説明

ファンド情報管理のためのシステム、方法及びプログラム

【課題】基準価額の正確性を確保しながらファンド情報を管理することができる技術を提供する。
【解決手段】ファンドごとに、金融商品データと、基準価額データと、を記憶するファンド情報記憶手段と、ファンドの基準価額を算出するために用いる基礎データを記憶する基礎データ記憶手段と、基礎データの不足又は/及び異常の有無に基づき、基礎データの正当性を判断する基礎データチェック手段と、前記基礎データチェック手段が正当でないと判断した場合に、所定の警告を出力し、警告確認の入力を促す警告手段と、基礎データについて正当であると判断されたか又は警告確認が入力されたファンドに対し、基礎データに基づいて前記ファンド情報記憶手段に記憶する金融商品データを更新し、該更新した金融商品データに基づいて基準価額データを更新するファンド情報更新手段と、を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融商品のための情報処理技術に関し、特に、証券投資信託(ファンド)の基準価額を算出し管理するための情報処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
金融商品の一つとして、証券投資信託(以下、「ファンド」と呼ぶ。)が知られている。ファンドは、投資家から集めた資金を、運用の専門家であるファンドマネージャーが金融・証券市場で債権、株式、先物、為替などのいろいろな金融商品に分散投資し、その運用成果を投資家に分配するというスキームに基づく金融商品である。
【0003】
かかるスキームを現実の登場人物(投資家、販売者、委託者、受託者)に基づき説明する。
【0004】
投資家は、証券会社や金融機関などの販売者を窓口として、投資信託会社などの委託者に申込金を払い、受益証券を受け取る(受益権を得る)。
【0005】
委託者は、販売者より受け取った申込金を信託銀行などの受託者に信託する(信託金として払う)とともに、受託者に対し有価証券等の売買の指示を与える。委託者は、更に、投資家に対してファンドの情報を開示する役割を担う。
【0006】
受託者は、委託者より受け取った信託金を委託者の口座において管理する。そして、委託者からの売買の指示に従って市場において取引を実行し、取引により取得した有価証券等や収益を前記口座において管理する。
【0007】
委託者は、決算時に受託者が管理する収益の一部又は全部を受益権の口数に基づいて投資家に分配する。なお、厳密には、販売者、委託者、受託者が手数料をもらいうけるため、投資家には収益から手数料を差し引いた残金が分配されることになる。
【0008】
ファンドの運用パフォーマンスを評価するための基準として基準価額がある。基準価額は、ファンドの受益権1口あたりの価格、すなわち(純資産総額/受益権総口数)として定義される値である。基準価額には、運用の結果である純資産総額の増減が反映されるため、投資家は、基準価額の変動に基づいて運用パフォーマンスを判断することができる。
【0009】
このように基準価額はファンドの運用パフォーマンスを評価するための重要な基準であるため、その算出には高い正確性が求められる。そのため、従来より、(a)委託者、受託者の2箇所においてそれぞれ、基準価額を算出するための基礎データ(約定データ、時価データ、権利配当データ等)を取得し、(b)該基礎データに基づいて基準価額を算出し、(c)両者が算出した基準価額を互いに照らし合わせることで正確性を確保する、という枠組みが採用されている(図7参照)(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−259687号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような枠組みによれば、例えば単純なデータ入力ミスや算出プログラムのバグなどに起因して不正確な基準価額が算出される場合、委託者、受託者の両方において同じミスやバグが生じることは考えにくいことから、両者が算出した基準価額を互いに照らし合わせることで算出誤りを検出することが可能である。
【0011】
しかし、受託者によっては、基準価額算出に用いる基礎データの一部を委託者から受け取っている場合があり、このような場合、委託者におけるデータ入力ミス等がそのまま受託者に引き継がれてしまうため、上記枠組みによっても算出誤りを検出することはできない。
【0012】
更に、基準価額算出の基礎データは通常、データ販売会社等から購入したり、所定の外部システムに接続して取得することになるが、その基礎データそのものに不正データが混入している場合や、基礎データ等を配信する際に漏れが生じてしまった場合などは、委託者及び受託者の両方に同じ不正データや不十分なデータが供給されることになり、その結果、両者が同じ不正確な基準価額を算出してしまうため、やはり上記枠組みでは算出誤りを検出することができない。
【0013】
