、フィン704と氷6(4)との間に形成された少なくとも1つの氷−物体境界面を溶解し;加熱パルスは氷6(4)のすべても溶解し得る。単位面積当たりの通常の加熱密度は、約5KW/mから約100KW/mまでである。電流の大きさおよびパルス継続期間は、温度、流速および冷却液の特性(例えば、密度、熱容量および熱伝導率)に基づいて調整され得る。通常のパルス継続期間は、約0.1s〜10sであり得る。電源160は、正規のAC電力コンセント、またはDC電源、例えばバッテリー、コンデンサまたはウルトラコンデンサなどであり得る。スイッチ708は半導体タイプ(パワーMOSFET、IGBT、サイリスタその他)、機械的スイッチ、電磁気的スイッチまたは上記の任意の組み合わせであり得る。加熱パルスの後に残る堅固な氷6(4)は、重力によって(例えば、氷6(4)はフィン704を滑り落ちる)または機械的な作動、例えばスクレーピング、シェイキングまたは熱交換器700に対する空気の吹き付けによって除去され得る。シェイキングは例えば、随意な小さな電気モータ712およびクランクシャフト714によって、随意な電磁気的バイブレータ716によって、または冷却液706に圧力振動を誘発することによって提供され得る。
【0053】
図16は、冷却チューブ720を形成するために取り付けられたフォイルワッシャー722の断面図を示す。冷却チューブ720は、例えば冷却液チューブ702(図15参照)として使用され得る。フォイルワッシャー722は、例えば、1インチの内径および3インチの外形を有する4ミルのステンレススチールフォイルワッシャーであり得、それらの外縁724および内縁726において、はんだ付けされているか、またはスポット溶接されているかいずれかである。従って、各ワッシャー722は、熱交換面を形成する(例えば、1対のワッシャーは1つの冷却フィン704、図15を形成する)。
【0054】
図17は、冷却チューブ730を形成するためにストレートパイプ734に取り付けられたフォイルワッシャー732の断面図を示す。冷却チューブ730は、例えば冷却液チューブ702(図15参照)として使用され得る。フォイルワッシャー732は、例えば、1インチの内径および3インチの外形を有する4ミルのステンレススチールフォイルワッシャーであり得、それらの外縁736および内縁738において、はんだ付けされているか、またはスポット溶接されているかいずれかである;ワッシャー732もパイプ734にはんだ付けまたは溶接され得る。従って、ワッシャー732の各対は、冷却フィン(例えば、冷却フィン704、図15)を形成する。電流のパルスが図15に示されるように誘発されるとき、パイプ734およびワッシャー732の相対的な壁厚は、それらが加熱パワーWの同様な密度を有するように選択され得る。
【0055】
図18は、氷を分離するためのパルスシステムとして構成された別のアコーディオンタイプの熱交換器740を示す。熱交換器740は、周囲の空気と熱を交換する冷却フィン744を有する冷却チューブ742を有する。冷却フィン744上に形成し得る氷6(5)は、熱交換器720に対してと同様に熱交換器740に対しても働くパルス電熱氷分離を介して除去され得る。スイッチ748が閉じるとき、電源746は、熱交換器740を介して電流の加熱パルスを送り;加熱パルスは、フィン744と氷6(5)との間に形成された少なくとも1つの氷−物体境界面を溶解し;加熱パルスはすべての氷6(5)を溶解または蒸発させもし得る。
【0056】
図19は、氷を分離するためのパルスシステムとして構成された別のアコーディオンタイプの熱交換器760を示す。熱交換器760は、周囲の空気と熱を交換する冷却チューブ762を有し;冷却チューブ762は蛇行タイプであり、冷却液は冷却液チューブ762のベンド764を流れて、熱交換表面積を最大とする。冷却チューブ762上に形成し得る氷(図示されず)は、パルス電熱氷分離を介して除去され得る。スイッチ768が閉じるとき、電源766は、熱交換器760を介して電流の加熱パルスを送り;加熱パルスは、フィン764と氷との間に形成された少なくとも1つの氷−物体境界面を溶解し;加熱パルスはすべての氷を溶解しもし得る。
【0057】
熱交換器730、740および760の変更は、この開示の範囲内であることは理解できる。例えば、熱交換器730、740および760の熱交換面は、図17、図18および図19に示された形状とは異なる形状であり得る。チューブおよび/または冷却フィンが電源に接続される代わりに、加熱フォイルまたは加熱フィルムが、そのような表面に隣接した誘電体層上に配置され得る。スペースは、加熱フォイルまたは加熱フィルムと熱交換面との間でシールされ、かつスペースは交互に空にされ得、加熱フォイルまたは加熱フィルムを冷却面と熱的に接触させられ、加圧されて、氷の分離中に加熱フォイルまたは加熱フィルムと冷却面との間に空気のギャップを発達させる。熱交換面は、上に論議されたようなセクションを形成し得;セクションは、必ずしもすべてのセクションが所与の時間に加熱パルスを受信しないように、スイッチおよび電源との電気的接続を形成し得る。
【0058】
薄壁金属チューブおよびフォイルのパルス加熱が、低電圧(1V〜24V)ではあるが高電流(数百または数千アンペア)を有用にも利用し得る。より高い電圧(例えば、120VACまたは240VAC)の直接的な使用が、好ましいとき、より高い電気的抵抗が有利である。より高い抵抗は、ヒータ伝導性フィルムを冷却チューブから分離することによって達成され得る。例えば、フィンを有する熱交換器は、アノード処理されたアルミニュームで作られ得、薄くて高い抵抗の加熱フィルムが、(絶縁性の)アノード処理された層の上部に形成される。加熱フィルムが、CVD、PVD、電界被覆によって、またはペンキによって形成され得る。
【0059】
図20は、管状の製氷機100(1)として構成されたパルス電熱氷分離装置を示す。図20は、一定の比率では描かれていないことがあり得る。Bと表示された管状の製氷機100(1)の一部が、図22により詳細に示されている。製氷機100(1)は、以下にさらに記述されるようなパルス電熱氷分離を使用して収穫される氷のリング6(6)を作る。製氷チューブ110(1)は、フリーザ仕切り(図示されず)内で垂直に向けられる。一実施形態において、チューブ110(1)は、約3〜5インチの長さであり、約1インチの外径を有し、かつ約10ミルの壁厚を有している。チューブ110(1)は、例えば、ステンレススチール、チタン合金、または合成材料、例えばその材料を導電性にするために炭素粒子および/または繊維で満たされた重合体で形成され得る。スプレイヘッド120は、水130をチューブ110(1)にスプレイする。熱伝導フィン140のセットは、熱をコールドフィンガ150を通ってからフリーザ仕切りへと移動させ、その結果、チューブ110(1)の氷成長領域(図20には表示されず;図22を参照)は、水の氷点下温度に達する。図20には、ただ2つの熱移動フィン140が図示されており;より少ないか、またはより多くのフィン140が、効果的な熱移動のために必要とされるようにチューブ110(1)の周囲に配列され得る。コールドフィンガ150および熱移動フィン140は、例えば、銅、アルミニュームまたはそれらの合金で作られている。
【0060】
