説明

ヒートポンプ給湯機

【課題】放熱損失を低減し、省エネルギー効果を得られるヒートポンプ給湯機を提供することを課題とする。
【解決手段】第1のユニット30の液冷媒熱交換器2で加熱された高温の被加熱液体が流通する内側高温液配管33と、外側高温液配管34と、を接続する第1の液配管接続金具13は、第1のユニット30の内側高温液配管33と外側高温液配管34とを流通可能に接続する連通路13aと、第1のユニット30の筐体20へ固定するためのねじ取付部13bとを有し、ねじ取付部13bの第1のユニット30の筐体20への当接部分を凸状とし、ねじ取付部13b以外はねじ取付部13bよりも凹ませて第1のユニット30の筐体20に当接しない構造としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒートポンプ給湯機に関するもので、特に放熱損失の低減を図った入水金具及び出湯金具の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒートポンプ給湯機は、夜間の割引電気料金を利用してヒートポンプ及び送液ポンプを運転し、常温水(被加熱液体)を加熱して高温水(高温の被加熱液体)として貯液タンクに貯え、昼間の湯水使用時に蛇口を開いたとき、貯液タンク内の高温水に常温水を混ぜて適温水として給湯する貯湯式ヒートポンプ給湯機が一般的である。
ヒートポンプ給湯機のヒートポンプ運転による水の沸上げ温度は、通常の貯湯運転(液体加熱運転)では約65℃((社)日本冷凍空調工業会規格(JRA4050:2007R)標準沸上げ温度:65℃)、冬期低温時の貯湯運転(液体加熱運転)では約85℃〜90℃の高温(高温沸上げ)が一般的である。また、直接給湯運転時は洗面や入浴時の適温と言われる約42℃が一般的である。
【0003】
ヒートポンプ給湯機の省エネルギー化を実現するためには、運転効率の向上と共に、高温水からの放熱損失の低減が必要である。特に、高温水を長期間貯める貯液タンクや流路が長い水冷媒熱交換器(液冷媒熱交換器)からの放熱損失に対しては、さまざまな対応が施されている。
そして、ヒートポンプ給湯機の更なる放熱損失の低減が可能な箇所としては、出湯金具部がある。
出湯金具は、ヒートポンプユニットと貯液ユニットとを接続するお湯側水配管(外側高温液配管)と、ヒートポンプユニット内のお湯配管(内側高温液配管)と、を接続するための接続金具であり、ヒートポンプユニット筐体に取り付けられる。一般に銅管を使用する水配管(液配管)をろう付けするために、出湯金具は金属製で作られ、また、ヒートポンプユニット筐体に密着して固定されるため、出湯金具内を流れる高温水の熱が出湯金具からヒートポンプユニット筐体を介して大気中に放熱される。なお、ヒートポンプユニット筐体には、ヒートポンプユニットと貯液ユニットとを接続する水側配管(外側低温液配管)と、ヒートポンプユニット内の水配管(内側低温液配管)と、を接続するための入水金具も取り付けられている。
【0004】
従来の出湯金具に関する放熱損失の低減方法としては、ヒートポンプユニットのケーシングに断熱材を介してお湯側配管接続部(出湯金具)を取り付けることにより大気中に放熱される熱損失を低減させるヒートポンプ給湯機が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−175519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載されたヒートポンプ給湯機の実用化にあたっては、次の様に、省エネルギー効果に対しコストが割高になることなどの課題があった。
【0007】
出湯金具に高温水が流れる時間は、夜間の割引電気料金を利用して貯液タンクに高温水を貯える時間(例えば3〜5時間)に相当し、貯液タンクのように高温水を長期間(例えば24時間)貯えるものではない。また、出湯金具は、液冷媒熱交換器のように流路が長く放熱損失が大きいものでもない。
このように、出湯金具は、貯液タンクや液冷媒熱交換器と比較して、放熱損失は比較的少ないものである。
【0008】
一方、特許文献1のヒートポンプ給湯機の出湯金具に設けられる断熱材は、約90℃(冬期低温時の高温沸上げ温度)の高温に耐える耐熱性を備える必要がある。そのため、断熱材は、発泡ウレタン系の断熱材、ノンアスベスト系の繊維断熱材、パッキン状の(耐熱)ゴム成型品のように、比較的コストの高い材料が必要となり、出湯金具に断熱材を介することにより得られる省エネルギー効果に対して、取り付け作業費を含めたコストが掛かり過ぎるという課題がある。
また、特許文献1のヒートポンプ給湯機の出湯金具に設けられる断熱材は、取り付けによる押付け圧力に耐える耐圧縮性を備えるものでなければならず、経時変化による劣化や弾性低下した場合、出湯金具の取付部に緩みを生じて、出湯金具の外れやがたつき等の不具合が発生するおそれがあった。
以上のように、特許文献1に記載されたヒートポンプ給湯機は、断熱材の耐熱性、耐圧縮性に優れた材質の選定とコストアップとが大きな課題となっている。
【0009】
