説明

ヒートシール装置

【課題】ICタグを被シール材の被シール箇所に自動的に挿入して被シール材と共にシールするための動作を確実に行なうことのできるヒートシール装置を提供する。
【解決手段】ICタグ搬送機構H3は、セット位置Dに供給されているICタグTを吸着保持する搬送ヘッド17と、先端部が搬送ヘッド17に吸着保持される吸着位置と、吸着を解除される解除位置との間を移動可能なタグ押え板18と、を備え、ICタグTの吸着保持時には、搬送ヘッド17の吸着面の下側にタグ押え板18の先端部が位置し、更にその下側にICタグTが位置するように保持され、更に、搬送ヘッド17にICタグT及びタグ押え板18の先端部を吸着保持させる吸引駆動部と、ICタグ搬送機構及び吸着駆動部の動作を制御する制御部100と、を備え、この制御部100は、搬送ヘッド17が被シール箇所に挿入された後、ICタグT及びタグ押え板18の先端部の吸着状態を解除するように、吸着駆動部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒーターが装着された受け部と、この受け部と協働して、内容物が収容された樹脂製被シール材の被シール箇所を押圧・挟持することが可能な押圧部を有する圧着作動部と、固有情報を読み出し可能な記録媒体をセット位置に供給するための記録媒体供給機構と、セット位置に供給された記録媒体を被シール箇所の位置に搬送する記録媒体搬送機構と、を備え、記録媒体を被シール箇所に挿入した状態で、押圧部を受け部側に押圧させることで、被シール箇所が受け部と押圧部の間で挟持されて、通電・加熱され、被シール箇所が溶着されて記録媒体と共にシールされるように構成したヒートシール装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内容物を収容した樹脂製フィルムの包装袋の開口部をシールするのに、簡便性、確実性などの利点を有することからインパルス式ヒートシール装置が多用されている。
【0003】
一方、包装袋の内容物に関する固有情報を包装袋に付記することが定められており、バーコードなどを付記する方法が実施されている(例えば、特許文献1)。さらに、バーコードでは情報量が限られているため、これに代えてICタグ(記録媒体に相当)を商品あるいはその包装袋に付着させて、内容物に関するより具体的な情報が得られるようにする提案がなされている(例えば、特許文献2)。
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、作業者が内容物を包装袋に収納してシールした後、別の作業者が包装袋にバーコードやICタグを付着するという方式、あるいは、同一作業者がこれら一連の手作業を行なう方式を行なっている。いずれにしても、作業者の手作業に依存するため、作業者の能力に応じて品質や生産性が決まるという問題があり、改善の余地があった。しかも、包装袋に付着したICタグなどは、後に別のICタグと取り替えることが可能であり、いわゆる商品情報の改竄が行なわれる可能性があった。
【0005】
そこで、本出願人は、固有情報の読み出しのみが可能なICタグを被シール材の被シール箇所に供給する記録媒体搬送機構を設け、被シール箇所において被シール材と共にICタグをシール可能にすることのできるヒートシール装置を提案している(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−311665号公報
【特許文献2】特開2001−317862号公報
【特許文献3】特開2006−298466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような記録媒体搬送機構を設けることで、作業者が行なう手作業のかなりの部分を簡略化することができ、作業が楽になると共に品質が安定するという利点を有する。また、被シール材と一体的に記録媒体がシールされているので、記録情報が改竄されるという問題も生じない。
【0008】
しかし、記録媒体を被シール材の被シール箇所内に自動的に挿入するためには、記録媒体を確実に保持した状態で、被シール箇所内に搬送させ、その箇所に記録媒体を位置させる動作を高い信頼性で保証する必要がある。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、記録媒体を被シール材の被シール箇所に自動的に挿入して被シール材と共にシールするための動作を確実に行なうことのできるヒートシール装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため本発明に係るヒートシール装置は、
ヒーターが装着された受け部と、
この受け部と協働して、内容物が収容された樹脂製被シール材の被シール箇所を押圧・挟持することが可能な押圧部を有する圧着作動部と、
固有情報を読み出し可能な記録媒体をセット位置に供給するための記録媒体供給機構と、
セット位置に供給された記録媒体を被シール箇所の位置に搬送する記録媒体搬送機構と、を備え、記録媒体を被シール箇所に挿入した状態で、押圧部を受け部側に押圧させることで、被シール箇所が受け部と押圧部の間で挟持されて、通電・加熱され、被シール箇所が溶着されて記録媒体と共にシールされるように構成したヒートシール装置において、
前記記録媒体搬送機構は、セット位置に供給されている記録媒体を吸着保持するための搬送ヘッドと、
先端部が搬送ヘッドに吸着保持される吸着位置と、搬送ヘッドからの吸着を解除される解除位置との間を移動可能に構成された記録媒体押さえ部材と、を備え、記録媒体の吸着保持時には、搬送ヘッドに設けられた吸着面の下側に記録媒体押さえ部材の先端部が位置し、更にその下側に記録媒体が位置するような状態で保持され、更に、
搬送ヘッドに記録媒体及び記録媒体押さえ部材の先端部を吸着保持させるための吸引駆動部と、
記録媒体搬送機構及び吸着駆動部の動作を制御する制御部と、を備え、
この制御部は、搬送ヘッドが被シール箇所に挿入された後、記録媒体及び記録媒体押さえ部材の先端部の吸着状態を解除するように、吸着駆動部を制御することを特徴とするものである。
【0011】
かかる構成によるヒートシール装置の作用・効果を説明する。このヒートシール装置は、記録媒体供給機構と記録媒体搬送機構とを備えており、まず、記録媒体供給機構がセット位置に記録媒体をセットし、このセットされた記録媒体を記録媒体搬送機構により被シール箇所の位置まで搬送する。この被シール箇所に記録媒体を挿入した状態で、押圧部を受け部側に押圧させ、ヒーターにより被シール箇所が溶着されて記録媒体と共に被シール箇所がシールされる。記録媒体搬送機構は、搬送ヘッドを備えており、その吸着面に記録媒体を吸着保持させることができる。また、記録媒体搬送機構は、記録媒体押さえ部材を備えており、記録媒体と共にその先端部が搬送ヘッドに吸着保持可能に構成される。また、記録媒体の吸着が行われる時には、記録媒体押さえ部材も合わせて吸着され、搬送ヘッドの吸着面の下側に記録媒体押さえ部材の先端部、更にその下側に記録媒体が位置する状態で吸着される。この状態で搬送ヘッドと共に記録媒体と記録媒体押さえ部材が被シール箇所内に挿入される。その後、記録媒体と記録媒体押さえ部材の吸着状態を解除させる。これにより自重により記録媒体が落下し、記録媒体押さえ部材の先端部も落下する。記録媒体の上を記録媒体押さえ部材の先端部が押え付けるように作用するため、記録媒体を確実に被シール箇所内に落下させて、その位置に保持させることができる。その結果、記録媒体を被シール材の被シール箇所に自動的に挿入して被シール材と共にシールするための動作を確実に行なうことができる。
【0012】
本発明において、記録媒体搬送機構が、セット位置に供給されている記録媒体を吸着保持する位置にある場合において、記録媒体押さえ部材の先端部を搬送ヘッドの吸着面側に規制するための規制部を設けたことが好ましい。
【0013】
記録媒体押さえ部材の先端部は、吸着動作を行なっていないときには、自重により下方に落下しようとするので、落下した状態で先端部を吸着しようとすると、かなり大きな吸着力が必要となる。そこで、セット位置にて記録媒体の吸着保持を行なおうとする場合には、規制部により先端部を吸着面側に規制するようにする。これにより、小さな吸着力により記録媒体押さえ部材の先端部を吸着させることができる。