図22は、より詳細に、管状の製氷機100(1)の部分Bを示す。コールドフィンガ150は、チューブ110(1)を実質的に取り囲み、チューブ110(1)の内側の周囲に連続する、対応する氷成長場所112(1)を定義する。氷成長領域112(1)は、氷分離領域115(1)によって分離され;氷は、領域115(1)において成長しない。氷分離領域115(1)は、コールドフィンガ150に隣接しないエリアとして定義され得るか、または温度制御要素118が、領域115(1)においてチューブ110(1)の温度を上げるために提供され得る。例えば、温度制御要素118は、領域118から熱伝導フィン140への熱の流れを阻害する絶縁であり得る。あるいは、温度制御要素は、氷分離領域115(1)の温度を上げるヒータであり得る。
【0061】
図20を再び参照して、氷6(6)は、水130がチューブ110(1)を流れるとき、コールドフィンガ150に隣接して成長する。凍結しない余剰水155は、分離スクリーン160を通過して保持タンク170の中に入り、そこで余剰水155は給水190に加わる。凍結して氷6(6)となり、従って、給水190に戻らない水130は、給水バルブ230によって制御される給水220によって補充される。保持タンク170のポンプ200は、水190を、チューブ205を経由してスプレイヘッド120へと汲み上げ、上記のようなプロセスを始める。随意的なヒータ210は、水190の凍結を防ぐために利用され得る。
【0062】
氷リング6(6)は、スイッチ12(9)を閉じて、電源14(1)からチューブ110(1)に電力を供給することによって収穫される。図20は、スイッチ12(9)を介してチューブ110(1)の上端を電源14(1)の片側に結合するバスバー125と、アース16に接続されたチューブ110(1)の下端とを示し;しかしながら、電力とアースの接続は逆転され得ることは理解される。一実施形態において、約10ミルの厚さを有するステンレススチールで形成されたチューブ110(1)に対して、スイッチ12(9)は、約1秒間閉じ、約1〜6ボルトAC、および約300アンペア電流の電力のパルスを供給する。チューブ110(1)において消散する電力は、水の氷点よりも上にチューブ110(1)の温度を上げ、それによって、氷リング6(6)の少なくとも1つの境界面層は溶解し、氷リング6(6)はチューブ110(1)から分離し(この場合離れること)、かつ重力が、氷リング6(6)を下方にチューブ110(1)から引き離す。
【0063】
チューブ110(1)の電気抵抗は、電源14(1)の電圧および電流容量ならびにスイッチ12(9)との互換性で選択されることは理解される。例えば、低電気抵抗を提示するチューブ110(1)により、高電流、低電圧電源14(1)およびスイッチ12(9)の使用が必要となり得、より高い抵抗を有する製氷チューブ110(1)により、より高い電圧およびより低い電流に対して構成された電源14(1)およびスイッチ12(9)の使用が可能となり得る。一実施形態において、チューブ110の電気抵抗は、営利的に利用可能なライン電圧、例えば110−120VACまたは220−240VACが電源14(1)として役立つように最適化される。
【0064】
従って、チューブ110(1)は、ヒータ10、図1の一例である。分離スクリーン160は、氷リング6(6)を、収穫された氷リング6(7)として収集ビン180の中に導く。
【0065】
本明細書に記述されたように成長する氷6(6)は、チューブ110(1)から滴る余剰水155の中に溶解した空気および汚染物質が入り込むのを拒絶し得る。従って、氷リング6(6)(および収穫された氷リング6(7))は高品質および高透明度であり得る。溶解した空気および汚染物質は、水190に蓄積し得;従って、製氷機100(1)は、排水240を含み得、排水バルブ250によって制御され、定期的に水190の少なくとも1部を排水する。排水された水は、給水220から補充される。代替案の実施形態(図示されず)においては、保持タンク170およびポンプ200は削除され;給水220は、直接的にスプレイヘッド120を提供し、かつ余剰水155は単に排水されるだけである。
【0066】
図21は、管状の製氷機100(2)として構成されたパルス電熱氷分離装置を示す。図21は、一定の比率では描かれていないことがあり得る。Cと表示された管状の製氷機100(2)の一部が、図23により詳細に示されている。製氷器100(2)は、管状の製氷機100(1)の対応する要素と同一であり、従ってまったく同じように番号が付されている特定の要素を含む。管状の製氷機100(2)は、冷却液チューブ260(1)を使用して、氷の成長領域(図23参照)を冷却する。冷却液チューブ260(1)は、例えば、銅、アルミニュームまたはそれらの合金で作られ得る。誘電体層270は電気的にチューブ110(2)を、冷却液チューブ260(1)から分離するが、チューブ110(2)からチューブ260(1)への熱の移動に最小の影響を与える。誘電体層270は、例えば、ポリイミドで、または熱伝導性の繊維もしくはパウダ、アルミナ繊維もしくはパウダ、ガラス繊維、もしくは窒化ホウ素パウダで満たされた重合体で形成され得る。氷6(8)は、水130がチューブ110(2)を流れるとき、チューブ260(1)に隣接して成長し;氷リング6(8)は、スイッチ12(9)を閉じて、電力を電源14(1)からチューブ110(2)に供給することによって収穫され;かつ分離スクリーン160は氷リング6(8)を収集ビン180に、収穫された氷リング6(9)として導き、これらは、製氷システム100(1)において、氷が成長しかつ収穫される方法と同様な方法で行われる。
【0067】
図23は、より詳細に、管状の製氷機100(2)の部分Cを示す。冷却液チューブ260(1)の各々は冷却液290を流し、かつ対応する氷成長場所112(2)を定義するコールドフィンガ280を有する。氷成長領域112(2)は、氷分離領域115(2)によって分離され;氷は、領域115(2)において成長しない。氷分離領域115(2)は、図23において、コールドフィンガ280に隣接しないエリアとして定義される。しかしながら、温度制御要素118が、図22に示されたのと同じ方法で、領域115(2)におけるチューブ110(2)の温度を上げるために提供され得る。
【0068】
