説明

ファクシミリ装置

【課題】 ファクシミリ装置に付属の電話機による通話に対しても、着信日時等の通話管理情報を記憶し、ユーザの指示により出力することができるファクシミリ装置を提供すること。
【解決手段】 相手先からの着信があり本装置が被呼側となると、オフフックに基づいて通話開始時刻の検出を行い、検出された時刻を記憶部8に記憶させる。続いてオンフックに基づいて通話終了時刻の検出を行い、検出された時刻を記憶部8に記憶させる。これらの情報を通話管理情報として、ユーザにより特定キーが操作されるタイミングで記録部9により記録させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電話機を付属したファクシミリ装置に関し、特に、電話機に対する着信日時を通話管理情報として記録することが可能なファクシミリ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、単体で使用される電話機の中には通話時間や相手の電話番号等を通話管理情報として記憶し、それを出力できるものがある。しかし、ファクシミリ装置に付属の電話機に対するものはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通話管理情報を記憶し、それを出力できる従来の電話機においては、必ず、記憶装置や記録出力装置が設けられなければならず、電話機が高価なものになるという問題が生じる。
【0004】また、記録出力装置を元々内部に備えたファクシミリ装置において、画像通信に対する通信管理情報を出力するものはあっても、ファクシミリ装置に付属の電話機による通話管理情報をユーザの指示に基づいて記録出力できるものは無かった。
【0005】本発明は、ファクシミリ装置に付属の電話機による通話に対しても、着信日時等の通話管理情報を記憶し、ユーザの指示により出力することができるファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、本発明は、電話機を付属したファクシミリ装置において、時計手段と、その時計手段により検出された着信日時を通話管理情報として各着信毎に記憶する通話管理情報記憶手段と、その通話管理情報記憶手段に記憶された通話管理情報を記録する記録手段と、その記録手段への通話管理情報の記録を指示するキー手段と、を備えている。
【0007】この構成によれば、ファクシミリ装置に付属の電話機に対して着信があった場合、時計手段によりその着信日時が検出され、通話管理情報として通話管理情報記憶手段に記憶される。この通話管理情報記憶手段に記憶された通話管理情報は、ユーザによりキー手段が操作されるタイミングで記録手段により記録される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明の一実施形態について説明する。
【0009】第1図は本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【0010】本実施形態において通話の開始をハンドセット等、電話機の送受話部がオフフックしたとき、通話の終了を電話機の送受話部がオンフックしたときとして説明する。
【0011】本実施形態におけるファクシミリ装置に付属の電話機は、電話機本体1、電話回線と電話機本体1との間に接続されて通話の期間出力を発生すると共に、パルスダイアルのときにはダイアルパルスによって出力を断続するホトカプラ2、電話回線上の直流を阻止するためのコンデンサ3、コンデンサ3を介して電話回線に接続されたトランス4、トランス4の2次側出力電圧を入力としてPB信号を検出する集積回路化されたPB信号検知回路5、時計用集積回路6、記憶部8、ホトカプラ2の出力、PB信号検知回路5の出力、時計用集積回路6からの時刻出力を入力としかつ記憶部8と共同して構成されたマイクロコンピュータからなる制御部7及び制御部7によって制御される記録部9を備えている。なお、10はホトカプラ2の1部を構成するホトトランジスタの負荷抵抗である。
【0012】上記の如く構成された本実施形態の作用を制御部7の1部を構成するROMに格納してあるプログラムに従って、第2図のフローチャートにより説明する。
【0013】まず、発呼側の場合について説明する。
【0014】電話機本体1の送受話部がオフフックされると(ステップS1)、電話機本体1の内部で直流回路が閉結され、電話回線よりホトカプラ2の発光ダイオードを通して電話機本体1に電流が流れ込む。この結果ホトカプラ2の発光ダイオードは発光し、ホトカプラ2のホトトランジスタはオン状態となり、制御部7への入力信号HKは零電位となる。制御部7は入力信号HKが零電位となったことを検出したときオフフックと判別し、時計用集積回路6に対し現在の時刻出力を送出することを要求する(ステップS2)。時刻出力送出要求を受けた時計用集積回路6は例えば西暦年月日時刻の出力Tn1を出力する。制御部7は時計用集積回路6からの出力Tn1を読み込んで(ステップS2)、出力Tn1を記憶部8のアドレスn1に格納する(ステップS3)。この出力Tn1が通話開始時刻に対応している。
【0015】オフフックの次に発呼のため、ダイアルが開始される。ダイアル信号は電話機本体1からの電話回線に送出される。現在のダイアル信号の種類はパルス信号と、PB信号との2種類がある。パルス信号の場合はホトカプラ2によって、PB信号の場合はPB信号検知回路5によって検知される。
【0016】すなわち、パルス信号の場合は、電話機本体1が回線電流を一定周期でダイアル番号の数だけオン・オフするため、ホトカプラ2からは一定周期でダイアル番号の数だけ電源Vcの電位と零電位とが交互に出力されることになる。ホトカプラ2からのこの出力は制御部7に入力信号HKとして入力される。この入力信号HKが入力された制御部7は入力信号HKの周期とパルス数を計数してダイアルされた電話番号を判断し(ステップS5)、判断した電話番号に対応する電話番号情報D0を記憶部8のアドレスn4に格納し(ステップS6)、同様にダイアル終了までダイアルされた電話番号の判断、電話番号情報の記憶部8への格納を継続する(ステップS6、S7、S8)。ステップS8におけるダイアル終了判別のときに、検知されたダイアル電話番号に対応する電話番号情報D0〜Dnが記憶部8のアドレスn4に格納された状態となる。
