説明

ビルのカーテンウォール構造と、カーテンウォール用部分カーテンウォールと、カーテンウォール用繊維強化プラスチック製貼付け材

【課題】 従来のガラスカーテンウォールは外観が無機質で殺風景になり易い。また、ガラス板や樹脂板が破損する危険もある。
【解決手段】 本発明の建物の外壁構造はカーテンウォールのガラス板、樹脂板、外壁枠に強化プラスチック製貼付け材を貼り付けてある。カーテンウォールの外壁枠の一部となる部分枠にガラス板や樹脂板を嵌め込み、そのガラス板、樹脂板、部分枠に強化プラスチック製貼付け材を貼り付けた部分カーテンウォールを組み合わせたものでもある。本発明の部分カーテンウォールは部分枠にガラス板や樹脂板を嵌め込み、そのガラス板又は樹脂板に、或はガラス板や樹脂板と部分枠に貼付け材を貼り付けたものとすることもできる。本発明の外壁用強化プラスチック製貼付け材は強化プラスチック製の帯状、テープ状、面状とした。強化プラスチックをFRPとしその表・裏両面又は片面に繊維を接着した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は建物の外壁(カーテンウォール)構造と、多数組み合わせることにより建物のカーテンウォールを形成できる部分カーテンウォールと、カーテンウォール又は部分カーテンウォールに貼り付ける外壁用強化プラスチック製貼付け材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年はガラス板や樹脂板を使用した外壁構造の建築物、特に高層建築物が多数ある。ガラス板を使用した外壁構造の一つにガラスカーテンウォールがある。ガラスカーテンウォールには建築物の長尺な縦外壁材(通常「方立或はマリオン」と呼ばれている。)と長尺な横外壁材(通常「サッシ」と呼ばれている。)で囲われた外壁枠の内側にガラス板を嵌め込んだもの、建築物の外壁枠の一部となる部分枠内にガラスを嵌め込んだ部分カーテンウォールを多数組み合わせて形成したもの等がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のガラスカーテンウォールには以下のような課題があった。
(1)ガラスカーテンウォールは外壁がガラス張りであるため透明感があり独自の外観を呈するが、無機質で硬い感じがあるため、そのようなビルが多くなると街の景観が殺風景になりがちである。
(2)ガラスカーテンウォールは耐震性において課題があり、特に、ガラス板が破損した場合のガラス破片の飛散による危険性がある。近年は飛散防止対策が施されたガラス板や飛散防止用のフィルム等も出現している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明はガラス板や樹脂板を使用したカーテンウォールの建物であっても、ガラス板や樹脂板のままよりも外観にソフト感があり、耐震性が向上し、ガラス板や樹脂板の破損時の安全性も向上する建物の外壁構造とその外壁の一部を構成する部分カーテンウォールと、それら外壁又は部分カーテンウォールに貼り付ける外壁用強化プラスチック製貼付け材を提供するものである。なお、本発明における建物は、ビルのみならず戸建住宅、農業用ハウス、電話ボックスといった建造物全般を含む。
【0005】
本願発明の建物の外壁構造は請求項1記載のように、外壁枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた建物の外壁において、その外壁のガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と外壁枠に強化プラスチック製の貼付け材を貼り付けたものである。
【0006】
本願発明の建物の外壁構造は請求項2記載のように、建物の外壁枠の一部を構成する部分枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた部分カーテンウォールを組み合わせて形成された建物の外壁構造において、部分カーテンウォールのガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と外壁枠に強化プラスチック製の貼付け材が貼り付けられ、多数の部分カーテンウォールがその貼付け材が連続するように又は連続しないように組み合わされたものである。
【0007】
本願発明の部分カーテンウォールは請求項3記載のように、建物の外壁枠の一部を構成する部分枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた部分カーテンウォールにおいて、そのガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と部分枠に強化プラスチック製の貼付け材が貼り付けられたものである。
【0008】
