説明

パーキンソン病を治療するための方法

本発明は、インヒビンまたはフォリスタチンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大または制御し、あるいはアクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減または制御する薬剤の投与を含む、パーキンソン病を治療するための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2005年2月9日に出願した米国特許出願第11/053445号の優先権を主張し、その開示を全て、参照により本明細書に組み込む。
【0002】
本発明は、パーキンソン病を治療するための方法に関する。とりわけ、本発明は、インヒビンまたはフォリスタチンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大または制御し、あるいはアクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減または制御し、それによってパーキンソン病の発症及び進行を防ぐまたは遅らせる薬剤の投与に関する。
【背景技術】
【0003】
パーキンソン病は、平均年齢55歳で発症する年齢関連性の神経変性疾患である。米国では、約100万人の前記疾患に罹患した人がいる。症例の95%が孤発性であり、明らかな遺伝的関連性を持たない。パーキンソン病は、罹患者の間に重篤な病的状態、及び死亡率の増大をもたらす。パーキンソン病患者に対する身体障害、生産力の損失、及び製薬的治療に関連した費用は、1年につき260億ドルを超える。
【0004】
パーキンソン病は、安静時振戦、寡動、運動機能低下、無動、固縮、前屈み姿勢、不安定性、並びに患者の25%以上において、受動、反応性の遅延、うつ状態、及び痴呆として現れる認知機能障害を特徴とする(Dauer, W. and Przedborski, S. Parkinson’s disease: mechanisms and models. Neuron 39: 889-909, 2003)。パーキンソン病の神経病理学的特徴は、黒質緻密部におけるドーパミン作動性ニューロンの損失、レビー小体として知られる神経細胞内のタンパク質封入体の存在、及び線条体ドーパミンレベルの低下である(Schapira, A. H. V. and Olanow, C. W. Neuroprotection in Parkinson disease. Mysteries, myths and misconceptions. Journal of the American Medical Association 291: 358-364, 2004)。
【0005】
背内側面のニューロンが影響を受ける正常な老化と比較して、パーキンソン病では、黒質緻密部の腹側外及び尾側部からより多くの神経細胞が損失する(Fearnley, J. M. and Lees, A. J. Ageing and Parkinson’s disease: substantia nigra regional selectivity. Brain 114: 2283-2301, 1991)。線条体のドーパミン作動性神経終末は、神経細胞体の破壊前に変性する主要な構造体であると考えられる(Bernheimer, H., Birkmayer, W., Hornykiewicz, Q., Jellinger, K., and Seitelberger, F. Brain dopamine and the syndromes of Parkinson and Huntington. Clinical, morphological and neurochemical correlations. Journal of Neurological Science 20: 415-455, 1973)。
【0006】
パーキンソン病に対して現在利用し得る治療は対症療法であり、治癒的または疾患を緩和する療法は知られていない。
【0007】
レボドバ治療は、当該疾患の処理のための主力となる療法であるが、長期間の治療は5年以内に動揺性動作障害(motor fluctuations)及びジスキネジア(dyskinesia)の発現をともなう(Rascol, O., Brooks, D. J., Korczyn, A. D., DeDeyn, P. P., Clarke, C. E., Lang, A. E. A five-year study of the incidence of dyskinesia in patients with early Parkinson’s disease who were treated with ropinirole or levodopa. New England Journal of Medicine 342: 1484-1491, 2000)。抗コリン薬は、ドーパミンに拮抗するコリン作動性神経細胞の作用を阻害し、振戦及び固縮を治療するために用いられる。カテコール-O-メチルトランスフェラーゼインヒビターは、レボドパの3-O-メチルドパへの末梢及び中枢の代謝を阻害し、それによって、レボドパの「消耗」時間を引き延ばす。
【0008】