【0014】
本発明に係る媒体搬送機構は、記録媒体押さえ部材の根元部を支持する押さえ部材支持部と、
搬送ヘッドと一体的に結合され、かつ、押さえ部材支持部がガイド方向に沿って移動可能に支持されるガイド部材と、
搬送ヘッドと押さえ部材支持部とが所定の間隔を保持する方向に付勢する付勢部材と、を備え、
被シール箇所に、搬送ヘッド及び記録媒体押さえ部材の先端部が共に挿入された後、搬送ヘッドのみが被シール箇所から脱出可能にするために、押さえ部材支持部を一時的に係止させておく一時係止機構を備えたことが好ましい。
【0015】
この構成によると、記録媒体押さえ部材の根元部は、搬送ヘッドとは別に設けられた押さえ部材支持部により支持される。また、搬送ヘッドとガイド部材が一体的に結合されており、このガイド部材に沿って押さえ部材支持部が相対的に移動可能に構成されている。すなわち、搬送ヘッドと記録媒体押さえ部材(押さえ部材支持部)とは相対的に間隔を変更可能に構成されている。そして、被シール箇所に記録媒体が挿入された後、搬送ヘッドのみが被シール箇所から(被シール材の外部へと)脱出することができる。
【0016】
本発明に係る前記制御部は、搬送ヘッドのみが被シール箇所から脱出した後、押圧部を受け部側に移動させて仮圧着状態とし、この状態で記録媒体押さえ部材を被シール箇所から脱出させた後、押圧部を本圧着状態に移行させるように制御することが好ましい。
【0017】
搬送ヘッドのみが被シール箇所から脱出した後、押圧部により仮圧着状態とする。このときも、記録媒体押さえ部材の先端部は記録媒体を押さえつけた状態であるが、仮圧着状態に移行した後、記録媒体押さえ部材も被シール箇所から脱出させる。仮圧着により記録媒体は圧着された状態であるから、記録媒体を被シール箇所内に残したまま記録媒体押さえ部材の先端部を脱出させることができる。また、仮圧着なので脱出時における負荷は小さくてすむ。その後、押圧部を本圧着状態に移行させ、通電・加熱により被シール箇所を溶着させる。
【0018】
本発明において、搬送ヘッドのみが被シール箇所から脱出する工程の途中で、記録媒体押さえ部材の先端部を更に下方向に付勢する付勢手段が、搬送ヘッド及び/又は記録媒体押さえ部材に形成されていることが好ましい。
【0019】
この構成によると、搬送ヘッドが被シール箇所から脱出する工程の途中で、記録媒体押さえ部材の先端部を更に下方向に付勢する。これにより、記録媒体を確実に被シール箇所内に押さえ付ける。そのための付勢手段は、搬送ヘッド及び/又は記録媒体押さえ部材に形成される。例えば、記録媒体押さえ部材の適宜の箇所に突起を設けておき、搬送ヘッドの移動により、その突起を押し下げるようにする構成が考えられる。突起は、搬送ヘッド側に形成するようにしてもよい。
【0020】
本発明において、記録媒体を被シール箇所に挿入する工程において、搬送ヘッドに押されて搬送ヘッドと共に被シール箇所内に挿入される記録媒体保護部材を設け、この記録媒体保護部材により、装入時に記録媒体が樹脂製被シール材の内面に接触することを防止したことが好ましい。
【0021】
記録媒体は搬送ヘッドに吸着した状態で被シール材の被シール箇所内に挿入されるが、挿入工程において記録媒体が被シール材の内面に不用意に接触すると、記録媒体が落下してしまうことがありうる。従って、所望の位置に記録媒体を挿入させることができないという事態が生じうる。そこで、搬送ヘッドに押されて移動する記録媒体保護部材を設けることで、記録媒体が被シール材の内面に接触しないようにすれば、記録媒体が不用意に落下することを防止し、所定の箇所に確実に挿入させることができる。
【0022】
本発明に係る記録媒体供給機構は、記録媒体を上下方向に積層した状態で保持する記録媒体ホルダーと、この記録媒体ホルダーを上下方向に駆動するためのホルダー駆動部とを備えており、
前記制御部は、記録媒体がセット位置から1枚ずつ取り出されるたびに、記録媒体ホルダーのセット位置を記録媒体の厚み分だけ上昇させるように、前記ホルダー駆動部を制御することが好ましい。
【0023】
記録媒体供給機構は、記録媒体を上下方向に積層した状態で保持する記録媒体ホルダーを備えている。搬送ヘッドは、積層された記録媒体のうちの最上部に位置する記録媒体を吸着する。1枚ずつ吸着する毎に、積層枚数は減少することになるので、同じセット高さを維持するために、記録媒体ホルダーのセット位置を記録媒体の厚み分だけ上昇するように制御する。これにより、常に同じ状態で記録媒体の吸着動作を行なうことができ、吸着動作の信頼性を確保することができる。
【0024】
本発明において、記録媒体は、細長の矩形形状を有しており、
前記記録媒体ホルダーは、積層された記録媒体のうち、最上部に位置する記録媒体の両端部の上に載置されるボールと、
最上部の記録媒体が搬送ヘッドに吸着されて、搬送ヘッドと記録媒体ホルダーとが相対的に離れる時に、ボールが記録媒体の両端部よりも外側に逃げる空間部と、を設けたことが好ましい。
【0025】
最上部の記録媒体を吸着する場合、最上部の1枚だけを確実に吸着させる必要がある。そこで、最上部の記録媒体の両端部の上に載置されるボールを設けて、ボールの自重を作用させる。そして、記録媒体の吸着動作を行なうとき、最上部の記録媒体が残りの積層された記録媒体から離れようとするが、その時、ボールは最上部の記録媒体の両端部よりも外側に逃げて、その次の記録媒体の両端部の上に載置される。これにより、不用意に2枚以上の記録媒体が吸着されてしまうことを防止し、確実に記録媒体を1枚だけ吸着させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明に係るヒートシール装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、ヒートシール装置の外観構成を示す斜視図である。図2は、包装袋の構成を示す図である。
【0027】
包装袋P(樹脂製被シール材に相当)内に適宜の内容物が収容されると、その開口部A(被シール箇所に相当)がシールされて密封される。開口部Aに隣接した内側は、被押圧部Bに相当する箇所であり、ICタグ挿入時に開口部Aを開く場合には、この場所が押圧されて包装袋Pが不用意に移動しないように保持する。包装袋P内に収容される内容物としては、食品、機械部品、注射器等の医療用器具、各種日用品などが例としてあげられるが、特定のものに限定されるものではない。
【0028】
開口部Aには、ICタグT(記録媒体に相当)が内部に収容された状態でシールされる。ICタグTには、包装袋P内に収容される内容物に関する固有情報が書き込まれる。図3は、ICタグTの形状を示す図であり、(a)は平面図(b)は側面図である。ICタグTは、幅約2mm、長さ約70mm程度の細長の短冊状(矩形形状)となっており、可撓性を有するベースT1の表面T2が吸着される面であり、裏面T3に小型のICチップ及びアンテナT4が貼着されている。ベースT1は、図示しているように、表面T2が突出した湾曲状になるようなカール癖を有している。
【0029】
このICタグTは、情報を書き込み可能であるが、書き換えはできないように構成され、固有情報を書き込んだ後は、情報の読み出しのみが可能である。ただし、情報の書き換えが可能なタグを用いてもよい。また、開口部AにICタグTを一緒にシールするため、ICタグTを別のものに取り替えることもできない。すなわち、ICタグTそのものを開口部Aから物理的に取り出せなくし、無理に取り出そうとすると、ICタグTが破壊する可能性がある。本発明に係るヒートシール装置は、上記のごとくICタグTを開口部A内に自動的に挿入してシールを行なう機能を有している。
【0030】
図1において、ヒートシール装置Hは、装置の下部側に位置する基台部1を備えており、この基台部1に主要な機構が収容されている。基台部1の上部には上部カバー部材2が設けられている。基台部1の手前側には、開口部Aをシールすべき包装袋Pを載置するための袋載置部3が配置されている。基台部1の上部手前側には、圧着レバー部4(圧着作動部を構成する)が設けられており、シールを行う時は、この圧着レバー部4が押し下げられる。
【0031】