そこで、本発明は、出湯金具(入水金具)の構造により、断熱材などの追加部品を必要とせず、出湯金具(入水金具)から筐体への放熱損失を低減し、省エネルギー効果を得られるヒートポンプ給湯機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、このような課題を解決するために、請求項1に係るヒートポンプ給湯機は、低温の被加熱液体を加熱して高温の被加熱液体とするヒートポンプ冷媒回路の液冷媒熱交換器を収納する第1のユニットと、前記第1のユニットで加熱された高温の被加熱液体が流通する被加熱液体回路を収納する第2のユニットと、を備え、前記第1のユニットと前記第2のユニットとの間の前記被加熱液体回路は、高温の被加熱液体が流通する外側高温液配管で接続されるヒートポンプ給湯機であって、前記第1のユニットの前記液冷媒熱交換器で加熱された高温の被加熱液体が流通する内側高温液配管と、前記外側高温液配管と、を接続する第1の液配管接続金具は、前記第1のユニットの内側高温液配管と前記外側高温液配管とを流通可能に接続する連通路と、前記第1のユニットの筐体へ固定するための取付部とを有し、前記取付部の前記第1のユニットの筐体への当接部分を凸状とし、前記取付部以外は前記取付部よりも凹ませて前記第1のユニットの筐体に当接しない構造としたことを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項1に係るヒートポンプ給湯機によれば、出湯金具(第1の液配管接続金具)とヒートポンプユニット筐体との当接部が取付部のみに限定されるため、ヒートポンプユニット筐体と出湯金具との伝熱面積が大幅に縮小され、出湯金具からヒートポンプユニット筐体への熱伝導が減少し放熱損失の低減を図ることができる。また、断熱材などの部品追加を必要としないため、コストアップや高温経時劣化などの従来技術の課題も解消することができる。
【0012】
次に、請求項2に係るヒートポンプ給湯機は、前記外側高温液配管と、前記第2のユニットの内部に設けられた内側高温液配管と、を接続する第2の液配管接続金具は、前記外側高温液配管と前記第2のユニットの内側高温液配管とを流通可能に接続する連通路と、前記第2のユニットの筐体へ固定するための取付部とを有し、前記取付部の前記第2のユニットの筐体への当接部分を凸状とし、前記取付部以外は前記取付部よりも凹ませて前記第2のユニットの筐体に当接しない構造としたことを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項2に係るヒートポンプ給湯機によれば、貯液ユニット側の出湯金具(第2の液配管接続金具)をヒートポンプユニット側の出湯金具と同一構造とすることにより、ヒートポンプユニット側の出湯金具と貯液ユニット側の出湯金具との共用化が図れると共に、貯液ユニット側の出湯金具から貯液ユニット筐体への熱伝導が減少し放熱損失の低減を図ることができる。
【0014】
次に、請求項3に係るヒートポンプ給湯機は、低温の被加熱液体が流通する外側低温液配管と、前記第1のユニットの前記液冷媒熱交換器へ低温の被加熱液体を流通する内側低温液配管と、を接続する第3の液配管接続金具は、前記外側低温液配管と前記第1のユニットの内側低温液配管とを流通可能に接続する連通路と、前記第1のユニットの筐体へ固定するための取付部とを有し、前記取付部の前記第1のユニットの筐体への当接部分を凸状とし、前記取付部以外は前記取付部よりも凹ませて前記第1のユニットの筐体に当接しない構造としたことを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項3に係るヒートポンプ給湯機によれば、入水金具(第3の液配管接続金具)を出湯金具と同一構造とすることにより、出湯金具と入水金具との共用化を図ることができると共に、入水金具から当接する筐体への熱伝導が減少し、冬期など外気温が水温より低下した場合における放熱損失の低減を図ることができる。
【0016】
次に、請求項4に係るヒートポンプ給湯機は、前記液配管接続金具は材質が金属であることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項4に係るヒートポンプ給湯機によれば、出湯金具・入水金具(液配管接続金具)の材質を液配管の接続に適した金属に限定し、伝熱面積の縮小による伝熱損失の低減効果をより明確にすることができる。
【0018】
次に、請求項5に係るヒートポンプ給湯機は、前記液配管接続金具は、前記当接する筐体に対向する側の面がほぼ長方形で、一方の対角線上に2箇所の前記取付部としてねじ取付部を有し、他方の対角線上に2箇所の前記取付部として取付調整部を有し、前記取付調整部は、前記ねじ取付部の当接面と同一の高さの当接面を有し、前記取付調整部の当接面に突起部を設けたことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項5に係るヒートポンプ給湯機によれば、取付ねじ本数を4本から2本に半減して部品コスト及び作業コストの低減を図ることができる。
【0020】
次に、請求項6に係るヒートポンプ給湯機は、前記液配管接続金具は、取付板に取付ねじで固定され、更に前記取付板が前記当接するユニットの筐体に取り付けられることを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項6に係るヒートポンプ給湯機によれば、予め部組作業で出湯金具・入水金具(液配管接続金具)を取付板に固定してから、取付板を筐体に取り付けるため、組立作業の単純化及びサービス作業の簡易化を図ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、出湯金具(入水金具)の構造により、断熱材などの追加部品を必要とせず、出湯金具(入水金具)から筐体への放熱損失を低減し、省エネルギー効果を得られるヒートポンプ給湯機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施形態に係るヒートポンプ給湯機の構成説明図である。
