説明

フィデューシャルを配備するためのシステム及び方法

実施形態は、操作用に構成されたハンドルを備えるフィデューシャル配備システムを含んでいる。フィデューシャル(400)は、本システムの針(1614)の1つ又はそれ以上のスロットに係合するように構成されている1つ又はそれ以上の突起を含むことができる。針は、複数のフィデューシャルを標的場所に、一度に1つずつ連続式に送達するように構成することができる。一部の特定の実施形態では、フィデューシャルのエコー源性的な設置が特定の利点をもたらす。ハンドルは、スタイレットをフィデューシャルが配置されている針の本体を通して前進させる及び/又は当該針の本体を後退させることにより、1つ又はそれ以上のフィデューシャルを増分式又はそれ以外のやり方で制御式に配備するように構成された構造(1676)を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2010年4月21日出願の米国特許出願第12/764,432号の一部継続出願であるとともに、2009年12月18日出願の米国仮特許出願第61/287,964号に対する優先権を主張するものであり、前記出願のそれぞれをここに参考文献としてそっくりそのまま援用する。
【0002】
本発明は、概括的には、1つ又はそれ以上のフィデューシャルを含んでいる医療装置システム及び同装置システムの使用方法に関する。より厳密には、本発明は、特別に構成されているフィデューシャル、同フィデューシャルと共に使用するように構成されている針、及びそれらの使用方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
医療処置では、患者の内部の標的区域を探知して治療することが必要とされる場合が多い。集中的線量送達放射線療法では、標的の周囲の健康な組織に損傷を与えることを制限するために、標的を高い精密度で探知することが求められる。放射線腫瘍学では、既に癌の浸食に苦しめられている患者においては隣接する身体部分の放射線への被曝を制限することが望ましいという理由から、標的の精確な場所を知ること又は推定することが特に重要である。しかしながら、放射線医学であれそれ以外であれ、全ての治療処置では、治療されるべき領域を正確に狙い撃つことができるのが最も望ましい。
【0004】
多くの用途では、何らかのやり方で働きかけられることを必要としている(例えば、癌性の腫瘍、嚢胞、偽性嚢胞、又は他の標的の様な)治療標的又は標的の一部を直接視検することは可能ではない。一例として、肺又は膵臓の腫瘍を放射線で治療するとき、放射線治療の直前に患者の内部の実際の腫瘍を視検することは可能ではないかもしれない。従って、放射線治療が健康な組織への損傷を回避しながら腫瘍に的を絞ることができるように、腫瘍を正確に探知できるようにするための何らかの機構を有することは極めて都合がよい。
【0005】
CAT(コンピュータ支援断層法)スキャン、MRI(磁気共鳴画像化法)、X線、超音波、又はその他の技法を使用して視覚化することができる標的領域についてさえ、治療の狙い撃ちでは往々にして困難が生じることがある。このことは、とりわけ、標的組織が患者の胴部及び軟組織領域の内部にある場合に当て嵌まる。それらの部位の組織の可動性(例えば、呼吸時/消化時の内部器官の運動、体位の何らかの変化に伴う胸部組織の運動)のせいで、標的領域は、解剖学的な目印に対し、及び/又は上記の視覚化処置のうちの1つの処置中に患者の身体の外表面へ設置され得るマーカーに対し、固定されたままであるとは限らない。
【0006】
この問題に取り組むために幾つかの技法が開発されてきた。1つのその様な技法は、患者の中へ標的領域のマージンに沿ってマーカーを設置するというものである。マーカーは、能動的(例えば、療法の狙い撃ちで有用な或る種の信号を発する)であってもよいし、受動的(例えば、超音波、MRI、X線、又は他の狙い撃ち技法下で標的化のために使用することができる非強磁性金マーカーであって、治療装置に含まれ得るマーカー―フィデューシャルと呼ばれる―)であってもよい。
【0007】
フィデューシャルは、典型的に、放射線不透過性材料で形成されており、フィデューシャルをX線撮影検出下に位置マーカーとして使用して部位を狙い撃ちする装置を用いれば、標的を効果的に探知して治療することができる。典型的には、フィデューシャルは単純な施術で患者の中へ挿入することができる。経皮的設置が最もよく使用されている。しかしながら、患者の内部器官へのフィデューシャルの設置のために、近年、内視鏡を介した低侵襲性設置の使用が開発された。例えば、フィデューシャルの膵臓腫瘍のマージンに沿った経皮的設置は、複雑で、痛みを伴うこともある(特に針サイズがどうしても大き目になる肥満患者ではそうである)。患者の中の経皮的に植え込まれた物体を使用するもう1つのプロセスに、近接照射療法がある。近接照射療法では、高線量の放射線を腫瘍に提供するように、但し腫瘍の周囲の健康な組織には提供しないように、放射能源である「シード」が腫瘍の中へ及び/又は腫瘍に隣接して植え込まれる。
【0008】
図1A及び図1Bは、近接照射療法シード又はフィデューシャルの設置に有効な先行技術の2部品構成導入器100の長手方向断面図を示している。はじめに図1Aを参照すると、導入器100は、針102と、針102の内部に滑動可能に配置されているスタイレット104を含んでいる。スタイレット104は、第1ハンドル101と、尖っていない遠位端106を含んでいる。針102は、第2ハンドル103と、第2ハンドル103を通って伸びている、斜めに切り落とされた先端を有するカニューレ108を含んでいる。カニューレ108はシード/フィデューシャル110を保持するように構成されている。カニューレ108は、シード/フィデューシャル110を患者へ経皮的に植え込むように構成されている遠位先端105を有している。
【0009】
「予備装填形態」では、シード/フィデューシャル110は、骨蝋又は他の適した(単数又は複数の)生体適合性材料から作られている栓112によって、カニューレ108の中に維持されている。これは、典型的には、フィデューシャルが遠位の針の中へ入れられ、次いで骨蝋栓によって所定場所に保持される、「前装式」技法によって達成される。これは幾つかの課題を提起することにもなりかねず、というのも、骨蝋栓112が患者の中でアーチファクトとして視認され、身体構造又は治療装置の鮮明な視覚化を妨げる可能性があるからである。この構成を用いると、カニューレ108は、それぞれのシード/フィデューシャル110の送達後に、引き抜かれ、装填し直されなくてはならない。フィデューシャルの標的場所が非常に遠く離間していたなら、カニューレ108の多回導入にたった1つの経皮的導入器カニューレ/トロカールの使用は実行性がない。その様な状況では、患者は数回の経皮的穿刺(及び穿刺の度に増す、付きまとう感染の危険性)を耐え忍ばなくてはならない。
【0010】
シード/フィデューシャル110の所望配列を患者の中の標的場所に植え込むために、施術者は、(典型的には蛍光透視法的視覚化の下に)カニューレ108を第1の方向(矢印A)へ押し出して、先端105を患者の中へ挿入する。次いで、施術者は、第2ハンドル103を更に遠くへ第1の方向に押し出して、先端105を、シード/フィデューシャル110が植え込まれるべき患者の内部の所望の深さに位置付ける。この動作の間中、施術者は、針102とスタイレット104を一体に1つのユニットとして動かす。所望の深さ/場所で、施術者は、一方の手で第1ハンドル101を、他方の手で第2ハンドル103を把持する。次いで、施術者は、第1ハンドル101を静止保持し、同時に第2ハンドル103を第2の方向(矢印B)に第1ハンドル101に向かって滑らせて戻す。図1Bに示されている様に、この運動は、カニューレ108にシード/フィデューシャル110の上を後退させ、その結果、シード/フィデューシャル110が患者に植え込まれる。代わりに、施術者は、第1ハンドル101を第1の方向(矢印A)へ動かし、その間に第2ハンドル103を第2の方向(矢印B)に滑らせて戻すようにしてもよい。これは、スタイレット104に、シード110をカニューレ108から外へ押し出させる。この処置は、その後、他のシード/フィデューシャル110を設置するため繰り返される。放射線療法の狙い撃ちのために使用される場合、典型的には最少でも3つのフィデューシャルが必要とされる。
【0011】
開示されている構造から理解されるであろうが、1つのフィデューシャルを配備した後、代わりに、スタイレット104を完全に引き抜き、次いで別のフィデューシャルを針ルーメンの中へ入れ、同ルーメンを通して、針遠位先端105が既に導かれている第2の場所まで前進させることによって、導入器100を近位端から装填し直すこともできる(「後装式」技法)。フィデューシャル標的場所がこの技術を許容でき得る程度に互いに近接しているのであれば、この技法は、2つ以上のフィデューシャルを設置するのに必要な経皮的穿刺又は他のアクセス処置の回数を減らすことができる。しかしながら、この技法は、組織及び関連の体液の中にエアポケットを導入するので、超音波が使用中であるか又は程なく使用される予定の処置では問題を生む。それらエアポケットは組織及び/又は体液と一体で、標的区域及び/又は同区域の中/周囲を診断又は治療するのに使用されている道具の超音波による視覚化を妨げかねないやり方でエコーを発生させる。近接照射療法の幾つかの技法では、一連のフィデューシャルが針の中へ―別々か又は縫合糸或いは同種の装置によって接続されてかの何れかで―事前装填され、次いで、かなり密に近接してひとまとめに設置されるが、但し、その様な技法は、典型的には、3つ又はそれ以上のフィデューシャルを、例えば腫瘍のマージンに対して治療を狙い撃ちするために使用できるように十分にばらけた場所に設置する場合には有効ではない。
【0012】
プロセスは、かなり最近開発された方式で内視鏡的に植え込む場合も、針とスタイレットが内視鏡の作業チャネルに通して使用するための当技術で既知の型式であること以外は同様である。現在の内視鏡的技法の1つの制限は、導入することのできるフィデューシャルのサイズである。内視鏡の作業チャネルのサイズ制限により、内視鏡から出て解剖学的標的までの前進中に(内部のスタイレット又は他の支持体を有していない)針を屈曲させる、折れ曲がらせる、湾曲させる、又はそれ以外に損傷させるという危険を冒すことなく典型的に使用できる最大の針は、19ゲージ針である。このことは、現在の円筒形フィデューシャルを使用する針ルーメンを通して導入することのできるフィデューシャルのサイズに制限をかける。内視鏡的技法は、概して、上述されているのと同じ装填し直し問題に苦しめられている。外からの経皮的穿刺は論題にならないとしても、「後装式」でスタイレットだけを引き抜くにしても「前装式」で装置全体を引き抜くにしても、引き抜いて装填し直さなくてはならないことで、貴重な時間は割かれ、処置は複雑化し、追加の職員が必要になる可能性もある。
【0013】
フィデューシャルの操縦と設置には、超音波、特に内視鏡的超音波(EUS)を使用するのが望ましいであろう。そいうものとして、フィデューシャルのサイズとエコー源性プロフィールに基づく改良されたエコー源性を提供する最大可能フィデューシャルを提供し、使用することが望ましいであろう。針の中に多段式フィデューシャルが提供されていて、それそれぞれのフィデューシャルの設置後の手作業による装填し直しを要するのではなく、制御された連続方式(一度に1つずつ)で導入できるようになっているのが望ましいであろう。
【特許文献1】米国特許出願第12/764,432号
【特許文献2】米国仮特許出願第61/287,964号
【発明の概要】
【0014】
本明細書に記載されているフィデューシャル配備システムの実施形態は、1つ又はそれ以上の突起を有する1つ又は複数のフィデューシャル、複数のフィデューシャルを連続式に送達するように構成されているスロット付きの針、及びフィデューシャルを標的領域へ送達する方法、のうちの1つ又はそれ以上を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1A】先行技術のフィデューシャル導入器及び使用方法を示している。
