説明

ファイル共有装置

【課題】 ファイル共有装置に関するものであり、従来のこの種装置は電話との連携がなかった。
【解決手段】 電話機と端末を所有する複数のユーザに、予め電話機と端末に対応づけて電話番号とユーザIDをそれぞれ割り当てておき、該電話機に対応づけられた電話番号よりユーザと端末を特定できるデータを含むユーザ管理ファイルを収納した管理ファイルメモリと、一方の電話機から他の一方の電話機に発信があったときに発信番号と着信番号を交換機より受け取る発着信番号受信手段と、上記交換機より受けた上記発信番号と着信番号に基づいて、上記ユーザ管理ファイルを参照して発信者と着信者を特定するファイル分析手段と、特定された着信者のファイルより発信者に関連あるファイルを検索して着信者に転送する検索手段とを備えた構成とする。これによって、着信者側は少ない手数で目的とするファイルを入手することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はファイル共有装置に関し、特に、電話と連携したファイル共有装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】パソコン、ワープロ等の端末で使用するファイルは1個人のみの使用でない場合が多いことから、各端末で共有して使用できるようにファイル共有装置のメモリに収納されることがなされる。
【0003】図7は従来から用いられているファイル共有装置の一例を示すブロック図である。ユーザU1の端末M1又はユーザU2の端末M2よりネットワークNと端末インターフェイス300を介してファイル共有装置の制御手段100を起動する。これにより制御手段100は上記端末M1(又は端末M2)より入力されたID番号とパスワードよりユーザ管理ファイル201を参照してユーザの特定をし、ユーザ指定のファイルを読み出すようにしている。
【0004】また、端末M1より他の端末M2へ、あるいは端末M2から端末M1へネットワークNを介して直接情報を伝送することができるようにもなっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のシステムによると、ユーザU1が使用する端末M1あるいはユーザU2が使用する端末M2とファイル共有装置200が接続されたとしても、該接続はユーザU1,U2が使用する電話機T1,T2との連携が全くない状態で接続される。
【0006】ところが、特定のファイルの内容について電話機T1の発信者(ユーザU1)が電話機T2の受信者(ユーザU2)に伝達しようとしても、受信者(ユーザU2)が端末M2を立上げて関連するファイルをファイル共有装置200よりを読み出し、画面に上記関連するファイルを表示しない限り、上記伝達事項が充分に伝わらない場合がある。しかしながら、端末M2を立ち上げてからファイル共有装置200をアクセスして目的とするファイルを画面に表示する迄に非常に時間がかかり、わずらわしさを伴うことになる。
【0007】本発明は上記従来の事情に鑑みて提案されたものであって、電話システムとファイル共有装置とを関連付けることによって、電話着信者が必要とするファイルを着信者の端末に迅速に表示することができるファイル共有装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために以下の手段を採用している。すなわち、図1に示す構成を採用している。すなわち、まず、複数のユーザに、電話機と端末に対応づけて電話番号とユーザIDが割り当てられた状態に形成しておく。また、管理ファイルメモリ50には、電話番号よりユーザと端末を特定できるデータを含むユーザ管理ファイルFmを収納しておく。
【0009】この状況下で、共有ファイル装置の制御手段100の発着信番号受信手段10には、一方の電話機から他の一方の電話機に発信があったときに発信番号と着信番号を交換機400より受け取る機能を備えさせる。
【0010】上記交換機400より受けた上記発信番号と着信番号に基づいて、ファイル解析手段20が、上記ユーザ管理ファイルFmを参照して発信者と着信者を特定するようにし、検索手段30は、このように特定された、着信者のファイルより発信者に関連あるファイルを検索して着信者に転送するようになっている。
【0011】上記ユーザ管理ファイルFmには特定のユーザファイルを検索する順序を特定できるデータを含むようにしておき、また、上記ユーザファイルには他のユーザに関連ある内容をその属性部分に含ませておき、上記ファイル検索に際して該属性部分を参照して発信者に関連あるファイルを検索する構成とすることができる。
【0012】
