説明

パーベイシブコンピューティングによる拡大リアリティ視覚化システム

本発明は、パーベイシブコンピューティングによる拡大リアリティ視覚化システムに関する。より詳細には、本発明は、都市の動きの中の専門家全般、無線通信技術を使用して、物体及び/又は建物と相互作用して、都市及び/又は建物の雰囲気を通過することが必要なホビースト、又は視覚障害者などのユーザに対して、個人が移動し、空間的及び地理的な位置決めをし、リアルタイムに、又はいくつかの保存デバイス内に保存されているデータ及び情報を取得するためのデータ及び情報を利用可能にするシステムに関する。 本発明は、展示ディスプレイが頭部支持体から外され、テーブル及び/又はベース上に置かれ、或いは手に持たれている場合、電子書籍を創出するためのシステムとしてもさらに使用可能である。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、パーベイシブコンピューティングによる拡大リアリティ視覚化システムに関する。より詳細には、本発明は、都市の動きの中の専門家全般、無線通信技術を使用して、物体及び/又は建物と相互作用して、都市及び/又は建物の雰囲気を通過することが必要なホビースト、又は視覚障害者などのユーザに対して、個人が移動し、空間的及び地理的な位置決めをし、リアルタイムに、又はいくつかの保存デバイス内に保存されているデータ及び情報を取得するためのデータ及び情報を利用可能にする拡大リアリティ視覚化システムに関する。
【0002】
本発明は、展示ディスプレイが頭部支持体から外され、テーブル及び/又はベース上に置かれ、或いは手に持たれている場合、電子書籍を創出するためのシステムとしてもさらに使用可能である。
【発明の背景】
【0003】
「頭部装着型ディスプレイ」(HMD)として一般に知られている頭部装着型視覚化システムは、初期には軍事利用のために理想化され、飛行並びに軍備の制御、レーダ制御及び戦闘データの変数に関する軍事情報をリアルタイムに航空機のパイロットに提供することが試行された。システムHMDは、非常に客観的及び定時的な適用例により、軍及び航空宇宙産業に広く使用されている。
【0004】
無線通信及び移動体通信の出現により、コンピュータ及び図書館などの物理的データベースにおいてのみ使用可能であった情報は、無線周波数(RF)によって、例えば、ブルートゥース、ジグビー及びワイファイのような特定の通信プロトコルを使用して、利用可能になってきている。RFを介する通信は、通信システムの新世代及び情報の新文化に着手している。マン/マシンのインターフェース(MMI)の文化は、特にRF通信によるワイヤの代用の出現により、現存する文化とは異なる。
【0005】
したがって、物体と人間との間の通信の可能性は、ワイヤによって物理的に連結されている必要なく、開かれる。
【0006】
習慣と実践は、監視され、場所及び/又は物体に送信されることが可能であり、空調装置を調整すること、自動車のエンジンを始動すること、又は安楽椅子を調整することなど、人間の要求に必要な機能を予測する。
【0007】
加えて、無線周波識別(RFID)システムの使用は、ますます頻度が高くなる。これらのRFIDシステムは、これが計画され、設計された、例えば物体、場所、環境、1点の家具、又は不動産に関する情報を伝えるRFサインの生成を行い、必要に応じて、空間的な位置決め、温度、製品及びサービスの可用性などの最も異なる変数に対するデータを提供する。
【0008】
RFIDシステム及び携帯電話用のRFシステムに基づいて、最も異なる環境及び製品内に組み込まれている多数の点、又はチップのデータ及び情報が取得可能であり、互いに通信し、いずれのとき、又は個人がいるいずれの場所で、アクセス及び/又は閲覧可能である情報を提供する連結された点の広域ネットワークが完成される。例えば、カウンタ内の単純なコーヒーマシンは、そのとき、そのカウンタの前を通っている人々に対して、RFを介して情報を利用可能にするであろうチップを有することが可能である。
【0009】
人間への情報及びデータを利用可能にする連結された携帯電話用のRFデバイス及びRFIDによって生成されるこの全情報ネットワークは、パーベイシブコンピューティングとして特徴付けられる。
【0010】
例えば、RFIDシステムの情報を通じて、人は図書館の扉を通り過ぎることが可能であり、データ受信システムは、図書館によって入手される新しい書籍上にメッセージを受信することが可能である。そのメッセージは、例えば、歩道又は別の公共の場において、建物の入力に配置可能である図書館のRFIDシステムによって送信可能である。又は、そのデータ受信システムは、携帯電話サービスを通じて、図書館の文化活動について、画像、テキスト、フィルムなどにより情報を受信することが可能である。
【0011】
したがって、パーベイシブコンピューティングにより拡大されるリアリティにおける適用例の可能性は開かれ、テキスト、画像の重なり、視覚コンピューティングのグラフィック・コンピューテーション/バーチャル・リアリティ(Graphic Computation/Virtual Reality)の適用例を通じて、現実世界について個人が有する視野内のデータ及び情報の量の増加が可能になる。