【図1B】先行技術のフィデューシャル導入器及び使用方法を示している。
【図2A】フィデューシャルの第1の実施形態を示している。
【図2B】フィデューシャルの第2の実施形態を示している。
【図2C】フィデューシャルの第3の実施形態を側面図により示している。
【図2D】フィデューシャルの第3の実施形態を上面図により示している。
【図2E】フィデューシャルの第3の実施形態を横断面図により示している。
【図3】フィデューシャルの第4の実施形態の上方斜視図を示している。
【図3A】フィデューシャルの第4の実施形態の横断面図を示している。
【図4】フィデューシャルの第5の実施形態の上方斜視図を示している。
【図4A】フィデューシャルの第5の実施形態の横断面図を示している。
【図5】フィデューシャルがそれに沿って滑動可能に配置された縫合糸を含んでいる第6のフィデューシャル実施形態を示している。
【図6】第7のフィデューシャル実施形態を示している。
【図7】フィデューシャルの第8の実施形態の上方斜視図を示している。
【図7A】フィデューシャルの第8の実施形態の横断面図を示している。
【図8】スロット付きの針の実施形態の上面図を示している。
【図8A】スロット付きの針の別の実施形態の上面図を示している。
【図9】針のルーメンの中にフィデューシャルが配置された状態の図8の針の横断面図を示している。
【図10】フィデューシャル配備システムの上方斜視図を示している。
【図10A】フィデューシャル配備システムの長手方向断面図を示している。
【図11A】フィデューシャルを設置する方法を示している。
【図11B】図11Aと共に、フィデューシャルを設置する方法を示している。
【図11C】図11A及び図11Bと共に、フィデューシャルを設置する方法を示している。
【図11D】フィデューシャルを設置する他の1つの方法を示している。
【図11E】フィデューシャルを設置する他のもう1つの方法を示している。
【図12A】針とフィデューシャルの別の実施形態の上方斜視図を示している。
【図12B】図12Aの針とフィデューシャルの別の実施形態の上から見た平面図を示している。
【図13】針とフィデューシャルの別の実施形態の上方斜視図を示している。
【図13A】図13の針とフィデューシャルの別の実施形態の横断面図を示している。
【図14】Tアンカー付きの縫合糸を使用するフィデューシャル設置方法を示している。
【図15】別のフィデューシャル実施形態を示している。
【図15A】図15の別のフィデューシャル実施形態と共に使用するように構成されている別の針実施形態を示している。
【図16A】フィデューシャル配備システムのためのハンドルの実施形態を示している。
【図16B】図16Aと共に、フィデューシャル配備システムのためのハンドルの実施形態を示している。
【図17A】フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の実施形態を示している。
【図17B】図17Aと共に、フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の実施形態を示している。
【図17C】図17A−図17Bに示されている実施形態から修正された、フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の実施形態を示している。
【図17D】図17Cと共に、修正されたフィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の実施形態を示している。
【図18A】フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の別の実施形態を示している。
【図18B】図18Aと共に、フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の別の実施形態を示している。
【図18C】図18A及び図18Bと共に、フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の別の実施形態を示している。
【図18D】図18A−図18Cと共に、フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の別の実施形態を示している。
【図19A】フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の別の実施形態を示している。
【図19B】図19Aと共に、フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の別の実施形態を示している。
【図19C】図19A及び図19Bと共に、フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の別の実施形態を示している。
【図19D】図19A−図19Cと共に、フィデューシャル配備システムのハンドルのための前進機構の別の実施形態を示している。
【図20A】他のフィデューシャル実施形態の1つを示している。
【図20B】他のフィデューシャル実施形態の1つを示している。
【図20C】他のフィデューシャル実施形態の1つを示している。
【図20D】他のフィデューシャル実施形態の1つを示している。
【図20E】他のフィデューシャル実施形態の1つを示している。
【図20F】他のフィデューシャル実施形態の1つを示している。
【図21】針様遠位先端を備えた構成の1つ又はそれ以上のフィデューシャルを含んでいる、別のフィデューシャル配備システム実施形態の遠位端を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
「近位」及び「遠位」という用語は、ここでは一般的用法の意味で使用されており、近位は装置又は関連物体のハンドル/医師側の端、遠位は装置又は関連物体の道具/患者側の端を指す。
【0017】
図2Aを参照しながら、フィデューシャル200の第1の実施形態を説明する。フィデューシャルは、身体内部の部位を境界画定するのに使用するべく患者の体内に配備されるように構成されている。フィデューシャル200は、略円形の横断面を有する略円筒形をした略柱状の本体を有している。本体の長手方向表面206は、超音波を反射する能力を強化し、それによって望ましいエコー源性プロフィールを提供するように、くぼみが付いていることが示されている。このくぼみ付きという特性は、代わりに、フィデューシャル200のエコー源性を強化するであろう、異なった凸凹、しぼ、又は肌理が付けられた表面特徴(例えば、ローレットやリブ)であって、EUS誘導による設置中の視覚化を支援し、1つ又はそれ以上のフィデューシャル200によってマークされた標的部位(例えば腫瘍)を超音波により視覚化する際に使用できるようになる表面特徴として具現化されていてもよい。フィデューシャル200は、金、白金、パラジウム、イリジウム、又はそれらの合金の様な、放射線不透過性の非強磁性材料で形成されるのが望ましく、1つの好適な実施形態は、パラジウムとレニウムの合金(この合金の利点には、望ましい放射線不透過性、金に勝る市場価格の安定性、その密度による超音波反射性/エコー源性が含まれる)を含んでいる。放射線不透過性であれば、フィデューシャルを、蛍光透視法を使用する配備技法で使用できるばかりでなく、1つ又はそれ以上のフィデューシャル200の場所を知ることが望ましいとされる治療又は他の処置中にX線撮影手段によって検出/視覚化させることができるようになる。非強磁性であれば、例えばMRIの様な磁界を用いる視覚化技法又は他の処置で、フィデューシャルの向きが変わったり或いはそれ以外に押し出されたりする可能性が少なくなるであろう。フィデューシャル又は針のエコー源性の造りは、表面の肌理によって強化されるかもしれないが、周囲の材料とは異なった超音波反射性を提供する埋め込まれた気泡やビードの様な構造的含有物によっても提供することができる。フィデューシャルは、更に、X線撮影中の後方散乱を低減するように構成された材料(例えばパリレン)で被覆されていてもよい。
【0018】
フィデューシャル本体201の長手方向面206からは突起208が突き出ている。突起208は、本体遠位端202に対応する突起遠位端207と本体近位端204に対応する突起近位端209を有している。本体遠位端202と本体近位端204は、それぞれ、略平面状であり、長手方向軸を横断している。この実施形態では、突起208は丸く、フィデューシャル本体の長手方向中心軸に実質的に平行であり、本体201の約半分の長さしかなく、長手方向に本体の遠位端202よりも近位端204により近い位置にある。或る好適な実施形態では、フィデューシャル200は、針ルーメンを通行しそこから放出される構成と寸法である。内視鏡的送達システム用には、フィデューシャル本体201(突起を除く)は、好適には、針ルーメンの内径(ID)とほぼ同じか又はそれより小さい外径(OD)を有することになろうが、好適にはフィデューシャル本体のODが針のIDを上回ることはない。フィデューシャルのODとは、ここで使用される場合、その最も外側の境界が針ルーメンのID内にすっぽり嵌る仮想円(又は他の幾何学形状)を指す。換言すれば、フィデューシャルは、スロットの中へ突き出ている突起を除いて針ルーメンの中へ滑動可能に嵌る寸法であるのが好適である。
【0019】
突起より遠位のより長い本体部分は、以下に図7−図11Cに関連付けてより明らかになってゆく様に、針を通しての配備時、2段目のフィデューシャルが配備に向けて位置付けられる前に、間違いなく、この2段目のフィデューシャルより遠位の1段目のフィデューシャルを完全に針から外に進めておくのに助けとなる。従って、多くの好適な実施形態では、フィデューシャルの突起(2段目及び後続のフィデューシャルの突起)はその遠位端よりも近位端により近接して設けられるものであり、そうすれば、フィデューシャル本体遠位部分は、十分に遠位方向に突き出るので、2段目のフィデューシャルが配備されるための位置に入るときまでに先行する1段目のフィデューシャルは完全に針ルーメンから外に進められているであろう(図10−図10A及び対応する本文参照)。仮にフィデューシャル中央部分201及び突起208の全表面が略平滑であるとしても、フィデューシャル200を形成する好適な材料と突起208の存在が、超音波下に患者の体内での探知及び/又は操縦にとって十分な解像度で容易に視覚化できる望ましいエコー源性プロフィールを提供することができるものと理解されたい。
【0020】
図2Bはフィデューシャル300の別の実施形態を示している。フィデューシャル300は略円形の横断面を有する略円筒形の本体を有している。本体301の長手方向表面306は、超音波を反射する能力を強化し、それにより望ましいエコー源性プロフィールを提供するように、うねが付いていることが示されている。このうね付きという特性は、代わりに、フィデューシャル300のエコー源性を強化するであろう、異なった非平滑の円筒形か又は他のしぼが付けられた表面特徴(例えば、ローレットやリブ)であって、EUS誘導による設置中の視覚化を支援し、1つ又はそれ以上のフィデューシャル300によってマークされた標的部位(例えば腫瘍)を超音波により視覚化する際に使用できるようになる表面特徴として具現化されていてもよい。
【0021】
フィデューシャル本体の長手方向表面306からは突起308が突き出ている。突起308は、丸い本体遠位端302に向かって先細になっている突起遠位端307と、略平面状の本体近位端304に対応する突起近位端309を有している。この実施形態では、突起308は丸く、フィデューシャル本体の長手方向中心軸に実質的に平行であり、本体とほぼ同じ長さである。或る好適な実施形態では、フィデューシャル300は、針ルーメンを通行しそこから放出される構成と寸法である。内視鏡的送達システム用には、フィデューシャル本体(突起を除く)は、針ルーメンの内径(ID)とほぼ同じか又はそれより小さい外径(OD)を有することになろうが、好適にはフィデューシャル本体のODが針のIDを上回ることはない。