そこで、本発明は、委託者、受託者がそれぞれ算出した基準価額を互いに照らし合わせるという枠組みでは検出することができない算出誤りをも検出し、基準価額の正確性を確保しながらファンド情報を管理することができる新たな技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のファンド情報管理システムは、ファンドごとに、該ファンドを構成する金融商品のデータと、該ファンドの基準価額に関するデータと、を記憶するファンド情報記憶手段と、ファンドの基準価額を算出するために用いる基礎データを記憶する基礎データ記憶手段と、基礎データの不足又は/及び異常の有無に基づき、基礎データの正当性を判断する基礎データチェック手段と、前記基礎データチェック手段が正当でないと判断した場合に、所定の警告を出力し、警告確認の入力を促す警告手段と、基礎データについて正当であると判断されたか又は警告確認が入力されたファンドに対し、基礎データに基づいて前記ファンド情報記憶手段に記憶する金融商品データを更新し、該更新した金融商品データに基づいて基準価額データを更新するファンド情報更新手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
好適には、前記基礎データチェック手段は、1種類の基礎データに関し、現在のデータ値の、過去のデータ値に対する乖離率を算出し、該乖離率が所定の閾値以上となる場合に異常があると判断することを特徴とする。
【0016】
また好適には、前記基礎データチェック手段は、1種類の基礎データに関し、現在のデータ値と同じ値を取った最も近い過去の時点を抽出し、該過去の時点から現時に至るまでの期間tを求め、該期間t間が所定の閾値以上である場合に異常があると判断することを特徴とする。
【0017】
また好適には、前記基礎データチェック手段は、相関のある2種類の基礎データに関し、第一の基礎データの現在のデータ値の、第二の基礎データの過去のデータ値に対する乖離率を算出し、該乖離率が所定の閾値以上となる場合に、第一の基礎データについて異常があると判断することを特徴とする。
【0018】
また好適には、更に、前記ファンド情報記憶手段に記憶する金融商品データ及び基準価額データの正当性を判断するファンド情報チェック手段を備え、前記警告手段は、前記ファンド情報チェック手段が正当でないと判断した場合に、所定の警告を出力し、警告確認の入力を促すことを特徴とする。
【0019】
また好適には、前記ファンド情報チェック手段は、金融商品データに含まれる勘定残高が負値を取る場合に、該金融商品データに異常があると判断することを特徴とする。
【0020】
また好適には、前記ファンド情報チェック手段は、基準価額データに関し、現在のデータ値の、過去のデータ値に対する乖離率を算出し、該乖離率が所定の閾値以上となる場合に異常があると判断することを特徴とする。
【0021】
本発明のファンド情報管理方法は、ファンドの基準価額を算出するために用いる基礎データを記憶する基礎データ記憶手段を参照し、基礎データの不足又は/及び異常の有無に基づき、基礎データの正当性を判断する基礎データチェック工程と、前記基礎データチェック工程において正当でないと判断された場合に、所定の警告を出力し、警告確認の入力を促す警告工程と、ファンドごとに、該ファンドを構成する金融商品のデータと、該ファンドの基準価額に関するデータと、を記憶するファンド情報記憶手段を参照し、基礎データについて正当であると判断されたか又は警告確認が入力されたファンドに対し、基礎データに基づいて金融商品データを更新する工程と、前記ファンド情報記憶手段を参照し、前記更新した金融商品データに基づいて基準価額データを更新する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0022】
本発明のプログラムは、本発明のファンド情報管理方法の各工程をコンピュータ上で実行させることを特徴とする。本発明のプログラムは、CD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種の記録媒体を通じて、又は通信ネットワークを介してダウンロードすることにより、コンピュータにインストールまたはロードすることができる。
【0023】
なお、本明細書において、手段とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その手段が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの手段が有する機能が2つ以上の物理的手段により実現されても、2つ以上の手段の機能が1つの物理的手段により実現されても良い。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、委託者、受託者がそれぞれ算出した基準価額を互いに照らし合わせるという枠組みでは検出することができない算出誤りをも検出し、基準価額の正確性を確保しながらファンド情報を管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
(第1実施形態)
以下に本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態であるファンド情報管理システムの構成をあらわすブロック図である。図1に示すように、ファンド情報管理システム1は、ファンド情報記憶手段10、基礎データ記憶手段11、IF(インターフェース)手段12、制御手段13を含んで構成される。
【0026】
本発明によるファンド情報管理システムは上記の各手段を備えていれば足り、物理的には専用化したシステム、あるいは汎用の情報処理装置のいずれでもよい。例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、外部記憶装置、ユーザインタフェース、ディスプレイ、プリンタ、および通信インタフェース等のハードウェアを備える汎用のコンピュータにおいて、本発明のファンド情報管理方法における各処理を規定したソフトウェアを起動することにより、本発明のファンド情報管理システムを実現することができる。
