説明

ファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケース

【課題】 保護ケースによって保護された形態のUSB接続機材は、コネクタ部には規格上並列した孔部が施されていることことを考慮し、それに適したファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケースについて開発することを技術課題としたものである。
【解決手段】 本発明のファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケース1は、USB規格のプラグタイプの端子を適用したコネクタ部21と、それと一体化した接続機材2の本体部22とを具えた接続機材2の保護ケース1であって、この保護ケース1は、前記接続機材2の本体部22に対し、外嵌めされるケース胴部12と、前記コネクタ部に対し外嵌めされるケース頭部11を具えて成り、前記ケース頭部11は接続機材のコネクタ部21に具えられている一対の並設された孔部210を両目に見立てて擬人化したキャラクターの頭部としたことを特徴として成るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルコンピュータ、携帯電話等の電子情報処理システムの一部として利用されることがあるUSB接続タイプの接続機器を対象とし、これに個人の嗜好に合わせ、趣味性を付与することができるようにした保護ケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にUniversal serial bus(以下、USBと示す)規格を用いたパソコン等の周辺機器の一つとして、電子データ補助記憶装置、いわゆるUSBメモリがある。このものは、切符大程度の比較的小型の扁平形状のものであって、携行時には、このコンパクトさが逆に作用し、紛失等の懸念を払拭しきれない。このため、その存在を意識できるようにこれにカバー状のケース等を外嵌めすることが行われており、このケースは、全体として嵩増し状となるようにその形状自体に工夫がされている。例えば、USBメモリの本体部に、にぎり寿司、餃子などの食品を模した面白味を伴った意外性のある保護ケースを外嵌めして用いたりすることが行われている。
本発明も、このような従来の手法と発想を共通するものであるが、従来は単に意外性のある外形形状によって面白さを追求するに留まっていた。
即ち、USBメモリの接続部位であるコネクタ部と本体部とのそれぞれの部位に応じた適切な保護態様、あるいは使用時においては接続部のみついて保護ケースを取り外す使い方がされるという状態、更にまたコネクタ部が規格上具えている外形との融合を図ること、等については、必ずしもデザイン的に関連付けた追求がされていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような従来の傾向を考慮してなされたものであって、この種の接続機材が接続部と本体部とにおいてそもそも形態が異なっていること、使用時に保護ケースを外す必要があるのは、コネクタ部のみであり、且つコネクタ部は汚損をより厳密に防ぐ必要があるために確実なカバーが必要であること、更にはコネクタ部には規格上並列した孔部が施されていること等の状況を総合的に考慮し、それに適したファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケースについて開発することを技術課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1記載のファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケースは、USB規格のプラグタイプの端子を適用したコネクタ部と、それと一体化した本体部とを具えた接続機材の保護ケースであって、この保護ケースは、前記接続機材の本体部に対し、外嵌めされるケース胴部と、前記コネクタ部に対し外嵌めされるケース頭部を具えて成り、前記ケース頭部は接続機材のコネクタ部に具えられている一対の並設された孔部を両目に見立てて擬人化したキャラクターの頭部としたことを特徴として成るものである。
【0005】
請求項2記載のファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケースは、前記要件に加えて、前記ケース胴部については、ケース頭部の形態に対応し、腕、脚部、尾部の全てまたは一部を含む突出部として具えていることを特徴として成るものである。
【0006】
請求項3記載のファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケースは、前記要件に加えて、前記ケース頭部については、少なくともコネクタ部の孔部を覆う部位において透視可能な状態に構成されていることを特徴として成るものである。
【発明の効果】
【0007】
まず請求項1記載の発明によれば、接続機材2の全体をケース頭部11とケース胴部12とにより覆うことになることから保護効果が極めて高い。特にケース頭部11については、USB規格のプラグタイプコネクタ部の孔部220の存在を巧みに利用して、これを目に見立てて擬人化したデザインとすることが可能となる。
