説明

ビデオゲーム処理装置、ビデオゲーム処理方法、およびビデオゲーム処理プログラム

【課題】ビデオゲームにおけるイベントシーンでの会話のやりとりを臨場感を失うことなく簡単に確認させる。
【解決手段】ビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報とキャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供し、既に提供された会話シーンの探索希望を受け付け、探索希望が受け付けられたときに、会話シーンの探索に用いられる会話シーン探索スライドバーを表示し、会話シーン探索スライドバーのスライド操作を検出し、提供履歴情報を参照して、その会話シーン探索スライドバーのスライド位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤが操作するプレイヤキャラクタをゲーム画面に表示してビデオゲームの進行を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、RPG(ロールプレイングゲーム:プレイヤがゲームの世界の中であるキャラクタの役割を演じ、様々な経験を通じて成長していく過程を楽しみながら、所定の目的を達成していくことを遊戯するゲーム)と呼ばれるビデオゲームやシミュレーションゲームなどの各種のビデオゲームが提供されている。
【0003】
このようなビデオゲームにおいては、例えばゲームの進行中に、会話による情報を得ながら、物語を進めていくものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−011243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、こうした従来のビデオゲームにおいては、ゲームの進行中において、例えばイベントシーンにおける会話から得るべき情報を見落としてしまっていたなどの場合に、後からそのような会話のやりとりを簡単に確認し直すことが困難であった。
【0006】
イベントシーンにおける会話のやりとりを示すテキストデータを後からまとめて表示することによって確認可能とすることが考えられるが、単にテキストデータを表示するだけでは確認し直したい会話部分を簡単に探索することが困難であり、そのようにして確認させる場合にはビデオゲームでの臨場感が失われてしまうという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解決すべく、ビデオゲームにおけるイベントシーンでの会話のやりとりを臨場感を失うことなく簡単に確認させることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のビデオゲーム処理装置は、ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、前記ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報と前記キャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、前記会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供する会話イベント提供手段と、該会話イベント提供手段によって既に提供された会話シーンであるか否かを識別可能な提供履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、前記会話イベント提供手段によって既に提供された会話シーンの探索希望を受け付ける探索希望受付手段と、該探索希望受付手段によって探索希望が受け付けられたときに、会話シーンの探索に用いられるユーザインタフェース構成部品を表示するユーザインタフェース表示手段と、前記ユーザインタフェース構成部品の操作を検出し、前記提供履歴情報を参照して、当該ユーザインタフェース構成部品の操作位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する会話シーン再提供手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
上記の構成としたことで、ビデオゲームにおけるイベントシーンでの会話のやりとりを臨場感を失うことなく簡単に確認させることができるようになる。
【0010】
前記探索希望受付手段は、前記表示画面上に表示された探索希望ボタンの操作を検出したときに、前記探索希望を受け付ける構成とされていてもよい。
【0011】
前記ユーザインタフェース構成部品は、会話シーン探索スライドバーであり、前記会話シーン再提供手段は、前記会話シーン探索スライドバーのスライド操作を検出し、当該会話シーン探索スライドバーのスライド位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する構成とされていてもよい。
【0012】
前記会話シーン探索スライドバーのスライド位置は、会話シーンにおける最新の会話の内容に対応する一端側の位置を初期位置とし、他端側にいくほどより過去の会話の内容に対応する位置となる構成とされていてもよい。
【0013】
