説明

パンツ型失禁対策用品

本発明は、腹部、背部および、腹部と背部との間に長手方向に延び、重複領域において腹部と背部に取り外し不能に結合される股間部からなり、工場において、腹部と背部が両側の脇部縫い目領域において相互に連結されて、閉じられた腰用開口部が形成される、排泄物を受けるためのパンツ型失禁対策用品に関する。股間部は、腹側のその長い端と、背側のその長い端において、横方向に平行なそれぞれの想像線L1またはL2まで延び、線L1とL2は、腹部と背部を、脚部開口部から離れたそれぞれ第一の腹部または背部区分と、脚部開口部に近いそれぞれ第二の腹部または背部区分とに分割する。第一の腹部および背部区分において、第一の伸縮手段が提供され、各々について、そのうち1つの第一の伸縮手段だけが、第一の腹部および背部区分の第一と第二の層との間で、距離Mで平行に配置された、細帯状の接着領域のそれぞれの接着領域内に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横方向すなわち胴回り方向に連続し、胴回り方向に閉じられた胴部開口部を有する腹背帯状部を形成するために、製造者によって両側の脇部縫い目領域において相互に連結された前側腹部および後側背部と、吸収体を備え、腹部と背部との間に長手方向に延び、腹部と背部に分離不能に結合された股間部と、を有する、排泄物を受けるためのパンツ型失禁対策用品に関し、股間部だけでなく、腹部と背部も失禁対策用品の脚部開口部の縁を形成する。3つの構成要素からなるこの種の失禁対策用品は、たとえば国際公開第2004/052260 A1号パンフレット、国際公開第03/039423 A1号パンフレットおよび国際公開第2009/065499 A1号パンフレットから知られている。この特定の製品概念の場合、長手方向に延びる股間部を、実質的に横方向すなわち胴回り方向に延びる腹部およびこれに対応して延びる背部に、これら3つの構成要素を広げて平らにした状態で結合すると、失禁対策用品のH字形の基本構造を作製できる。すると、構成要素である股間部、腹部および背部からモジュール式に失禁対策用品が形成される。これらの構成要素は、有利な態様として、最初に股間部によって相互に連結され、好ましくは、その後、腹部が背部に両側の脇部縫い目部分で連結される。この連結は、製造者の施設において行われ、それによってパンツ形状が得られる。
【背景技術】
【0002】
この連結は一般に、分離可能である。しかしながら、パンツ形状はまた、たとえば使用済みの失禁対策用品を要介護者から外すために、具体的には所定の破断線に沿って分離可能であってもよく、この破断線は具体的には脇部縫い目領域に走る。
【0003】
パンツ型失禁対策用品は、原則的に、従来の開閉可能な一般的なおむつ型の失禁対策用品とは、胴回りの大きさが略決まっており、体の大きさの違いには、多数の標準サイズを用意した上で、その製品の弾力的伸縮性によって合わせる、という点で異なる。この目的のために一般的に使用されるのは伸縮手段であり、具体的には、しばしばライクラ糸と呼ばれる帯または糸状のもので、これらは、たとえば接着剤により、失禁対策用品の本体材料に伸長状態で連結される(ストレッチボンディング方式)、すなわち、これらは伸長状態で本体材料に固定される。これらの伸縮手段は、事前に緊張状態とされることで、本体材料にギャザーを寄せ、それによってプリーツを形成する。失禁対策用品または失禁対策用品の伸縮性本体材料は、すると、失禁対策用品がパンツのように使用者に装着される際に、再び弾性的に伸長させることができる。このような伸縮性本体材料を有するパンツ型失禁対策用品は多くの例で知られており、これもまた、たとえば前述の国際公開第2004/052260 A1号パンフレットおよび国際公開第2009/065499−A1号パンフレットにおいて開示されている。
【0004】
本発明を使用することで、それでもなお、パンツ型失禁対策用品を着用する工程において、正確に言えば、伸縮性手段を事前に緊張させた状態でギャザーが寄せられた本体材料が開け拡げられる際に作用する大きな力があるかもしれないことが特定できた。これらの力は、なかんずく、個々の使用者による着用工程に応じて、さまざまな方向から加えられる。それゆえ、この力は伸縮手段の形状に平行にも、および/またはこれに対して斜めにも、またそれに伴って、伸縮手段と本体材料からなる積層構造全体に作用しうる。パンツ型失禁対策用品は主として胴部開口部の領域における力の作用を受け、これは、たとえば、失禁対策用品をはくために脚部開口部を特定しようと、使用者が横方向すなわち胴回り方向に引っ張ることによって、またそれだけでなく、その後、失禁対策用品を使用者の体に沿って引き上げるために、およびその工程中に本体材料が握られることによって発生する。これは、不利な点として、伸縮手段と本体材料との間の保持部分が損傷して部分的剥離に直結する可能性があり、そのため、本体材料の面的伸縮効果が損なわれ、したがってパンツ型失禁対策用品のフィット性が悪影響を受ける。
【0005】
同様に、本発明を使用することで、本体材料に設けられた伸縮手段の取付は、伸縮領域の機能と目的に適応させて、それゆえ使用者にとって極めて着け心地がよくなるようにするべきであることが特定できた。
【0006】
通常の方法では、伸縮手段の本体材料への取付方法は、接着剤の使用である。接着剤によって伸縮手段を取り付けるための各種の方法が知られている。このように、欧州特許出願公開第1 938 777 A2号明細書は、伸縮手段をサンドイッチ方式で位置付けるように提供された不織布ウェブの少なくとも1つの全面に糊を塗布することと、それらの間に伸縮材料を積層する間にこれらを合体させる方法を開示している。不利な点として、糊を全面に塗布することによって、材料、具体的には本来は柔らかく、通過性があり、失禁対策用品に通常使用される不織布が広い範囲にわたってごわつき、その通気性が低下する。
【0007】
さらに、各条糊付け方式、正確に言えば、まず個々の伸縮手段の周囲に接着剤を塗布し、その後、これを2枚の材料ウェブの間の積層部に供給する方法が知られている。このように、国際公開第2003/039422 A1号パンフレットにおいては、個々の伸縮手段が接着剤塗布ヘッドの櫛状の溝の形状を通って案内される。これは本体材料の過剰なごわつきおよび通気性の過剰な低下の問題は解消するが、それでもなお、この場合、伸縮手段と本体材料からなる積層体を得るための連結地点が、伸縮手段の周囲でのみ得られるという事実に欠点がある。このように、積層体の保持力を十分なものとするためには、単位材料部分あたりの伸縮手段の数を十分に多くするしかない。同様に、この場合、伸縮手段上に接着剤を直接塗布することによって、伸縮手段に損傷を与える危険性が高くなることも欠点であるかもしれない。さらに、各条糊付け方式の場合、伸縮手段上に、より具体的には糸状の伸縮手段上に搬送されるべき接着剤の量を設定することは困難である。さらに、欧州特許出願公開第1830770−A1号明細書もまた、各条糊付け方式によって、横方向に配置された伸縮糸を定着させる方法を提案している。国際公開第2009/080180 A1号パンフレットはまた、平行に横方向に走る伸縮手段を個々に接着剤でコーティングする方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このことから、本発明の目的は、上記の問題を解消すること、すなわち、具体的には、問題の種類の失禁対策用品において、腹部と背部を形成する本体材料と、そこに固定されるべき糸状の伸縮手段との間で、着け心地に悪影響を与えることなく、またその他、失禁対策用品の機能性を損なうような結果を招くことなく、安定な連結部を形成することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的は、本発明によれば、特許請求の範囲の請求項1の特徴を有する失禁対策用品によって達成される。
【0010】
この失禁対策用品の有利な発展形は、各々の従属項によって提供される。
【0011】
上記の目的は、3つの構成要素からなる構造を有する失禁対策用品において、伸縮手段の、および接着領域の本発明による配置によって達成される。
【0012】
排泄物を受けるためのパンツ型失禁対策用品は、横方向すなわち胴回り方向に連続し、胴回り方向に閉じられた胴部開口部を有する腹背帯状部を形成するために、製造者により、両側の脇部縫い領域において相互に連結された前側腹部と後側背部を有する。
【0013】
この失禁対策用品はまた、吸収体を備える股間部を有する。
【0014】
股間部は、液体不透過性のバックシート材料と、トップシート材料を含み、吸収体がバックシート材料とトップシート材料との間に配置される。トップシート材料および/またはバックシート材料は、横方向に、吸収体の長手方向縁辺の外側に延びる張り出しを形成する。
【0015】
腹側の長端と背側の長端を有する股間部は、股間部に面する横方向縁辺を持つ腹部と、股間部に面する横方向縁辺を持つ背部との間に長手方向に延びる。
股間部は、前側重複領域で腹部と重複して腹部に分離不能に結合され、股間部は、後側重複領域で背部と重複して背部に分離不能に結合される。
【0016】
股間部だけでなく、腹部と背部も失禁対策用品の脚部開口部の縁を形成する。
【0017】
股間部の腹側長端は、横方向に平行に走る想像線L1まで長手方向に延び、股間部の背側長端は、横方向に平行に走る想像線L2まで長手方向に延びる。
線L1は腹部を、脚部開口部から遠い第一の腹部区分と、脚部開口部に近い第二の腹部区分に分割し、線L2は背部を、脚部開口部から遠い第一の背部区分と脚部開口部に近い第二の背部区分に分割する。
【0018】
糸径Dの第一の糸状または帯状伸縮手段が、第一の腹部区分の中および第一の背部区分の中に設置され、相互の間隔Nで、相互に平行に、横方向すなわち胴回り方向に延びており、このようにして、第一の腹部区分と第一の背部区分が、その表面積全体にわたって伸縮性を持つ。
【0019】
第一の腹部区分と第一の背部区分の各々は、少なくとも第一の層と第二の層を有し、それらの間に、第一の伸縮手段が細帯状の接着領域によって固定される。
【0020】
平行に、横方向すなわち胴回り方向に延びる幅Gの細帯状の接着領域は、相互からの距離Mで配置される。細帯状の接着領域の幅Gは第一の伸縮手段の糸径Dより大きく、1つの第一の伸縮手段は、各々について、1つのそれぞれの細帯状の接着領域の中に配置される。
【0021】
細帯状の接着領域を平行に、離間させて配置することによって、第一の糸状または帯状の伸縮手段と、本体材料との、すなわち、間に第一の伸縮手段が配置される第一の層および第二の層との安定した積層体が形成される。細帯状の接着領域の幅が、細帯状の接着領域内の1本の糸状または帯状の第一の伸縮手段の糸径より大きいという事実により、一方で、第一の伸縮手段が確実に固定され、また、他方で、2つの層が相互に直接、すなわち、接着領域のうち第一の伸縮手段によって覆われていない残りの領域によって固定される。これは、材料の層と伸縮手段との間の連結が伸縮手段の周囲に沿ってしか行われないような各条方式の糊付けより有利である。第一の伸縮手段を2つの層に確実に積層して、第一の伸縮手段を接合し、これを埋め込むにもかかわらず、細帯状の接着領域間の距離により、使用者にとっての着け心地が維持され、または調節される。一方で、本体材料の通気活動が損なわれるとしても、その程度は全面に糊付けした場合より軽い。他方で、細帯状の接着領域の幅と間隔を選択することによって、パンツ型失禁対策用品に求められる安定性および、使用者が望む着け心地もまた調節することができる。失禁対策用品の専門的利用分野では、実際には非常に薄い材料が使用され、これはたとえば薄い不織材料であり、ほとんどの場合、柔らかさ、優れた柔軟性および高い通気性等の固有の特性も有する。しかしながら、その結果、本明細書で説明するように、背部と腹部との間で上記の特性の均一性の欠如が著しく、使用者にマイナスの影響を与える。トップシート材料および/またはバックシート材料が横方向に、吸収体の長手方向縁辺の外側へと、および該当する場合はまた、長手方向に、吸収体の横方向縁辺の外側へと大きく張り出すことは、股間部と腹部との間、または股間部と背部との間に大きな重複領域ができるため、製造者が股間部を背部と腹部に、具体的には接着剤によって確実に固定できる点で有利であることは確かである。しかしながら、これまでに分かっていることとして、重複領域は、股間部の輪郭の外側の領域と比較して層の数が多いため、過剰にごわつく。このような、設計上の考慮から生じ、股間部の長手方向縁辺および、該当する場合は横方向縁辺において発生する背部と腹部の特性の実質的で急激な予想外の変化は、使用者によって欠点と感じられ、それは、この失禁対策用品が通常の下着とはこのように大きく異なるからである。第一の伸縮手段を、特許請求の範囲の請求項1に記載の方法で細帯状の接着領域を利用して固定することにより、背部と腹部のうち股間部の輪郭の外にある領域を適度にこわばらせ、股間部の長手方向縁辺および、該当する場合は横方向縁辺において発生する特性の急激な予想外の変化が使用者によって気付かれにくくなるように、またこの点で通常の下着の印象を与えるようにすることができる。
【0022】
全体として請求項1の特徴を有することにより、パンツ型で前記3つの構成要素からなる構造の失禁対策用品がこのようにして作製され、その中では、構成要素が確実に連結され、それによって着け心地または失禁対策用品またはその構成要素の機能性が損なわれるのではなく、その代わりに着け心地が改善される。
【0023】