図24は、管状の製氷機100(3)として、構成されているパルス電熱氷分離装置の断面側面図である。図24は、一定比率では描かれていないことがあり得る。製氷機100(3)の部分Dが、図25においてより詳細に示されている。製氷機100(3)の断面上面図は、図24の破線F26−F26を通って取られ、図26に示されている。製氷器100(3)は、管状の製氷機100(1)および100(2)の対応する要素と同一であり、従ってまったく同じように番号が付されている特定の要素を含む。製氷機100(3)は、熱移動プレート280(例示の明確さのために、熱移動プレート280および氷6(10)の一部のみが、図24においてラベルが付されている)とともに取り付けられるいくつかの製氷チューブ110(3)の各々において氷リング6(10)を作る。チューブ110(3)は、例えば、ステンレススチールまたはチタン合金で形成され得る。熱移動プレート280は、例えば、銅、アルミニュームまたはそれらの合金で作られ得る。冷却液チューブ260(2)は、熱移動プレート280から、およびチューブ110(3)から熱を除去する冷却液を循環させる。チューブ205は、各チューブ110(3)の内面に水をスプレイするスプレイヘッド120を提供する。氷リング6(10)に収穫の準備ができているとき、スイッチ12(10)は、電源14(2)からバスバー125の各々に、次にチューブ110(3)の各々を介してアースに通じる電力のパルスを結合する。上記電力によってチューブ110(3)の各々において生成された熱は、各氷リング6(10)の少なくとも1つの境界面層を溶解して氷リングを分離し、それによって、氷リングはチューブ110(3)から落ちる。凍っていない水を収穫された氷から分離し、保持タンクの凍っていない水を捕らえ、保持タンクの水を排水し、補充し、スプレイヘッド120に水を汲み上げ、およびいつ氷は収穫の準備ができているかを決定するための対策は、図20および図21に図示された対策と同じであり得ることは理解される。
【0069】
図25は、管状の製氷機100(3)の部分Dの一実施形態をより詳細に示す。氷6(10)は、製氷チューブ110(3)に直接隣接して成長する。誘電体層295は、チューブ110(3)と熱移動プレート280との間に配置されて、チューブ110(3)をプレート280から電気的に分離する。誘電体層295は、例えば、デュポンから入手可能な銅290の層間にあてがわれたポリイミドフィルムであり得る。あるいは、誘電体層295は、熱伝導性の繊維もしくはパウダ、アルミナ繊維もしくはパウダ、ガラス繊維、または窒化ホウ素パウダで満たされた重合体を含み得る。銅層290は、はんだ285の層で、チューブ110(3)および熱移動プレート280に付着し得る。例えば、チューブ110(3)は、最初にはんだフォイルで包み、次に銅層290間にあてがわれたポリイミドフィルム295でそれを包み、次にはんだフォイルで再び包むことによって準備され得る。この方法で準備された複数のチューブ110(3)は、熱移動プレート280における穴に挿入され得、次に、アセンブリ全体は炉に置かれ得て、はんだ285をチューブ110(3)、銅層290および熱移動プレート280へ再び流す。
【0070】
別の実施形態において、熱移動プレート280は、誘電性のフィルムに対してはんだづけすることによる代わりに、誘電性かつ熱伝導性の接着剤でチューブ110(3)に組み立てられるセクションに分離され得る。
【0071】
図26は、図24に図示された線F26−F26に沿った、管状の製氷機100(3)の断面上面図である。図26は、一定比率で描かれないことがあり得る。製氷チューブ110(3)および冷却液チューブ260(2)の各々は1つ以上の熱移動プレート280を通る。図26は、19の製氷チューブ110(3)と54の冷却液チューブ260(2)の六角形のアレイとを示すけれども、製氷チューブ110(3)、冷却液チューブ260(2)および熱移動プレート280の他の数および配列が、意図された製氷容量を達成するために、または意図された場所に適合するために利用され得る。製氷器100(3)はこのようにして、製氷チューブ110(3)のアレイを形成し、氷6(10)は、(図26において示された線F24−F24に沿った、製氷機100(3)の断面図を表す)図24に示されるように、製氷チューブ110(3)と熱移動プレート280との各交差点において成長する。
【0072】
本明細書に開示された管状の製氷機100(例えば、管状の製氷機100(1)、100(2)および100(3)のうち任意のもの)の代替案の実施形態は、本開示を十分に読み、かつ理解すれば明らかであり、本開示の範囲内である。例えば、チューブ110(例えば、チューブ110(1)、110(2)または110(3))のうちの任意のもの)は、断面が円形であり得、または他の断面形状であり得、かつ対応する氷形状、例えば正方形、長方形、楕円形、三角形または星型の氷を生成し得る。スプレイヘッド120は、スプレイ水130のための1つ以上のノズルによって取って代わられ得、またはチューブ110の内面に水130を注ぎまたは他の方法で導入するための1つ以上の要素によって取って代わられ得る。バスバー125は、図20および図21に示されたようにチューブ110の円周外に位置し得、または図24に示されるように、チューブ110の円周内に位置し得る。コールドフィンガ150は、氷成長領域112(1)から熱を移動するために十分であり得、その結果、熱伝導フィン140は必要とされない。氷の形成を感知し、氷6(6)、6(8)または6(10)をいつ収穫すべきかを決定する装置が設けられ得;例えば、容量的に氷を感知することによる装置、光学的に氷を感知することによる装置、氷の重量を決定することによる装置、経過した製氷時間を決定することによる装置、または水の流れが氷によって阻害されたことを決定することによる装置である。収集ビン(例えば、ビン180)内に収穫された氷のレベルを決定し、十分な氷が収集ビン内にあるときは製氷を停止する装置が設けられ得る。分離スクリーン160は、氷リングが収穫されるとき氷リングを捕らえるが、それ以外のときはチューブ110の下から離れている可動要素によって取って代わられ得る。分離スクリーン160は加熱され得ることにより、水の収集をさえぎる氷の好ましくない蓄積を避け得る。ポンプ200、ヒータ210、供給バルブ230、排水バルブ250、温度制御要素118および/またはスイッチ12(9)は、コントローラ(例えば、マイクロプロセッサ;なかでも、製氷機100が位置するフリーザを動作させるマイクロプロセッサ)によって動作され得る。温度センサが利用され得て、データを提供し、それにより、マイクロプロセッサは、製氷機100および/またはフリーザの要素の動作を、または製氷機100が位置する他の設備スペースを最適化し得る。製氷機100(3)のチューブ110(3)は、個別にまたはグループで、電気的に接続され得、それにより氷6(10)は、1つのチューブ110(3)またはチューブ110(3)の1つのグループから一度に収穫される。チューブ110(3)の全部よりも少ないものから氷6(10)を同時に収穫すると、電流取り扱い容量が減少し得、従って、氷収穫に必要な電流の生成かつスイッチ操作に関連するコンポーネントのサイズ、重量および/またはコストが減少する。
【0073】
管状の製氷機として構成されたパルス電熱氷分離装置のさらに他の実施形態は、1つ以上の製氷チューブ110と熱的に接触するヒータを利用する。そのような実施形態は、製氷チューブ110のための広く様々な材料のうち任意のものを有利に利用し得る。例えば、一実施形態において、管状の製氷機は、ステンレススチールもしくは他の金属、ガラス、プラスチック、重合体、テフロン(登録商標)、セラミックもしくは炭素繊維材料、またはそれらの合成物もしくは組み合わせで形成された製氷チューブ110を含む。製氷チューブ110は、チューブの周りを包む柔軟なヒータ要素によって加熱され得ることにより、そこで形成された氷を分離する。適切なヒータ要素は、金属対誘電体ラミネート、例えばインコネルをあてがったキャプトンラミネートを含みえる。製氷チューブ110の周りを包むヒータ要素を利用することによって、設計オプション、例えば、ヒータ特性(例えば、高い電流、高いコスト電源は利用する必要のないような、より高い電気抵抗)から独立してチューブの材料特性(例えば耐腐食性、抗菌特性)を最適化することが可能となる。伝導性チューブ110が利用されるとき、チューブの伝導性は電源14およびスイッチ12のデザインにおいて考慮されるか、またはチューブはヒータ要素から電気的に分離されるか、いずれかであることを確実にするように設計において注意がなされ得る。ヒータと製氷チューブ110との間での熱抵抗、ならびに冷却液チューブ260もしくは熱伝導フィン140、ヒータ、および製氷チューブ110の間での熱抵抗は低いことが有利であり、それによって、製氷効率は高くなり、かつ氷の収穫のために必要とされる電力は低くなる。
