説明

パワーステアリング装置

【課題】ボールネジ機構の雌ネジ部材を駆動シャフトとは別体のナットとして駆動シャフトに組み付けるタイプのパワーステアリング装置において、ナットの小径化を容易に図ることができ、ひいては、ボールネジ機構部分の小型化を容易に図ることができるようにする。
【解決手段】ステアリングの操作によってスライド移動して車輪を操舵する操舵シャフト30と、該操舵シャフト30に複数のボール60を介して螺合され、操舵シャフト30とでボールネジ機構50を構成するナット51と、前記操舵シャフト30が挿通されると共に前記ナット51が内嵌して固定され、回動駆動装置80によって回動して操舵シャフト30のスライド移動に補助動力を付加する駆動シャフト40と、前記ナット51の外面と前記駆動シャフト40の内面とで構成され、前記ボール60を循環させる循環路61とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーステアリング装置に関するものであり、詳しくは、自動車のステアリング機構に組み込まれてステアリング操作に補助動力を付加するパワーステアリング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車のステアリング機構においては、ステアリング操作に補助動力を付加するパワーステアリング装置が組み込まれているのが一般的である。ここで、ステアリング機構は、ステアリングの操作に応じてスライド移動し、このスライド移動により車輪を操舵する操舵シャフトを有するものであり、パワーステアリング装置の一種として、操舵シャフトのスライド移動に補助動力を付加するものがある。このようなパワーステアリング装置は、電動モーターや油圧モーター等、適宜の回動駆動装置の駆動力を操舵シャフトのスライド移動に付加するものであり、操舵シャフトが挿通され、回動駆動によって回動する駆動シャフトを有している。そして、この駆動シャフトの回転運動を操舵シャフトの直線運動に円滑に変換するために、ボールネジ機構が採用されているのが通常である。なお、ラックアンドピニオン機構を採用したステアリング機構では、操舵シャフトにラックが設けられていることから、操舵シャフトは、「ラックシャフト」と称されている。
【0003】
ところで、ボールネジ機構は、互いに螺合する雄ネジ部材と雌ネジ部材との双方のネジ溝内にて複数のボールを転動させつつ軸方向に移動させることで、雄ネジ部材または雌ネジ部材の一方の回転運動を他方の直線運動に円滑に変換するものであり、軸方向に移動するボールを、循環路を通じて反対側に戻すものである。このようなボールネジ機構としては、コマ式(デフレクター式)やエンドキャップ式等、ボールの循環方式が異なる種々のものがあり、従来のパワーステアリング装置においても、適宜方式のボールネジ機構が採用されている。なお、上記コマ式のボールネジ機構は、ネジ部分を移動するボールを、雌ネジ部材に装着されたコマ(デフレクター)の循環路を通じて、1リード毎に戻す方式のものである。そして、上記エンドキャップ式のボールネジ機構は、ネジ部分を移動するボールを、雌ネジ部材の内部において一端側から他端側に形成された貫通孔状の循環路を通じて、雌ネジ部材に一端側から他端側へと戻す方式のものである。
【0004】
【特許文献1】特開平07−309245号公報
【特許文献2】特開平11−011334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のエンドキャップ式のボールネジ機構では、雌ネジ部材に貫通孔状の循環路を設けなければならないことから、雌ネジ部材の肉厚の寸法を大きく設定する必要がある。このため、パワーステアリング装置において、ボールネジ機構部分の小型化を図ることが困難である。これに対して、上述のコマ式のボールネジ機構は、循環路を貫通孔状に形成する必要がないことから、雌ネジ部材の小径化を図ることが容易であり、ひいては、ボールネジ機構部分の小型化を図ることが容易である。よって、コマ式のボールネジ機構は、小型軽量化が要望される自動車のパワーステアリング装置として好適である。
【0006】