また、本発明のビデオゲーム処理方法は、ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、前記ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報と前記キャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、前記会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供する会話イベント提供処理と、前記会話イベント提供処理にて既に提供した会話シーンの探索希望を受け付ける探索希望受付処理と、該探索希望受付処理にて探索希望を受け付けたときに、会話シーンの探索に用いられるユーザインタフェース構成部品を表示するユーザインタフェース表示処理と、前記ユーザインタフェース構成部品の操作を検出し、前記会話イベント提供処理によって既に提供された会話シーンであるか否かを識別可能な提供履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段に記憶された当該提供履歴情報を参照して、当該ユーザインタフェース構成部品の操作位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する会話シーン再提供処理とを含むことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明のビデオゲーム処理プログラムは、ビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、コンピュータに、前記ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報と前記キャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、前記会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供する会話イベント提供処理と、前記会話イベント提供処理にて既に提供した会話シーンの探索希望を受け付ける探索希望受付処理と、該探索希望受付処理にて探索希望を受け付けたときに、会話シーンの探索に用いられるユーザインタフェース構成部品を表示するユーザインタフェース表示処理と、前記ユーザインタフェース構成部品の操作を検出し、前記会話イベント提供処理によって既に提供された会話シーンであるか否かを識別可能な提供履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段に記憶された当該提供履歴情報を参照して、当該ユーザインタフェース構成部品の操作位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する会話シーン再提供処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ビデオゲームにおけるイベントシーンでの会話のやりとりを臨場感を失うことなく簡単に確認させることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施の形態におけるビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。
【図2】会話イベント情報管理テーブルの格納状態の例を示す説明図である。
【図3】会話イベント制御処理の例を示すフローチャートである。
【図4】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図5】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図6】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図7】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【図8】ゲーム画面の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施の形態の例について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の一実施の形態を示すビデオゲーム処理装置100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ビデオゲーム処理装置100は、プログラム読取部10と、制御部11と、記憶部12と、表示部13と、音声出力部14と、操作受付部15とを含む。
【0019】
プログラム読取部10は、各種ビデオゲームプログラムが格納された記憶媒体を内蔵する記憶媒体から必要なビデオゲームプログラムを読み出す機能を有する。なお、本例においては、プログラム読取部10は、ビデオゲームプログラムが格納された着脱可能なゲームカートリッジ20を装着する装着部を有し、プレイヤ(ビデオゲーム処理装置100の操作者)により装着部に装着されたゲームカートリッジ20の記憶媒体からゲームプログラムを読み出し、記憶部12に格納する。なお、本例で用いられるビデオゲームプログラムに従って実行されるビデオゲームは、RPG、シミュレーションゲーム、パズルゲーム、バトルゲームなど、会話イベントが発生するビデオゲームであればどのようなものであってもよい。
【0020】
制御部11は、プログラム読取部10により読み取られ記憶部12に格納されたゲームプログラムを実行し、プレイヤの操作に応じてビデオゲームを進行するための各種の制御を実行する機能を有する。
【0021】