【実施の態様】図2は本発明の概要を示すブロック図である。以下に詳しく説明するように電話システムを制御する交換機400とファイル共有装置200の制御手段100が関連付けられる一方、ユーザーU1と端末M1、電話T1、及びユーザーU2と端末M2,電話T2が対応付けられている。
【0013】図3は上記制御手段100の一実施例ブロック図、図4は本発明のタイムチャートである。ユーザU1の電話機T1からユーザU2の電話機T2に発信があったときであって、交換機400が呼設定を確認したとき(双方の電話機がオフフックの状態になったとき)、の制御手段100の発着信番号受信手段10が上記交換機400の呼設定メモリに書き込まれた発着信者の電話番号を受け取るようになっている(図4、ステップS1→S2→S3)。
【0014】一方、ファイル共有装置200の管理ファイルメモリ50には表1に示すようなデータ構造のユーザ管理ファイルFmが収納されており、上記制御手段100のファイル分析手段20は、上記のように発着信番号受信手段10が発着信者の電話番号を受け取った時点で、管理ファイルメモリ50よりユーザ管理ファイルFmを要求して発信者、着信者の特定を行う(図4、ステップS4)。
【0015】
【表1】


【0016】
【表2】


【0017】上記ユーザ管理ファイルFmは以下のような基準で作成される。すなわち、上記したように特定のユーザに対して特定の電話機と特定の端末を割り当てておく。この状態で、ユーザ管理ファイルには電話番号(d) とともにユーザを特定するためのユーザID(a) が書き込まれている。また、ユーザが端末からセッションを開くために用いるパスワード(c) あるいはユーザ専用のディレクトリであるホームディレクトリ(e) の名称が書き込まれている。
【0018】この状態で上記のように発着信番号受信手段10が上記のようにユーザU1(発信者)及びユーザU2(着信者)の電話番号を入手すると、ファイル分析手段20を構成するユーザ特定手段21がユーザ管理ファイルFmを参照し、ユーザID(a) とパスワード(c) よりユーザの特定を行うことになる。
【0019】このように発信側、着信側のユーザが特定されると、次いでファイル特定手段22が起動する。このファイル特定手段22は、まずディレクトレリの検索順序を認識する。すなわち、ユーザU2が使用しているディレクトリの中、検索の対象となるディレクトリを検索ディレクトリ(f) の項目で指示するとともに、この項目の記載順に検索することになる。
【0020】尚、検索ディレクトリ(f) の中に「ユーザ指定ディレクトリ」があるときには、ユーザ指定ディレクトリ(k) の項目に予め指定ディレクトリを書き込んでおく。このようにディレクトリが決定すると、該ディレクトリ中のファイルを検索する。
【0021】このファイルを検索するについても、優先順位が設けられる。すなわち、検索方法(g) の項目に記入されている順にファイルを検索する。ここで、「関連するユーザ属性」とは表2に示す、ユーザU1のファイルに付随して該ファイルの属性として記載されている事項であり、「内容にユーザIDを含む」とはファイル内にユーザU1のIDを含んでいる場合を示し、「内容に実名を含む」とはファイル内にユーザU1の実名を含んでいる場合を示している。
【0022】但し、上記検索はファイルに対して行われるのみでなく、ディレクトリに対しても行われ、従って、検索の結果はディレクトリとファイルが混在することになる。また、通常複数のディレクトリとファイルが検索されることになるが、最初に検出されたファイル(ディレクトリ)あるいは最新の日時に作成されたファイルを検索結果とする旨、該当ファイル複数時処理(h) の項目に指定をして、一つのみのファイル名(又はディレクトリ名)を抽出することもできる。
【0023】このときの日時の指定は表2のファイル属性に示す更新日時(d) である。このようにして1つ、あるいは複数のファイル又はディレクトリが抽出されると、ファイルあるいはディレクトリのタイトルのみのリストが送受信手段40よりユーザーU2の端末M2に転送され表示されることになる(図4、ステップS5→S6)。
【0024】図5は上記ファイル共有装置200の制御手段100の動作と対応するユーザU2の端末M2の機能ブロック図を示すものであり、図6はその動作手順を示すフロー図である。
【0025】まず、ユーザU2の端末M2は作動可能な状態になっていることが前提となる。例えば、あるプログラムの元でオペレータが作業をしている状況下で、ファイル共有装置200より上記のように表示データが転送されたときには、転送判別手段31がその旨判断し、強制的に、あるいはオペレータの指示によって割込処理手段32が作動して、今まで作動していたプログラムを待機状態とする(図6、ステップF1→F2)。