【0012】
この技術に類似の最新技術において知られているデバイスは、Eye Trackである。Eye Trackは、当業界で使用されるデバイスであり、シミュレートされた仮想のコンピューティング環境の情報を利用可能にするが、RFインターフェース及び/又は移動体技術を提供せず、画像重なりのためのインターフェースを処理するためのシステムを示していないので、拡大されるリアリティシステムとしての使用の可能性は提供しない。
【0013】
いくつかのEye Trackを使用して、低視力の人々の視覚化を助け、ピクチャ及びテキストなどの平面的な物体上に位置決めされたカメラ上にフォーカスされた物体の観察を可能にし、他の情報の可用性は見込まれない。
【0014】
最新技術において知られているシステムは、視覚障害を有する、又は全く有していない個人の都市環境の中での移動、又は移動性を可能にしない。この種のシステムは、優れた読取りカメラにより取り込まれる情報を除いて、いずれの情報もユーザに提供しない。これらは、自動的ではない単なるフォーカス調整及び位置決めを可能にするだけである。
【0015】
したがって、従来技術は、視覚的に障害のある、又は障害のない人々に一般に使用されているEye Trackのように使用可能であるパーベイシブコンピューティングによる頭部装着型視覚化システム(HMD)を有していない。
【0016】
都市及び建物の環境におけるパーベイシブコンピューティング及び移動性の可能性を含み、又は環境から入ってくる情報、携帯電話の情報、RFIDを有する物体若しくはユーザが実際に見ているのに比べてより多くの情報をユーザの視野内に加えるデータベースを利用可能にする従来技術のシステムはない。
【発明の概要】
【0017】
本発明は、その設計が視覚的に障害のある、又は障害のない人々に一般に使用されているEye Trackのように使用可能である頭部装着型視覚化システム(HMD)を含むとき、従来システムによって発生する欠点を克服するものである。
【0018】
本発明は、パーベイシブコンピューティングによる拡大リアリティ視覚化システム、並びに都市及び建物の環境における移動性を提供することをその目的の1つとして有し、環境から入ってくる情報、携帯電話の情報、RFID物体、又はユーザが実際に見ているのに比べてより多くの情報をユーザの視野内に含むデータベースを利用可能にする。
【0019】
本発明の別の目的は、実際の本であるかのようなディスプレイに表示される物体、テキスト及び/又はピクチャのデジタル化によって特徴付けられる電子書籍を創出するシステムを提供することであり、ユーザの目の前で情報を利用可能にする頭部装着型視覚化システム(HMD)とは異なる。
【0020】
本発明を達成する好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、以下に説明する。
【発明の詳細な説明】
【0021】
本発明は、視覚的に障害のある、又は障害のない個人の頭部に付けられるべきシステムに関する。
【0022】
図1に示すように、パーベイシブコンピューティングによるこの拡大リアリティ視覚化システムは、
頭部装着のための支持体(1)と、
超音波センサ(2)と、
近接画像の取込みのための手段(3)及び遠距離画像の取込みのための手段(4)と、
画像拡大のための手段と、
取り込まれた情報の視覚化のための手段(5)と、
画像取込みについて説明された手段を入力するための手段(6)と、
情報を受信するための手段(7)と、を含む。
【0023】
図1に見られるように、前記超音波センサ(2)は、システムの前面に配置され、ユーザと物体との間の距離の識別を可能にし、それによって、物体と都市環境の間をユーザが自由に通行することが可能になる。
【0024】
図1に示す好ましい実施形態によれば、本発明は、無線通信及びRF通信プロトコルを介して物体を識別し、及び/又はユーザが位置する環境からの情報を得るRFID通信サインの認識を可能にする通信システムを提供する。
【0025】
図1に示すシステムは、RFサインを介して、例えば、データ、音声及びビデオ通信システムを使用する移動体技術を介して、情報を受信するように設計されている。
【0026】
図1に示すように、情報を受信するための手段(7)を通じて、ユーザの目の前に位置するディスプレイ(5)では、情報受信システムによって取り込まれるRFIDシステムによって供給されるデータ、又は携帯電話システムからRFを介して受信され、又、情報受信システムによって取り込まれる情報が利用可能になることができ、そのデータと情報は、デジタル的に処理され、ディスプレイに送信され、画像及び/又はカメラシステムによってデジタル化された情報に重ねられ、又は統合される。これにより、そのシステムが、画像取込みの情報及びデータを受信するための手段を統合するとき、本発明の重要な利点がもたらされ、ユーザに、該ユーザがカメラシステムによって実際に見ているのに比べてより多くの情報が提供される。