本願発明の外壁用強化プラスチック製貼付け材は請求項4記載のように、外壁枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた建物の外壁、又は建物の外壁枠の一部を構成する部分枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた部分カーテンウォールのガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と部分枠に貼り付け可能な貼付け材であり、その貼付け材を強化プラスチック製の帯状又はテープ状又は面状としたものである。この場合、請求項5記載のように、帯状の強化プラスチックが繊維とプラスチックとの複合材(FRP)とし、その帯状又はテープ状又は面状の強化プラスチックの表・裏両面又は片面に強化プラスチックの繊維と同じ又は異なる材質製の繊維を接着させることができる。
【発明の効果】
【0009】
本件出願の請求項1記載の外壁構造は、強化プラスチック製貼付け材を建物の外壁のガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と外壁枠に貼り付けたので次のような効果がある。
(1)建物の外周に帯を巻き付けたような斬新なデザインの外観になりガラスカーテンウォールであっても無機質な雰囲気が緩和されて街の景観がソフトになる。
(2)強化プラスチック製貼付け材を繭のような縦長球状の建物の外壁に貼り付ければ、建物が繭のような斬新なデザインの外観になる。
(3)強化プラスチック製貼付け材が補強材の役割も果たすため外壁、特に、ガラス板又は樹脂板の補強になり耐震性が向上する。
【0010】
本件出願の請求項2記載の外壁構造は、強化プラスチック製貼付け材を貼り付けた多数の部分カーテンウォールを組み合わせて形成したので次のような効果がある。
(1)多数の部分カーテンウォールを組み合わせるだけで強化プラスチック製貼付け材が貼り付けられた外壁(カーテンウォール)となるため、外壁完成後に強化プラスチック製の貼付け材を貼り付ける必要がなく施工が容易になる。
(2)多数の部分カーテンウォールをそれらの強化プラスチック製貼付け材同士が連続するように組み合わせれば、帯状或はテープ状又は面状の強化プラスチック製貼付け材が建物の外壁に巻きついたような外観になり斬新なデザインの建物となる。
【0011】
本件出願の請求項3記載の部分カーテンウォールは、建物の外壁の部分枠内にガラス板又は樹脂板を嵌めこみ、そのガラス又は樹脂板に、或は、ガラス又は樹脂板と部分枠に強化プラスチック製貼付け材を貼り付けてあるため、多数の部分カーテンウォールを組み合わせるだけで強化プラスチック製貼付け材が貼り付けられた外壁が完成する。
【0012】
本件出願の請求項4記載の外壁用強化プラスチック製貼付け材が帯状或はテープ状又は面状であるため次のような効果がある。
(1)既存或は新築の建物の外壁や部分カーテンウォールに接着剤で貼り付けるだけで建物の外壁の外観を変化させることができる。
(2)建物の外壁や部分カーテンウォールのガラス板又は樹脂板に貼り付ければガラス板又は樹脂板が破損してもそれらの破片が飛散しないようにすることができ、安全性が向上する。
(3)二以上の外壁枠とガラス板又は樹脂板に跨がせて貼り付ければ、外壁枠とガラス板又は樹脂板との連結が強化されそれらの耐震性も向上する。
(4)強化プラスチック製であるため強度に優れる。
(5)各種色彩に着色しておけば貼り付ける強化プラスチック製貼付け材の色の組み合わせによりカラフルで変化に富んだ外壁を提供することができる。
(6)紫外線の侵入を阻止したい建物、例えば、電話ボックス等に貼り付ければ紫外線の侵入を防止することができる。
(7)強化プラスチック製貼付け材を帯状或はテープ状又は面状とし、しかも長方形、円形、楕円形、ハート形、菱形、星形、花の形状、動物の形状等の任意の面状形状にしたりそれら形状を連続させたテープ状や帯状にすれば、それらをカーテンウォールや部分カーテンウォールに貼り付けるだけでカーテンウォールを装飾でき、斬新で、変化に飛んだデザインのカーテンウォールにすることができる。
【0013】
本件出願の請求項5記載の外壁用強化プラスチック製貼付け材は、帯状或はテープ状又は面状の強化プラスチックの表・裏両面又は片面に強化プラスチックの繊維と同じ材質の繊維或は異なる材質製の繊維が接着されているので、前記した各種効果に加えて、表面に含ませた繊維の質感も表現され、含ませる繊維の材質や色等を変えることにより夫々の種材の質感、色彩の外壁を表現することができ、外壁に変化をもたせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(建物の外壁構造の実施形態1)
