説明

ヒステリシス駆動動作を発生させるアクチュエータを備えるマイクロ電気機械システム・デバイス

本発明は、半導体材料のブロック内に彫り込みを行うことによって形成されるセルフ・アセンブリング・デバイスに関し、前記彫り込みは、10μmより大きい厚さで行われる。本発明のデバイスは、歯の付いた駆動要素(10)と順次に噛み合う駆動要素(250)と、前記駆動要素(250)が駆動要素(10)の連続する歯(11、12、13)と噛み合うようにヒステリシス運動によって駆動要素を移動させるアクチュエータ(20)とを備える。このアクチュエータ(20)は、少なくとも1つの固定コーム(225、226)と可動コーム(235、236)とから構成される作動モジュール(201、202)を備え、各コームは一連のフィンガを備えている。前記可動コーム(235、236)は、固定コームのフィンガおよび可動コームのフィンガが互いの間で組み合うように固定コーム(225、226)に対して配置されている。前記発明は、固定コームと可動コームの間に電位差が与えられたとき可動コーム(235、236)が固定コーム(225、226)に対してそのフィンガに平行な方向に移動可能で、それによって駆動要素(250)を対応する方向に移動させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械マイクロシステム(MEMSまたはマイクロ電気マイクロシステム)の領域に関し、より詳細には、半導体材料の基板内にディープ・エッチング(deep etching)することにより得られるマイクロモータおよびマイクロギアボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
文献、米国特許第5631514号(1997年5月20日公告)は、歯車を回転駆動することができるマイクロモータを記載している。このマイクロモータは、歯車と噛み合う歯の付いた出力要素と、出力要素に連結されたコネクティング・ロッドを形成する要素と、コネクティング・ロッドを形成する要素の動きを制御する、インターデジタル・コーム(櫛歯)型静電アクチュエータ(comb−type electrostatic actuators)(コーム・ドライブ(comb drive)としても知られる。)とを備える。アクチュエータの組み合わされた動きは、歯の付いた出力要素の回転を駆動する。
【0003】
この文献に記載されたマイクロモータを構成する多様な要素は、基板の異なる平面内に延びる。その結果、マイクロモータの製造には、薄い層の積重ねから形成された基板をエッチングすること、およびいくつかの連続するエッチング・マスクを使用することが必要になる。多結晶シリコンの表面マイクロマシニングによってマイクロモータを製造することは、したがって、比較的複雑になる。
【0004】
文献WO01/09519(2001年2月8日公告)は、コーム・ドライブ型の静電アクチュエータによって回転駆動されるシャッタ要素(shutter element)を備えるMEMSマイクロバルブを記載している。この静電アクチュエータは、シャッタ要素上で摩擦により作動する。
【0005】
前記の文献に記載されたマイクロ機構は、制御される要素の位置決めまたは速度の精密な制御が不可能である。
【0006】
さらに、文献、米国特許第5631514号およびWO01/09519に記載されたデバイスは、4μmより少ない厚さを有する薄いシリコン層上の表面マイクロエッチングにより得られる。それらの厚さが少ないことにより、こうしたデバイスを構成する要素は大きな変形に耐えることが不可能である。したがって、これらの文献に提示されたデバイス構造は、大きな駆動ピッチ(10μm以上)を有する要素を駆動するのには適さず、そのため、こうした駆動デバイスを時計製造などの領域での従来の歯車列と連結させることは想定できない。
【0007】
Richard YEH、Seth HOLLAR、Kristofer S.J.PISTERの「Single mask,large force,and large displacement electrostatic linear inchworm motors」という名称の文献(2001年1月)は、歯の付いたラック・デバイスを直線運動で駆動できるマイクロモータを記載している。このマイクロモータは、15μmと50μmの間の厚さを有するシリコンの層をディープ・エッチングすることにより得られる。このマイクロモータは、直列に連結されたコーム・ドライブ型の2つの静電アクチュエータから形成される。アクチュエータの組み合わされた動きは、ラック・デバイスを直線運動に駆動する。
【0008】
こうしたアクチュエータでは、動きは、インターデジタル(interdigital)・コームのフィンガ(finger)間に発生される垂直の静電気力によって得られる。ところで、この垂直の力は、フィンガの間の重なり合った面積、およびフィンガ間の距離にも依存する。発生される静電気力がかなり大きくなるように、フィンガ間の距離は、十分に小さくなければならない。その結果、こうしたアクチュエータは、必然的に限られたピッチ(約2μm)を有する。
【0009】
前記の文献で提示されたアクチュエータの構造は、10μm以上のピッチを有する歯の付いた要素を駆動するのに適していない。したがって、このアクチュエータもまた、駆動デバイスを従来の歯車列に連結することは想定できない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、非常に小さい寸法であり、より早期の設計でのデバイスよりも大きなピッチを有する作動機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この目的のために、本発明は、半導体材料のブロック内にエッチングすることによって形成されたセルフ・アセンブルされた(self−assembled)デバイスを提示し、エッチングは10μmより大きい厚さで行われ、デバイスは、以下の要素