【0027】
また、本発明によるファンド情報管理システムは、委託者側、受託者側のいずれか、又は両方に配することができる。
【0028】
ファンド情報記憶手段10は、ファンド情報管理システム1が取り扱うファンドごとに、ファンド情報を記憶している。ファンド情報は、該ファンドの基準価額データ(基準価額、販売価額、解約価額など)、受益権口数データに加えて、少なくとも以下の第1金融商品データ、第2金融商品データを含んで構成される。ファンド記憶手段10に記憶される情報のデータ構造は、概念的には図2に示すような表形式となる。
【0029】
第1金融商品データは、ファンドを構成する金融商品に関する残高明細データであり、金融商品の種類(債権、株式、先物、為替など)ごとに、金融商品の識別情報(銘柄など)、保有数、購入単価、購入金額総額、時価単価、時価金額総額、評価単価、評価金額総額、評価換金額、評価損益などのデータを含んでいる(図3(a)参照)。
【0030】
第2金融商品データは、ファンドに関する日計表データ(貸借対照表データ、損益計算書データ)であり、資産科目、負債科目、元本科目、損失科目、利益科目に仕分けられた状態で、金融商品の種類等ごとに勘定残高(勘定金額)のデータを含んでいる(図3(b)参照)。
【0031】
基礎データ記憶手段11は、ファンド情報管理システム1が取り扱う金融商品ごとに、基礎データを記憶している。基礎データは、該金融商品に関する約定データ、時価データ、属性データなどを含んで構成される。基礎データ記憶手段11に記憶される情報のデータ構造は、概念的には図4に示すような表形式となる。
【0032】
約定データは、ファンドを構成する金融商品ごとの売買取引に関するデータであり、例えば、約定日、銘柄、取引内容(買付、売付)、数量、単価、約定代金などを含む。
【0033】
時価データは、市場における取引価格を示すデータであり、値付日、時価などを含む。なお、市場において取引が成立せず値が付かない場合は、時価データは(値付かず)を示す値を取る。
【0034】
属性データは、金融商品の属性(利率や権利配当など)に関するデータであり、分割等に基づく権利数の変動や、決算時期に分配される配当金などを示すデータのほか、例えば変動利付債であれば次回利率などを含む。
【0035】
基礎データ記憶手段11には、これら基礎データについて、一定の範囲の過去のデータ値も原則として記憶されている。
【0036】
なお、各記憶手段におけるデータの管理や検索には、リレーショナルデータベース等の従来のデータベース技術を用いることができる。
【0037】
IF手段12は、所定のデータ提供者のシステム(データ販売会社のシステムのほか、投資信託会社に配される基礎データ管理/配信システムなど)にアクセス可能に構成される。データ提供者のシステムが制御手段13の管理下にある場合には、IF手段12の機能は、ファンド情報管理システム1に実装されるOSによって提供される。一方、データ提供者のシステムが他の独立したコンピュータシステムである場合は、IF手段12は、他のコンピュータシステムと接続・通信するための通信モジュール(例えば、インターネットを介して接続する場合であれば、PPPドライバ、TCP/IPドライバなど)を備える。
【0038】
またIF手段12は、ファンド情報管理システム1を利用するユーザ(運用者等を含む)からキーボード等を通じて入力を受け付けるとともに、該ユーザに対してディスプレイ等を通じて種々の情報を出力可能に構成される。更に、通信ネットワークを介して該ユーザと入出力を行うことができるように構成してもよい。この場合、IF手段12は、該ユーザが使用する情報処理端末(ユーザが保有する一般的なパソコンや携帯端末など)と接続・通信するための通信モジュールを備える。なお、携帯電話等の携帯端末と接続・通信する場合は、外部にある所定のゲートウェイ(例えば、NTTドコモ社のiモードセンター等)を介して接続することになる。
【0039】
制御手段13は、ファンド情報管理システム1全体の動作を制御するとともに、基礎データチェック処理、ファンド情報更新処理、ファンド情報チェック処理などを実行する。図1では、制御手段13において実行される上記の各処理をそれぞれ機能手段としてとらえて図示している。なお、制御手段13は、上記処理以外にも、ファンド情報をユーザが直接的に登録/更新する処理などの処理を実行する。
【0040】
以下、基礎データチェック処理(基礎データチェック手段)、ファンド情報更新処理(ファンド情報更新手段)、ファンド情報チェック処理(ファンド情報チェック手段)について説明する。なお、各ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0041】
(基礎データチェック処理:図5)
基礎データチェック処理は、定期的に又はユーザの指示に基づいて実行される。
【0042】
制御手段13は、データ提供者のシステムに通信ネットワークを介して自動的に接続する(S101)。そして、データ提供者のシステムから金融商品ごとに基礎データを受信し(S102)、基礎データ記憶手段11にそれぞれ登録する(S103)。
【0043】
このように、通信ネットワークを介して直接的に基礎データを受信するように構成することで、ファンド情報管理システム1に対して人間によるデータ入力を行う必要がなくなり、入力作業に伴うデータ入力ミスを排除することができる。
