説明

ファウンテン溶液の汚れを低減した、ゴーストのないインキング方法、装置、およびシステム

【課題】デジタル・リソグラフ・オフセット印刷システムで用いるインキング・システムを提供する。
【解決手段】デジタル・オフセット・インキング・システムが、インク供給部130と、軟質転写ロール105と、硬質フォームロール107と、を含んでいる。デジタルイメージング部材115にインクを転写した後に残ったインクとファウンテン溶液とを硬質フォームロール107の表面から除去するクリーニングブレード120を備える。ファウンテン溶液除去システム125がインクを処理して、インクからファウンテン溶液を取り除く。処理されたインクをインキングシステムに再供給して、デジタルイメージング部材115に転写する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示は、デジタルオフセット印刷に関する。特に、開示は、デジタル・リソグラフ・オフセット印刷システムで用いるインキング方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
関連技術のデジタル・オフセット・リソグラフ印刷システムでは、湿し水システムが、デジタルオフセット印刷版の表面上にファウンテン溶液の薄層を塗布する。その後、画像システムが、高出力レーザを用いて画像領域内のファウンテン溶液膜を蒸発させる。デジタルオフセット印刷版の表面上に潜像を形成する。潜像は、塗布されたファウンテン溶液の蒸発後に残ったパターンに対応している。
【0003】
イメージングプレートの表面層全体を覆ってインクの均一層を塗布するためにインキングシステムを使用してもよい。通常、イメージングプレート上にインクを転写するにつれて、印字機フォームロールからのインクを使い果たす。潜像を含むイメージングプレートの一部分がインキングシステムを通るとき、蒸発によりファウンテン溶液が除去された画像領域上にインクが付着したり、または現像されたりする。
【0004】
フォームロールからのインクは、インク転写時に、フォームロール上にいくらかのインクを残しながら画像ドラム上に分割されてもよい。フォームロール上へのインクの定量時には、フォームロール上のすべての領域を同じ厚さのインクで覆うわけではない。インク層が一様ではなく、画像印刷において対応する領域の色を薄くさせるような薄いインク層の領域を有している場合に、ゴーストが発生する可能性がある。さらに、ゴースト発生は、デジタル・イメージング・プレートにインク転写した後に、フォームロール上に残った陰画から生じる可能性がある。後続のインクがフォームロールからイメージングプレートに転写した後、陰画インクの厚さパターンが蓄積する。
【0005】
フォームロールからイメージングプレートへのインク転写の後に、インク画像はプレキュア処理を受けて、インク画像の粘着力またはインクタックを最適化して、インク画像を被印刷物に転写してもよい。被印刷物に転写した後に、画像を被印刷物に定着させるために最終的な硬化プロセスを適用する。その後、デジタル・イメージング・プレートの転写部分はクリーニングステーションへ進み、その後、ファウンテン溶液を塗布するために湿し水ステーションに戻る。
【0006】
ファウンテン溶液は、イメージングプレートにインクを転写する間にインクがイメージングプレートに付着するのを防止する。イメージングプレートとインク・フォーム・ロールとで形成されるインク転写ニップの出口で、ファウンテン溶液膜は分割されてもよい。ファウンテン溶液膜の約半分がイメージングプレート上にとどまってもよく、残りの約半分がフォームロールのインク層の上部に転写されてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のインキングシステムでは、ファウンテン溶液はインクと混ざってもよく、混合物はインキング部材列に沿って移動して、インク列のローラ間で混合され、攪拌され、分割されるであろう。結果的に、インクとファウンテン溶液との混合物は乳化する。従来のシステムでは、乳化は差し迫った問題ではなく、その理由は、従来のオフセット印刷板が、ファウンテン溶液をはじく画像領域を含んでいるためである。ファウンテン溶液をはじく画像領域の特性のおかげで、インキングシステムはインク内にかなりの量のファウンテン溶液を有することができ、十分な印刷をさらに行うことができる。
【0008】
デジタルオフセットでは、イメージングプレートの画像領域と非画像領域の間に違いがない。イメージングプレートは、ファウンテン溶液を強く引き付けて、ファウンテン溶液がイメージングプレートを完全に湿らせて、十分なファウンテン溶液膜を保持して、インクをはじくように構成してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ゴーストのないデジタルオフセット印刷に対応するインキングシステムを開示している。インキングシステムのフォームロールからのインクとファウンテン溶液とをきれいにして、インクとファウンテン溶液との混合物を処理し、ファウンテン溶液を実質的に含まない、きれいにされ処理されたインクをインキングシステムに再供給して、平板またはドラムのようなデジタルイメージング部材に転写する、インキング方法、装置、およびシステムを提供する。
【0010】
実施形態では、デジタル・オフセット・インキング方法が、インキングシステムの、形状順応性が高い表面を有する転写ロールから、硬質フォームロール上へインクの均一層を定量することと、直接に硬質フォームロールからデジタルイメージング部材に均一層のインクを転写することと、硬質フォームロールからのインクとファウンテン溶液とをクリーニングすることと、インクとファウンテン溶液とを分離することと、を含んでいてもよい。