【図2】本実施形態に係るヒートポンプ給湯機の運転動作のフローチャートである。
【図3】本実施形態に係るヒートポンプ給湯機のヒートポンプユニットの筐体の上面を外した状態における上面模式図である。
【図4】本実施形態に係るヒートポンプ給湯機のヒートポンプユニットの筐体の前面を外した状態における正面模式図である。
【図5】本実施形態にかかるヒートポンプ給湯機の出湯金具を取付板と当接する面側からみた側面図である。
【図6】本実施形態にかかるヒートポンプ給湯機の出湯金具が取付板に固定された状態における出湯金具及び取付板の断面図ある。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機の構成説明図である。
ヒートポンプ給湯機は、ヒートポンプ冷媒回路の構成部品及び被加熱液体回路の一方の構成部品を収納したヒートポンプユニット30と、被加熱液体回路の他方の構成部品及び給液回路の構成部品を収納した貯液ユニット40と、運転制御手段50とを備えて構成されている。
以下、ヒートポンプ冷媒回路、被加熱液体回路、及び給液回路の構成について説明する。
【0026】
<ヒートポンプ冷媒回路>
ヒートポンプ冷媒回路は、圧縮機1と、液冷媒熱交換器2の冷媒側伝熱管2aと、減圧装置3と、空気熱交換器4とを備えて構成され、冷媒が循環するように、それぞれ冷媒配管を介して順次環状に接続されている。なお、本実施形態での冷媒としては、炭酸ガス(CO2 )冷媒が封入されており、また、本実施形態での被加熱液体(液)としては、水(水道水)が用いられているものとして以下説明する。
【0027】
圧縮機1は、空気熱交換器4からの冷媒を圧縮すると共に、圧縮した高温のガス冷媒(高温冷媒)を液冷媒熱交換器2の冷媒側伝熱管2aに送り出している。
圧縮機1は、PWM(Pulse Width Modulation)制御、電圧制御(例えばPAM(Pulse Amplitude Modulation)制御)及びこれらを組み合わせた制御により、低速(例えば700回転/分)から高速(例えば6000回転/分)まで回転速度制御ができるようになっている。
ヒートポンプ給湯機を通常の貯湯温度(約65℃)で貯湯する通常貯湯運転をする場合、圧縮機1を比較的小さな回転速度(1000〜2000回転/分)で運転する。一方、冬期などで高温の貯湯温度(約85〜90℃)で貯湯する高温貯湯運転をする場合、圧縮機1を通常貯湯運転時より大きな回転速度(3000〜4000回転/分)で運転する。
【0028】
液冷媒熱交換器2は、圧縮機1から吐出される高温冷媒を流通させる冷媒側伝熱管2aと、後述する水を流通させる液側伝熱管2bとを備えて構成され、冷媒側伝熱管2aと液側伝熱管2bとの間で熱交換するよう密着して設けられる。
【0029】
減圧装置3は、液冷媒熱交換器2の冷媒側伝熱管2aと空気熱交換器4との間に配置される冷媒配管の途中に設けられており、一般に電動膨張弁が使用されている。
減圧装置3は、液冷媒熱交換器2を経て送られてくる中温高圧冷媒を減圧し、蒸発し易い低圧冷媒として空気熱交換器4へ送り出している。
また、減圧装置3は、絞り開度が調節可能となっており、この絞り開度を変えてヒートポンプ冷媒回路内の冷媒循環量を調節する働きや、冬期低温時にヒートポンプ運転して空気熱交換器4に着霜した場合に、絞り開度を全開にして中温冷媒を空気熱交換器4に多量に送って霜を溶かす除霜装置としても働く。
【0030】
空気熱交換器4は、送風ファン5の回転によって外気を取り入れた空気と、空気熱交換器5内を流通する冷媒との熱交換を行って、外気から熱を汲み上げるものである。そして、冷媒は、空気熱交換器4から圧縮機1へと送られる。
【0031】
<被加熱液体回路>
被加熱液体回路は、夜間の割引電気料金を利用して定期的に湯(高温水)を貯液タンク9に貯める「貯湯運転(液体加熱運転)」、及び残湯量が規定値以下になった場合のみ運転する「タンク沸上げ運転(液体加熱運転)」によって、貯液タンク9に高温水を貯めるための液回路である。
被加熱液体回路は、貯液タンク9と、送液ポンプ12と、液冷媒熱交換器2の液側伝熱管2bと、タンク切換弁15とを備えて構成され、それぞれ液配管を介して順次環状に接続されている。
また、液冷媒熱交換器2を備えるヒートポンプユニット30と、貯液タンク9を備える貯液ユニット40とは、貯液ユニット40の筐体に取り付けられた入水金具10から外側低温液配管(水側配管)31を介してヒートポンプユニット30の筐体に取り付けられた入水金具11へ低温水が流通可能に接続されており、ヒートポンプユニット30の筐体に取り付けられた出湯金具13から外側高温液配管(お湯側配管)34を介して貯液ユニット40の筐体に取り付けられた出湯金具14へ高温水が流通可能に接続されている。
【0032】
送液ポンプ12は、被加熱液体回路内の水を循環させるポンプであり、具体的には、貯液タンク9の底部に接続された液配管を介して貯液タンク9内の水を液冷媒熱交換器2の液側伝熱管2bに入水する。
【0033】
液冷媒熱交換器2は、前述した冷媒側伝熱管2aと、送液ポンプ12から吐出される低温水を流通させる液側伝熱管2bとを備えて構成され、冷媒側伝熱管2aと液側伝熱管2bとの間で熱交換するように密着して設けられる。