袋載置部3の奥側には、第1受け部30と第2受け部31が配置されている。これに対応して、圧着レバー部4には、第1押圧部40と第2押圧部41が配置されている。第1押圧部40と第1受け部30は、包装袋Pの被押圧部Bを押圧する機能を有し、その表面はゴムなどの弾性材料により形成される。第2押圧部41と第2受け部31は、包装袋Pの開口部A(被シール箇所)を押圧・挟持する機能を有する。また、第1押圧部40と第2押圧部41は、独立して動くことが可能である。圧着レバー部4の左右両側には、一対の駆動レバー4aが設けられており、第2押圧部41と一体的に連結されている。また、駆動レバー4aには、駆動軸4bが連結されており、不図示のシリンダーにより駆動される。圧着レバー部4は、基台部1の奥側に設定された所定の軸芯周りに回転可能に支持されている。図1には図示されていないが、ICタグTを挿入するために開口部Aを開口させるための袋開口機構が第2押圧部41の奥側に設けられている。圧着レバー部4に関する詳細については後述する。
【0032】
次に、本発明に係るヒートシール装置の詳細な構成について説明する。図4は、図1における上部カバー部材2を取り外した状態であり、ヒートシール装置の内部構成を示す平面図である。図5は、同じくヒートシール装置の内部構成を示す側断面図である。なお、図4、図5は、シールを開始する前の待機状態を示す図である。
【0033】
ヒートシール装置は、大きく分けて、圧着作動部H1、ICタグ供給機構H2(記録媒体供給機構に相当)、ICタグ搬送機構H3(記録媒体搬送機構に相当)、補助機構H4、ICタグ吸着機構H5(記録媒体吸着機構に相当)とから構成されている。
【0034】
圧着作動部H1は、すでに説明したとおり、ヒーター31a(図5参照)が装着された第2受け部31と、この第2受け部31と協働して、内容物が収容された包装袋Pの開口部A(被シール箇所)を押圧・挟持する機能を提供するものであり、圧着レバー部4などにより構成される。
【0035】
ICタグ供給機構H2は、ICタグを所定のセット位置に供給するための機能を提供するものである。ICタグ搬送機構H3は、ICタグ供給機構H2によりセット位置に供給されたICタグを開口部Aの位置に搬送する機能を提供するものである。
【0036】
補助機構H4は、ICタグ搬送機構Hの動きに連動して動作する機構である。ICタグ吸着機構H5は、ICタグをICタグ搬送機構H3の先端部分に吸着させるための機能を提供するものである。
【0037】
<ICタグ搬送機構>
まず、ICタグ搬送機構H3の構成について説明する。図6は、ICタグ搬送機構H3の構成を示す(a)平面図および(b)側面図である。図7は、タグ押え板(記録媒体押さえ部材に相当)の構成を示す(a)平面図(b)背面図(c)側面図である。図8は、タグ押え板固定具(押さえ部材支持部に相当)の裏面形状を示す図である。図9は、搬送ヘッドに対するタグ押え板の支持構造を示す断面図である。
【0038】
図6に示すように、搬送方向に沿って伸びる駆動軸10、第1ガイド軸11、第2ガイド軸12が互いに平行になるように設けられ、駆動軸10が中心に位置し、その両側に第1ガイド軸11と第2ガイド軸12が位置する。これらガイド軸11,12は、押さえ部材支持部(タグ押え板固定具)をガイド方向に沿って移動可能に支持するためのガイド部材として機能する。
【0039】
これら3本の軸を結合するために、直方体形状のシャフト固定具13により3本の軸の端部を固定する。第1ガイド軸11と第2ガイド軸12は、ネジ13aにより上方から固定され、駆動軸10は、端部側からネジ13bにより固定される。駆動軸10の他端側にもプレート状のシャフト固定具14が設けられ、ネジ14aにより駆動軸10の他端の端部側から固定される。シャフト固定具14には、第1ガイド軸11と第2ガイド軸12を貫通させるための嵌合穴が形成される。このように第1シャフト固定具13と第2シャフト固定具14により、3本の軸の結合および位置決めが行われる。
【0040】
第1ガイド軸11が設けられている側のシャフト固定具13には、検出板15が設けられており、ICタグ搬送機構H3全体が初期位置にあるか否かを検出するための初期位置検出手段として機能する。検出板15を光センサーやマイクロスイッチなどにより検出することで、初期位置あるいは待機位置その他の位置検出を行うことができる。
【0041】
第2ガイド軸12は、中空パイプにより形成され、その一端部にはL字パイプ16を介して真空ポンプ(ICタグ吸着機構H5を構成する)に連結されている。
【0042】
第1ガイド軸11と第2ガイド軸12の他端部には、搬送ヘッド17が設けられており、ノックピン17aにより固定されている。平面視において、搬送ヘッド17は、直線状の先端面17bと、この先端面17bの両側に位置するテーパ面17cが形成されている。
【0043】
さらに、搬送ヘッド17の裏面側には、ICタグを吸着するための2つの第1吸着穴17dと、後述のタグ押え板18の先端部を吸着するための2つの第2吸着穴17eが形成されている(図8参照)。第1吸着穴17dは、第2吸着穴17eよりも先端面17bに近い位置に形成され、幅方向の穴間隔は、第2吸着穴17eのほうが広くなっている。
【0044】
第2吸着穴17eが形成されている吸着面は、図8に示すように搬送方向に沿った溝17fとして形成されており、第1吸着穴17dが形成されている吸着面17gよりも、少し凹んだ状態で形成されている。
【0045】
搬送ヘッド17の内部には密閉された空間部17hが形成されており、第2ガイド軸12の内部空間と、第1・第2吸着穴17d,17eとを連通させている。これにより、搬送ヘッド17に対してICタグやタグ押え板18の押え枝部18aを吸着できるように構成している。また、第1・第2吸着穴17d,17eには、リング状の吸着パッド20が挿入されており、吸着動作を行いやすいようにしている。
【0046】
搬送ヘッド17の後端部には、コイルバネ19を収容するためのバネ収容部17iが形成されている。
【0047】
側面視において、搬送ヘッド17の先端部の上部にはテーパ面17jが形成されており、先端に近づくほど厚みが薄くなる鋭利な形状となっている。また、第1・第2ガイド軸11,12が結合される箇所(後端部)は、少し厚みが厚くなっており、所望の強度を保持する。
【0048】
<タグ押え板の構成>
次に、タグ押え板18(記録媒体押さえ部材に相当)の構成を説明する。タグ押え板18は、薄板をプレス加工することで製作される。タグ押え板18は、その根元部18bが、タグ押え板固定具21(押さえ部材支持部に相当)に、タグ押え板支持軸22により回転可能に軸支されている。タグ押え板18は、枝状に分かれた2つの押え枝部18aが形成されており、これら2つの押え枝部18aは、搬送ヘッド17の2つの溝17fの位置に対応するように形成される。
【0049】
タグ押え板18は、根元部18bに隣接して平面部18cが形成され、この平面部18cから2本の押え枝部18aが伸びるように形成される。平面部18cと押え枝部18aの連結箇所には斜面部18dが形成されており、側面視において、押え枝部18aは平面部18cよりも上方に位置し、かつ両者は平行な状態である。
【0050】
押え枝部18aの先端にはテーパが形成されて、先端に近づくほど枝幅が小さくなるように形成されている。押え枝部18aの先端部分において、ICタグTを押圧する機能を有する。また、ICタグTを押圧する箇所の少し根元側の箇所が第2吸着穴17eにより吸着される箇所になる。
【0051】
タグ押え板18の押え枝部18aの上方には、突起部材23がネジにより結合されている。突起部材23は、押え枝部18aの長さ方向のほぼ中央位置において結合されており、かつ、押え枝部18aの上面側に結合される。突起部材23の先端は球面状に形成されている。図6や図9に示す状態では、この突起部材23は搬送ヘッド17とは干渉しない位置に設けられている。
【0052】
この突起部材23は、詳しくは後述するが、搬送ヘッド17のみが被シール箇所(開口部A)から脱出する工程の途中で、記録媒体押さえ部材(タグ押え板18)の先端部を更に下方向に付勢する付勢手段として機能する。なお、この突起部材23は、タグ押え板18の側ではなく、搬送ヘッド17の側に同じ機能をする突起部分を形成してもよい。あるいは、両方に形成してもよい。
【0053】
