ヒーターユニットおよび記録装置
【課題】固定ピンのこじりを回避して円滑な着脱が可能となるヒーターユニット及び記録装置を提供する。
【解決手段】固定ピン60の一端部61Aが所定方向(X軸方向)に出没する固定機構46を備えるヒーターユニット4であって、固定機構46は、固定ピン60の一端部61Aと他端部61Bとの間における周面60aの少なくとも一部を環状に受けて上記所定方向に案内する固定ピン受け部材80と、カム部材53の回動に連動して上記所定方向に移動するカム受け部材70と、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70とを上記所定方向以外の方向において揺動自在に連結する連結溝73と、を有するという構成を採用する。
【解決手段】固定ピン60の一端部61Aが所定方向(X軸方向)に出没する固定機構46を備えるヒーターユニット4であって、固定機構46は、固定ピン60の一端部61Aと他端部61Bとの間における周面60aの少なくとも一部を環状に受けて上記所定方向に案内する固定ピン受け部材80と、カム部材53の回動に連動して上記所定方向に移動するカム受け部材70と、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70とを上記所定方向以外の方向において揺動自在に連結する連結溝73と、を有するという構成を採用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターユニットおよび記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置には、記録媒体に噴射した流体を乾燥させるために、ヒーターユニットを備えるものがある。従来、ヒーターユニットは、本体部にネジ止め等により固定され、耐久品として扱われていたが、近年では、ヒーターユニットを本体部に対して着脱自在として、消耗品とすることにより、ヒーターユニット破損時の対応の煩雑さの回避、装置全体の寿命の延命等を図ることがなされる場合がある。
【0003】
ところで、このような耐久品を着脱自在とするものとして、例えば、下記特許文献1には、印刷シリンダ用軸受をフレームの穴に着脱する軸受着脱装置が開示されている。この装置は、軸受の抜き取り時、アクチュエータを稼動し、アクチュエータのネジ部を介して軸受を水平に移動させることにより、軸受をフレームの穴から抜き取る構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−278265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、軸受の軸線とフレームの穴の軸線との傾き(交差)が大きくなると、こじりが生じてしまい、円滑な水平移動ができない、あるいは、水平移動が不能となるといった問題が生じ、また、こじりが生じた状態で無理に水平移動させようとすると、部品が破損してしまう場合がある。
このことは、本体部が備える孔部に対して挿脱自在な固定ピンを出没させる固定機構をヒーターユニットに設ける場合も同様であり、固定ピンのこじりを回避する対策が求められている。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、固定ピンのこじりを回避して円滑な着脱が可能となるヒーターユニット及び記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、固定ピンの一端部が所定方向に出没する固定機構を備えるヒーターユニットであって、上記固定機構は、上記固定ピンの一端部と他端部との間における周面の少なくとも一部を環状に受けて上記所定方向に案内する固定ピン受け部材と、カム部材の回動に連動して上記所定方向に移動するカム受け部材と、上記固定ピンの他端部と上記カム受け部材とを上記所定方向以外の方向において揺動自在に連結する連結部と、を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明は、カム部材の回動に連動してカム受け部材が所定方向に移動すると、カム受け部材に他端部が連結された固定ピンが、固定ピン受け部材に周面をガイドされて、所定方向にその一端部が出没する。固定ピンの位置精度は、固定ピン受け部材で周面を環状に案内することで確保され、固定ピンの軸線とカム受け部材の移動軸との傾きによる、固定ピンの固定ピン受け部材に対するこじりの発生は、固定ピンの他端部とカム受け部材との連結部において、所定方向以外の方向において揺動することで吸収される。このため、固定ピンのこじりを回避して円滑なスライドを可能とさせることができる。
【0008】
また、本発明においては、上記連結部は、上記固定ピンの他端部と上記カム受け部材とを遊嵌させるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、固定ピンの他端部とカム受け部材とが遊嵌することで連結部に積極的にガタを生じさせて揺動自在とさせる。
【0009】
また、本発明においては、上記カム部材は、上記所定方向に延びる軸と平行な軸周りに回動自在に設けられた把持部材に一体的に設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、把持部材の回動に連動してカム部材が回動するので、把持部材の操作と連動して固定ピンを出没させることができる。
【0010】
また、本発明においては、上記カム部材は、上記所定方向に垂直な平面に対して交差する姿勢で設けられた交差部を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、把持部材の回動に連動してカム部材が軸周りに回動すると、交差部は所定方向に垂直な平面に対して交差しているので、当該回動をカム受け部材の所定方向の移動に変換することができる。
【0011】
また、本発明においては、上記カム受け部材は、上記交差部を上記所定方向で挟んだ両側に立設する一対の挟持部を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、交差部の回動に追従してカム受け部材を前後に進退させることができる。
【0012】
また、本発明においては、上記連結部は、少なくとも上記所定方向及び上記一対の挟持部の立設方向と直交する方向において、上記固定ピンの他端部と上記カム受け部材とを揺動自在に連結するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、交差部は所定方向に垂直な平面に対して交差し、この交差部を所定方向で一対の挟持部で挟むと、交差部が回動したときに上記所定方向及び一対の挟持部の立設方向と直交する方向において、固定ピンの軸線とカム受け部材の移動軸との傾きが発生し易くなるので、この方向において少なくとも揺動自在とさせ、固定ピンのこじりを回避させる。
【0013】
また、本発明においては、記録媒体に対し流体を噴射する記録ヘッドと、本体部が備える孔部に対して挿脱自在な固定ピンを有する固定機構を有すると共に上記記録媒体上の上記流体を乾燥させるヒーターユニットと、を有する記録装置であって、上記ヒーターユニットとして、先に記載のヒーターユニットを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、固定ピンのこじりを回避して円滑なヒーターユニットの着脱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態におけるプリンターを示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるヒーターユニットの本体部に対する装着状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるヒーターユニットを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における把持部材が水平面に沿って倒伏しているときの固定機構を示す平面図である。