歯の付いた被駆動要素と、
歯の付いた被駆動要素と順次に噛み合うことができる駆動要素と、
駆動要素が被駆動要素の連続する歯と噛み合うように、駆動要素をヒステリシス・タイプの動作で動かすことができるアクチュエータとを含み、
アクチュエータは、少なくとも1つの、固定コーム(fixed comb)および可動コーム(mobile comb)をそれ自身が備える作動モジュールを備え、各コームは一連のフィンガを備え、可動コームは、固定コームのフィンガと可動コームのフィンガが互いに噛み合うように固定コームに対向して配置され、
可動コームは、駆動要素を対応する方向に動かすように、固定コームと可動コームの間に電位差を与える間、コームのフィンガに平行な方向に沿って固定コームに対して移動できることを特徴とする。
【0012】
本発明の文脈では、「セルフ・アセンブルされた」という表現は製品の製造の際に組立操作および/または組立作業が不要であるシステムを指す。
【0013】
本発明のデバイスのアクチュエータは、固定コームと可動コームのフィンガの間に加えられる接線方向の静電気力を生み出す。このようにして、インターデジタル・コームは、コームのフィンガに平行な方向に互いに対して移動される。このような解決方法によって、垂直の静電気力のみを使用するインターデジタル・コーム・アクチュエータで得られるよりも、駆動要素の動きの振幅がより大きくなる。
【0014】
さらに、デバイスがそのような駆動要素の動きの振幅を支持できるように、用いられるエッチングはディープ・タイプ(エッチングの厚さが10μmより大きい)である。したがって、デバイスの様々な要素は、それが力を受けるとき寄生的な動き(座屈)が誘発されるのを回避するのに十分なだけの厚さを有する。
【0015】
特に、1ミリメートル程度の側面寸法(様々な要素が動く平面上の寸法を意味する)を有する要素を作り出すには、要素の厚さ(エッチングの厚さに対応する)がいかなる座屈をも防止するのに十分であることが必要になる。
【0016】
本発明のデバイスでは、被駆動要素の動きは、ヒステリシス・タイプの動作によって動かされる駆動要素によって発生される。その結果、被駆動要素は、10ミクロンより大きい段差を用いたステッピング動作(stepping movement)で動かされる。
【0017】
被駆動要素上の歯の存在は、その位置の正確な照合を可能にする。
【0018】
したがって、このデバイスは、クロック・デバイス(clock device)として有利に使用できる。
【0019】
このデバイスは、減速ギアまたはバーニア(vernier)・システムをまったく必要としない。したがって、駆動要素は、従来のデバイスよりも小さい。
【0020】
デバイスのすべての要素は、半導体材料のブロック内にエッチングすることによるMEMS技術を使用して形成される。したがって、デバイスは、機能がすべて単一のエッチング作業で作り出される統合された構成要素を形成する。
【0021】
本発明の有利な実装形態では、デバイスは、また、
歯車と順次に噛み合うことができる照合要素と、
ホイールを定位置に保つために駆動要素がホイールの歯と噛み合わないとき、照合要素がホイールの歯と噛み合うように、駆動要素のヒステリシス動作と同期した動きを伴う照合要素を動かすことができるアクチュエータとを備える。
【0022】
他の特徴および利点は、以下の説明から明らかになり、その説明は、純粋に例示的で限定されない性質のものであり、以下の添付図を参照することによって解釈されなければならない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1では、デバイスは、円形の歯車10を備え、その歯車は、ホイールの周りに配分され、互いに120°の角度を形成する3つの駆動アクチュエータ20、30、40によって回転駆動されることができる。
【0024】
図1のデバイスは、統合されたデバイスであるという特有の特徴を有する。デバイスを構成する要素は、半導体材料の単一のブロック内でエッチングすることにより、同時に形成される。エッチングされたブロックの部分は、10μmより大きい厚みを有する。エッチングされていない、またすべての要素を支持するブロックの部分は、基板を構成する。
【0025】
図2は、図1の駆動アクチュエータ20のうちの1つをより詳細に示す。駆動アクチュエータ20は、主に、基本径方向作動モジュール201と、基本接線方向作動モジュール202と、歯250の形の駆動要素から構成される。
【0026】
駆動歯(driving tooth)250は、三角形である。駆動歯は、先端がホイールのところに向いて、ホイール10に対して径方向に、接近して延びる。したがって、駆動歯250は、ホイール10の歯と噛み合うことができる。
【0027】
文書の残りの部分で、「径方向の」という表現は、ホイール10に対して径方向に延びるいかなる要素を指し、「接線方向の」という表現は、ホイールに対して接線方向に延びる要素を指す。径方向および接線方向は、駆動歯が配置されるホイールの点で確立される。
【0028】
「固定された」という表現は、基板内に埋め込まれた要素を指し、「可動の」という表現は、同じく基板内に埋め込まれた弾性の懸架手段により、基板の上、数ミクロンに保持された要素を指す。
【0029】
駆動歯250は、径方向ロッド211によって径方向作動モジュールに連結され、接線方向ロッド212によって接線方向作動モジュールに連結されている。
【0030】
径方向作動モジュール201および接線方向作動モジュール202は、コーム構造(「コーム・ドライブ」としても知られる)を有する静電モジュールである。このタイプの構造は、複数の組のインターデジタル・コームを備える。