タグ押え板18を回転可能に軸支するタグ押え板固定具21は、その幅方向の両側に嵌合穴21aが形成されており、第1・第2ガイド軸11,12が摺動可能に嵌合されている。タグ押え板固定具21は、前面の幅寸法が後面の幅寸法よりも大きくなるように形成され、この寸法関係により、係止面21bが幅方向の両側に形成される。係止面21bの機能については後述する。
【0054】
タグ押え板固定具21の前面側には、バネ収容部21cが形成されコイルバネ19(付勢部材に相当)の端部が収容される。また、コイルバネ19の反対側の端部は、搬送ヘッド17のバネ収容部17iに収容されている。したがって、コイルバネ19は、搬送ヘッド17とタグ押え板固定具21が互いに遠ざかる方向に付勢している。図6に示す平面図は、搬送ヘッド17とタグ押え板固定具21がコイルバネ19により付勢されて最も遠ざかっている状態を示している。
【0055】
この機構により、タグ押え板18とタグ押え板固定具21は一体的に、第1・第2ガイド軸11,12に沿って移動可能になっている。コイルバネ19の軸線は、ちょうど駆動軸10の軸線と一致しており、バランスよくタグ押え板固定具21をガイド軸11,12に沿って移動させる。
【0056】
図9は、搬送ヘッド17とタグ押え板固定具21の断面図を示すものであり、(a)ICタグおよびタグ押え板18の両方を吸着した状態(タグ押え板18は吸着位置)、(b)吸着を解除した状態(タグ押え板18は解除位置)を示す。タグ押え板18を吸着した状態では、押え枝部18aが第2吸着穴17eを介して吸着されており、溝17f内に位置している状態である。ICタグTは、第1吸着穴17dを介して吸着されている。高さ関係では、押え枝部18aの下側にICタグTが位置する状態で吸着される。
【0057】
図9(b)は、吸着を解除した状態であり、タグ押え板18はタグ押え板支持軸22回りに自重により回転し、押え枝部18aの先端が下方に下がる。ICタグTも自重で落下するが、落下した状態で、押え枝部18aの先端により押さえ付けられる位置関係にある。
【0058】
図5に示すように、駆動軸10および第1・第2ガイド軸11,12の下部に規制部25が取り付けられている。この規制部25は、テーパ面25aを有しており、タグ押え板18が搬送ヘッド17に吸着されるときに、タグ押え板18の平面部18cの裏面側に位置するように配置される。これにより、タグ押え板18の押え枝部18aを上方に向かうように作用させ、タグ押え板18を吸着しやすいようにする。タグ押え板18が自重により押え枝部18aが下方に落下している状態では、大きな吸着力を必要とするためであり、できるだけ少ない吸着力で吸着できるようにするためである。
【0059】
<駆動軸の駆動機構>
次に、図6に示すICタグ搬送機構H3の全体を搬送方向に移動させるための駆動機構について説明する。図10Aは、駆動機構の平面図、図10Bは、駆動機構の側面図、図10Cは、駆動機構の正面図をそれぞれ示す。
【0060】
駆動軸10の上部にはラックギア10aが一体形成されており、ピニオンギア50と噛み合う。ピニオンギア50を駆動するための駆動減としてのステッピングモータ51が設けられており、中間ギア52a,52bによりピニオンギア50にまで動力が伝達される。
【0061】
ピニオンギア50と中間ギア52bは、支持軸53により同軸に取り付け支持される。ピニオンギア50は、駆動軸10の上側に位置しており、駆動軸10を下側から支持するために2つのフリーローラ54が設けられている。フリーローラ54は、表面がウレタンゴムにより形成されている。フリーローラ54は、支持軸53と平行な支持軸55により支持される。
【0062】
フリーローラ54と隣接してもう1つのフリーローラ56が同軸に配置されており、同じく支持軸55により同軸に支持される。フリーローラ56も表面はウレタンゴムであり、第1ガイド軸11を下側から支持している。一方、ピニオンギア50と隣接して押えローラ57が設けられており、ピニオンギア50および中間ギア52bと同軸に支持軸53により支持されている。押えローラ57にはV溝57aが形成されており、このV溝57aにOリング57bがはめ込まれている。これにより、第1ガイド軸11を上方から押える機能を提供している。
【0063】
以上の機構を取り付けるために、平面視で略コの字形の支持フレーム58が設けられている。各支持軸53,55は、その両端が支持フレーム58に結合されたブッシュ58aに嵌合されており、回転自在に支持されている。ステッピングモータ51も支持フレーム58に固定される。
【0064】
また、支持フレーム58の、各支持軸53,55と平行な部分にも、3つのブッシュ58bが結合されており、第1ガイド軸11、駆動軸10、第2ガイド軸12がブッシュ58b内をスムーズに摺動できるように支持している。また、支持フレーム58の折り返し部分にもブッシュ58cが結合されており、これと同軸に配置されるブッシュ58bとともに第2ガイド軸12を摺動自在に支持する。
【0065】
<タグホルダーの構成>
次に、ICタグ供給機構H2を構成するタグホルダー(記録媒体ホルダーに相当)およびホルダー駆動機構について説明する。ます、タグホルダーTGについて、図11により説明する。なお、図11(d)は(a)のI−I断面図であり、(e)はII−II断面図である。
【0066】
タグホルダーTHは、左右支持ブロック60と下部支持プレート61を備え、これらは4本のネジ62により結合され一体化される。左右支持ブロック60の内部には、積層されるICタグTの両側が収容されるタグ収容凹部60aが形成されている。このタグ収容凹部60aは、ICタグTの幅寸法に対応した溝の形で形成されている。集積されるICタグTの一番下は、下部支持プレート61の上端面61aの上に載置される。好ましくは、左右支持ブロック60は樹脂製であり、下部支持プレート61は金属製である。
【0067】
積層されるICタグTの最上部に位置するICタグTの長手方向の両側にはボール65が載置される。2つのボール65は、金属製でありICタグTに自重を作用させる。ボール65の直径は、ICタグTの幅寸法よりも大きくなるように設定されている。
【0068】
タグ収容凹部60aのちょうど奥側がボール65が収容可能な空間部として機能し、図に示すように、ボール65は、奥側の空間60a2にのみ存在可能であり、それよりも内側の空間60a1には移動しないように、空間60a1,60a2の形状が設定されている(図11(e)参照)。
【0069】
また、ICタグTが積層される領域の上部には、ボール65がICタグTの長手方向の両端部よりもさらに外側に逃げるための逃げ空間部60bがタグ収容凹部60aに連接して配置されている。一番上のICタグTが脱出する場合には、ボール65と一緒にICタグTが持ち上がる形になるが、その途中工程において、ボール65はICタグTから逃げ空間部60bに脱出し、次のICタグTの上に載置されるように構成される。詳細は後述するが、このボール65を設ける構成により、確実に1枚のICタグTのみを取り出せるように保障している。逃げ空間部60bの下部にはテーパ面60cが形成されており、落下したボール65を確実に次のICタグTの上に案内する。
【0070】
左右支持ブロック60のさらに外側にはラックプレート63が上下2本のネジ64により結合されている。ラックプレート63には、上下方向にわたってラックギア63aが形成されており、駆動減からの動力が伝達されることで、タグホルダーTHを上下方向に駆動することができる。ラックギア63aは、左右支持ブロック60の表面よりも少し突出した位置に形成されている。また、ラックプレート63の上下方向の長さは、左右支持ブロック60の上下方向の高さと一致させている。
【0071】
下部支持プレート61の中央位置には検出穴61bが形成されている。この検出穴61bにより、タグホルダーTHの初期位置を検出することができる。
【0072】
<ホルダー駆動機構>
次に、図11で説明したタグホルダーTHを上下方向に駆動するためのホルダー駆動機構の構成を図12、図13により説明する。図12は平面図、図13Aは正面図、図13Bは側面図である。
【0073】