【0074】
図27は、製氷機300(1)として構成されたパルス電熱氷分離装置の断面図である。図27は一定比率では描かれていないことがあり得る。製氷機300(1)の一部分Eは、図28においてより詳細に示される。製氷機300(1)は、冷却チューブ320を流れる冷却液(図示されず)によって冷却される蒸発器プレート310(1)およびフィン330を含む。フィン330は、図示のように製氷ポケット335を分割する。水が、プレート310(1)および/またはフィン330に隣接して導入され、氷6(11)に凍結する(図示の明確さのために、チューブ320の一部、フィン330、製氷ポケット335および氷6(11)のみが、図27でラベル付けされている)。蒸発器プレート310(1)、冷却チューブ320および/またはフィン330は、例えば、銅、アルミニュームまたはそれらの合金で作られ得る。製氷機300(1)は、さらに以下に記述されるようなパルス電熱氷分離を用いて氷6(11)を収穫する1つ以上のヒータ340(1)も含む。ヒータ340(1)は、従ってヒータ10、図1の例である。
【0075】
図28は、製氷機300(1)の部分Eをより詳細に示す。層の相対的な厚さは、図28では一定比率で描かれていないことがあり得る。ヒータ340(1)は、抵抗加熱層344(1)および誘電体層342(1)を含む。加熱層344(1)は、例えば、適度に抵抗のある金属、例えばステンレススチールまたはチタン合金の層で、または良導電体、例えば銅の薄い層で形成され得る。誘電体層342(1)は、電気的な絶縁体ではあるが、高い熱伝導性を有し、従ってプレート310(1)への熱移動を容易にしながら、プレート310(1)から加熱層344(1)を電気的に絶縁するのに役立つ材料で形成されるのが有利である。一実施形態において、ヒータ340(1)は、プリント回路基板であり、誘電体層342(1)は、誘電体層、例えばエポキシ樹脂ガラス、ポリイミド、ポリイミドガラスまたはテフロン(登録商標)であり、加熱層344(1)は導電体、例えば銅である。
動作において、製氷機300(1)は、収穫が望まれるまで、氷を成長させ、次に電力を加熱層344(1)に結合する。層344(1)によって生成される熱は、素早くプレート310(1)およびフィン330を加熱し、氷6(11)を分離する。氷6(11)が収穫されると、電力は加熱層344(1)から切り離されることにより、製氷は再び開始され得る。
【0076】
図29は、製氷機300(2)として構成されたパルス電熱氷分離装置の断面図である。図29は一定比率では描かれていないことがあり得る。製氷機300(2)の一部Fは、図30においてより詳細に示されている。製氷機300(2)は、製氷機300(1)の対応する要素と同一であり、従ってまったく同じように番号が付されている特定の要素を含む(図示の明確さのためにチューブ320、フィン330、製氷ポケット335および氷6(12)の一部のみが、図29でラベル付けされている)。製氷機300(2)は、蒸発器プレート310(2)の表面315(図30参照)を実質的に覆う単一のヒータ340(2)を有し;ヒータ340(2)は、プレート310(2)と冷却液チューブ320との間に配置されている。ヒータ340(2)の設置は、表面315のすべてに点において熱を提供することによって、氷収穫効果を向上させる。蒸発器プレート310(2)、冷却液チューブ320および/またはフィン330は、例えば、銅、アルミニュームまたはそれらの合金で作られ得る。
【0077】
図30は、製氷機300(2)の部分Fをより詳細に示す。図30は一定比率で描かれていないことがあり得る。ヒータ340(2)は、抵抗加熱層344(2)および誘電体層342(2)を含む。誘電体層342(2)は、電気的な絶縁体ではあるが、高い熱伝導性を有し、従ってプレート310(2)への熱移動を容易にしながら、プレート310(2)から加熱層344(2)を電気的に絶縁する材料で形成されるのが有利である。例えば、誘電体層342(2)は、ポリイミド、熱伝導性の繊維もしくはパウダで満たされた重合体、アルミナ繊維もしくはパウダ、ガラス繊維、または窒化ホウ素パウダを含みえる。図30は、加熱層344(2)とチューブ320との間に配置された随意的な誘電体層342(3)も示す。誘電体層342(3)は、層344(2)の電気抵抗を制御するためにチューブ320から加熱層344(2)を電気的に絶縁するために使用され得る。あるいは、誘電体層342(3)は削除され得ることにより、チューブ320は層344(2)と電気的に結合する。
【0078】
動作において、製氷機300(2)は、収穫が望まれるまで、氷6(12)を成長させ、次に電力を加熱層344(2)に結合する。層344(2)によって生成される熱は、素早くプレート310(2)およびフィン330を加熱し、氷6(12)を分離する。氷6(12)が収穫されると、電力は加熱層344(2)から切り離されることにより、製氷は再び開始され得る。
【0079】
図31は、氷を分離するための熱格納装置を含む冷凍ユニット400(1)の要素を概略的に示す。図31は、一定比率で描かれていないことがあり得る。冷凍ユニット400(1)は、冷却液を圧縮するために圧縮機410を有する。冷却液は圧縮機410を出る際には高温であり、タンク440内のチューブ412を通り、タンク440内で冷却液は加熱液体445に熱を移動させる(加熱液体445だけを移動させる、冷凍ユニット400(1)の要素が、図31において網目状の陰影として示されている)。加熱液体445は、−20Cより低い氷点、および60Cよりも高い沸点を有する液体、例えばアルコール、水/グリコール混合物または塩水であることが好ましい。冷却液は、チューブ415でタンク440を出て、凝縮器420内でさらに多くの熱を移動させる。チューブ415は、膨張バルブ420へと続き、そこで冷却液は急速に膨張し、氷点下温度まで冷却される。膨張バルブ420の後、冷却液はチューブ430の中に入り、図31において破線405によって示されたフリーザ仕切りの中に入る。冷却チューブ430は、製氷機の一部の蒸発器プレート435と熱的に接触し、これから熱を移動し去る。破線F32−F32は、図32において断面で示されている蒸発器プレート435における平面を表す。冷却チューブ430を通った後、冷却液は圧縮機410へ戻り、冷却液を圧縮し、冷却液を冷却し、かつ蒸発器プレートを冷却するサイクルを繰り返す。
【0080】