【0034】
即ち、送液ポンプ12から吐出される低温水は、液冷媒熱交換器2の液側伝熱管2bに入水して、規定温度に加熱されて貯液タンク9の上部から貯湯される。
例えば、冬期低温時の高温貯湯運転で規定温度90℃の場合、送液ポンプ12から吐出される約10℃の入水を液冷媒熱交換器2で約90℃まで加熱して出湯する。
なお、特に冬期は外気温が低いため、ヒートポンプユニット30の筐体20(図3参照)や貯液ユニット40の筐体(図示せず)が冷えており、液冷媒熱交換器2で規定温度90℃まで加熱された高温水が貯液タンク9に貯湯される間に、ヒートポンプユニット30の側の出湯金具13及び貯液ユニット40の側の出湯金具14からそれぞれの筐体への熱伝導によって放熱され、実際に貯液タンク9に貯湯される貯湯温度は規定温度より低下してしまう。そのため、液冷媒熱交換器2における加熱温度は、規定温度に対し放熱分を考慮して高目に設定される。
【0035】
タンク切換弁15は、液冷媒熱交換器2の液側伝熱管2bと貯液タンク9とが連通する状態、または、貯液タンク9と後述する湯水混合弁16とが連通する状態に水の流路を切り換えるように構成されている。
貯湯運転時またはタンク沸上げ運転時には、液冷媒熱交換器2の液側伝熱管2bと貯液タンク9とが連通する状態に水の流路が切り換えてある。
液冷媒熱交換器2の液側伝熱管2bで規定温度まで加熱された水は、タンク切換弁15を介して、貯液タンク9の上部に接続された液配管から貯液タンク9内に貯湯される。
このように、貯液タンク9の下側に貯留された低温水は、貯液タンク9の底部から貯液ユニット40の筐体に取り付けられた入水金具10、外側低温液配管31、ヒートポンプユニット30の筐体に取り付けられた入水金具11、送液ポンプ12、液冷媒熱交換器2の液側伝熱管2b、ヒートポンプユニット30の筐体に取り付けられた出湯金具13、外側高温液配管34、貯液ユニット40の筐体に取り付けられた出湯金具14、タンク切換弁15、貯液タンク9の被加熱液体回路で水(被加熱液体)の循環を行ない、貯液タンク9の上部から貯湯される。
【0036】
<給液回路>
給液回路は、湯水使用時に行う「給湯運転」によって、台所蛇口18などから湯水を供給するための液回路である。
給液回路は、給水金具6と、減圧弁7と、給水水量センサ8と、貯液タンク9と、タンク切換弁15と、湯水混合弁16と、給湯金具17とが液配管を介して順次直列に接続され構成されている。なお、タンク切換弁15は、給湯運転時には、貯液タンク9と湯水混合弁16とが連通する状態に水の流路が切り換えてある。
また、給水水量センサ8と貯液タンク9との間に配置される液配管は途中で分岐し、湯水混合弁16と接続されている。
給水金具6は水道などの給水源と接続され、給湯金具17は台所蛇口18に接続されている。なお、図1には、給湯金具17に台所蛇口18のみが接続されているが、洗面蛇口(図示せず)や風呂湯張り回路(図示せず)などの使用端末にも接続されていてもよい。
【0037】
<運転制御手段>
次に、ヒートポンプ給湯機の運転制御手段50について説明する。
運転制御手段50は、圧縮機1、減圧装置3、送風ファン5、タンク切換弁15、湯水混合弁16、送液ポンプ12などを制御することにより、貯湯運転、給湯運転などを行うものである。
また、運転制御手段50は、冬期低温時は高温貯湯の規定温度(例えば85〜90℃)で貯湯すると共に周囲温度や給水温度が低く加熱負荷が大きいため、圧縮機1を高回転速度(例えば3000〜4000回転/分)とし、夏期や中間期は加熱負荷が軽いので通常貯湯の規定温度(約65℃)で比較的低回転速度(例えば1000〜2000回転/分)とするなどの最適運転制御手段(図示せず)を有している。
【0038】
更に、ヒートポンプ給湯機には、貯液タンク9の貯湯温度を検知するための複数のタンクサーミスタ9a(9b,9c,9d,9e)や各部の冷媒温度や水温を検知する各部サーミスタ、及び圧縮機1の吐出圧力を検知する圧力センサなど(いずれも図示せず)が設けられ、各検出信号は運転制御手段50に入力されるように構成されている。運転制御手段50はこれらの信号に基づいて各機器を制御するものである。
また、運転制御手段50は複数のタンクサーミスタ9a(9b,9c,9d,9e)の温度検出値の差異により、貯液タンク9内のどこまで貯湯されているかを検知して、貯湯量を計ることができる。
【0039】
<ヒートポンプ給湯機の運転動作>
次に、本実施形態のヒートポンプ給湯機の運転動作について図2を用いて説明する。
図2は、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機の夜中の貯湯運転から翌日の給湯運転、学習制御に及ぶ1日の運転動作のフローチャートである。
運転制御手段50は、毎日の給湯使用量を記憶学習して翌日の給湯使用量を推定し、夜間の貯湯温度及び貯湯量を決定すると共に、上記貯湯量が夜間電気割引料金の適用される規定時間(例えば23時〜7時)内に沸き上がるように貯湯運転開始時刻を設定する学習制御手段を有している。
【0040】
貯湯運転開始時刻になると、ヒートポンプ給湯機の運転制御手段50は、貯湯運転を開始(ステップS61)する。
即ち、運転制御手段50は、圧縮機1、減圧装置3、送風ファン5を始動させヒートポンプ運転を開始すると共に、タンク切換弁15、送液ポンプ12を制御し、貯液タンク9底部から循環されるタンク貯湯水を液冷媒熱交換器2で高温冷媒と熱交換して規定温度の高温水とし、貯液タンク9上部から戻す貯湯運転を行う。
