説明

フィルタアッセンブリ

【課題】使い捨てフィルタ本体(2)及びこの使い捨てフィルタ本体(2)用の中央支持体(3)を含むフィルタアッセンブリ(1)を提供する。
【解決手段】中央支持体(3)の夫々の端部を受け入れるため、使い捨てフィルタ本体(2)の上端及び下端(6、8)に開口部(14、16)が設けられている。フィルタアッセンブリ(1)は、更に、使い捨てフィルタ本体(2)内に収容された使い捨てフィルタカートリッジ(4)を含む。使い捨てフィルタカートリッジ(4)は、フィルタアッセンブリ(1)を通る流体の流れから粒子状汚染物をフィルタ除去するためのフィルタ部材(30)を収容している。フィルタ部材(30)は中空であり、使い捨てフィルタカートリッジ(4)は、更に、フィルタ部材(30)を通って軸線方向に延びる不透過性壁(32)を含む。中央支持体(3)は、保守中にフィルタ本体(2)及びフィルタカートリッジ(4)の廃棄及び交換を行うことができるように、使い捨てフィルタ本体(2)から分離でき、開口部(14、16)から取り外すことができる。中央支持体(3)は、流体の流れがフィルタ部材(30)を通過する前に流体の流れに熱の作用を加えるのに役立つ一連の一体の加熱エレメント(49)を含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフィルタアッセンブリに関する。詳細には、本発明は圧縮点火内燃エンジンの燃料システムで燃料を浄化するためのフィルタアッセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
内燃エンジンの燃料システムの燃料フィルタは、燃料の流れから汚染物を除去し、これによって、汚染物が、例えば燃料システムの高圧燃料ポンプ又はインジェクタにいかないようにするために使用される。未濾過の燃料は、塵埃等の粒子状汚染物又は燃料システムの燃料タンクからの水分等の流体状汚染物を含む場合がある。このような汚染物が入り込むと、燃料システムの構成要素の磨耗速度が高くなったり燃料の燃焼効率が低下したりする。
【0003】
代表的なフィルタアッセンブリは、フィルタアッセンブリを燃料システムに連結する穴を含むフィルタヘッド及びこのフィルタヘッドに固定されたフィルタ缶を含む。フィルタ缶は、濾材を収容している。濾材は、フィルタ缶内に配置されたフィルタカートリッジの部分を形成する。随意であるが、フィルタアッセンブリは、流体状汚染物が燃料の流れから漉し出された後、この流体状汚染物を貯蔵するための水貯蔵容量即ちデカンテーション容積を含んでいてもよい。
【0004】
粒子状汚染物が溜まることによって濾材が詰まり、交換の必要がある場合及び/又は水貯蔵容量が一杯になったときのいずれかで、フィルタの保守が必要となる。濾材の保守を行う場合、フィルタカートリッジだけを交換するか或いはフィルタアッセンブリ全体を交換するかのいずれかを行う。前者の種類のフィルタは「取り外し可能カートリッジフィルタ」として周知であり、前者の種類のフィルタは「使い捨てフィルタ」として周知である。
【0005】
取り外し可能カートリッジフィルタの交換部品の価格は、使い捨てフィルタと比較すると低い。これは、取り外し可能なフィルタカートリッジだけを交換するためである。しかしながら、使い捨てフィルタには、交換が容易であることによる保守の人件費が低いという利点がある。
【0006】
更に、取り外し可能カートリッジフィルタの保守を行う場合、濾材の清浄側を保護するための手段が講じられていない場合には、濾材が汚染する可能性がある。例えば、燃料が濾材を横切って半径方向外方に濾材の内汚染側から外清浄側に流れるように取り外し可能フィルタが形成されている場合には、保守中に取り扱われるとき、濾材の清浄側が汚染される可能性がある。逆に、燃料が濾材を横切って半径方向内方に濾材の外汚染側から内清浄側に流れる場合には、カートリッジを濾材の上端及び下端を持って取り扱う場合、濾材の清浄側が汚染される可能性がある。これらの形体の両方において、濾材の清浄側を保護する対策が講じられていない場合には、取り外し可能カートリッジフィルタの出口近くと近接した清浄側が汚染される可能性がある。