記憶部12は、ビデオゲームを進行する際に必要なビデオゲームプログラムや各種のデータを記憶する記憶媒体である。記憶部12は、例えばRAMなどの不揮発性のメモリによって構成される。記憶部12には、ゲームの進行に従って登録・更新される各種の情報や、ゲームカートリッジ20に内蔵される記憶媒体から読み出されたゲームにおいて使用される各種の情報が格納される。
【0022】
なお、ビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲームプログラムを図示しないゲームプログラム提供サーバからインターネット等の通信ネットワークを介してダウンロードして記憶部12に格納する構成としてもよい。
【0023】
本例では、記憶部12は、ビデオゲームにおけるイベントシーンのうち会話シーンを提供するための会話シーン提供情報や各会話シーンの提供履歴を示す会話シーン提供履歴情報とを含む会話シーン情報が記憶される会話イベント情報管理テーブル12aを含む。
【0024】
図2は、会話イベント情報管理テーブル12aに記憶される会話シーン情報の格納状態の例を示す説明図である。図2に示すように、会話シーン情報は、ビデオゲームにおいて提供され得る各会話イベントを一意に特定可能なイベントIDと、各会話イベントにおける各会話の順番を示す会話番号と、会話における発言内容を示すテキストと、再生済であるか否かを示す再生フラグ(会話シーン提供履歴情報)と、該当する会話シーンにおいて表示される画像(例えば、発言者であるキャラクタのバストアップ画像(胸から上の部分の画像))に付与されている画像IDと、該当する会話シーンにおいて発音される音楽を示す音楽情報とを含む。
【0025】
本例では、各会話イベントにおいて、会話番号が示す番号順に、テキストが示す発言内容と、画像IDが付与されている画像とが表示画面上に順次表示される。再生フラグは、対応する会話番号のテキストが示す発言内容及び画像IDが付与されている画像が表示されると、未表示を示す「0」から表示済を示す「1」に更新される。
【0026】
表示部13は、制御部11の制御に従って、プレイヤの操作に応じたゲーム画面を表示する表示装置である。表示部13は、例えば、液晶表示装置によって構成される。
【0027】
音声出力部14は、制御部11の制御に従って、プレイヤの操作やキャラクタの動作に応じた音声を出力する機能を有する。
【0028】
操作受付部15は、プレイヤ操作に応じた操作信号を受け付け、その結果を制御部11に通知する。本例においては、操作受付部15は、表示部13に設けられたタッチパネルを介してプレイヤの操作を受け付ける。
【0029】
次に、本例のビデオゲーム処理装置100の動作について説明する。
図3は、ビデオゲーム処理装置100が実行する会話イベント制御処理の例を示すフローチャートである。会話イベント制御処理は、ゲームの進行に応じて、所定の条件が成立した場合に、その所定の条件に対応する制御対象の会話イベントが選択されて開始される。ここでは、本例においては、プレイヤPによって操作されるプレイヤキャラクタと制御部11によって操作されるノンプレイヤキャラクタとの会話が行なわれる会話イベントが実行され、プレイヤPにより所定の操作に応じてその会話イベントにおける過去の会話シーンに戻す処理が実行される場合を例にして説明を行なう。なお、本発明に関係しない動作や処理については、その内容を省略している場合がある。
【0030】
会話イベント制御処理において、制御部11は、先ず、イベント進行番号Nに初期値である「1」を設定する(ステップS101)。
【0031】
次いで、制御部11は、制御対象の会話イベントの会話イベント情報における会話番号のうちイベント進行番号Nである会話番号Nのテキストが示す会話内容を表示するとともに、その会話番号Nの画像IDが付与された画像情報が示すキャラクタ画像を記憶部12から読み出して表示する処理を行う(ステップS102)。
【0032】
図4は、ビデオゲーム処理装置100の筐体100Aに設けられた表示部13の表示画面13Aに表示されたゲーム画面の例を示す説明図である。ステップS102の処理によって、例えば図4に示すように、会話番号Nのテキストが示す会話内容102と、会話番号Nの画像IDが付与された画像情報が示すキャラクタ画像103とを含む会話シーンが、会話シーン表示領域(会話ダイアログボックス)101内の所定位置に表示される。なお、会話シーン表示領域101は、表示画面13Aにおけるフィールド画面上にそのフィールド画面に重畳されて表示される。本例では、会話シーン表示領域101内の所定位置に、進行操作ボタン107が表示されている。また、本例では、表示画面13Aにおける左上にはLOGボタン104が表示されており、表示画面13Aにおける右上にはSKIPボタン105が表示されている。なお、LOGボタン104やSKIPボタン105は、対応する処理が実行可能なときにだけ表示されるようにしてもよい。
【0033】
会話番号Nについての会話シーンを表示すると、制御部11は、会話番号Nの再生フラグが「0」であれば、その会話シーンの画面が表示済であることを示す「1」に更新する(ステップS103)。
【0034】
次に、制御部11は、LOGボタン104あるいは進行操作ボタン107の操作(該当領域の指やペンによるタッチ操作)を受け付けたか否か判定する(ステップS104,S105)。
【0035】
進行操作ボタン107の操作を受け付けた場合には(ステップS105のY)、制御部11は、イベント進行番号Nが該当する会話イベントの最後のイベント番号でなければ(ステップS106のN)、イベント進行番号Nに「N+1」を設定し(ステップS107)、ステップS102に移行する。イベント進行番号Nが該当する会話イベントの最後のイベント番号であれば(ステップS106のY)、ここでの会話イベント制御処理を終了する。