そして、ケース頭部11のみが取り外し自在であるから、使用時においても、ケース頭部11のみを外してコンピュータ等に接続することができ、その使い勝手も良好なものである。
【0008】
また請求項2記載の発明によれば、手、脚などを突出した形状にすることで、より擬人化したデザインを採ることができ、種々のデザインバリエーションが可能となる。
【0009】
また請求項3記載の発明によれば、前記孔部が直接擬人化したキャラクタの両眼に見立てられ、その面白さが一層引き出される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明を実施するための最良の形態は、以下述べる実施例をその一つとするものであると共に、この技術思想に基づく種々の改良した実施例も含むものである。
【実施例】
【0011】
以下、本発明を図示の実施例に基づいて具体的に説明する。
図中の符号1は、本発明のファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケースであって、このものが保護対象とするものは、前述したUSBメモリと呼ばれるコンピュータ用の接続機材2である。この接続機材は、具体的には、USB規格のプラグタイプの端子が適用されたコネクタ部21を有するものであり、それに一体の扁平の矩形状の本体部22を有するものである。なお一例として本実施例のコネクタ部21については、USBImplementersForumによって策定管理されている「A端子」と呼ばれるものであって、内部に適宜のピン状、切片状の端子が配設されるとともに、外形部位には2つの並列された孔部210が両面に形成されている。
【0012】
本発明のファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケース1は、このような接続機材2であるUSBメモリを対象として、一例としてケース頭部11と、ケース胴部12とをそれぞれ別体に具える。先ず、ケース頭部11は、前記接続機材2のコネクタ部21に外嵌めされるように内部を中空とした嵌込部110を具えたものであり、弾性的な嵌込みができることと、更には衝撃からの保護を考慮して、図6に示すように適宜の弾性を有する合成ゴム、プラスチック、ゲル、あるいはこれらの複合材を用いることが好ましい。
【0013】
そして、本発明の保護ケース1の特徴として、前記ケース頭部11は、接続機材2側におけるコネクタ部21に形成されている並設された孔部210を擬人化したキャラクターの両眼に見立てるようにするものであり、この部位あるいは全体については透明の部材を設ける。なおこのような透明あるいは半透明の部位によって、孔部210が目視できる部位を透過部111とするものである。このような透過部111以外は、適宜非透過状態の色づけ等がなされたものであってもよい。またこの透過部111自体は、孔部210が目視できるように、ここの部分自体を刳り抜いて直接孔部210が目視できるような形態としてもよい。
【0014】
また透過部111の形成にあたっては、正面視縦長の矩形状の孔部をすべて目視できるようにするほか、透過部111の形状次第で孔部210の一部が目視されるようなものであってもよい。それによって、ファンシー性を強調するため目元形状をつり上がり状、たれ目状、どんぐり眼状等の適宜の形状を演出し得るものである。
【0015】
また更なる実施例の展開としては、前記孔部210を両眼に見立てるものの、ケース頭部11から孔部210を直接目視できない非透過状態としてケース頭部11を構成し、ここに直接目を描いてもよい。この場合、孔部210は、ケース頭部11の嵌め込みの案内として作用して間接的に両眼に見立てられる役割りをするものである。
【0016】
このような擬人化する手法に因み、ケース頭部11には適宜の図柄のみでなく、突出した部材である突出部112を設けることが可能である。
例えば図2(b)に示すように、相撲力士タイプのもの場合、ちょん髷部分を突出部112としてもよい。
なおこの突出部112は、その部位ごとに識別する必要がある場合には、前記頭髪部の突出部を112hとし、鼻の部位の突出部を112nとし、耳の部位の突出部を112eとする。
【0017】
一方、ケース胴部12については、前記頭部形状とマッチングしたものであり、ケース頭部11の形状に応じて、頭部と同様内部に嵌込部120を形成し、更に適宜の突出部122を設ける。例えば典型的には、2本の脚部となる脚部突出部であり、これを符号122Lとし示すものである。これ以外にもおいても、腕部あるいは動物等の尾部などを設ける場合には、腕部突出部を符号122a、尾部突出部を符号122tとするものである。
なお、ケース胴部12の嵌込部120には、接続機材2の受入れる際に固定、取り出しを確実にするために、図6に示すように素材に応じて固定部120a、スリット120bが設けられている。具体的には、ケース胴部12が柔軟性を有しないプラスチックなどの素材の場合には、一例として嵌込部120の内周面に抜け止め用の突起部である固定部120aを有する。またケース胴部12が柔軟性を有するゴムなどの素材の場合には、一例として背中側にスリット120bを施しておくことが好ましい。
