説明

ピンバッジをボタン代わりに取付けられるシャツ

【目的】 本発明は、装飾効果のあるピンバッジをトップボタンの代わりに止められるシャツに関し、首回りにネクタイやスカーフをしなくても衿元に華やかさを際立たせることができるようにしたものである。
【構成】
シャツ本体(1)のトップボタンの取付位置と、これに対峙するボタン穴(5)の内側寄りにピンバッジ(8)のピン(9)が挿通できるようにそれぞれピンホール(4)・(5)を設け、当該シャツ本体のピンホールの裏面にピン受け台座を覆う保護布片(7)を取付け、トップボタン穴位置とボタン取付位置のピンホール(4)・(5)に挿通してシャツ本体(1)の裏側で受けるピン受け台座(10)を保護布(7)で覆うようにした構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装飾効果のあるピンバッジを最上部ボタンの代わりに止められるシャツに関し、首回りにネクタイやスカーフをしなくても衿元に華やかさを際だたせることができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
一般にワイシャツ、カッターシャツ、ブラウス、開襟シャツ(開襟シャツ、アロハシャツ類)等の各シャツのボタンは、最上部から最下部まで同じ形状と同じ質で統一されているのが普通である。
ところで、従来からもシャツの最上部のボタン留め位置にファッション性を持たせたり、アクセントを付けることが行われている。
【特許文献1】特開2007− 7349号公開公報
【特許文献2】実開平07 −002403号公開公報
【特許文献3】実用新案登録第3110691号公報
【0003】
特許文献1は、襟元ピンに関し、シャツボタン最上部のボタン穴を利用して装身具となる留め具で通常のボタン代わりにしている。
特許文献2は、シャツの止め具に関し、襟元のボタンの代わりに雄と雌のベルクロテープ(登録商標)で止着するシャツである。
特許文献3は、衣服に関し、最上部のボタン取付位置とボタン穴位置の内側に鉤ホックを取り付けた衣服である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の特許文献1〜3の発明にあっては、いずれも、本来のボタン穴とボタンの位置での止め方ではない。その理由は、衿元を開けてもその衿元が乱れないようにすることと衿元の簡易な着脱を狙いとしていることによる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明は、従来の課題を解決し、且つ発明の目的を達成するようにした。
【0006】
本発明の第1はピンバッジをボタン代わりに取付けられるシャツにおいて、シャツ本体のトップボタンの取付位置と、これに対峙するボタン穴の内側寄りにピンバッジのピンが挿通できるようにそれぞれピンホールを設け、当該シャツ本体のピンホールの裏面にピン受け台座用の保護布片を取付け、トップボタン穴位置とボタン取付位置のピンホールに挿通してシャツ本体の裏側で受けるピン受け台座を保護布で覆うようにしたものである。
【0007】
本発明の第2はピンバッジをボタン代わりに取付けられるシャツにおいて、開襟シャツ本体の第2ボタン取付位置及びこれに対峙するボタン穴に相当する位置にピンバッジのピンが挿通できるようにそれぞれピンホールを形成し、且つボタン穴側のピンホールの中心と当該ボタン穴より下位の縦長ボタン穴の中心を同一線上に合わせ、シャツ本体のボタン取付側ピンホールの裏面にピン受け台座保護布片を取付け、ピンバッジのピンをボタン穴位置とボタン取付位置のピンホールに挿通してシャツ本体の裏側で受けるピン受け台座を保護布片で覆うようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上記の構成であるから、次のような効果がある。すなわち、ワイシャツやブラウスの最上部の通常のボタン位置にピンバッジを刺し込んで装着できることにより、当該ボタン部位が位置ずれすることなく、軽い盛装ができるとともに軽装の中にも優雅さを発揮させることができる。
また、そのピンバッジをシャツの最上部のトップボタン位置に装着したときに当該ピンを受けるピン受け台座をシャツの裏側の隠れ布地で包むようにしてあるので直接肌に触れることなく違和感は生じない。
そして、ネクタイやスカーフを衿元に巻かなくても衿元や胸元付近を好みのピンバッジの装着で着飾ることができる。