【0011】
実施形態では、方法が、フォームロールの表面からインクを除去することを含んでいてもよく、このインクは、デジタルイメージング部材にインクを前記転写することから残っているものである。方法が、フォームロールの表面からファウンテン溶液を除去することを含んでいてもよく、このファウンテン溶液は、デジタルイメージング部材にインクを前記転写することの間にフォームロールに転写されたものである。実施形態では、インクを前記除去することが、フォームロールの硬質表面をクリーニングブレードと接触させることを含んでいてもよく、これによりフォームロールからインクを除去する。実施形態では、フォームロールの表面をクリーニングブレードと接触させること、これによりフォームロールからファウンテン溶液を除去する。
【0012】
実施形態では、方法が、除去したインクと除去したファウンテン溶液とを集めることを含んでいてもよく、このインクとこのファウンテン溶液とはファウンテン溶液除去システム内に含まれる混合物である。方法が、インクとファウンテン溶液との混合物からファウンテン溶液を蒸発させて、ファウンテン溶液を実質的に含まないインクを得ることにより、ファウンテン溶液とインクとを分離することを含んでいてもよい。
【0013】
実施形態では、方法が、インクとファウンテン溶液との混合物を加熱して混合物からファウンテン溶液を蒸発させることにより、ファウンテン溶液を蒸発させることを含んでいてもよい。実施形態では、前記蒸発させることが、伝導性熱伝達または対流熱伝達を用いてインクとファウンテン溶液との混合物を加熱して混合物からファウンテン溶液を蒸発させることを含んでいてもよい。他の実施形態では、方法が、相分離プロセスを用いてファウンテン溶液とインクとを分離することを含んでいてもよい。
【0014】
実施形態では、方法が、インキングシステムにインクを供給するように構成されたインク供給部において、ファウンテン溶液を実質的に含まないインクを受け取ることを含んでいてもよい。実施形態では、方法が、受け取ったインクをインキングシステムに供給することを含んでいてもよく、受け取ったインクはファウンテン溶液を実質的に含まない。
【0015】
実施形態では、装置が、フォーム部材を含んでいてもよく、フォーム部材と接触してフォーム部材の表面からインクとファウンテン溶液とを除去するように構成されたクリーニング部材を含んでいてもよく、ファウンテン溶液除去システムを含んでいてもよく、ファウンテン溶液除去システムはインクとファウンテン溶液との混合物を含むように構成された貯蔵部を含み、混合物はクリーニング部材によりフォーム部材の表面から除去されたインクとファウンテン溶液とを含み、ファウンテン溶液除去システムは、インクとファウンテン溶液との混合物の中の、ファウンテン溶液をインクから分離するように構成されている。
【0016】
フォーム部材は回転ロールであってもよい。例えば、フォーム部材は、陽極酸化アルミ、ステンレス鋼、他の金属、またはセラミック材料を含む表面を有するドラムであってもよい。クリーニング部材はブレードであってもよい。クリーニング部材は硬くてもよく、硬くて滑らかな表面を有していてもよいフォームロールに接触して高圧を加えることができてもよい。インキングシステムで使用されるインクの粘度に応じて、クリーニング部材は、硬質ゴム、ポリウレタン、プラスチック、鉄鋼、または金属を含んでいてもよい。
【0017】
実施形態では、装置が、インク供給部からインクを受け取るように構成されたアニロックス部材と、アニロックス部材に供給された余分なインクを除去するように構成されたドクターブレードと、軟質定量部材と、平滑化部材と、を含んでいてもよい。実施形態では、装置が、アニロックス部材と、軟質定量部材と、平滑化部材と、ロールである硬質フォーム部材と、を含んでいてもよく、硬質フォーム部材のロールは中心縦軸のまわりに回転可能であり、平滑化ロールは軸方向に可動であり、これにより平滑化ロールはインクをフォームロールの表面上に塗布する。実施形態では、平滑化ロールが軸方向に動くことが、軟質定量部材の表面上のインク層を平らにするように構成されている。
【0018】
装置が、1つ以上の平滑化部材または平滑化ロールを含んでいてもよい。平滑化部材と、転写部材と、フォーム部材とのうちの少なくとも1つはロールであってもよい。平滑化ロールと、転写ロールと、フォームロールとのうちの少なくとも1つは、中心縦軸のまわりに回転可能であってもよい。実施形態では、1つ以上のロールが、軸方向の1つ以上の方向に移動して、インク平滑化と、転写部材またはフォームロールの表面上へのインクの均一層の塗布とを促し、デジタルイメージング部材に転写するように構成されてもよい。
【0019】
実施形態では、装置が、ファウンテン溶液とインクの除去システムを加熱して、インクとファウンテン溶液との混合物の中のインクからファウンテン溶液を蒸発させるための熱源をさらに含むファウンテン溶液除去システムを含んでいてもよい。実施形態では、装置が、対流加熱を用いてインクとファウンテン溶液との混合物を加熱する熱源を含んでいてもよい。他の実施形態では、ファウンテン溶液除去システムをインク供給部に接続してもよく、インク供給部はファウンテン溶液を実質的に含まないインクをファウンテン溶液除去システムから受け取る。
【0020】