【0031】
次に、アクチュエータ構造20の径方向作動モジュール201および接線方向作動モジュール202がより詳細に説明される。
【0032】
径方向作動モジュール201は、固定部分221および可動部分231から生成され、そこに径方向ロッド211が連結される。
【0033】
固定部分221は、径方向電極223を備え、そこから固定された組の平行コーム225が接線方向に延びる。各コーム225は、メイン・ロッドと、ロッドに連結されロッドに対して直角に延びる一連の平行なフィンガあるいはシリア(cilia)とから形成される。
【0034】
可動部分231は、全体的にU字型であり固定部分221の周囲に延びる可動フレーム233を備える。可動フレーム233は、弾性の懸架部を備えるエンベディング・リンク(enbedding link)237、239によって、その各端部で基板に連結される。コーム235は、可動フレーム233から概して径方向に延びる。これらのコーム235は、メイン・ロッドと、ロッドに連結されメイン・ロッドに対して直角に延びる一連の平行なフィンガまたはシリアとから形成される。
【0035】
固定部分221のコーム225、および可動部分231のコーム235は、互いに平行に配置され、互いに差し込まれる。さらに、各可動コーム235は、それらのコームのフィンガが互いに差し込まれるように固定コーム225に面して配置され、したがって、「インターデジットされた(interdigited)」コームと表現される1対のコームを形成する。
【0036】
接線方向作動モジュール202は、それが径方向作動モジュール201に直角に向いていることを除いて、径方向作動モジュール201と同様の構造を有する。接線方向作動モジュール202は、固定部分222と、接線方向ロッド211が連結された可動部分232とから形成される。
【0037】
固定部分222は、接線方向電極224を備え、その電極から1組の平行な固定コーム226が径方向に延びる。
【0038】
可動部分232は、弾性の懸架部を備えるエンベディング・リンク238、240によってその各端部で基板に連結された可動フレーム232を備える。コーム236は、可動フレーム232から概して接線方向に延びる。
【0039】
固定部分222のコーム226、および可動部分232のコーム236は、互いに平行に配置され、互いに差し込まれる。さらに、各可動コーム236は、それらのコームのフィンガが互いに噛み合うように固定コーム226に面して配置され、したがって、1対のインターデジタル・コームを形成する。
【0040】
次に、径方向モジュールおよび接線方向モジュールの動作が説明される。
【0041】
インターデジタル・コームの差し込まれたフィンガは、扁平型キャパシタと同様であり、そのキャパシタのプレートの1つは、電極223、222に接続され、他方のプレートは、エンベディング・リンク237、239、または238、240を介してアースに接続されている。
【0042】
電圧が径方向電極223に加えられたとき、この電圧は、作動モジュール201の固定部分221と可動部分231の間に電位差を生み出す。コーム225およびコーム235のフィンガによって形成される、キャパシタのプレート間に電界が確立される。この電界は、接線方向の静電気力を発生させ、その静電気力は、可動コーム235を固定コーム225に対してコームのフィンガに対して平行な方向に動かす傾向があり、駆動要素250を対応する方向に動かす。
【0043】
コームのフィンガの間に働く接線方向の静電気力によって、フレーム233が変形することになり、その結果、ロッド211の働きによってホイール10に対する径方向に駆動歯250が直線運動することになる。フレーム233は、可動コーム235がフィンガの方向だけに移動することを可能にする。
【0044】
同様に、電圧が電極224に加えられたとき同じ現象が起こる。生み出された静電気力によって、ホイール10に対する接線方向のロッド212の働きにより、フレーム232が変形し、駆動歯250が直線運動することになる。フレーム232は、可動コーム236がフィンガの方向だけに移動することを可能にする。
【0045】
接線方向作動モジュール202は、可動部分232が固定部分222から離れるように保つために、可動フレームの動きの振幅を制限するために使用される制止要素260を備え、したがって、可動コーム236が固定コーム226と接触するようになるのを防止する。実際に、コームのいかなる接触によっても、コームの間に過大な垂直の静電気力を発生させることになり、デバイスが破壊されることになる可能性がある。
【0046】
一方、径方向作動モジュール201のフレームの動きは、歯車10の存在によって制限され、それが駆動歯250の径方向の動きを制限する。
【0047】
各ロッドの側方向の可撓性によって、他のロッドの働きによるロッドの変形が可能になることに留意されたい。2つの、径方向の可撓性のロッド211および接線方向の可撓性のロッド212は、2つの作動モジュール201および202の機械的な分離を生じさせる。実際に、ロッドの可撓性によって、2つの基本的な自由度を有して、駆動歯が独立に動くこと、すなわち、径方向および接線方向の2つの方向の直線運動で動くことが可能になる。
【0048】
作動モジュール201および202の分離によって、これらが並列の構成に移行することが可能になる。2つの作動モジュール201および202の(直列の構成とは反対の)並列した構成は、電源接続部を取り付けるための電極223および224へのアクセスを向上させる。
【0049】
図3Aから3Dは、駆動歯250の周期的なヒステリシス動作を発生させるのに使用されるアクチュエータ20の連続的な動作段階を示す。
【0050】