本発明の建物の外壁構造の実施形態の一例を図1〜図5に基づいて説明する。図1に示す建物は高層建築物の場合である。この建築物は多数本の長尺な縦外壁材(方立:マリオン)1と多数本の長尺な横外壁材(サッシ)2で囲まれた多数の外壁枠3内にガラス板又は樹脂板4を嵌め込んで外壁(ガラスカーテンウォール)5を形成し、そのガラス板又は樹脂板4と外壁5に帯状の強化プラスチック製貼付け材6を多数本貼り付けて、建物の外面に強化プラスチック製貼付け材6を巻きつけたイメージの外観(デザイン)にしたものである。強化プラスチック製貼付け材6はプラスチックに炭素繊維を含んだFRPとすることができる。強化プラスチック製貼付け材6はそのプラスチックと同系のプラスチック接着剤でガラス板や樹脂板4、外壁材1に貼り付けることができる。貼り付け方向は平行、交差方向といったように任意にすることができ、また、二本以上を並べたり重ねたりして貼り付けることもできる。図1の実施形態では角型のビルの外壁に強化プラスチック製貼付け材6を貼りつけてあるが、建物全体の外観を繭形とかラグビーボールのような縦長球形にすると糸が巻きついた繭のような外観の建物にすることができる。前記ガラス板又は樹脂板4には破損しにくい強化ガラスを用いるのが望ましい。ガラス板又は樹脂板4は間隔をあけて二枚配置した高断熱複層構造としてある。ガラス板又は樹脂板4には防弾構造、強化構造といった所望構造のものを使用することができる。前記強化プラスチック製貼付け材6は外壁5の二以上のガラス板又は樹脂板4と二以上の外壁枠3に跨がせて貼り付けることも、外壁枠3には貼り付けずに個々の外壁枠3内のガラス板又は樹脂板4にだけ貼り付けることもできる。外壁5に貼り付ける多数本の強化プラスチック製貼付け材6は色違いのものを使用すると外壁5がカラフルになり変化に富んだ建物となる。
【0015】
本発明の外壁5の多数本の縦外壁材1、横外壁材2、それらで囲まれた外壁枠3の構造や外壁枠3内へのガラス板又は樹脂板4の嵌め込み構造等は既存のガラスカーテンウォールと同じ構造或は異なる構造とすることができる。その一例を図3〜図5に示す。図3に示すものは建物の床部分(図3のX部分及び図4)、天井部分(図3のY部分及び図5)へのガラス板4の取り付け構造である。
【0016】
図4に床部分の構造を示す。図4では鋼材製の桟(桁)21(図3)の外側に桟取付け金具22が取り付けられ、その取付け金具22の上に床材20が配置固定され、床材20の下に取り付けられた床取付け金具23にボルト24a及びナット24bにより横外壁材(アルミサッシ)2が取り付けられ、横外壁材2の外側に縦外壁材(方立:マリオン)1が配置され、横外壁材2の外側突出部25の上下にクッション材26が配置され、その上下にスペーサ30を挟んでガラス板4が二枚間隔を開けて配置され、夫々のガラス板4の外側にシーリング材27が配置され、外側突出部25の外側にカバー28を被せ、前記カバー28とシーリング材27と外側のガラス板4の外側に形成されるコーナー部分に断面形状三角形のバックアップ材(ガスケット)29が配置され、前記カバー28とバックアップ材29の外側からガラス板又は樹脂板4に強化プラスチック製貼付け材6を貼り付けてある。前記クッション材26はアルミ製の外側突出部25へのガラス板又は樹脂板4の直接接触を防止してガラス板又は樹脂板4を保護するものであり、前記シーリング材27は外部からの水、塵芥の進入を防止するものであり、前記バックアップ材29はカバー28の外面と外側のガラス板又は樹脂板4の外面との段差を緩やかにして強化プラスチック製貼付け材6を貼り付け易くするためのものである。
【0017】
図5に天井部分の構造を示す。図5では鋼材製の梁32の外側に取付け金具33が取り付けられ、その取付け金具33の外側にボルト34a及びナット34bにより横外壁材(アルミサッシ)2が取り付けられ、横外壁材2の外側に縦外壁材(方立:マリオン)1が配置され、横外壁材2の外側突出部35の上下にクッション材36が配置され、その上下にスペーサ30を挟んでガラス板又は樹脂板4が二枚間隔をあけて配置され、夫々のガラス板又は樹脂板4の外側にシーリング材37が配置され、前記外側突出部35とシーリング材37と外側のガラス板4で形成されるコーナー部分に断面形状三角形のバックアップ材(ガスケット)38が配置され、前記外側突出部35とバックアップ材38の外側からガラス板又は樹脂板4に強化プラスチック製貼付け材6を貼り付けてある。前記クッション材36もアルミ製の外側突出部35へのガラス板又は樹脂板4の直接接触を阻止してガラス板4を保護するものであり、前記シーリング材37も外部からの水、塵芥の進入を防止するものであり、前記バックアップ材38は外側突出部35の外面と外側のガラス板4の外面との段差を緩やかにして強化プラスチック製貼付け材6を貼り付け易くするためのものである。
【0018】
(建物の外壁構造の実施形態2)