【0007】
これに対し、使い捨てフィルタは、「いつでも装着可能」状態で供給され、保守中にフィルタカートリッジ自体を取り扱うことがなく、従って、汚染の可能性がない。
幾つかの従来のフィルタアッセンブリと関連した別の問題点は、ヒータの使用に関する。ヒータは、例えば濾過前の燃料中でワックス粒子が形成されないように燃料を加熱するように構成されている。従来のフィルタアッセンブリのヒータの熱伝達容量は、その熱交換表面積が比較的小さいことにより制限されていた。更に、代表的には、ヒータはフィルタアッセンブリの周囲に固定されていたため、フィルタアッセンブリの大きさを全体として大きくし、エンジンルーム内で利用可能な限られた空間を狭めてしまう。
【0008】
従来のフィルタアッセンブリと関連した別の問題点は、燃料流がデカンテーション容積内の流体状汚染物と近接していることと関連する。例えば、燃料がフィルタアッセンブリの頂部でヒータに流入し、ヒータを出て、フィルタアッセンブリの底部のデカンテーション容積に流入する場合には、デカンテーション容積内の流体状汚染物がかき乱され、燃料流に同伴される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術の上述の問題点及び欠点のうちの少なくとも一つを解決するか或いは少なくとも緩和する燃料フィルタを提供するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
かくして、本発明の第1の態様によれば、使い捨てフィルタ本体と、使い捨てフィルタ本体用の中央支持体とを含むフィルタアッセンブリが提供される。使い捨てフィルタ本体の上端及び下端の各々には、中央支持体の夫々の端部を受け入れるための開口部が設けられている。フィルタアッセンブリは、更に、フィルタ本体内に収容された使い捨てフィルタカートリッジを含む。フィルタカートリッジは、フィルタアッセンブリを通る流体の流れから汚染物をフィルタ除去するためのフィルタ部材を収容している。中央支持体は、使い捨てフィルタ本体から分離でき且つ開口部から取り外すことができ、これにより、保守中にフィルタ本体及びフィルタカートリッジの廃棄及び交換を行うことができる。使い捨てフィルタ本体の上端(即ち上側)はフィルタカバー(即ちヘッド)によって形成されていてもよく、フィルタ本体の下端はフィルタボウルによって形成されていてもよい。組み立て状態において、中央支持体は、フィルタボウルの開口部及びフィルタカバーの開口部を通って延びる。このようにして、中央支持体はフィルタアッセンブリに対して剛性を提供し、フィルタカバー及びフィルタボウルを所望の関係に維持するのを補助する。フィルタアッセンブリを分解するためには、中央支持体を使い捨てフィルタ本体の開口部から取り外し、フィルタ本体及びフィルタカートリッジを中央支持体から取り外す。有利には、中央支持体は使い捨てフィルタ本体の開口部内に摺動自在に受け入れられており、そのため、フィルタ本体を中央支持体に沿って摺動し、中央支持体から外すことによって、フィルタ本体及びフィルタカートリッジを一体に取り外すことができる。
【0011】
代表的には、フィルタカバーは実質的にディスク形状(即ちプレート形状)であり、フィルタボウルは、ベース及び円筒形の側壁を持つ実質的にバケット形状である。フィルタボウルの側壁の上縁部は、使用時にフィルタカバーに連結されている(即ちフィルタカバーに対してシールされている)。
【0012】
使用済みのフィルタ本体の廃棄及び新たなフィルタ本体の交換を便利に行うことができるため、本発明には、従来の取り外し自在のカートリッジフィルタと比較して保守手順が簡単である(複雑でない)という利点がある。
【0013】
好ましくは、中央支持体には、フィルタ部材の通過前に流体の流れを加熱するのに役立つ一連の一体的な加熱エレメントが設けられている。