【0036】
上記のようにステップS101を実行したあと、ステップS102,S103,S105〜S107の処理を繰り返し実行することによって、会話イベントにおける各会話シーンを順次表示する処理が実行される。
【0037】
ステップS104,S105での判定処理において、LOGボタン104の操作を受け付けた場合には(ステップS104のY)、制御部11は、例えば図5に示すように、表示画面13Aにおける下部領域を空けるためにフィールド画面のサイズを縮小し(ステップS108)、スライドバーの目盛設定を行うとともに(ステップS109)、空けた下部領域にスライドバー106を表示(例えば、アニメーションしつつスライドインさせて表示するようにすればよい。)する制御を実行する(ステップS110)。スライドバー106の目盛設定においては、スライドバー106における各目盛に、該当する会話イベントにおける表示済の各会話シーンの会話番号を割り当てる処理が行われる。この場合、目盛が小さい方から、各会話番号の番号が小さい順番に割り当てられるようにすればよい。
【0038】
次いで、制御部11は、スライドバー106の操作(本例では、指やペンによるスライドポインタ106aのタッチアンドドラッグ操作。なお、マウスやゲームパットなどのコントローラを用いてタッチアンドドラッグ操作を行うようにしてもよい。)の開始を受け付けると(ステップS111のY)、スライドバー106におけるスライドポインタ106aが指す目盛に対応した会話番号をイベント進行番号Nに設定し(ステップS112)、制御対象の会話イベントの会話イベント情報における会話番号のうちイベント進行番号Nである会話番号Nのテキストが示す会話内容を表示するとともに、その会話番号Nの画像IDが付与された画像情報が示すキャラクタ画像を記憶部12から読み出して表示する処理を行う(ステップS113)。
【0039】
ステップS112,S113の処理が繰り返し実行されているときには、例えば、スライドバー106におけるスライドポインタ106aが初期状態である右端に位置している図5に示すゲーム画面から、スライドポインタ106aが左方に移動していくとともに会話シーンが過去の会話シーンに切り替えられた図6に示すようなゲーム画面に移行し、さらにスライドポインタ106aが左方に移動していくとともに会話シーンがさらに過去の会話シーンに切り替えられた図7に示すゲーム画面に移行していくこととなる。
【0040】
ステップS112,S113の処理は、スライドバー106の操作が終了するまで繰り返し実行される。よって、スライドバー106におけるスライドポインタ106aの移動に応じて、これまで再生されてきた会話シーンが順次逆再生されていくような表示がなされることになる。
【0041】
スライドバー106の操作の終了を受け付けると、制御部11は、逆再生処理を終了して、ステップS104,S105の判定処理に移行する。その後、例えば進行操作を順次受け付けると、逆再生により戻った会話シーンから順次会話シーンが進行することになる。
【0042】
上記の例では詳細な説明を省略したが、本例では、SKIPボタン105の操作を受け付けると、制御部11は、表示済の会話シーンを飛ばして、例えば、所定数先の会話シーンあるいは最新の会話シーンを表示する処理を行う。
【0043】
以上に説明したように、上述した実施の形態では、ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置100が、既に提供された会話シーンであるか否かを識別可能な提供履歴情報(例えば再生フラグ)を記憶する会話イベント情報管理テーブルを備え、ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報とキャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供し、既に提供された会話シーンの探索希望を受け付け、探索希望が受け付けられたときに、会話シーンの探索に用いられる会話シーン探索スライドバーを表示し、会話シーン探索スライドバーのスライド操作を検出し、提供履歴情報を参照して、その会話シーン探索スライドバーのスライド位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する構成としているので、ビデオゲームにおけるイベントシーンでの会話のやりとりを臨場感を失うことなく簡単に確認させることができるようになる。
【0044】
すなわち、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、既に提供された会話シーンの探索希望を受け付け、探索希望が受け付けられたときに会話シーン探索スライドバーを表示し、会話シーン探索スライドバーのスライド操作を検出し、提供履歴情報を参照して、その会話シーン探索スライドバーのスライド位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する構成としているので、会話シーンの探索希望と会話シーン探索スライドバーのスライド操作との2回の操作に応じて、プレイヤが再表示を希望する過去の会話シーンを表示することが可能となる。よって、ビデオゲームにおけるイベントシーンでの会話のやりとりを簡単に確認させることができるようになるのである。