実施形態では、デジタル・オフセット・インキング・システムが、デジタルイメージング部材にインクの均一層を転写するためのインキングシステムを含んでいてもよく、インキングシステムは、軟質転写部材と、硬質フォーム部材と、フォーム部材の表面と接触してフォーム部材の表面からインクとファウンテン溶液とを除去するためのクリーニングブレードと、を有している。システムが、硬質フォーム部材の表面から除去されたインクとファウンテン溶液との混合物を受け取り、インクを処理して、インクとファウンテン溶液との混合物の中の、インクからファウンテン溶液を分離するためのファウンテン溶液除去システムを含んでいてもよい。
【0021】
実施形態では、装置が、インクとファウンテン溶液との混合物を加熱して、インクとファウンテン溶液との混合物からファウンテン溶液を蒸発させて、これによりインクがファウンテン溶液を実質的に含まないようにするための加熱システムを含んでいてもよい。他の実施形態では、装置が、デジタルイメージング部材へのインク転写プロセスの後にフォーム部材から除去されたインクからファウンテン溶液を分離するためにインクとファウンテン溶液との相分離を行う相分離システムを含んでいてもよい。装置の実施形態では、ファウンテン溶液除去システムにより処理されたインクを含むインクを、インキングシステムに供給するためのインク供給システム。
【0022】
本明細書では例示的実施形態について説明する。しかしながら、例示的実施形態の範囲および要旨が、本明細書に記載の装置およびシステムの特徴を取り入れた任意のシステムを網羅しているものと想定される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は、例示的実施形態の、ファウンテン溶液除去システムを有するデジタル・オフセット・インキング・システムを示している。
【図2】図2は、例示的実施形態のデジタル・オフセット・インキング方法を示している。
【図3】図3は、例示的実施形態のフォーム・ロール・クリーニングおよびインク再生利用方法を示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
デジタルオフセット印刷版にインクを付けてゴーストのないデジタル・オフセット・インク印刷を行うための方法、装置、およびシステムの理解を提供するために図面を参照する。図面では、類似のまたは同じ要素を示すために全体を通じて類似の参照番号を使用している。図面は、インキング部材からイメージング部材にインクを付けてゴーストのない印刷を行うとともに、インキングシステムのフォーム部材の表面から除去したインクを再生利用するための説明に役立つ方法、装置、およびシステムの実施形態に関連するさまざまな実施形態およびデータを示している。
【0025】
中央イメージングプレートのまわりにインキングシステムを配置するように、デジタル・オフセット・アーキテクチャに実施形態のインキングシステムまたは印字機サブシステムを組み込んでもよい。イメージングプレートはシリンダまたはドラムであってもよい。イメージング部材の表面は、画像再形成可能で、かつ形状順応性が高い。形状順応性が高い表面は、例えば、シリコーンなどを含んでいてもよい。媒体転写ニップを形成するためにイメージング部材のまわりに用紙搬送路アーキテクチャを位置付けてもよい。
【0026】
湿し水システムにより中央画像シリンダの表面にファウンテン溶液の均一塗布を適用してもよい。デジタル蒸発ステップでは、中央画像シリンダの表面に塗布されたファウンテン溶液層の特定の部分をデジタル蒸発システムにより蒸発させてもよい。例えば、レーザパターニングによりファウンテン溶液層の一部分を蒸発させてもよい。
【0027】
インク付けステップでは、インキングシステムから中央画像シリンダの表面にインクを転写してもよい。転写されたインクは、ファウンテン溶液が既に蒸発している中央画像シリンダの表面の部分に付着する。部分的硬化ステップでは、照射により、転写されたインクを部分的に硬化させてもよい。例えば、イメージング部材のまわりにUV硬化源を配置してもよい。画像転写ステップでは、媒体転写ニップにおいて、転写されたインクを紙などの媒体に転写してもよい。
【0028】
クリーニングシステムにより中央画像シリンダの表面をきれいにしてもよい。例えば、中央イメージング部材の表面をきれいにするのにトレース・クリーニング・ローラを使用してもよい。デジタルオフセット印刷プロセスでは、ゴースト発生を防止するために、すでに画像化済みのインクをイメージング部材から除去しなければならない。インキングシステムからイメージングプレートに、または他のイメージング部材に塗布される新しいインクが、先行するインク転写に起因する厚さ減少の履歴を有するべきではない。
【0029】
インキングシステムは、アニロックスロールなどのインキング部材を含んでいてもよい。アニロックスロールは、それの表面内に、イメージング部材にインクを運ぶための井戸またはセルを有していてもよい。井戸は機械彫刻してもよく、またはレーザ彫刻してもよく、井戸はある程度の量のインクを含むように構成してもよい。ロールの表面をインクチャンバまたはインクだめ内に沈めるようにアニロックスロールをインキングシステム内に構成してもよい。アニロックスロールがプロセス方向に回転するとき、アニロックスロールの表面に接触して、インクだめによりアニロックスロールに供給されたインクを平らにするようにアニロックス・ドクター・ブレードを配置してもよい。
【0030】