図3Aでは、基本径方向作動モジュール201と基本接線方向作動モジュール202は、停止している。この段階では、駆動歯250は、歯車10の歯12および13の間に配置されている。
【0051】
図3Bでは、接線方向作動モジュール202は、接線方向のロッド212によって駆動歯250上に接線方向の力を働かせるように制御される。次いで、歯250は、(矢印で示されるように)時計周りの方向にホイール10に対して接線方向に動かされる。ロッド211は、変形される。この段階では、駆動歯250は、ホイール10の歯13と噛み合い、ホイール10を回転駆動する。
【0052】
図3Cでは、径方向作動モジュール201は、径方向ロッド211によって駆動歯上に径方向の力を働かせるように制御される。この段階では、駆動歯250は、それが、これ以上ホイール10と噛み合わないように(矢印で示されるように)ホイール10から距離を置いている。次いで、歯250は係脱される。
【0053】
図3Dでは、接線方向作動モジュール202は停止している。次いで、歯250は、ホイール10に対して接線方向に動かされ、歯11および12に対向して、(矢印よって示されるように)反時計回りの方向に配置される。
【0054】
その後、図3Aに示される段階が再度行われる。径方向作動モジュール201および接線方向作動モジュール202は、再び停止する。次いで、駆動歯250は、ホイールに向かって動かされ、ホイールの歯11および12の間に配置される。
【0055】
駆動歯250のヒステリシス動作は、駆動相(driving phase)(図3Aおよび3B)と、係脱相(disengaging phase)(図3Cおよび3D)との間で交互に行う。この動作は、駆動歯250がホイール10の連続する歯と噛み合い、それによって、ホイール10を時計回り方向にステップ回転運動で駆動することを可能にする。ホイール10は、回転駆動され、(1マイクロメートル程度の)駆動要素の小振幅の偏移運動によりこれを行う。
【0056】
図4は、歯250がサイクル中にホイールに対して受けるヒステリシス動作を表す。
【0057】
図5Aから5Dは、ホイールの歯に対して駆動歯250によって取られる位置A、B、C、およびDを示す。この図は、歯250の動作の1サイクルによって発生されたホイール10の基本アドバンス(advance)Δも示す。
【0058】
図6Aから6Dは、接線方向作動モジュール202の電極224と径方向作動モジュール201の電極223とに加えられたアドレッシング信号を示す。これらは、電極223の制御信号が電極224の制御信号に対して1周期の4分の1だけ移相された、周期的なパルス型信号(pulse−type signals)である。
【0059】
アドレッシング信号の周波数は、歯車10のピッチΔおよびその直径に依存する。例として、ホイール10が秒針に連結されることを検討した場合、作動モジュールのアドレッシング周波数は、10Hz程度である。アドレッシング周波数は、長針および短針に対してそれぞれ60および720で割ることができる。
【0060】
作動モジュール201および202は、厳密に0と半周期の間の差で互いに対して移相されている、その他のタイプの周期的な信号によって制御できる。
【0061】
次にSOI技術(絶縁体上シリコン)を用いたクロック・デバイスを製造するための工程の段階が説明される。
【0062】
図7Aに示される製造の第1段階では、360ミクロン程度の厚さを有するシリコン基板層1上に、約2ミクロンの厚さを有するシリコン酸化層2、そして50から100ミクロン程度の厚みを有するシリコン層3を堆積させることによってブロックが形成される。
【0063】
図7Bに示される第2段階では、クロック・デバイスの様々な要素の境界を定めるパターンで樹脂の層4がこのブロック上に堆積される。この樹脂層4は、ブロックのある部分を保護することを意図したマスクを形成する。この樹脂は、従来的にフォトリソグラフィ技術によって堆積され、その技術は、1ミクロメートル程度の正確さを有するスプレーを行うことによって平らな幾何学的形状を画成するのに使用される。
【0064】
図7Cに示された第3段階では、マスクによって保護されていないブロックの部分は、阻止層を構成するシリコン酸化層2まで下にエッチングされる。この目的のために、様々なエッチング技術が存在する。例えば、ブロックは、シリコン層を溶解するイオン衝撃(ionic bombardment)(反応性イオンエッチング)に曝すこともできる。
【0065】
次に、樹脂層4は、溶媒を加えることによって除去される。
【0066】
7Dに示される第4段階では、シリコン酸化層2は、フッ化水素酸の溶液によって溶解される。次に、溶解された領域は、機構の可動部分(ホイール、可動コーム、ロッド)をリリース(release)する。ホイール10は、完全に基板層1から自由になる。ホイール10は、その回転軸を構成する固定された中央車軸11によってそのハウジング内に保持される。
【0067】
クロック・デバイスは、HARPSS技術(高アスペクト比多結晶および単結晶複合シリコン)を用いても製造できる。
【0068】
図8Aに示された製造の第1段階では、シリコン層またはウェハ1から構成されるブロックが、これからクロック・デバイスになる様々な要素の内部構造の形状を決定するパターンで樹脂層4によって覆われている。
【0069】
図8Bに示された第2段階では、ブロックの保護されていない部分がエッチングされる。HARPSS技術を用いる際の制約は、ウェハの表面全体にわたって一定のエッチング深さ(約50から100ミクロン)を保障するために、パターンがどこでも等しい幅を有していなければならないことである。
【0070】
次いで、樹脂層4は、溶媒を加えることによって除去される。
【0071】
図8Cに示された第3段階では、ウェハは、厚さが約1ミクロンのシリコン酸化層2で覆われている。シリコン酸化層は、エッチングされたパターンの垂直の壁を覆い、阻止層を構成する。