【0018】
また更にこのような保護ケース1の使い勝手を向上させるため、携行用のループ3を取り付けるようにことも可能であり、このために一例としてケース胴部12側にアイフック13を形成する。もちろんケース頭部11の脱落を懸念する場合にはケース頭部11側にもアイフック13を設け、共通的に携行用ループ3を係止させてもよい。この場合ループ3には、一例としてストラップ30とアクセサリ31とが設けられており、これらについても保護ケース1のデザイン形態に対応して関連するデザインを施すことが好ましい。
【0019】
更に、保護ケース1によって接続機材2を収納した状態においてこれを例えばコンピュータ周辺のデスクに置くことを考慮してスタンド4を設けることが好ましい。このスタンド4を用いるにあたり、脚部突出部122Lが設けられているような場合には、スタンド4の基盤部41に対し差込孔42を形成し、その上方に前記胴部を保持する胴部保持部43を設けるような形態とするものである。
【0020】
本発明の保護ケース1のデザイン的処理は、図2に種々示す通りであり、図2(a)のような眼鏡を装着したいわゆるサラリーマンタイプ、図2(b)に示すような力士タイプ、図2(c)示すような格闘家タイプ、図2(d)に示すようなサッカー選手タイプ、図2(e)に示すようなカジュアルタイプ、図2(f)に示すような警察官タイプ、あるいは図3(a)〜(c)に示すような擬人化した動物を模したものなどがある。もちろん、言うまでもないが、保護ケース1を動物、怪獣、ロボット、子供向けキャラクターなどのいわゆる着ぐるみやコスチュームに見立てたものとすることも差し支えない。
【0021】
なお本発明のモチーフとしてもともと人を形とったものについて「擬人化」との定義は、そぐわない点があるが、人、動物を含めたモチーフをいわばファンシーグッズ化したことに因み、擬人化として表記したものである。
【0022】
〔他の実施例〕
本発明は以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
前記脚部を突出部122Lとして具えたものについては、予めケース胴部12と一体として構成されていることが好ましいが、これを別体とすることも可能である。特に腕部122a等については、図1に示すようにケース胴部12に対し、別体としておき突出したピン124とこれを受入れる嵌込孔部125とによる嵌込構造としてもよい。
【0023】
また更に接続機材2の使用状態であるコネクタを差し入れた形態を考慮したデザインをとり得ることも可能である。
具体的には、図に示すように、上腕部を回転自在にした腕部突出部122aを設ける。このものは、図4(a)に示すように、コネクタを差し込んでいない携行時には、指先を下方に向けるようにすることにより両手を腰に当てたような形態をとり、一方、図4(b)に示した使用時には、ケース頭部11を外して腕部突出部122aの指先を頭部側の上方に向けることにより、あたかも擬人化したキャラクターがパソコン等に頭部から突き刺さったかのような形態とすることができ、携行時の外観の面白さに加え、使用時における面白味を追加することができる。
【0024】
また、パソコンP等の取付側におけるUSBコネクタ受入部の設置状態によっては、接続機材2のコネクタ部21を直接差し込むことができないでこともある。このような場合には、一般に延長ケーブル6と呼ばれる両端がそれぞれ雄型コネクタ61、雄型コネクタ61を受入れる雌型コネクタ62とが具えられたものを用いる。
そして、この延長ケーブル6の雌型コネクタ62の外形をケース頭部と同様に、コネクタ部21の孔部210を両眼に見立てたデザインにすることが好ましい。
例えば、具体的としては、図5に示すように延長ケーブル6の雌型コネクタ62の外形であるコネクタカバー部65をドライバーヘルメットとしたような形態とすることの可能である。
もちろん他にも、剣道選手、アメリカンフットボール選手のように、ケース頭部11自体は基本的な頭部を模したデザインとして、延長ケーブル6の雌型コネクタ62のコネクタカバー部65をそれぞれのテーマに沿った、防具(剣道の面、アメリカンフットボール用ヘルメットなど)のデザインとすることも差し支えない。
なお雌型コネクタ62が、接続機材2の雄型のコネクタ部21に対して外嵌めするように接合されることから、両眼に見立てたコネクタ部21の孔部210は、必然的に外部から目視することができないため、ケース頭部11のような孔部210を目視するための透過部位などは設ける必要はない。このためコネクタカバー65の表面には、両眼を示すようなプリント等の加工を行うことが好ましい。
【0025】
更に、ユーザの細かな要望にも対応し得るものも可能である。
具体的には、ケース本体1のケース頭部11と、ケース胴部12とについて、それぞれ複数の形態のバリエーションを予め用意しておき、いわば着せ替え人形のように利用者自身が、それぞれの部材を適宜選択し、それを組み合わせるようにしても差し支えない。