続いて、ネクタイを好まない人や、ネクタイ愛好家の気分転換に役立つし、ワイシャツや、ブラウス及び開襟シャツ等の固定観念を変えることができる。
この場合、予め複数のピンバッジを携帯してもネクタイやスカーフのように嵩張らないので、人の集まる屋外の場所又は屋内会場や雰囲気等に応じて適宜に且つ素早く装着したり、交換して付け直すことができる。また、万一紛失したときにも予備のピンバッジを用意しておくことにより即座に付け替えの対応
ができる。
さらに、シャツ類へのピンバッジの着用促進が図れる。特にブラウスを着用した女性の清楚さと美を再認識される。そして、胸元が広い開襟シャツの着用時には、周囲の視線をピンバッジに移行させる効果も発揮する。しかも各種ピンバッジのデザインの多様化と販売の拡大化が図れる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、シャツ本体のトップボタン取付位置及びこれに対峙するボタン穴に相当する位置にピンバッジのピンが挿入できるピンホールを形成し、そのピンホールの中心と第2ボタン縦孔の中心を同一線上に合わせ、シャツ本体のボタン取付け側ピンホールの裏面にピン受け台座保護布片を取付け、ピンバッジのピンをボタン穴位置とボタン取付位置のピンホールに差し込んでシャツ本体の裏側で受けるピン受け台座を保護布片で覆うようにする。
【実施例】
【0010】
次に、本発明の実施例を図面に従って説明する。図において、1はシャツ本体であり、ワイシャツやカッターシャツ(図1)、ブラウス(図5)、開襟シャツ(図6)等任意である。2はシャツの衿、3は衿台、4はシャツ本体1の前身頃におけるトップ(最上部)のボタンの取付け位置に形成したピンバッジのピンを挿入するピンホール、5は当該ピンホール4に対峙する横長のボタン穴5′の内側寄りの位置に設けたピンバッジのピンを挿入するピンホールであり、そのピンホール5の中心と第2ボタン縦長の穴6の中心を同一線上に位置するように設定する。この場合、前記のボタン穴5′の内側寄りを糸tで縫い付けてピンホール5をボタン穴5′と分断しておくことができる(図3)。または、ボタン穴5′の位置に穴を開けずにしておき、その未開の穴位置5"の内側寄りにだけピンホール5を開けることもできる(図4)。前記の横ボタン穴5′の長さLを既存の長さの4分の3程度に設定することを可とする(図3、図4)。これによって短くした分ピンバッジを装着したときに当該ボタン穴のずれが目立たなくなる。
【0011】
7はシャツ本体1のボタン取付側ピンホール2の裏面に縫着して取り付けたピン受け台座の保護布、8はピンバッジ、9はピンバッジのピンであり、シャツの生地を4〜5枚程度重ねて刺し通せる長さであれば良く、なるべく短め(例えば10mm以下)に設定する。10はピン9を掴持する受け台座であり、できる限り厚さを薄く成形してある。図1において、11はシャツ本体1の右身頃12に設けた第2以下のボタン、12は左身頃11に設けたポケットを示す。
【0012】
「具体的な着用例1」
上記実施例のもとに図1、図2及び図8〜図13のワイシャツやカッターシャツの襟台の両端部に設けてあるトップボタン位置にピンバッジ8を装着する場合について説明する。
【0013】
まず、シャツ本体1のトップボタンの取付位置にピンバッジのピン挿通用のピンホール2を形成してある。そして、これに対峙するトップの横長ボタン穴5′の内側寄りにピンバッジ8のピン挿通用のピンホール4を形成してある。
前記のピンホール4の裏側にはピンバッジ8のピン受け台座10の保護布片7が縫着されていて、ピンバッジ8を装着したときにそのピン受け台座10が肌に直接触れるのを防いでいる。
【0014】
図5は女性用ブラウスにピンバッジ8を装着する場合を示し、ピンバッジのそれぞれのピンホール4・5の位置やピン受け座10の保護布片7の縫着位置等は1・2図のワイシャツの場合と同じである。なお、当該女性用ブラウスにあっては、男性用ワイシャツと異なり、前身頃1′の左身頃11と右身頃12の重なり合う上下位置が逆になっている。そのため、ボタン取付位置とボタン穴の位置も男性用ワイシャツ等とは反対になる。
【0015】