冷凍ユニット400(1)は、氷を作る一方で、加熱液体445はタンク440内において、冷却液から廃棄熱を集めて保持する。出口バルブ450およびポンプ455は、タンク440から加熱チューブ460(1)の中に入る加熱液体445の移動を制御する。チューブ430のように、加熱チューブ460(1)は蒸発器プレート435と熱的に接触する。氷の収穫が望まれるとき、冷凍ユニット400(1)は、出口バルブ450を開き、かつポンプ455を起動し、加熱チューブ460(1)を通して、加熱液体445を汲み上げて、それによって、収穫のため蒸発器プレート435から氷を分離する熱パルスを生成する。
【0081】
図32は、図31における破線F32−F32に沿った断面図である。図示のように、蒸発器プレート435は、交互に冷却液チューブ430および加熱チューブ460(1)と結合する。加熱液体445が通る加熱チューブ460(1)内の通路は、図31との一貫性のために、図32において網目状に陰影が施されている。蒸発器プレート435の反対側には、製氷中に熱を氷6(13)から移動し去るフィン330がある。
【0082】
図31は、冷却液チューブ430を示し、冷却液チューブ430は、冷却チューブ430と加熱チューブ460(1)とが蒸発器プレート435を交互に横切るように、フリーザ仕切り405内のマニホールド432として配列されている。代替案の実施形態においては、冷却チューブおよび加熱液体チューブは、蛇行する対として蒸発器プレート435を横切るが、そのような実施形態は冷却液チューブ、加熱液体チューブまたは両方が「背中合わせ」の配列を形成する内側のカーブを有し得る。そのような配列は、製氷または氷収穫がそれぞれより多くの時間および/またはエネルギーを必要とする「暑い」または「冷たい」エリアを形成し得る。加熱チューブ460(1)も、マニホールドを形成し得ることにより、または単一チューブ430および460(1)が、蒸発器プレートの各端で交差し得ることにより、「背中合わせ」の配列を形成することを避けることは理解される。
【0083】
図31および図32に描かれた冷凍ユニット400(1)の性能が、シミュレーションされた。457mm×432mmの寸法の蒸発器プレートが仮定された。加熱チューブ460(1)は16mmの内径、および7.7mの長さを有する銅チューブとして仮定された。加熱液体445は、水とグリコールの等量混合物として仮定された。タンク440内の加熱液体445は、60Cの温度に到達することが仮定された。シミュレーションは、ポンプ455において10ワットの電力を消費することによって、0.9リットルの水/グリコール混合物を、水/グリコール混合物を0.223バールの圧力に到達させて汲み上げることにより、2秒間で氷が収穫され得たことを示した。これは、営利的な製氷機における氷収穫のために必要とされるエネルギーに対して極めて有利に匹敵し、営利的な製氷機は、1〜2kWの電力を60〜300秒間消費し得る。氷収穫において消費されるエネルギーの減少は、時間に対するより高い製氷率、およびより低いエネルギーコストを生じる。
【0084】
図33は、氷を分離するための熱格納装置を含む冷凍ユニット400(2)の要素を概略的に示す。図33は、一定比率では描かれていないことがあり得る。製氷機400(2)は、製氷機400(1)の対応する要素と同一であり、従ってまったく同じように番号が付されている特定の要素を含む。製氷機400(2)において、タンク440は、蒸発器プレート435よりも高いレベルに位置することにより、出口バルブ450が開くとき、重力が加熱液体445を加熱チューブ460(1)の中に流入させて、氷を蒸発器プレート435から開放する。加熱チューブ460(1)は、その直径を大きくすることにより、加熱液体445が加熱チューブ460(1)を素早く流れることを容易にし得る点で有利であり;素早い流れは、プレート435の素早い温まりを生じ、プレート435から氷が素早く開放されることをもたらす。製氷機400(2)は、蒸発器プレート435よりも低いレベルに位置する加熱液体槽465を含むことにより、加熱液体445は、加熱チューブ460(1)を通った後槽465のなかに排水される。ポンプ470は、加熱液体445を汲み上げて、チューブ475および随意的な入口バルブ452を経由して、再使用のためにタンク440に戻す。ポンプ470は、高い容量である必要はない。なぜならば、加熱液体445のタンク440への移動は、別の氷収穫が行われるまで、完了する必要はないからである。
【0085】
本明細書に開示された冷凍ユニット400(例えば、冷凍ユニット400(1)または400(2)のいずれか)の代替案の実施形態は、本開示を十分に読み、かつ理解すれば明らかであり、本開示の範囲内である。例えば、冷凍ユニット400は、特定の実施形態においては、氷収穫の継続期間の間に圧縮機410を止め得る。しかしながら、熱は一般的に、わずか数秒間氷収穫のために適用されるだけなので、特定の実施形態では、収穫中、圧縮機410を動かし続けて、スタート/停止サイクル中に圧縮機410によって生じる磨耗を減らし、かつ蒸発器プレート435の熱回復を速めることにより、製氷が収穫後直ちに再開し得るようにする。バルブまたはポンプが、エネルギーを節約するために氷収穫中を除いて加熱液体を加熱チューブ460(1)から排出するのに提供され得る。もしそうでない場合、そのエネルギーは製氷中に加熱チューブ460(1)内の加熱液体445を冷却することに、および氷収穫中にタンク440に戻る同じ量の流体445を冷却することに費やされる。一実施形態において、図31に示されたコンポーネントを利用して、タンク440は、蒸発器プレート435よりも低く配置されることにより、重力が、ポンプ455が動作しているときを除いて、加熱液体445をタンク440に戻して排出する。別の実施形態において、図33に示されたコンポーネントを利用して、タンク440ならびにバルブ450および452は、加圧されるとき加熱液体445およびその蒸気を含むように適合される。チューブ412内の冷却液が、加熱液体445およびタンク440内のその蒸気を加熱する時、圧力が高まり、その結果、出口バルブ450が開くときに、蒸気圧が加熱液体445を迅速に押して、氷分離および収穫のためにチューブ460を通す。十分な加熱液体445が、チューブ460のなかに押し込まれた後、出口バルブ450は閉じて、入り口バルブ452は開き、かつポンプ470は、加熱液体を槽465からタンク440に戻し始め得る。
【0086】
図34は、熱格納氷分離装置500を示す。装置500は、下に記述されるように、冷却液8(図2A、図2B参照)が流れる冷却液チューブ4(4)、冷却フィン2(4)、および、加熱液体445(図31、図33を参照)が氷分離のために流れる加熱チューブ460(2)を含む。わずかいくつかのフィン2(4)のみが、図34において、図示の明確さのためにラベル付けされる。冷却液4(4)、冷却フィン2(4)および/または加熱チューブ460(2)は、例えば、銅、アルミニュームもしくはそれらの合金で、または低い熱抵抗率を有する他の材料で作られ得る。Aと付されている場所は、図2Aおよび図2Bと示されている部分Aを表現する。
【0087】