【0045】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報とキャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供し、既に提供された会話シーンの探索希望を受け付けたときに、会話シーンの探索に用いられる会話シーン探索スライドバーを表示し、会話シーン探索スライドバーのスライド位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する構成としているので、会話イベントの進行中に表示済の会話シーンに巻き戻すことができ、シナリオの流れを阻害することなく、読み飛ばしてしまったダイヤログボックスを再確認することが可能となる。よって、ビデオゲームにおけるイベントシーンでの会話のやりとりを臨場感を失うことなく確認させることができるようになる。また、キャラクタの画像も合わせて表示する構成としているため、テキストのみの別画面での後からの確認に比べて、臨場感を失うことなく手軽に確認することができるようになる。
【0046】
また、上述した実施の形態では、ビデオゲーム処理装置100が、表示画面上に表示された探索希望ボタン(例えばLOGボタン104)の操作(例えばタッチ操作)を検出したときに、探索希望を受け付ける構成としているので、簡単な操作によって探索希望を受け付けることが可能となる。また、探索希望ボタンを操作したあと会話シーン探索スライドバーを操作するだけの簡単な操作で任意の場所から会話イベントを確認することができるので、ゲームの臨場感を失うことを回避できるようになる。
【0047】
また、上述した実施の形態では、会話シーン探索スライドバー(スライドバー106)のスライド位置は、会話シーンにおける最新の会話の内容に対応する一端側の位置を初期位置とし、他端側にいくほどより過去の会話の内容に対応する位置となる構成としているので、現在から過去に向けて順番に会話シーンを表示させていくことが可能となり、簡単な操作によって既に表示された会話シーンを再確認することが可能となる。
【0048】
また、上述した実施の形態では、会話シーンの探索に用いられる会話シーン探索スライドバーを表示し、会話シーン探索スライドバーのスライド操作を検出し、会話シーン探索スライドバーのスライド位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する構成としていたが、スライド操作やスライド操作と同様の操作を行うことが可能なものであれば、会話シーン探索スライドバー以外の他のユーザインタフェース構成部品を用いるようにしてもよい。
【0049】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、会話イベントにおける各会話シーンは、それぞれ、会話内容を示すテキスト情報と、発言者であるキャラクタの画像情報の他、ノードIDが対応付けされて構成される。会話イベントにおける各会話シーンは、例えば木構造状に構成され、シナリオプログラムとプレイヤの操作入力とにより連鎖的あるいは選択的に順次画面表示される。表示された会話シーンのノードIDは、表示された順番に順次履歴情報として保存される。ビデオゲーム処理装置100は、任意のタイミングでのプレイヤの操作に応じて表示画面上にスライドバーを表示させ、プレイヤによって操作されたスライドポインタの移動量に応じて表示履歴をロールバックして会話シーン(会話ダイアログボックス)を逆再生表示する処理を行う。
【0050】
ここで、ロールアップ−タイトルの表示制御について説明する。
図8は、表示画面13Aにおけるロールアップ−タイトルの表示状態の例を示すゲーム画面である。ロールアップ−タイトルは、画面の上あるいは下から現れて、下あるいは上方向に移動していき画面上から消えていくようなスクロール表示がなされる字幕(テロップ)である。このテロップは一方向に移動していくが、本例のビデオゲーム処理装置100では、プレイヤによる操作(指やペンによって表示画面13上をなぞる方向指示操作)に応じて、テロップを移動させる制御を行う。例えば図8に示す矢印Aを矢印方向になぞる操作を受け付けた場合には、制御部11は、テロップの表示位置を上方に所定距離戻す処理を行う。また、例えば図8に示す矢印Bを矢印方向になぞる操作を受け付けた場合には、制御部11は、テロップの表示位置を下方に所定距離進める処理を行う。このように処理することで、テロップの巻き戻し処理や早送り処理を行うことが可能となる。
なお、一般に、スタッフロール等のテロップは、背景動画やテーマソングなどと同期して表示し、動画や楽曲の尺に合わせて表示終了させなければならない。途中でテロップを強制スクロールさせる場合、動画や楽曲まではスクロールされない。よって、スクロール動作終了時点でそのスクロールによって同期を崩した分を逆計算し、テロップ表示の速度を早めあるいは遅くして予定された尺の終期でテロップ表示が終了するように制御するようにしてもよい。
【0051】
なお、上述した実施の形態におけるビデオゲーム処理装置は、操作ボタンを配設可能な領域が狭い携帯デバイスに用いるのに特に有用であるが、一般的なコンソールゲーム機にも応用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明によれば、ビデオゲームにおけるイベントシーンでの会話のやりとりを臨場感を失うことなく簡単に確認させるのに有用である。
【符号の説明】
【0053】
10 プログラム読取部
11 制御部
12 記憶部
13 表示部
14 音声出力部
15 操作受付部
20 ゲームカートリッジ
100 ビデオゲーム処理装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理装置であって、