【0022】
図2C−図2Eはフィデューシャル400の別の実施形態を示している。フィデューシャル400は、近位端及び遠位端の断面に沿った略円形横断面を有する塊として形成されている略円筒形の本体402を有している。フィデューシャル本体402の長手方向外周面406からは突起408が突き出ている。上から見ると(図2Dに図示)、突起408は略長円形である。好適にも、(典型的な円筒形のフィデューシャルと比べて)不規則な形状と増加した表面積は、一部にはその組成のおかげで好適にも既に望ましくい程度に高くなっているフィデューシャルのエコー源性を増強する。
【0023】
突起408は、本体402の外面406に向けて、面取り、角取り、及び角丸、の1つ又はそれ以上の施された移行部分を提供していてもよいとされる突起端面407を有している。本体402は、突起408を除いて、略直円筒である。この実施形態では、突起408は丸く、フィデューシャル本体の長手方向中心軸に実質的に平行であり、本体402の約半分の長さしかなく、本体の長さに沿って中心がある。或る好適な実施形態では、フィデューシャル400は、針ルーメンを通行しそこから放出される構成と寸法である。内視鏡的送達システム用には、フィデューシャル本体(突起を除く)は、針ルーメンの内径(ID)とほぼ同じか又はそれより小さい外径(OD)を有することになろうが、好適にはフィデューシャル本体のODが針のIDを上回ることはない。
【0024】
図2C−図2Dに関連付けて、例示としての実施形態も説明する。1つの例示となる実施形態では、本体402は、長さ約0.12インチ(3.05mm)で、約0.034インチ(0.86mm)のODを有している。突起408は、長さ約0.06インチ(1.5mm)で、本体の中線に沿って整列している。突起408は、本体402のODより上に約0.008インチ(0.2mm)突き出ており、幅約0.011インチ(0.28mm)である。これらの測定値と比率は、本特許請求対象題材の範囲内に留まる限りにおいて、他の実施形態では変えられてもよい。例えば、突起は、より遠位或いはより近位に位置していてもよいし、本体の外面周りに部分的に螺旋を形成するように中線に対して或る角度を成していてもよい。
【0025】
図2Eは、図2Cの2E−2E線に沿った横断面の端面図を示している。それは本システムのフィデューシャル本体と突起の全体的な比率の1つの実施形態を示している。
【0026】
図3は複数の突起を含んでいるフィデューシャル500の或る実施形態を示している。フィデューシャル500は、略円筒形の本体502を有し、第1及び第2の平行する長い突起506が本体500の長さの殆どを延びている。フィデューシャル500は、更に、本体502の長手方向軸に沿って互いに長手方向に整列し且つうね突起506と平行でもある、第3及び第4の短い突起504を含んでいる。図3の3A−3A線に沿った横断面図である図3Aにより明瞭に示されている様に、突起504、506の中心線は、互いに略等距離(互いから約60°)にあることが分かる。ここに開示されている、上記及び他の突起の特定の形状、フィデューシャル本体面上位置、及び全体的比率は、特許請求の範囲内で置き換え又はそれ以外の修正が行われてもよいものと理解されたい。
【0027】
図4及び4Aは、略円筒形の中央本体602と、突起604と、針ルーメン608を形成するやり方で中央本体602の殆どを円周方向に包囲する柱状の外側本体606と、を含んでいるフィデューシャル600の別の実施形態を示している。突起は、中央本体602を外側本体606に接続している。図4Aは、図4の4A−4A線に沿ったフィデューシャル600の横断面図を示している。
【0028】
図5は、本体701を長手方向に延びているフィデューシャル中央ルーメン702を有する弾丸形状のフィデューシャル700を示している。縫合糸710が、フィデューシャルルーメン702を通って伸びていて、遠位方向にTアンカー712で終端している。フィデューシャル本体701の遠位端は丸く、弾丸様の遠位鼻部704を形成している。フィデューシャル700の表面は1対のドーム形突起706を含んでいる。
【0029】
以上に説明した実施形態は、それぞれ、略円筒形をしている略長手方向のフィデューシャル中央部分として形成されている本体を含んでいる。しかしながら、他のフィデューシャル実施形態は、非円筒形の主本体又は円筒形部分と非円筒形部分の両方を含んでいる主本体を含んでいてもよいものと理解されたい。図6は非円筒形のフィデューシャル750の実施形態を示している。フィデューシャル750は、略丸底三角形の横断面を有する略柱状の本体部分752を含んでいる。それは1つの面に沿って略平行六面体状の突起754を有している。その略平面状の表面は望ましいエコー源性プロフィールを提供することができ、エコー源性プロフィールは表面に肌理(例えば、ローレット、くぼみ、うね、又は他の特徴)を付けることによって強化することができる。
【0030】
図7及び図7Aは、非円筒形のフィデューシャル780の別の実施形態を示している。図7Aの横断面図に最も明瞭に示されている様に、フィデューシャル780は、4つの突起を持つt形状の断面を有する略柱形の本体を有している。2つの略対称の突起782は、それぞれ、ほぼ同じ寸法を有し、―中心の長手方向軸からほぼ同じ距離だけ延びていて、それらの間を第3突起783が下向きに延びている。各々の先端縁は、好適には、針の中に入れられたときに針の外側湾曲を補完するように少なくとも僅かに丸みが付けられている。第4突起784は、好適には、他の3つより丈が高い(即ち、中心の長手方向軸からより遠くへ突き出ている)。フィデューシャル780の遠位端786は、先細の幾何学形状を有していることが示されており、当該先細形状は鋭く尖った先で終端していてもよいし、丸い先端で終端していてもよい。
【0031】
図7Aの横断面図は、フィデューシャル780を、本システムの針(例えば、以下に図8に関連付けて説明されている針800)と共に使用することのできる1つのやり方を示している。フィデューシャル780は、針ルーメンの中に、滑動可能且つ取り出し可能に配置されている。第4突起784は、溝792として具現化されている針スロットの中へ伸びており、第4突起784の高さと対称突起782の高さ(それぞれ、フィデューシャル780の中心長手方向軸から測定)の間の差は、カニューレ790の壁の厚さより僅かに小さいことが好適である。短い方の突起は、好適には、針ルーメンの内径内に嵌っていて、一般的には、それらのうちの1つ又はそれ以上が、フィデューシャル780をルーメンの中で整列させておくためにも、また望ましいエコー源性のための最大表面積を提供するためにも、針ルーメンと接触していることが望ましい。この実施形態の修正版が、特許請求の範囲によって定義されている本発明の範囲内で実践されてもよいものと理解されたい。例えば、2つ、3つ、又はそれより多くの突起が使用されてもよいものと理解しておきたい。同様に、突起のうちの1つ又はそれ以上は、フィデューシャルの全長より短く延在していてもよいし、及び/又は、その長さに沿って1つ又はそれ以上の空きで中断されていてもよい。突起の相対高さは、様々な実施形態の長さに沿って変えられてもよいし、及び/又は単一の実施形態内で1つ又はそれ以上の突起の高さが非対称になるように変えられてもよい。一般的に、この実施形態を溝付き針と共に使用する場合は、溝に係合する突起が、他の全ての突起よりも中心の長手方向軸から遠くへ伸びていることが好適であろう。
【0032】
図8はフィデューシャル導入針800の或る実施形態を示している。針800は斜めに切り落とされた遠位先端802を有することが示されている。同針の管状のカニューレ本体804は、カニューレ804の遠位端領域に沿って長手方向の針スロット806を含んでいる。スロット806は、少なくとも1つの戻り止め面を含んでいる少なくとも1つの戻り止めを含んでいるのが好適であり、2つの戻り止めを含んでいるのが更に好適である。スロット806は、カニューレ804の壁全体を貫いて開口しているものとして示されているが、当該スロットは、針壁の厚さより短めに伸びていてもよく、よって、溝として具現化されていてもよいものと理解されたい。
【0033】
図8の実施形態では、戻り止めは、2つのタブ808の間のスロット806の狭まった部分807として形成されている。タブ808は、略台形であるが、他の実施形態では異なった幾何学形状を有していてもよい。図8Aに示されている様に、一部の特定の好適な実施形態では、タブ808は、(フィデューシャルを前進させてタブを通り越させ針から外へ出す効率を最大化し、なお且つ配備されるフィデューシャルが針遠位先端の斜めに切り落とされた部分と重なり合ったまま残る状態を最小限に抑えるために)遠位斜端部に間近に隣接する位置に設けることができる。針スロット806の縁806aとタブ近位縁808aとタブ中央縁808bとタブ遠位縁808cのそれぞれの移行部は、角ばっていてもよいし(例えば、面取り又は角取り)、丸くなっていてもよい(例えば、角丸)。タブ808は、スロット806の遠位端付近にあるのが好適である。
【0034】
体壁カニューレ804は、概して円周方向に、フィデューシャルを滑動可能に通行させるように構成されている針ルーメン810を画定しており、例えばフィデューシャル(一例として、図2A−図2Dに示されているもの、又は他のフィデューシャルであって、針ルーメン810を、好適にはタブ808によって制御可能に維持されながら、容易に通行することができるもの)の様なフィデューシャルを通行させる。針は、ニッケル−チタン合金、コバルト−クロム(CoCr)合金、ステンレス鋼、又は如何なる他の適した材料から構成されていてもよい。その先端は、図示されている斜めに切り落とされた構成とは異なった幾何学形状を有していてもよい。或る代わりの実施形態では、タブ808同士は、フィデューシャル上の突起の通行を許容するべく、強制的に上向き及び/又は外向きにより大きく撓ませられるように突き合わされていてもよい。また、針の外側表面は、強化されたエコー源性を提供するようにくぼみが付けられているか又はそれ以外に肌理が付けられていてもよい。
【0035】
図8を参照しながら例示としての針の実施形態も説明するが、当該の例示としての針の実施形態は、以上に図2C−図2Dに関連付けて説明した、例示としてのフィデューシャル針の実施形態と共に使用するための構成と寸法であってもよい。当該の例示としての針の実施形態では、針ルーメンのIDは少なくとも約0.034インチ(0.86mm)である。針のODは約0.042インチ(1.07mm;約19ゲージ)で、約0.008インチ(0.2mm)の壁厚さを有している。タブより近位のスロット部分は、幅約0.02インチ(0.5mm)、長さ約0.42インチ(約10.7mm)である。タブそれぞれは、スロット縁から外へ約0.06インチ(0.15mm)張り出していて、長さ約0.02インチ(0.5mm)のスロット対向縁を有している(長さには、約0.005インチ(0.13mm)の半径範囲の、近位側及び遠位側のスロット縁からの傾斜移行部を含めず)。これらの測定値と比率は、本特許請求対象題材の範囲内に留まる限りにおいて、ここに例示されているものを含めた他の実施形態では変えられてもよい。例えば、スロット、タブ、及びフィデューシャルの特定の寸法については、可撓性と堅さの望ましい均衡を有している22ゲージ針であって、更に、約30°の針遠位先端傾斜と、スロットタブ同士がスロットを跨いで約0.006インチ(約0.15mm)しか離隔されていない約0.014インチ(約0.36mm)のスロット幅と、少なくともスロットの遠位長さに概ね平行に隣接して針外表面に沿って配置されているエコー源性強化用の表面のくぼみと、を含んでいる22ゲージ針と共に使用するように、寸法が構成されていてもよい。
【0036】
図9は、針800(図8)とフィデューシャル400(図2C−図2D)の断面の横断端面図を示している。この図は、針ルーメン810に対するフィデューシャル本体、及び針スロット806に対する突起408、の好適な精密許容差と好適な配置向きを示している。