しかしながら、コマ式のボールネジ機構では、循環路を構成するコマが雌ネジ部材に装着されるものであるため、雌ネジ部材及びコマに高度な成形精度が要求され、また、雌ネジ部材及びコマの相互に高度な組み付け精度が要求される。何故ならば、加工精度や組み付け精度が低いと、ボールを円滑に循環させることができず、駆動シャフトに補助動力を良好に付加することができなくなったり、異音や焼き付きを生じたりしてしまうからである。よって、コマ式のボールネジ機構は、ボールネジ機構部分を小型化することができるといった利点を有する一方で、ボールネジ機構を構成する個々の部材の製造作業や相互の組み付け作業が煩雑であるといった問題を有するものである。
【0007】
なお、上記特許文献1に記載のように、操舵シャフトを挿通する駆動シャフト自体を雌ねじ部材として、装置全体の小径化を図ることも案出されてはいる。しかしながら、駆動シャフト自体を雌ネジ部材とすると、駆動シャフトがボールネジ機構を構成するものとなることから、駆動シャフトに高精度なネジ溝を設けなければ成らず、駆動シャフト自体の製造作業が煩雑となり、また、操舵シャフトと駆動シャフトとが直接、組み付けられることから、操舵シャフトと駆動シャフトとの相互の組み付け作業も煩雑なる。よって、ボールネジ機構の雌ネジ部材は、駆動シャフトとは別体のナットとして形成し、駆動シャフトに組み付けることが望ましい。
【0008】
本発明は、上記実状を鑑みてなされたものであり、ボールネジ機構の雌ネジ部材を駆動シャフトとは別体のナットとして駆動シャフトに組み付けるタイプのパワーステアリング装置において、ナットの小径化を容易に図ることができ、ひいては、ボールネジ機構部分の小型化を容易に図ることができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために本発明の採った主要な手段は、
「ステアリングの操作によってスライド移動して車輪を操舵する操舵シャフトと、
該操舵シャフトに複数のボールを介して螺合され、操舵シャフトとでボールネジ機構を構成するナットと、
前記操舵シャフトが挿通されると共に前記ナットが内嵌して固定され、回動駆動装置によって回動して操舵シャフトのスライド移動に補助動力を付加する駆動シャフトと、
前記ナットの外面と前記駆動シャフトの内面とで構成され、前記操舵シャフトと前記ナットとの間を移動してナットの一端側に到達したボールをナットの他端側へと戻して循環させる循環路と
を備えることを特徴とするパワーステアリング装置」
である。
【0010】
上記手段では、ボールネジ機構を構成する雌ネジ部材がナットであり、このナットは、駆動シャフトとは別体に形成されると共に駆動シャフトに組み付けられるものであるため、駆動シャフトにネジ溝を設ける必要がなく、駆動シャフトを製造するための加工が煩雑とならない。また、駆動シャフトに操舵シャフトを組み付けることでボールネジ機構を形成するのではなく、駆動シャフトと操舵シャフトとの組み付けとは別途の操舵シャフトとナットとの組み付けによりボールネジ機構を形成することができるため、駆動シャフトと操舵シャフトとの組み付け作業は容易である。
【0011】
一方、ボールネジ機構のボールの循環路は、ナットの外面と駆動シャフトの内面とで構成されることから、ナットに貫通孔状の循環路を設ける必要がなく、ナットの肉厚の寸法を小さくする設定することが可能となる。従って、上記手段によれば、ナットの小径化を容易に図ることができ、ひいては、パワーステアリング装置におけるボールネジ機構部分の小径化を容易に図ることができる。
【0012】
上述した手段において、
「前記循環路は、前記ナットの外面に形成された溝と、ナットを内嵌する前記駆動シャフトの円筒状の内周面とで構成されていることを特徴とするパワーステアリング装置」
としてもよい。
【0013】
ナットの外面と駆動シャフトの内面とでボールの循環路を形成する場合、ナットまたは駆動シャフトの一方或いは双方に、ボールを流通させる溝を設ければよいのであるが、駆動シャフトの内面に溝を設けることとすると、外面に比して造作が困難な内面に高精度な溝を形成しなければならず、駆動シャフトの製造作業が著しく煩雑となる。
【0014】
これに対して上記手段では、駆動シャフト側について、ナットを内嵌する円筒状の内周面によってボールの循環路を構成するため、駆動シャフトに循環路を形成するための溝を設ける必要がない。従って、上記手段によれば、駆動シャフトの製造作業が著しく煩雑となることを回避することができる。
【0015】
上述した手段において、
「前記操舵シャフトをスライド自在に収容すると共に前記駆動シャフトを回動自在に収容するハウジングを備え、