【0041】
次に、運転制御手段50は複数のタンクサーミスタ9a(9b,9c,9d,9e)からの検出信号に基づき、貯液タンク9の貯湯量判定を行う(ステップS62)。貯湯温度及び貯湯量が規定値に達しないうちは貯湯運転を継続し、規定値に達すると、運転制御手段50はヒートポンプ運転を停止し貯湯運転を終了する(ステップS63)。
【0042】
使用者が、台所蛇口18を開き湯水使用が開始されると(ステップS64)、運転制御手段50は、給湯温度が適温(一般的には約42℃)となるように湯水混合弁16からの給水量を調整し、給水金具6、減圧弁7、給水水量センサ8、貯液タンク9、湯水混合弁16、給湯金具17、台所蛇口18の給液回路で適温水を供給する給湯運転を開始する(ステップS65)。なお、給湯運転時は、水道などの給水源からの水圧で給湯を行う。
【0043】
次に台所蛇口18を閉じて湯水使用が終了されると(ステップS66)、給湯は停止され湯水混合弁16は所定の位置に設定され給湯運転は停止する(ステップS67)。
【0044】
更に、運転制御手段50は、給湯運転中(ステップS65)及び給湯運転停止(ステップS67)後に、タンクサーミスタ9a(9b,9c,9d,9e)によって貯液タンク9内の貯湯温度及び貯湯量を検知し、タンク残湯量の判定を行う(ステップS68)。
通常は規定量以上残湯しておりタンク沸上げ運転は行わないが、給湯使用量が学習制御による推定量より多く、タンク残湯量が規定値未満になった場合はタンク沸上げ運転を行い(ステップS69)、貯湯量判定において(ステップS70)、貯湯温度及び貯湯量が規定値に達してからタンク沸上げ運転を終了する(ステップS71)。
【0045】
使用者による1日の湯水使用が終了するまでステップS64からステップS71が繰り返され(ステップS72でNo)、1日の湯水使用が終了すると(ステップS72でYes)、運転制御手段50は学習制御手段(図示せず)を機能させる。即ち、運転制御手段50は複数のタンクサーミスタ9a(9b,9c,9d,9e)からの検出信号に基づき、タンク残湯温度及び残湯量を検知して1日毎の湯水使用量を算出し、翌日使用量の推定算出を行い、それに適合した貯湯温度及び貯湯量、貯湯運転開始時刻などの貯湯運転条件の設定を行う(ステップS73)。
なお、学習制御手段が行う翌日の湯水使用量の推定算出は、一般的に過去7日間程度の外気温度や湯水使用量などを基にして、夜間の貯湯運転のみで十分間に合うように翌日の湯水使用量が推定算出される。
また、湯水使用終了は、一般的に夜間電気割引料金時間帯(23時〜7時)の始まる23時としている。
【0046】
これにより、ヒートポンプ給湯機の夜間の貯湯運転から給湯使用終了までの1日の運転動作が終了する。
なお、ステップS73で設定された貯湯運転条件に基づき、貯湯運転開始時刻になると、貯湯運転条件にしたがって翌日の給湯使用のための貯湯運転を開始する(ステップS61)。
【0047】
<ヒートポンプユニットの構造>
図3は、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機のヒートポンプユニット30の筐体20の上面を外した状態における上面模式図である。図4は、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機のヒートポンプユニット30の筐体20の前面を外した状態における正面模式図である。なお、図4においては筐体20内の後方に設置される圧縮機1及び空気熱交換器4を省略して図示している。また、図3、図4の冷媒配管及び液配管は省略している。
【0048】
ヒートポンプユニット30の筐体20は略直方体形をしており、背面及び左側面には空気熱交換器4を設置し、これに対向してファンモータ22により回転する送風ファン5が配置されている。
筐体20の右側には、仕切板21によって区切られ、圧縮機1、液冷媒熱交換器2などが収納された一般的に機械室と言われる部分があり、機械室の前部には冷媒側伝熱管2aと液側伝熱管2bとの間で熱交換するよう密着してコイル状に2個並列で巻いた液冷媒熱交換器2が設置され、後部には圧縮機1が設置されている。
液冷媒熱交換器2は、支持台23により固定され、断熱材からなる断熱カバー24により保温される。
【0049】
筐体20の右側面には、ヒートポンプユニット30と貯液ユニット40(図1参照)との間で水循環を行うために、外側低温液配管31が接続される入水金具11と、外側高温液配管34が接続される出湯金具13とが設けられている。
入水金具11及び出湯金具13は、取付板25に取付ねじ26(後述する図6参照)で固定され、取付板25は、筐体20に取付板固定ねじ27で取り付けられている。
【0050】
入水金具11は、外側低温液配管31の一端と、筐体20の内部に設けられた被加熱液体回路の液配管である内側低温液配管32の一端とが接続される液配管接続金具であり、外側低温液配管31の他端は貯液ユニット40の筐体に設けられた入水金具10(図1参照)と接続され、内側低温液配管32の他端は送液ポンプ12(図1参照)と接続されている。
出湯金具13は、内側高温液配管33の一端と、筐体20の内部に設けられた被加熱液体回路の液配管である外側高温液配管34の一端とが接続される液配管接続金具であり、内側高温液配管33の他端は液冷媒熱交換器2(図1参照)と接続され、外側高温液配管34の他端は貯液ユニット40の筐体に設けられた出湯金具14(図1参照)と接続されている。