インキングシステムは、軟質の中間転写ロールを含んでいてもよい。転写ロールは、例えば、ゴム製などの柔らかく形状順応性が高い表面を有していてもよい。あるいは、転写ロールの表面は、発泡体を含んでいてもよい。転写ロールは、アニロックスロールと一緒に第1のインク転写ニップを形成するように構成してもよい。転写ロールは、アニロックスロールの回転の向きとは反対向きに回転可能である。第1のインク転写ニップにおいて、転写ロール上へインクを定量してもよい。転写ロールは、アニロックスロールと接触して、第1のインク転写ニップにおいてインクを圧迫して、転写ロール上へインクを定量するときにインクを捕捉するのを促進してもよい。
【0031】
あるいは、インキングシステムは、断続的なインク供給と、振動する振動ロールと、1つ以上のインク分割と、インク転写およびインク平滑化ロールと、軟質の中間転写ロールと、のために構成された従来のローラ型インキング装置を含んでいてもよい。所望の厚さの均一層のインクを運ぶために、このような一連のロールの前に軟質の中間転写ロールを配置してもよい。
【0032】
硬質表面を有するロールなどのインクフォーム部材を、軟質中間転写ロールと一緒に第2の転写ニップを形成するように配置してもよい。インク・フォーム・ロールは、円筒形ドラムまたは他の好適な部材であってもよい。インク・フォーム・ロールは硬質表面を含んでいてもよい。例えば、インクフォーム部材は、金属を含む表面を有するロールであってもよい。インク部材は、アルミニウムドラムであってもよい。あるいは、インクフォーム部材は、ステンレス鋼、他の金属、またはセラミックを含む表面を備えていてもよい。
【0033】
フォーム部材の硬質表面は、クリーニングブレードを使用してフォーム部材からインクをクリーニングすることを可能にする。例えば、フォームロールの表面にドクターブレードを当てて、イメージング部材にインクを転写した後に残ったインクをフォーム部材から拭き取ったり、またはこすり落としたりしてもよい。オフセットインクを用いたゴーストのない可変データ印刷では、印字機サブシステム・フォーム・ロールが、イメージングプレート上にインクを転写する先行プロセスからの先行するインク履歴を実質的に有していないことを要求する。フォーム部材の表面が硬いため、フォーム部材の表面を劣化させずにドクターブレードを当てることができる。
【0034】
フォーム部材は、イメージングプレートと接触して、イメージングプレートの画像再形成可能な表面上にインクを転写するように構成されてもよい。例えば、フォーム部材はロールであってもよく、デジタルイメージング部材はロールであってもよい。フォームロールとイメージングロールとは、第3のインク転写ニップを形成してもよい。フォームロールとイメージングロールとは、イメージングロールの表面上へのインクの均一層を定量するために反対向きに回転してもよい。イメージング部材は、柔らかく形状順応性が高い表面を有している。例えば、イメージング部材は、シリコーン・イメージング・ブランケットのようなシリコーンを含む表面を備えていてもよい。
【0035】
1つ以上の平滑化ロールのような平滑化部材をフォーム部材のまわりに配置してもよい。平滑化ロールは、インクと接触することによりフォーム部材の表面上にインクを塗布するように構成されてもよい。例えば、転写部材と、フォーム部材と、1つ以上の平滑化ロールと、のうちの少なくとも1つは、縦軸のまわりに回転するように構成されてもよく、軸方向に動くように構成されてもよい。例えば、平滑化ロールは、デジタルイメージング部材にインクを転写する前にフォーム部材上にインクを塗って平滑化することを促進するために回転しながら軸方向に前後に動くように構成されてもよい。あるいは、平滑化ロールが軸方向に動くことが、軟質定量部材の表面上のインク層を平らにするように構成されている。平滑化は、例えば、ロールのような軟質中間転写部材の表面上のインクに対して平滑化機能を実行するように構成してもよい。例えば、平滑化部材は、転写部材の表面上へ定量されたインク層からアニロックス・ロール・パターンを除去するように構成されてもよい。
【0036】
イメージング部材の表面は、耐摩耗性があり、かつ柔軟性があってもよい。イメージング部材の表面は、弾性およびジュロメーターと、異なるレベルの荒さを有するさまざまな異なる媒体タイプに対してインクを塗布するのに十分な柔軟性と、を有していてもよい。画像再形成可能な表面層の厚さが、例えば、約0.5マイクロメートル〜約4ミリメートルであってもよい。イメージング部材の表面は、界面でインクとの弱い付着力を有するべきであるとともに、さらにインクとの良好な親油性ぬれ特性を有するべきであり、それにより、画像再形成可能表面の均一なインク付けと、後続の、被印刷物上へのインクの転写開始と、を促進する。
【0037】
したがって、イメージング部材の柔らかく形状順応性が高い表面は、シリコーンを含んでいてもよい。ポリウレタン、フッ化炭素などの混合物を含む他の材料を使用してもよい。イメージング部材の表面は、インク画像を印刷する被印刷物に適合するように構成してもよい。水性ファウンテン溶液のような湿し水溶液の有効なぬれを提供するには、シリコーン表面は親水性である必要はなく、疎水性であってもよい。湿し水溶液がシリコーンの表面をぬらすことができるようにするために、湿し水溶液にシリコーングリコール共重合体のようなぬれ界面活性剤を添加してもよい。イメージング部材は、ロールもしくはドラムであってもよく、または平板、ベルトの表面、もしくは他の構造であってもよい。
【0038】