【図5】図4における矢視A−A断面図である。
【図6】本発明の実施形態における把持部材が水平面に対し略直角に起立しているときの固定機構を示す平面図である。
【図7】図6における矢視B−B断面図である。
【図8】本発明の実施形態における把持部材を複数方向から視た図である。
【図9】本発明の実施形態における把持部材を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態におけるカム受け部材を複数方向から視た図である。
【図11】本発明の実施形態におけるカム受け部材を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態における固定ピンを複数方向から視た図である。
【図13】本発明の実施形態における固定ピンを示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態における固定ピン受け部材を複数方向から視た図である。
【図15】本発明の実施形態における固定ピン受け部材を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施形態における固定機構の作用について説明するための概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るヒーターユニット及び記録装置の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面では、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。ここで、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向(鉛直方向)とする。
本実施形態では、記録装置として、インクジェット式プリンター(以下、単にプリンターと称する)について例示する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態におけるプリンター1を示す概略構成図である。
プリンター1は、ロール状に巻かれたロール紙RP1あるいはロール紙RP2から延出される長尺の用紙(記録媒体)Pに対して、インク(流体)を記録ヘッド31から噴射して画像や文字等を印字する構成となっている。プリンター1は、用紙Pを搬送する複数のローラー21を有する搬送部2と、用紙Pに対し印字を行う記録部3と、印字後、用紙Pの表面上のインクを乾燥させるヒーターユニット4と、ヒーターユニット4と電気的に接続して給電すると共に温度等に関する制御信号を出力する制御盤5と、を有する。
【0017】
プリンター1の本体部11には、ロール紙RP1、搬送部2、記録部3、ヒーターユニット4、制御盤5が収容されている。また、本体部11に接続された外部ケース12にはスペアのロール紙RP2が収容されている。なお、ロール紙RP1及びロール紙RP2のいずれかを用いるかは任意に選択可能である。ロール紙RP1あるいはロール紙RP2から延出された用紙Pは、搬送部2のローラー21によって記録部3に搬送される。
【0018】
記録部3は、インクを噴射する記録ヘッド31と、用紙Pを支持する支持台32と、を有する。用紙Pは、記録ヘッド31と支持台32との間に送り出される。送り出された用紙Pは、支持台32に支持され、その上面(表面)は記録ヘッド31に対して所定の間隔を保って搬送される。そして、用紙Pの上面に記録ヘッド31からインクが噴射されて画像や文字等の印字が行われる。
【0019】
用紙Pの搬送経路には、記録部3より下流側にヒーターユニット4が設けられている。ヒーターユニット4は、本体部11に対して着脱自在に設けられている。ヒーターユニット4は、ファン41と、加熱装置42と、を有する。ファン41及び加熱装置42は、制御盤5から給電を受け、また、制御盤5からの制御信号により駆動する。加熱装置42は、例えば、ニクロム線等の電熱線を有する。ファン41により取り込まれた空気は、加熱装置42より加熱されて温風となり、用紙Pの上面に向けて吹き付けられる。これにより、用紙P上のインクが乾燥し、用紙Pに画像や文字等が定着する。
【0020】
図2は、本発明の実施形態におけるヒーターユニット4の本体部11に対する装着状態を示す平面図である。図3は、本発明の実施形態におけるヒーターユニット4を示す斜視図である。
図2に示すように、ヒーターユニット4は、平面視で略長方形状を有する。本実施形態のヒーターユニット4は、本体部11に設けられた一対の本体フレーム12A,12Bに対してZ軸方向、すなわち鉛直方向において着脱自在な構成となっている。
【0021】
本体フレーム12Aは、ヒーターユニット4の長手方向一端部(+X側端部)の底部を支持する底部フレーム13aと、ヒーターユニット4の長手方向一端部の側部を平面視略凹状に囲う側部フレーム14aとを有する。一方、本体フレーム12Bは、ヒーターユニット4の長手方向他端部(−X側端部)の底部を支持する底部フレーム13bと、ヒーターユニット4の長手方向他端部の側部を平面視略凹状に囲う側部フレーム14bとを有する。なお、本体フレーム12Aの底部フレーム13aには、制御盤5と電気的に接続するための不図示のコネクタ部が設けられている。
【0022】
図3に示すように、ヒーターユニット4の長手方向一端部(+X側端部)の底部には、本体フレーム12Aに設けられた不図示のコネクタ部に対してZ軸方向において着脱自在なコネクタ部45が外装から露出して設けられている。コネクタ部45は、ファン41及び加熱装置42と電気的に接続されている。したがって、側部フレーム14a,14bに沿ってヒーターユニット4を本体フレーム12A,12Bに下ろすと、本体フレーム12Aにおいてコネクタ同士が接続され、ヒーターユニット4と制御盤5とが電気的に接続される構成となっている。
【0023】
ヒーターユニット4の短手方向一方側(+Y側)の側部には、空気を取り込むための複数の吸引孔43が設けられている。吸引孔43から取り込まれた空気は、内部で加熱され、底部に設けられた不図示の吹き出し口から下方に吹き出される。この底部に対し逆側の天部には、把持部材50が設けられている。把持部材50は、長手方向(所定方向、X軸方向)に延びる軸周りに、略水平面(XY平面)から略直角に回動自在な構成となっている。そして、ヒーターユニット4は、把持部材50の回動に連動して長手方向両側側部から固定ピン60を出没させる固定機構46を備える。
【0024】
図4は、本発明の実施形態における把持部材50が水平面に沿って倒伏しているときの固定機構46を示す平面図である。図5は、図4における矢視A−A断面図である。図6は、本発明の実施形態における把持部材50が水平面に対し略直角に起立しているときの固定機構46を示す平面図である。図7は、図6における矢視B−B断面図である。なお、図4〜図7においては、視認性を向上させるため、固定機構46に関する構成以外のヒーターユニット4の構成については図示を省略している。
【0025】
固定機構46は、図4に示すように、把持部材50が水平面に沿って倒伏しているときに長手方向両側側部の固定ピン60を外側に突出させ、図5に示す本体フレーム12Aの側部フレーム14aに設けられた孔部14a1と、本体フレーム12Bの側部フレーム14bに設けられた孔部14b1とにそれぞれ挿入させることで、ヒーターユニット4を本体部11に対して装着状態とさせる構成となっている。