【0017】PB信号の場合は、電話機本体1から送出されたPB信号は電話回線に送出されると同時にコンデンサ3、トランス4を介してPB信号検知回路5に入力される。PB信号検知回路5では入力されたPB信号の周波数によってどの電話番号に対応したPB信号かを判別して、判別した電話番号情報を制御部7に送出する。したがって、PB信号の場合もパルス信号の場合と同様にダイアルされた電話番号情報が記憶部8に格納される。
【0018】ダイアルの終了により図示していない交換機は受信した電話番号に基づいて、相手側端末装置と電話機本体1とを接続する。この接続完了によって相手側端末装置と通話状態に入る。
【0019】通話が終了すると電話機本体1の送受話部がオンフックされる。電話機本体1の送受話部がオンフックされると電話機本体1の直流回路が開放され、ホトカプラ2の発光ダイオードに流れていた電流が遮断される。ホトカプラ2の発光ダイオードに流れていた電流が遮断されたことによってホトカプラ2のホトトランジスタはオフ状態になって、制御部7の入力信号HKは電源電圧Vcとなる。制御部7は入力信号HKが電源電圧Vcにまで上昇したことを検出したとき電話機本体1の送受話部がオンフックされたと判別し、時計用集積回路6に対し現在の時刻出力を送出することを要求する(ステップS9)。時刻出力送出要求を受けた時計用集積回路6は例えば時刻の出力Tn2を出力する。制御部7は時計用集積回路6からの出力Tn2を読み込んで(ステップS10)、出力Tn2を記憶部8のアドレスn2に格納する(ステップS11)。この出力Tn2が通話終了時刻に対応している。
【0020】ステップS11における記憶部8への通話終了時刻格納に続いて期間P12(=出力Tn2−出力Tn1)を演算し、演算された期間P12を記憶部8のアドレスn3に格納する(ステップS12)。ここで、期間P12は通話期間に対応している。また通話期間情報はステップS2からS10までを制御部7において計時することによって得てもよい。
【0021】上記した1連の作用によって記憶部8には、相手先番号情報D0〜D7、通話開始時刻情報Tn1、通話終了時刻情報Tn2、通話期間情報P12が格納された状態になる。これ以後の通話についても通話毎に、同様に記憶部8の空きアドレスに相手先番号情報、通話開始時刻情報、通話終了時刻情報、通話期間情報が格納されていく。
【0022】次に、被呼側の場合について説明する。
【0023】被呼側の場合も本質的に発呼側の場合と同様であるが、被呼側の場合のときは相手先つまり発呼側の電話番号を知る手段が無いので、第2図のステップS5〜S8がスキップされて、通話開始時刻情報、通話終了時刻情報、通話期間情報のみが記憶部8に格納されることになる。
【0024】上記の様にして記憶部8に格納された通話管理情報は予め定めた所定のフォーマットで、例えばファクシミリ装置の画像通信管理情報の出力に続いて、制御部7の制御のもとに記録部9の文字情報として出力され、記録部9において文字の状態で記録される。その1例は第3図に示す如くである。第3図の例では第3行目が被呼側の場合であって、相手先電話番号が記録されていない。また、記録出力により記憶部8に格納されている通話管理情報はクリアされる。したがって記憶部8の記憶容量が有効に使用できる。
【0025】また、記憶部8に格納された通話管理情報の記録部9への出力時期はファクシミリ装置のパネル面に設けられた特定キーの押下げによって指定する様にしてもよい。さらにファクシミリ装置のパネル面に設けられた他の特定キーの押下によって記憶部8に格納されている通話管理情報をクリアすることによって、また、記録出力により記憶部8に格納されている通話管理情報をクリアすることによって、記憶部8の記憶容量を有効に使用できる。
【0026】なお、本実施形態では、時計用集積回路、記憶部等を電話機側に設けたが、これらをファクシミリ装置側に設けてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ファクシミリ装置に付属の電話機に対して着信があった場合、時計手段によりその着信日時が検出され、通話管理情報として通話管理情報記憶手段に記憶される。この通話管理情報記憶手段に記憶された通話管理情報は、ユーザによりキー手段が操作されるタイミングで記録手段により記録されるので、必要に応じて着信日時を確認でき、過去の通話状況を把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の作用の説明に供するフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態による通話管理情報の記録例を示す図である。
【符号の説明】
1 電話機本体
2 ホトカプラ
5 PB信号検知回路
6 時計用集積回路
7 制御部
8 記憶部
9 記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 電話機を付属したファクシミリ装置において、時計手段と、その時計手段により検出された着信日時を通話管理情報として各着信毎に記憶する通話管理情報記憶手段と、その通話管理情報記憶手段に記憶された通話管理情報を記録する記録手段と、その記録手段への通話管理情報の記録を指示するキー手段と、を備えたことを特徴とするファクシミリ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2000−83111(P2000−83111A)
【公開日】平成12年3月21日(2000.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平11−233750
【分割の表示】特願平2−185235の分割
【出願日】平成2年7月16日(1990.7.16)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)