モノアミンオキシダーゼ-B(ドーパミンを触媒する酵素)のインヒビターは、脳内におけるドーパミンの作用を引き延ばし、症状上の利益を提供するが、そのようなインヒビターが神経保護効果を有することは知られていない。前記モノアミンオキシダーゼ-Bインヒビター類に属する薬剤は、セレグリン及びアマンタジンを含む(Romrell, J., Fernandez, H. H., Okun, M. S. Rationale for current therapies in Parkinson’s disease. Expert Opinions in Pharmacotherapeutics 4: 1747-1761, 2003)。
【0009】
パーキンソン病に対して多くの神経保護試験が実施されているが、当該データは矛盾し、決定的なものでない。神経保護の研究は、ビタミンE及びコエンザイムQを含む抗酸化剤、並びにドーパミンアゴニスト・プラミペキソールの効果を検討している(Schapira, A. H. V. and Olanow, C. W. Neuroprotection in Parkinson disease. Mysteries, myths and misconceptions. Journal of the American Medical Association 291: 358-364, 2004)。
【0010】
[アクチビン及びインヒビン]
アクチビン及びインヒビンは、非共有結合でつながったサブユニット:αサブユニット及び/またはβサブユニットA、B、C、D、及びEからなる二量体タンパク質である(Fang et al., 1996;Hotten et al., 1996;Oda et al., 1995;Vale et al., 1990)。前記αサブユニットは主に生殖組織で発現し、卵子形成及び精子形成に直接関連しており、一方、βサブユニットは生殖及び他の多くの組織で発現する(Hubner et al., 1999)。インヒビンAは、αサブユニットとβAサブユニットとからなる。インヒビンBは、αサブユニットとβBサブユニットとからなる(Bernard et al., 2001)。アクチビンAは、2つのβAサブユニットからなり、アクチビンABは、1つのβAサブユニットと1つのβBサブユニットからなり、及びアクチビンBは、2つのβBサブユニットからなる(Halvorson and DeCherney, 1996)。βサブユニットC、D、及びEはつい最近同定されたため、他のサブユニットとのそれらの相互関係はほとんど知られていない(Hotten et al., 1996;Mellor et al., 2000;O’Bryan et al., 2000)。
【0011】
アクチビンは、ゴナドトロピン分泌を刺激することが分かっているため、それらはまず視床下部−下垂体−生殖腺系のメンバーとして同定された(Ling et al., 1986;Vale et al., 1986)。アクチビンによるゴナドトロピン産生の刺激は、インヒビン及びフォリスタチンによって阻害される。インヒビンは、アクチビンレセプターに結合し、それらを競合様式で不活性化する。この阻害作用は、細胞膜がベータグリカンを発現している組織中で顕著に増大される。フォリスタチンは、アクチビンに不可逆的に結合し、それらがアクチビンレセプターに結合するのを妨げる(DeKretser et al., 2002;Gray et al., 2002)。アクチビンは、タンパク質の形質転換成長因子(TGF-β)ファミリーのメンバーであること、及び多くの非生殖機能に関与していることが分かっている。
【0012】
アクチビン及びそれらのレセプターは、ユビキタスに発現しており、細胞の分化及びアポトーシスの制御において重要な機能を担っている(Baer, H., Friess, H., Abou-Shady, M., Berberat, P., Zimmermann, A., Gold, L., Korc, M., and Buchler, M. Transforming growth factor betas and their receptors in human liver cirrhosis. Eur J Gastroenterol Hepatol 10, 1031-1039, 1998;Baldwin, R. L., Friess, H., Yokoyama, M., Lopez, M. E., Kobrin, M. S., Buchler, M. W., and Korc, M. Attenuated ALK5 receptor expression in human pancreatic cancer: correlation with resistance to growth inhibition. Int J Cancer 67, 283-288, 1996;Dewulf, N., Verschueren, K., Lonnoy, O., Moren, A., Grimsby, S., VandeSpiegle, K., Miyazono, K., Huylebroeck, D., and TenDijke, P. Distinct spatial and temporal expression patterns of two type I receptors for bone morphogenetic proteins during mouse embryogenesis. Endocrinology 136, 2652-2663, 1995;Kitten, A. M., Kreisberg, J. I., and Olson, M. S. Expression of osteogenic protein-1 mRNA in cultured