この実施形態は建物の外壁(カーテンウォール)の一部を構成する外壁用部分カーテンウォール40を多数、縦横に組み合わせて連結して図6のような外壁(ガラスカーテンウオール)を形成したものである。外壁用部分カーテンウォール40には各種構造のものがあり、一例として図7(a)に示すものは上下の枠材41と左右の枠材42を組み合わせて方形に成形した部分枠43内に2枚のガラス板又は樹脂板4が間隔をあけて嵌め込まれて二層構造になっており、そのガラス板又は樹脂板4に強化プラスチック製貼付け材6が貼り付けられている。この場合、強化プラスチック製貼付け材6は上下の枠材41或は左右の枠材42の上まで貼り付けてもよい。また図7(b)に示す外壁用部分カーテンウォール40は上下の枠材41間に二枚のガラス板又は樹脂板4が間隔をあけて嵌め込まれて二層構造になっており、そのガラス板又は樹脂板4に強化プラスチック製貼付け材6を貼り付けてある。この場合も強化プラスチック製貼付け材6はガラス板又は樹脂板4だけでなく上下の枠材41の上まで貼り付けることができる。強化プラスチック製貼付け材6はそのプラスチックと同系のプラスチック接着剤で貼り付けることができる。外壁用プレキャストブロック40は左右の枠材のみで形成されたブロック枠内にガラス板を二層構造に嵌め込み、そのガラス板又は樹脂板4に強化プラスチック製貼付け材6を貼り付けたものでもよい。いずれの場合も強化プラスチック製貼付け材6はガラス板又は樹脂板4のみ、或はガラス板又は樹脂板4から上下の枠材41或は左右の枠材42の上まで貼り付けることもできる。
【0019】
前記部分カーテンウォール40は既存の部分カーテンウォールと同様に組立てることができる。例えば、部分カーテンウォール40の部分枠43を建物の縦外壁材1や横外壁材2に取り付けるとか、部分枠43同士を直接連結するなど任意の連結構造とすることができる。いずれの組み立て構造の場合も組み立て後の部分カーテンウォール40の左右の枠材42は建物の外壁5の縦外壁材1となり上下の枠材41は建物の外壁5の横外壁材2となり、ガラス板又は樹脂板4は外壁5のガラス板又は樹脂板4となる。多数の部分カーテンウォール40を組み合わせて外壁5を形成する場合、隣接する部分カーテンウォール40の強化プラスチック製貼付け材6が連続するように組み合わせると多数の部分カーテンウォール40の強化プラスチック製貼付け材6が連続して見えて図1、図2、図6のように建物の外周に強化プラスチック製貼付け材6が巻き付けられた外観となる。部分カーテンウォール40は強化プラスチック製貼付け材6が連続しないように組み合わせることもできる。
【0020】
(建物の外壁構造の実施形態3)
外壁枠3とガラス板又は樹脂板4の間の継ぎ目に段差がなく外壁枠3とガラス板又は樹脂板4が面一の場合は図4、図5に示すバックアップ材29、38を省略して強化プラスチック製貼付け材6を貼り付けることができる。強化プラスチック製貼付け材6は外壁5の外面に限らず内面に貼り付けることもできる。強化プラスチック製貼付け材6は図に示すように一つの部分カーテンウォール40に複数本貼り付けることもできる。その場合の貼り付け方向は平行、交差方向といったように任意にすることができ、また、二本以上を並べたり重ねて貼り付けたりすることもできる。
【0021】
(外壁用強化プラスチック製貼付け材の実施形態1)
前記外壁5、部分カーテンウォール40に貼り付ける外壁用強化プラスチック製貼付け材6はプラスチックと強化材の複合品を帯状に成形したものであり、例えばプラスチックに不飽和ポリエステル樹脂を、強化繊維に炭素繊維を使用した炭素繊維強化プラスチック(FRP)が適する。強化繊維には、炭素繊維以外にも、ガラス繊維等を用いることもできる。図8に示すように、外壁用強化プラスチック製貼付け材6はFRP50だけでなく、その表・裏両面又は片面にガラス繊維以外の他の繊維51を接着剤で接着させたものとすることもできる。他の繊維51は例えば炭素繊維、絹糸、麻糸、樹脂製テグス等任意の繊維とすることができる。これら繊維51はFRP50の表面に露出した状態(繊維51が外部に出た状態)で接着することによりFRP50の表面に繊維51の質感を表現することができる。強化プラスチックは顔料で例えば黒、白、麻色、赤、青、黄、緑等、任意の色に着色したものとすることができる。強化プラスチック製貼付け材6のサイズは貼り付ける外壁5の面積に合わせて任意寸法とすることができるが一例としては厚さ1mm〜10数mm、幅10cm〜数10cm程度とすることができる。図示した外壁用強化プラスチック製貼付け材6は全長に亘って均一幅の帯状としてあるが、それとは別に波型の帯状としたり、長手方向に均一間隔或は不均一な間隔で正方形、長方形、円形、楕円形、ハート形、菱形、星形、花の形状、動物の形状、幾何学形状、記号といった各種形状のデザインを表現したものにすることもできる。この場合、同じ形状のものを帯状に連続させることも、異なるものを連続させることもできる。これら外壁用強化プラスチック製貼付け材6は前記各実施形態の外壁構造や部分カーテンウォール40に使用することができる。