また、更にオリジナリティを発現させるため、ケース頭部11とケース胴部12とについて、模様、着色の表示を省略した状態まま提供することも差し支えない。この場合には、一例としてケース頭部11は、透過性素材で成形されたものとし、ケース胴部12は、白色に仕上げられたものとすることが好ましい。
そして、ユーザは、この色彩等の装飾を省略されたケース頭部11とケース胴部12について、適宜のペイント装飾を施し、個々が所望するデザインに加工することができる。
このような構成にすることにより、ユーザは、既成の商品群とは異なる自己表現としての装飾(例えば、ユーザが好むスポーツ選手、アニメーションや漫画や映画やゲームキャラクターを模した形態)を施すことができる。
【0026】
なお以上の説明においては、いわゆるUSBメモリを例にして接続機材2を説明してきたが、USB規格のコネクタを具えた同様の形態をした接続機材にも適用することが可能である。例えばUSB接続型の不揮発性メモリカード読取装置や、USB接続型有線・無線ネットワークアダプタや、USB接続型デジタルテレビチューナ、ワイヤレス入出力装置(赤外線ポート、小電力型の短距離無線)、USB接続型のセキュリティ装置(生体認証装置、暗号復元鍵装置)などの種々の製品についても適用することができることは言うまでもない。
【0027】
更に参考的な実施例としては、コネクタ部21を構成する金属板状部材の表面に対してリュータ等の工作機器を用いた彫刻による補助的な装飾部を付加しても差し支えない。具体的には、目に見立てた孔部210の近傍にまつげや眉や鼻や口などを表した線条の溝を端子機能を損なわない程度の深さで彫り込み、更にその彫り込まれた溝に塗料を流し込むようにして、その存在を明瞭にすることが可能である。
このような手法によりコネクタ部21は、保護ケース1の態様に適した顔とすることができる。更に、本実施例に示したUSB規格のいわゆる「A端子」以外の「B端子」や「ミニUSB端子」にも本発明の構成を適用することが可能となる。具体的には、外周面に対して両目に見立てた孔部210に相当する装飾部を設けることで同様のファンシー性を具えた保護ケースを適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明である電子情報接続機材の保護ケースを示した斜視図並びに分解図である。
【図2】本発明の電子情報接続機材の保護ケースについての種々の形態を示した斜視図である。
【図3】本発明の電子情報接続機材の保護ケースについての種々の形態を示した斜視図である。
【図4】本発明の電子情報接続機材の保護ケースについての他の実施例を示した斜視図である。
【図5】本発明の電子情報接続機材の保護ケースについての他の実施例を示した斜視図である。
【図6】本発明の電子情報接続機材の保護ケースを示した斜視図である。
【符号の説明】
【0029】
1 保護ケース
11 ケース頭部
110 嵌込部
111 透過部
112 突出部
112h 頭部突出部
112e 耳部突出部
12 ケース胴部
120 嵌込部
120a 固定部
120b スリット
122 突出部
122L 脚部突出部
122a 腕部突出部
122t 尾部突出部
124 ピン
125 嵌込孔部
13 アイフック
2 接続機材
21 コネクタ部
210 孔部
22 本体部
3 ループ
30 ストラップ
31 アクセサリ
4 スタンド
41 基盤部
42 差込孔
43 胸部保持部
6 延長ケーブル
61 雄型コネクタ部
62 雌型コネクタ部
65 雌型コネクタカバー部
P パソコン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
USB規格のプラグタイプの端子を適用したコネクタ部と、それと一体化した本体部とを具えた接続機材の保護ケースであって、この保護ケースは、前記接続機材の本体部に対し、外嵌めされるケース胴部と、前記コネクタ部に対し外嵌めされるケース頭部を具えて成り、前記ケース頭部は接続機材のコネクタ部に具えられている一対の並設された孔部を両目に見立てて擬人化したキャラクターの頭部としたことを特徴とするファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケース。
【請求項2】
前記ケース胴部は、ケース頭部の形態に対応し、腕、脚部、尾部の全てまたは一部を含む突出部として具えていることを特徴とする前記請求項1記載のファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケース。
【請求項3】
前記ケース頭部は、少なくともコネクタ部の孔部を覆う部位において透視可能な状態に構成されていることを特徴とする前記請求項1または2記載のファンシー性を具えた電子情報接続機材の保護ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−42994(P2009−42994A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206808(P2007−206808)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(507267827)
【Fターム(参考)】