本発明の他の目的は、冒頭に記した特徴を有するパンツ型失禁対策用品の製造方法を提供することであり、この方法では、具体的には前述の態様、具体的には腹部と背部を形成する本体材料と、そこに固定されるべき糸上または細帯状の伸縮手段との間を安定に連結しながら、同時に着け心地と機能性も維持されるようにすることが考慮されている。
この目的は、特許請求の範囲の請求項14による方法ステップを含む、この種の失禁対策用品の製造方法によって達成される。
【0024】
失禁対策用品そのものの、またはその構成要素、たとえば腹部、背部および股間部の、および細帯状の接着領域または接着領域部分の長さおよび/または幅に関して記載される絶対的数値は常に、それらが平らにされ、伸ばされ、拡げられた状態の失禁対策用品の寸法に基づく。
【0025】
平行な細帯状の接着領域間の距離Mは、2つの直接隣接する接着領域から、横方向に直接隣接して延びる縁辺の距離によって測定される。平行な第一の伸縮手段間の間隔Nも同様に測定され、すなわち、2つの直接隣接する第一の伸縮手段間の距離が測定される。横方向に離間された接着領域部分間の距離Pは、2つの直接隣接する接着領域部分から、長手方向に直接隣接して延びる縁辺の距離によって測定される。
【0026】
これに対して、第一の伸縮手段の糸径Dは、第一の伸縮手段の伸ばされていない、弛緩した状態に基づく。
【0027】
使用する第一の伸縮手段の材料の特性、すなわち糸の太さおよび密度ρがわかっている場合、糸径Dは次式を使って計算できる。
【数1】

【0028】
糸の太さは、渡される長さに対する質量と理解され、dtexの単位で表され、1dtex=1g/10,000mである。質量対体積比としての密度ρは、SI基本単位のkg/mで表される。
【0029】
第一の伸縮手段が円の直径ではなく、帯状の外形を有する場合、伸縮手段の外周間の最大範囲を糸径Dとして使用する。
【0030】
以下に詳しく説明する割合、G/M、G/DおよびS/Pでは、分子のパラメータを分母のパラメータで割る。これらは、幅B、距離M、長さSまたは距離Pの相互に関係する割合である。ここでは、同じ寸法単位を有する数値だけが分子と分母に含められる前提であるため、割合の単位はない。
【0031】
有利な態様として、トップシート材料および/またはバックシート材料はまた、長手方向に、各々について、吸収体の横方向縁辺の外側へと延びる張り出しも形成することができる。
【0032】
「張り出し」とは、トップシート材料および/またはバックシート材料の、吸収体の長手方向縁辺の横の外側へと延びる横方向の、または吸収体の横方向縁辺の外側へと延びる長手方向の延長部を意味するものと理解され、各々について、最大範囲、すなわちトップシート材料および/またはバックシート材料の、吸収体の長手方向縁辺から、または横方向縁辺から、最も遠くに位置する外側範囲が使用される。バックシート材料および/またはトップシート材料は、有利な態様として、多数の構成要素からなり、それゆえ、たとえばトップシート材料は有利な態様として、トップシート材料と、長手方向に両側に隣接するバリア手段の複合体であってもよい。したがって、個々の層が相互に合同の状態で重なっていない複合体、すなわち複合的なトップシート材料および/またはバックシート材料であったとしても、張り出しを考える時、その複合体の、またはその中に発生する個々の材料の層の最大の外側範囲、すなわち最も遠くに位置する外側範囲が、各々について使用されると理解される。
【0033】
「本体材料」とは、失禁対策用品全体の、または個々の構成要素の、およびまた腹部、背部および/または股間部の外皮を形成する材料、たとえば、股間部のトップシート材料およびバックシート材料または第一のおよび/または第二の腹部区分および/または第一のおよび/または第二の背部区分の少なくとも第一と第二の層を意味すると理解される。
【0034】
本発明によれば、第一の伸縮手段は、細帯状の接着領域の中の1つの伸縮手段としてのみ適用される。好ましくは、第一の伸縮手段は、細帯状の接着領域の中の中央に適用される。このようにして、有利な態様として、接着領域内に第一の伸縮手段を均一に固定し、また、第一の腹部区分および/または第一の背部区分の第一と第二の層を、接着領域のうち第一の伸縮手段を結合する領域によって、良好に相互に固定することが可能である。
【0035】
本発明の発展形において、脚部開口部から遠い第一の腹部区分および/または脚部開口部から遠い第一の背部区分では、細帯状の接着領域の幅Gの選択および接着領域の距離Mでの配置が、割合G/Mが少なくとも0.10、具体的には少なくとも0.30、より具体的には少なくとも0.50、より具体的には少なくとも0.75、より具体的には少なくとも1.0で、好ましくは最大7.5、より好ましくは最大6.0、より好ましくは最大5.0、より好ましくは最大4.0となるように行われると有利であることがわかる。細帯状の接着領域を、それらの幅とそれらの相互からの距離により定義されるこの配置とすることによって、第一の伸縮手段と本体材料の複合体が安定し、この複合体が過剰にこわばりすぎたり、過剰に柔らかいままとされたりすることがない。さらに、接着剤の過剰な使用及びこれによるコストも回避される。
【0036】
他の有利な発展形において、接着領域の幅Gは2〜15mm、より好ましくは2〜12mm、より好ましくは2〜10mm、より好ましくは2〜8mm、より好ましくは2〜6mmである。
【0037】
他の有利な発展形において、接着領域が配置される間隔Mは2〜25mm、より好ましくは2〜20mm、より好ましくは2〜15mm、より好ましくは2〜10mm、より好ましくは2〜8mm、より好ましくは2〜6mmである。
【0038】
より有利な態様として、失禁対策用品の長手方向に離間された平行な接着領域の幅Gは異なっていてもよい。特に有利な態様として、線L1またはL2の方向に配置される接着領域の幅Gは、胴部開口部の方向に配置される接着領域より小さい。胴部開口部の方向に配置される接着領域の幅をより大きくすることによって、装着中に発生し、具体的には胴部開口部の第一と第二の層との間の領域において配置される第一の伸縮手段に作用する力が考慮に入れられ、それゆえ対処される。
【0039】
他の有利な発展形において、接着領域の幅Gとその中に配置される1つの第一の伸縮手段の糸径Dは、割合G/Dが少なくとも2、より好ましくは少なくとも4、より好ましくは少なくとも6、より好ましくは少なくとも8、より好ましくは少なくとも10であるが、好ましくは最大100、より好ましくは最大80、より好ましくは最大60、より好ましくは最大50、より好ましくは最大40、より好ましくは最大30となるように選択される。接着領域の幅Gと接着領域内に配置される1つの伸縮手段の糸径Dとの調整のとれた選択によって、接着領域の幅内に第一の伸縮手段を最適に埋め込み、接着領域のうち第一の伸縮手段によって覆われない領域、すなわち第一と第二の層を相互に固定できる領域の範囲を最適化することができる。
【0040】
第一の糸状または帯状の伸縮手段は、好ましくはゴムまたはポリエーテルポリウレタンまたはポリエステルポリウレタンの糸、好ましくはLycra(登録商標)、Creora(登録商標)またはSpandex(登録商標)糸である。
【0041】
第一の糸状または帯状の伸縮手段の強度は、好ましくは300〜1500dtex、具体的には500〜900dtex、より具体的には500〜600dtexである。
【0042】
第一の糸状または帯状の伸縮手段の糸径Dは、好ましくは0.05〜1.0mm、より好ましくは0.05〜0.8mm、より好ましくは0.05〜0.6mm、より好ましくは0.05〜0.5mm、より好ましくは0.05〜0.4mm、より好ましくは0.05〜ら0.3mmである。
【0043】
第一の伸縮手段は、伸長状態で本体材料に、すなわち第一の腹部区分の第一と第二の層の間、および第一の背部区分の第一と第二の層の間に固定される。
第一の伸縮手段は好ましくは、1.5〜6.0の、具体的には2.5〜5.0の事前緊張度で、腹部および背部の本体形成外皮材料上に、すなわち脚部開口部から遠い第一の腹部区分と背部区分の第一と第二の層の間に固定される。事前緊張度とは、ここでは、伸縮手段の伸ばされていない/弛緩した状態に関する、引き伸ばしの程度の係数と定義される。
脚部開口部から遠い第一の腹部区分の中の、および/または脚部開口部から遠い第一の背部区分の中の第一の伸縮手段は、好ましくは同じ事前緊張度とされる。しかしながら、胴部開口部の方向への第一の伸縮手段の事前緊張度をより大きくするか、これらの伸縮手段のいくつかを設置する際の相互の間隔をより小さくすることによって、胴部開口部の領域の伸縮性を若干大きくすることが可能である。
【0044】
第一の伸縮手段の相互からの距離N(すなわち、直接隣接する第一の伸縮手段間の距離)が具体的に3〜30mm、より具体的には3〜20mm、より具体的には3〜15mm、より具体的には3〜10mmであると特に有利であることがわかっている。
【0045】
好ましい実施形態において、第一の腹部区分の中の、および第一の背部区分の中の細帯状の接着領域は、横方向に連続的に離間されずに延びる。より好ましくは、細帯状の接着領域は実質的に、第一の腹部区分の、および第一の背部区分の横方向全体に延びる。
【0046】
「実質的に」とは、細帯状の接着領域が、腹部の、および背部のそれぞれの横の長手方向縁辺部分の手前の、腹部の、および/または背部の横方向の範囲の最大2%、より具体的には腹部の、および/または背部の横方向の範囲の最大1%の距離の位置で終了してもよいことを意味する。より具体的には、細帯状の接着領域は、腹部の、および/または背部のそれぞれの横の長手方向縁辺部分の手前の、最大8mm、より具体的には最大5mmの位置で終了する。
【0047】
他の実施形態において、細帯状の接着領域は、横方向に間隔Pの位置に配置された長さSの接着領域部分を含む。
【0048】
より好ましくは、長さSの細帯状の接着領域部分は、横方向すなわち胴回り方向に間隔Pで、割合S/Pが少なくとも0.1、より好ましくは少なくとも0.3、より好ましくは少なくとも0.5、より好ましくは少なくとも1.0、より好ましくは少なくとも2.0であるが、より好ましくは最大15、より好ましくは最大13、より好ましくは最大10となるように配置される。細帯状接着領域部分を、その長さとその相互の間隔により定義されるこのような配置とすることによって、第一の伸縮手段と本体材料の複合体を十分に安定化させることが可能である。
【0049】
離間された接着領域部分の配置は、有利な態様として、接着領域部分の相互の間隔Fが少なくとも、接着領域部分の長さSを超えないような配置である。
【0050】
より好ましくは、接着剤領域部分の長さSは少なくとも2mm、より好ましくは少なくとも5mm、より好ましくは少なくとも8mm、より好ましくは少なくとも10mmであるが、好ましくは最大30mm、より好ましくは最大25mm、より好ましくは最大20mmである。
【0051】
好ましくは、接着領域部分が配置される間隔Pは、少なくとも2mm、より具体的には少なくとも4mm、より具体的には最大20mm、より具体的には最大15mm、より具体的には最大10mm、より具体的には最大8mmである。
【0052】
脚部開口部から遠い第一の腹部区分と脚部開口部から遠い第一の背部区分は、好ましくは、腹部の、および背部の表面積に関して30〜75%、より具体的には35〜70%、より具体的には35〜65%の割合を占める。
【0053】
腹部の表面積に関する、脚部開口部から遠い第一の腹部区分の表面積の割合は、有利な態様として、背部の表面積に関する、脚部開口部から遠い第一の背部区分の表面積の割合より大きい。これは、失禁対策用品を着用する際、使用者が具体的には失禁対策用品の前側領域、すなわち腹部および、具体的には本体材料およびそこに連結された第一の伸縮手段の胴部開口部の方向に向く上側領域、すなわち脚部開口部から遠い第一の腹部区分を保持するため、有利である。
【0054】
本発明によれば、細帯状の接着領域は、失禁対策用品の長手方向に見た場合に、相互から距離Mの位置に配置される。より好ましくは、細帯状の接着領域は、失禁対策用品の横方向に間隔Pが空けられた接着領域部分として配置される。
好ましくは、脚部開口部から遠い第一の腹部区分または脚部開口部から遠い第一の背部区分は、接着領域のない表面または接着領域部分のない表面を、脚部開口部から遠い第一の腹部区分または背部区分の表面積に関して20〜80%、具体的には25〜70%、より具体的には30〜−60%の割合で有する。接着領域(または接着領域部分)のない表面をこのような割合とすることによって、有利な態様として、適度なごわつきが得られるにもかかわらず、使用者にとって快適な柔軟性、および/または失禁対策用品の通気性も提供される。
【0055】
接着領域または接着領域部分は、接着剤コーティングを有する。
【0056】
接着剤コーティングは、この場合、特に好ましくは、2〜40g/m、より具体的には2〜30g/m、より具体的には2〜20g/m、より具体的には2〜10g/mの面密度で塗布される。
【0057】
接着剤コーティングは、接着剤、好ましくはホットメルト接着剤、より具体的には疎水性ホットメルト接着剤を含む。
【0058】
好ましい態様として使用可能な接着剤の例は、D 9105 ZPまたはLC 3001 ZP(H.S.Fuller Deutschland GmbH,An der Roten Bleiche 2−3,21335 Lueneburg,Germany)、H20028またはH 2481(Bostik Nederland B.V.,Zeggeveld 10,4705 RP Roosendaal,Netherlands)、Technomelt Q2415またはTechnomelt Q5430(Henkel KGaA,40191 Duesseldorf,Germany)である。