なお、一般に銅管が用いられる液配管(外側低温液配管31,内側低温液配管32,内側高温液配管33,外側高温液配管34)と液配管接続金具(入水金具11,出湯金具13)はろう付けにより接合されるため、液配管接続金具(入水金具11,出湯金具13)の材質は金属であることが好適である。
【0051】
<出湯金具の構造>
次に、出湯金具13の構造について図5及び図6を用いて説明する。
図5は、本実施形態にかかるヒートポンプ給湯機の出湯金具13を取付板25と当接する面側からみた出湯金具13と外側高温液配管34の側面図である。なお、図5においては、内側高温液配管33、取付板25、および取付ねじ26は省略している。
図6は、本実施形態にかかるヒートポンプ給湯機の出湯金具13が取付板25に固定された状態における出湯金具13及び取付板25の断面図ある。なお、図6の出湯金具13の断面図においては、内側液配管接続部133から外側液配管接続部134については図5のA−A断面図を示し、ねじ取付部13bおよび取付調整部13dの周辺については図5のB−B断面図を示している。
【0052】
出湯金具13は、内側高温液配管33が接続される内側液配管接続部133と、外側高温液配管34が接続される外側液配管接続部134と、内側液配管接続部133と外側液配管接続部134とを連通する連通路13aとが設けられている。また、出湯金具13には、フランジ13fが形成されている。
【0053】
フランジ13fは、図5に示すように、略長方形のフランジ13fのほぼ中央部に連通路13aが設けられるように形成され、ねじ取付部13bが一方の対角線上に2箇所設けられ、取付調整部13dが他方の対角線上に2箇所設けられている。
ねじ取付部13bは、フランジ13fの取付板25と取り付けられる方向側の面から寸法L突出して凸形状に設けられ、取付ねじ26で出湯金具13と取付板25とを取り付けるための貫通孔13cが形成されている。
取付調整部13dは、フランジ13fの取付板25と取り付けられる方向側の面から寸法L突出して凸形状に設けられ、取付板25と当接する面に突起部13eが形成されている。
換言すれば、フランジ13fは、取付板25と当接する取付部(ねじ取付部13b、取付調整部13d)の当接面から寸法Lだけ退避されるように形成されている。
【0054】
これにより、取付板25と出湯金具13との接触は、ねじ取付部13bの当接面および取付調整部13dの当接面のみとすることができ、出湯金具13から取付板25への熱伝導による放熱損失を削減することができる。
なお、段差の寸法Lは、小さすぎるとフランジ13fから取付板25への輻射熱による熱損失が増加し、大き過ぎると大気間の温度差による大気移動により出湯金具13から大気への放熱が増加し、いずれの場合も熱伝導減少による放熱損失の削減効果を相殺してしまうおそれがあり、検討結果、段差の適切なL寸法は約0.5〜1.0mmであった。
【0055】
取付板25は、出湯金具13の内側液配管接続部133が挿入される開口部25aと、出湯金具13を取付ねじ26で固定する際にねじ受けとなるねじ受け部25bと、係止穴25cとが設けられている。
開口部25aは、出湯金具13の内側液配管接続部133の外径より大きく開口しており、出湯金具13を取付板25に取り付けた際、内側液配管接続部133と取付板25とを離隔させ、出湯金具13から取付板25への熱伝導による放熱損失を低減している。
【0056】
出湯金具13の取付板25への取り付けは、まず、出湯金具13の内側液配管接続部133を取付板25の開口部25aに挿入し、出湯金具13の取付調整部13dに設けられた突起部13eを取付板25の係止穴25cに嵌合させる。そして、出湯金具13のねじ取付部13bに設けられた貫通孔13cから取付ねじ26を挿入し、取付ねじ26を取付板25に設けられたねじ受け部25bと螺着させることにより、出湯金具13と取付板25とを固定する。
このように、出湯金具13は、2箇所のねじ取付部13bと、2箇所の取付調整部13dとの計4箇所で取付板25と当接および固定されることにより、より確実な取付構造とすることができる。また、2本の取付ねじ26で出湯金具13を取付板25に固定することができ、部品コスト及び作業コストの低減を図ることができる。
【0057】
<まとめ>
前述のように、特に冬期は外気温が低いため、ヒートポンプユニットの筐体や貯液ユニットの筐体が冷えており、液冷媒熱交換器で規定温度(例えば90℃)まで加熱された高温水が貯液タンクに貯湯される間に、ヒートポンプユニットの側の出湯金具及び貯液ユニットの側の出湯金具からそれぞれの筐体への熱伝導によって放熱され、実際に貯液タンクに貯湯される貯湯温度は規定温度より低下してしまう。
そのため、従来の放熱対策が行われていないフランジの全面を取付板(または筐体)と当接する出湯金具を用いたヒートポンプ給湯機においては、液冷媒熱交換器における加熱温度は、規定温度に対し放熱分を考慮して1〜2℃高目に設定されている。
【0058】
これに対し、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、出湯金具13と取付板25との当接面は、ねじ取付部13bの当接面および取付調整部13dの当接面のみとなり、フランジの全面を取付板と当接する従来の出湯金具に比べて、当接する面積を大幅に縮小させることができる。これにより、出湯金具13から取付板25(即ち、ヒートポンプユニットの筐体20)への熱伝導が減少し放熱損失の低減を図ることができ、ヒートポンプ給湯機としての省エネルギー効果を得ることができる。