流体が燃料である場合には、特定の大気条件下でワックス粒子が形成される場合がある。燃料の流れで運ばれたワックス粒子は、燃料がフィルタアッセンブリを通って流れる際にフィルタ部材を急速に詰まらせてしまう。燃料を加熱することにより、ワックス粒子の形成を阻止する。従って、燃料流がフィルタ部材を通過する前に一連の一体の加熱エレメントを使用して燃料流を加熱することにより、フィルタ部材の作動寿命を延ばす。別の態様では、燃料が尿素溶液である場合には、一連の一体の加熱エレメントは、溶液の凍結を防止するのに役立つ。
【0014】
フィルタ部材は好ましくは中空円筒体であり、使い捨てフィルタカートリッジは、更に、前記フィルタ部材を通って軸線方向に延びる不透過性壁を含む。
不透過性壁は、使い捨てフィルタ本体のフィルタ部材を、保守前に、例えば使い捨てフィルタ本体がいつでも使用できる「オンザシェルフ(on-the-shelf)」状態にある場合に、及び保守中に中央支持体を新たな使い捨てフィルタ内に配置するときに、汚染しないように保護する。不透過性壁がない場合にはフィルタの交換時に清浄なフィルタ部材と接触する汚染物が、不透過性壁により、フィルタアッセンブリの清浄側と接触しないようにする。不透過性壁は、更に、中央支持体を使い捨てフィルタ本体に挿入するときにガイドとして作用するのに役立つ。これによって、フィルタアッセンブリの保守を更に容易にする。
【0015】
適当な実施例では、中央支持体は、フィルタカバー及びフィルタボウルの開口部の少なくとも一つに受け入れられるようになった細長いステムと、直径がこれらの開口部よりも大きい拡大ヘッドとを含む。組み立て状態において、中央支持体の拡大ヘッドはフィルタ本体の外側に配置され、フィルタカバー又はフィルタボウルのいずれかと当接関係にあることができる。この構成により、中央支持体の拡大ヘッド領域をフィルタ本体に対して固定的に係合する(例えばねじ又は他の取り付け手段によって)必要をなくすことができ、及びかくしてフィルタアッセンブリの組み立て及び分解を簡単にできる。このような構成では、フィルタアッセンブリを分解するため、使い捨てフィルタ本体及び使い捨てフィルタカートリッジを、中央支持体の細長いステムに沿って、中央支持体から分離されるように、拡大ヘッドから遠ざかる方向に集合的に摺動できる。ステムの断面は、代表的には、円筒形である。中央支持体の拡大ヘッドは、電気接続部又はフィルタアッセンブリの他のデバイスを収容する上で便利であり得る。
【0016】
中央支持体は、フィルタアッセンブリを通る流体用の流れ通路の部分を形成する中空内部を含んでいてもよい。中央支持体の中空内部には、代表的には、中空内部を第1チャンバ及び第2チャンバに分割する壁が設けられていてもよい。これらのチャンバは、フィルタアッセンブリを通る流れ通路を形成する。かくして、中央支持体を通る流れ通路は、便利には、中央支持体を通る流体の逆平行流(anti-parallel flow)を発生する二つの平行なチャンバ(又は部分)を含む。従って、中央支持体の二つのチャンバは、逆平行流通路と考えることができる。好ましくは、壁は、一対の熱交換プレートを含む。第1及び第2のチャンバは、好ましくは、その下端で互いに連通している。適当には、中央支持体の上端及び下端は閉鎖しており、中央支持体の内部の流体を中央支持体の外側のフィルタ本体内の流体から遮断する。
【0017】
好ましくは、中央支持体は、流体がフィルタ部材を通過する前に中央支持体の上端に向かって第1チャンバに進入し、中央支持体の上端に向かって第2チャンバを出るような形体を備えている。
【0018】
好ましくは、水を集めるためのデカンテーション容積が、使い捨てフィルタ本体の下端(即ちフィルタボウルの底部)に配置されている。この構成により、中央支持体の通過中に流体を遮断でき、及び従ってデカンテーション容積内の汚染物に流体を露呈することがない。これにより、汚染物が流体流れに同伴される可能性をなくす。
【0019】
有利には、フィルタアッセンブリの組み立て及び分解を補助するため、中央支持体は一端のところだけがフィルタ本体に固定的に連結される(例えば中央支持体が拡大ヘッドを持つ場合、固定的連結部は、拡大ヘッドとは反対側の端部に配置されていてもよい)。
【0020】