【0059】
接着領域の、または接着領域部分の接着剤コーティングは、好ましくは接着領域または接着領域部分の表面全体にわたって提供される。
【0060】
接着剤コーティングは、第一の腹部区分の第一および/または第二の層の相互に対面する上面に、および第一の背部区分の第一および/または第二の層の相互に対面する上面の上に塗布される。すなわち、接着剤コーティングは少なくとも、第一の腹部区分の前記第一と第二の層の一方および、第一の背部区分の前記第一と第二の層の一方に塗布される。
有利な実施形態において、接着剤コーティングは、第一の腹部区分の前記第一と第二の層の一方のみ、および第一の背部区分の前記第一と第二の層の一方のみに塗布される。接着剤コーティングを、第一の伸縮手段を挟む第一と第二の層の一方のみに塗布することによって、接着剤の塗布工程を技術的に容易にすることができる。
【0061】
他の実施形態において、接着剤コーティングは、第一の腹部区分の、および/または第一の背部区分の第一と第二の層に塗布することができる。この場合、第一と第二の層には、実質的に合同の接着剤コーティングパターンが提供され、これらはその後、中に第一の伸縮手段を挟んだ積層配置において相互に重なる。両方の層に接着剤コーティングを設けることによって、第一の伸縮手段が接着剤コーティングという外装の中に適正に埋め込まれ、これによって、第一の伸縮手段を第一と第二の層に非常に良好に固定することができる。このようにして、有利な態様として、前述のような各条糊付け方式のマイナスの影響が回避される。
【0062】
このような他の実施形態において、各層に使用される接着剤の量、すなわち面密度を、有利な態様として、1層だけに接着剤コーティングを設ける場合と比較すると、具体的には半分に削減することができる。しかしながら、接着剤コーティングの面密度を第一と第二の層について変えることも十分に考えられる。これは、第一と第二の層に使用される本体材料に依存しうる。
【0063】
接着領域の、または接着領域部分の接着剤コーティングは、当業界で知られている各種の方法、たとえば接触塗布方式、無接触塗布方式によって、たとえばまたスプレー方式によって、第一の腹部区分の、または第一の背部区分のそれぞれの第一および/または第二の層の上に塗布することができる。
【0064】
好ましくは、接着領域または接着領域部分を生成するための接着剤コーティングは、第一の腹部区分の、または第一の背部区分の第一および/または第二の層に、接触方式によって塗布される。接触方式では、第一の腹部区分の、および第一の背部区分の、対応する第一および/または第二の層に直接、糊塗布ヘッドによって細帯状の接着剤コーティングが設けられ、本体材料には相互に関する相対的な移動において案内される。接触方法によれば、スプレー方式等の非接触方式より有利に、所望の寸法(幅、間隔)の所望の細帯状の接着領域を得ることができ、それは、非接触方式では、接着剤が噴霧化し、およびその結果、接着剤の塗布の精度が低くなる危険性を伴う。
【0065】
本発明の発展形において、股間部から腹部の前側重複領域が占める割合が腹部の表面の少なくとも12%、具体的には15〜40%、より具体的には15〜35%およびより具体的には15〜25%であり、股間部から背部の後側重複領域が占める割合が背部の表面の少なくとも20%、具体的には20〜40%、より具体的には20〜35%、およびより具体的には22〜32%であると有利であることがわかる。
【0066】
有利な態様として、股間部が腹部と重複する面積は25,000〜45,000mmである。
有利な態様として、股間部が背部と重複する面積は35,000〜65,000mm、具体的には40,000〜55,000mmである。
【0067】
股間部と背部との重複は、有利な態様として、股間部と腹部との重複より大きい。
【0068】
本発明によれば、股間部と腹部/背部は、相互に分離不能に結合される。また、股間部が腹部に、および/または背部に、表面全体にわたって塗布されていない接着剤によって連結できることが特に有利であることもわかる。実際に、股間部と腹部との間、および股間部と背部との間の連結を行うために、表面全体にわたって塗布されていない接着剤を使用することで、接着剤が表面全体にわたって塗布される場合より、本体材料の特性が影響を受ける程度が軽くなることがわかっている。表面全体にわたらない接着剤の塗布は、たとえば細帯状のパターン、ウェブ型の連続的または非連続的格子構造、または島状領域またはその他、細帯状または螺旋配置の接着剤構造であってもよい。
【0069】
特に好ましくは、パンツ型失禁対策用品において、第二の伸縮手段、具体的には糸状または帯状の伸縮手段はまた、脚部開口部に近い第二の腹部区分の中および/または脚部開口部に近い第二の背部区分においても、具体的には、第二の伸縮手段がそれぞれの第二の腹部区分または背部区分に連続的に伸縮性を与えるように設けられる。
【0070】
第二の伸縮手段は、好ましくは、第二の腹部区分の、および/または第二の背部区分の、2つの脇部縫い目領域から、失禁対策用品の長手方向の中心軸の方向に延び、特に好ましくは、第二の伸縮手段は、相互からの距離が増大する弓形に、扇形に延びる。
【0071】
第二の伸縮手段は、有利な態様として、この第二の腹部区分の、および/または第二の背部区分の表面引き伸ばしによって生じる復元力が、第一の伸縮手段だけが設けられている、対応する第一の腹部区分または第一の背部区分において表面引き伸ばしが行われる場合より小さくなるように設計される。これによって、失禁対象製品の着け心地が改善され、それは、失禁対策用品が、脚部開口部に近いそれぞれの領域において、体形にマッチするように最大限に延ばすことができ、それと同時に、不快さにつながる復元力の増大を引き起こすことがないからであり、このように復元力が増大すると、特に使用者がよく動く場合、失禁対策用品と使用者とが相対的に移動して、不愉快な、または医学的にも問題な皮膚の炎症を引き起こす可能性がある。
【0072】
復元力は、第一の、または第二の腹部区分または背部区分が、第一および/または第二の伸縮手段が延びる方向への表面引き伸ばしに対抗する際の力である。
【0073】
復元力を測定するためには、本体材料の測定対象領域を所定の同じ留め具幅の2つの留め具間にしっかりと直接、いわば非破壊的に留め付けてもよく、復元力は、使用状態を模倣するために、測定対象領域に、(測定対象領域を留め付けられていない状態で固定する時の留め具の間隔の)当初の長さの、具体的には30%または50%または80%の所定の引き伸ばしを行った状態で測定してもよい。留め具は、測定対象領域の、できるだけ多くの、ただし少なくとも相互に隣り合わせに配置された2本の伸縮手段を固定するべきであり、伸縮手段が追従する線に関して略垂直に方向付けて、実質的に留め具の間で伸縮手段が追従する線の方向に引き伸ばしが行われるようにするべきである。
【0074】
このために、脚部開口部に近い第二の腹部の、または脚部開口部に近い第二の背部の、第二の伸縮手段が長手方向の中心軸に向かう方向に扇形に展開する領域は、好ましくは、この領域が面状に引き伸ばされた場合に、その工程中に発生する復元力が股間部に向かう方向に減少するように設計される。それゆえ、脚部開口部に近いこの第二の腹部と背部、正確には、それぞれの脇部縫い目領域から始まって股間部の方向、すなわち、失禁対策用品の長手方向の中心軸の方向に向かう方向に、および事実上、第二の伸縮手段が弓形に、扇形に展開する方向に考えた場合、面的に引き伸ばされた時にこの方向に発生する復元力が低減する。それゆえ、これは、第二の腹部と第二の背部が面的引き伸ばしに対抗する力である。このような復元力の低減はその後、当然使用者に伝わり、失禁対策用品の着け心地の大幅な改善につながる。
【0075】
具体的には、脇部縫い目領域における第二の伸縮手段間の最低距離(直接隣り合わせにある伸縮手段の間隔)が3から8mm、具体的には3から7mm、およびより具体的には3から6mmであると有利であることがわかっている。
【0076】
さらに、吸収体の縁辺における、または股間部の長手方向縁辺における第二の伸縮手段間の最大距離(直接隣り合わせにある伸縮手段の間隔)が7から35mm、具体的には10から32mm、およびより具体的には12から30mmであると有利であることがわかっている。
【0077】
さらに、第二の伸縮手段の扇形展開度F、
F=(A−B)/B100%
が50から900%、具体的には100から700%、およびより具体的には150から550%であると有利であることがわかっている。
【0078】
扇形展開度Fは、最小距離(B)に対する距離増加分(A−B)の比をパーセントで表したものと定義される。可変値AとBはここでは、長手方向に最も内側の第二の伸縮手段からの長手方向に最も外側の第二の伸縮手段の距離と定義され(すなわち、相互に直接隣り合わせにある第二の伸縮手段の間隔ではない)、正確には、Aは、具体的には股間部の長手方向縁辺における、または吸収体の縁辺における最大距離であり、Bは、具体的には脇部縫い目領域における最小距離である。また、知られている点として、第二の伸縮手段の扇形展開度Fが腹部より背部において、より大きいと有利であることもわかっている。
【0079】
使用者の背領域または腹領域の体の自然な形状により、吸収体の縁辺における第二の伸縮手段間の最大距離が、腹部より背部において、より大きいと有利であることがわかる。
【0080】
第二の伸縮手段を一方の脇部縫い目領域から他方の脇部縫い目領域へと連続的に設けることも十分に考えられ、これは特に、「カットアンドプレース」工程と比較して、連続生産工程に導入しやすい。股間部が腹部により、および背部により覆われることによって、設計に応じて、嵩高の吸収体が腹部および/または背部と、およびその結果として、第二の伸縮手段が設けられている、脚部開口部に近い第二の腹部区分と背部区分と重複し、またはこれらによって覆われるかもしれない。嵩高の吸収体はこの場合、通常、本体材料の弾性的伸縮性の障害となる。さらに、嵩高の吸収体にさらに引っ張り力がかかることは、必ずしも有利ではない。したがって、第二の伸縮手段が、股間部の吸収体と重複する領域において、その弾力特性に関して無効化されると有利であることが判明するかもしれない。このような無効化は、たとえば、吸収体により覆われる領域の中の第二の伸縮手段全体にわたって多くの分離用の切れ目を入れることによって実現してもよく、その一方で、他の分離方法、たとえば超音波溶接またはレーザ等もまた考えられる。
【0081】
掛けられることが好ましい緊張条件に関係なく、失禁対策用品の生産中に、第二の伸縮手段は、その扇形に展開する形状の経路に対応してより大きく引き伸ばされるかもしれず、したがって、前記伸縮手段が実質的に相互に等距離で機械方向に延びる、扇形に展開しない領域より高い事前緊張度に曝されるかもしれないという事実にすでに言及した。このような事前緊張度の増大は一般に、第二の伸縮手段を従来のストレッチボンディング工程に導入した場合に発生しうるため、これについては詳しく説明しない。
【0082】
特に、第二の伸縮手段は、脚部開口部に近い第二の腹部区分の中、および/または脚部開口部に近い第二の背部区分の中に固定され、その際、それぞれ脚部開口部に近い第二の腹部区分の中、および/または脚部開口部に近い第二の背部区分において、少なくとも第一の層と第二の層が設けられ、それらの間に第二の伸縮手段が、好ましくは第一および/または第二の層の全面に塗布された接着剤によって固定される。
【0083】
失禁対策用品の全体的寸法に関して、腹部の股間部に面する最も内側の第二の伸縮手段の、背部の、これに対応する股間部に面する最も内側の第二の伸縮手段からの距離(C)が、250から420mmであると有利であることがわかる。
【0084】
最も内側の、股間部に面する第二の伸縮手段の、腹部の、および背部の脚部開口部に面する股間側領域の、脚部開口部の縁を形成する縁辺形状からの距離は、好ましくは2〜40mm、より好ましくは3〜30mm、特に好ましくは4〜15mmである。
【0085】
第二の伸縮手段は好ましくは、糸状または帯状の伸縮手段であり、たとえば、ゴムまたはポリエーテルポリウレタンまたはポリエステルポリウレタンの糸、好ましくは、Lycra(登録商標)、Creora(登録商標)またはSpandex(登録商標)糸等がある。第二の伸縮手段の強度は好ましくは、300〜1500dtex、具体的には500〜900dtex、より具体的には500〜600dtexである。
第二の伸縮手段は好ましくは、1.5〜6.0の、具体的には2.5〜5.0の事前緊張度で、第二の腹部区分および第二の背部区分の本体形成外皮材料上に固定される。事前緊張度とは、ここでは、伸縮手段の伸ばされていない/弛緩した状態に関する、引き伸ばしの程度の係数と定義される。
【0086】
腹部の、長手方向の長さBの脇部縫い目領域における範囲と、背部の、長手方向の長さRの脇部縫い目領域の範囲は、有利な態様として、少なくとも100mm、具体的には少なくとも150mmおよび具体的には150mmから220mmである。