【0044】
ただし、通信ネットワークを介さずに、データ提供者より基礎データが格納された記憶媒体を受け取り、これをファンド情報管理システム1において読み取って、基礎データ記憶手段11に登録するように構成してもよい。また、データ提供者より基礎データが記載された紙媒体等を受け取り、これに基づきファンド情報管理システム1のユーザが基礎データをシステム1に入力し、基礎データ記憶手段11に登録するように構成してもよい。
【0045】
なお、約定データについてはデータ提供者Aのシステムから、時価データについてはデータ提供者Bのシステムからというように、データ別に基礎データを取得するように構成してもよい。
【0046】
次に、制御手段13は、金融商品ごとに、基礎データ記憶手段11から基礎データを読み出し(S104)、基礎データの不足又は/及び異常の有無をチェックし、基礎データの正当性を判断する(S105)。
【0047】
基礎データの不足のチェックに基づく正当性の判断方法としては、次のようなものを考えることができる。
【0048】
例えば時価データであれば、ファンド情報記憶手段10に記憶する第1金融商品データを参照して、ファンドを構成する金融商品(新規買付銘柄及び保有銘柄それぞれに相当する、保有数が0でない金融商品)を抽出する。次に、基礎データ記憶手段11を参照して、前記抽出した金融商品について現在(例えば、処理実行日又はその前日)の時価データが登録されているかどうかをチェックする。そして、時価データが登録されていない場合、基礎データに不足があり、従って基礎データは異常である(正当性がない)と判断する。なお、第2金融商品データを参照して勘定金額が0でない金融商品を抽出し、対応する現在の時価データが登録されているかどうかをチェックするように構成してもよい。
【0049】
また例えば、属性データに基準価額の算出に必要なデータ(例えば変動利付債の次回利率)が含まれている金融商品については、ファンド情報記憶手段10に記憶する第1金融商品データを参照して、ファンドを構成する金融商品のうち、そのような特定の属性データの存在が必須となる金融商品を抽出する。次に、基礎データ記憶手段11を参照して、前記抽出した金融商品について、そのような特定の属性データが登録されているかどうかをチェックする。そして、特定の属性データが登録されていない場合に、基礎データに不足があり、従って基礎データは異常であると判断する。
【0050】
一方、基礎データの異常の有無のチェックに基づく正当性の判断方法としては、次のようなものを考えることができる。
【0051】
第一の方法は、1種類の基礎データに関し、現在のデータ値の、過去のデータ値に対する乖離率pを算出し、該乖離率pが所定の閾値P以上となる場合に、異常があると判断する方法である。
【0052】
この場合、「現在」及び「過去」をどのように特定するかは、基礎データの種類や取得間隔に応じて定めることができる。また、所定の閾値Pについては、ユーザが設定できるように構成することが望ましい。
【0053】
かかる第一の方法を、例えば債権の時価データに適用した場合、現在=当日、過去=前日のように特定し、以下の式により乖離率pを求めることができる。
【0054】
乖離率p={|当日時価−前日時価|/前日時価}×100
通常、時価データ等の基礎データはある程度データ値が連続して変動すると考えられることから、上記方法により乖離率pに基づいて連続性を検証することができ、連続性のない異常データ、すなわち不正データを検出することができる。
【0055】
第二の方法は、1種類の基礎データに関し、現在のデータ値と同じ値を取った最も近い過去の時点を抽出し、該過去の時点から現時に至るまでの期間tを求め、期間t間が所定の閾値T以上である場合に、異常があると判断する方法である。
【0056】
第一の方法と同様、「現在」及び「過去」については、例えば、現在=当日、過去=前日のように特定することができる。また、所定の閾値Tについては、ユーザが設定できるように構成することが望ましい。
【0057】
かかる第二の方法を、例えば債権の時価データに適用した場合、債権の値動きの無い期間として期間tを求めることができる。通常、値動きがない期間が一定以上継続することは考えにくいことから、上記方法により値動きの無い(又は小さい)期間が長期に継続している異常データ、すなわち不正データを検出することができる。
【0058】
なお、前記抽出した過去の時点から現在に至るまでのデータの変動幅wと該過去の時点から現時に至るまでの期間tを求め、変動幅wが所定の閾値W以下かつ期間t間が所定の閾値T以上である場合に、異常があると判断するように構成してもよい。
【0059】
第三の方法は、相関のある2種類の基礎データに関し、第一の基礎データの現在のデータ値の、第二の基礎データの過去のデータ値に対する乖離率qを算出し、該乖離率qが所定の閾値Q以上となる場合に、第一の基礎データについて異常があると判断する方法である。
【0060】
この場合、「現在」及び「過去」をどのように特定するかは、第一及び第二の基礎データの種類や取得間隔に応じて定めることができる。また、所定の閾値Qについては、ユーザが設定できるように構成することが望ましい。
【0061】
かかる第三の方法を、例えば債権の約定単価データを第一の基礎データ、債権の時価データを第二の基礎データとして適用した場合、現在=約定日、過去=約定日の前日のように特定し、以下の式により乖離率qを求めることが考えられる。