【0026】次いで、伝送されてきた表示依頼の内容をデータ種判別手段33で判別する(図6、ステップF3)。ここで、依頼内容がタイトル表示依頼であるときには上記ファイル共有装置で選択されたディレクトリあるいはファイルのタイトルを表示手段70に選択画面71として表示する。ファイル共有装置で選択されたタイトルが1つであっても、当然ここで表示され、これを受けてオペレータがその中の一つを選択できるようになっている(図6、ステップF3→F4)。
【0027】ここで、オペレータが上記選択画面71に表示されたタイトルの中の1つを選択すると、操作判別手段35がオペレータの操作があった旨の判断をし、次いで、上記選択されたのがファイル名かディレクトリ名かをファイル/ディレクトリ判別手段36で判別する(図6、ステップF5→F6)。ここで選択されたのがディレクトリ名であるときは、上記ディレクトリに含まれるファイル名を表示手段70に選択画面73として表示することになる。
【0028】上記選択画面71、73(ステップF4、F7)でファイル名が選択されたときには、再びステップF1→F5→F6と進行し、該F6のステップでファイル名選択であると判断して、次に転送手段37が起動してファイル名転送のステップ(図6、ステップF8又は図4、ステップS7)に移行する。これによって制御手段100の送受信手段40に上記オペレータによって検索されたファイル名が転送される。制御手段100側ではこのように転送されたファイル名と先に検索手段30で選択されたファイル名を照合し、一致するファイルの内容を送受信手段40を介して端末M2に転送する。これによって上記検索手段30によってファイルメモリ60より検索されたファイルの中、上記選択画面71、73より選択されたファイルがユーザU2の端末M2に転送される(図4、ステップS8)。この転送を受けて、表示手段70ではファイルの内容が表示されることになる(図6、ステップF9)。
【0029】これによって、発信者に関連のあるファイルが、着信者の少ない操作で着信者の端末M2に表示されることになり、以後この画面を参照して発信者(ユーザU1)と着信者(ユーザU2)とが円滑に話を進めることができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は電話とファイル共有装置が連携するようになっているので、着信者の少ない操作で発信者に関連のあるファイルを検索表示することができる効果があり、商談等が円滑に進むことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理図である。
【図2】本発明の概要を示すブロック図である。
【図3】制御手段の一実施例ブロック図である。
【図4】本発明のタイムチャートである。
【図5】端末の機能ブロック図である。
【図6】動作手順を示すフロー図である。
【図7】従来のファイル共有装置の一例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 発着信番号受信手段
20 ファイル分析手段
30 ファイル検索手段
50 管理ファイルメモリ
400 交換機
Fm ユーザ管理ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電話機と端末を所有する複数のユーザに、予め電話機と端末に対応づけて電話番号とユーザIDをそれぞれ割り当てておき、該電話機に対応づけられた電話番号よりユーザと端末を特定できるデータを含むユーザ管理ファイルを収納した管理ファイルメモリと、一方の電話機から他の一方の電話機に発信があったときに発信番号と着信番号を交換機より受け取る発着信番号受信手段と、上記交換機より受けた上記発信番号と着信番号に基づいて、上記ユーザ管理ファイルを参照して発信者と着信者を特定するファイル分析手段と、特定された着信者のファイルより発信者に関連あるファイルを検索して着信者に転送する検索手段と、を備えたことを特徴とするファイル共有装置。
【請求項2】 上記ユーザ管理ファイルに特定のユーザファイルを検索する順序を特定できるデータを含む請求項1に記載のファイル共有装置。
【請求項3】 他のユーザに関連ある内容をファイルの属性部分に含ませておき、上記ファイル検索に際して該属性部分を参照して発信者に関連あるファイルを検索する請求項1に記載のファイル共有装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図7】
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【図5】
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【図6】
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