実施形態のファウンテン溶液除去システムが、除去したインクの貯蔵部を含んでいてもよい。除去したインクの貯蔵部は、インクと、フォーム部材からイメージング部材にインクを転写した後にフォーム部材上に残ったファウンテン溶液と、を受け入れてもよい。具体的には、フォーム部材からイメージング部材の表面上にインクを転写した結果、インクが分割されてフォーム部材上に残る可能性がある。残ったインクは、フォーム部材の表面上のゴースト発生および不均一なインク層の形成の一因となる可能性がある。
【0039】
イメージング部材上に層を形成するためにイメージング部材に付加される、インクがイメージング部材に付着するのを防止するファウンテン溶液。フォーム部材とイメージング部材とで形成される第3の転写ニップの出口で、ファウンテン溶液層または膜は分割されてもよく、膜の一部分をフォーム部材に転写してもよい。例えば、ファウンテン溶液膜の約半分がイメージング部材上にとどまってもよく、残りの約半分がフォーム部材に転写されてもよい。フォームロールから除去されたインクは、転写されるインク層内に空隙を生じさせるような量のファウンテン溶液を含むべきではない。具体的には、クリーニングロールから除去したインクがファウンテン溶液を含んでおり、その中にファウンテン溶液を含んだままインキングシステムに再供給される場合、ファウンテン溶液は乳化する可能性があり、インク転写の間、イメージングプレートに吸い寄せられる可能性があり、イメージング部材上のインク層内に空隙を形成する可能性がある。
【0040】
ファウンテン溶液除去システムはフォーム部材に隣接して位置しており、フォーム部材から除去したインクを、除去したインクの貯蔵部において捕捉してもよいようになっている。例えば、クリーニング部材は、フォーム部材からイメージング部材へのインクの転写後に、フォーム部材の表面からインクとファウンテン溶液とをこすり落としたり、または拭き取ったりしてもよい。フォーム部材からイメージング部材にインクを転写する間に、インクがフォーム部材上に残され、ファウンテン溶液がフォーム部材に転写された結果として、クリーニング部材は、フォーム部材の表面からインクとファウンテン溶液との混合物を除去してもよい。
【0041】
ファウンテン溶液除去システムは、フォーム部材から除去されたインクおよび/またはインクとファウンテン溶液との混合物を受け入れるように構成してもよい。ファウンテン溶液除去システムを熱源に接続してもよく、ファウンテン溶液除去システムはインクとファウンテン溶液との混合物からファウンテン溶液を蒸発させるために、インクとファウンテン溶液との混合物に熱を加えてもよい。例えば、伝導加熱または対流加熱によりファウンテン溶液を蒸発させてもよい。あるいは、ファウンテン溶液除去システムは、相分離技術を用いてファウンテン溶液とインクとを分離するための相分離システムを含んでいてもよい。インクとファウンテン溶液とは相いれない/混ざらないように選ぶことができ、2つの異なる相に自然に分離することはインクとファウンテン溶液とにとってエネルギー的に有利である。その後、重量差または粘度差のようなそれらの物理的性質の違いをうまく利用する方法により2つの異なる材料相を分離できる。
【0042】
インク供給システムは、除去され処理されたインクを有するファウンテン溶液除去システムと通信できる。アニロックス部材の一部分をインク供給部でインク内に沈めてもよい。あるいは、インクドナー部材をインク供給部とアニロックス部材との間に挿入してもよい。例えば、アニロックス部材は、インクだめ内に含まれるインクの中を通って回転するアニロックスロールであってもよく、これによりインクだめはアニロックスロールの表面にインクを供給する。アニロックスロールのセル内にインクを含んでいてもよく、アニロックス・ドクター・ブレードを用いてロールの表面上の余分なインクを除去してもよい。アニロックス・ドクター・ブレードは、アニロックス部材の表面からアニロックス部材のセル内に蒸着された余分なインクに手を加えるように構成されてもよい。
【0043】
クリーニング部材は、フォーム部材の表面と接触するように構成されたフォーム部材ドクターブレードであってもよい。フォーム部材ドクターブレードは、金属、硬質プラスチック、またはポリウレタンを含む材料で形成してもよい。フォーム部材ドクターブレードは、硬質フォーム部材の表面からインクをこすり落とすのに適した硬質材料で形成してもよい。フォーム部材ドクターブレード表面が、疎油性であってもよく、例えば、テフロン(登録商標)の被覆を含んでいてもよい。
【0044】
ファウンテン溶液除去システムは、フォーム部材の表面から除去したインクが、ファウンテン溶液を実質的に含まない可能性があるため、印刷品質を低下させたり、またはイメージング部材の表面上のインク層内に空隙を形成したりせずにインキングシステムに再供給できるようにインクを処理する。ファウンテン溶液を含まないインクは、無視できる量のファウンテン溶液を含んでいてもよく、このファウンテン溶液は、インク転写またはインク印刷には悪影響を及ぼさずにインクをアニロックス部材に再供給するのに許容できるほど十分低い量だけ存在している。したがって、除去したインクをインク供給部に追加して、アニロックス部材に再供給してもよい実施形態では、インク供給部は依然としてファウンテン溶液を実質的に含まないままである。したがって、ドクターブレードでフォーム部材をクリーニングすることによりフォーム部材から除去され、ファウンテン溶液を除去するためにファウンテン溶液除去システムにより処理されたインクを再生利用して、インキングシステムに再供給してもよい。
【0045】