【0062】
乖離率q={|約定単価−約定日前日時価|/約定日前日時価}×100
通常、約定単価と約定日前日の時価とは強い相関があり、約定単価が約定日前日の時価と大きく異なることは考えにくいため、上記方法により乖離率qに基づいて相関性を検証することができ、相関性のない異常データ、すなわち不正データを検出することができる。
【0063】
制御手段13は、基礎データが異常である(正当でない)と判断した場合、例えばディスプレイ等に所定の警告を出力し、警告確認の入力を促す(S106)。
【0064】
これにより、ユーザは、警告のあった基礎データについて不正状況を確認し、必要に応じて基礎データの修正等を行ってから、警告を確認して対処したことを示す「警告確認」をファンド情報管理システム1に入力することができる(S107)。
【0065】
なお、異常があると判断した場合のみならず、ユーザに注意喚起すべき基礎データがある場合にも、例えばディスプレイ等に所定の警告を出力し、警告確認の入力を促すように構成してもよい。
【0066】
例えば、変動利付債について、利払日より所定日数前の時点で次回利率が登録されているかどうかをチェックし、登録されていない場合に、所定の警告とともに該変動利付債の情報を表示し、ユーザに注意喚起することが考えられる。
【0067】
制御手段13は、基礎データが正当であると判断した場合、又はユーザから「警告確認」を受けつけた場合、基礎データチェック処理を終了する。
【0068】
なお、S107においてユーザから修正等を受けつけた場合に、再度、基礎データの正当性を判断するように構成してもよい。
【0069】
また、基礎データの正当性の判断方法は、上記の第一〜第三の方法に限られない。例えば、時価データ等が負値となっている場合は明らかに異常であるため、そのような時価データ等は異常であると判断し、警告を出力するように構成してもよい。
【0070】
このように、基準価額を算出するために必要な基礎データに対して、基礎データチェック処理を実行し、正当でない場合に警告を出力するように構成しているため、ユーザに基礎データの修正等を促すことができ、ユーザの修正等を受けた上で基礎データを最終的に決定することが可能となって、より正確に基準価額を求めることが可能となる。
【0071】
(ファンド情報更新処理)
ファンド情報更新処理は、定期的に又はユーザの指示に基づいて実行される。ただし、基礎データチェック処理に続いて実行されるように構成してもよい。
【0072】
制御手段13は、ユーザからファンドを指定して初期設定の指示を受け付けた場合、ファンド情報記憶手段10を参照し、ユーザからの入力に基づいて、該ファンドの設定時の受益権口数のデータ、基準価額を登録する。また、該ファンドの第2金融商品データに必要な情報を登録する(例えば、貸借対照表の資産科目に純資産総額に相当する現金を、資本科目に純資産総額に相当する元本を登録する)。
【0073】
一方、制御手段13は、ユーザからファンドを指定して金融商品買付/売付設定の指示を受け付けた場合、原則として基礎データチェック処理において該ファンドの基礎データについて正当であると判断されたか又はユーザから警告確認が入力されていることを条件に、基礎データ記憶手段11を参照し、該ファンドの基礎データから新規買付/売付分の約定データを抽出する。
【0074】
次に、ファンド情報記憶手段10を参照し、前記抽出した約定データに基づき、該ファンドの第1金融商品データに必要な情報を登録/更新する(例えば、買い付けた/売り付けた金融商品について、保有数、購入単価、購入金額総額などのデータを登録/更新する)。
【0075】
例えば、既に登録されている金融商品を追加で買い付けた場合は、以下のように第1金融商品データを更新すればよい。例えば、追加買付分の約定データが「銘柄Aの債券を800円で1000購入」という売買取引(アクション)に対応するものである場合、第1金融商品データの銘柄Aについて、更新後購入単価=(更新前購入単価×更新前保有数+800×1000)/(更新前保有数+1000)、更新後保有数=更新前保有数+1000、更新後購入金額総額=更新前購入金額総額+800×1000のように更新する。
【0076】
次に、該ファンドの第1金融商品データに基づき、ファンド情報記憶手段10に記憶される該ファンドの第2金融商品データを複式簿記の規則に従って更新する。上述した具体例の場合、第2金融商品データについては、例えば、資産科目の債権に関する更新後勘定残高=資産科目の債権に関する更新前勘定残高+800×1000のように更新する。
【0077】
また一方、制御手段13は、ユーザからファンドを指定して資産評価の指示を受け付けた場合、ファンド情報記憶手段10を参照し、該ファンドの第1金融商品データに登録されている金融商品を抽出する。
【0078】
次に、制御手段13は、原則として基礎データチェック処理において該ファンドの基礎データについて正当であると判断されたか又はユーザから警告確認が入力されていることを条件に、基礎データ記憶手段11を参照し、前記抽出した金融商品についてそれぞれ時価データを抽出し、前記抽出した時価データに基づいてファンド情報記憶手段10に記憶される該ファンドの第1金融商品データ(時価単価、時価金額総額、評価損益など)を登録/更新する。
【0079】