また、断熱材を追加する特許文献1に記載の配管接続部のように、構成物品を追加することによるコストアップを発生することなく、ヒートポンプ給湯機としての省エネルギー効果を得ることができる。
【0059】
また、出湯金具13の構造は、ヒートポンプユニット30に設けられた出湯金具13に限らず、貯液ユニット40に設けられた出湯金具14にも適用してもよい。これにより、出湯金具13,14を共用化することができると共に、高温の被加熱液体(高温水)が流通する出湯金具14から貯液ユニット40の筐体への熱伝導が減少し放熱損失の低減を図ることができ、ヒートポンプ給湯機としての省エネルギー効果を得ることができる。
【0060】
更に、入水金具11についても適用してもよい。これにより、液配管接続金具(出湯金具13,14、入水金具11,12)を共用化することができると共に、冬期は夜間の冷え込みが厳しく入水温度が筐体温度(外気温度)より高い場合における放熱損失の削減効果を図ることができる。
【0061】
なお、本実施形態においては、部分組立てによる作業性向上を考慮して、出湯金具13及び入水金具11を取付板25に固定してから取付板25を筐体に固定するものとして説明したが、取付板25を省略し出湯金具13及び入水金具11を直接筐体に固定しても当接面積の縮小による放熱損失の低減の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、部分組立てによる作業性向上を考慮して、出湯金具(入水金具11)は2箇所のねじ取付部13bと2箇所の取付調整部13dが設けられるものとして説明したが、取付調整部13dに代えてねじ取付部13bを設け、4箇所のねじ取付部13bで出湯金具(入水金具11)を取付板25または筐体と固定しても、当接面積の縮小による放熱損失の低減の効果を得ることができる。
【0062】
取付板25に入水金具11(10)および出湯金具13(14)を取付ねじ26で固定し、入水金具11(10)および出湯金具13(14)が取り付けられた取付板25をヒートポンプユニット30(貯液ユニット40)の筐体に取付板固定ねじ27で固定することにより、組立作業の単純化及びサービス作業の簡易化を図ることができる。
【0063】
なお、本実施形態に係るヒートポンプ給湯機は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態の構成においては、貯液タンク9の底部に接続された液配管を介して貯液タンク9内の水を液冷媒熱交換器2に送り出す構成としたが、貯液タンク9以外の任意の給水源から水(被加熱液体)を液冷媒熱交換器2に送り出す構成としてもよい。例えば、減圧弁7で減圧された水を液冷媒熱交換器2に送り出す構成としてもよい。
また、上記実施形態の構成においては、液冷媒熱交換器2で加熱された水を貯液タンク9の上部に接続された液配管から貯液タンク9内に貯湯する構成としたが、貯液タンク9を経由することなく、液冷媒熱交換器2からの出湯を給湯金具17から給湯する構成としてもよく、入水金具11を給水金具として水源から直接給水する構成としてもよい。
また、送液ポンプ12の位置は、液冷媒熱交換器2の上流側に限定されるものではなく、液冷媒熱交換器2の下流側であってもよい。また、送液ポンプ12は、ヒートポンプユニット30に配置されるものであってもよく、貯液ユニット40に配置されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 圧縮機
2 液冷媒熱交換器
2a 冷媒側伝熱管
2b 液側伝熱管
3 減圧装置
4 空気熱交換器
5 送風ファン
6 給水金具
7 減圧弁
8 給水水量センサ
9 貯液タンク
9a,9b,9c,9d,9e タンクサーミスタ
10 入水金具(第3の液配管接続金具)
11 入水金具(液配管接続金具)
12 送液ポンプ
13 出湯金具(第1の液配管接続金具)
13a 連通路
13b ねじ取付部(取付部)
13c 貫通孔
13d 取付調整部(取付部)
13e 突起部
13f フランジ
133 内側液配管接続部
134 外側液配管接続部
14 出湯金具(第2の液配管接続金具)
15 タンク切換弁
16 湯水混合弁
17 給湯金具
18 台所蛇口
20 筐体
21 仕切板
22 ファンモータ
23 支持台
24 断熱カバー
25 取付板
25a 開口部
25b ねじ受け部
25c 係止穴
26 取付ねじ
27 取付板固定ねじ
30 ヒートポンプユニット(第1のユニット)
31 外側低温液配管
32 内側低温液配管
33 内側高温液配管
34 外側高温液配管
40 貯液ユニット(第2のユニット)
50 運転制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低温の被加熱液体を加熱して高温の被加熱液体とするヒートポンプ冷媒回路の液冷媒熱交換器を収納する第1のユニットと、
前記第1のユニットで加熱された高温の被加熱液体が流通する被加熱液体回路を収納する第2のユニットと、を備え、
前記第1のユニットと前記第2のユニットとの間の前記被加熱液体回路は、高温の被加熱液体が流通する外側高温液配管で接続されるヒートポンプ給湯機であって、
前記第1のユニットの前記液冷媒熱交換器で加熱された高温の被加熱液体が流通する内側高温液配管と、前記外側高温液配管と、を接続する第1の液配管接続金具は、