【0022】
(強化プラスチック製貼付け材の実施形態2)
図示した外壁用強化プラスチック製貼付け材の形状は幅が均一な帯状であるが、他の形状、例えば、テープ状や面状とすることもできる。テープ状の場合は帯状の場合よりも幅を狭くする。面状の場合は例えば、2m×2m程度の正方形、1m×2m程度の長方形、或は円形、楕円形、ハート形、菱形、星形、花の形状、動物の形状等の任意形状にすることができる。これら強化プラスチック製貼付け材6も前記各実施形態の外壁構造や部分カーテンウォール40に使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明はガラスカーテンウォール構造の建物に限らず、他の形状や構造の外壁、或は任意形状、構造の部分カーテンウォールに使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の建物の外壁構造の実施形態の一例を示す建物の全体図。
【図2】図1に示す建物の外壁構造を示す正面図。
【図3】図1に示す建物の外壁構造を示す断面説明図。
【図4】図3に示す建物の外壁構造のX部分の拡大断面説明図。
【図5】図3に示す建物の外壁構造のY部分の拡大断面説明図。
【図6】本発明の建物の外壁構造の実施形態の一例を示す正面図。
【図7】(a)は、本発明の部分カーテンウォールの実施形態の一例を示す正面図。(b)は、(a)に示す部分カーテンウォールの他の形態を示す正面図。
【図8】本発明の外壁用強化プラスチック製貼付け材の実施形態の一例を示す断面説明図。
【符号の説明】
【0025】
1 縦外壁材
2 横外壁材
3 外壁枠
4 ガラス板又は樹脂板
5 外壁
6 強化プラスチック製貼付け材
7 外壁枠
40 部分カーテンウォール
41 上下の枠材
42 左右の枠材
43 部分枠


【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた建物の外壁において、その外壁のガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と外壁枠に強化プラスチック製の貼付け材を貼り付けたことを特徴とする建物の外壁構造。
【請求項2】
建物の外壁枠の一部を構成する部分枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた部分カーテンウォールを組み合わせて形成された建物の外壁構造において、部分カーテンウォールのガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と外壁枠に強化プラスチック製の貼付け材が貼り付けられ、多数の部分カーテンウォールがその貼付け材が連続するように又は連続しないように組み合わされたことを特徴とする建物の外壁構造。
【請求項3】
建物の外壁枠の一部を構成する部分枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた部分カーテンウォールにおいて、そのガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と部分枠に強化プラスチック製の貼付け材が貼り付けられたことを特徴とする部分カーテンウォール。
【請求項4】
外壁枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた建物の外壁、又は建物の外壁枠の一部を構成する部分枠内にガラス板又は樹脂板が嵌め込まれた部分カーテンウォールのガラス板又は樹脂板に、或は、ガラス板又は樹脂板と部分枠に貼り付け可能な貼付け材であり、その貼付け材が強化プラスチック製の帯状又はテープ状又は面状であることを特徴とする外壁用強化プラスチック製貼付け材。
【請求項5】
請求項4記載の外壁用強化プラスチック製貼付け材において、帯状又はテープ状又は面状の強化プラスチックが繊維とプラスチックとの複合材であり、その帯状又はテープ状又は面状の強化プラスチックの表・裏両面又は片面に強化プラスチックの繊維と同じ又は異なる材質製の繊維が接着されたことを特徴とする外壁用強化プラスチック製貼付け材。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−270430(P2007−270430A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−93835(P2006−93835)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【特許番号】特許第3892475号(P3892475)
【特許公報発行日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(306008388)
【Fターム(参考)】