図6は女性用の開襟シャツにピンバッジ8を装着する場合を示し、ピンバッジ8の各ピンホール4・5の位置やピン受け座10の保護布片7の縫着位置等は1〜3図のワイシャツの場合と同じである。なお、開襟シャツの場合は、前見頃1′の左右上部が衿台2と共に外側に開いているのでトップボタン穴位置に穴が開いていてもそのボタン穴にはボタン掛けしないため、第2ボタン穴及び第2ボタンの位置に前見頃の右身頃12と左身頃11にそれぞれピンホール4・5を設ける。この場合、ピンホールを有するボタン穴より下位のボタン穴(第3ボタン穴に相当)の位置にはピンホールを設けないで、既存のボタン穴6を利用することが可能である。または、既存の縦長のボタン穴6の長さ方向を未開の穴にしておき、その中央部に長さの短い穴6′をあけておく(図6)と、ピンバッジ8を装着したときのずれに対応することができる。なお、図に省略したが、既存のボタン穴6が横長に設けられていることもあるが、この場合も図6のようにしておくことができる。
なお、同図の女性用開襟シャツの場合も、男性用ワイシャツと異なり、前身頃1′の左身頃11と右身頃12の重なり合う上下位置が逆になっている。
【0016】
図8〜図12はシャツ本体1の裏側に縫着したピンバッジ8のピン受け座10の保護布片7であり、これによって、ピンバッジ8を装着したときにピン受け座10が直接肌に触れることを防いでいる。その保護布片の縫着は下辺又は側辺等任意である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本願発明をワイシャツに適用した第1実施例の正面図。
【図2】図1のワイシャツのトップボタン取付位置のピンホール及びボタン穴とピンホールの関係を示す拡大正面図。
【図3】図2のシャツのボタン穴とそのボタン穴部におけるピンホールの拡大図。
【図4】図3の変形例を示す拡大図。
【図5】本願発明の女性用ブラウスに適用した第2実施例の正面図。
【図6】本願発明の女性用開襟シャツに適用した第3実施例の正面図。
【図7】図6のピンバッジを装着するボタン穴の拡大図。
【図8】図1のボタン取付位置におけるピンホールの裏側に縫着した保護布片の正面図。
【図9】図8の9−9線に沿う断面図。
【図10】図8の保護布片の変形例を示す正面図。
【図11】図4のピンバッジの装着状態を示す拡大正面図。
【図12】図11の12−12線の断面図。
【符号の説明】
【0018】
1……シャツ本体
1′…前身頃
2……衿台
3……衿
4……シャツ本体のトップボタン取付位置におけるピンバッジ用ピンホール
5……シャツ本体のトップボタン穴の内側に位置するピンバッジ用ピンホール
5′…既存のトップボタン横長穴
6……ボタン穴
7……ピン受け台座の保護布
8……ピンバッジ
9……ピンバッジのピン
10……ピンバッジのピン受け座
11……ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャツ本体(1)のトップボタンの取付位置と、これに対峙するボタン穴(5′)の内側寄りにピンバッジ(8)のピン(9)が挿通できるようにそれぞれピンホール(4)・(5)を設け、当該シャツ本体のピンホールの裏面にピン受け台座用の保護布片(7)を取付け、トップボタン穴位置とボタン取付位置のピンホール(4)・(5)に挿通してシャツ本体(1)の裏側で受けるピン受け台座(10)を保護布(7)で覆うようにしたことを特徴とするピンバッジをボタン代わりに取付けられるシャツ。
【請求項2】
開襟シャツ本体(1)の第2ボタン取付位置及びこれに対峙するボタン穴(5′)に相当する位置にピンバッジ(8)のピン(9)が挿通できるようにそれぞれピンホール(4)・(5)を形成し、且つボタン穴(5′)側のピンホール(5)の中心と当該ボタン穴(5′)より下位のボタン穴(6)の中心を同一線上に合わせ、シャツ本体(1)のボタン取付側ピンホール(4)の裏面にピン受け台座用保護布片(7)を取付け、ピンバッジのピン(9)をボタン穴位置とボタン取付位置のピンホール(4)・(5)に刺し通してシャツ本体(1)の裏側で受けるピン受け台座(10)を保護布片(7)で覆うようにしたことを特徴とするピンバッジをボタン代わりに取付けられるシャツ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2009−249749(P2009−249749A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−96528(P2008−96528)
【出願日】平成20年4月2日(2008.4.2)
【出願人】(308009082)