【0037】
フィデューシャル配備システム1000の遠位端部分を、外観図である図10と当該図10の10A−10A線に沿った長手方向断面図である図10Aを参照しながら、以上に説明した針800とフィデューシャル400を使用して説明する。システム1000は、可撓性の細長い針シース1002を含んでいる。可撓性が更に高い本体近位部分820を含んでいる針800は、シースルーメン1004を通って伸びている。ここでは複数のフィデューシャル400として示されているが少なくとも1つのフィデューシャル400は、針のカニューレ本体の針ルーメン810の遠位領域に滑動可能且つ取り出し可能に配置されている。中央の長手方向本体部分402は針ルーメン810の内径を実質的に占めている。それぞれのフィデューシャル400の突起408は、突起408を突き出させるスロット806を含めた針壁の厚さとほぼ同じ高さを有している。
【0038】
最遠位のフィデューシャル400の突起408は、針800のタブ808に当たって捕えられている。押し出し器として使用するように構成されているスタイレット1006が、針ルーメン810の一部を通って配置されており、このスタイレット1006は、近位端から操作するように構成されているのが好適であり、それによって、スタイレットを使用して、フィデューシャルを遠位方向に前進させる/押し出すこと、及び/又は、針がフィデューシャルの周りから引き抜かれる際にフィデューシャルを所定の場所に保持すること、ができる。フィデューシャルとスタイレットが針800の中にあることで、好適にも、針の柱強度が改善され、針が内視鏡の作業チャネル(図示せず)の遠位端を通り抜け且つそこから外へ操縦されてゆく際に、屈曲したり、折れ曲がったり、又はそれ以外に損傷したりする可能性が低減する。
【0039】
1つ又はそれ以上のフィデューシャルの前進及び放出をもたらすのに、幾つかの異なったハンドルの実施形態を使用することができる。一部の特定のハンドル実施形態については、以下に図10−図10A及び図11A−図11Cに関連付けて説明されている構造及び方法との関連付けを含め、以下に図16A−図19Dを参照しながら説明している。
【0040】
図10−図10Aのフィデューシャル配備システムを使用する方法を、図11A−11Cを参照しながら、図10−10Aにより詳細に示されている構造に関連付けて説明する。或る好適な使用方法では、作業チャネル1102を含んでいる内視鏡1100が提供される。1つの好適な方法では、内視鏡は、超音波画像化用に構成された遠位超音波アレイ1104を含んでいるEUS内視鏡である。内視鏡1100は、好適には、ビデオ要素1106(例えばCCD、光学カメラ、又は光学的視覚化のための他の手段)も含んでいる。以下の方法は、フィデューシャル400を患者の膵臓1150の腫瘍1152のマージンに設置する場合に関連付けて説明されており、よって、針本体は、胃内視鏡、結腸鏡、肛門鏡、又は他の視覚化/処置支援装置の様な内視鏡の作業チャネル経由で導かれる場合を含め、経口的に患者の消化管を通して標的部位へ導かれるのに十分な長さと操縦性(例えば、押出性及び可撓性)のあるものということになる。
【0041】
内視鏡1100は、図11Aには、患者の十二指腸1140を通って、その遠位端部分が、膵管1146が枝分かれして膵臓1150へとつながっている総胆管1144へのアクセスを提供するオディ括約筋1142に隣接するまで、導かれてきたところが示されている。
【0042】
図11Aに示されている様に、シース1002は十二指腸壁まで進められ、針800は壁を刺し通されて、膵管1146の近く膵臓1150の腫瘍1152に隣接する位置まで伸びている。図11Bに示されている様に、針800は、腫瘍1152のマージンの第1の標的部位へ導かれる(好適には、超音波による誘導下に行われるものであるが、螢光透視法又は別の視覚化技法による置き代え、補完、及び/又は確認が可能である)。一旦、針800の遠位端802が第1の標的に位置付けられると、その中の最遠位のフィデューシャル400が配備される。1つの態様では、配備は、針遠位端802とその中のフィデューシャル400を第1の標的に位置付け、次いで、フィデューシャル400が所望の第1の標的位置に留まるようにスタイレット1006の位置を維持しながら針800を後退させることによって達成することができる。別の態様では、配備は、針遠位端802とその中のフィデューシャル400を第1の標的に隣接して位置付け、次いで、針800をその位置に保持したまま、フィデューシャル400が所望の第1の標的位置へと進められるようにスタイレット1006を前進させることによって達成することができる。
【0043】
図10−図10Aに示されている針800及びフィデューシャル400の構造から理解される様に、使用者は、好適にも、フィデューシャルの前進/配備を、一度に1つ、に制御することができ、その結果、複数のフィデューシャルを(スペーサーを一切用いず)連続して―但し別々に独立に―異なった場所へ導いてゆけるであろう。こうして、フィデューシャル400は、「配備用意」位置、即ちその突起遠位面408aがタブ近位縁808aに当たって係合している位置、に入れられる。フィデューシャル400を配備するには、使用者は、スタイレット1006又は針800の一方を他方に対して、突起408にタブ808を前進通過させるのに十分な力で動かさなくてはならない。
【0044】
使用者は、好適にも、突起408がタブ808を通過する際には抵抗の触感を覚えることであり、抵抗は突起がタブを通り越すとすぐに減少する。次いで、使用者は、好適には、再度抵抗に遭って、最遠位のフィデューシャルの後の次のフィデューシャルがタブ近位縁808aに突き当たったことが指し示されるまで、スタイレットと針の相対動作を継続する。
【0045】
多くの場合、フィデューシャル(及びフィデューシャル上の突起)は、最遠位のフィデューシャルの完全配備が、当該フィデューシャルが針遠位先端802を実質的に通り越すことを含み、且つそれが次の最遠位フィデューシャルの突起がタブ近位縁808aに突き当たるのと同時に起こる、その様な比率であるのが好適である。そういうものとして、幾つかのフィデューシャル実施形態では、突起より遠位のフィデューシャル本体部分が突起より近位の本体部分より長くなるように、突起をフィデューシャル本体上でより近位側に配置するのが都合がよいかもしれない。(例えば、図2Aのフィデューシャル200を参照して、本発明の原理に沿う殆どどのフィデューシャル実施形態についても、その突起は、フィデューシャル本体の近位端に当該近位端と面一になることを含むところまで近接して配置させることができるものと理解されたい。)図11Cは、針がフィデューシャルから退去した状態で、その場に置かれたフィデューシャルを示している。
【0046】
次に、使用者は、針800をシース1002の中へ、針を第2の標的部位へ再び伸ばせられるように十分な距離だけ引き込み、第2の標的部位で以上に説明した手順を繰り返すことができる。3段目、4段目、及びそれ以降のフィデューシャルの設置では、これらの段階が繰り返される。当技術では知られている様に、これらのフィデューシャルは放射線療法の様な療法の「正の標的化」及び/又は「負の標的化」のために使用することができる(「正の標的化」は「ここを治療せよ」ということを表し、「負の標的化」は「ここを治療するな」ということを表す)。本システムは数多くの利点をもたらす。例えば、探知されてはいるが診断未確定の組織塊を生検するために、既に内視鏡的処置を施術中である患者を考察してみよう。内視鏡的生検が行われ、組織スライドは即座に準備されることであろう。当該組織塊はフィデューシャルの設置が示唆される治療によって恩恵を受けるであろうとの診断が(何であれ利用可能で役に立ちそうな他のデータを併せて用いて)下されたなら、医師はただちにフィデューシャルを以上に説明したやり方で配備することができる。
【0047】
より大きな針とフィデューシャルの使用を許容する好適な方法の実施形態をそれぞれ図11Dと図11Eを参照しながら説明する。内視鏡1100は、図11Dには、患者の胃1157の中へ導かれてきたところが示されている。シース1002は、その遠位端が胃壁に隣接するまで進められ、次いで、針800が、胃壁を貫いて、膵臓1150へ、そして腫瘍1152の中へと進められている。この胃の場所は、フィデューシャル導入システムに標的部位(腫瘍1152)へのアクセスを提供するのに十分な程度に標的に近接している。この方法は、好適には、超音波アレイ1104を使用する超音波による視覚化の下に実行される。他の2つのフィデューシャル400が既に腫瘍1152の中に設置されているものとして示されている。
【0048】
内視鏡1100は、図11Eには、患者の十二指腸1140を通って既に導かれてきたところが示されている。シース1002は、その遠位端が十二指腸壁に隣接するまで進められ、次いで、針800が十二指腸壁を貫いて、膵臓1150へ、そして腫瘍1152の中へと進められている。十二指腸1140の中のこの場所は、フィデューシャル導入システムに標的部位(腫瘍1152)へのアクセスを提供するのに十分な程度に標的に近接している。この方法は、好適には、超音波アレイ1104を使用する超音波による視覚化の下に実行される。1つのフィデューシャル400が既に腫瘍1152の中に設置されているものとして示されている。針800は、別のフィデューシャル400を放出したばかりで、部分的に引き込まれている。
【0049】
本方法を、螢光透視法を殆ど或いは全く使用せずに、直接/ビデオ画像化及び超音波画像化を使用して完遂することができることは、患者(放射線療法を受けなければならないかもしれず、その場合、放射線への全被曝量を治療上及び診断上必要最小限に抑えることが望まれる)の放射線被曝を最小限にするという利点をもたらす。本方法を実施すれば、患者、医師及び他の治療/診断職員、及び治療施設にとって時間と出費についての利点が見込まれる、というのも、本方法の実施により、それらエンティティの全てが、2回目の内視鏡処置を予定に組んで施行すること、及び/又は、初期診断処置を前述の先行技術で現在利用できる時間消費型の方法と材料を用いて長引かせること、を免れるからである。
【0050】
図12A及び12Bは、或る針実施形態1202を、以上に図4及び4Aに関連付けて論じたフィデューシャル実施形態600と一体に示している。針1202は、カニューレ本体1204を貫くスロット1206を有するカニューレ本体1204を含んでいる。フィデューシャル600は、針1202の上へ載せられるが、フィデューシャル600はその塊の一部に針の外側の周囲に配置される部分を含んでいるので、針1202は、図2A−図2E、図3、図5、図6、及び図7に示されている様なフィデューシャル実施形態と共に使用するのに実用的とされるより小さい針になろう。針カニューレ本体1204はフィデューシャル針ルーメン608に通して配置されている。フィデューシャル突起604は、針スロット1206を通って伸びており、以上に説明されている様に進行と制御された放出を提供する。図12Bは、針1202をそのスロット1206及びスロット遠位縁上の1対の小さな戻り止め隆起1208と共に上から見た図を示している。
【0051】
図13は、図3に示されているフィデューシャル実施形態500と一体で有用となり得る様な多スロット針1300を示している。針1300は、遠位の或る長さに沿って延在する3つの細長いスロット1304を有するカニューレ本体1302を含んでいる。図3に示されている突起(504、506)の様な突起は、スロット1304を通って進行することができる。他の針実施形態では、2つ、3つ、又は3つより多くのスロットが設けられていてもよい。図13Aは、図13の13A−13A面に沿った横断面図を含む、針1300のもう1つの図を示しており、突起504、506と針スロット1304の相互作用をより明瞭に示している。
【0052】