前記ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報と前記キャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、前記会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供する会話イベント提供手段と、
該会話イベント提供手段によって既に提供された会話シーンであるか否かを識別可能な提供履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、
前記会話イベント提供手段によって既に提供された会話シーンの探索希望を受け付ける探索希望受付手段と、
該探索希望受付手段によって探索希望が受け付けられたときに、会話シーンの探索に用いられるユーザインタフェース構成部品を表示するユーザインタフェース表示手段と、
前記ユーザインタフェース構成部品の操作を検出し、前記提供履歴情報を参照して、当該ユーザインタフェース構成部品の操作位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する会話シーン再提供手段とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理装置。
【請求項2】
前記探索希望受付手段は、前記表示画面上に表示された探索希望ボタンの操作を検出したときに、前記探索希望を受け付ける
請求項1記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項3】
前記ユーザインタフェース構成部品は、会話シーン探索スライドバーであり、
前記会話シーン再提供手段は、前記会話シーン探索スライドバーのスライド操作を検出し、当該会話シーン探索スライドバーのスライド位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する
請求項1または請求項2記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項4】
前記会話シーン探索スライドバーのスライド位置は、会話シーンにおける最新の会話の内容に対応する一端側の位置を初期位置とし、他端側にいくほどより過去の会話の内容に対応する位置となる
請求項3記載のビデオゲーム処理装置。
【請求項5】
ビデオゲームの進行を制御するビデオゲーム処理方法であって、
前記ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報と前記キャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、前記会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供する会話イベント提供処理と、
前記会話イベント提供処理にて既に提供した会話シーンの探索希望を受け付ける探索希望受付処理と、
該探索希望受付処理にて探索希望を受け付けたときに、会話シーンの探索に用いられるユーザインタフェース構成部品を表示するユーザインタフェース表示処理と、
前記ユーザインタフェース構成部品の操作を検出し、前記会話イベント提供処理によって既に提供された会話シーンであるか否かを識別可能な提供履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段に記憶された当該提供履歴情報を参照して、当該ユーザインタフェース構成部品の操作位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する会話シーン再提供処理とを含む
ことを特徴とするビデオゲーム処理方法。
【請求項6】
ビデオゲームの進行を制御させるビデオゲーム処理プログラムであって、
コンピュータに、
前記ビデオゲームにおける会話イベントにおいて、キャラクタによる会話の内容を示す文字情報と前記キャラクタのキャラクタ画像とを含む会話シーンを表示画面上に表示し、前記会話シーンの表示を順次切り替えていくことにより会話イベントを提供する会話イベント提供処理と、
前記会話イベント提供処理にて既に提供した会話シーンの探索希望を受け付ける探索希望受付処理と、
該探索希望受付処理にて探索希望を受け付けたときに、会話シーンの探索に用いられるユーザインタフェース構成部品を表示するユーザインタフェース表示処理と、
前記ユーザインタフェース構成部品の操作を検出し、前記会話イベント提供処理によって既に提供された会話シーンであるか否かを識別可能な提供履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段に記憶された当該提供履歴情報を参照して、当該ユーザインタフェース構成部品の操作位置に応じた提供済の会話シーンの文字情報とキャラクタ画像とを表示画面上に表示する会話シーン再提供処理とを
実行させるためのビデオゲーム処理プログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−110171(P2011−110171A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268160(P2009−268160)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(308033283)株式会社スクウェア・エニックス (173)
【Fターム(参考)】