図1は、実施形態の、デジタル・オフセット・インキングと、フォーム部材クリーニングと、ファウンテン溶液除去と、のための装置およびシステムを示している。具体的には、図1は、アニロックスロール101と、中間転写ロール105と、フォームロール107と、を有するインキング装置を示している。装置は、1つ以上の平滑化ロール110を含んでいてもよい。平滑化ロール110は中心縦軸のまわりに回転してもよく、軸方向に可動であってもよい。例えば、平滑化ロール110は軸方向に前後に動いて、フォーム部材107上におけるインクの平滑化と塗布を促進してもよい。あるいは、中間転写ロール105と接触して、インク平滑化機能を実行するように平滑化ロール110を配置してもよい。図1は、デジタル・イメージング・ロール115と一緒に配置されたインキング装置を示している。デジタルイメージング部材は、形状順応性の表面を有している。例えば、イメージング部材の表面は、シリコーンを含んでいてもよい。図1はロールとして形成された構成要素を示しているが、他の好適な形態および形状を実現してもよい。
【0046】
アニロックスロール101は、そのロールの表面内に形成されたセルまたは井戸を有する円筒形回転ロールである。セルは機械彫刻してもよく、またはレーザ彫刻してもよい。アニロックスロール102を供給インク内に沈めてもよく、インクをセルの中に持ち上げるためにアニロックスロール102をインクの中を通って回転させてもよい。あるいは、インク・ドナー・ロールを、アニロックスロールと、インク供給部のインクとの間に挿入してもよい。アニロックスロールを加熱してもよく、温度制御してもよい。インクの粘度などの使用中のインクの特性に応じて、インキングシステムの1つ以上のインク転写ニップにおいて、インクの平滑化と塗布を改善するために、アニロックス部材の温度を調節してもよい。
【0047】
中間転写ロール105は、アニロックスロール101と一緒に第1のインク転写ニップを形成してもよい。アニロックスロール101により運ばれたインクを第1のインク転写ニップまで運び、転写ロール105上に均一層で定量してもよい。転写ロール105は、アニロックスロール101の回転の向きとは反対向きに回転可能であってもよい。中間転写ロール105は、アニロックスロール101の直径よりも大きい直径を有していてもよく、または小さい直径を有していてもよい。
【0048】
中間転写ロール105は、軟質表面を有していてもよい。例えば、表面は、ゴム、ポリウレタン、閉じた形態、または他の好適な材料を含んでいてもよい。中間転写ロール105は、回転ドラムであってもよく、またはアニロックスロール101と、フォームロール107などの硬質フォームロールと、一緒にインク転写ニップを形成するのに適した他の部材であってもよい。軟質中間転写ロール105は、硬質フォームロール107と一緒に第2の転写ニップを形成してもよい。中間転写ロール105は、アニロックスロール102から硬質フォームロール107へインクを均一層で転写してもよい。
【0049】
図1に示すように、フォームロール107は、デジタルイメージング部材115と一緒に第3のインク転写ニップを形成してもよい。デジタルイメージング部材は、図1に示すようにロールであってもよい。あるいは、デジタルイメージング部材は平板であってもよい。イメージングロール115の表面が、柔らかく、形状順応性が高く、画像再形成可能である。例えば、表面はシリコーン表面を含んでいてもよい。イメージング部材は、例えば、シリコーン・イメージング・ブランケットなどを含んでいてもよい。イメージングロール115の表面は、耐摩耗性があり、かつ柔軟性があってもよい。デジタル・イメージング・ロール105は、フォームロール107の回転の向きとは反対向きに回転してもよい。第3の転写ニップでは、硬質フォームロール108からデジタル・イメージング・ロール115まで均一層でインクを定量してもよい。
【0050】
硬質フォームロール107が、第3の転写ニップにおいてデジタル・イメージング・ロール115と接触し、それらの間でインクを圧迫して、軟質イメージング部材115の表面上にインクを転写するとき、一部のインクが硬質フォームロール107上に残る可能性がある。さらに、硬質フォームロール107が、第3のインク転写ニップにおいてデジタル・イメージング・ロール115と接触して、それらの間でインクを圧迫するとき、インク転写の前にデジタルイメージング部材115の表面上に蒸着してもよいファウンテン溶液は、デジタル・イメージング・ロール115から硬質フォームロール107まで移動してもよい。したがって、ファウンテン溶液は、デジタル・イメージング・ロール115へのインク転写後に第3の転写ニップをそのままの状態にしておくフォームロール107の表面上の残りのインクと混合してもよい。
【0051】
クリーニングブレード120などのフォーム部材クリーニング部材を図1に示している。クリーニングブレード120は、フォーム部材107の表面から、インク、および/またはインクとファウンテン溶液との混合物と接触する、こすり落とす、および/または拭き取るように構成してもよい。フォーム部材107の部分が、デジタルイメージング部材115とフォーム部材107とにより形成された第3のインク転写ニップを通り抜けたほぼ直後に、クリーニングブレード120がフォーム部材107のその部分と接触するようにクリーニングブレード120を設置してもよい。
【0052】