【0072】
図8Dに示された第4段階では、これからクロック・デバイスの要素になるものを基板および互いからも分離するように意図された、0.5ミクロンの厚さを有する窒化物層5がシリコン酸化層2の上に堆積される。
【0073】
図8Eに示された第5段階では、ポリシリコンの第1堆積物6は、窒化物層5の上に置かれ、この第1堆積物は、エッチングされたパターンの垂直の壁を覆うように意図されている。
【0074】
図8Fに示された第6段階では、ポリシリコンの第2堆積物6は、エッチングされたパターンによって形成された空間内を満たし、垂直の構造を仕上げるために置かれる。
【0075】
2つの段階でのポリシリコンの堆積は、エッチングされたパターンの全高さの上にポリシリコン層を確かに完全にドープできるようにする。
【0076】
図8Gに示された第7段階では、ウェハは、クロック・デバイスの様々な要素の境界を定めるパターンで樹脂層7によって覆われている。
【0077】
図8Hに示された第8段階では、樹脂マスク7によって保護されていないブロックの部分がエッチングされる。垂直のシリコン酸化層2は、エッチング作用を制限する阻止壁を構成する。このシリコン酸化層は、垂直構造の下のウェハが機構の可動部分(ホイール、可動コーム、ロッド)を切り離すようにエッチングされることも可能にする。
【0078】
本発明は、例えばクロノメータのモータなどの、多くの用途を見つけることができる。
【0079】
本発明は、高周波でアクチュエータを動かすこともできる。その結果、1分間に数千回転の回転数で回転できるようになる。
【0080】
本発明は、集積回路技術から引き出される集合的な過程により前述したようなデバイスを作り出すのに特に適切であり、それは、数百個のクロックが単一の半導体材料のブロック内に同時にエッチングされることを意味する。
【0081】
本発明は、旧来の歯車列またはバーニヤが、駆動すべき指針(針)に取り付けられる単一の歯車10に取って代わることによって、従来の駆動歯車列がかなり簡単化されるのを可能にする。
【0082】
提示された作動デバイス20は、可逆である利点を有する。被駆動要素の時計回り方向では、インターデジタル・コームの歯の間で働く接線方向の静電気力がドライバ(driver)である。反時計回り方向では、特に可動フレーム上で作用する弾性復帰力(elastic return force)がドライバである。
【0083】
提示された作動デバイスは、被駆動要素に直接連結され、低エネルギー消費でもある。
【0084】
図9は、駆動アクチュエータと組み合わせて使用できる照合アクチュエータ50を表す。照合アクチュエータ50は、単一の径方向作動モジュール501、および歯550の形の駆動要素から構成される。径方向作動モジュール501は、駆動アクチュエータ20の径方向作動モジュール201と同様である。
【0085】
径方向作動モジュール501は、固定部分521、および径方向ロッド511が連結された可動部分531から形成される。
【0086】
固定部分521は、径方向電極523を備え、径方向電極523から接線方向に1組の平行な固定コーム525が延びる。各コーム525は、メイン・ロッドと、ロッドに連結されロッドに対して直角に延びる一連の平行なフィンガまたはシリアとから形成される。
【0087】
可動部分531は、全体的にU字型で固定部分521の周囲に延びる可動フレーム533を備える。可動フレーム533は、弾性の懸架部から構成されるエンベディング・リンク537、539によってその各端部で基板に連結されている。コーム535は、可動フレーム533から概して径方向に延びる。これらのコーム535は、メイン・ロッドと、ロッドに連結されロッドに対して直角に延びる一連の平行なフィンガまたはシリアとから形成される。
【0088】
固定部分521のコーム525、および可動部分531のコーム535は、互いに平行に配置され、互いに差し込まれる。さらに、各可動コーム535は、それらのコームのフィンガが互いに噛み合うように固定コーム525に面して配置され、したがって、「インターデジットされた」と呼ばれるタイプの1対のコームを形成する。
【0089】
駆動歯550は、三角形である。駆動歯は、先端がホイール10の方向に向き、ホイール10に対して径方向に、接近して延びる。したがって、駆動歯550は、ホイール10の歯と噛み合うことができる。
【0090】
照合アクチュエータ50は、制止要素560も備え、その制止要素は、可動コーム535が固定コーム525と接触するようになるのを防止するために固定部分521からある距離に可動部分531を保つために使用される。
【0091】
図10は、デバイスが作動する際に駆動歯250および照合歯550によって取られる位置を概略的に表す。
【0092】
照合アクチュエータ50の照合モジュール501は、駆動アクチュエータの基本径方向作動モジュール201および基本接線方向作動モジュール202と同期して制御される。照合アクチュエータの機能は、駆動アクチュエータの歯250が係脱した(CおよびDの位置にある)とき、ホイール10を定位置に保つことである。駆動アクチュエータおよび照合アクチュエータの連係は、ホイール10の位置の精密な制御をもたらす。
【0093】
図11Aから11Fは、駆動歯250の1サイクル中に歯車10の歯に対して駆動歯250によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに照合歯550によって取られる位置EおよびFを示す。この図は、歯250の1サイクルの動きによって発生される、ホイール10の基本アドバンスΔも示す。
【0094】