前記回動駆動装置は、前記駆動シャフト自体をローターとして前記ハウジングに内蔵されてなる電動モーターによって構成されている
ことを特徴とするパワーステアリング装置」
としてもよい。
【0016】
上記手段では、回動駆動装置が、駆動シャフト及び操舵シャフトを収容するハウジングに内蔵され、駆動シャフトをロータとして直接、回動させる所謂「ビルトイン電動モーター」となる。従って、上記手段によれば、パワーステアリング装置全体をコンパクトに納めることができる。また、通常、ビルトイン電動モータは、小型機量化の要望に応じて採用されるものであることから、このようなビルトイン電動モーターを採用したパワーステアリング装置において上述のボールネジ機構を適用することは、パワーステアリング装置全体のさらなる小型軽量化を図る上で好適である。
【発明の効果】
【0017】
上述の通り、本発明によれば、ボールネジ機構の雌ネジ部材を駆動シャフトとは別体のナットとして駆動シャフトに組み付けるタイプのパワーステアリング装置において、ナットの小径化を容易に図ることができ、ひいては、ボールネジ機構部分の小型化を容易に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明に係るパワーステアリング装置の実施形態の一例を、図面に従って詳細に説明する。
【0019】
図1に、本発明に係るパワーステアリング装置20が組み込まれたステアリング機構10を示す。このステアリング機構10は、自動車に搭載されるものであり、ラックアンドピニオン機構といった公知の駆動伝達装置を介して、ステアリングの操作に応じて操舵シャフト30を左右方向にスライド移動させて車輪を操舵するものである。よって、本例では、操舵シャフト30にラック31が設けられており、操舵シャフト30は、一般に「ラックシャフト」と称されるものとなている。
【0020】
パワーステアリング装置20は、回動駆動装置80と、この回動駆動装置80によって回動する駆動シャフト40と、この駆動シャフト40の回動力を操舵シャフト30の軸方向の移動力に変換するボールネジ機構50とを備えるものであり、ステアリングの操作に応じてスライド移動する操舵シャフト30に補助動力を付加するものである。ここで、ボールネジ機構50は、操舵シャフト30に設けれられたネジ溝32に複数のボールを介して螺合するナット51を有する構造となっており、ナット51は、駆動シャフト40とは別体に形成され、駆動シャフト40の端部に一体的に組み付けられている。また、駆動シャフト40は、ハウジング70に、回動自在ではあるが、軸方向には移動不能に収容されている。さらに、操舵シャフト30は、駆動シャフト40に挿通されており、ハウジング70に、軸方向に移動自在ではあるが、回動不能に収容されている。
【0021】
ところで、本例では、駆動シャフト40を回動させるための回動駆動装置80が、ハウジング70に内蔵された電動モーターによって構成されており、駆動シャフト40をロータとして、直接、回動させる構造となっている。また、ステアリングを軸支するステアリングコラムや、ステアリングコラムの先端部分にラックアンドピニオン機構等の適宜の部位に、ステアリング操作の操作トルクを検出するトルクセンサー(図示省略)が設けられており、このトルクセンサーからの信号によって回動駆動装置80が作動して、操舵シャフト30に動力を付加する。
【0022】
次に、図2及び図3に基づき、ボールネジ機構50の詳細を説明する。
【0023】
操舵シャフト30の外面にはネジ溝32が設けられており、この操舵シャフト30によってボールネジ機構50の雄ネジ部材が構成されている。一方、ボールネジ機構50の雄ネジ部材は、駆動シャフト40とは別体の部材として形成されたナット51によって構成されている。このナット51は、内面にネジ溝54が設けられたナット本体52と、このナット本体52の両端に装着されたエンドキャップ53とを有するものであり、操舵シャフト30の外面に設けられたネジ溝32とナット本体52の内面に設けられたネジ溝54との間に複数のボール60を介在させた状態で、操舵シャフト30に螺合されている。
【0024】
駆動シャフト40には、径方向に適宜の間隙が確保された状態で操舵シャフト30を挿通する挿通部41が形成されており、駆動シャフト40の端部には、挿通部41よりも大径で内面が円筒状に形成されたナット収容部42が設けられている。そして、ナット51は、操舵シャフト30に螺合した状態で、駆動シャフト40のナット収容部42に内嵌され、駆動シャフト40に螺着されたナット固定部材55によって、軸方向及び軸回りに方向に移動不能に固定されている。