例えば、銘柄Aの時価データが750円である場合、銘柄Aに対応する第1金融商品データについて、時価単価=750円、時価金額総額=保有数×750円、評価損益=時価金額総額−購入金額総額のように更新する。
【0080】
なお、制御手段13は、ファンドが金融商品として債権等を含む場合、アキュム評価に基づき、債権等の評価額、評価金額総額などを算出し、第1金融商品データに登録/更新する。アキュム評価とは、償還時に得られる利益(額面金額−購入金額)を償還時に一度に計上するのではなく、所有期間に応じて段階的に評価額(帳簿価額)の増額を行うことを言う。債権についてアキュム評価により会計処理する場合、評価損益は、評価金額総額−購入金額総額として求められる。
【0081】
次に、制御手段13は、前記更新した該ファンドの第1金融商品データに基づき、ファンド情報記憶手段10に記憶される該ファンドの第2金融商品データを複式簿記の規則に従って更新する。
【0082】
(ファンド情報チェック処理:図6)
ファンド情報チェック処理は、定期的に又はユーザの指示に基づいて実行される。ただし、ファンド情報更新処理に続いて実行されるように構成してもよい。
【0083】
制御手段13は、ファンドごとに、ファンド情報記憶手段10からファンド情報を読み出し(S200)、金融商品データの正当性を判断する(S201)。
【0084】
金融商品データの正当性の判断方法としては、次のようなものを考えることができる。
【0085】
制御手段13は、ファンド情報記憶手段10を参照し、ファンドごとに、該ファンドの第2金融商品データに登録される勘定残高を抽出し、前記抽出した勘定残高が負値を取る場合に、該ファンドの金融商品データに異常があると判断する。
【0086】
また、該ファンドの第2金融商品データに基づき、賃借対照表がバランスしていない(借方合計と貸方合計が一致しない)場合に、該ファンドの金融商品データに異常があると判断する。
【0087】
また、制御手段13は、ファンドを構成する金融商品に債権が含まれる場合、該ファンドの第2金融商品データに登録される債権の評価換金額に関し、入力値の、計算値に対する乖離率rを下記式に基づいて算出し、該乖離率rが所定の閾値R以上となる場合に、該ファンドの金融商品データに異常があると判断する。なお、所定の閾値Rについては、ユーザが設定できるように構成することが望ましい。
【0088】
乖離率r={|1日あたりの評価換金額入力値−1日あたりの評価換金額計算値|/1日あたりの評価換金額計算値}×100
通常、評価換金額はアキュム評価によって計算できるが、状況によってはユーザが評価換金額を直接入力する場合がある。このような場合に、乖離率rに基づいて1日あたりの評価換金額について入力値と計算値とのギャップを検証することで、ギャップの大きい異常値、すなわち不正データを検出することができる。
【0089】
次に、制御手段13は、金融商品データに異常がある(正当でない)と判断した場合、例えばディスプレイ等に所定の警告を出力し、警告確認の入力を促す(S202)。
【0090】
これにより、ユーザは、警告のあったファンド情報について不正状況を確認し、必要に応じてファンド情報の修正等を行ってから、警告を確認して対処したことを示す「警告確認」をファンド情報管理システム1に入力することができる(S203)。
【0091】
なお、異常があると判断した場合のみならず、ユーザに注意喚起すべきファンド情報がある場合にも、例えばディスプレイ等に所定の警告を出力し、警告確認の入力を促すように構成してもよい。
【0092】
例えば債権について、上述したアキュム評価を開始する残高を所定の警告とともに表示し、ユーザに注意喚起することが考えられる。
【0093】
また例えば債権について、利払日前に182日ルール適用により未収利息計上を停止する場合があるため、その停止した時点での評価額を所定の警告とともに表示して、ユーザに注意喚起することが考えられる。なお、債権の評価額は、年間未収利息を365日で除算して1日あたりの未収利息を求め、これを毎日加算していくことで、帳簿上、評価額が日々増額していくものとして取り扱う。しかし、債権の本来の利払日(通常、年2回、182.5日ごと)が祝祭日等であったときは、次営業日にまで利払日が繰り伸ばされることになるため、もし実際の利払日(次営業日)での評価額を採用して勘定残高を算出すると、本来の利払日における勘定残高より過大な金額となってしまい、正しい勘定残高を算出できない。そこで、このような場合、本来の利払日をもって未払利息の計上を停止することが行われる。上記警告は、このような状況についてユーザに注意喚起するためのものである。
【0094】
次に、制御手段13は、ファンドごとに、原則として金融商品データについて正当であると判断されたか又はユーザから警告確認が入力されていることを条件に、金融商品データ等に基づいて、基準価額を算出し、ファンド情報に含まれる基準価額を更新する(S204)。
【0095】
具体的には、まず、第2金融商品データに基づき、賃借対照表上純資産総額=資産科目合計−負債科目合計を求める。次に、第1金融商品データに基づき、該ファンドを構成する金融商品について評価損益を集計する。そして、信託財産純資産総額=賃借対照表上純資産総額+評価損益集計を求める。最後に、ファンド情報に含まれる受益権口数に基づき、基準価額=信託財産純資産総額/受益権口数を算出する。
【0096】
なお、制御手段13は、更新された基準価額に基づき、加算金や留保金等を考慮して販売価額、解約価額を算出し、ファンド情報に含まれる各価額についても更新する。