照合アクチュエータ50は、ホイール10に対して交互の径方向に歯550を移動させるように制御される。歯550の動きは、歯250の動きと同期される。駆動歯250がホイール10と噛み合い、ホイール10を回転駆動するとき(図11Aおよび11B)、照合歯550は係脱される(Fの位置で)。駆動歯250が係脱されるとき(図10Cから10F)、照合歯550は、ホイールをその定位置に保つようにホイール10の歯の間に(Eの位置で)挿入される。
【0095】
図12Aから12Fは、駆動アクチュエータ20の接線方向作動モジュール202の電極224および径方向作動モジュール201の電極223、ならびに照合モジュール501の電極523に加えられるアドレッシング信号を示す。これらは、周期的なパルス型信号である。電極223の制御信号は、電極224の制御信号に対して1周期の4分の1だけ移相されている。
【0096】
図6Aおよび12Fでわかるように、駆動アクチュエータ20の駆動歯250は、信号が電極224および223にまったく加えられないとき、噛み合い位置(位置A)にある。このことは、デバイスがエネルギーを供給されないとき、ホイールの照合は、歯250によってもたらされ、また、エネルギーの消費がより少なくなることを意味する。
【0097】
アクチュエータ20が停止しているとき歯250が噛み合い位置(位置A)にあることによる特徴は、セルフ・アセンブリ・デバイスの製造過程に直接関連している。実際には、半導体材料のブロックに加えられたエッチングパターンは、ホイール10の2つの歯の間の噛み合い位置にある歯250を含む。
【0098】
MEMSデバイスを作り出すための現在の技術、特に、前述のSOIおよびHARPSS技術を用いると、エッチングされた要素の間に、ある量の圧縮できない遊びが現れる。図13に示されるように、例えば、こうした遊びjが、歯車10とその軸の間に存在する。この遊びは、4μm程度である。ホイール10の歯のピッチPが十分でない場合、その後、遊びjによって、ホイールの配置に関して確実さがないことにつながるおそれがある。この理由によって、こうした不確実さを防止するようにホイールのピッチが選択される。ピッチPは、好ましくは10μmより大である。同様に、デバイスの信頼できる動作を確かにするために、接線方向(噛み合い距離)xおよび径方向(係脱距離)の動きの振幅は十分大きくなるように選択される。噛み合い距離xおよび係脱距離yは10μmより大である。
【0099】
アクチュエータのインターデジタル・コームのフィンガの間に発生された接線方向の静電気力を使用することにより、また10μmより大きいエッチングの厚さにより、等しい大きさの距離が可能になる。
【0100】
限定されない例として、本発明に従ったクロック用デバイスの主な特徴的な大きさの程度は以下の通りである。
【0101】
歯車10の2mm程度の直径(しかし、この直径は数百ミクロンまで縮小できる)。
【0102】
歯車10のピッチ:15ミクロン。
【0103】
基本シリア226の幅:3ミクロン。
【0104】
エア・ギャップの幅(2つのフィンガまたはシリアの間のエア・ギャップ):2ミクロン。
【0105】
コームの長さ:典型的には数百ミクロン。
【0106】
アクチュエータ・モジュール(径方向または接線方向)の表面積:約0.25mm
【0107】
クロックの厚さ(または高さ)(SOI層):50ミクロン。
【0108】
基板の厚さ:約360ミクロン。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明によるデバイスの例を構成する要素を概略的に示し、このデバイスがこの例においてクロック・デバイスを構成する図である。
【図2】図1のデバイスを駆動するアクチュエータをより詳細に示す図である。
【図3A】駆動アクチュエータの連続する動作段階を概略的に示す図である。
【図3B】駆動アクチュエータの連続する動作段階を概略的に示す図である。
【図3C】駆動アクチュエータの連続する動作段階を概略的に示す図である。
【図3D】駆動アクチュエータの連続する動作段階を概略的に示す図である。
【図4】1サイクルの間、ホイールに関連する駆動要素に与えられるヒステリシス動作を表す図である。
【図5A】ホイールの歯に関連する駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに駆動要素の1動作サイクルによって生み出された基本のアドバンスAを示す図である。
【図5B】ホイールの歯に関連する駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに駆動要素の1動作サイクルによって生み出された基本のアドバンスAを示す図である。
【図5C】ホイールの歯に関連する駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに駆動要素の1動作サイクルによって生み出された基本のアドバンスAを示す図である。
【図5D】ホイールの歯に関連する駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに駆動要素の1動作サイクルによって生み出された基本のアドバンスAを示す図である。
【図6A】アクチュエータの基本モジュールに与えられたアドレッシング信号を示す図である。
【図6B】アクチュエータの基本モジュールに与えられたアドレッシング信号を示す図である。
【図6C】アクチュエータの基本モジュールに与えられたアドレッシング信号を示す図である。
【図6D】アクチュエータの基本モジュールに与えられたアドレッシング信号を示す図である。