【0025】
このようなボールネジ機構50では、駆動シャフト40を回動させると、この駆動シャフト40に固定されたナット51が駆動シャフト40と共に回動し、これにより、操舵シャフト30のスライド移動に補助動力が付加されるのであるが、この時、操舵シャフト30のネジ溝32とナット本体52のネジ溝54との間に介在されたボール60が、転動しつつ、ナット51の軸方向に移動する。よって、ナット51の一端側から他端側へと移動したボール60を、循環路61を通じて反対側に戻して循環させるのであるが、本例では、この循環路61が、ナット51の外面と駆動シャフト40の内面とで構成されている。具体的には、ナット51を構成するナット本体52の外周面に、ボール60が流通可能な溝が設けられており、この溝を駆動シャフト40のナット収容部42の内周面により閉塞することで循環路61が形成されている。
【0026】
このようなボールネジ機構50を採用することで、ナット51を肉厚の大径状のものとする必要がなく、ナット51の小径化を図ることができ、ひいていは、ボールネジ機構50全体の小径化を図ることができる。
【0027】
特に、本例では、ボールネジ機構50の周辺部分に、例えば、回動駆動装置80を構成する電動モーターに電力を供給するための配線のコネクタ90等、種々の機器が配置されている(図1参照)。このように、ボールネジ機構50の周辺部分に種々の機器や、或いは、種々の部材を配置する場合、ボールネジ機構50部分の小径化を図ることは、パワーステアリング装置20全体のコンパクト化を図る上で、重要である。
【0028】
また、ボールネジ機構50は、操舵シャフト30の中央部分、具体的には、全長の2/4〜3/4の部分に配置することが、操舵シャフト30に補助動力を良好に付加できることから好ましいのであるが、エンジンの動力を車輪に伝達させる動力シャフトが操舵シャフト30の中央部分にて交差する形態の四輪駆動車等の自動車では、ボールネジ機構50部分が大型であると、搭載性に劣るパワーステアリング装置20となってしまう。よって、このことからも、パワーステアリング装置20全体のコンパクト化を図ることは、重要である。
【0029】
また、本例では、ナット51を内嵌状に収容する円筒状に形成されたナット収容部42において、循環路61を形成するための特別な造作を必要としない。よって、駆動シャフト40側よりも造作が容易なナット51側に複雑な形態の循環路61を形成し易く、ボールネジ機構50の軸心方向に対して傾斜して、軸回りに沿った形態の循環路61や、ナット本体52の溝からボール60が脱落しないように、溝の開放部分の巾寸法がボール60の直径よりも小さい形態の循環路61を容易に形成することができる。
【0030】
ところで、本例では、ナット本体52の両端に装着されたエンドキャップ53に案内路62が設けられている。この案内路62は、操舵シャフト30のネジ溝32とナット本体52のネジ溝54との間に形成されたボールネジ機構50の軸回り方向の流通経路と、循環路61により形成されたボールネジ機構50軸方向の流通経路との間を案内するものであり、この案内路62を通じて、操舵シャフト30のネジ溝32とナット本体52のネジ溝54との間を移動してナット本体52の端部に達したボール60が循環路61へと案内され、また、循環路61の端部に達したボール60が、再度、操舵シャフト30のネジ溝32とナット本体52のネジ溝54と間に案内される。
【0031】
ここで、エンドキャップ53の案内路62が、エンドキャップ53の外周面に開放される形態の場合、駆動シャフト40の内面、より具体的には、円筒状に形成されたナット収容部42の内周面によって案内路62を閉塞することで、ボール60を、各ネジ溝32,54間から循環路61へと、並びに、循環路61から各ネジ溝32,54間へと、円滑に案内することができる。よって、エンドキャップ53も、ナット本体52と同様に小径のものとすることができる。
【0032】
なお、ナット本体52に案内路62を設けたり、駆動シャフト40自体やナット固定部材55自体に案内路62を設けることで、ナット本体52の両端に装着されたエンドキャップ53の一方または双方を省略し、これにより、ナット51全体の軸方向における長さを短縮化することもできる。