図14は、以上に図5に関連付けて説明した型式の縫合糸搭載型フィデューシャル700の設置を示している。この例示では、Tアンカー分配針(図示せず;これらの針は、当技術でよく知られている)を使用して、Tアンカー712が標的組織725の中へおろされ、針は引き抜かれている。フィデューシャル700は、縫合糸710の上に搭載されており、押し出しカテーテル727を用いて組織725の中へ進められている。この構造と方法は、突起を含んでいるものもそうでないものも含め複数のフィデューシャルを設置するための異なった手段を提供している(突起が存在している場合には、フィデューシャル700はスロット付きの針と共に、概ね、以上に図11A-図11Cに関連付けて説明した様に施術される方法で使用できるであろう)。
【0053】
図15及び図15Aは、各々、施条フィデューシャル1500と、同フィデューシャルと共に使用するように構成されているスロット付きの針1520を示している。フィデューシャル1500は、螺旋状にねじが切られた肌理を有する表面を含んでいてもよいとされる円錐形の遠位先端1504を有する略円筒形の主本体1502を含んでいる。突起1506が本体1502の外周の周囲に部分的に螺旋状に巻き付けられている。このフィデューシャル1500用の針1520を図15Bに示している。それは、突起1506に適応するように構成されている螺旋状のスロット1524を有する略管状のカニューレ本体1522を有している。スロット1524は、一方の縁に沿って単一の戻り止めタブ1526を含んでいる。理解されるであろうが、針1520を通って進められてゆくフィデューシャル1500は、それが針を出て行く際に施条回転することになる。或る特定の組織の型では、この回転はフィデューシャルがより簡単に前進するのに助けとなる。
【0054】
略円筒形の幾何学形状又はそれ以外に概ね規則的な幾何学形状を有するフィデューシャルには、フィデューシャルによって線引きされた標的区域が何度も治療されているうちに周囲組織の状態の変化に伴い移動しかねないということを含め、所望場所に設置された後に移動する可能性がある。移動を最小限に抑えるのが好都合とされる状況では、1つ又はそれ以上の錨着用突起を含んでいるフィデューシャルを使用することができるであろう。図20A−図20Fは、幾つかのその様な実施形態を示している。
【0055】
図20Aは、中実又は部分的に中空であってよい(且つ、エコー源性促進のために処理が施されていてもよい)とされる略円筒形の主本体2012を含んでいるフィデューシャル2010を示している。プロングとして具現化されている3つの錨着用突起2014、2016、2018がフィデューシャル本体2012の一端から伸びている。プロング2014、は、導入に向けて狭い針ルーメンを容易に通行させられ、その後、フィデューシャル2010を配備させる際に針ルーメンから放出させると描かれている形状を取れるように構成された記憶金属材料で形成することができる。プロングは、1つだけ(或いは2つ、3つ、又はそれ以上)設けることができ、プロングの形状は、これらの実施例に描かれているものとは変わっていてもよく、そのどれもが本発明の範囲に入るものと理解されたい。プロング2014は、釣り針形状に曲がっており、プロング2016は本体2012から離れて伸びている伸縮性の螺旋コイルとして形成されており、プロング2018は、本体2012を部分的に取り巻きながら本体に向かって戻るコイルとして形成されている。
【0056】
図20Bは、フィデューシャル本体2022の互いに反対側の端から伸びる2つのフック状のプロング2024を有するフィデューシャル実施形態2020を示している。図20Cは、涙滴の形状をしたフィデューシャル本体2032に2つの大きく外へ開いたプロング2034の付いたフィデューシャル実施形態2030を示している。図20Dは、4プロング付きフィデューシャル2040を示している。図20Eは、1プロング付きフィデューシャル2050を示しており、同フィデューシャルは、配備時にはより近位のフィデューシャルに押し付けられることによってフィデューシャル本体2052が針の斜端部より向こうへ配備されるのを支援し、その後、隣接する組織の中へ埋まるように巻いてゆく、つる状に巻いたプロング2054を含んでいる。図20Fは、掛かり付きフィデューシャル実施形態2060を示している。掛かり2064として具現化されている鋲着用突起は、フィデューシャル2060を組織に錨着するのを支援すると同時に、ここでスロット付き針に関連付けて説明した軌道追従/戻り止め/放出システムの一部としての役目も果たす。具体的には、一方又は両方の掛かり2064は、スロット付き針のスロットを通って進んでゆき、フィデューシャル維持用の戻り止めに係合する(例えば、一方又は両方の掛かり2064が、以上に図8−図10Aに関連付けて説明した針800のタブ808として具現化されているフィデューシャル維持用の戻り止めとの相互作用を含めて、フィデューシャル突起408と同様の機能を果たすことになる)。
【0057】
図21は、フィデューシャル配備システム2100の別の実施形態を示している。システムは、細長いスタイレット2110を挿通させるための中央ルーメン2122をそれぞれが有する複数のフィデューシャル2120を含んでいる。スタイレット2110は、針カニューレ2102のルーメンを通って長さ方向に伸びている。フィデューシャル2120のそれぞれは、相補的なスタイレット戻り止め面2114に係合するように構成されているフィデューシャル戻り止め面2124を含んでいる。描画されている実施形態では、フィデューシャル戻り止め面2124は、一対の側方陥凹2124として構成されており、フィデューシャルが最遠位位置に入ったときに陥凹2124がスタイレット戻り止め突起2114に係合することになる(但し、代わりの実施形態では、2つ以上のスタイレット戻り止め面が、2つ以上のフィデューシャルに係合させるために設けられている場合もある)。少なくとも、先導のフィデューシャル2120は、ここでは斜めに切り落とされたフィデューシャル先端2126として示されている、斜めに切り落とされているか又は先が尖っているか又は他の外傷性/穿通性のある遠位端を含んでいるのが好適であり、そうすれば、(単数又は複数の)フィデューシャルは、それらフィデューシャルを標的組織の中へ前進させてゆく際に穿通用の針先端として機能することができる(そうして、スタイレット2110には、それぞれのフィデューシャルをスタイレット戻り止め2114に係合させると斜めに切り落とされた針様の遠位端が形成されるように相補的に斜めに切り落とされた遠位端を設けることができる)。使用者がどの様にカニューレ2102とスタイレット2110とスタイレットに被せ置かれたフィデューシャル2120を、カニューレがフィデューシャル及びスタイレットによって完成/伸長される「針基盤」を形成するやり方で、組織の中へ前進させることができるかが図21から理解されるであろう。最遠位のフィデューシャルは、第1の標的場所まで導かれ、(スタイレットを後退させる及び/又はカニューレを前進させることにより)スタイレット戻り止め突起2114を越えて進められるが、するとすぐ今度は2段目のフィデューシャルが針機能を果たす構造の先端を形成し、そして第2の場所へ導かれ、もう1つのフィデューシャルが配備されることになる、その様なやり方が所望に応じて繰り返される。
【0058】
図16A−図16Bは、フィデューシャル配備システムと共に使用することのできるハンドル実施形態1600を示している。ハンドル1600は、シース取付ハンドル部材1602を含んでおり、シース取付ハンドル部材の近位端には針取付ハンドル部材1604が長手方向に滑動可能に配置されている。シース取付ハンドル部材1602の遠位端には、内視鏡取付ハンドル部材1606が滑動可能に取り付けられている。シース取付ハンドル部材1602は、針シース1612に取り付けられており、針取付ハンドル部材1604は、(ここに開示されているか又は本開示の原理に従って後日開発される針のうちの何れかの針の様式に構成されていてもよいとされる)針1614に取り付けられている。内視鏡取付ハンドル部材1606は、内視鏡作業チャンネル(図示せず)の外側に、例えばねじの切られた空洞部1616を使用して(他のハンドル構成要素に対して)増分固定式に長手方向に調節可能な取り付けができるように構成されている。内視鏡取付ハンドル部材1606は、使用者が、シース1612が標準長さの内視鏡からどれほどの距離だけ伸びているかを判定できるようにしており、当該相対長さに対応する数表示1617と、使用者に長さを選択させ内視鏡取付ハンドル部材を応分に係合させられるようにする調節式係合構造1618と、を含んでいる。ここに記載され特許請求されているハンドルの実施形態は、内視鏡取付部材を含んでいないものも、本発明の範囲内で実践することができるものと理解されたい。
【0059】
シース取付ハンドル部材1602は、数表示1608と、針取付ハンドル部材1604の移動量を制限する調節式リング1609と、を含んでおり、針1614をシース1612より向こうへ伸ばす距離を選択するための或るやり方を提供している。例示として、図16Aに示されている構成は、シースを内視鏡作業チャネルの遠位端開口部より向こうに5単位(例えば、インチ、cm)伸ばさせるが、針1614はシース1612の遠位端より向こうへは少しも伸ばされない。図16Bに示されている構成は、シースを内視鏡作業チャネルの遠位端開口部より向こうへ3単位(例えば、インチ、cm)伸ばさせ、針1614をシース1612の遠位端より向こうへ6単位まで伸ばさせるが、その現在位置はシース1612の遠位端をせいぜい4単位ほど越えたというところである。
【0060】
スタイレット1610が、針1614のルーメンを通って伸びており、その近位端には固定されたスタイレットキャップ1611を有している。スタイレット1610は、図16Aには近位方向に引き込まれたところが示されており、図16Bには、針1614の遠位端より向こうに伸ばされたところが示されている。スタイレット1610は、スタイレット1006について(図10−図10Aに関連付けて)上述したのと同じやり方で、手を使って針ルーメンを通して遠位方向に進められる。その様なものとして、使用者は、スタイレットを使用して手でフィデューシャルを針1614の遠位端から外へ押し出す。この方法が(例えば、以上にフィデューシャルの配備について図10−図10A及び図11−図11Eに関連付けて説明したやり方で)使用された場合、使用者は、フィデューシャルを前進させて何れかの戻り止めを越えさせたときを判定するには触覚的なフィードバックに頼らざるを得ず、それは長尺のスタイレットを通しては難しく―特に、戻り止めが丸くてその結果前進運動が比較的滑らかである場合は難しくなる。そのため、ハンドル1600に取り付けるように(ハンドルとの一体化を含む)構成された前進機構を提供して、スタイレットの前進についての改善された制御が提供されるようにするのが好都合である。
【0061】
図17A−図17Dは、ハンドル1600のための前進機構アッセンブリ1650を示している。前進機構は、針取付ハンドル部材1604に取り付けられる(又は一体化される)ように構成されたアンカー部材1652を含んでいる。この取付構成は、スタイレットの針1614に対する前進についての制御を、図11A−図11Eに関連付けて説明したフィデューシャル配備方法の実行が可能になるように構成されたやり方(例えば、所定の長さ方向増分だけ、スタイレットを前進させる及び/又は針を後退させる)で提供することができる。この前進機構の実施形態は、ねじの切られた回転式前進部材1656を含んでおり、回転式前進部材1656は、回転時の機械的利益/倍率を提供する(加えて、回転度数についての明確な視覚表示としての役目も果たし得る)翼部1657を含んでいる。図17Bの長手方向断面図に示されている様に、回転式前進部材1656は、アンカー部材1652の内ねじ面1653に係合するように構成されている外ねじ面1659を有する伸長部1658を含んでいる。伸長部1658は、スタイレットキャップ1611にも係合する。図17B(翼部1657の平面に沿った長手方向断面図)に示されている様に、回転式前進部材1656を回転させると、同部材とスタイレット1610が、アンカー部材1658と針取付ハンドル部材1604と針1614に対して遠位方向に進んでゆく。当業者には、ハンドル1600をアッセンブリ1650と共に使用して、1つ又はそれ以上のフィデューシャルを、図11A−図11Eに示されているのと同じやり方で配備できることが理解されるであろう。