【0026】
一方、固定機構46は、図6に示すように、把持部材50が水平面に対し略直角に起立しているときに長手方向両側側部の固定ピン60を内側に没入させ、図7に示す本体フレーム12Aの側部フレーム14aに設けられた孔部14a1と、本体フレーム12Bの側部フレーム14bに設けられた孔部14b1とから固定ピン60をそれぞれ抜き出すことで、ヒーターユニット4を本体部11に対して装着解除状態とさせる構成となっている。
【0027】
固定機構46は、把持部材50と、カム受け部材70と、固定ピン60と、固定ピン受け部材80と、を有する。
次に、固定機構46の各構成部品について、図4〜図7と共に図8〜図15を参照して説明する。
図8は、本発明の実施形態における把持部材50を複数方向から視た図である。図9は、本発明の実施形態における把持部材50を示す斜視図である。図10は、本発明の実施形態におけるカム受け部材70を複数方向から視た図である。図11は、本発明の実施形態におけるカム受け部材70を示す斜視図である。図12は、本発明の実施形態における固定ピン60を複数方向から視た図である。図13は、本発明の実施形態における固定ピン60を示す斜視図である。図14は、本発明の実施形態における固定ピン受け部材80を複数方向から視た図である。図15は、本発明の実施形態における固定ピン受け部材80を示す斜視図である。
【0028】
なお、図8(a)は把持部材50の平面図を、図8(b)は把持部材50の正面図を示す。また、図10(a)はカム受け部材70の平面図を、図10(b)はC方向から視たカム受け部材70の正面図を、図10(c)はD方向から視たカム受け部材70の右側面図を示す。また、図12(a)は固定ピン60の平面図を、図12(b)は固定ピン60の正面図を示す。また、図14(a)は固定ピン受け部材80の平面図を、図14(b)はE方向から視た固定ピン受け部材80の正面図を、図14(c)はF方向から視た固定ピン受け部材80の右側面図を示す。
【0029】
把持部材50は、図5及び図7に示すように、X軸方向(所定方向)に延びる軸周りに回動自在にユニットフレーム44に軸支されている。把持部材50は、樹脂製であり、金属製の回動軸51を挿入する孔部52が形成されている。回動軸51の両端部は、ユニットフレーム44の一部を切り起こした切り起こし部44aに支持されている。
【0030】
把持部材50には、カム部材53が一体成形されている。カム部材53は、把持部材50と一体でX軸方向に延びる軸周り回動自在な構成となっている。カム部材53は、X軸方向に垂直な平面(YZ平面)に対して交差する姿勢で設けられた交差部53a(図8及び図9参照)を有する。このカム部材53は、略円弧形状となって突出して設けられている。
【0031】
カム受け部材70は、図5及び図7に示すように、カム部材53の下方(−Z側)に設けられている。カム受け部材70は、樹脂製であり、図4及び図6に示すように、ユニットフレーム44に設けられたガイド部44bによって幅方向(Y軸方向)両側をガイドされ、ユニットフレーム44に沿ってX軸方向にスライド自在な構成となっている。
【0032】
カム受け部材70は、カム部材53の交差部53aをX軸方向で挟んだ両側に立設する一対の挟持部72A,72B(図10及び図11参照)を有する。一対の挟持部72A,72Bは、互いの対向面が凸となった所定の曲率を有している。また、カム受け部材70の中央部には、開口部71が形成されており、カム部材53寄りに設けられた切り起こし部44aが厚み方向(Z軸方向)で貫通して配置される構成となっている(図5及び図7参照)。
【0033】
カム受け部材70は、図4〜図7に示すように、固定ピン60の他端部61BとX軸方向で連結されている。カム受け部材70は、固定ピン60がX軸方向以外の方向において揺動自在となるように他端部61Bと遊嵌する連結溝(連結部)73を有する。すなわち、連結溝73は、X軸方向において他端部61Bを剛的に連結し、X軸方向以外の方向において他端部61Bを柔的に連結する構成となっている。連結溝73は、図10(b)及び図10(c)に示すように、カム受け部材70の幅方向一方側の側部から幅方向他方側の側部に向かって所定深さで形成されている。連結溝73は、他端部61Bの外形よりも一回り大きく形成されている。この連結溝73は、固定ピン60のX軸方向の抜けを防止する段付き溝73aを有する。
【0034】
固定ピン60は、金属製であり、図5及び図7に示すように、ヒーターユニット4の外装から出没する一端部61Aと、カム受け部材70の連結溝73に遊嵌する他端部61Bと、を有する。図12及び図13に示すように、一端部61Aは、後述する固定ピン受け部材80によりガイドされる周面60aの径より小径となっている。他端部61Bは、連結溝73の段付き溝73aと遊嵌するフランジ部61B1を有する。また、他端部61Bは、上下を略平行に切り欠いた切り欠き部61B2を有し、連結溝73に対しX軸方向に延びる軸周りに固定ピン60が相対回転することを防止する構成となっている。
【0035】
固定ピン受け部材80は、図5及び図7に示すように、固定ピン60の一端部61Aと他端部61Bとの間における周面60aの少なくとも一部を環状に受けてX軸方向に案内する構成となっている。固定ピン受け部材80は、樹脂製であり、図14及び図15に示すように、固定ピン60の周面60aを環状に受ける孔部81を有する。孔部81は、固定ピン60の周面60aを環状に受けることで、固定ピン60をX軸方向においてスムーズにスライド自在とさせると共にYZ平面における座標位置精度を高めている。この固定ピン受け部材80の幅方向(Y軸方向)両側には孔部82が形成されており、ユニットフレーム44に対して締結される構成となっている。
【0036】
続いて、上記構成の固定機構46の作用について、図16を追加参照して説明する。
図16は、本発明の実施形態における固定機構46の作用について説明するための概略平面図である。
ヒーターユニット4を本体部11に装着する場合、ユーザーは、図3に示す把持部材50を起立させ、この把持部材50を把持してヒーターユニット4を持ち上げる。そして、図2に示すように、側部フレーム14a,14bに沿ってヒーターユニット4を本体フレーム12A,12Bに下ろすと、本体フレーム12Aにおいてコネクタ同士が接続され、ヒーターユニット4と制御盤5とが電気的に接続される。そして、起立した把持部材50をX軸方向に延びる軸周りに略直角に倒伏させると、把持部材50の回動に連動して長手方向両側側部から固定ピン60が突出する。
【0037】
具体的には、図4に示すように、把持部材50にはカム部材53が一体で設けられており、把持部材50の回動に連動してカム部材53がX軸方向に延びる軸周りに回動する。把持部材50の回動に連動してカム部材53が軸周りに回動すると、交差部53a(図8及び図9参照)がX軸方向に垂直なYZ平面に対して交差しているので、当該回動をカム受け部材70のX軸方向の移動に変換することができる。カム受け部材70は、挟持部72B側がカム部材53の交差部53aによって押されることで、ガイド部44bにより幅方向両側をガイドされつつ、X軸方向に移動する。カム受け部材70には固定ピン60が連結されており、この固定ピン60は、ユニットフレーム44に固定されたピン受け部材80によりX軸方向に高精度でガイドされる。そして、固定ピン60が、図5に示す本体フレーム12Aの側部フレーム14aに設けられた孔部14a1と、本体フレーム12Bの側部フレーム14bに設けられた孔部14b1とにそれぞれ挿入することで、ヒーターユニット4が本体部11に対して装着状態となる。これにより、ヒーターユニット4の本体部11に対するZ軸方向の抜けが規制される。