少なくとも一部が開口部の一つの内部に配置された係止手段によって、中央支持体を使い捨てフィルタ本体に固定するのが便利である。係止手段は、適当には、中央支持体と螺合する部分を含む。係止手段(又は中央支持体と螺合する係止手段の部分)は、フィルタ本体の開口部の一つを通って延び、フィルタ本体の外面に当接する領域を含む。
【0021】
係止手段は、有利には、フィルタアッセンブリの保守中に取り外す必要があるフィルタアッセンブリの唯一の固定部分であり、これによって、中央支持体を使用済みの使い捨てフィルタ本体から簡単に取り外すことができ、中央支持体を新たな使い捨てフィルタ本体に簡単に配置できる。代表的には、中央支持体は、係止手段から遠方の端部に拡大ヘッドを含み、この拡大ヘッドは、その下側が使い捨てフィルタ本体に当接するように、開口部の一つを通って突出している。上述のように、中央支持体の拡大ヘッドは、係止手段とは反対側の中央支持体の端部を所定位置に固定する必要をなくす。中央支持体の両端を使い捨てフィルタ本体にしっかりと固定する必要をなくすことにより、ねじ部を備えたこの他の特徴をフィルタ本体に設ける必要がなく、従って、構成要素の複雑さ及び従ってこのような構成要素(特に使い捨て構成要素)の製造費を低減できる。
【0022】
代表的には、流体をフィルタ本体に入れたり出したりできるようにするため、フィルタカバーには、更に、入口開口部及び出口開口部が設けられている。使い捨てフィルタカートリッジは、便利には、燃料をフィルタアッセンブリに移送し、フィルタアッセンブリから移送するために燃料ライン即ち配管に連結するため、組み立て状態においてフィルタカバーの入口開口部と整合するように構成された入口ポートと、フィルタカバーの出口開口部と整合するように構成された出口ポートとを含む。フィルタアッセンブリは、更に、フィルタカートリッジ内への流体流路を形成するため、入口ポートに受け入れられており且つフィルタヘッドの入口開口部に連結された入口配管と、フィルタカートリッジの外への流体流路を形成するため、出口ポートに受け入れられており且つフィルタヘッドの出口開口部に連結された出口配管とを含む。かくして、中央支持体には、入口配管と中央支持体の内部との間を流体連通できる半径方向第1開口部がその上端に向かって設けられ、中央支持体の内部とフィルタ本体の内容積との間を流体連通できる半径方向第2開口部がその上端に向かって設けられていてもよい。中央支持体が、組み立て状態において、フィルタカバーと当接関係で配置されるべき拡大ヘッドを含む場合には、中央支持体の中央軸線から拡大ヘッドの半径方向最外側部までの半径方向距離は、中央支持体の中央軸線からフィルタカバーの入口開口部及び出口開口部の半径方向最内縁部までの半径方向距離よりも小さい。これにより、拡大ヘッドは、フィルタアッセンブリの入口及び出口と干渉しない。
【0023】
便利には、フィルタ部材は、流体を半径方向に流すように構成されたラジアルフィルタである。
本発明の第2の特徴によれば、フィルタ本体、このフィルタ本体用の中央支持体、中央支持体の夫々の端部を受け入れるため、フィルタ本体の上端及び下端の各々に設けられた開口部、及びフィルタ本体内に収容されるようになった使い捨てフィルタカートリッジを含むフィルタアッセンブリが提供される。フィルタカートリッジは、フィルタアッセンブリ通る流体の流れから粒子状汚染物をフィルタ除去するための中空円筒体形態のフィルタ部材を受け入れ/収容するように構成されている。使い捨てフィルタカートリッジは、更に、使い捨てフィルタカートリッジの交換中にフィルタ部材の清浄側を保護するため、フィルタ部材を通って軸線方向に延びる不透過性壁を含む。フィルタ部材は、便利には、流体をフィルタ部材の第1側からフィルタ部材の第2側まで半径方向に流すように構成されている。この構成では、フィルタ部材を通って軸線方向に延びる不透過性壁は、フィルタ部材の第2側と隣接するように配置される。このようにして、不透過性壁は、使い捨てフィルタカートリッジの保管中及び/又は交換中、フィルタ部材の第2側即ち「清浄」側を保護する。従って、幾つかの実施例において、この態様のフィルタアッセンブリは、本明細書中上文中に説明したラジアルフィルタ部材を含む。