駆動源としてのステッピングモータ70が設けられており、中間ギア71a,71bを介してピニオンギア72へと動力が伝達される。ピニオンギア72は一対設けられており、それぞれがタグホルダーTHのラックギア63aと噛み合うように配置されている。2つのピニオンギア72と中間ギア71bは、支持軸73に支持されている。
【0074】
ステッピングモータ70や支持軸73などの取り付けを行うために支持フレーム74が設けられている。支持フレーム74は、搬送方向に沿った立壁部74aと搬送幅方向に沿った立壁部74bを備えており、一対の立壁部74aにより、支持軸73を回転自在に支持する。また、タグホルダーTHを上下方向にガイドするためのホルダーガイド板75も支持フレーム74に取り付けられており、一対の立ち曲げ部75aにより、タグホルダーTHの左右支持ブロック60をガイドしている。
【0075】
図13においてDで示される高さ位置は、搬送ヘッド17によりICタグTが吸着される高さ位置(ICタグのセット位置に相当)である。タグホルダーHGは、積層されているICタグTのうち最上部にあるICタグTがこのセット位置Dに来るように、ステッピングモータ70により駆動制御される。
【0076】
光電センサー76は、前述の検出穴61bを検出するためのセンサーである。タグホルダーTHを下降させて、光電センサー76により検出穴61bを検出した位置が初期位置に相当する。この初期位置を基準として、タグホルダーTHの上昇値が決定される。タグホルダーTHは、最上部に載置されているICタグTがセット位置Dに来るように上昇値が決められる。
【0077】
タグホルダーTHとその駆動機構は、固有情報を読み出し可能な記録媒体をセット位置に供給するための記録媒体供給機構として機能する。
【0078】
<ICタグ補助機構(一時係止機構)>
次に、ICタグ補助機構H4の構成についても図12、図13により説明する。まず、補助機構H4のうち、タグ押え板固定具21を一時的に係止する一時係止機構について説明する。
【0079】
搬送幅方向に2つの係止レバー80が設けられており、支軸80aまわりに回転可能に支持されている。支軸80aは、プレート状の支持フレーム81に取り付けられている。係止レバー80の先端部には、立ち曲げ部80bが形成されており、左右一対の立ち曲げ部80bの間にコイルバネ82が掛け渡されている。したがって、一対の係止レバー80の先端部は、互いに近づく方向に付勢されている。ただし、支持フレーム81に形成された規制立ち曲げ部81aにより、係止レバー80はそれ以上の回転を規制されており、図12に示すように、係止レバー80は搬送方向と平行な姿勢を保持している。
【0080】
係止レバー80の先端部の裏面側には、係止ローラ83が支軸83aにより回転自在に軸支されている。この係止ローラ83は、タグ押え板固定具21の係止面21b(図7参照)に係合可能な直径を有しており、タグ押え板固定具21、すなわち、タグ押え板18を一時的に係止しておく機能を提供する。一対の係止ローラ83の間の間隔は、タグ押え板固定具21の前面側の幅寸法よりも少し小さい寸法に設定されている。
【0081】
<ICタグ補助機構(ICタグ保護部材)>
次に、ICタグ補助機構H4のうち、ICタグ保護機構の構成について同じく図12、図13により説明する。係止レバー80のさらに前方側には、ICタグ保護部材90(記録媒体保護部材)が設けられている。このICタグ保護部材90は、搬送幅方向に沿った棒状に形成されており、ICタグTの長手方向の長さよりも長くなるように形成されている。このICタグ保護部材90は、ICタグTが包装袋P内に挿入されるときに、不用意にICタグTが包装袋Pの内面に接触して落下してしまうことを防止するものである。このICタグ保護部材90は先端が鋭利な形になるように形成されている(図13B参照)。
【0082】
ICタグ保護部材90は、その両端部をガイドレバー91により支持されている。このガイドレバー91を搬送方向に移動可能にするために、固定支持プレート92と、この支持プレート92に取り付けられるガイド棒93が設けられている。ガイドレバー91の後ろ側には、曲げ部91aが一体形成されており、ガイド棒93が嵌合される嵌合穴が形成されている。したがって、ガイドレバー91は、ガイド棒93に沿って搬送方向に移動可能にガイドされる。
【0083】
さらに、ガイド棒93は、コイルバネ94の内部に挿入されており、このコイルバネ94により、ガイドレバー91、すなわち、ICタグ保護部材90を後方に付勢する。このICタグ保護部材90は、常時は図12に示される状態に付勢されているが、搬送ヘッド17が搬送されてくると、搬送ヘッド17により、ICタグ保護部材90の裏面90bが押される形になり、コイルバネ94の付勢力に抗して、ICタグ保護部材90をともに前進させる。
【0084】
図12において、符号77で示される領域は書き込み領域を示している。搬送ヘッド17により吸着されたICタグTが、この領域77を通過するときに、ICタグTに固有情報の書き込みが行われる。
【0085】
<圧着作動部の構成>
次に、圧着作動部H1の構成について説明する。圧着作動部H1を正面側(操作手前側)から見た図は図1に示されている。図5に圧着作動部H1の側面図が示される。図14は、圧着作動部H1を裏面側から見た斜視図である。
【0086】
第1受け部30として機能するゴム部材30aが設けられており、ゴム支持体30bにより支持されている。第1押圧部として機能するゴム部材40aが設けられており、ゴム支持体40bにより支持されている。これら1組のゴム部材30a,40aにより、包装袋Pの被押圧部Bを押圧する。
【0087】
第2受け部31は、その上部に線状ヒーター31aが内蔵されており、その表面部31bはフッ素樹脂シートにより被服されている。これにより、樹脂製の包装袋Pの融着片が付着しにくく、たとえ付着したとしてもはがれ易いようになっている。線状ヒーター31aは、包装袋Pの開口部Aの長さをカバーできるに十分な長さを有している。
【0088】
第2押圧部41は、第2受け部31の表面部31bに対向した表面部41aを有している。第2押圧部41は、操作手前側に2箇所、第1押圧部40を支持するための支持部41bを備えている。第1押圧部40には、第1押圧部支持軸42が一体的に結合され、さらに、この第1押圧部支持軸42を貫通させるための嵌合穴41cが形成されている。第1押圧部支持軸42は、この嵌合穴41cに沿ってスライド自在に取り付けられている。また、第1押圧部支持軸42の周囲にはコイルバネ43が設けられており、第2押圧部41に対して相対的に第1押圧部40を下方向に付勢している。
【0089】
圧着作動部H1の裏面側には、袋吸着部44が2箇所に配置されており、その先端部44aで包装袋Pの開口部Aを吸着する。袋吸着部44は、支持プレート45の裏面側に取り付けられている。
【0090】
袋吸着部44よりも上方には開口シリンダー46が設けられており、その駆動軸46aが支持プレート45に連結されている。したがって、開口シリンダー46を駆動することで、吸着部44aを上下駆動させることができる。
【0091】
開口シリンダー46は、支持プレート47に取り付け支持されている。この支持プレート47は、支持プレート45よりも上方に位置している。また、支持プレート45を上下方向にガイドするためのガイド軸48が2本植設されており、ガイド軸48の大径頭部48aと支持プレート47の間にコイルバネ49が挿入されている。したがって、袋吸着部44は下方向に付勢されている。
【0092】
<ICタグの挿入動作>
次に、ICタグTが包装袋P内に搬送されてシールされるまでの一連の工程を説明する。図15A,15Bは工程を説明するためのフローチャートである。
【0093】
まず、ヒートシール装置Hの電源をONにする(S101)。電源ONにより、装置の各部を初期状態にセットさせる(S1)。次に、タグホルダーTHの上昇値を演算し、演算された上昇値に基づいてタグホルダーTHを上昇駆動させる(S2,S3)。タグホルダーTHは、上昇前は初期位置、すなわち、光電センサー76により検出穴61bを検出した状態に位置している。なお、一番最初に、タグホルダーTHに挿入されるICタグTの枚数は、あらかじめ決められている。
【0094】