【0062】
図17Aは、使用者がアッセンブリ1650をもっと扱い易くなるようにする表示の特徴を示している。ねじの切られた面1653、1659のねじのピッチとサイズは、所定の度数だけ回転させると、前進部材1656及びスタイレット1610が、遠位の針ルーメンに配置されているフィデューシャルの前進及び/又は配備に対応する(即ち、フィデューシャルの前進及び/又は配備と同じか又はそれに対する特定の相関関係を有する)所定の長手方向距離だけ前進するように、較正することができる。視覚的、聴覚的、及び触覚的な表示の実施例が提供されており、それら表示は、単独で或いは組合せとして、ここに描かれている形態で或いは当技技術で知られているか又は開発される何か他の形態で使用することができ、そのどれもが本発明の範囲に入る。アッセンブリ1650は、回転式部材1656を完全に1回転させると、回転式部材1656及びスタイレット1610がフィデューシャルを1つ配備する(図11C参照)のに十分な長手方向距離だけ前進するように構成されているものとして描かれている。従って、前進の1つの視覚的指標は、使用者が回転式部材を回転させた度数である。
【0063】
一部の特定の実施形態では、ねじ又は他の前進手段のピッチとサイズは、フィデューシャルを配備するのに十分な所定の距離(針とスタイレットの間の移動の絶対距離であってもよいし又は相対距離であってもよい)だけスタイレットを前進させる及び/又は針を後退させるのに、最小限の回転度数又は増分しか要らないように構成するのが好適であるかもしれない。例えば、使用者が針取付ハンドル部材1604を自分の掌に把持し、把持具合が著しく改変されることなく、そして―好適には―使用者のどちらかの手であってもそのぎこちない動きや大幅な位置変えを余儀なくされることなく、親指を使って、前進部材1656をフィデューシャルを前進させるのに十分なだけ操作すること/回転させることができる、使用者による前進部材1656の片手操作が提供されているのが助けになる場合が多い。翼部1657又は等価構造物(例えば、突出構造物、肌理のある表面、又は前進部材を操作するための他の手段)のサイズ、形状、及び場所については、使用者の親指及び/又は指の組合せを用いて、使用者の手をぎこちなく位置決めしたり又は位置変えしたりすることなく、簡単にアクセスでき操作できる様式に、場所と向きが定められることになるものと理解しておきたい。
【0064】
示されている1つの視覚的指標は、配備され終えたフィデューシャルの個数を指し示す数1663を見せる孔1661である(図17Aでは、フィデューシャルが1つ配備されたことが指し示されている)。触覚的及び聴覚的な表示も、回転式部材1656の内表面の戻り止め隆起1665とアンカー部材1658の外表面の溝1667という形態で提供されている。図17Aに示されている様に、回転式部材1656が中立/非配備位置にあるとき、隆起1665は溝1667に係合している。回転式部材1656を回してゆくと、隆起1665が溝1667から係合解除され、その後「カチッという音」と共に再度係合されることになり、使用者には完全1回転が成し終えられたときにこのカチッという音が聞こえ、再度の係合の感触をつかむことができる。ねじのピッチと位置が異なる構成であったり又は異なった(例えば、非ねじの)前進手段が採用されていたりする他の実施形態では、フィデューシャルの所定の完全配備又は途中までの配備に対応する増分的前進を指し示すのに、2つ以上の戻り止め及び/又は溝が使用される場合もあるものと理解されたい(例えば、スタイレットを長手方向にフィデューシャルを針遠位端から配備する距離だけ前進させるのに90度回転で事足りる実施形態)。当業者には同様に理解されるであろうが、フィデューシャル配備を計えるための、及び/又はそれ以外のやり方でスタイレットの前進と回転式部材の回転を計測するための他の表示を、本発明の範囲内で採用することができる。
【0065】
図17C−図17Dは、前進機構アッセンブリ1670(同様の符号を前進機構アッセンブリ1650に対応して使用)を有するハンドル1600を備えたフィデューシャル配備システムを示している。針1614は、シース1612より遠位に進められる。アンカー部材1672が針取付ハンドル部材1604との一体化により取り付けられている(若しくは、アンカー部材は、針取付ハンドル部材1604の一体近位部分によって形成されていてもよい)。この取付構成は、図17Cと図17Dのそれぞれの拡大差し込み図部分に更に詳細に示されている針1614及びフィデューシャル400に対するスタイレットの前進についての制御を提供することができる。前進機構は、更に、ねじの切られた回転式前進部材1676を含んでおり、回転式前進部材1676は、回転時の機械的利益/倍率を提供する(加えて、回転度数についての明確な視覚表示としての役目も果たし得る)翼部1677を含んでいる。回転式前進部材1676は、アンカー部材1672の相補的にねじの切られた面に螺合するように構成されているねじの切られた面を含むことができる。ねじの切られた回転式前進部材1676は、スタイレット1610にも係合している(但し、この係合は図には見えない)。
【0066】
図17Dに示されている様に、回転式前進部材1676を4分の1回転させると、同部材とスタイレット1610が、アンカー部材1672と針取付ハンドル部材1604と針1614に対して遠位方向に前進してゆく。当業者には、ハンドル1600をアッセンブリ1670と共に使用して、1つ又はそれ以上のフィデューシャルを、図11A−図11Eに示されているのと同じやり方で配備できることが理解されるであろう。図17Dの差し込み図の拡大された細部は、フィデューシャル400を配備/射出するのに、どの様にスタイレット1610が前進させられたかを示している。)
【0067】
図18A−図18Dは、回転式増分前進機構を使用している別のハンドル実施形態1800を示している。図18Aに示されている様に、ハンドル1800は、シース取付ハンドル部材1802を含んでおり、シース取付ハンドル部材の近位端には針取付ハンドル部材1804が長手方向に滑動可能に配置されている。シース取付ハンドル部材1802の遠位端には、内視鏡取付ハンドル部材1806が滑動可能に取り付けられている。シース取付ハンドル部材1802は、針シース1812に取り付けられており、針取付ハンドル部材1804は、(ここに開示されているか又は本開示の原理に従って後日開発される針のうちの何れかの針の様式に構成されていてもよいとされる)針1814に取り付けられている。スタイレット1810(図18Cに示す)が針ルーメンを通って伸びている。
【0068】
図18B及び図18Dは、ハンドル1800のための前進機構アッセンブリ1830の細部を示している。前進機構は、針取付ハンドル部材1804に回転可能に接続されている、内側軌道付き配備ハンドル部材1840を含んでいる。この取付構成は、スタイレットの針1814に対する前進及び針のスタイレット1810に対する後退についての制御を、フィデューシャル配備方法の実行が可能になるように構成されたやり方で提供することができる。図18Bは、回転式ハンドル1840の内側の二重になった軌道を(ハンドル1840の外側の層が除去されてその内向面の軌道が露わになったかのように)示している。二重の軌道は、戻り止めストッパとして有効に機能するジグザグ様パターンをそれぞれ形成している針ボス軌道1834とスタイレットボス軌道1830を含んでいる。針ボス1835は、針1814に取り付けられていて、針を長手方向に動かすように構成されている。スタイレットボス1831は、スタイレット1810に取りつけられていて、スタイレットを長手方向に動かすように構成されている。軌道は、継続的に平行であるのではなく、むしろ、1つ又はそれ以上のフィデューシャルをスタイレットの前進と針の後退の組合せによって配備するように構成されている制御された差動運動を提供するパターンになっている。そうして、それらボスと軌道の相互作用が、戻り止め−戻り止めインターフェースとして機能する(その構造は、その様な機能を果たすべく様々なやり方で改変されていてもよい)。この実施形態は、以上に図17Aに関連付けて説明したものを含めてスタイレットの既知の長手方向移動距離に対応するように構成されている、視覚的表示、触覚的表示、聴覚的表示、又はそれらの組合せを含んでいてもよい。当業者においては更に―本開示の観点から、そして本発明の範囲内において―ここに例示を目的に示されている軌道のパターンは、スタイレットと針の互いに対する前進及び/又は後退の異なったパターンを提供するように容易に改変され得るものと理解されたい。
【0069】
図18Dは、回転式ハンドル1840の内側の軌道の付いた面を「平たく広げた」かのごとく、展開された軌道1830、1834を図表的に示している。図18Dは、軌道1830、1834の経路を、操作サイクル中の、ボス1831、1835の位置並びに針1814とスタイレット1810の相対位置と共に示している。当業者には、この図表から、使用者は、配備ハンドル部材1840を回転させることにより、スタイレット1810と針1804を一体に前進させ、次いでスタイレット1810を長手方向に実質的にその場に保持し、その間に針1814を近位方向に途中まで後退させれば、フィデューシャル1869を配備させられることが理解されるであろう。理解を助けるために、軌道1830、1834は、A、B、C、及びDの位相に分割されており、ハンドル1800のための前進機構アッセンブリ1830の操作を説明するに当たりそれらを参照してゆく。
【0070】
図18Dに図表的に描かれている「位相式操作」中に、ハンドル1800は、例えば図18Cに示されている位置まで操作されており、その位置では、針1814は針シース1812の遠位端より向こうへ3単位伸ばされていて、そこでハンドルが回される。A位相は、2段に示されている。第1の段A(1)では、スタイレットボス1831と針ボス1835は、各々の軌道1830、1834の近位端に配置されている。A位相で配備ハンドル1840が回されると、ボス1831、1835は実質的に平行に第2の段A(2)まで前進してゆき、このとき、針1814とスタイレット1810はどちらも実質的に同じ距離を遠位方向に進む。
【0071】
次にB位相で、使用者は引き続き配備ハンドル1840を回転させるが、このとき、スタイレット1810は実質的に長手方向にその場に保持され(というのも、その軌道が図18Dの縦軸によって表現されている長手方向軸に実質的に垂直であるためであり、図18Dの上はハンドル近位端に対応しており下はハンドル遠位端に対応している)、針1814は近位方向に後退する。この動作は使用者がフィデューシャル1869を精度よく設置するのを可能にし、というのも、針1814の遠位先端及びフィデューシャル1869の特定場所をX線撮影及び/又は超音波によって(針及び/又はフィデューシャルがエコー源性である場合はとりわけ)鮮明に解像できるからであり、フィデューシャルを保持しているスタイレットをその場に残したまま針1814が引き抜かれると、好適にもフィデューシャルは実質的に正に精確な場所と向きに留置されることになる。このことは、フィデューシャル1869の配備(図18DのB位相とC位相を区切っている線にボス1831、1835が整列したとき辺りに起こることになる)を示す拡大された細部の差し込み図を含む図18Cに示されている。C位相及びD位相は、それぞれ、実質的には、後続のフィデューシャルについて両ボスが図18Dの矢印1899の方向に軌道を通って前進してゆく際のA位相及びB位相の繰り返しであることが理解されるであろう。
【0072】