図1に示すように、インキング装置よりも下方にファウンテン溶液除去システム125を設置してもよい。ファウンテン溶液除去システム120は、クリーニングブレード120により除去したインクを含むための貯蔵部を含んでいてもよい。フォームロール107が硬質表面を有しているため、フォームロール107の表面と接触して、残ったインクとファウンテン溶液とをフォームロール108の表面から除去するようにフォーム・ロール・ドクター・ブレード120を構成してもよい。クリーニングブレード120は、金属材料、硬質プラスチック、硬質ゴム、またはフォームロール108の硬質表面からインクを除去するのに適した他の材料を含んでいてもよい。
【0053】
クリーニング部材120によりフォーム部材107から除去されたインクとファウンテン溶液とを、ファウンテン溶液除去システム125が受け入れてもよい。ファウンテン溶液除去システム125は、ファウンテン溶液をインクから分離するように構成してもよい。例えば、一実施形態では、インクとファウンテン溶液との混合物を加熱して、インクからファウンテン溶液を蒸発させてもよい。混合物は、伝導または対流で加熱してもよい。他の実施形態では、相分離技術を用いてファウンテン溶液をインクから分離してもよい。
【0054】
ファウンテン溶液除去システム125によりファウンテン溶液をインクから分離した後、インク貯蔵部のインクは、インク供給部130まで流れて供給インクと混合してもよく、またはインク供給部130まで移動させられて供給インクと混合してもよい。供給インクは、ファウンテン溶液を実質的に含まない再生利用したインクを含んでいてもよい。再生利用したインクを含む供給インクを、アニロックスロール101に供給してもよい。インクをアニロックスロール101に供給するとき、アニロックス部材101の表面と接触して、アニロックス部材101のセル内に含まれるインクを平らにするようにアニロックス・ドクター・ブレード135を構成してもよい。
【0055】
図2は、実施形態のデジタル・オフセット・インキングのための方法を示している。具体的には、方法は、S201で、軟質表面を有する中間転写ロールから、硬質表面を有するインク・フォーム・ロールへインクを転写することを含んでいてもよい。デジタルイメージング部材の表面にインクを転写するのに硬質フォームロールを使用することにより、硬質フォームロールの表面と接触してクリーニングするために、クリーニングブレードまたは類似の構造体を使用してもよい。例えば、インク転写プロセスで残されたインクとファウンテン溶液とを除去するようにクリーニングブレードを構成してもよく、インク、および/またはインクとファウンテン溶液との混合物を、こすり落とすことにより、および/または拭き取ることにより、ロールの表面から除去する。例えば、ドクターブレードは実質的に固定して配置してもよく、フォームロールは回転可能であってもよい。フォームロールが回転するとき、ドクターブレードは転写プロセスで残されたインクとファウンテン溶液とをフォームロールの表面から除去してもよい。
【0056】
S205で、硬質フォームロール上に定量されたインクを、1つ以上の平滑化部材を用いて硬質フォームロール上で平滑化してもよい。S208で、形状順応性が高い表面を有する平板またはドラムであってもよいデジタルイメージング部材に、フォームロール上のインクを転写してもよい。S208の結果として、インクが分割されてフォーム部材上に残る可能性があり、イメージング部材に塗布されたファウンテン溶液がフォーム部材に転写する可能性がある。
【0057】
S210で、フォーム部材からデジタルイメージング部材へインクを前記転写した後に、残ったインクとファウンテン溶液とをフォーム部材の表面から除去してもよい。S210でインクとファウンテン溶液とを前記除去することは、S208のほぼ直後に行われることが好ましい。実施形態では、その部分からインクとファウンテン溶液とを除去したフォーム部材の表面の部分が中間転写部材からインクを受け取る前に、S210でインクとファウンテン溶液とを前記除去することが行われてもよい。
【0058】
S215で、除去したインクとファウンテン溶液とを集めてもよい。例えば、ファウンテン溶液除去システムにより含まれる、またはファウンテン溶液除去システムと関連する、インク貯蔵部が、クリーニング部材によりフォーム部材の表面から除去されたインクとファウンテン溶液とを受け入れるように構成されてもよい。S220で、集めたインクとファウンテン溶液との混合物を処理して、フォームロールの表面から集めたファウンテン溶液をインクから分離してもよい。例えば、伝導加熱または対流加熱を用いて混合物を加熱することによりファウンテン溶液をインクから分離してもよい。他の実施形態では、相分離技術を用いてファウンテン溶液をインクから取り除いてもよい。
【0059】
図3は、例示的実施形態のフォーム・ロール・クリーニングおよびインク再生利用方法を示している。方法は、S308で、硬質フォームロールからデジタルイメージング部材にインクを転写することを含んでいてもよい。S310で、フォームロールからデジタルイメージング部材にインクを転写した後にフォームロールの表面上に残ったインクとファウンテン溶液とを、クリーニングブレードなどのクリーニング部材でフォームロールの表面に圧力を加えることにより除去してもよい。
【0060】
S315で、フォームロールの表面から除去したインクとファウンテン溶液とを集めてもよい。ファウンテン溶液除去システム内の混合物としてインクとファウンテン溶液とを集めてもよい。
【0061】
ファウンテン溶液除去システムは、S320で、フォームロールの表面から集めたファウンテン溶液をインクから分離することによりインクを処理してもよい。混合物を加熱してファウンテン溶液を蒸発させることによりファウンテン溶液をインクから分離してもよい。例えば、混合物を伝導により加熱してファウンテン溶液を蒸発させてもよい。あるいは、混合物を対流により加熱してファウンテン溶液を蒸発させてもよい。他の実施形態では、相分離技術を用いてファウンテン溶液を混合物のインクから分離してもよい。