【0038】
ここで、本実施形態では、固定ピン60の位置精度を固定ピン受け部材80により確保し、固定ピン60の他端部61Bをカム受け部材70の連結溝73に遊嵌させてガタを意図的に生じさせてX軸方向以外の方向に揺動自在とさせている。そうすると、固定ピン60の軸線とカム受け部材70の移動軸との傾きによる、固定ピン60の固定ピン受け部材80に対するこじりの発生は、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70との連結部である連結溝73において所定方向以外の方向において柔的に揺動することで吸収される。このため、固定ピン60のこじりを回避して円滑なスライドを可能とさせることができる。
【0039】
特に、本実施形態では、図16に示すように、交差部53aはX軸方向に垂直な平面(YZ平面)に対して交差し、この交差部53aをX軸方向で一対の挟持部72A,72Bで挟む構成となっているので、交差部53aが回動したときにX軸方向の力だけでなくY軸方向の力も作用する。そうすると、幅方向両側をガイド部44bで保持していたとしてもカム受け部材70の姿勢がY軸方向に微小にズレて、カム受け部材70の移動軸が固定ピン60の軸線(X軸)に対して傾き易くなる。本実施形態では、Y軸方向において連結溝73を形成し、Y軸方向において少なくとも揺動自在とする構成と採用しているので、Y軸方向における当該傾きを効率的に吸収できるため、固定ピン60のこじりをより確実に回避させることができる。
【0040】
一方、ヒーターユニット4を本体部11から取り外す場合、ユーザーは、倒伏している把持部材50を起立させ、図7に示すように、本体フレーム12Aの側部フレーム14aに設けられた孔部14a1と、本体フレーム12Bの側部フレーム14bに設けられた孔部14b1とから、固定ピン60をそれぞれ抜き出すことで、ヒーターユニット4を装着解除状態とさせる。ここにおいても上述したように、連結溝73によって固定ピン60のこじりを回避することができるので、固定ピン60の円滑なスライドを可能とさせることができる。そして、ヒーターユニット4の本体部11に対するZ軸方向の抜けの規制が解除されると、ユーザーは、側部フレーム14a,14bに沿ってヒーターユニット4を持ち上げて、コネクタ部における接続を解除し、ヒーターユニット4を本体部11から取り外すこととなる。
【0041】
したがって、上述した本実施形態によれば、固定ピン60の一端部61Aが所定方向(X軸方向)に出没する固定機構46を備えるヒーターユニット4であって、固定機構46は、固定ピン60の一端部61Aと他端部61Bとの間における周面60aの少なくとも一部を環状に受けて上記所定方向に案内する固定ピン受け部材80と、カム部材53の回動に連動して上記所定方向に移動するカム受け部材70と、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70とを上記所定方向以外の方向において揺動自在に連結する連結溝73と、を有するという構成を採用することによって、固定ピン60の位置精度を、固定ピン受け部材80で周面60aを環状に案内することで確保し、固定ピン60の軸線とカム受け部材70の移動軸との傾きによる、固定ピン60の固定ピン受け部材80に対するこじりの発生を、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70とを連結する連結溝73において、所定方向以外の方向において揺動することで吸収することにより、固定ピン60のこじりを回避して円滑なスライドを可能とさせることができる。
したがって、本実施形態では、固定ピン60のこじりを回避して円滑なヒーターユニット4の着脱が可能となる。
【0042】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70とを遊嵌させて連結する構成について説明したが、遊嵌させる構成に限られず、例えば、柔軟に変形可能な部材、例えばゴムのような弾性体等で両者を連結させる構成であってもよい。
【0044】
また、上記実施形態においては、記録装置がプリンター1である場合を例にして説明したが、プリンターに限られず、複写機及びファクシミリ等の装置であってもよい。
【0045】
また、記録装置としては、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする記録装置を採用してもよい。本発明は、例えば微小量の液滴を吐出させる記録ヘッド等を備える各種の記録装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記記録装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、記録装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクが挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。また、記録装置の具体例としては、上記実施形態で説明したような用紙がロール状に巻かれたロール紙を収容体(ケース12)に備えた装置に限られない。例えば、可撓性を有する基板や金属板、あるいはプラスチックシートや布など、長尺状の記録媒体がロール状に巻かれているものを収容体に備えた装置であれば、いずれも記録装置として採用することができる。さらに、収容体に備えられた長尺状の記録媒体は、例えば葛折状になっているなどのように必ずしもロール状に巻かれていなくてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…プリンター(記録装置)、4…ヒーターユニット、11…本体部、14a1…孔部、14b1…孔部、31…記録ヘッド、46…固定機構、50…把持部材、51…回動軸、53…カム部材、53a…交差部、60…固定ピン、60a…周面、61A…一端部、61B…他端部、70…カム受け部材、72A,72B…一対の挟持部、73…連結溝(連結部)、80…固定ピン受け部材、P…用紙(記録媒体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターユニットおよび記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置には、記録媒体に噴射した流体を乾燥させるために、ヒーターユニットを備えるものがある。従来、ヒーターユニットは、本体部にネジ止め等により固定され、耐久品として扱われていたが、近年では、ヒーターユニットを本体部に対して着脱自在として、消耗品とすることにより、ヒーターユニット破損時の対応の煩雑さの回避、装置全体の寿命の延命等を図ることがなされる場合がある。
【0003】
ところで、このような耐久品を着脱自在とするものとして、例えば、下記特許文献1には、印刷シリンダ用軸受をフレームの穴に着脱する軸受着脱装置が開示されている。この装置は、軸受の抜き取り時、アクチュエータを稼動し、アクチュエータのネジ部を介して軸受を水平に移動させることにより、軸受をフレームの穴から抜き取る構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−278265号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術では、軸受の軸線とフレームの穴の軸線との傾き(交差)が大きくなると、こじりが生じてしまい、円滑な水平移動ができない、あるいは、水平移動が不能となるといった問題が生じ、また、こじりが生じた状態で無理に水平移動させようとすると、部品が破損してしまう場合がある。