kidney cells. J Cell Physiol 181, 410-415, 1999;Li, G., Borger, M. A., Williams, W. G., Weisel, R. D., Mickle, D. A., Wigle, E. D., and Li, R. K. Regional overexpression of insulin-like growth factor-I and transforming growth factor-beta 1 in the myocardium of patients with hypertrophic obstructive cardiomyopathy. J Thorac Cardiovasc Surg 123, 89-95, 2002;Schluns, K. S., Grutkoski, P. S., Cook, J. E., Engelmann, G. L., and Le, P. T. Human thymic epithelial cells produce TGF-beta 3 and express TGF-beta receptors. Int Immunol 7, 1681-1690, 1995)。広い組織発現を有するフォリスタチンは、アクチビンの生殖及び非生殖作用の両方を、オートクリン/パラクリン形式で制御するように機能していると考えられる。
【0013】
アクチビンが細胞機能に影響を及ぼす方法は複雑である(Nishimura et al., 1998)。アクチビンは、タイプIIセリン・スレオニンキナーゼレセプターであるActRIIまたはActRIIBに結合し、アクチビンタイプIレセプターALK4を誘導し活性化する複合体を形成し、Smadタンパク質を介して下流シグナル伝達の活性化をもたらす(Gray, P. C., Bilezikjian, L. M., Vale, W. W. Antagonism of activin by inhibin and inhibin receptors: a functional role for betaglycan. Molecular and Cellular Endocrinology 188: 254-260, 2002に概説)。次いで、Smadは、DNAに結合し、転写因子と相互作用し、且つコリプレッサーまたはコアクチベーターを特定のプロモーターへ誘導することによって遺伝子発現の制御に直接関与する(van Grunsven et la., 2002)。インヒビンはまた、アクチビンタイプIIレセプターに結合し、インヒビンとアクチビンはActRII上の結合部位を共有する。
【0014】
固有のインヒビンレセプターがあるかどうかは依然として確認されなければならないままであるが、インヒビンはActRIIに結合することが示されている(Zimmerman and Mathews, 2001)。インヒビンは、アクチビンレセプターに結合し、アクチビンのそのレセプターを活性化する能力を阻害することによって、アクチビンの活性を制御するように主に機能していると考えられる(Bernard et al., 2001)。インヒビンの当該レセプターアフィニティーがどのように細胞膜のベータグリカン含有量の存在または非存在によって大きく影響を受けるのかによって、さらなる複雑性が立証される。ベータグリカンは、アクチビンレセプターActRIIへのインヒビンの結合を促進し、ALK4を誘導する複合体を形成することが報告されている。ActRIIのインヒビン及びベータグリカンとの会合により、アクチビンが前記レセプター結合するのを阻害され、アクチビンシグナルの遮断が生じる(Gray, P. C., Bilezikjian, L. M., Vale, W. W. Antagonism of activin by inhibin and inhibin receptors: a functional role for betaglycan. Molecular and Cellular Endocrinology 188: 254-260, 2002)。
【特許文献1】米国特許出願第11/053445号
【非特許文献1】Romrell, J., Fernandez, H. H., Okun, M. S. Rationale for current therapies in Parkinson’s disease. Expert Opinions in Pharmacotherapeutics 4: 1747-1761, 2003
【非特許文献2】Gray, P. C., Bilezikjian, L. M., Vale, W. W. Antagonism of activin by inhibin and inhibin receptors: a functional role for betaglycan. Molecular and Cellular Endocrinology 188: 254-260, 2002