前記第1のユニットの内側高温液配管と前記外側高温液配管とを流通可能に接続する連通路と、
前記第1のユニットの筐体へ固定するための取付部とを有し、
前記取付部の前記第1のユニットの筐体への当接部分を凸状とし、前記取付部以外は前記取付部よりも凹ませて前記第1のユニットの筐体に当接しない構造とした
ことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
【請求項2】
前記外側高温液配管と、前記第2のユニットの内部に設けられた内側高温液配管と、を接続する第2の液配管接続金具は、
前記外側高温液配管と前記第2のユニットの内側高温液配管とを流通可能に接続する連通路と、
前記第2のユニットの筐体へ固定するための取付部とを有し、
前記取付部の前記第2のユニットの筐体への当接部分を凸状とし、前記取付部以外は前記取付部よりも凹ませて前記第2のユニットの筐体に当接しない構造とした
ことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項3】
低温の被加熱液体が流通する外側低温液配管と、前記第1のユニットの前記液冷媒熱交換器へ低温の被加熱液体を流通する内側低温液配管と、を接続する第3の液配管接続金具は、
前記外側低温液配管と前記第1のユニットの内側低温液配管とを流通可能に接続する連通路と、
前記第1のユニットの筐体へ固定するための取付部とを有し、
前記取付部の前記第1のユニットの筐体への当接部分を凸状とし、前記取付部以外は前記取付部よりも凹ませて前記第1のユニットの筐体に当接しない構造とした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項4】
前記液配管接続金具は材質が金属である
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項5】
前記液配管接続金具は、
前記当接するユニットの筐体に対向する側の面がほぼ長方形で、一方の対角線上に2箇所の取付部としてねじ取付部を有し、他方の対角線上に2箇所の前記取付部として取付調整部を有し、
前記取付調整部は、前記ねじ取付部の当接面と同一の高さの当接面を有し、前記取付調整部の当接面に突起部を設けた
ことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項6】
前記液配管接続金具は、取付板に取付ねじで固定され、更に前記取付板が前記当接するユニットの筐体に取り付けられる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項7】
低温の被加熱液体を加熱して高温の被加熱液体とするヒートポンプ冷媒回路の液冷媒熱交換器を収納する第1のユニットと、
前記第1のユニットで加熱された高温の被加熱液体が流通する被加熱液体回路を収納する第2のユニットと、を備え、
前記第1のユニットと前記第2のユニットとの間の前記被加熱液体回路は、高温の被加熱液体が流通する外側高温液配管で接続されるヒートポンプ給湯機であって、
前記第1のユニットの前記液冷媒熱交換器で加熱された高温の被加熱液体が流通する内側高温液配管と、前記外側高温液配管と、を接続する第1の液配管接続金具は、
前記第1のユニットの内側高温液配管と前記外側高温液配管とを流通可能に接続する連通路と、
前記第1のユニットの筐体へ固定するためのねじ取付部を設けたフランジとを有し、
前記ねじ取付部は、前記フランジから前記第1のユニットの筐体と当接する方向に突出して形成された当接面で前記第1のユニットの筐体に当接する
ことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
【請求項8】
前記外側高温液配管と、前記第2のユニットの内部に設けられた内側高温液配管と、を接続する第2の液配管接続金具は、
前記外側高温液配管と前記第2のユニットの内側高温液配管とを流通可能に接続する連通路と、
前記第2のユニットの筐体へ固定するためのねじ取付部を設けたフランジとを有し、
前記ねじ取付部は、前記フランジから前記第2のユニットの筐体と当接する方向に突出して形成された当接面で前記第2のユニットの筐体に当接する
ことを特徴とする請求項7に記載のヒートポンプ給湯機。
【請求項9】
低温の被加熱液体が流通する外側低温液配管と、前記第1のユニットの前記液冷媒熱交換器へ低温の被加熱液体を流通する内側低温液配管と、を接続する第3の液配管接続金具は、
前記外側低温液配管と前記第1のユニットの内側低温液配管とを流通可能に接続する連通路と、
前記第1のユニットの筐体へ固定するためのねじ取付部を設けたフランジとを有し、
前記ねじ取付部は、前記フランジから前記第1のユニットの筐体と当接する方向に突出して形成された当接面で前記第1のユニットの筐体に当接する
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載のヒートポンプ給湯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−190981(P2011−190981A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57165(P2010−57165)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】