【0027】
すべてのこの統合された情報及びTFTディスプレイ内で利用可能な情報は、パーベイシブコンピューティングによる拡大リアリティ視覚化システムの創出を可能にする。
【0028】
本発明により、視覚障害のない個人に対しての情報可用性が高まり、視覚的に障害のある人々の生活が容易になるが、それは、本発明が、さらに彼らの手の届かない、又は視野外の場所及び物体の移動及び遭遇の際に、彼らの手助けをするからである。
【0029】
画像遠距離取込みの手段(4)は、都市及び建物の障害物の周辺をユーザが移動することを可能にする開口角を有する長距離カメラである。本発明の好ましい実施形態によれば、カメラ(4)は、約50cmまで、近接した物体に対してオートフォーカスを可能にするサーボ制御の光学システムを有し、障害物の取込みについて6cmから600cmまでの動作間隔を有し、その静止位置は600cmである前記超音波センサ(2)によって生成されるサインを通じて自動的に調整される。前記オートフォーカスサーボ制御のシステムは、光学システムのレンズを調整するアブソリュートエンコーダを有するc.c.モータである。
【0030】
さらには、好ましい実施形態によれば、近接画像の取込み手段(3)は、物体を読み取り、観察するための書籍及びピクチャについて取り込まれた画像を拡大する機能を有する小角度カメラであり、c.c.モータ回転の反転を可能にする電子システムによって制御された拡大調整を有する自動電子拡大鏡として働くように設計されており、ピクチャ若しくはテキストに接近し、又はそれらから離れて、カメラを移動させる3つの位置のボタンによって作動し、それにより、拡大の調整を可能にする。自動拡大調整を有するこのシステムは、商業化が可能ではなく、手動調整による簡易デバイスのみを有する。
【0031】
本発明によれば、好ましくは、カメラ(3)及び(4)の双方は、TFTディスプレイ(5)のサインについて自動変換を有するRCA出力を有する。図2に示すように、ディスプレイ(5)は、動作選択を有する2つのビデオ入力(8)を有し、ユーザは、彼女/彼が遠距離の物体又は近接した物体を観察したいと望む場合、いかなるときにも明示することが可能になる。好ましい実施形態によれば、視覚化のための手段(5)の動作選択は、手動により行われる。しかし、この選択は、ユーザのより多くの移動性及び移動の自由度を可能にする音声認識システムによっても、さらに達成可能である。このシステムは、又、ユーザの顔、又は任意の別の筋肉の筋肉運動から生じる電気生物学的サインの解釈によって実行可能である。
【0032】
図3に示す本発明の他の実施形態によれば、ディスプレイ(5)は、頭部支持体から外れ、テキスト及び視覚化図形の書類を読み取るためのデジタル書籍を創出するシステムとして使用されることが可能である。
【0033】
デジタル電子書籍を創出するシステムは、近接カメラ(3)、並びにピクチャ及び/又はテキストをデジタル化する前に、それらを視覚化するためのフォーカスの自動制御を可能にする視覚化のための手段(5)を含む。デジタル化された画像は、視覚化の前記手段(5)に送信され、調整された拡大に従って示される。
【0034】
電子書籍のシステムは、光学システムを通じて、画像及び/又はテキストを再生する逆フラッシュライトシステムと類似点を有し、テキスト及び/又は図面の読取り及び観察を可能にする。
【0035】
説明してきた本発明により、多数の修正及び変更が、本明細書に示すように、説明された本発明の精神、又は範囲から逸脱することなく、本発明において行われることが可能であることは、当業者には明白になろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】頭部装着型視覚化システムを示す正面斜視図である。
【図2】頭部装着型視覚化システムを示す後面斜視図である。
【図3】電子書籍システムを示す将来展望図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パーベイシブコンピューティングによる拡大リアリティ視覚化システムにおいて、
頭部装着のための支持体(1)と、
超音波センサ(2)と、
近接画像の取込みのための手段(3)及び遠距離画像の取込みのための手段(4)と、
画像拡大のための手段と、
前記取り込まれた情報の視覚化のための手段(5)と、
画像取込みについての前記手段を入力するための手段(6)と、
情報を受信するための手段(7)と
を備え、
前記情報を受信するための前記手段(7)を通じて、前記取り込まれた情報の視覚化のための前記手段(5)において、情報受信システムによって取り込まれるRFIDシステムによって供給されるデータ、又は、携帯電話システムからRFを介して受信され、また前記情報受信システム内に取り込まれる情報が、利用可能になることができ、