脚部開口部から遠い第一の腹部区分の、長手方向の長さB1の脇部縫い目領域の範囲は、有利な態様として、少なくとも60mm、具体的には少なくとも80mm、および具体的には80mmから160mmである。脚部開口部から遠い第一の背部区分の、長手方向の長さR1の脇部縫い目領域の範囲は、好ましい態様として、少なくとも60mm、具体的には少なくとも80mm、より具体的には80mmから160mmである。
【0087】
長手方向への腹部と背部との間の最小距離は、有利な態様としては、250から400mmである。
【0088】
横方向への股間部の最大範囲、すなわち最大幅Eは、有利な態様としては、少なくとも200mm、具体的には200から350mm、より具体的には250から320mmである。股間部においては、有利な態様として、股間部の最大幅が股間部と腹部および/または背部との重複領域内にある。
股間部を、正確に言えば、具体的には重複領域において、横方向に少なくとも200mmと、非常に張り出した状態で実現することにより、有利な態様として、股間部と腹部および/または背部とを安定に連結することができる。
【0089】
さらに、バックシート材料の、および/またはトップシート材料の横方向への、すなわち吸収体の長手方向縁辺の両側への張り出しが、股間部の最大幅Eに関して、少なくとも25%、具体的には25〜50%、より具体的には30〜45%、より具体的には35〜45%であると有利であることがわかる。
【0090】
吸収体の両側にバックシート材料および/またはトップシート材料が比較的大きく張り出すことは、したがって、比較的狭い吸収体を有する広い股間部となることを意味する。その結果、これによって、最初に股間部と腹部との間、次に股間部と背部との間に大きな重複領域ができる。これによって、股間部に、脚部開口部に沿って延びるようにされ、嵩高で、したがって剛性の吸収体から比較的大きな距離に脚用伸縮手段を設けることができる。これにより今度は、股間部の両側の脚用開口部の縁辺において良好な密閉性と適応性が得られる。これは、薄い本体材料と比較して、捻りに対して剛性である嵩高の吸収体がこのように、液密性の脚部末端部を形成する上でほとんど障害とならないからであり、したがって、液密性の脚部末端部を形成するためにきわめて高い緊張力を使って作業する必要がなくなり、これが今度は、失禁対策用品の着け心地にブラスの影響を与える。
【0091】
有利な態様として、トップシート材料および/またはバックシート材料はさらに、長手方向への張り出しを形成し、これはそれぞれ、吸収体の横方向縁辺の外側に延びる。
【0092】
有利な態様として、バックシート材料とトップシート材料は横方向に、また任意で長手方向に同じ範囲を有する。これらは、相互に関して合同、すなわち一致する。
しかしながら、さらに、バックシート材料とトップシート材料が相互に合同でない場合も有利である。より具体的には、バックシート材料は、有利な態様として、トップシート材料と比較して、横方向において、および/または長手方向において、範囲がより狭い。その結果、使用者の着け心地を妨害するかもしれないバックシート材料、たとえばシーティングがトップシートの材料、より具体的には不織布材料によって覆われる。
【0093】
腹部および/または背部の本体形成材料および、したがって第一と第二の腹部区分の第一と第二の層および/または第一と第二の背部区分の第一と第二の層は、好ましくは不織布材料、たとえば、スパンボンド不織布(S)、メルトブロー不織布(M)、SM不織布、SMS不織布、SMMS不織布、カード法不織布または熱風結合カード法不織布等を含む。特に好ましくは、腹部および/または背部の本体形成材料は、スパンボンド不織布を含む。腹部および/または背部のため、およびしたがって対応する平部区分および/または背部区分に使用される不織布材料の面密度は、有利な態様として、10〜30g/m、より好ましくは15〜25g/mである。特に好ましくは、腹部と背部は、具体的には面密度が15〜25g/mのポリプロピレンのスパンボンド不織布を含む。
【0094】
股間部の本体形成外皮材料はさらに有利に形成され、バックシートは具体的に、面密度が具体的には10〜40g/mのシーティングからなる。具体的には、バックシートは、使用中に液体不透過性であるが、同時に通気性、すなわち透湿性を有する、具体的には細孔性のシーティングを含む。バックシートの透湿性は、DIN 53 122−1(2001−08版)に従って測定した場合に、具体的には少なくとも300g/m/24h、より具体的には少なくとも1000g/m/24h、より具体的には少なくとも2000g/m/24h、より具体的には少なくとも3000g/m/24h、より具体的には少なくとも4000g/m/24h、より具体的には最大6000g/m/24hである。
シーティングにはまた、有利な態様として、失禁対策用品の、体に面していない外側に、織物のような外観を与えることのできる、不織布コーティングを設けてもよい。不織布コーティングは好ましくは、不織布材料、具体的には、面密度が具体的には7〜25g/m、10〜20g/mの、具体的には12〜17g/mのポリプロピレンのスパンボンド不織布からなる。
【0095】
トップシート材料は、好ましくは不織布材料、たとえば、スパンボンド不織布(S)、メルトブロー不織布(M)、SM不織布、SMS不織布、SMMS不織布、カード法不織布または熱風結合カード法不織布等を含む。
トップシート材料は、この場合、好ましくは、トップシート材料からのみ形成されてもよい。より好ましくは、トップシート材料は、トップシート材料とバリア手段の複合体であってもよい。
機能性に応じて、以下に示す有利な材料が使用される。トップシート材料は好ましくは、不織布材料、たとえばスパンボンド不織布、カード法不織布または熱風結合カード法不織布を含む。特に好ましくは、トップシート材料はスパンボンド不織布を含む。より有利な態様として、トップシートに使用される不織布材料の面密度は、5〜20g/m、8〜20g/m、より好ましくは10〜18g/m、特に好ましくは12〜16g/mである。特に好ましくは、トップシートは、面密度が具体的には12〜16g/mの、具体的にはポリプロピレンの親水化されたスパンボンド不織布を含む。バリア手段の材料は好ましくは、不織布材料、たとえば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、カード法不織布または熱風結合カード法不織布を含む。特に好ましくは、バリア手段の材料は、一重または複数枚重ねの不織布を含む。特に好ましくは、バリア手段の材料は、一重または複数枚重ねのスパンボンド不織布(S)および/またはメルトブロー不織布(M)の積層体、より具体的には、スパンボンド不織布とメルトブロー不織布のからなる積層体で、具体的にはスパンボンドの層をその積層体の外側の層とし、具体的にはメルトブロー不織布の複数の層を内側の層とした、たとえば具体的にはSMS積層体、SMMS積層体、SMMMS積層体を含む。メルトブローまたはスパンボンド不織布の層は、具体的にはポリオレフィン、たとえばポリエチレンまたはポリプロピレン等をベースとする。このような材料は安価であり、その固有の疎水特性により、液体浸透遅延効果を持たせるのに適している。より有利な態様として、バリア手段に使用される不織布材料の面密度は、5〜20g/m、好ましくは8〜20g/m、より好ましくは10〜18g/mである。特に好ましくは、バリア手段は、面密度が具体的には10〜18g/mの、具体的にはポリプロピレンのスパンボンド不織布とメルトブロー不織布の層の積層体を含む。
【0096】
吸収体は、体液を吸収する材料、たとえば天然または合成繊維、具体的にはセルロース繊維、好ましくはセルロースの綿毛の形態のものを含む。吸収材のコアは好ましくはまた、超吸収材料(SAP)、具体的には表面架橋ポリアクリレート部分中和物を含む。
【0097】
股間部または、股間部の、脚部開口部の縁を形成する長手方向縁辺は、有利な態様として、弓形に曲線を付けて形成される。
【0098】
<本発明による方法>
排泄物を受けるためのパンツ型失禁対策用品を製造するための、特許請求の範囲の請求項14による特徴を有する方法も同様に、本発明による。
横方向すなわち胴回り方向に連続し、胴回り方向に閉じられた胴部開口部を有する腹背帯状部を形成するために、製造者により相互に両側の脇部縫い目領域において連結される前側腹部と後側背部を有する失禁対策用品。さらに、この失禁対策用品は、吸収体を備える股間部を有し、股間部は、腹側の長端と背側の長端を有し、股間部に面する縁辺を持つ腹部と、股間部と面する縁辺を持つ背部との間で長手方向に延びる。
【0099】
股間部は前側重複領域において腹部と重複し、腹部に分離不能に結合され、股間部は後側重複領域において背部と重複し、背部に分離不能に結合される。
【0100】
股間部は、液体不透過性のバックシート材料と、トップシート材料を含み、これらの間に吸収体が配置され、トップシート材料および/またはバックシート材料は横方向に、それぞれ吸収体の長手方向縁辺の外側へと延びる張り出しを形成する。
【0101】
股間部および、腹部と背部も、失禁対策用品の脚部開口部の縁を形成する。
【0102】
股間部の腹側の長端は長手方向へと、横方向に平行に走る想像線L1まで延び、股間部の背側の長端は長手方向へと、横方向に平行に走る想像線L2まで延び、線L1は腹部を脚部開口部から遠い第一の腹部区分と脚部開口部に近い第二の腹部区分に分割し、線L2は背部を脚部開口部から遠い第一の背部区分と背部開口部に近い第二の背部区分に分割する。
【0103】
糸径Dの第一の糸状または帯状の伸縮手段が第一の腹部区分の中および第一の背部区分の中に設置され、相互から距離Nで、相互に平行に、横方向すなわち胴回り方向に延びて、それゆえ、第一の腹部区分と第一の背部区分にその表面積全体にわたって伸縮性を持たせ、第一の腹部区分と第一の背部区分は各々、少なくとも第一の層と第二の層を有し、それらの間に第一の伸縮手段が固定される。
【0104】
第一の伸縮手段を固定するための本発明による方法は、以下の方法ステップを有する。
−失禁対策用品の第一の腹部区分の、および第一の背部区分のそれぞれの第一の層を形成する2枚の基本ウェブ(subsidiary webs)を供給するステップと、
−第一の腹部区分の、および第一の背部区分のそれぞれの第二の層を形成する2枚の基本ウェブを供給するステップと、
−機械方向に平行で、幅Gを有し、相互から間隔Mが空けられた細帯状の接着領域の形態の接着剤コーティングを、第一の腹部区分を形成する2枚の基本ウェブの少なくとも一方に、および第一の背部区分を形成する2枚の基本ウェブの少なくとも一方に塗布するステップと、
−糸径Dの第一の伸縮手段を機械方向に、平行に、相互から間隔Nを空けて供給し、その際、供給される隣接する第一の伸縮手段の間隔Nが、隣接する接着領域の間隔Mより大きくなるようにし、各々について、個々の接着領域内で、機械方向に1つの第一の伸縮手段を、第一の腹部区分を形成する、および第一の背部区分を形成する基本ウェブの上へと設置するステップと、
−第一の伸縮手段を基本ウェブに連結するステップ。
【0105】
3つの構成要素からなる設計の個々の失禁対策用品を得るために、有利な態様として、他の方法ステップが実行される。
−股間部を供給し、股間部を、第一の腹部区分を形成する基本ウェブと、および第一の背部区分を形成する基本ウェブと合体させて、股間部が、機械方向を横切る長手方向に、前後の重複領域において、一方の端で1枚の基本ウェブと、また他方の端で他方の基本ウェブと同一平面になるように配置され、股間部が機械方向に相互から離間されて配置されるようにし、股間部と基本ウェブを重複領域において固定するステップと、
−機械方向に走る折り線を中心に折り曲げ、一方の基本ウェブが他方の基本ウェブの上に重なるようにするステップと、
−重ねられた基本ウェブを、機械方向に関して横方向に、相互に離間させて結合することによって、製造しようとする失禁対策用品の脇部縫い目領域を形成し、腹部、背部および、それらの間に配置された股間部を有する製品を得るステップと、
−機械方向に関して横方向に分離用切れ目を作り、個々の、完成品としての失禁対策用品を得るステップ。
【0106】
接着剤コーティングは、有利な態様として、各々について、第一の腹部区分の、および第一の背部区分の第一または第二の層を形成する基本ウェブにのみ塗布される。この実施形態においては、技術的観点から工程制御が簡単である。
【0107】
しかしながら、あるいは、接着領域を、第一の腹部区分の第一と第二の層と第一の背部区分の第一と第二の層を形成する基本ウェブの両方に設けることも可能である。このために、相互に平行に配置された接着領域の形態の接着剤コーティングが、それぞれ第一と第二の層を形成する2枚の基本ウェブの上向きの面に塗布される。この工程において、第一と第二の層を形成する基本ウェブには、合同のパターンの接着剤コーティングが設けられる。第一の伸縮手段との積層体が形成されると、これらの基本ウェブは、塗布パターンに従って合同の塗布パターンで一致した状態で相互に接触する。両方の基本ウェブの上に接着剤コーティングを設ける実施形態においては、使用する接着剤の量を少なくすること、すなわち、1枚の基本ウェブについて、および接着剤領域1箇所についての接着剤コーティングの面密度を小さくすることができる。
【0108】
本発明の発展形において、第二の伸縮手段が第一の伸縮手段に加えて供給される。
【0109】
好ましくは、第二の伸縮手段は、第一の腹部区分および/または第一の背部区分を形成する所定の基本ウェブの上の、第一の伸縮手段のない領域に設けられる。
【0110】
第一の腹部区分および/または第一の背部区分を形成する所定の基本ウェブの代わりに、および/またはそれに追加しても、第二の伸縮手段をそれぞれ、腹部および/または背部を形成する、さらに供給された基本ウェブの上に設けることができる。