図19A−図19Cは、ラチェット式増分前進機構を使用している別のハンドル実施形態1900を示している。図19Aに示されている様に、ハンドル1900は、シース取付ハンドル部材1902を含んでおり、シース取付ハンドル部材の近位端には長手方向に滑動可能に針取付ハンドル部材1904が配置されている。シース取付ハンドル部材1902の遠位端には、内視鏡取付ハンドル部材1906が滑動可能に取り付けられている。シース取付ハンドル部材1902は、針シース1912に取り付けられており、針取付ハンドル部材1904は、(ここに開示されているか又は本開示の原理に従って後日開発される針のうちの何れかの針の様式に構成されていてもよいとされる)針1914に取り付けられている。スタイレット1910(図19Cには見えない)が針ルーメンを通って伸びている。ハンドル1900は、針1914が遠位方向にシース1912の端より向こうに伸びている状態で示されており、拡大差し込み図は、フィデューシャル1979が配備を待っている状態の針遠位端の一例を示している。それぞれのフィデューシャル1979は実質的にその近位端に隣接して突起を含んでいる。
【0073】
ラチェット式増分前進機構には、増分式調節部材1970(ここではリングとして具現化されているが、様々な幾何学形状に構成され得る)が針取付ハンドル部材1904の近位端に近接して配置されて含まれており、調節部材の一部分が短尺の長手方向軌道1975を通って伸びている。図19Bは、ハンドル1900を操作して針1914及びスタイレット1910を伸ばし最遠位のフィデューシャル1979を針の遠位先端より向こうへ前進させた状態のフィデューシャル配備システムを示している。
【0074】
図19Dは、針取付ハンドル1904の19D−19D線に沿った簡略図示長手方向断面図であり、スタイレット1910が1つ又はそれ以上の側面に周期的なラチェット刻み1921を有するラチェット面を含んでいることを示している。増分式調整部材1970は、刻み1921に係合するように構成されている少なくとも1つの爪1971を含んでいる。更に、操作中の安定性と配置を保つのを支援するために留め爪1929が含まれていてもよい。こうして、増分式調節部材1970は、1つ又はそれ以上の相補的な戻り止め構造1921に係合するように構成されている少なくとも1つの戻り止め構造1971を含んでおり、当業者には、本発明の範囲内で様々な戻り止め実施形態が実践され得ることが理解されるであろう。
【0075】
遠位のフィデューシャル1979を針1914から外へ前進させるために、使用者は、増分式調節部材1970をその軌道1975内で遠位方向に滑動させることによって操作することになる。増分式調節部材1970を遠位方向に前進させ、爪1971をスタイレットのラチェット刻み1921に係合させると、図19Bの細部差し込み図に示されている様にスタイレット1910が遠位方向に押し出され、フィデューシャル1979を針ルーメンから外へ前進させる。増分式調節部材1970はその元の位置へ滑動させて戻すことができ、プロセスは次のフィデューシャル1979を配備するために繰り返されることになる。更に、本発明の範囲内で、針1914の側が、フィデューシャルが所望の場所に入れられた後に針を後退させ当該フィデューシャルをその遠位先端から放出するための近位方向への移動についてラチェット式調節を掛けられていてもよいものと理解されたい。ここで他の実施形態について述べた様に、前進度についての聴覚的及び/又は触覚的な表示が含まれていてもよく、増分式調節部材1970の許容移動量は、同部材を移動させる軌道1975に所定の長さを割り当てることによって(例えば、当該長さに沿って一杯まで移動させるとフィデューシャル1つの配備に相当するという具合に)制限することができる。
【0076】
様々な実施形態を例示している図の描画及び特定の特徴は、必ずしも縮尺合わせされているわけではない。描画によっては、一部の特定の詳細が強調のため誇張されているものもあり、そのため、部分の数又は比率は、如何なる異なった数又は比率も、1つ又はそれ以上の請求項によってその様に指定されていない限り、制限を課すものと読み取られてはならない。当業者には理解される様に、実施形態については、ここに提示されている請求項の範囲内に留まる限りにおいて、本明細書で異なった実施形態について説明されている特徴を互いに及び/又は現在知られているか又は将来開発される技術と組み合わせることを含め、ここで明示的に例示されていない実施形態を、本発明の範囲内で実践することもできる。例えば、本システムの針とフィデューシャルは、腹腔鏡型の処置の様な別の低侵襲性外科処置を含め、特許請求されている本発明の範囲内で経皮的に使用することができる。例えば、標的部位は、内視鏡によって(患者の自然開口部、例えば口、肛門、膣を通して導入された低侵襲性の内視鏡を使用して)アクセスでき得る場所の様な、胃腸管の中又はその近くの場所(例えば、肝臓、膵臓)であってもよい。これには―より広義には―NOTES(自然開口部越経管腔的内視鏡手術)処置を介して到達できる部位が含まれる。本方法及び装置は、経皮的な内視鏡的処置(例えば腹腔鏡的処置)の様な他の低侵襲性外科的技法で使用することもできるし、経皮的な非内視鏡的処置で使用することもできるが、侵襲性がより少ない内視鏡的処置と共に使用されるのが最も好適である。従って、以上の詳細な説明は、限定を課すというよりむしろ説明を目的としているものと考えられることを意図している。よって、次に続く特許請求の範囲が、そのあらゆる等価物を含め、本発明の精神と範囲を定義するものであることを理解されたい。
【符号の説明】
【0077】
100 導入器
101 第1ハンドル
102 針
103 第2ハンドル
104 スタイレット
105 カニューレ遠位端
106 スタイレット遠位端
108 カニューレ
110 シード/フィデューシャル
112 栓
200 フィデューシャル
201 フィデューシャル本体
202 フィデューシャル本体遠位端
204 フィデューシャル本体近位端
206 フィデューシャル本体長手方向表面
207 突起遠位端
208 突起
209 突起近位端
300 フィデューシャル
301 フィデューシャル本体
302 フィデューシャル本体遠位端
304 フィデューシャル本体近位端
306 フィデューシャル本体長手方向表面
307 突起遠位端
308 突起
309 突起近位端
400 フィデューシャル
402 フィデューシャル本体
406 フィデューシャル本体長手方向外周面
407 突起端面
408 突起
408a 突起遠位面
500 フィデューシャル
502 フィデューシャル本体
504、506 突起
600 フィデューシャル
602 フィデューシャル中央本体
604 突起
606 フィデューシャル外側本体
608 針ルーメン
700 フィデューシャル
701 フィデューシャル本体
702 フィデューシャル中央ルーメン
704 フィデューシャル遠位鼻部
706 突起
710 縫合糸
712 Tアンカー
725 標的組織
727 押し出しカテーテル
750 フィデューシャル
752 フィデューシャル本体
754 突起
780 フィデューシャル
782、783、784 突起
786 フィデューシャル遠位端
790 カニューレ
792 溝
800 フィデューシャル導入針
802 針遠位先端
804 カニューレ本体
806 針スロット
806a スロット縁
807 スロットの狭まった部分
808 タブ
808a タブ近位縁
808b タブ中央縁
808c タブ遠位縁
810 針ルーメン
1000 フィデューシャル配備システム
1002 シース
1004 シースルーメン
1006 スタイレット
1100 内視鏡
1102 作業チャネル
1104 遠位超音波アレイ
1106 ビデオ要素
1140 十二指腸
1142 オディ括約筋
1144 総胆管
1146 膵管
1150 膵臓
1152 腫瘍
1157 胃
1202 針
1204 カニューレ本体
1206 スロット
1208 戻り止め隆起
1300 針
1302 カニューレ本体
1304 スロット
1500 フィデューシャル
1502 フィデューシャル本体
1504 フィデューシャル遠位先端
1506 突起
1520 針
1522 カニューレ本体
1524 螺旋状スロット
1526 戻り止めタブ
1600 ハンドル
1602 シース取付ハンドル部材
1604 針取付ハンドル部材
1606 内視鏡取付ハンドル部材
1608 数表示
1609 調節式リング
1610スタイレット
1611 スタイレットキャップ
1612 針シース
1614 針
1616 ねじの切られた空洞部
1617 数表示
1618 調節式係合構造
1650 前進機構アッセンブリ
1652 アンカー部材
1653 アンカー部材の内ねじ面
1656 ねじの切られた回転式前進部材
1657 翼部
1658 伸長部
1659 回転式前進部材の外ねじ面
1661 計数を見せる孔
1663 フィデューシャルの個数を表す数
1665 回転式部材の内表面の戻り止め隆起
1667 アンカー部材の外表面の溝
1672 アンカー部材
1676 ねじの切られた回転式前進部材
1677 翼部
1800 ハンドル
1802 シース取付ハンドル部材
1804 針取付ハンドル部材
1806 内視鏡取付ハンドル部材
1810 スタイレット
1812 針シース
1814 針
1830 スタイレットボス軌道
1831 スタイレットボス
1834 針ボス軌道
1835 針ボス
1840 配備ハンドル部材
1869 フィデューシャル
1899 軌道内前進方向
1900 ハンドル
1902 シース取付ハンドル部材
1904 針取付ハンドル部材
1906 内視鏡取付ハンドル部材
1910 スタイレット
1912 針シース
1914 針
1921 刻み、戻り止め構造
1929 留め爪
1970 増分式調節部材
1971 爪、戻り止め構造
1975 軌道
1979 フィデューシャル
2010 フィデューシャル
2012 フィデューシャル本体
2014、2016、2018 プロング(錨着用突起)
2020 フィデューシャル
2022 フィデューシャル本体
2024 プロング
2030 フィデューシャル
2032 フィデューシャル本体
2034 プロング
2040 フィデューシャル
2050 フィデューシャル
2052 フィデューシャル本体
2054 プロング
2060 フィデューシャル
2062 フィデューシャル本体
2064 掛かり
2100 フィデューシャル配備システム
2102 針カニューレ
2110 スタイレット
2114 スタイレット戻り止め面
2120 フィデューシャル
2122 フィデューシャル中央ルーメン
2124 フィデューシャル戻り止め面
2126 斜めに切り落とされたフィデューシャル先端

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィデューシャル配備システムのためのハンドルにおいて、
長手方向に貫通して配置されているシースルーメンを含んでいる細長い外側のシースに取り付けられている第1ハンドル部材と、
前記第1ハンドル部材に沿って長手方向に滑動可能に配置されている第2ハンドル部材であって、長手方向に貫通して配置されている針ルーメンを含んでいて前記シースルーメンを通って長手方向に滑動可能に配置されている細長い針に、取り付けられている第2ハンドル部材と、
前記針ルーメンを通って長手方向に滑動可能に配置されているスタイレットと、
前記第2ハンドル部材の近位部分及び前記スタイレットに取り付けられた前進機構であって、当該スタイレット及び前記針の一方を他方に対して長手方向で所定増分ごと移動するように構成されている前進機構と、を備えているハンドル。
【請求項2】
前記第1ハンドル部材に対して長手方向に位置決め可能に配置されている第3ハンドル部材であって、当該第1ハンドル部材を外部装置へ増分式に固定可能に且つ長手方向に調節可能に取り付けられるように構成されている、第3ハンドル部材を更に備えている、請求項1に記載のハンドル。
【請求項3】
前記第3ハンドル部材は、内視鏡の作業チャネルに取り付けられるように構成されている、請求項2に記載のハンドル。
【請求項4】