前記データ及び前記情報は、デジタル的に処理され、視覚化の前記手段(5)に送信され、これらのデータ及び情報は、前記画像及び/又は画像取込みの前記手段(3、4)によってデジタル化された情報に重ねられ、又は統合され、ユーザに、該ユーザが実際に見ているのに比べてより多くの情報が画像取込みの前記手段(3、4)より提供されることを特徴とする、拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項2】
画像遠距離取込みの前記手段(4)が、都市及び建物の障害物の周辺をユーザが移動することを可能にする開口角を有する長距離カメラである、請求項1に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項3】
画像遠距離取込みの前記手段(4)が、約50cmまで、近接した物体に対してオートフォーカスを可能にするサーボ制御の光学システムを有し、前記超音波センサ(2)によって生成されるサインを通じて自動的に調整される、請求項1又は2に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項4】
前記超音波センサ(2)が、障害物の取込みについて6cmから600cmまでの動作間隔を有し、その静止位置は600cmである、請求項3に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項5】
前記オートフォーカスサーボ制御のシステムが前記光学システムのレンズを調整するアブソリュートエンコーダを有するc.c.モータである、請求項3に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項6】
近接画像の取込みの前記手段(3)が、前記c.c.モータ回転の反転を可能にする電子システムによって制御される拡大調整を有する小角度カメラであり、前記画像に接近し、又はそれらから離れて、前記カメラを移動させる3つの位置のボタンによって作動し、それによって、前記拡大調整が可能になる、請求項1に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項7】
近接画像の取込みのための前記手段(3)及び遠距離画像の取込みのための前記手段(4)が、視覚化のための前記手段(5)のサインについて自動変換を有するRCA出力を有する、請求項1に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項8】
前記取り込まれた情報の視覚化のための前記手段(5)が、動作選択を有する2つのビデオ入力(8)を有し、それにより、ユーザは、該ユーザが遠距離の物体又は近接した物体を観察したいと望む場合、いかなるときも明示することが可能になる、請求項1に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項9】
視覚化のための前記手段(5)において視覚化されるべき物体の前記選択が、ユーザの顔若しくは任意の別の筋肉の筋肉運動から生じる電気生物学的サインの解釈については音声認識システムにより、又はさらには手動により達成可能である、請求項8に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項10】
パーベイシブコンピューティングによる拡大リアリティ視覚化システムにおいて、
遠距離画像の取込みのための手段(4)と、
前記取り込まれた情報の視覚化のための手段(5)と
を備え、
視覚化のための前記手段(5)が、デジタル化する前に、画像を視覚化するためのフォーカスの自動制御を可能にするようになされており、前記デジタル化された画像が、視覚化のための前記手段(5)に送信され、前記調整された拡大に従って示されることを特徴とする拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項11】
近接画像の取込みの前記手段(3)が、c.c.モータ回転の反転を可能にする電子システムによって制御される拡大調整を有する小角度カメラであり、前記画像に接近し、又はそれらから離れて、前記カメラを移動させる3つの位置のボタンによって作動し、それによって、前記拡大調整が可能になる、請求項10に記載の拡大リアリティ視覚化システム。
【請求項12】
近接画像の取込みの前記手段(3)が、視覚化のための前記手段(5)のサインについて自動変換を有するRCA出力を有する、請求項10に記載の拡大リアリティ視覚化システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−518763(P2009−518763A)
【公表日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544716(P2008−544716)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/BR2006/000272
【国際公開番号】WO2007/068069
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(508176485)
【Fターム(参考)】