このときの状態は、図16A、図17Aに示される。積層されたICタグTの最上部はセット位置Dに位置し、搬送ヘッド17により吸着可能な姿勢となっている。すなわち、搬送ヘッド17の第1吸着穴17dのすぐ下に最上部のICタグTが位置している。また、図17Aに示すように、タグ押え板18の押え枝部18aは、規制部25の作用により、第2吸着穴17eに密着した姿勢となっている。ただし、この時点では、まだ吸着は行われていない。
【0095】
次に、シールをする包装袋Pを所定の箇所にセットする(S102)。包装袋Pをセットした状態が図17Aに示されている。次に、フットスイッチ(不図示)をONにする(S103)。
【0096】
これにより、図17Bに示すように、圧着レバー部4を作動させ、第1受け部30と第2受け部40が、包装袋Pの被押圧部Bを押圧・挟持する位置まで動作させ、停止する。この状態では、まだ、第2受け部31と第2押圧部41とは、約15mm程度、距離が離れている。
【0097】
次に、開口シリンダー46を駆動する。これにより、支持プレート45が下方に下がり、袋吸着部44も下降する。したがって、袋吸着部44の先端部44aが包装袋Pの上端部Eに密着する(S5)。先端部44aが上端部Eに密着すると同時(もしくはほぼ同時、もしくは直後)に、袋吸着部44に連結されている真空発生器をONにする(S201)。これにより、先端部44aが包装袋Pの先端部Eを吸着する(図17C参照)。
【0098】
また、同じく真空発生器を作動させることで、ICタグTとタグ押え板18の押え枝部18aを夫々搬送ヘッド17に吸着させる。図18Aには、ICタグTを吸着した状態を示しているが、ICタグTの長手方向の長さは、搬送ヘッド17よりも長さよりも長いために、搬送ヘッド17から少しはみ出た状態になっている。
【0099】
次に、開口シリンダー46を駆動して、袋吸着部44を上昇させる。これにより、図17Dに示すように、袋吸着部44の先端部44aは、包装袋Pの先端部Eを吸着したまま上昇する。これにより、開口部Aが開放された状態になり、ICタグTを挿入可能な状態にセットされる。
【0100】
開口部Aを開放すると同時もしくはほぼ同時に、タグホルダーTHを初期位置に復帰する動作を行う。すなわち、タグホルダーTHを図16Aに示す位置から下降させる。タグホルダーTHを下降させていくときの動作を図16B,図16Cに示す。
【0101】
図16Bは、タグホルダーTHが少し下降した状態を示し、搬送ヘッド17により最上部のICタグTが吸着された状態である。残りのICタグTについては、タグホルダーTHとともに下降している。ICタグTの長手方向の両側には、ボール65が乗っているが、図16Cに示すように、さらに下降すると、ボール65は、逃げ空間部60bに移動し、吸着されているICタグTから脱落する。
【0102】
逃げ空間部60bに移動したボール65は、積層されているICタグTの最上部に載置される。タグホルダーTHは、初期位置まで下降する(S202)。
【0103】
S6において、開口シリンダー46により包装袋Pの開口部Aを開口させる動作を行わせた後、所定の真空度になっているか否かを判定する(S7)。これは、包装袋Pがセットされていない場合もありうるからであり、所定の真空度にならなければ、真空発生器をオフにし(S203)、S3に戻る。
【0104】
所定の真空度が検出された場合は、ICタグ搬送機構H3を駆動し、搬送ヘッド17を前進させて包装袋Pの方向に向けて搬送する。すなわち、ステッピングモータ51を駆動することで、ピニオンギア50が回転駆動され、これと噛み合っているラックギア10aを有する駆動軸10が搬送方向に駆動される。これにより、駆動軸10と一体的に第1・第2ガイド軸11,12、搬送ヘッド17、タグ押え板固定具21が搬送され、タグ押え板18とICタグTを吸着した状態で搬送する。搬送ヘッド17の前進に伴い、規制部25はタグ押え板18から離れるが、タグ押え板18も吸着されているのでタグ押え板18の先端部が落下することはない。
【0105】
搬送ヘッド17が前進すると、書き込み領域Rに到達する(S8)(図18A,図18B参照)。この位置でICタグTに対して所定の固有情報が書き込まれる。なお、書き込みを行う場合には、領域Rの場所で一時停止してもよいし、移動しながら書き込みを行うようにしてもよい(S9)。これは、ICタグTの大きさや書き込む情報量などに応じて、いずれかに決めることができる。
【0106】
次に、読み取りと書き込みの検証を行う(S10)。これは、データが正常に書き込まれたか否かをチェックするものである。検証結果がOKであれば、搬送ヘッド17を包装袋P内の開口部Aの位置へ移動させ、この位置で搬送ヘッド17を停止する(図17E参照)。
【0107】
なお、搬送ヘッド17を前進する途中工程において、搬送ヘッド17の先端面17bがICタグ保護部材90に当接し、搬送ヘッド17とともにICタグ保護部材90も一緒に前進させる。この状態を図18Cに示すが、ICタグ保護部材90が存在することにより、ICタグTが不用意に包装袋Pに触れないようにして搬送することができる。そのため、ICタグ保護部材90は、ICタグTの長手方向の長さよりも十分に長くなるように設定される。
【0108】
さらに、搬送ヘッド17が前進し包装袋Pの開口部Aに入り込み停止した状態を図18Dに示す。図18Cから図18Dに移行する途中で、タグ押え板固定具21が、互いにバネ付勢されている一対の係止ローラ83の間を通過する。タグ押え板固定具21の搬送幅方向の長さは、一対の係止ローラ83の間隔よりも広いため、この係止ローラ83を押し広げるような形で通過する。
【0109】
係止ローラ83の位置をタグ押え板固定具21が通過すると、コイルバネ82の付勢力により2つの係止ローラ83の間隔は縮まろうとし、図18Dに示すようにタグ押え板固定具21の係止面21bに係合した状態になり停止する。この状態で、タグ押え板固定具21は一時的に係止した状態に保持される(図17Eも参照)。
【0110】
次に、ICタグTとタグ押え板18の吸着を解除する(S12)。これにより、ICタグTは自重により開口部A内に落下し、タグ押え板18も自重によりタグ押え板支持軸22回りに回転し、押え枝部18aの先端部が下方に下がる。このとき、押え枝部18aがICタグTの上に覆いかぶさるような形となっている(図17F参照)。
【0111】
なお、S10において検証結果NGであった場合は、同様に搬送ヘッド17を包装袋Pの開口部A内に移動させて(S204)、同様にICタグTとタグ押え板18の吸着を解除し、ICタグTを落下させる(S205)。その後、搬送ヘッド17は、初期位置に直ちに復帰させる(S206)。落下させたICタグTは不良品であるから、手動で取り除く。
【0112】
S12の次に、搬送ヘッド17を包装袋Pから脱出させるために、搬送ヘッド17を後退させる(図17Gおよび図18E参照)。この動作のときに、タグ押え板固定具21は係止ローラ83により係止された状態であるから、タグ押え板18は後退せず、搬送ヘッド17のみが後退する。この後退動作のときに、搬送ヘッド17とタグ押え板固定具21の間に掛け渡されているコイルバネ19は徐々に圧縮されていく。
【0113】
また、搬送ヘッド17が後退するときに、溝17fの面がタグ押え板18に取り付けられている突起部材23に当接するため、タグ押え板18を下方向に付勢させる。これにより、押え枝部18aの先端がICタグTを開口部A内に押し付けるように作用する。この状態を図17Gに示す。また、搬送ヘッド17が後退するときは、ICタグ保護部材90も連動して後退する。
【0114】
次に、圧着レバー部4をさらに下方向に操作させて、第2押圧部41を第2受け部31の位置まで下げる(S14)。この状態を図17Hに示す。この状態では、開口部Aは閉じられた状態であるが、仮圧着状態であり、シールのための加熱は行わない。また、この仮圧着状態では、タグ押え板18の押え枝部18aは開口部A内に挿入された状態である。これにより、ICタグTも開口部A内で挟持された状態となる。
【0115】
この仮圧着状態になったか否かを圧着レバー部4に連動するマイクロスイッチ(不図示)により検出する(S15)。これは、たとえば、第2受け部31と第2押圧部41の間に手を挟んだなどの事故が生じた場合やそのほかの故障状態を想定したものである。仮圧着状態を検出できなかった場合は、圧着レバー部4を上昇させて(S207)、搬送ヘッド17も初期位置に復帰させる(S208)。