前記前進機構は、前記スタイレットと機械的に接続されている、ねじの切られた回転式前進部材と、前記第2ハンドル部材に取り付けられているアンカー部材と、を備えており、前記前進部材を前記アンカー部材に対して回転させると、前記スタイレットが前記第2ハンドル部材に対して長手方向に動いてゆくように構成されている、請求項1に記載のハンドル。
【請求項5】
前記回転は、視覚的表示、触覚的表示、聴覚的表示、又はそれらの何らかの組合せによって割り出しされ、前記表示は、前記スタイレットの所定の長手方向移動距離に対応するように構成されている、請求項4に記載のハンドル。
【請求項6】
前記前進機構は、前記スタイレットと機械的にされている、少なくとも1つの第1の戻り止めを含む前進部材と、前記第2ハンドル部材に取り付けられている、少なくとも1つの第2の戻り止めを含むアンカー部材と、を備えており、前記前進機構は、前記前進部材を前記アンカー部材に対して長手方向に移動させると、前記スタイレットが前記第2ハンドル部材に対して長手方向に動いてゆくように構成されており、前記少なくとも1つの第1の戻り止めは、前記少なくとも1つの第2の戻り止めに係合するように構成されている、請求項1に記載のハンドル。
【請求項7】
前記長手方向の移動は、視覚的表示、触覚的表示、聴覚的表示、又はそれらの何らかの組合せによって割り出しされ、前記表示は、前記スタイレットの既知の長手方向移動距離に対応するように構成されている、請求項6に記載のハンドル。
【請求項8】
前記第1の戻り止め又は前記第2の戻り止めの少なくとも一方は、当該第1の戻り止め又は当該第2の戻り止めの他方のうちの少なくとも1つの戻り止めに係合するように構成されている複数の戻り止めを備えている、請求項6に記載のハンドル。
【請求項9】
前記第1ハンドル部材と前記第2ハンドル部材の相対移動を指し示す視覚的指標であって、前記針の前記シースに対する伸びを指し示すように構成されている視覚的指標を更に備えている、請求項1に記載のハンドル。
【請求項10】
少なくとも1つのフィデューシャルを更に備えており、
前記針は、
前記針ルーメンを画定している管状のカニューレ本体と、
針遠位端領域であって、
前記針ルーメンの遠位端に開口している針遠位端と、
半径方向に前記カニューレ本体の少なくとも厚さ部分を貫いて延び、前記針ルーメンに向けて開口していて、少なくとも1つの戻り止めを含んでいる、少なくとも1つの略長手方向針スロットと、を備えている針遠位先端領域と、を備えており、
前記少なくとも1つのフィデューシャルは、
略柱状の本体であって、
前記針ルーメンの中に滑動可能に配置されているフィデューシャル中央部分と、
前記針スロットの中へ突き出ている少なくとも1つの側方突起と、を含んでいる略柱状の本体を備えており、
前記スタイレットは、前記少なくとも1つのフィデューシャルを前記戻り止めを越えて前記針遠位端開口部から外へ前進させるように構成されている、請求項1に記載のハンドル。
【請求項11】
前記前進機構は、前記スタイレットと機械的に接続されている、ねじの切られた回転式前進部材と、前記第2ハンドル部材に取り付けられているアンカー部材と、を備えており、前記前進機構は、前記前進部材を前記アンカー部材に対して所定の度数回転させると、前記スタイレットが前記針を通って長手方向に遠位に向けて所定の第1距離を動いてゆくように構成されている、請求項10に記載のハンドル。
【請求項12】
前記回転は、視覚的表示、触覚的表示、聴覚的表示、又はそれらの何らかの組合せによって割り出しされ、前記回転の表示は、前記スタイレットの既知の長手方向移動距離に対応するように構成されている、請求項11に記載のハンドル。
【請求項13】
前記所定の第1の距離は、前記少なくとも1つのフィデューシャルの長さに対応しており、前記前進機構は、前記回転式前進部材を一方向に所定の回転度数だけ動かすと、前記スタイレットが遠位方向に前記所定の第1の距離だけ前進してゆき、前記少なくとも1つのフィデューシャルが前記戻り止めを越えて前記針遠位端開口部から外へ前進してゆくように構成されている、請求項11に記載のハンドル。
【請求項14】
前記スタイレットを遠位方向に前進させた距離と、前記戻り止めを越えて前記針遠位端開口部から外へ前進させた1つ又はそれ以上のフィデューシャルの個数と、の視覚的表示を更に備えている、請求項13に記載のハンドル。
【請求項15】
前記回転式前進部材は、略円筒形の形状をしている、請求項11に記載のハンドル。
【請求項16】
前記回転式前進部材は、回転倍率を増加させるように構成されている少なくとも1つの側方伸張部を更に備えている、請求項15に記載のハンドル。
【請求項17】
フィデューシャル配備システムにおいて、
内視鏡の作業チャネルを通るように構成されている可撓性の細長い針シースであって、その長さを長手方向に貫いて延びるシースルーメンを含んでいる針シースと、
前記シースルーメンを通って滑動可能に伸びている可撓性の細長い針であって、少なくともその長さ方向部分を貫いて配置されている針ルーメンを画定している管状のカニューレ本体と、針遠位端領域であって、前記針ルーメンの遠位端に開口している針遠位端と、半径方向に前記カニューレ本体の少なくとも厚さ部分を貫いて延び、前記針ルーメンに向けて開口していて、少なくとも1つの戻り止めを含んでいる、少なくとも1つの略長手方向針スロットと、を備える針遠位先端領域と、を備えている針と、
フィデューシャルであって、前記針ルーメンの中に滑動可能に配置されているフィデューシャル中央部分と、前記針スロットの中へ突き出ている少なくとも1つの側方突起と、を含んでいる、略柱状の本体を含んでいるフィデューシャルと、
前記針ルーメンの一部分を通って伸びていて、前記少なくとも1つのフィデューシャルを前記戻り止めを越えて前記針遠位端開口部から外へ押し出し式に前進させるように構成されている可撓性の細長いスタイレットと、
ハンドルであって、前記針シースに取り付けられている第1ハンドル部分と、前記針の近位部分に取り付けられ且つ前記第1ハンドル部分に滑動可能に取り付けられている第2ハンドル部分であって、前記第1ハンドル部分に沿って長手方向に動かされると、前記針が前記シースに対して長手方向に滑動式に動くように構成されている第2ハンドル部分と、前記スタイレットと機械的に連通しているねじの切られた回転式前進部材と前記第2ハンドル部分に取り付けられているアンカー部材とを含んでいる第3ハンドル部分であって、前記前進部材は前記アンカー部材に螺合式に取り付けられており、その結果、前記前進部材を前記アンカー部材に対して回転させると、前記スタイレットが前記第2ハンドル部分に対して長手方向に動いてゆくようになっている、第3ハンドル部分と、を含むハンドルと、
を備えているフィデューシャル配備システム。
【請求項18】
前記第3ハンドル部分の回転は、視覚的表示、触覚的表示、聴覚的表示、又はそれらの何らかの組合せによって割り出しされ、前記表示は、前記スタイレットの所定の長手方向移動距離に対応するように構成されている、請求項17に記載のフィデューシャル配備システム。
【請求項19】
身体内部の部位を境界画定するのに使用するべく患者の体内に配備されるように構成されているフィデューシャルにおいて、
本体であって、
フィデューシャル近位端と、
フィデューシャル遠位端と、
フィデューシャル外径を越えて突き出ていて、スロット付きの針のルーメンの中の前記フィデューシャルを整列及び維持するように構成されている、少なくとも1つの側方突起を含んでいるフィデューシャル長手方向中央部分と、を含んでいる本体と、
前記本体から伸びている少なくとも1つの錨着用突起と、を備えているフィデューシャル。
【請求項20】
前記少なくとも1つの錨着用突起は、複数の錨着用突起を備えている、請求項19に記載のフィデューシャル。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図2E】
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【図3】
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【図3A】
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【図4】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図7A】
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【図8】
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【図8A】
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【図9】
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【図10】
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【図10A】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図11E】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13】
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【図13A】
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【図14】
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【図15】
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【図15A】
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【図16A】
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【図16B】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図17D】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図18D】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図19D】
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【図20A】
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【図20B】
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【図20C】
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【図20D】
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【図20E】
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【図20F】
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【図21】
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【公表番号】特表2013−514142(P2013−514142A)
【公表日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544641(P2012−544641)
【出願日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際出願番号】PCT/US2010/059641
【国際公開番号】WO2011/075380
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】