このことは、本体部が備える孔部に対して挿脱自在な固定ピンを出没させる固定機構をヒーターユニットに設ける場合も同様であり、固定ピンのこじりを回避する対策が求められている。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、固定ピンのこじりを回避して円滑な着脱が可能となるヒーターユニット及び記録装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明は、固定ピンの一端部が所定方向に出没する固定機構を備えるヒーターユニットであって、上記固定機構は、上記固定ピンの一端部と他端部との間における周面の少なくとも一部を環状に受けて上記所定方向に案内する固定ピン受け部材と、カム部材の回動に連動して上記所定方向に移動するカム受け部材と、上記固定ピンの他端部と上記カム受け部材とを上記所定方向以外の方向において揺動自在に連結する連結部と、を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明は、カム部材の回動に連動してカム受け部材が所定方向に移動すると、カム受け部材に他端部が連結された固定ピンが、固定ピン受け部材に周面をガイドされて、所定方向にその一端部が出没する。固定ピンの位置精度は、固定ピン受け部材で周面を環状に案内することで確保され、固定ピンの軸線とカム受け部材の移動軸との傾きによる、固定ピンの固定ピン受け部材に対するこじりの発生は、固定ピンの他端部とカム受け部材との連結部において、所定方向以外の方向において揺動することで吸収される。このため、固定ピンのこじりを回避して円滑なスライドを可能とさせることができる。
【0008】
また、本発明においては、上記連結部は、上記固定ピンの他端部と上記カム受け部材とを遊嵌させるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、固定ピンの他端部とカム受け部材とが遊嵌することで連結部に積極的にガタを生じさせて揺動自在とさせる。
【0009】
また、本発明においては、上記カム部材は、上記所定方向に延びる軸と平行な軸周りに回動自在に設けられた把持部材に一体的に設けられているという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、把持部材の回動に連動してカム部材が回動するので、把持部材の操作と連動して固定ピンを出没させることができる。
【0010】
また、本発明においては、上記カム部材は、上記所定方向に垂直な平面に対して交差する姿勢で設けられた交差部を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、把持部材の回動に連動してカム部材が軸周りに回動すると、交差部は所定方向に垂直な平面に対して交差しているので、当該回動をカム受け部材の所定方向の移動に変換することができる。
【0011】
また、本発明においては、上記カム受け部材は、上記交差部を上記所定方向で挟んだ両側に立設する一対の挟持部を有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、交差部の回動に追従してカム受け部材を前後に進退させることができる。
【0012】
また、本発明においては、上記連結部は、少なくとも上記所定方向及び上記一対の挟持部の立設方向と直交する方向において、上記固定ピンの他端部と上記カム受け部材とを揺動自在に連結するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、交差部は所定方向に垂直な平面に対して交差し、この交差部を所定方向で一対の挟持部で挟むと、交差部が回動したときに上記所定方向及び一対の挟持部の立設方向と直交する方向において、固定ピンの軸線とカム受け部材の移動軸との傾きが発生し易くなるので、この方向において少なくとも揺動自在とさせ、固定ピンのこじりを回避させる。
【0013】
また、本発明においては、記録媒体に対し流体を噴射する記録ヘッドと、本体部が備える孔部に対して挿脱自在な固定ピンを有する固定機構を有すると共に上記記録媒体上の上記流体を乾燥させるヒーターユニットと、を有する記録装置であって、上記ヒーターユニットとして、先に記載のヒーターユニットを有するという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、本発明では、固定ピンのこじりを回避して円滑なヒーターユニットの着脱が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態におけるプリンターを示す概略構成図である。
【図2】本発明の実施形態におけるヒーターユニットの本体部に対する装着状態を示す平面図である。
【図3】本発明の実施形態におけるヒーターユニットを示す斜視図である。
【図4】本発明の実施形態における把持部材が水平面に沿って倒伏しているときの固定機構を示す平面図である。
【図5】図4における矢視A−A断面図である。
【図6】本発明の実施形態における把持部材が水平面に対し略直角に起立しているときの固定機構を示す平面図である。
【図7】図6における矢視B−B断面図である。
【図8】本発明の実施形態における把持部材を複数方向から視た図である。
【図9】本発明の実施形態における把持部材を示す斜視図である。
【図10】本発明の実施形態におけるカム受け部材を複数方向から視た図である。
【図11】本発明の実施形態におけるカム受け部材を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施形態における固定ピンを複数方向から視た図である。
【図13】本発明の実施形態における固定ピンを示す斜視図である。
【図14】本発明の実施形態における固定ピン受け部材を複数方向から視た図である。
【図15】本発明の実施形態における固定ピン受け部材を示す斜視図である。
【図16】本発明の実施形態における固定機構の作用について説明するための概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るヒーターユニット及び記録装置の実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下の説明で用いる図面では、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明することがある。ここで、水平面内の所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれと直交する方向をZ軸方向(鉛直方向)とする。
本実施形態では、記録装置として、インクジェット式プリンター(以下、単にプリンターと称する)について例示する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態におけるプリンター1を示す概略構成図である。
プリンター1は、ロール状に巻かれたロール紙RP1あるいはロール紙RP2から延出される長尺の用紙(記録媒体)Pに対して、インク(流体)を記録ヘッド31から噴射して画像や文字等を印字する構成となっている。プリンター1は、用紙Pを搬送する複数のローラー21を有する搬送部2と、用紙Pに対し印字を行う記録部3と、印字後、用紙Pの表面上のインクを乾燥させるヒーターユニット4と、ヒーターユニット4と電気的に接続して給電すると共に温度等に関する制御信号を出力する制御盤5と、を有する。
【0017】