【0033】
以上、本発明に係るパワーステアリング装置の一例を説明したが、本発明に係るパワーステアリング装置はこれに限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。
【0034】
例えば、ナット51の外面と駆動シャフト40の内面とで構成される循環路61としては、例えば図4及び図5に示すような形態であってもよい。
【0035】
図4に示すものでは、駆動シャフト40のナット収容部42の内面に、ボール60が流通可能な溝が設けられており、ナット51を構成するナット本体52の円筒状に形成された外周面によって上記溝を閉塞することで循環路61が構成されている。
【0036】
図5に示すものでは、駆動シャフト40のナット収容部42の内面と、ナット51を構成するナット本体52の外面との夫々に、個々ではボール60が流通不能ではあるが、双方が対向するように配置されることでボール60が流通可能となる溝が設けられており、対向する各溝によって循環路61が構成されている。
【0037】
また、駆動シャフト40を回動させる回動駆動装置80としては、ハウジング70に内蔵された電動モーターに限らず、ハウジング70の外部に組み付けられた電動モーターであってもよい。さらには、電動モーターに限らず、油圧モーター等の適宜の回動駆動装置80を採用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明に係るパワーステアリング装置が組み込まれたステアリング機構を示す平面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】図2におけるA−A断面図である。
【図4】パワーステアリング装置の別例を示す要部断面側面図である。
【図5】パワーステアリング装置の別例を示す要部断面側面図である。
【符号の説明】
【0039】
10 ステアリング機構
20 パワーステアリング装置
30 操舵シャフト
31 ラック
32 ネジ溝
40 駆動シャフト
41 挿通部
42 ナット収容部
50 ボールネジ機構
51 ナット
52 ナット本体
53 エンドキャップ
54 ネジ溝
55 ナット固定部材
60 ボール
61 循環路
62 案内路
70 ハウジング
80 回動駆動装置
90 コネクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングの操作によってスライド移動して車輪を操舵する操舵シャフトと、
該操舵シャフトに複数のボールを介して螺合され、操舵シャフトとでボールネジ機構を構成するナットと、
前記操舵シャフトが挿通されると共に前記ナットが内嵌して固定され、回動駆動装置によって回動して操舵シャフトのスライド移動に補助動力を付加する駆動シャフトと、
前記ナットの外面と前記駆動シャフトの内面とで構成され、前記操舵シャフトと前記ナットとの間を移動してナットの一端側に到達したボールをナットの他端側へと戻して循環させる循環路と
を備えることを特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項2】
前記循環路は、前記ナットの外面に形成された溝と、ナットを内嵌する前記駆動シャフトの円筒状の内周面とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
【請求項3】
前記操舵シャフトをスライド自在に収容すると共に前記駆動シャフトを回動自在に収容するハウジングを備え、
前記回動駆動装置は、前記駆動シャフト自体をローターとして前記ハウジングに内蔵されてなる電動モーターによって構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワーステアリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−143095(P2006−143095A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338544(P2004−338544)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000003470)豊田工機株式会社 (198)
【Fターム(参考)】