説明

フアクシミリ装置

【目的】 発信ドキュメントの受信先である指定局がビジー状態或いはメモリフル状態であっても的確に親展通信を行えるようにする。
【構成】 回線接続後、受信機2側からの音声合成メッセージ送出中に送信機1側からのPB信号送出によるパスワードを受信機2へ通知することにより、受信機2内部に割り当てられたパスワード管理メモリエリア9へ画情報を蓄積する。そして、受信機2の所定のオペレーションによりパスワードを入力すれば、送られてきた画情報を記録することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、親展通信を行うファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のファクシミリ装置は、重要書類等の原稿を相手へ送信するような場合親展通信を行う。そしてこの親展通信を行う場合、原稿をセットする前にまずパスワードを入力して親展通信指定を行い、その後原稿を相手へ送信することにより重要書類に対する機密保持を図るようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のファクシミリ装置は、原稿、即ち発信ドキュメントの受信先である指定局がビジー状態のときには繰り返し再発呼を行うようになっているが、この再発呼回数が所定回数に達した場合には指定局への発呼を断念し、再び所定の操作で親展通信指定を行う必要があった。また、受信側のメモリに画情報がフルに蓄積されこれが満杯状態となっている場合には、通常の原稿情報は勿論、親展通信による画情報さえも送信できないという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決するために本発明は、受信用メモリ空間の一部にパスワード管理されたメモリエリアを設け、回線接続後の所定時間内に、発呼側は予め決められたパスワードをPB信号により送信することにより着呼側に知らせ、着呼側はパスワード管理されたメモリエリアへ画情報を取り込むようにしたものである。
【0005】
【作用】したがって、指定局との回線閉結が確認された後にパスワードの入力により親展通信が受け付けられ、予め受信用メモリ空間の一部に設けられたメモリエリアに上記親展通信に基づく画情報が蓄積される。この結果、重要文書が的確に伝達される。
【0006】
【実施例】以下、本発明について図面を参照して説明する。図1は本発明に係るファクシミリ装置の一実施例を示すブロック図である。同図において、1は原稿を送信する送信機、2は送信されてくる原稿情報を受信する受信機、3は回線、4は回線制御部、5は蓄積された音声信号を出力する音声合成部、6は回線3から到来するパスワードとしてのPB信号を受信しデジタル信号に変換するDTMFレシーバ、7はこのファクシミリ装置全体の制御を行う制御部、8はアドレス切換メモリ制御部、9はパスワード管理されたメモリエリアである。
【0007】即ち、送信機1と受信機2とは回線3により接続されており、送信機1は、受信機2へ原稿を送信するために受信機2との回線接続を行う。この回線接続の手順は、ダイヤル発信により受信機2を呼出す一般的な発呼の手順により行われる。こうして送信機1により発呼が行われ回線3に着信が到来すると、受信機2では到来した着信を回線制御部4で検出しこれに応答した後、回線制御部4を介し音声合成部5から音声メッセージを送信機1へ送出する。
【0008】こうして送信機1側へ音声メッセージが送出されると、送信機1ではこの音声メッセージを聴取しながら、親展通信を行うために受信機2に対しPB信号によりパスワードを送出する。即ち、送信機1側では受信機2側から音声メッセージが送出されている間にパスワードを送出する。そして送信機1から送られたパスワードは、受信機2内のDTMFレシーバ6によって受信されデジタル信号に変換されたのち制御部7へ送られる。制御部7では、予め登録されているパスワードとDTMFレシーバ6から送られたパスワードとを照合し、これらが一致した場合にはアドレス切換メッセージ制御部8に対しパスワード管理メモリエリア9へ画情報を取り込むようにスイッチング命令を行う。この結果、パスワード送出後に送信機1から送信される親展通信指定の画情報はパスワード管理メモリエリア9へ取り込まれ蓄積される。
【0009】こうしてパスワード管理メモリエリア9へ親展通信指定の画情報が蓄積されると、受信機2では所定のオペレーションでパスワードを入力する。このパスワード入力によりパスワード管理メモリエリア9から画情報が読み出されて記録紙へ記録される。
【0010】図2は、上記した一連の通信動作の手順を示す説明図である。なお、この図に示す基本的手順はCCITT勧告T.30に準拠している。また、図中のPIXは、画情報を示している。このように、受信側の限定された人へ重要書類をファクシミリ送信する親展通信を行う場合、受信用メモリ空間の一部にパスワード管理されたメモリエリア9を設けると共に、送信側にはPB信号送出の機能を備え、回線接続が確認された後に送信側からPB信号を送出することにより親展通信を行うことが可能となる。また受信機側のメモリがフルの状態であっても親展通信を行うことができる。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、メモリ空間の一部にパスワード管理されたメモリエリアを設けると共に、回線接続後の所定時間内の操作に基づくパスワードを受信して親展通信に基づく画情報を蓄積するようにしたので、親展通信指定による重要書類が的確に送信できると共に親展通信指定の操作を再度やり直す必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るファクシミリ装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】上記装置における通信手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1 送信機
2 受信機
3 回線
4 回線制御部
5 音声合成部
6 DTMFレシーバ
7 制御部
8 アドレス切換メモリ制御部
9 パスワード管理メモリエリア

【特許請求の範囲】
【請求項1】 回線に到来する親展通信指定に基づく画情報を受信してメモリへ蓄積するファクシミリ装置において、前記メモリ空間の一部にパスワード管理されたメモリエリアを設けると共に、回線接続後の所定時間内に発呼側からPB信号により送信される予め決められたパスワードを受信するパスワード受信手段と、前記パスワードの受信に基づいて前記画情報を前記メモリエリアへ蓄積する手段とを備えたことを特徴とするファクシミリ装置。

【図2】
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【図1】
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