【0111】
第二の伸縮手段は、好ましくは、これらが後に脚部開口部に近い第二の腹部区分および/または第二の背部区分となる部分に配置されるように供給される。
【0112】
腹部と背部をそれぞれ、脚部開口部から遠い第一の腹部区分と脚部開口部に近い第二の腹部区分に、および脚部開口部から遠い第一の背部区分と脚部開口部に近い第二の背部区分に分割することは、股間部を、その腹側の長端を腹部の上に、またその背側の長端を背部の上に置いて配置することにより、それぞれの長端において横方向に平行に延び、腹部と背部を分割する想像線L1とL2によって行われる。
【0113】
好ましくは、第二の伸縮手段は、腹部と背部を形成する2枚のまた別の基本ウェブに設けられる。
【0114】
好ましくは、第二の伸縮手段は、これらが2つの脇部縫い目領域から、失禁対策用品の長手方向の中心軸の方向に延び、それによって、相互からの距離が増大する弓形に、扇形に展開して広がるように供給される。
【0115】
第二の伸縮手段を脚部開口部に近い第二の腹部区分の中および/または脚部開口部に近い第二の背部区分の中に固定するために、第二の腹部区分および/または第二の背部区分を形成する基本ウェブに、好ましくは第二の伸縮手段に面する上面の全表面積にわたって塗布される接着剤が設けられる。
【0116】
後に第一の腹部区分および/または第一の背部区分となる部分の、および/または第二の腹部区分および/または第二の背部区分の、第一と第二の層の基本ウェブは、好ましくは本体材料から作製され、上述のような面密度を有する。
【0117】
第一の伸縮手段は、好ましくは前述のような材料から作製され、好ましくは前述の糸径Dを有する。
【0118】
好ましくは、接着剤コーティングは、接着手段の形態で、前述の面密度で塗布される。
【0119】
接着剤領域または接着剤領域部分は、前述のように、好ましくは幅B、間隔M、長さSおよび/または間隔Pの接着剤コーティングを塗布することによって得られる。第一の伸縮手段は好ましくは、前述のように、相互から間隔Nで配置される。好ましくは、接着剤領域または接着剤領域部分または第一の伸縮手段は、前述のように、割合G/M、G/Dおよび/またはS/Pが得られるように配置される。
【0120】
接着剤コーティングを塗布するために、第一および/または第二の層を形成する基本ウェブ、具体的には、後に第一の腹部区分と第一の背部区分となる基本ウェブが、連続的に速度v1で糊付けステーションに供給される。好ましくは、対応する基本ウェブは、ローラによって糊付けステーションを通過するように案内される。有利な態様として、基本ウェブは、接着手段用の出現領域を有する糊付けステーションを通過するように案内され、基本ウェブが出現領域と接触し、したがって接着手段が接触方式により設けられるようになっている。
【0121】
有利な態様として、塗布ヘッドの出現領域には開放および閉鎖領域が設けられ、あるいは、開放および閉鎖領域を有する挿入マスクを設けることができる。
開放および閉鎖領域に分割することによって、塗布ヘッドから離間された状態で接着手段を出現させることができ、その結果、基本ウェブがそこを通過するように案内されると、接着剤コーティングが離間されて、細帯状の接着領域の形態で塗布されることになる。挿入マスクの形状または開放および閉鎖領域の配置によって、接着剤領域の幅と接着剤領域の相互からの間隔という意味で、接着剤領域の細帯パターンを調整し、設定することができる。
【0122】
好ましくは、糊付けステーションの塗布ヘッドに、所定の方法で設定可能な所望の量の接着剤を放出するための計量装置を設けることによって、接着剤コーティングの面密度を有利なものにすることができる。
【0123】
第一の伸縮手段は、伸長状態で、好ましくは連続的に、それぞれの基本ウェブに供給される。好ましくは、第一の伸縮手段は、好ましくは伸縮手段を供給する過程で速度を変化させることによって、1.5〜6.0、好ましくは2.5〜5.0の事前緊張度で引き伸ばされる。第一の伸縮手段は、市販の糸案内装置によって、基本ウェブの方向に配置され、本発明によれば、それぞれ1つの第一の伸縮手段が基本ウェブの塗布側の接着領域の中に位置付けられる。
【0124】
これに対応する、それゆえ第二または第一の層を形成する他方の基本ウェブはこの工程に、ある速度、好ましくは同じ速度v1で、ウェブ移動方向に、コーティングされた基本ウェブの接着剤塗布面へと、第一の伸縮手段を第一の伸縮手段が第一と第二の層を形成する基本ウェブ間の空間の中に入るように位置付けた後に供給される。他方の基本ウェブは、接着剤が塗布され、第一の伸縮手段が位置付けられた後に直接供給され、積層体を形成する3つの材料が接着剤の硬化時間内に直接連続して供給され、その工程内で、具体的には1対のローラによって相互に圧迫される。接着領域を糸径Dより十分に広くすることによって、伸縮手段が接着剤の層の中に固定されることに加え、2枚の基本ウェブが相互に接着される。
【0125】
あるいは、前述の工程による接着剤コーティングを同様に、この別の基本ウェブにも適用することができる。この工程において、接着剤コーティングは、すでにコーティングされた基本ウェブと合同に設計するべきである。
【0126】
股間部には好ましくは、前述のように、トップシート材料、バックシート材料および吸収体と、吸収体の長手方向縁辺を超えて延びるトップシートおよび/またはバックシート材料の張り出しが設けられる。
【0127】
原則的に、供給されるべき失禁対策用品の股間部を、これらが連続的に、具体的にはロールから供給されるように事前設定することが可能であろう。この方法の他の変形版によれば、連続トップシート材料ウェブ、連続バックシート材料ウェブおよび吸収体が機械方向に供給され、吸収体がトップシート材料ウェブとバックシート材料ウェブの間に相互に離間されて配置され、形成された複合体はそれゆえ、それ自体で固定されることから、股間部のみが連続的な方法で形成されるようにすると有利であることがわかるかもしれない。
【0128】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、付属の特許請求の範囲によって、および本発明による失禁対策用品の好ましい実施形態の図面および以下の説明によって提供される。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明による失禁対策用品の平面図を示し、失禁対策用品の腹部、背部および、これらを連結する股間部が、まだパンツ型へと合体されておらず、平らに置かれ、拡げられた状態で示されている。
【図2】図1の背部の詳細部分の、接着領域の説明を含む平面図を示す。
【図3】他の設計による接着領域を有する、図2と同様の図を示す。
【図4】図1の失禁対策用品の切断面II−IIに沿った(概略)断面図を示す。
【図5】図1の失禁対策用品の切断面III−IIIに沿った(概略)断面図を示す。
【図6】本発明による他の実施形態の失禁対策用品の平面図を示し、失禁対策用品の腹部、背部および、これらを連結する股間部が、まだパンツ型へと合体されておらず、平らに置かれ、拡げられた状態で示されている。
【図7】図6による実施形態の失禁対策用品を使用者に装着した状態の(概略)斜視図を示す。
【図8】図6の腹部の詳細部の平面図を示す。
【図9】失禁対策用品の腹部と背部における復元力の測定を一例として示す。
【図10】失禁対策用品の腹部と背部における復元力の測定を一例として示す。
【図11a−c】本発明による、第一の伸縮手段を固定する方法の概略図を示す。
【図12】伸縮手段を第一と第二の腹部区分または背部区分に供給し、取り付ける様子の概略図を示す。
【図13】パンツ型に折り畳む様子と、脇部縫い目領域の形成およびその後の衛生用品の個別化の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0130】
図面は、固体および液体の排泄物を受けるための、パンツ型失禁対策用品を示しており、その全体が参照符号2で示されている。失禁対策用品2は、可能なかぎり、相互に独立して生産される3つの構成要素、具体的には、前側腹部4、後側背部6および、前記腹部と前記背部との間に配置され、吸収体7を備える股間部8から形成され、股間部8は表面積の実質的な割合で、一方で腹部4と、他方で背部6と重複し、股間部8の腹部4との重複領域36において、および股間部8の背部6との重複領域38において、製造者によって分離不能に連結されている。図1からわかるように、これによって、長手方向9を有する、失禁対策用品のH字形の基本構造ができる。パンツ型を形成するために、図1に示される結合された構成要素からなる部分が、同様に製造者によって、腹部4の、および背部6のそれぞれの横の長手方向縁辺部分10、12において相互に連結され、これによって脇部縫い目領域14が両側に形成され、これは、パンツ型失禁対策用品の他の実施形態(図6に基づく)を示す図7の概略図からわかる。製造者により生産されるパンツ型失禁対策用品のこの状態において、腹部4と背部6は、横または胴回り方向16に、脇部縫い目領域14まで連続的に延び、このようにして、胴回り方向に閉じられた胴部開口部18と脚部開口部19が画定され、使用者はここから失禁対策用品をパンツのように着用する。
【0131】
好ましい変形版によれば、股間部8の腹部4との重複領域36は、腹部4の表面の少なくとも12%を占め、股間部8の背部6との重複領域38は、背部6の表面の少なくとも20%を占める。これは、それゆえ、股間部8を腹部4に、および背部6に、具体的にはまた接着剤が全表面積にわたって塗布されていない時にも、しっかりと固定することができるため、有利であることがわかっている。
【0132】
吸収体7を備える股間部8は、股間部に面する横方向縁辺58を有する腹部4と、股間部に面する横方向縁辺60を有する背部6との間で長手方向9に延び、腹側の長端98と背側の長端100を有する。腹側の長端98は、横方向16に平行に走る想像線L1まで延び、背側の長端100は、横方向16に平行に走る想像線L2まで延びる。線L1は、腹部4を脚部開口部から遠い第一の腹部区分20と脚部開口部に近い第二の腹部区分22に分割し、線L2は、背部6を脚部開口部から遠い第一の背部区分24と脚部開口部に近い第二の背部区分26に分割する。
脚部開口部から遠い第一の腹部区分20に、および脚部開口部から遠い第一の背部区分24に第一の伸縮手段28が設けられ、これらは糸または帯の形態の、特にLycra(登録商標)糸等の伸縮手段であり、これらは事前に伸長状態とされる、いわゆるストレッチボンディング工程によって、腹部4の、および背部6の本体材料に連結され、これを、図2と図3を参照しながら以下に詳細に説明する。この第一の伸縮手段28は、一方の脇部縫い目領域14から他方へ、横方向すなわち胴回り方向16に延びる。
【0133】
腹部4の脇部縫い目領域14における長手方向9への範囲Bと、背部6の脇部縫い目領域14における長手方向への範囲Rは、有利な態様として、100から220mmの間である。
【0134】
脇部縫い目領域の範囲Bは、脇部縫い目領域のうちの、脚部開口部から遠い第一の腹部区分20の範囲B1と、脇部縫い目領域のうちの、脚部開口部に近い第二の腹部区分22の範囲B2からなり、これらの範囲は横方向16へと延びる想像線L1によって腹部4が分割されることによって得られる。
脇部縫い目領域14のうち、脚部開口部から遠い第一の腹部区分20の長手方向9への範囲は、長さB1であり、これは有利な態様として、少なくとも60mm、具体的には少なくとも80mm、および具体的には80mmから160mmである。
【0135】
脇部縫い目領域の範囲Rは、脇部縫い目領域のうちの、脚部開口部から遠い第一の背部区分24の範囲R1と、脇部縫い目領域のうちの、脚部開口部に近い第二の背部区分26の範囲R2からなり、これらの範囲は横方向16へと延びる想像線L2によって背部6が分割されることによって得られる。脇部縫い目領域14のうち、脚部開口部から遠い第一の背部区分24の長手方向9への範囲は、長さR1であり、これは有利な態様として、少なくとも60mm、具体的には少なくとも80mm、より具体的には80mmから160mmである。
【0136】
股間部8の横方向16への範囲は、有利な態様として、200から350mmである。
【0137】
股間部8は、特に通気性があるが液密性のシーティング材料によって形成されてもよい液体不透過性のバックシート材料62と、好ましくは不織布をベースとして生成されるトップシート材料84を含む。吸収体7がバックシート材料62とトップシート材料84の間に配置される。吸収体7は、長手方向縁辺46、腹側横方向縁辺88および背側横方向縁辺89を有する。例として示されている場合において、バックシート材料62および/またはトップシート材料84はそれぞれ、長手方向縁辺46の両側に、横方向16への張り出し66a、66bを形成する。同様に、バックシート材料62および/またはトップシート材料84はそれぞれ、横方向縁辺88、89の両側に張り出し67a、67bを形成する。