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明によれば、個々のインヒビン及び/またはフォリスタチンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性の増大、あるいはアクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性の低減は、パーキンソン病の特徴である、脳内、特に黒質緻密部におけるドーパミン作動性神経細胞の死を防ぐまたは遅らせる。インヒビンまたはフォリスタチンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性の増大、あるいはアクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性の低減は、神経細胞死をもたらす酸化ストレス、ミトコンドリア不全、興奮毒性、及び炎症を含む病原性の変化を防ぐまたは遅らせることが期待される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施態様において、インヒビンアイソタイプまたはフォリスタチンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性は、重篤な副作用を引き起こさずに、可能な限り高いレベルまで増大する。別の実施態様において、アクチビンアイソタイプの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性は、重篤な副作用を引き起こさずに、可能な限り低いレベルまで低減する。
【0017】
本発明の別の実施態様によれば、インヒビン、フォリスタチン、またはこれらのどちらかのアナログは、インヒビンまたはフォリスタチンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大させるために用いられる。インヒビンまたはフォリスタチンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大させる薬剤または介入は、これらのホルモンの組換えまたは天然型、これらのホルモンの産生を刺激する薬剤、これらのホルモンの産生を増大させる遺伝子治療、これらのホルモンのインヒビターに対する受動免疫、これらのホルモンを阻害するタンパク質の発現を妨げるRNA干渉、これらのホルモンの阻害を妨げるための遺伝子のドミナントネガティブ発現、及び細胞膜ベータグリカン含有量を増大させる薬剤または介入を含むが、これに制限されない。
【0018】
アクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減させる薬剤または介入は、アクチビンまたはそのレセプター、あるいはアクチビンの活性を刺激するであろう他のタンパク質のレセプターの活性を阻害する抗体の産生を刺激するワクチン、及び前述の薬剤の任意のアナログまたは塩を含むが、これに制限されない。アクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減させる薬剤は、インヒビンまたはフォリスタチン、アクチビンの産生を低減させる遺伝子治療、アクチビンに対する受動免疫、アクチビンまたはアクチビンレセプターの発現を妨げるRNA干渉、アクチビンまたはアクチビンレセプターの発現または活性を刺激する遺伝子のドミナントネガティブ発現、及び前述の薬剤の任意のアナログまたは塩を含むが、これに制限されない。
【0019】
本発明は、インヒビンまたはフォリスタチンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大または制御する、あるいはアクチビンまたはアクチビンレセプターの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減または制御する、まだ知られていない薬剤を含む他の薬剤の投与を含む。
【0020】
本発明の他の実施態様において、アクチビンによって活性化されることが知られているsmadタンパク質の発現を低減させる、またはアクチビンによって阻害されることが知られているsmadタンパク質の発現を増大させる薬剤の投与は、アクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減または制御することが期待される。
【0021】
本発明のさらなる実施態様によれば、アクチビンが刺激するsmadを阻害する、またはアクチビンが阻害するsmadを刺激することが知られている他のTGF-βタンパク質等の薬剤の投与は、アクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減または制御することが期待される。
【0022】
本発明の種々の実施態様を前記に記載しているが、それらはただの例として示されるものであり、制限として示されるものではないと解されるべきである。本発明の広さ及び範囲は、前記の例示的実施態様のいずれかに制限されるべきでないが、添付の特許請求の範囲に従って限定されるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の脳内における神経細胞死を防ぐまたは遅らせるための方法であって、治療上有効な量の、前記患者中のインヒビン及びフォリスタチンのうち少なくとも1つの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大させる薬剤を、前記患者に投与する工程を含む方法。
【請求項2】
患者の脳内において、黒質緻密部におけるドーパミン作動性神経細胞の死を防ぐまたは遅らせるための方法であって、治療上有効な量の、前記患者中のインヒビン及びフォリスタチンのうち少なくとも1つの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大させる薬剤を、前記患者に投与する工程を含む方法。
【請求項3】