【0062】
S325で、インク供給システムにおいてファウンテン溶液を含まないインクを受け取ってもよい。インク供給システムは、インキングシステムにインクを供給するように構成してもよい。インク供給部のインクは、フォームロールから集めて、ファウンテン溶液除去システムで処理したインクを含んでいてもよい。
【0063】
S330で、インク供給部からのインクをインキングシステムに供給して、硬質フォームロールに転写してもよい。インク供給部からのインクは、フォームロールから除去して、ファウンテン溶液除去システムで処理したインクを含んでいてもよい。したがって、ゴースト発生問題および他の画像アーチファクトを実現せずに、またはイメージング部材の表面上のインク層内に空隙を生成せずに、フォームロールからインクを再生利用してインキングシステムに再供給してもよい。印刷ジョブの必要に応じてプロセスを繰り返してもよい。例えば、さらなるインク付けを行う予定であるときには、プロセスはS330を実行した後にS308に戻ってもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インキングシステムの、形状順応性が高い表面を有する転写ロールから、硬質フォームロール上へのインクの均一層を定量することと、
直接に前記硬質フォームロールからデジタルイメージング部材に前記均一層の前記インクを転写することと、
前記硬質フォームロールからのインクとファウンテン溶液とをクリーニングすることと、
前記インクを前記ファウンテン溶液から分離することと、を含む、
デジタル・オフセット・インキング方法。
【請求項2】
前記クリーニングすることが、
前記デジタルイメージング部材に前記インクを前記転写することから残っているインクを、前記フォームロールの表面から除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記クリーニングすることが、
前記デジタルイメージング部材に前記インクを前記転写することの間に前記フォームロールに転写された前記ファウンテン溶液を、前記フォームロールの前記表面から除去することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
インクを前記除去することが、前記フォームロールの前記硬質表面をクリーニングブレードと接触させることをさらに含み、これにより前記フォームロールからインクを除去する、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
ファウンテン溶液を前記除去することが、
前記フォームロールの表面を前記クリーニングブレードと接触させることをさらに含み、これにより前記フォームロールから前記ファウンテン溶液を除去する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
フォーム部材を含み、
前記フォーム部材と接触して前記フォーム部材の表面からインクとファウンテン溶液とを除去するように構成されたクリーニング部材を含み、
ファウンテン溶液除去システムを含み、前記ファウンテン溶液除去システムはインクとファウンテン溶液との混合物を含むように構成された貯蔵部を含み、前記混合物は前記クリーニング部材により前記フォーム部材の前記表面から除去された前記インクと前記ファウンテン溶液とを含み、前記ファウンテン溶液除去システムは、前記インクとファウンテン溶液との混合物の中の、前記ファウンテン溶液を前記インクから分離するように構成されている、
キーのないデジタル・オフセット・インキング装置。
【請求項7】
インク供給部からインクを受け取るように構成されたアニロックス部材と、
前記アニロックス部材に供給された余分なインクを除去するように構成されたドクターブレードと、
軟質定量部材と、
平滑化部材と、を含む、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記アニロックス部材と、前記軟質定量部材と、前記平滑化部材と、ロールである前記硬質フォーム部材と、を含み、前記硬質フォーム部材の前記ロールは中心縦軸のまわりに回転可能であり、前記平滑化ロールは軸方向に可動であり、これにより前記平滑化ロールはインクを前記フォームロールの表面上に塗布する、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ファウンテン溶液除去システムが、
前記ファウンテン溶液とインクの除去システムを加熱して、前記インクとファウンテン溶液との混合物の中の前記インクから前記ファウンテン溶液を蒸発させる熱源をさらに含む、請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記熱源が対流加熱を用いて前記インクとファウンテン溶液との混合物を加熱する、請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−28165(P2013−28165A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158496(P2012−158496)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】