【0116】
S15で正常に仮圧着されたことが検出されると、搬送ヘッド17を図17Hの位置から後退させて、初期位置に復帰させる(S16)。図17Hの状態では、搬送ヘッド17とタグ押え板固定具21は、ほぼ密着した状態であるので、搬送ヘッド17を後退させると、タグ押え板固定具21も強制的に後退させられる。したがって、タグ押え板固定具21は強制的に係止ローラ83による係止状態から脱出させられる。
【0117】
したがって、タグ押え板18の押え枝部18aは包装袋P内から脱出する(図17I参照)。タグ押え板18は後退するが、ICタグTが仮圧着された状態であり、開口部A内にとどまったままとなる。タグ押え板固定具21が係止ローラ83から完全に脱出すると、コイルバネ19の作用により、タグ押え板固定具21は搬送ヘッド17から離間した状態に復帰する。
【0118】
タグ押え板18を脱出させて、搬送ヘッド17が初期位置に復帰すると、第2押圧部41をさらに押圧方向に作用させて本圧着を行う(S17)。本圧着動作完了と同時もしくは直後に、第2受け部31に設けられている線状ヒーター31aの加熱・冷却制御を行う(S209)。すなわち、線状ヒーター31aを通電・加熱し、装置内部の温度制御機構(不図示)により、最適に設定された加熱温度に到達すると通電が停止され、被シール箇所(開口部A)が熱融着されてシールされる。なお、冷却はヒートシンクなどによる自然冷却でもよいし、ファンなどを用いた強制冷却でもよい。
【0119】
なお、温度制御方式に代えて時間制御方式を採用してもよい。つまり、包装袋Pの材質、厚みなどに応じて、あらかじめ設定された温度に所定時間だけ内蔵されたタイマー機構が働いて通電されて停止され、所定時間経過して冷却されると、圧着レバー部4が上方に開放されるように構成されていてもよい。開口部Aに対する圧着レバー部4の押圧は、包装袋Pの開口部Aの厚みなどに応じて調整される。この調整は、従来の技術を採用することができる。
【0120】
S209の加熱・冷却制御が終了すると、圧着レバー部4を上昇させる(S18)。これにより、包装袋Pに対するシール動作は完了し、包装袋Pを取り出すことができる。
【0121】
圧着レバー部4を上昇させた後、所定の枚数のICタグTの挿入を完了したか否かを判断する(S20)。これは、タグホルダーTH内のICタグTを全部挿入したか否かについて判定するものである。全部挿入していなければ、次の包装袋PにICタグTを挿入するため、S2に戻る。
【0122】
S2では、タグホルダーTHの上昇値を演算する。これは、ICタグTを1枚取り出すと、残りのICタグの積層高さが1枚分だけ低くなるため、演算をしなおすのである。例えば、ICタグTの厚さが0.2mmであれば、上昇値は前回よりも0.2mmプラスされる。これにより、常に決められたセット位置Dに最上部のICタグTを位置させることができる。
【0123】
S20において、すべてのICタグTの挿入が終了すれば、搬送ヘッド17を初期位置からさらに後退させて、待機位置にまで後退させる(S21)。
【0124】
<制御ブロック構成>
次に、本実施形態に係るヒートシール装置の制御ブロック構成を図19により説明する。制御部100は、ヒートシール装置の各部の動作を制御するものであり、1つもしくは複数のCPU、プログラム、メモリなどにより構成される。真空発生器101は、搬送ヘッド17にICタグTやタグ押え板18を吸着するための装置である。この真空発生器101は、搬送ヘッド17に記録媒体及び記録媒体押さえ部材の先端部を吸着保持させるための吸引駆動部として機能する。真空発生器102は、袋吸着部44により包装袋Pを吸着するための装置である。
【0125】
真空度判定手段100aは、真空発生器101,102により吸着動作を行ったときに所定の真空度になっているか否かを真空度検出センサー103からの信号に基づいて判定する。具体的には、フローチャートのS7における判定等を行う。
【0126】
温度制御機構104は、所望の温度になるように線状ヒーター31aを制御するものであり、温度センサーやそのほかの電子回路などにより構成される。
【0127】
制御部100は、開口シリンダー46に対する駆動制御を行い、包装袋Pの開口部Aを開放する動作を行わせる。制御部100は、マイクロスイッチ105などの検出結果に基づいて、圧着レバー部4に対する駆動制御を行う。圧着レバー部4は、上昇位置、図17B(S4)に示す途中位置、仮圧着位置、圧着位置の4つを取るが、これらの位置制御については、マイクロスイッチ105からの検出結果に基づいて行うことができる。もちろん、光電センサーやその他の位置検出センサーに基づいて行うこともできる。
【0128】
制御部100は、ステッピングモータ50に対する駆動制御を行うことで、搬送ヘッド17に対する搬送制御を行う。搬送ヘッド17の駆動量は、ステッピングモータ50に対する駆動パルス数やその他の適宜の位置検出センサーに基づいて行うことができる。また、光電センサー106を用いて初期位置の停止制御や待機位置の停止制御を行うことができる。また、搬送ヘッド17の移動量については、ヘッド移動量演算手段100bの機能により行なうことができる。
【0129】
制御部100は、ステッピングモータ70に対する駆動制御を行うことで、タグホルダーTHの上昇・下降の駆動制御を行う。光電センサー76の検出結果に基づいて、タグホルダーTHの初期位置の停止制御を行うことができる。また、上昇値演算手段100cの機能により、初期位置を基準としたタグホルダーTHの上昇量を制御することができる。
【0130】
制御部100は、書き込み制御部107に対する制御を行い、ICタグTに対するデータの書き込みなどを行う。
【0131】
<別実施形態>
本実施形態では、ICタグ供給機構および吸着駆動部として、搬送ヘッド17に短冊状のICタグTを真空吸着して搬送する例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。ICタグTの端部に磁性体を埋設させておき、搬送ヘッド17に設けた電磁石をオン・オフすることにより、ICタグTの吸着・放出動作を行うようにしてもよい。
【0132】
本実施形態では、短冊状のICタグTを積層したタグホルダーTHによりICタグTを供給する構成を説明したが、ICタグTの供給形態はこれに限定されるものではない。例えば、多数のICタグTをつなぎ合わせてコイル状にしたICタグを連続して供給するようにしてもよい。
【0133】
また、ICタグTの形状も短冊状でなくてもよく、長辺が実施形態よりも短い形状の長方形形状であってもよい。搬送ヘッド17からICタグTがはみ出ない形状であれば、ICタグ保護部材90は設けなくてもよい。
【0134】
ヒートシール装置の形式は特に限定されるものではなく、足踏みペダル式ヒートシール装置、卓上式ヒートシール装置、脱気式ヒートシール装置などを採用することができ、更には、熱板式のヒートシール装置を採用してもよい。
【0135】
本実施形態では、線状ヒーター31aが第2受け部31に設けられている例を説明したが、第2押圧部41の側に設けられていてもよい。あるいは、第2受け部31と第2押圧部41の両方に設けられていてもよい。
【0136】
包装袋Pの内部に収容する物品は、医療用器具のほか、食品、機械部品、薬、各種日用品など種々の者に応用することができる。また包装袋Pの材質(樹脂製被シール材)については、特定のものに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】ヒートシール装置の外観構成を示す斜視図
【図2】包装袋の構成を示す図
【図3】ICタグの形状を示す平面図及び側面図
【図4】ヒートシール装置の内部構成を示す平面図
【図5】ヒートシール装置の内部構成を示す側断面図
【図6】ICタグ搬送機構H3の構成を示す(a)平面図および(b)側面図
【図7】タグ押え板の構成を示す(a)平面図(b)背面図(c)側面図
【図8】タグ押え板固定具の裏面形状を示す図
【図9】搬送ヘッドに対するタグ押え板の支持構造を示す断面図
【図10A】ICタグ搬送機構の駆動機構を示す平面図
【図10B】ICタグ搬送機構の駆動機構を示す側面図
【図10C】ICタグ搬送機構の駆動機構を示す正面図
【図11】タグホルダーの構成を説明する図