【0097】
次に、制御手段13は、ファンドごとに、ファンド情報記憶手段10からファンド情報を読み出し(S205)、基準価額データの正当性を判断する(S206)。
【0098】
基準価額データの正当性の判断方法としては、次のようなものを考えることができる。
【0099】
制御手段13は、ファンドごとに、基準価額データに関し、現在のデータ値の、過去のデータ値に対する乖離率sを算出し、該乖離率sが所定の閾値S以上となる場合に、該基準価額データに異常があると判断する。
【0100】
この場合、「現在」及び「過去」をどのように特定するかは、基準価額の算出間隔などに応じて定めることができる。また、所定の閾値Rについては、ユーザが設定できるように構成することが望ましい。
【0101】
かかる方法を、例えば基準価額に適用した場合、現在=当日、過去=前日のように特定し、以下の式により乖離率sを求めることができる。
【0102】
乖離率s={|当日基準価額−前日基準価額|/前日基準価額}×100
通常、基準価額はある程度データ値が連続して変動すると考えられることから、上記方法により乖離率sに基づいて基準価額の連続性を検証することができ、連続性のない異常データ、すなわち不正データを検出することができる。なお、販売価額、解約価額に対しても同様に乖離率を求めて閾値と比較することで、不正データを検出することができる。
【0103】
制御手段13は、基準価額データに異常がある(正当でない)と判断した場合、例えばディスプレイ等に所定の警告を出力し、警告確認の入力を促す(S207)。
【0104】
これにより、ユーザは、警告のあった基準価額データについて不正状況を確認し、必要に応じて基準価額データの修正等を行ってから、警告を確認して対処したことを示す「警告確認」をファンド情報管理システム1に入力することができる(S208)。
【0105】
制御手段13は、ファンド情報(金融商品データ、基準価額データ)が正当であると判断した場合、又はユーザから「警告確認」を受けつけた場合、ファンド情報チェック処理を終了する。
【0106】
なお、S203やS208においてユーザから修正等を受けつけた場合に、再度、ファンド情報の正当性を判断するように構成してもよい。
【0107】
このように、ファンドの金融商品データや基準価額データに対して、ファンド情報チェック処理を実行し、正当でない場合に警告を出力するように構成しているため、ユーザにファンド情報の修正等を促すことができ、ユーザの修正等を受けた上でより正確に基準価額を求めることが可能となる。
【0108】
以上のように、本発明では、基礎データチェック処理により、基準価額の計算に必要な基礎データが取得できていることや、その取得した基礎データが正当であることを検証しているため、基礎データへの不正データの混入、基礎データ等を供給する際の配信漏れを検出することができ、その結果、これらに起因する基準価額の算出誤りを防止することができる。
【0109】
また、本発明では、ファンド情報チェック処理により、基準価額の計算に必要な金融商品データや、基準価額データそのものについて正当であることを検証しているため、受託者が基準価額算出に用いる基礎データの一部を委託者から受け取っている場合であって、その基礎データにデータ入力ミス等が存在する場合でも、該データ入力ミスに起因する基準価額の算出誤りを検出することができる。
【0110】
(その他)
本発明の他の実施形態として、情報処理プログラム、又は前記情報処理プログラムを記録した記録媒体が考えられる。記録媒体としてはCD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリその他の記録媒体を用いることができる。
【0111】
この場合、情報処理プログラムは、通信ネットワークを介して、又は記録媒体からデータ処理装置に読み込まれ、データ処理装置の動作を制御する。データ処理装置は情報処理プログラムの制御により、本発明の実施形態における制御手段13による処理と同一の処理を実行する。
【0112】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されることなく種々に変形して適用することが可能である。例えば、上記実施形態において説明した各種チェック処理は例示であり、他のロジックに基づき基礎データのチェックやファンド情報のチェックを行う処理を採用してもよい。例えば、同じ金融商品について複数のデータ提供者からそれぞれ基礎データを取得し、それらの整合性をチェックして、基礎データの正当性を判断するように構成してもよい。
【0113】
また例えば、従来の委託者が有していたシステム(ディスクローズ機能や対外報告書作成機能等を備えるシステム)や受託者が有していたシステム(受渡決済管理機能や金信利息管理機能等を備えるシステム)、更にはこれらを統合したシステムにおける、基準価額の算出に関わる機能構成を、上記実施形態において説明した機能構成に置き換えた実施形態も考えられる。また、上記実施形態における基礎データチェック処理、ファンド情報チェック処理をチェックシステムとして抽出し、従来の委託者システム等と併存させて使用するという実施形態も考えられる。
【0114】
また例えば、上記実施形態において、警告を出力する際、チェック処理に応じて複数の警告レベル(例えば、「対応要」レベル、「注意喚起」レベルなど)を設けて出力するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】ファンド情報管理システムの構成を示すブロック図である。