前記薬剤が、インヒビン、フォリスタチン、インヒビンのアナログ、及びフォリスタチンのアナログのうち少なくとも1つを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記薬剤が、インヒビン及びフォリスタチンのうちの少なくとも1つの産生を刺激するまたは増大させる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記薬剤が、インヒビン及びフォリスタチンのうちの少なくとも1つのインヒビターに対して受動的に免疫化する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記薬剤が、細胞膜ベータグリカン含有量を増大させる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
患者の脳内における神経細胞死を防ぐまたは遅らせるための方法であって、インヒビン及びフォリスタチンのうちの少なくとも1つを阻害するタンパク質の発現を妨げる治療上有効なRNA干渉を前記患者中で引き起こすことによって、前記患者中のインヒビン及びフォリスタチンのうちの少なくとも1つの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大させる工程を含む方法。
【請求項8】
患者の脳内における神経細胞死を防ぐまたは遅らせるための方法であって、インヒビン及びフォリスタチンのうちの少なくとも1つの阻害を妨げる遺伝子の治療上有効なドミナントネガティブ発現を前記患者中で引き起こすことによって、前記患者中のインヒビンまたはフォリスタチンのうちの少なくとも1つの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を増大させる工程を含む方法。
【請求項9】
前記神経細胞死が、黒質緻密部におけるドーパミン作動性神経細胞の死を含む、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
患者の脳内における神経細胞死を防ぐまたは遅らせるための方法であって、治療上有効な量の、前記患者中のアクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減させる薬剤を、前記患者に投与する工程を含む方法。
【請求項11】
患者の脳内において、黒質緻密部におけるドーパミン作動性神経細胞の死を防ぐまたは遅らせるための方法であって、治療上有効な量の、前記患者中のアクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減させる薬剤を、前記患者に投与する工程を含む方法。
【請求項12】
前記薬剤が、アクチビン、アクチビンレセプター、及びアクチビンの活性を刺激するタンパク質のレセプターのうちの少なくとも1つの活性を阻害する抗体の産生を刺激する、請求項10または11に記載の方法
【請求項13】
前記薬剤が、インヒビン、フォリスタチン、インヒビンのアナログ、及びフォリスタチンのアナログのうち少なくとも1つを含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項14】
前記薬剤がアクチビンの産生を低減させる、請求項10または11に記載の方法。
【請求項15】
前記薬剤がアクチビンに対して受動的に免疫化する、請求項10または11に記載の方法。
【請求項16】
前記薬剤が、アクチビンによって活性化され得る少なくとも1つのsmadタンパク質の発現を低減させる、請求項10または11に記載の方法。
【請求項17】
前記薬剤が、アクチビンによって阻害され得る少なくとも1つのsmadタンパク質の発現を増大させる、請求項10または11に記載の方法。
【請求項18】
患者の脳内における神経細胞死を防ぐまたは遅らせるための方法であって、アクチビン及びアクチビンレセプターのうちの少なくとも1つの発現を妨げる治療上有効なRNA干渉を前記患者中で引き起こすことによって、前記患者中のアクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減させる工程を含む方法。
【請求項19】
患者の脳内における神経細胞死を防ぐまたは遅らせるための方法であって、アクチビン及びアクチビンレセプターのうちの少なくとも1つの発現または活性を刺激する遺伝子の治療上有効なドミナントネガティブ発現を前記患者中で引き起こすことによって、前記患者中のアクチビンの血中若しくは組織レベル、産生、機能、または活性を低減させる工程を含む方法。
【請求項20】
前記神経細胞死が、黒質緻密部におけるドーパミン作動性神経細胞の死を含む、請求項18または19に記載の方法。

【公表番号】特表2008−530088(P2008−530088A)
【公表日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−555072(P2007−555072)
【出願日】平成17年7月13日(2005.7.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/024655
【国際公開番号】WO2006/085988
【国際公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【出願人】(507209562)ボイジャー・ファーマシューティカル・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】