パルス電熱氷分離装置20(1)(図3参照)のように、装置500は、通常の動作中、熱を冷却液に移動させ、従って氷6はチューブ4(4)、フィン2(4)および/または加熱チューブ460(2)上に形成する(図2A、図2B参照)。氷分離が望まれるとき、加熱液体445(図31、図33参照)は加熱チューブ460(2)、加熱装置500を流れ、氷を分離する。図34における3つのチューブ4(4)および2つの加熱チューブ460(2)の図示は、例示のみであり、チューブ4(4)および460(2)の任意の数が氷分離装置に含まれ得ることは理解される。当業者は、熱格納氷分離装置500、図34と、冷凍ユニット400(1)および400(2)のチューブ430および460を有する蒸発器プレート435、図31および図33との間の類似性に気付く。
【0088】
図35は、熱格納氷収穫を利用する冷凍ユニットを動作させるためのプロセス550の流れ図である。プロセス550は、例えば、冷凍ユニット400(1)または400(2)のいずれかによって、インプリメントされ得る。ステップ560において、冷凍ユニットは、製氷モードで動作する。圧縮機は、冷却液を圧縮し、冷却液は、熱を加熱液体へ移動させ、熱を圧縮機へ移動させ、膨張バルブを通り、製氷機の冷却チューブを通って循環し、水を凍結させ、氷を形成する。ステップ560の例は、(1)チューブ412を通り、熱をタンク440内の加熱液体445に移動させ、(2)熱を凝縮機420へ移動させ、(3)膨張バルブ420を通り、かつ(4)チューブ430内を循環して、水を凍結させ、氷を形成する冷却液を圧縮する圧縮機410である。ステップ565においては、冷凍ユニットはいつ氷を収穫するべきかを決定する。氷を収穫するべきときは、プロセス550は、ステップ570に従い、そうでない場合は、製氷が、ステップ560において続行する。ステップ570においては、圧縮機は氷収穫プロセス中は、運転を停止する。ステップ570の例は、圧縮機410停止である。ステップ570は随意であり、特定の冷却ユニットにおいては起こり得ず;例えば、ステップ570は、繰り返される起動および停止のために、圧縮機に過度の摩滅および裂傷を受けるユニットにおいては起こり得ない。ステップ575は、加熱液体を加熱チューブに流し、氷を分離する(例えば、氷を離し、溶解し、かつ/または蒸発させる)。ステップ575の例は、出口バルブ450を動作させるか、またはポンプ455を動作させるかして、加熱液体445をチューブ460に流す。加熱液体は、氷の少なくとも1つの境界面層を溶解して、これを分離する。ステップ580は、加熱チューブから加熱液体を排水するかまたは排出する。ステップ580の例は、(1)ポンプ455を停止することによって、加熱液体445は、重力の力によってタンク440へ戻り(図31参照)、かつ(2)出口バルブ450を閉じることによって、加熱液体445は、重力の力によってタンク465へ排水する(図33参照)。氷の分離が終了すると、プロセス550は、ステップ560において、通常の製氷モードを再開する。
【0089】
上記されたような変化、およびその他は、本明細書に記述されたパルス電熱および熱格納氷分離装置において、この範囲から逸脱することなく作り得る。従って、上記に含まれまたは添付の図面に示された事柄は、限定的意味としてではなく、例示として解釈されるべきことには留意される。添付の特許請求の範囲は、本明細書に記述されたすべての一般的な特徴および特定の特徴だけでなく、言語の問題としてそれらの間にある本発明の方法とシステムの範囲のすべての記述をカバーするように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】図1は、1つのパルス電熱氷分離装置を、実施形態に従って概略的に示す。
【図2A】図2Aは、図1のパルス電熱氷分離装置の部分Aを示す。
【図2B】図2Bは、図1のパルス電熱氷分離装置の部分Aを示す。
【図3】図3は、1つのパルス電熱氷分離装置を、実施形態に従って示す。
【図4】図4は、1つのパルス電熱氷分離装置を、実施形態に従って示す。
【図5】図5は、1つのパルス電熱氷分離装置を、実施形態に従って示す。
【図6】図6は、冷却ユニットの冷却チューブおよび/または冷却フィンから氷を分離するためのプロセスの流れ図である。
【図7】図7は、チューブに取り付けられたフィンのアレイを有する熱交換器の1つの実施形態を示す。
【図8】図8は、1つのチューブおよびフィンアセンブリを通る断面図を示す。
【図9】図9は、室温での純粋なアルミニュームに関する熱拡散長さ対時間を示す図である。
【図10】図10は、(a)動作中加熱パルスによって電力を供給されかつ(b)冷却ポンプおよびファンがオフの状態で加熱パルスによって電力が供給された場合の、アルミニューム熱交換機に関する温度対時間を示す図である。
【図11】図11は、実施形態に従って、氷を分離するためのパルスシステムとして構成された1つの熱交換器を、斜視図で示す。
【図12】図12は、蓄積された氷、ならびに電源およびスイッチへの接続を有する図11の熱交換器の上面図を示す。
【図13】図13は、実施形態に従って、氷を分離するためのパルスシステムとして構成された1つの熱交換器を示す。
【図14】図14は、図13の熱交換器の断面図を示す。
【図15】図15は、実施形態に従って、氷を分離するためのパルスシステムとして構成されたアコーディオンタイプの熱交換器を示す。
【図16】図16は、冷却チューブを形成するために取り付けられたフォイルワッシャーの断面図を示す。
【図17】図17は、冷却チューブを形成するために、ストレートパイプへ取り付けられたフォイルワッシャーの断面図を示す。
【図18】図18は、実施形態に従って、氷を分離するためのパルスシステムとして構成された別のアコーディオンタイプの熱交換器を示す。
【図19】図19は、実施形態に従って、氷を分離するためのパルスシステムとして構成された別のアコーディオンタイプの熱交換器を示す。
【図20】図20は、実施形態に従って、管状の製氷機として構成された1つのパルス電熱氷分離装置を示す。
【図21】図21は、実施形態に従って、管状の製氷機として構成された1つのパルス電熱氷分離装置を示す。
【図22】図22は、図20の管状の製氷機の一部を示す。
【図23】図23は、図21の管状の製氷機の一部を示す。
【図24】図24は、実施形態に従って、管状の製氷機として構成された1つのパルス電熱氷分離装置の断面側面図を示す。
【図25】図25は、図24の管状の製氷機の一部の1つの実施形態を、より詳細に示す。
【図26】図26は、図24の管状の製氷機の断面上面図を示す。
【図27】図27は、実施形態に従って、製氷機として構成された1つのパルス電熱氷分離装置の断面図である。
【図28】図28は、図27の製氷機の一部を、より詳細に示す。
【図29】図29は、実施形態に従って、製氷機として構成された1つのパルス電熱氷分離装置の断面図である。
【図30】図30は、図29の製氷機の一部を、さらに詳細に示す。
【図31】図31は、実施形態に従って、氷を分離するための熱格納装置を含む冷凍ユニットの要素を示す。
【図32】図32は、図31に示された蒸発器プレートの断面図である。
【図33】図33は、実施形態に従って、氷を分離するための熱格納装置を含む冷凍ユニットの要素を示す。
【図34】図34は、熱格納氷分離装置を示す。
【図35】図35は、熱格納氷収穫を利用する冷凍ユニットを動作させるためのプロセスの流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス電熱氷分離装置であって、