これに関連して、図4は、図1の失禁対策用品の、横方向16に走る切断面II−IIに沿った概略断面図を示す。股間部8は、トップシート材料84とバックシート材料62との間に吸収体7を備え、少なくとも2つの層からなる背部6と重なっている。トップシート材料84とバックシート材料62は、横方向16に、吸収体7の長手方向縁辺46の外側へと延び、両側で、股間部8の長手方向縁辺48において終了する。トップシート材料84とバックシート材料46は両側で張り出し66a、66bを形成する。有利な態様として、バックシート材料の、および/またはトップシート材料の横方向への張り出しは、全体として、すなわち、吸収体の長手方向縁辺の両側で、股間部の最大幅Eに関して少なくとも25%、具体的には25〜50%、より具体的には30〜45%、およびより具体的には35〜45%である。最大幅Eとは、股間部8の横方向16への最大範囲と理解され、この最大範囲は、この場合、股間部8の背部6との重複領域の中に配置される。
【0138】
比較的大きな張り出しが有利であり、これは、股間部と腹部の、および股間部と背部の大きな重複によって、股間部が、製造者の施設において、具体的には接着剤によって腹部と背部にしっかりと固定されることが可能であるからである。
【0139】
さらに、横方向への大きな張り出しは脚部の伸縮手段の配置にとって有利であり、これは、例として図6による実施形態の中に概略的に示されており、これはまた、図1による実施形態にも、股間部8の脚部開口部19に沿って含めることができる。
【0140】
図6に示されるように、横方向16への張り出し66a、66bによって、脚部伸縮手段82を配置するためのスペースが得られ、この伸縮手段は脚部開口部19に沿って延びる。実際、脚部伸縮手段82が、嵩高で、したがってかなり剛性の吸収体7から特定の距離の位置に延び、それによって一方で、吸収体に余分な引き伸ばしまたは捻り力が加えられて、その吸収挙動が不利な影響を受けることがないようにし、および他方で、吸収体によってほとんど影響を受けない液密状態の脚部閉鎖部が得られるようにすると有利であることがわかる。図の場合において、これらの脚部伸縮手段82が、それぞれ腹部4と背部6の第二の伸縮手段40、42の手前で、長手方向9に、具体的には少なくとも10mm、好ましくは少なくとも20mmの空白距離を空けて終了すると特に有利であることがわかる。好ましくは、これらの脚部伸縮手段82は、長手方向9に腹部4と背部6の手前で終了する。これは、脚部伸縮手段82が、このようにして、腹部4の、および背部6の緊張関連の挙動にほとんど、またはまったく影響を与えないため、有利であり、重要である。正確には腹部4の、および背部6の、脚部開口部19に面する股間側領域22と26における着け心地を改善するという目的を有利に達成することに関して、通常は大きな事前緊張が掛けられ、これに対応する大きな復元力を持つように形成される脚部伸縮手段82がさらにそこに設けられると不利であることがわかっている。
【0141】
図1に概略的に示されているように、脚部開口部に近い第二の腹部区分22と、脚部開口部に近い第二の背部区分26は、それぞれ縁辺形状32と34を有し、これは横方向すなわち胴回り方向16から逸れて、股間部8の横方向の中心軸30の方向に延びる。この縁辺形状32、34は弓形であり、したがって、脚部開口部19の縁を形成するのに適している。脚部開口部に近い第二の腹部区分22の、および第二の背部区分26のこのような形状により、股間部8と腹部4または背部6との間にもまた比較的大きな重複領域36、38が得られ、これは、股間部8と腹部4または背部6との連結部を破れにくくすることに関して重要である。
【0142】
図1の長手方向9に沿った切断面III−IIIから得られる、失禁対策用品2の断面図が、図5に概略的に示されている。股間部8は、長手方向9に、腹部4と背部6との間に延び、これら2つの構成要素と重複する。股間部8は、腹側の長端98と背側の長端100を有し、各々について、長端における想像線が腹部と背部を分割する。腹側の長端98は想像線L1まで延び、この線は腹部4を脚部開口部から遠い第一の腹部区分20と脚部開口部に近い第二の腹部区分22に分割する。背側の長端100は想像線L2まで延び、この線は背部6を脚部開口部から遠い第一の背部区分24と脚部開口部に近い第二の背部区分26に分割する。この断面図はまた、トップシート材料84とバックシート材料62の、それぞれ吸収体7の横方向縁辺88、89の外側の範囲から得られる張り出し67aと67bも示している。第一の腹部区分20と第一の背部区分24は各々、第一の層201、241および第二の層202、242を有する。第一の伸縮手段28は、第一の腹部区分20の、および第一の背部区分24の第一と第二の層との間に配置される。第一の層、第二の層および伸縮手段からなる積層体は、接着領域29の中にある接着剤コーティング33によって得られる。接着領域の、および第一の伸縮手段の配置を、図2と図3を参照しながらより詳しく説明する。
【0143】
図2は、図1による脚部開口部から遠い第一の背部区分24の詳細部I−Iの概略拡大図を示す。
【0144】
第一の背部区分24は、第一の層241と第二の層242を含み、その間に第一の伸縮手段28が導入される。第一の伸縮手段28を固定するために、接着剤コーティング33を有する細帯状の接着領域29が第二の層242に塗布される。接着領域は、第一の背部区分の横方向16に延び、長手方向9に、間隔Mで平行に配置される。細帯状の接着領域29は、横方向16に延びる縁辺35によって限定され、幅Gを有する。細帯状の接着領域29間の間隔Mは、直接隣接する接着領域29からの、横方向16に隣接して延びる縁辺35の距離によって測定される。接着領域の設けられていない面31が、細帯状の接着領域29間に残る。各細帯状の接着領域29の中には、糸径Dの糸状または帯状の第一の伸縮手段28が1本のみ導入され、糸径Dは常に細帯状の接着領域29の幅Gより小さい。第一の伸縮手段28の間隔N(直接隣接する第一の伸縮手段28間の距離として測定される)もまた、したがって、常に各々の隣接する細帯状の接着領域29間の間隔Mより大きい。
また、第一の層241の代わりに、第二の層242が接着剤コーティングを有する接着領域(図示せず)を持つことも考えられる。あるいは、第一の層241とまた、第二の層242の両方が接着剤コーティングを有する接着領域(図示せず)を持つことも同様に可能である。後者の場合、第一の層と第二の層が、積層体が形成されると、特に好ましくは相互の上に一致した状態で配置されるような、合同パターンで塗布された接着領域を有すると有利である。
【0145】
図3は、同様に図1の詳細部I−Iの拡大概略図であり、図2と同じく、接着領域の中の第一の層241と第二の層242との間に個々に導入される第一の伸縮手段28を示しているが、これは別の実施形態であり、細帯状の接着領域29は、横方向16に間隔Pで配置される接着領域部分29’からなる。接着領域部分29’は長さSを有し、これは、有利な態様として、横方向16に間隔Pより大きい。特に、割合S/Pは少なくとも0.1、ただし、好ましくは最大15である。接着領域部分は、有利な態様として、長さSが少なくとも2mmおよび最大30mmである。直接隣接する接着領域部分の間隔Pは、具体的には少なくとも2mm、より具体的には最大20mmである。
【0146】
接着領域29または接着領域部分29’は幅Gを有し、長手方向に間隔Mで平行に配置される。接着領域の幅Gと間隔Mは、有利な態様として、相互に合わせて調整される。割合G/Mは、有利な態様として、少なくとも0.10、および好ましくは最大7.5である。接着領域29または接着領域部分29’は、有利な態様として、幅Gが2から15mmであり、有利な態様として、2から25mmの間隔Mで平行に配置される。第一の伸縮手段28の糸径Dは、有利な態様として割合G/Dが少なくとも2および最大100となるように、接着領域または接着領域部分の幅Gより小さい。糸径Dが0.05〜1.0mmの伸縮手段を使用することが特に有利である。接着領域29の中の接着剤コーティング33は糊、特にホットメルト型の糊の形態で塗布される。疎水性の糊、具体的にはFuller社(H.B.Fuller Deutschland GmbH,An der Roten Bleiche 2−3,21335 Lueneburg,Germany)の糊、LC 3001ZPを塗布することが特に好ましい。接着剤コーティング33は、基準重み2〜40g/mで塗布される。
【0147】
図6は、本発明による失禁対策用品の平面図を示し、図中、これはまだ拡げられた状態で、腹部と背部の長手方向縁辺においてまだ連結されておらず、第一の腹部区分20の、および第一の背部区分24の中に第一の伸縮手段28を有することに加え、失禁対策用品2はまた、脚部開口部に近い第二の腹部区分22において、および脚部開口部に近い第二の背部区分26においても伸縮性が与えられている。図1に関して説明した参照符号を図6にも適用することができる。
【0148】
第二の伸縮手段40、42は、それぞれ脚部開口部に近い第二の腹部区分22と背部区分26に設けられる。各々の第二の伸縮手段40、42は、それぞれ腹部4と背部6の長手方向縁辺10、12から、失禁対策用品の長手方向の中心軸44の方向に延びる。図6からわかるように、第二の伸縮手段40、42は、長手方向の中心軸44の方向に扇形に展開する。これは、それらの間の間隔が、長手方向の中心軸44の方向に増大することを意味する。第二の伸縮手段40と42のこのような扇形の展開はまた、図8に基づいて、より正確に定量的に明示することができる。たとえば、脚部開口部に近い第二の腹部区分22の第二の伸縮手段40(図8に示される)は、長手方向縁辺10または脇部縫い目領域14において、3から8mmの最小間隔(相互に直接隣接する伸縮手段の間隔)と、吸収体の縁辺46または股間部8の長手方向縁辺48において、7から35mmの最大間隔(相互に直接隣接する伸縮手段の間隔)を有する。図8に基づき、扇形展開度Fはまた、以下のように定義することもできる。
F=(A−B)/B100%
【0149】
この扇形展開度は、有利な態様として、50から900%の間、具体的には100から700%の間、より具体的には150から550%の間であってもよい。これは、有利な態様として、腹部4においてより、背部6において大きい。可変値AとBはここでは、長手方向9に最も外側の第二の伸縮手段40、42の、長手方向9に最も内側の第二の伸縮手段40、42からの距離として定義され(すなわち、相互に直接隣接する伸縮手段の間隔ではない)、正確には、Aは具体的には股間部8の長手方向縁辺48における最大距離として、また、Bは具体的には脇部縫い目領域14における最小距離として定義される(図8参照)。
【0150】
第二の伸縮手段40、42について選択された扇形展開度が十分に大きいと、第二の伸縮手段40、42のうち、胴回りすなわち横方向16と反対に面する弓形形状が、これらの第二の伸縮手段40、42が追従する経路がより長くなることによって、事前緊張度を過剰に増大させないことが確実とされるかぎり、このようにして、脚部開口部に近い第二の腹部区分22の中の、または脚部開口部に近い第二の背部区分26の中の復元力を股間部8の方向56に低下させることができる。脚部開口部に近い第二の腹部区分22または背部区分26の、脇部縫い目領域14に近い領域50を、股間部8により近い領域52とともに考慮した場合、領域52の表面が引き伸ばされた時に(伸縮手段42の方向に引き伸ばされた時に)発生する復元力は、領域50が引き伸ばされた時に発生する復元力より小さい。これはまた、有利な態様として、例として示されているこの場合において、第二の伸縮手段40、42によってもたらされる伸縮力がより小さいことにより、腹部4の、および背部6の本体材料に寄せられるギャザーの程度が少なくなり、正確には、脇部縫い目領域14から股間部8の方向への折り畳み/ひだ54の数もまた少なくなる、という効果を有する。脚部開口部に近い第二の腹部区分22の、または脚部開口部に近い第二の背部区分26の表面積が引き伸ばされた時に発生する復元力が、矢印56の方向、すなわち、概して脇部縫い目領域14から股間部8の方向に減少するという事実は、着け心地の各段の改善が実現されることを意味し、これは、すでに立証されているように、弾性的に伸縮可能な材料は、正確にこれらの領域において特に問題であることがわかっているからであり、これは、これらの材料が特に、この領域の人体の骨格的外形に対応した引っ張りと引き伸ばしを受けるからである。このように復元力を巧妙に、有利に低下させること、すなわち、矢印56の方向、すなわち股間部8により近くなる方向に復元力を減少させることには、ここで、これまで実現されなかった自由度を提供する効果がある。
【0151】
冒頭で述べたように、復元力は、直接、失禁対策用品の本体について測定してもよい。このために、腹部4の、または背部の関連領域を、所定の同一の留め具幅(b)の2つの留め具102、104(図9と図10参照)の間に留め付けてから、使用状態を模倣するために、測定対象領域を、具体的には(留め付けられていない状態の留め具の間隔の)初期の長さの30%または50%または80%の所定の引き伸ばしを加えた状態で復元力を測定する。留め具102、104は、この場合、それぞれ相互から遠くなるように移動させる。留め具102、104は、測定対象領域の、できるだけ多くの、ただし、少なくとも相互に隣接して配置された少なくとも2つの伸縮手段28、40、42を固定するべきであり、これらは、伸縮手段が追従する線に関して略垂直に向けて、留め具102、104間の引き伸ばし、すなわち留め具102、104の離れる方向への移動が、実質的に、伸縮手段が追従する線の方向に行われるようにするべきである。これは、図9と10において実現されている。
【0152】