プリンター1の本体部11には、ロール紙RP1、搬送部2、記録部3、ヒーターユニット4、制御盤5が収容されている。また、本体部11に接続された外部ケース12にはスペアのロール紙RP2が収容されている。なお、ロール紙RP1及びロール紙RP2のいずれかを用いるかは任意に選択可能である。ロール紙RP1あるいはロール紙RP2から延出された用紙Pは、搬送部2のローラー21によって記録部3に搬送される。
【0018】
記録部3は、インクを噴射する記録ヘッド31と、用紙Pを支持する支持台32と、を有する。用紙Pは、記録ヘッド31と支持台32との間に送り出される。送り出された用紙Pは、支持台32に支持され、その上面(表面)は記録ヘッド31に対して所定の間隔を保って搬送される。そして、用紙Pの上面に記録ヘッド31からインクが噴射されて画像や文字等の印字が行われる。
【0019】
用紙Pの搬送経路には、記録部3より下流側にヒーターユニット4が設けられている。ヒーターユニット4は、本体部11に対して着脱自在に設けられている。ヒーターユニット4は、ファン41と、加熱装置42と、を有する。ファン41及び加熱装置42は、制御盤5から給電を受け、また、制御盤5からの制御信号により駆動する。加熱装置42は、例えば、ニクロム線等の電熱線を有する。ファン41により取り込まれた空気は、加熱装置42より加熱されて温風となり、用紙Pの上面に向けて吹き付けられる。これにより、用紙P上のインクが乾燥し、用紙Pに画像や文字等が定着する。
【0020】
図2は、本発明の実施形態におけるヒーターユニット4の本体部11に対する装着状態を示す平面図である。図3は、本発明の実施形態におけるヒーターユニット4を示す斜視図である。
図2に示すように、ヒーターユニット4は、平面視で略長方形状を有する。本実施形態のヒーターユニット4は、本体部11に設けられた一対の本体フレーム12A,12Bに対してZ軸方向、すなわち鉛直方向において着脱自在な構成となっている。
【0021】
本体フレーム12Aは、ヒーターユニット4の長手方向一端部(+X側端部)の底部を支持する底部フレーム13aと、ヒーターユニット4の長手方向一端部の側部を平面視略凹状に囲う側部フレーム14aとを有する。一方、本体フレーム12Bは、ヒーターユニット4の長手方向他端部(−X側端部)の底部を支持する底部フレーム13bと、ヒーターユニット4の長手方向他端部の側部を平面視略凹状に囲う側部フレーム14bとを有する。なお、本体フレーム12Aの底部フレーム13aには、制御盤5と電気的に接続するための不図示のコネクタ部が設けられている。
【0022】
図3に示すように、ヒーターユニット4の長手方向一端部(+X側端部)の底部には、本体フレーム12Aに設けられた不図示のコネクタ部に対してZ軸方向において着脱自在なコネクタ部45が外装から露出して設けられている。コネクタ部45は、ファン41及び加熱装置42と電気的に接続されている。したがって、側部フレーム14a,14bに沿ってヒーターユニット4を本体フレーム12A,12Bに下ろすと、本体フレーム12Aにおいてコネクタ同士が接続され、ヒーターユニット4と制御盤5とが電気的に接続される構成となっている。
【0023】
ヒーターユニット4の短手方向一方側(+Y側)の側部には、空気を取り込むための複数の吸引孔43が設けられている。吸引孔43から取り込まれた空気は、内部で加熱され、底部に設けられた不図示の吹き出し口から下方に吹き出される。この底部に対し逆側の天部には、把持部材50が設けられている。把持部材50は、長手方向(所定方向、X軸方向)に延びる軸周りに、略水平面(XY平面)から略直角に回動自在な構成となっている。そして、ヒーターユニット4は、把持部材50の回動に連動して長手方向両側側部から固定ピン60を出没させる固定機構46を備える。
【0024】
図4は、本発明の実施形態における把持部材50が水平面に沿って倒伏しているときの固定機構46を示す平面図である。図5は、図4における矢視A−A断面図である。図6は、本発明の実施形態における把持部材50が水平面に対し略直角に起立しているときの固定機構46を示す平面図である。図7は、図6における矢視B−B断面図である。なお、図4〜図7においては、視認性を向上させるため、固定機構46に関する構成以外のヒーターユニット4の構成については図示を省略している。
【0025】
固定機構46は、図4に示すように、把持部材50が水平面に沿って倒伏しているときに長手方向両側側部の固定ピン60を外側に突出させ、図5に示す本体フレーム12Aの側部フレーム14aに設けられた孔部14a1と、本体フレーム12Bの側部フレーム14bに設けられた孔部14b1とにそれぞれ挿入させることで、ヒーターユニット4を本体部11に対して装着状態とさせる構成となっている。
【0026】
一方、固定機構46は、図6に示すように、把持部材50が水平面に対し略直角に起立しているときに長手方向両側側部の固定ピン60を内側に没入させ、図7に示す本体フレーム12Aの側部フレーム14aに設けられた孔部14a1と、本体フレーム12Bの側部フレーム14bに設けられた孔部14b1とから固定ピン60をそれぞれ抜き出すことで、ヒーターユニット4を本体部11に対して装着解除状態とさせる構成となっている。
【0027】
固定機構46は、把持部材50と、カム受け部材70と、固定ピン60と、固定ピン受け部材80と、を有する。
次に、固定機構46の各構成部品について、図4〜図7と共に図8〜図15を参照して説明する。
図8は、本発明の実施形態における把持部材50を複数方向から視た図である。図9は、本発明の実施形態における把持部材50を示す斜視図である。図10は、本発明の実施形態におけるカム受け部材70を複数方向から視た図である。図11は、本発明の実施形態におけるカム受け部材70を示す斜視図である。図12は、本発明の実施形態における固定ピン60を複数方向から視た図である。図13は、本発明の実施形態における固定ピン60を示す斜視図である。図14は、本発明の実施形態における固定ピン受け部材80を複数方向から視た図である。図15は、本発明の実施形態における固定ピン受け部材80を示す斜視図である。
【0028】
なお、図8(a)は把持部材50の平面図を、図8(b)は把持部材50の正面図を示す。また、図10(a)はカム受け部材70の平面図を、図10(b)はC方向から視たカム受け部材70の正面図を、図10(c)はD方向から視たカム受け部材70の右側面図を示す。また、図12(a)は固定ピン60の平面図を、図12(b)は固定ピン60の正面図を示す。また、図14(a)は固定ピン受け部材80の平面図を、図14(b)はE方向から視た固定ピン受け部材80の正面図を、図14(c)はF方向から視た固定ピン受け部材80の右側面図を示す。
【0029】
把持部材50は、図5及び図7に示すように、X軸方向(所定方向)に延びる軸周りに回動自在にユニットフレーム44に軸支されている。把持部材50は、樹脂製であり、金属製の回動軸51を挿入する孔部52が形成されている。回動軸51の両端部は、ユニットフレーム44の一部を切り起こした切り起こし部44aに支持されている。
【0030】
把持部材50には、カム部材53が一体成形されている。カム部材53は、把持部材50と一体でX軸方向に延びる軸周り回動自在な構成となっている。カム部材53は、X軸方向に垂直な平面(YZ平面)に対して交差する姿勢で設けられた交差部53a(図8及び図9参照)を有する。このカム部材53は、略円弧形状となって突出して設けられている。
【0031】
カム受け部材70は、図5及び図7に示すように、カム部材53の下方(−Z側)に設けられている。カム受け部材70は、樹脂製であり、図4及び図6に示すように、ユニットフレーム44に設けられたガイド部44bによって幅方向(Y軸方向)両側をガイドされ、ユニットフレーム44に沿ってX軸方向にスライド自在な構成となっている。
【0032】