冷却ユニットの1以上の冷却液チューブと、
該冷却液チューブと熱的に接触した複数の冷却フィンであって、該チューブまたは該複数のフィンの一方または両方が抵抗ヒータを形成する、複数の冷却フィンと、
該抵抗ヒータに電力を印加するための1つ以上のスイッチであって、該抵抗ヒータは熱を発生することにより、該チューブと該複数のフィンの少なくとも1つから氷を分離する、1つ以上のスイッチと
を備えた、パルス電熱氷分離装置。
【請求項2】
前記抵抗ヒータは、複数のヒータセクションを備え、
前記1つ以上のスイッチは、複数のスイッチを備え、
該スイッチは、該ヒータセクション個々に電力を印加するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電力は、少なくとも1つのヒータセクションに印加され、一方冷却液は、別のヒータセクションの冷却チューブを流れ続けるように構成された、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記チューブと前記フィンとは、電気的に互いに分離されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
重合体被覆、熱伝導性接着剤、金属酸化物および合成材料フィルムのうちの少なくとも1つによって形成された絶縁体であって、該絶縁体は前記チューブと前記フィンとを互いに分離する、絶縁体を備える、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記フィンは、伝導性の蛇行する構成を形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記電力を供給する電源を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記電源は、0.1Vから1000Vまでの範囲で電圧を提供する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記電源は、6Vから70Vまでの範囲で電圧を提供する、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記電源は、15Hzから15MHzまでの範囲の周波数を有するAC電圧を提供する、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
パルス電熱氷分離装置であって、
冷却ユニットの1つ以上の冷却液チューブであって、該1つ以上のチューブは抵抗ヒータを形成する、1つ以上の冷却液チューブと、
該ヒータに電力を印加するための1つ以上のスイッチであって、該ヒータは熱を発生することにより、該チューブから氷を分離する、1つ以上のスイッチと
を備えている、パルス電熱氷分離装置。
【請求項12】
冷却ユニットの冷却液チューブおよび/または冷却フィンから氷を分離する方法であって、該方法は、
通常の冷却モード中に、該冷却液チューブおよび該冷却フィンのうちの1つまたは両方に氷を蓄積することと、
電力のパルスを該チューブおよび該フィンの1つまたは両方に印加することにより、氷を分離することと
を包含する、方法。
【請求項13】
前記印加ステップの前に、前記通常の冷却モードを停止することをさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記印加ステップの前に、1つ以上の前記冷却液チューブから、冷却液を排出することをさらに包含する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
1つ以上の冷却液チューブおよび冷却フィンのうちの少なくとも1つが、複数のセクションに構成され、前記印加ステップが、該複数のセクションの各々に対して繰り返される、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記複数のセクションは、冷却液が流れる冷却液チューブの連続的な部分に対応し、前記印加のステップは、前記電力のパルスを、該冷却液が該冷却液チューブをながれる順序に対応する前記セクションに適用することを包含する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
1つ以上の氷成長領域を備えた製氷チューブと、
各氷成長領域から熱を移動し去るためのコールドフィンガおよび冷却液チューブのうちの1つ以上と、
水を製氷チューブに導入することによって、該水の少なくとも一部を、氷成長領域で凍結させる手段と
電力のパルスを周期的に該チューブに供給することによって、氷の少なくとも1つの境界面層を溶解して氷を該チューブから分離する電源と
を備えている、パルス電熱氷分離装置。
【請求項18】
前記製氷チューブは、金属、ガラス、プラスチック、重合体、テフロン(登録商標)セラミックおよび炭素繊維のうちの1つ以上を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
1つ以上の氷成長領域からの熱移動を容易にするための1つ以上の熱伝導フィンを備えている、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
供給バルブによって制御される給水と、排水バルブによって制御される排水とを備えている、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
給水からの水を保持するための保持タンクと、
該水を、導入のための手段を介して汲み上げるポンプと
を備えている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
余分な水を氷から分離するためのスクリーンであって、該水は前記製氷チューブから排水する、スクリーンを備えている、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
水が、前記保持タンクの中で凍結するのを防ぐためのヒータを備える、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
容量的に氷を感知することによって、該氷を光学的に感知することによって、該氷の重量を決定することによって、経過した製氷時間を決定することによって、または水の流れが該氷によって阻害されていることを決定することによって、いつ氷を収穫するべきかを決定する装置を備えている、請求項17に記載の装置。
【請求項25】
1つ以上の氷成長領域を備えている製氷チューブと、
各氷成長領域から熱を移動し去るためのコールドフィンガおよび冷却チューブのうちの1つ以上と、
該製氷チューブの中に水を導入することにより、該水の少なくとも一部を、前記氷成長領域で凍結させる手段と、
電力のパルスを周期的に、該チューブと熱的に接触しているヒータに供給することによって、氷の少なくとも1つの境界面層を溶解して該氷を該チューブから分離する電源と
を備えている、パルス電熱氷分離装置。
【請求項26】
複数の製氷チューブと、
各製氷チューブの氷成長領域から熱を移動し去るためのコールドフィンガおよび冷却液チューブのうちの1つ以上と、