【図7A】SOI技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図7B】SOI技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図7C】SOI技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図7D】SOI技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図8A】HARPSS技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図8B】HARPSS技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図8C】HARPSS技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図8D】HARPSS技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図8E】HARPSS技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図8F】HARPSS技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図8G】HARPSS技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図8H】HARPSS技術を使用したクロック・デバイスの製造工程の段階を示す図である。
【図9】本発明の別の実装形態で使用できる照合アクチュエータを表す図である。
【図10】照合アクチュエータと関連する、図2のものと同様の駆動アクチュエータの使用を概略的に示す図である。
【図11A】ホイールの歯に関連して、駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに照合要素によって取られる位置EおよびFを示す図である。
【図11B】ホイールの歯に関連して、駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに照合要素によって取られる位置EおよびFを示す図である。
【図11C】ホイールの歯に関連して、駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに照合要素によって取られる位置EおよびFを示す図である。
【図11D】ホイールの歯に関連して、駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに照合要素によって取られる位置EおよびFを示す図である。
【図11E】ホイールの歯に関連して、駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに照合要素によって取られる位置EおよびFを示す図である。
【図11F】ホイールの歯に関連して、駆動要素によって取られる位置A、B、C、およびD、ならびに照合要素によって取られる位置EおよびFを示す図である。
【図12A】駆動アクチュエータの基本モジュールと、照合アクチュエータに与えられるアドレッシング信号とを示す図である。
【図12B】駆動アクチュエータの基本モジュールと、照合アクチュエータに与えられるアドレッシング信号とを示す図である。
【図12C】駆動アクチュエータの基本モジュールと、照合アクチュエータに与えられるアドレッシング信号とを示す図である。
【図12D】駆動アクチュエータの基本モジュールと、照合アクチュエータに与えられるアドレッシング信号とを示す図である。
【図12E】駆動アクチュエータの基本モジュールと、照合アクチュエータに与えられるアドレッシング信号とを示す図である。
【図12F】駆動アクチュエータの基本モジュールと、照合アクチュエータに与えられるアドレッシング信号とを示す図である。
【図13】既知の製造技術を使用したデバイスの要素の間に現れる可能性のある遊びjを表す図である。
【符号の説明】
【0110】
1 シリコン基板層
2 シリコン酸化層
3 シリコン層
4、7 樹脂層
5 窒化物層
6 第1堆積物
10 歯車
20、30、40 駆動アクチュエータ
50 照合アクチュエータ
201 基本径方向作動モジュール
202 基本接線方向作動モジュール
250、550 駆動歯
501 径方向作動モジュール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体材料のブロックをエッチングすることによって形成され、前記エッチングが10μmより大きい厚さで行われるセルフ・アセンブリ・デバイスであって、
歯の付いた被駆動要素(10)と、
前記歯の付いた被駆動要素(10)と順次に噛み合うことができる駆動要素(250)と、
前記駆動要素(250)が前記被駆動要素(10)の連続する歯(11、12、13)と噛み合うように、前記駆動要素(250)をヒステリシス・タイプの運動で動かすことができるアクチュエータ(20)とを備え、
前記アクチュエータ(20)が、少なくとも1つの固定コームおよび可動コーム(235、236)をそれ自身が備える作動モジュール(201、202)を備え、各コームが一連のフィンガを備え、前記可動コーム(235、236)が、前記固定コーム(225、226)のフィンガおよび前記可動コーム(235、236)のフィンガが互いに噛み合うように前記固定コーム(225、226)に対向して配置され、