図の失禁対策用品2の好ましい実施形態において、腹部4の股間に面する最も内側の第二の伸縮手段40の、背部6のこれに対応する股間に面する最も内側の第二の伸縮手段42からの距離Cは、失禁対策用品の製造大きさに応じて、250から420mmの間である。第二の伸縮手段40、42は、腹部4の、および背部6の、実質的に股間に面する横方向縁辺58、60まで延びる。腹部4と背部6との間の距離は250〜400mmである。
【0153】
最も内側の、股間に面する第二の伸縮手段40、42の、脚部開口部に近い第二の腹部区分22と背部区分26の、脚部開口部の縁を形成する縁辺形状32、34からの距離は、好ましくは2〜40mm、より好ましくは3〜30mm、特に好ましくは4〜15mmである。
【0154】
<本発明による方法>
図11から13は、本発明による製造方法を示す。
【0155】
図12からわかるように、好ましくは不織布をベースとする基本ウェブ122、124が、後に失禁対策用品2の腹部4と背部6となる部分を、図1または図4に示されるように失禁対策用品がまだ拡げて置かれ、腹部と背部の長手方向縁辺においてまだ連結されていない状態で作製するために供給される。これらの基本ウェブ122、124は単独のウェブから、長手方向に分割することによって形成することができる。
【0156】
これらの基本ウェブ122、124は股間部8と、特に機械方向120を横切る長手方向9に延びる股間部が一方の端で一方の基本ウェブ122と重複し、他方の端で他方の基本ウェブ124と重複するように合体される。股間部8は、腹側の長端98と背側の長端100を有する。これらの長端98、100は、それぞれ平行な想像線L1、L2まで延びる。想像線L1により、後に腹部となる基本ウェブ122は、脚部開口部から遠い第一の腹部区分20と脚部開口部に近い第二の腹部区分22に分割される。同様に、想像線L2によって、後に背部となる基本ウェブ124は、脚部開口部から遠い第一の背部区分24と脚部開口部に近い第二の背部区分26に分割される。
【0157】
具体的には不織布をベースとする別の基本ウェブ134、136が供給され、これらも同様に、後に腹部と背部となる部分を形成するために提供される。
【0158】
さらに、横方向すなわち胴回り方向16に延び、後に第一の腹部区分となる部分の中に、および後に第一の背部区分となる部分の中に固定されるために提供される第一の伸縮手段28が次に、機械方向120に連続的に供給される。具体的には、第一の伸縮手段は、相互に離間されるように、事前緊張された状態で、糸案内装置137を介して供給される。第一の伸縮手段28を、腹部と、したがって第一の腹部区分20を形成するために相互作用する基本ウェブ122、134との間に、および背部と、したがって第一の背部区分24を形成するための基本ウェブ124、136との間に固定するために、基本ウェブに接着剤コーティング33が設けられる。接着剤コーティング33は、基本ウェブに細帯状の接着領域29の形態で塗布される。図の実施形態において、接着剤コーティング33は、各々について、2枚の基本ウェブの一方、ここでは134のみに、すなわち、後に第一の腹部区分の第一または第二の層となる部分に、および各々について、2枚の基本ウェブの一方、ここでは136のみに、すなわち後に第一の背部区分の第一または第二の層となる部分に塗布される。しかしながら、代案として、接着剤コーティングを、各々について、基本ウェブのうちの他方、または両方の基本ウェブに塗布することも考えられ、これについて図11a〜cを参照しながら以下に概略的に説明する。
平行に、離間されて機械方向120へと配置される細帯状の接着領域29の中に接着剤コーティング33を塗布するために、基本ウェブ134、136が糊付けステーション138を通過するように案内され、それによって、具体的には接触方式によって糊が塗布される。
糊が塗布された基本ウェブと、第一の伸縮手段が合体されて積層体が形成され、その際、各々について、1つの第一の伸縮手段28だけが接着剤領域29の中て機械方向120に沿って配置されるようにする。その後、材料、すなわちそれぞれの基本ウェブと伸縮手段は、接着剤33の硬化時間内に、ローラ139、具体的には1対のローラ139によって相互に重ねて圧迫される。
【0159】
図11a、bおよびcもまた、引き伸ばされた第一の伸縮手段、すなわち事前緊張が掛けられた第一の伸縮手段を固定する方法を描いたものである。図11aは、後に第一の腹部区分となる部分と、したがって1つの第一の層201と1つの第二の層202を形成する基本ウェブ122、134に基づく積層ステップの概略平面図である。
糊付けステーション138は、そこを通過するように案内された基本ウェブ134に接着剤を接着剤コーティング33として塗布する。糊付けステーションの吐出ヘッドは、相互に離れた開口部(ここでは図示せず)を有する。基本ウェブ134が機械方向120に所定の速度で通過するように案内される間、幅Gの細帯状の接着領域29が平行に、相互の間隔Mで生成される。
【0160】
糸案内装置137を用いて、第一の伸縮手段28が個々に、間隔Nで、伸長状態で、接着剤コーティング33が設けられた接着剤領域29の上に位置付けられる。すべての材料はローラ139によって一緒に圧迫され、その間、他の基本ウェブ122が供給される。図11bと図11cは前述の工程を概略的断面図において示しており、図11cは、その変形版として、基本ウェブ134、122の両方に接着剤を塗布する代案を略図の形態で示している。この場合、上面が基本ウェブ134に面する基本ウェブ122は同様に、接着剤コーティング33の塗布のために糊付けステーション138’の下に案内され、その後、基本ウェブ134および第一の伸縮手段28と合体される。有利な態様として、接着剤コーティング33の設けられた基本ウェブ122は、基本ウェブ134に合同の塗布パターンで提供され、それによって第一の伸縮手段はその後、基本ウェブ134の接着剤コーティング33と基本ウェブ122との間に設置され、その結果として固定される。
【0161】
図12はさらに、図4に示されるように、まだ拡げて置かれ、腹部と背部の長い縁辺部分においてまだ連結されていない状態の、後に失禁対策用品2の腹部4と背部6となる部分の他の伸縮領域を設けるために第二の伸縮手段40、42を導入する様子を示す。
【0162】
第二の伸縮手段40と42は、冒頭に記したこれらの基本ウェブ122、124に塗布され、この目的のために、これらは同様に、連続的に、基本ウェブ122、124の搬送方向に供給される。第二の伸縮手段40、42をそれぞれ基本ウェブ122、124に固定するために、糊付けステーション130においてそれ以前に、好ましくは全表面積に接着剤が塗布された1つの不織布カバー層126、128が提供され、それによって、第二の伸縮手段40、42が基本ウェブ122、124と不織布カバー層126、128との間に積層される。これは、図12においては概略図であるため見えないが、第二の伸縮手段40、42は、相互の間隔が変化するように供給され、これは、両矢印132によって示される振動案内装置によって実現される。それゆえ、案内装置を適切に作動させることによって、第二の伸縮手段40、42は、各個々の伸縮手段40、42についての股間部8の方向へと弓形に扇形に展開する形状となる。ここで、第二の伸縮手段40、42は、これらが基本ウェブの上の、後に第二の腹部区分22となる部分と後に第二の背部区分26となる部分の中に配置されるように供給される。
【0163】
しかしながら、伸縮手段40と42のすべてに個々に接着剤を供給する、すなわち、これらに糸と同様に糊付けすることもおそらく実現可能であろう。
伸縮手段40と42への接着手段の塗布の種類に関係なく、不織布のカバー層126および/または128を設けないことを可能とすることもまた、おそらく実現可能であろう。しかしながら、不織布カバー層は、これが同時に、失禁対策用品の、柔らかく感じる内面を形成する点で有利である。
【0164】
第二の伸縮手段40、42を有する実施形態においては、股間部8を、これが合体された後に機械方向120に相互に離間されて配置されるように供給することも可能である。図12から得られる構成において、股間部8と基本ウェブ122、124は相互に固定され、機械方向120に搬送され、前述のように第一の伸縮手段28が設けられる。
【0165】
その後、図12では、裁断用ローラ対140、すなわちアンビルローラを有する回転式ナイフが設けられ、それらの間に、すでに形成された複合体が機械方向120に前述の向きで案内される。この工程において、輪郭裁断部142が実行され、その範囲内でそれぞれ1つの弓形セグメント144が、好ましくは基本ウェブ122、124からのみ、正確には基本ウェブ122、124の相互に面する横方向縁辺または縁辺部分58、60からのみ分離され、それによって脚部切欠き146もまた、基本ウェブ122、124の中に形成される。輪郭裁断部142に股間部8が含まれず、基本ウェブ122、124だけが含まれるという事実により、輪郭裁断部142は実質的に機械方向120に沿って延び、いずれの場合も、それに対して大きな角度で横切ることはない。その結果、裁断部を最適に形成することができる。全体として、これによって、後に失禁対策用品2の脚部開口部19となる部分を、最適と考えられる要求事項に従って高い精度で実現することが可能となる。この工程においては、輪郭裁断部142を、基本ウェブ122において基本ウェブ124とは異なる形状となるように実現できる。その結果、脚部切欠き146と、後に失禁対策用品2の脚部開口部19となる部分の形状を、腹部4と背部6において異なる形となるようにすることができる。
【0166】
このように構成された複合体は引き続き搬送され、図13のみに示される折り畳みステーション148の中で、機械方向120に走る折り線150を中心として折り畳まれ、一方の基本ウェブ124が他方の基本ウェブ122の上に重ねられる。続いて、結合ステーション152において、それぞれの脇部縫い目領域14が基本ウェブ122、124間で形成され、すなわち、実際のパンツ型が形成される。この方法ステップに続き、分離ステーション154において、機械方向120を横切るように分離裁断が実行され、これによって完成品の失禁対応用品2が個別化される。また、結合ステーション152を、たとえば溶接および裁断装置の形態で、同時に分離ステーションとして実現することも可能であり、それによって失禁対策用品2は、脇部縫い目領域14の形成と一緒に個別化される。
【0167】
図13に概略的に示される方法ステップはまた、第一の伸縮手段だけを有する、すなわち第二の伸縮手段を持たない失禁対策用品の実施形態にも適用されるべきである。
【0168】
原則的に、失禁対策用品の股間部8を、これらが連続的に、具体的にはロールから供給されるように事前成形することも実現可能であろう。この方法の他の変形版によれば、連続トップシート材料ウェブ、連続バックシート材料ウェブおよび吸収体が機械方向に供給され、吸収体がトップシート材料ウェブとバックシート材料ウェブの間に相互に離間されて配置され、形成された複合体はそれゆえ、それ自体で固定されることから、股間部のみが連続的な方法で形成されるようにすると有利であることがわかるかもしれない。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
横方向である胴回り方向(16)に連続し、前記胴回り方向に閉じられた胴部開口部(18)を有する腹背帯状部を形成するために、製造者により、両側の脇部縫い領域(14)において相互に連結された前側腹部(4)と後側背部(6)と、吸収体(7)を備える股間部(8)と、を有する、排泄物を受けるためのパンツ型失禁対策用品において、
前記股間部が、腹側の長端(98)と背側の長端(100)を有し、股間部に面する横方向縁辺(58)を持つ前記腹部(4)と、股間部に面する横方向縁辺(60)を持つ前記背部(6)との間に長手方向(9)に延び、
前記腹側の長端(98)が、前記横方向(16)に平行に走る想像線L1まで前記長手方向(9)に延び、
前記背側の長端(100)が、前記横方向(16)に平行に走る想像線L2まで前記長手方向(9)に延び、
前記股間部(8)が、前側重複領域(36)で前記腹部(4)と重複して前記腹部に分離不能に結合され、
前記股間部(8)が、後側重複領域(38)で前記背部(6)と重複して前記背部(6)に分離不能に結合され、
前記股間部(8)が、液体不透過性のバックシート材料(62)と、トップシート材料(84)を含み、
前記吸収体(7)が、前記バックシート材料(62)と前記トップシート材料(84)との間に配置され、
前記トップシート材料(84)および/または前記バックシート材料(62)が、前記吸収体(7)の長手方向縁辺(46)の外側に延びる張り出し(66a、66b)を形成し、
前記股間部(8)だけでなく、前記腹部(4)と前記背部(6)も前記失禁対策用品(2)の脚部開口部(19)の縁を形成し、
前記線L1が前記腹部(4)を、前記脚部開口部から遠い第一の腹部区分(20)と、前記脚部開口部に近い第二の腹部区分(22)に分割し、前記線L2が前記背部(6)を、前記脚部開口部から遠い第一の背部区分(24)と前記脚部開口部に近い第二の背部区分(26)に分割し、
糸径Dの第一の糸状または帯状伸縮手段(28)が、前記第一の腹部区分(20)の中および前記第一の背部区分(24)の中に設置され、相互からの間隔Nで、相互に平行に、前記横方向である前記胴回り方向(16)に延び、このようにして、前記第一の腹部区分(20)と前記第一の背部区分(24)に、その表面積全体にわたって伸縮性を持たせ、
前記第一の腹部区分(20)と前記第一の背部区分(24)の各々が、少なくとも第一の層(201、241)と第二の層(202、242)を有し、それらの間に前記第一の伸縮手段(28)が細帯状の接着領域(29)によって固定され、