各製氷チューブの中に水を導入することにより、該水の少なくとも一部を、該氷成長領域で凍結させる手段と、
電力のパルスを周期的に、各チューブに供給することによって、氷の少なくとも1つの境界面層を溶解して該氷を各チューブから分離する電源と
を備えている、パルス電熱氷分離装置。
【請求項27】
前記製氷チューブは、複数のグループを形成し、前記電源は周期的に、電力のパルスを1度に1つのグループに供給する、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
容量的に各グループの氷を感知することによって、各グループの該氷を光学的に感知することによって、各グループの該氷の重量を決定することによって、各グループの経過した製氷時間を決定することによって、または水の流れが各グループの該氷によって阻害されていることを決定することによって、いつ各グループの該氷を収穫するべきかを決定する装置を備えている、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
蒸発器プレートと熱的に接触する1つ以上の冷却液チューブと、
該蒸発器プレートに隣接して、かつ該冷却液チューブ間に配置された1つ以上のヒータであって、該1つ以上のヒータは、電力を熱に変換することによって、氷が該蒸発器プレートから分離するように構成されている、1つ以上のヒータと
を備えている、パルス電熱氷分離装置。
【請求項30】
前記1つ以上のヒータの各々は、金属層を備えている、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記1つ以上のヒータの各々は、金属層と蒸発器プレートとの間の誘電体層をさらに備えている、請求項30に記載の装置。
【請求項32】
蒸発器プレートと熱的に接触している1つ以上の冷却液チューブと、
該冷却液チューブと該蒸発器プレートとの間に配置されたヒータであって、該ヒータは、電力を熱に変換することによって、氷が該蒸発器プレートから分離するように構成されている、ヒータと
を備えている、パルス電熱氷分離装置。
【請求項33】
前記1つ以上のヒータの各々は金属層を備えている、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記1つ以上のヒータの各々は、前記金属層と前記蒸発器プレートとの間の誘電体層をさらに備えている、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記金属層と前記1つ以上の冷却液チューブの各々との間の誘電体層をさらに備えている、請求項33に記載の装置。
【請求項36】
熱格納製氷システムとして構成された冷凍ユニットであって、該冷凍ユニットは、
無駄な熱を消散するための圧縮機および凝縮器を有する冷凍ユニットと、
該圧縮機、該凝縮器および冷却液チューブを循環する冷却液であって、該冷却液チューブは蒸発器プレートと熱的に接触している、冷却液と、
該圧縮機の後、かつ該凝縮器の前の、熱を該冷却液から加熱液体へ移動させるタンクと
を備え、
該加熱液体は、該蒸発器プレートと熱的に接触している加熱チューブを周期的に流れることにより、該蒸発器プレートから氷を分離する、冷凍ユニット。
【請求項37】
前記冷却液チューブおよび前記加熱チューブは、交互に前記蒸発器プレートと結合する、請求項36に記載の冷凍ユニット。
【請求項38】
前記加熱液体を汲み上げるポンプを備えている、請求項36に記載の冷凍ユニット。
【請求項39】
前記蒸発器プレートは、タンクよりも高いレベルに配置され、前記加熱液体は、前記ポンプが動作していないとき、該タンクに排水する、請求項38に記載の冷凍ユニット。
【請求項40】
加熱液体槽からタンクへ前記加熱液体を汲み上げるポンプを備えている、請求項36に記載の冷凍ユニット。
【請求項41】
前記タンクは、前記蒸発器プレートよりも高いレベルに配置され、前記加熱液体は、該タンクと前記加熱チューブとの間のバルブを開くと、該加熱チューブを流れ、
該蒸発器プレートは、槽よりも高いレベルに配置され、該加熱液体は、氷が分離された後該槽に排水する、請求項40に記載の冷凍ユニット。
【請求項42】
前記タンクは、前記ポンプと該タンクとの間の入り口バルブ、および該タンクと前記加熱チューブとの間の出口バルブによって分離され、
前記熱は、該入り口および該出口バルブが閉じるとき、該タンク内の圧力を増大させ、
該圧力は、該出口バルブが開くとき、前記加熱液体を前記加熱チューブに押し込むことにより、氷を分離し、
該氷が分離した後、該出口は閉じ、該入り口バルブは開き、該ポンプは該加熱液体を該タンクに戻す、請求項40に記載の冷凍ユニット。
【請求項43】
冷却ユニットの冷却チューブ、冷却フィンおよび蒸発器プレートのうちの少なくとも1つから氷を分離する方法であって、
製氷または冷却モード中に、冷却液から加熱液体に熱を移動することと、
該製氷または冷却モード中に、該冷却液チューブ、該冷却フィンおよび該蒸発器プレートのうちの少なくとも1つに、氷を蓄積することと、
該冷却液チューブ、該冷却フィンおよび該蒸発器プレートのうちの少なくとも1つと熱的に接触する加熱チューブに該加熱液体を流して、氷を分離することと
を包含する、方法。
【請求項44】
前記流すステップの間に、製氷または冷却モードを停止することをさらに包含する、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記流すステップが完了するとき、前記加熱チューブから前記加熱液体を排出することをさらに含む、請求項43に記載の方法。
【請求項46】
パルス電熱氷分離装置であって、
熱交換面と熱的に接触する冷却液チューブを有する熱交換器と、
パルス加熱のために該熱交換器に電気的に切り換えられる電源と
を備えている、パルス電熱氷分離装置。
【請求項47】
前記熱交換表面の少なくとも1つは、アノード処理されたアルミニュームまたはアノード処理されたアルミニューム合金から形成された絶縁を備え、前記電源は、該絶縁上に配置された伝導性フィルムに電気的に切り換えられる、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記伝導性フィルムは、CVD、PVD、無電解被覆およびメッキのうちの1つによって形成された金属層である、請求項46に記載のシステム。
【請求項49】
前記熱交換器は、アコーディオンタイプの熱交換器である、請求項46に記載のシステ
ム。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2008−528916(P2008−528916A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−552338(P2007−552338)
【出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2006/002283
【国際公開番号】WO2006/081180
【国際公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【出願人】(504303713)ザ トラスティーズ オブ ダートマウス カレッジ (12)
【Fターム(参考)】