前記可動コーム(235、236)が、前記駆動要素(250)を対応する方向に動かすために前記固定コーム(225、226)と前記可動コームの間に電位差を与える間、前記コームの前記フィンガに平行な方向に前記固定コームに対して移動されることができることを特徴とするセルフ・アセンブリ・デバイス。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記駆動要素(250)を第1の方向に動かすことができる第1の作動モジュール(20)と、前記駆動要素(250)を第2の方向に動かすことができる第2の作動モジュール(202)とを備え、前記作動モジュール(201、202)が、前記駆動要素(250)の組み合わされたヒステリシス動作を発生させるために、同時に制御されることができる、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の作動モジュール(201)が、前記駆動要素(250)を前記被駆動要素(10)に対して径方向に動かすことができ、前記第2の作動モジュール(202)が、前記駆動要素(10)を前記被駆動要素(250)に対して接線方向に動かすことができる、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記駆動要素(250)が、径方向の可撓性ロッド(211)によって前記径方向作動モジュール(201)に連結され、接線方向の可撓性ロッド(212)によって前記接線方向の作動モジュール(202)に連結され、前記可撓性のロッド(211,212)が、前記作動モジュール(250)のうちのどちらかの作用の下で前記駆動要素(201、202)を独立に動くことができるようにする、請求項2または3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記作動モジュール(201、202)が、厳密に0と半周期の間の差で互いに対して移相されている周期的な信号によって制御されている、請求項2から4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記周期的な信号が互いに対して1周期の4分の1だけ移相されている、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記アクチュエータ(20)に信号がまったく与えられていないとき、前記駆動要素(250)が前記歯の付いた被駆動要素(10)と噛み合った位置にあるように、前記デバイスがエッチングされる、請求項1乃至6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記被駆動要素(550)を定位置に保つために、前記駆動要素(250)が前記被駆動要素(10)の歯と噛み合っていないとき、照合要素が前記被駆動要素(10)の歯と噛み合うように、
また、前記歯の付いた駆動要素(10)と順次に噛み合うことができる前記照合要素(550)と、
前記駆動要素(50)のヒステリシス動作と同期された運動で前記照合要素(550)を動かすことができるアクチュエータ(50)とを備える、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記アクチュエータ(50)が、それ自身が少なくとも1つの固定コーム(525)および1つの可動コーム(535)を備える作動モジュール(501)を備え、各コームが一連のフィンガを備え、前記固定コーム(535)の前記フィンガおよび前記可動コーム(535)の前記フィンガが互いに噛み合うように、前記可動コーム(535)が前記固定コーム(535)に対向して配置され、前記可動コームが、前記照合要素(550)を対応する方向に動かすように、前記固定コームと前記可動コームの間に電位差を与える間、前記コームの前記フィンガに平行な方向に前記固定コームに対して移動されることができる、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記照合モジュール(501)が、前記駆動アクチュエータ(20)の前記制御信号と同期されている周期的な信号によって制御されている、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスがSOIエッチング技術によって得られる、請求項1乃至10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記デバイスがHARPSSエッチング技術によって得られる、請求項1から10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、半導体材料のブロック内で多数の基本クロック・デバイスを同時にエッチングすることからなる集合的な過程によって得られる、前記請求項のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
前記被駆動要素(10)が歯車である、請求項1乃至13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記ホイール(10)が、駆動されることになる指針(needle)(針(hand))に直接取り付けられている、請求項14に記載のデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【公表番号】特表2006−519117(P2006−519117A)
【公表日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505697(P2006−505697)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/FR2004/000525
【国際公開番号】WO2004/081695
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(594016872)サントル、ナショナール、ド、ラ、ルシェルシュ、シアンティフィク、(セーエヌエルエス) (83)
【出願人】(505335120)ユニベルシテ、ド、フランシュ‐コント (2)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE DE FRANCHE−COMTE