平行に、前記横方向である前記胴回り方向(16)に延びる幅(G)の細帯状の接着領域が、相互からの距離Mで配置され、
前記細帯状の接着領域(29)の前記幅Gが前記第一の伸縮手段(28)の前記糸径Dより大きく、
前記第一の伸縮手段(28)の1つが、前記細帯状の接着領域(29)の1つの中にそれぞれ配置される、
失禁対策用品。
【請求項2】
割合G/Mが、少なくとも0.10、具体的には少なくとも0.30、より具体的には少なくとも0.50、より具体的には少なくとも0.75、より具体的には少なくとも1.0、好ましくは最大7.5、より好ましくは最大6.0、より好ましくは最大5.0、より好ましくは最大4.0であることを特徴とする、請求項1に記載の失禁対策用品。
【請求項3】
割合G/Dが、少なくとも2、より好ましくは少なくとも4、より好ましくは少なくとも6、より好ましくは少なくとも8、より好ましくは少なくとも10であるが、好ましくは最大100、より好ましくは最大80、より好ましくは最大60、より好ましくは最大50、より好ましくは最大40、より好ましくは最大30であることを特徴とする、請求項1または2に記載の失禁対策用品。
【請求項4】
前記細帯状の接着領域(29)が、長さSで、前記横方向(16)に間隔Pで配置される接着領域部分(29’)を含み、前記接着領域部分(29’)が好ましくは、割合S/Pが少なくとも0.1、より好ましくは少なくとも0.3、より好ましくは少なくとも0.5、より好ましくは少なくとも1.0、より好ましくは少なくとも2.0であるが、より好ましくは最大15、より好ましくは最大13、より好ましくは最大10であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の失禁対策用品。
【請求項5】
前記脚部開口部から遠い前記第一の腹部区分(22)および/または前記脚部開口部から遠い前記第一の背部区分(24)が、前記腹部(4)の、および/または前記背部(6)の表面積に関して、30〜75%の、より具体的には35〜70%の、より具体的には35〜65%の割合を占めることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の失禁対策用品。
【請求項6】
前記脚部開口部から遠い前記第一の腹部区分(22)および/または前記脚部開口部から遠い前記第一の背部区分(24)が、前記接着領域(29)および/または接着領域部分(29’)のない表面(31)を、前記脚部開口部から遠い前記第一の腹部区分(22)の、および/または前記脚部開口部から遠い前記第一の背部区分(24)の表面積に関して、20〜80%の、具体的には25〜70%の、より具体的には30〜60%の割合で有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の失禁対策用品。
【請求項7】
前記接着領域(29)および/または接着領域部分(29’)が、接着剤コーティング(33)を、2〜40g/m、より具体的には2〜30g/m、より具体的には2〜20g/m、より具体的には2〜10g/mの面密度で有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の失禁対策用品。
【請求項8】
前記接着コーティング(33)が、前記第一の腹部区分(22)の前記第一および/または第二の層に、および前記第一の背部区分(24)の前記第一および/または第二の層に塗布されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の失禁対策用品。
【請求項9】
前記股間部(8)の腹部(4)との前記前側重複領域(36)が、前記腹部(4)の表面の少なくとも12%、具体的には15〜40%、より具体的には15〜35%、およびより具体的には15〜25%を占め、前記股間部(8)から背部(6)への前記後側重複領域(38)が、前記背部(6)の表面の少なくとも20%、具体的には20〜40%、より具体的には20〜35%、およびより具体的には22〜32%を占めることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の失禁対策用品。
【請求項10】
前記バックシート材料(62)の、および/または前記トップシート材料(84)の横方向(16)への前記張り出し(66a、66b)が全体として、前記吸収体(7)の前記長手方向縁辺(46)の両側において、前記股間部(8)の最大幅(E)に関して、少なくとも25%、具体的には25〜50%、より具体的には30〜45%、およびより具体的には35〜45%を占めることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の失禁対策用品。
【請求項11】
第二の伸縮手段(40、42)が、前記脚部開口部に近い前記第二の腹部区分(22)の中および/または前記脚部開口部に近い前記第二の背部区分(26)の中に設けられることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の失禁対策用品。
【請求項12】
前記第二の伸縮手段(40、42)が、前記両側の脇部縫い領域(14)から前記失禁対策用品(2)の長手方向の中心軸(44)の方向(56)に延び、それによって、相互からの距離の増大に伴って弓形に、扇形に展開して広がることを特徴とする、請求項11に記載の失禁対策用品。
【請求項13】
前記脚部開口部に近い前記第二の腹部区分(22)と、前記脚部開口部に近い前記第二の背部区分(26)が各々、少なくとも第一の層(221、261)と、第二の層(222、262)を有し、それらの間に前記第二の伸縮手段(40、42)が固定され、具体的には、前記第一および/または第二の層に、その表面全体にわたって塗布された接着剤コーティング(43)によって固定されることを特徴とする、請求項11または12に記載の失禁対策用品。
【請求項14】
横方向である胴回り方向(16)に連続し、前記胴回り方向に閉じられた胴部開口部(18)を有する腹背帯状部を形成するために、製造者により、両側の脇部縫い領域(14)において相互に連結された前側腹部(4)と後側背部(6)と、吸収体(7)を備える股間部(8)と、を有する、排泄物を受けるためのパンツ型失禁対策用品(2)であって、
前記股間部が、腹側の長端(98)と背側の長端(100)を有し、股間部に面する横方向縁辺(58)を持つ前記腹部(4)と、股間部に面する横方向縁辺(60)を持つ前記背部(6)との間に長手方向(9)に延び、前記腹側の長端(98)が、前記横方向(16)に平行に走る想像線L1まで前記長手方向(9)に延び、前記背側の長端(100)が、前記横方向(16)に平行に走る想像線L2まで前記長手方向(9)に延び、前記股間部が、前側重複領域(36)で前記腹部(4)と重複して前記腹部に分離不能に結合され、前記股間部が、後側重複領域(38)で前記背部(6)と重複して前記背部(6)に分離不能に結合され、前記股間部(8)が、液体不透過性のバックシート材料(62)と、トップシート材料(84)を含み、前記吸収体(7)が前記バックシート材料(62)と前記トップシート材料(84)との間に配置され、前記トップシート材料(84)および/または前記バックシート材料(62)が、前記吸収体(7)の長手方向縁辺(46)の外側に延びる張り出し(66a、66b)を形成し、前記股間部(8)だけでなく、前記腹部(4)と前記背部(6)も前記失禁対策用品の脚部開口部(19)の縁を形成し、前記線L1が前記腹部(4)を、前記脚部開口部から遠い第一の腹部区分(20)と、前記脚部開口部に近い第二の腹部区分(22)に分割し、前記線L2が前記背部(6)を、前記脚部開口部から遠い第一の背部区分(24)と前記脚部開口部に近い第二の背部区分(26)に分割し、糸径Dの第一の糸状または帯状伸縮手段(28)が、前記第一の腹部区分(20)の中および前記第一の背部区分(24)の中に設置され、相互からの間隔Nで、相互に平行に、前記横方向である前記胴回り方向(16)に延び、このようにして、前記第一の腹部区分(20)と前記第一の背部区分(24)に、その表面積全体にわたって伸縮性を持たせ、前記第一の腹部区分と前記第一の背部区分の各々が、少なくとも第一の層(201、241)と第二の層(202、242)を有し、それらの間に前記第一の伸縮手段(28)が固定されるパンツ型失禁対策用品(2)を製造する方法において、
前記第一の伸縮手段を固定する方法が、
−前記失禁対策用品(2)の前記第一の腹部区分(20)の、および前記第一の背部区分(24)のそれぞれの前記第一の層(201、241)を形成する2枚の基本ウェブ(122、124)を供給するステップと、
−前記第一の腹部区分(20)の、および前記第一の背部区分(24)のそれぞれの第二の層(202、204)を形成する2枚の基本ウェブ(134、136)を供給するステップと、
−接着剤コーティング(33)を、機械方向(120)に平行で、幅Gを有し、相互から距離Mが空けられた細帯状の接着領域(29)の形態で、前記第一の腹部区分(20)を形成する前記2枚の基本ウェブ(122、134)の少なくとも一方に、および前記第一の背部区分(24)を形成する前記2枚の基本ウェブ(124、136)の少なくとも一方に塗布するステップと、
−糸径Dの前記第一の伸縮手段(28)を前記機械方向(120)に、平行に、相互から間隔Nを空けて供給し、その際、供給される隣接する前記第一の伸縮手段の前記間隔Nが、隣接する前記接着領域(29)の前記間隔Mより大きくなるようにし、各々について、個々の前記接着領域(29)内で、前記機械方向(120)に1つの前記第一の伸縮手段(28)を、前記第一の腹部区分および前記第一の背部区分を形成する前記基本ウェブ(122、124、134、136)の上へと設置するステップと、
−前記第一の伸縮手段(28)を前記基本ウェブ(122、124、134、136)に連結するステップと、
−前記股間部(8)を供給し、前記股間部(8)を、前記第一の腹部区分を形成する前記基本ウェブ(122、134)と、および前記第一の背部区分を形成する前記基本ウェブ(124、136)と合体させて、前記股間部(8)が、前記機械方向(120)を横切る前記長手方向(9)に、前記前側重複領域(36)及び前記後側重複領域(38)において、一方の端で1枚の基本ウェブ(122、134)と、また他方の端で他方の基本ウェブ(124、136)と同一平面になるように配置され、前記股間部(8)が前記機械方向(120)に相互から離間されて配置されるようにし、前記股間部(8)と前記基本ウェブ(122、124、134、136)を前記重複領域(36、38)において固定するステップと、
−前記機械方向(120)に走る折り線を中心に折り曲げて、一方の基本ウェブ(122、134)が他方の基本ウェブ(124、136)の上に重なるようにするステップと、
−前記重ねられた基本ウェブ(122、134、124、136)を、前記機械方向(120)に関して横方向に、相互に離間させて結合することによって、製造しようとする前記失禁対策用品(2)の前記脇部縫い領域(14)を形成し、前記腹部(4)、前記背部(6)および、それらの間に配置された前記股間部(8)を有する製品を得るステップと、
−前記機械方向(120)に関して横方向に分離用切れ目を作り、個々の、完成品としての失禁対策用品(2)を得るステップと、
を含む方法。
【請求項15】
相互に平行な前記接着領域(29)の形態の前記接着コーティング(33)が、各々について、前記第一の腹部区分の前記第一と第二の層および前記第一の背部区分の前記第一と第二の層を形成する前記2枚の基本ウェブに塗布され、両方の基本ウェブが、具体的には、前記接着コーティングの合同な塗布パターンで設けられることを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
−第二の伸縮手段(40、42)を、前記第一の腹部区分および/または前記第一の背部区分を形成する前記所定の基本ウェブ(122、134、124、136)上の、第一の伸縮手段(28)がない領域に、または前記腹部(4)および/または前記背部(6)を形成する、さらに供給された基本ウェブ(222、264)上に供給し、塗布するステップ、
をさらに含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記第二の伸縮手段(40、42)が、これらが前記両側の脇部縫い領域(14)から前記失禁対策用品(2)の長手方向の中心軸(44)の方向(56)へと延び、それによって、相互からの距離が大きくなるのに伴い、弓形に、扇形に展開して広がるような方法で供給されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2013−519404(P2013−519404A)
【公表日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−552295(P2012−552295)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【国際出願番号】PCT/EP2011/000466
【国際公開番号】WO2011/098226
【国際公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【出願人】(500038020)パウル ハルトマン アクチェンゲゼルシャフト (64)
【Fターム(参考)】