【図12】ホルダー駆動機構の構成を説明する図
【図13A】ホルダー駆動機構の構成を説明する図
【図13B】ホルダー駆動機構の構成を説明する図
【図14】圧着作動部の裏面側の構成を示す斜視図
【図15A】作動フローチャート
【図15B】作動フローチャート
【図16A】タグホルダーの動作を示す図
【図16B】タグホルダーの動作を示す図
【図16C】タグホルダーの動作を示す図
【図17A】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図17B】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図17C】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図17D】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図17E】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図17F】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図17G】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図17H】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図17I】ICタグの挿入動作を説明する図(側面図)
【図18A】ICタグの挿入動作を説明する図(平面図)
【図18B】ICタグの挿入動作を説明する図(平面図)
【図18C】ICタグの挿入動作を説明する図(平面図)
【図18D】ICタグの挿入動作を説明する図(平面図)
【図18E】ICタグの挿入動作を説明する図(平面図)
【図19】制御ブロック構成を示す図
【符号の説明】
【0138】
A 開口部
B 被押圧部
D セット位置
H ヒートシール装置
H1 圧着作動部
H2 ICタグ供給機構
H3 ICタグ搬送機構
H4 ICタグ補助機構
H5 ICタグ吸着機構
P 包装袋
T ICタグ
TH タグホルダー
10 駆動軸
11 第1ガイド軸
12 第2ガイド軸
17 搬送ヘッド
18 タグ押え板
21 タグ押え板固定具
23 突起部材
30 第1受け部
31 第2受け部
40 第1押圧部
41 第2押圧部
60a タグ収容凹部
60b 逃げ空間部
65 ボール
80 係止レバー
83 係止ローラ
90 ICタグ保護部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒーターが装着された受け部と、
この受け部と協働して、内容物が収容された樹脂製被シール材の被シール箇所を押圧・挟持することが可能な押圧部を有する圧着作動部と、
固有情報を読み出し可能な記録媒体をセット位置に供給するための記録媒体供給機構と、
セット位置に供給された記録媒体を被シール箇所の位置に搬送する記録媒体搬送機構と、を備え、記録媒体を被シール箇所に挿入した状態で、押圧部を受け部側に押圧させることで、被シール箇所が受け部と押圧部の間で挟持されて、通電・加熱され、被シール箇所が溶着されて記録媒体と共にシールされるように構成したヒートシール装置において、
前記記録媒体搬送機構は、セット位置に供給されている記録媒体を吸着保持するための搬送ヘッドと、
先端部が搬送ヘッドに吸着保持される吸着位置と、搬送ヘッドからの吸着を解除される解除位置との間を移動可能に構成された記録媒体押さえ部材と、を備え、記録媒体の吸着保持時には、搬送ヘッドに設けられた吸着面の下側に記録媒体押さえ部材の先端部が位置し、更にその下側に記録媒体が位置するような状態で保持され、更に、
搬送ヘッドに記録媒体及び記録媒体押さえ部材の先端部を吸着保持させるための吸引駆動部と、
記録媒体搬送機構及び吸着駆動部の動作を制御する制御部と、を備え、
この制御部は、搬送ヘッドが被シール箇所に挿入された後、記録媒体及び記録媒体押さえ部材の先端部の吸着状態を解除するように、吸着駆動部を制御することを特徴とするヒートシール装置。
【請求項2】
記録媒体搬送機構が、セット位置に供給されている記録媒体を吸着保持する位置にある場合において、記録媒体押さえ部材の先端部を搬送ヘッドの吸着面側に規制するための規制部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のヒートシール装置。
【請求項3】
記録媒体搬送機構は、記録媒体押さえ部材の根元部を支持する押さえ部材支持部と、
搬送ヘッドと一体的に結合され、かつ、押さえ部材支持部がガイド方向に沿って移動可能に支持されるガイド部材と、
搬送ヘッドと押さえ部材支持部とが所定の間隔を保持する方向に付勢する付勢部材と、を備え、
被シール箇所に、搬送ヘッド及び記録媒体押さえ部材の先端部が共に挿入された後、搬送ヘッドのみが被シール箇所から脱出可能にするために、押さえ部材支持部を一時的に係止させておく一時係止機構を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のヒートシール装置。
【請求項4】
前記制御部は、搬送ヘッドのみが被シール箇所から脱出した後、押圧部を受け部側に移動させて仮圧着状態とし、この状態で記録媒体押さえ部材を被シール箇所から脱出させた後、押圧部を本圧着状態に移行させるように制御することを特徴とする請求項3に記載のヒートシール装置。
【請求項5】
搬送ヘッドのみが被シール箇所から脱出する工程の途中で、記録媒体押さえ部材の先端部を更に下方向に付勢する付勢手段が、搬送ヘッド及び/又は記録媒体押さえ部材に形成されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のヒートシール装置。
【請求項6】
記録媒体を被シール箇所に挿入する工程において、搬送ヘッドに押されて搬送ヘッドと共に被シール箇所内に挿入される記録媒体保護部材を設け、この記録媒体保護部材により、装入時に記録媒体が樹脂製被シール材の内面に接触することを防止したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒートシール装置。
【請求項7】
前記記録媒体供給機構は、記録媒体を上下方向に積層した状態で保持する記録媒体ホルダーと、この記録媒体ホルダーを上下方向に駆動するためのホルダー駆動部とを備えており、
前記制御部は、記録媒体がセット位置から1枚ずつ取り出されるたびに、記録媒体ホルダーのセット位置を記録媒体の厚み分だけ上昇させるように、前記ホルダー駆動部を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒートシール装置。
【請求項8】
記録媒体は、細長の矩形形状を有しており、
前記記録媒体ホルダーは、積層された記録媒体のうち、最上部に位置する記録媒体の両端部の上に載置されるボールと、
最上部の記録媒体が搬送ヘッドに吸着されて、搬送ヘッドと記録媒体ホルダーとが相対的に離れる時に、ボールが記録媒体の両端部よりも外側に逃げる空間部と、を設けたことを特徴とする請求項7に記載のヒートシール装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図17E】
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【図17F】
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【図17G】
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【図17H】
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【図17I】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図18E】
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【図19】
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