カム受け部材70は、カム部材53の交差部53aをX軸方向で挟んだ両側に立設する一対の挟持部72A,72B(図10及び図11参照)を有する。一対の挟持部72A,72Bは、互いの対向面が凸となった所定の曲率を有している。また、カム受け部材70の中央部には、開口部71が形成されており、カム部材53寄りに設けられた切り起こし部44aが厚み方向(Z軸方向)で貫通して配置される構成となっている(図5及び図7参照)。
【0033】
カム受け部材70は、図4〜図7に示すように、固定ピン60の他端部61BとX軸方向で連結されている。カム受け部材70は、固定ピン60がX軸方向以外の方向において揺動自在となるように他端部61Bと遊嵌する連結溝(連結部)73を有する。すなわち、連結溝73は、X軸方向において他端部61Bを剛的に連結し、X軸方向以外の方向において他端部61Bを柔的に連結する構成となっている。連結溝73は、図10(b)及び図10(c)に示すように、カム受け部材70の幅方向一方側の側部から幅方向他方側の側部に向かって所定深さで形成されている。連結溝73は、他端部61Bの外形よりも一回り大きく形成されている。この連結溝73は、固定ピン60のX軸方向の抜けを防止する段付き溝73aを有する。
【0034】
固定ピン60は、金属製であり、図5及び図7に示すように、ヒーターユニット4の外装から出没する一端部61Aと、カム受け部材70の連結溝73に遊嵌する他端部61Bと、を有する。図12及び図13に示すように、一端部61Aは、後述する固定ピン受け部材80によりガイドされる周面60aの径より小径となっている。他端部61Bは、連結溝73の段付き溝73aと遊嵌するフランジ部61B1を有する。また、他端部61Bは、上下を略平行に切り欠いた切り欠き部61B2を有し、連結溝73に対しX軸方向に延びる軸周りに固定ピン60が相対回転することを防止する構成となっている。
【0035】
固定ピン受け部材80は、図5及び図7に示すように、固定ピン60の一端部61Aと他端部61Bとの間における周面60aの少なくとも一部を環状に受けてX軸方向に案内する構成となっている。固定ピン受け部材80は、樹脂製であり、図14及び図15に示すように、固定ピン60の周面60aを環状に受ける孔部81を有する。孔部81は、固定ピン60の周面60aを環状に受けることで、固定ピン60をX軸方向においてスムーズにスライド自在とさせると共にYZ平面における座標位置精度を高めている。この固定ピン受け部材80の幅方向(Y軸方向)両側には孔部82が形成されており、ユニットフレーム44に対して締結される構成となっている。
【0036】
続いて、上記構成の固定機構46の作用について、図16を追加参照して説明する。
図16は、本発明の実施形態における固定機構46の作用について説明するための概略平面図である。
ヒーターユニット4を本体部11に装着する場合、ユーザーは、図3に示す把持部材50を起立させ、この把持部材50を把持してヒーターユニット4を持ち上げる。そして、図2に示すように、側部フレーム14a,14bに沿ってヒーターユニット4を本体フレーム12A,12Bに下ろすと、本体フレーム12Aにおいてコネクタ同士が接続され、ヒーターユニット4と制御盤5とが電気的に接続される。そして、起立した把持部材50をX軸方向に延びる軸周りに略直角に倒伏させると、把持部材50の回動に連動して長手方向両側側部から固定ピン60が突出する。
【0037】
具体的には、図4に示すように、把持部材50にはカム部材53が一体で設けられており、把持部材50の回動に連動してカム部材53がX軸方向に延びる軸周りに回動する。把持部材50の回動に連動してカム部材53が軸周りに回動すると、交差部53a(図8及び図9参照)がX軸方向に垂直なYZ平面に対して交差しているので、当該回動をカム受け部材70のX軸方向の移動に変換することができる。カム受け部材70は、挟持部72B側がカム部材53の交差部53aによって押されることで、ガイド部44bにより幅方向両側をガイドされつつ、X軸方向に移動する。カム受け部材70には固定ピン60が連結されており、この固定ピン60は、ユニットフレーム44に固定されたピン受け部材80によりX軸方向に高精度でガイドされる。そして、固定ピン60が、図5に示す本体フレーム12Aの側部フレーム14aに設けられた孔部14a1と、本体フレーム12Bの側部フレーム14bに設けられた孔部14b1とにそれぞれ挿入することで、ヒーターユニット4が本体部11に対して装着状態となる。これにより、ヒーターユニット4の本体部11に対するZ軸方向の抜けが規制される。
【0038】
ここで、本実施形態では、固定ピン60の位置精度を固定ピン受け部材80により確保し、固定ピン60の他端部61Bをカム受け部材70の連結溝73に遊嵌させてガタを意図的に生じさせてX軸方向以外の方向に揺動自在とさせている。そうすると、固定ピン60の軸線とカム受け部材70の移動軸との傾きによる、固定ピン60の固定ピン受け部材80に対するこじりの発生は、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70との連結部である連結溝73において所定方向以外の方向において柔的に揺動することで吸収される。このため、固定ピン60のこじりを回避して円滑なスライドを可能とさせることができる。
【0039】
特に、本実施形態では、図16に示すように、交差部53aはX軸方向に垂直な平面(YZ平面)に対して交差し、この交差部53aをX軸方向で一対の挟持部72A,72Bで挟む構成となっているので、交差部53aが回動したときにX軸方向の力だけでなくY軸方向の力も作用する。そうすると、幅方向両側をガイド部44bで保持していたとしてもカム受け部材70の姿勢がY軸方向に微小にズレて、カム受け部材70の移動軸が固定ピン60の軸線(X軸)に対して傾き易くなる。本実施形態では、Y軸方向において連結溝73を形成し、Y軸方向において少なくとも揺動自在とする構成と採用しているので、Y軸方向における当該傾きを効率的に吸収できるため、固定ピン60のこじりをより確実に回避させることができる。
【0040】
一方、ヒーターユニット4を本体部11から取り外す場合、ユーザーは、倒伏している把持部材50を起立させ、図7に示すように、本体フレーム12Aの側部フレーム14aに設けられた孔部14a1と、本体フレーム12Bの側部フレーム14bに設けられた孔部14b1とから、固定ピン60をそれぞれ抜き出すことで、ヒーターユニット4を装着解除状態とさせる。ここにおいても上述したように、連結溝73によって固定ピン60のこじりを回避することができるので、固定ピン60の円滑なスライドを可能とさせることができる。そして、ヒーターユニット4の本体部11に対するZ軸方向の抜けの規制が解除されると、ユーザーは、側部フレーム14a,14bに沿ってヒーターユニット4を持ち上げて、コネクタ部における接続を解除し、ヒーターユニット4を本体部11から取り外すこととなる。
【0041】
したがって、上述した本実施形態によれば、固定ピン60の一端部61Aが所定方向(X軸方向)に出没する固定機構46を備えるヒーターユニット4であって、固定機構46は、固定ピン60の一端部61Aと他端部61Bとの間における周面60aの少なくとも一部を環状に受けて上記所定方向に案内する固定ピン受け部材80と、カム部材53の回動に連動して上記所定方向に移動するカム受け部材70と、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70とを上記所定方向以外の方向において揺動自在に連結する連結溝73と、を有するという構成を採用することによって、固定ピン60の位置精度を、固定ピン受け部材80で周面60aを環状に案内することで確保し、固定ピン60の軸線とカム受け部材70の移動軸との傾きによる、固定ピン60の固定ピン受け部材80に対するこじりの発生を、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70とを連結する連結溝73において、所定方向以外の方向において揺動することで吸収することにより、固定ピン60のこじりを回避して円滑なスライドを可能とさせることができる。