【図2】ファンド情報記憶手段におけるデータ構造を説明するための図である。
【図3】第1金融商品データ及び第2金融商品データを説明するための図である。
【図4】基礎データ記憶手段におけるデータ構造を説明するための図である。
【図5】基礎データチェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】ファンド情報チェック処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】従来の基準価額を検証する枠組みを説明するための図である。
【符号の説明】
【0116】
1 情報処理システム
10 ファンド情報記憶手段
11 基礎データ記憶手段
12 IF手段
13 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンドごとに、該ファンドを構成する金融商品のデータと、該ファンドの基準価額に関するデータと、を記憶するファンド情報記憶手段と、
ファンドの基準価額を算出するために用いる基礎データを記憶する基礎データ記憶手段と、
基礎データの不足又は/及び異常の有無に基づき、基礎データの正当性を判断する基礎データチェック手段と、
前記基礎データチェック手段が正当でないと判断した場合に、所定の警告を出力し、警告確認の入力を促す警告手段と、
基礎データについて正当であると判断されたか又は警告確認が入力されたファンドに対し、基礎データに基づいて前記ファンド情報記憶手段に記憶する金融商品データを更新し、該更新した金融商品データに基づいて基準価額データを更新するファンド情報更新手段と、
を備えたことを特徴とするファンド情報管理システム。
【請求項2】
前記基礎データチェック手段は、1種類の基礎データに関し、現在のデータ値の、過去のデータ値に対する乖離率を算出し、該乖離率が所定の閾値以上となる場合に異常があると判断することを特徴とする請求項1記載のファンド情報管理システム。
【請求項3】
前記基礎データチェック手段は、1種類の基礎データに関し、現在のデータ値と同じ値を取った最も近い過去の時点を抽出し、該過去の時点から現時に至るまでの期間tを求め、該期間t間が所定の閾値以上である場合に異常があると判断することを特徴とする請求項1又は2記載のファンド情報管理システム。
【請求項4】
前記基礎データチェック手段は、相関のある2種類の基礎データに関し、第一の基礎データの現在のデータ値の、第二の基礎データの過去のデータ値に対する乖離率を算出し、該乖離率が所定の閾値以上となる場合に、第一の基礎データについて異常があると判断することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のファンド情報管理システム。
【請求項5】
更に、前記ファンド情報記憶手段に記憶する金融商品データ及び基準価額データの正当性を判断するファンド情報チェック手段を備え、
前記警告手段は、前記ファンド情報チェック手段が正当でないと判断した場合に、所定の警告を出力し、警告確認の入力を促すことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のファンド情報管理システム。
【請求項6】
前記ファンド情報チェック手段は、金融商品データに含まれる勘定残高が負値を取る場合に、該金融商品データに異常があると判断することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のファンド情報管理システム。
【請求項7】
前記ファンド情報チェック手段は、基準価額データに関し、現在のデータ値の、過去のデータ値に対する乖離率を算出し、該乖離率が所定の閾値以上となる場合に異常があると判断することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のファンド情報管理システム。
【請求項8】
ファンドの基準価額を算出するために用いる基礎データを記憶する基礎データ記憶手段を参照し、基礎データの不足又は/及び異常の有無に基づき、基礎データの正当性を判断する基礎データチェック工程と、
前記基礎データチェック工程において正当でないと判断された場合に、所定の警告を出力し、警告確認の入力を促す警告工程と、
ファンドごとに、該ファンドを構成する金融商品のデータと、該ファンドの基準価額に関するデータと、を記憶するファンド情報記憶手段を参照し、基礎データについて正当であると判断されたか又は警告確認が入力されたファンドに対し、基礎データに基づいて金融商品データを更新する工程と、
前記ファンド情報記憶手段を参照し、前記更新した金融商品データに基づいて基準価額データを更新する工程と、
を備えたことを特徴とするファンド情報管理方法。
【請求項9】
請求項8記載のファンド情報管理方法をコンピュータで実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−99259(P2006−99259A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−282302(P2004−282302)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000155469)株式会社野村総合研究所 (1,067)