したがって、本実施形態では、固定ピン60のこじりを回避して円滑なヒーターユニット4の着脱が可能となる。
【0042】
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0043】
例えば、上記実施形態においては、固定ピン60の他端部61Bとカム受け部材70とを遊嵌させて連結する構成について説明したが、遊嵌させる構成に限られず、例えば、柔軟に変形可能な部材、例えばゴムのような弾性体等で両者を連結させる構成であってもよい。
【0044】
また、上記実施形態においては、記録装置がプリンター1である場合を例にして説明したが、プリンターに限られず、複写機及びファクシミリ等の装置であってもよい。
【0045】
また、記録装置としては、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする記録装置を採用してもよい。本発明は、例えば微小量の液滴を吐出させる記録ヘッド等を備える各種の記録装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記記録装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、記録装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクが挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。また、記録装置の具体例としては、上記実施形態で説明したような用紙がロール状に巻かれたロール紙を収容体(ケース12)に備えた装置に限られない。例えば、可撓性を有する基板や金属板、あるいはプラスチックシートや布など、長尺状の記録媒体がロール状に巻かれているものを収容体に備えた装置であれば、いずれも記録装置として採用することができる。さらに、収容体に備えられた長尺状の記録媒体は、例えば葛折状になっているなどのように必ずしもロール状に巻かれていなくてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1…プリンター(記録装置)、4…ヒーターユニット、11…本体部、14a1…孔部、14b1…孔部、31…記録ヘッド、46…固定機構、50…把持部材、51…回動軸、53…カム部材、53a…交差部、60…固定ピン、60a…周面、61A…一端部、61B…他端部、70…カム受け部材、72A,72B…一対の挟持部、73…連結溝(連結部)、80…固定ピン受け部材、P…用紙(記録媒体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定ピンの一端部が所定方向に出没する固定機構を備えるヒーターユニットであって、
前記固定機構は、
前記固定ピンの一端部と他端部との間における周面の少なくとも一部を環状に受けて前記所定方向に案内する固定ピン受け部材と、
カム部材の回動に連動して前記所定方向に移動するカム受け部材と、
前記固定ピンの他端部と前記カム受け部材とを前記所定方向以外の方向において揺動自在に連結する連結部と、を有することを特徴とするヒーターユニット。
【請求項2】
前記連結部は、前記固定ピンの他端部と前記カム受け部材とを遊嵌させることを特徴とする請求項1に記載のヒーターユニット。
【請求項3】
前記カム部材は、前記所定方向に延びる軸と平行な軸周りに回動自在に設けられた把持部材に一体的に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒーターユニット。
【請求項4】
前記カム部材は、前記所定方向に垂直な平面に対して交差する姿勢で設けられた交差部を有することを特徴とする請求項3に記載のヒーターユニット。
【請求項5】
前記カム受け部材は、前記交差部を前記所定方向で挟んだ両側に立設する一対の挟持部を有することを特徴とする請求項4に記載のヒーターユニット。
【請求項6】
前記連結部は、少なくとも前記所定方向及び前記一対の挟持部の立設方向と直交する方向において、前記固定ピンの他端部と前記カム受け部材とを揺動自在に連結することを特徴とする請求項5に記載のヒーターユニット。
【請求項7】
記録媒体に対し流体を噴射する記録ヘッドと、本体部が備える孔部に対して挿脱自在な固定ピンを有する固定機構を有すると共に前記記録媒体上の前記流体を乾燥させるヒーターユニットと、を有する記録装置であって、
前記ヒーターユニットとして、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヒーターユニットを有することを特徴とする記録装置。
【請求項1】
固定ピンの一端部が所定方向に出没する固定機構を備えるヒーターユニットであって、
前記固定機構は、
前記固定ピンの一端部と他端部との間における周面の少なくとも一部を環状に受けて前記所定方向に案内する固定ピン受け部材と、
カム部材の回動に連動して前記所定方向に移動するカム受け部材と、
前記固定ピンの他端部と前記カム受け部材とを前記所定方向以外の方向において揺動自在に連結する連結部と、を有することを特徴とするヒーターユニット。
【請求項2】
前記連結部は、前記固定ピンの他端部と前記カム受け部材とを遊嵌させることを特徴とする請求項1に記載のヒーターユニット。
【請求項3】
前記カム部材は、前記所定方向に延びる軸と平行な軸周りに回動自在に設けられた把持部材に一体的に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のヒーターユニット。
【請求項4】
前記カム部材は、前記所定方向に垂直な平面に対して交差する姿勢で設けられた交差部を有することを特徴とする請求項3に記載のヒーターユニット。
【請求項5】
前記カム受け部材は、前記交差部を前記所定方向で挟んだ両側に立設する一対の挟持部を有することを特徴とする請求項4に記載のヒーターユニット。
【請求項6】
前記連結部は、少なくとも前記所定方向及び前記一対の挟持部の立設方向と直交する方向において、前記固定ピンの他端部と前記カム受け部材とを揺動自在に連結することを特徴とする請求項5に記載のヒーターユニット。
【請求項7】
記録媒体に対し流体を噴射する記録ヘッドと、本体部が備える孔部に対して挿脱自在な固定ピンを有する固定機構を有すると共に前記記録媒体上の前記流体を乾燥させるヒーターユニットと、を有する記録装置であって、
前記ヒーターユニットとして、請求項1〜6のいずれか一項に記載のヒーターユニットを有することを特徴とする記録装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−106412(P2012−106412A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257080(P2010−257080)
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月17日(2010.11.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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