【0024】
上述のように、不透過性壁は、フィルタカートリッジのフィルタ部材を、保守前に、例えば、フィルタ本体がいつでも使用できる「オンザシェルフ」状態にある場合に、及び保守中に中央支持体を新たなフィルタ本体に配置するときに汚染することがないように保護する。不透過性壁がない場合には、フィルタ部材の交換時に清浄なフィルタ部材と接触してしまう場合がある汚染物が、不透過性壁により、フィルタアッセンブリの清浄側から遮断される。本発明のフィルタアッセンブリでは、代表的には、フィルタ部材の第1側(即ち「汚染側」)がフィルタ部材の中空円筒体の外面を形成し、第2側(即ち「清浄側」)がフィルタ部材の中空円筒体の内面を形成する。
【0025】
不透過性壁は、便利には、フィルタ本体の上端及び下端に設けられた開口部と軸線方向に整合しており、これによって、中央支持体をフィルタ本体に挿入するときにガイドとして作用するのに役立つ。これによってフィルタアッセンブリの保守を容易にする。
【0026】
有利には、フィルタ本体もまた使い捨てである。本発明のこの第2の態様では、フィルタ本体は、本発明の第1の態様に従って形成されていてもよい。同様に、この第2の態様のフィルタカートリッジは、本発明の第1の態様に従って形成されていてもよい。
【0027】
本発明の第3の態様によれば、本発明の第1及び/又は第2の態様と関連して及び他の箇所で本明細書中に説明した使い捨てラジアルフィルタカートリッジが提供される。
本発明の第4の態様によれば、フィルタ本体と、このフィルタ本体用の中央支持体と、中央支持体の夫々の端部を受け入れるため、フィルタ本体の上端及び下端の各々に設けられた開口部と、フィルタアッセンブリ通る流体の流れから粒子状汚染物をフィルタ除去するためのフィルタ部材を収容する、フィルタ本体内に収容されたフィルタカートリッジとを含むフィルタアッセンブリが提供される。中央支持体には、フィルタ部材を通過する前に流体の流れに加熱効果を提供するのに役立つ一連の一体の加熱エレメントが設けられている。
【0028】
流体が燃料である場合には、特定の大気条件下でワックス粒子が形成される場合がある。燃料の流れで運ばれたワックス粒子は、燃料がフィルタアッセンブリを通って流れる際にフィルタ部材を急速に詰まらせてしまう。燃料を加熱することにより、ワックス粒子が形成されないようにする。別の態様では、流体が尿素溶液である場合、一連の一体の加熱エレメントは、溶液の凍結を防止するのに役立つ。
【0029】
中央支持体は、フィルタアッセンブリを通る流路の部分を形成する中空内部を含んでいてもよい。
中央支持体の中空内部は、中空内部を第1チャンバ及び第2チャンバに分け、フィルタアッセンブリを通る流路の逆平行部分を形成する壁、好ましくは一対の熱交換プレートを含んでいてもよい。
【0030】
好ましくは、第1及び第2のチャンバは、その下端のところで互いに連通している。流体は、中央支持体の上端に設けられた半径方向開口部を通って中央支持体に出入りする。熱交換プレートは、流体が中央支持体の一方の半径方向開口部から入り、次いで中央支持体の長さに沿って第1及び第2のチャンバの底部まで流れるように中央支持体に位置決めされている。流体は、次いで、第2チャンバの頂部まで流れ、他方の半径方向開口部から中央支持体を出る。従って、熱交換プレートの存在により、フィルタアッセンブリの大きさに影響を及ぼすことなく、フィルタアッセンブリを通る流路の長さが増大する。
【0031】
加熱エレメントは、便利には熱交換プレート間に位置決めされ、又は、換言すると、壁内に収容されている。
変形例の構成では、一枚の熱交換プレートの形態の壁が中央支持体の中空内部に設けられていてもよい。
【0032】
この変形例の構成では、加熱エレメントは、便利には、熱交換プレートの一方の側又は他方の側に位置される。
この構成は、外部加熱エレメントをフィルタアッセンブリに固定する必要をなくすことによってコンパクトなフィルタアッセンブリを提供し、中央支持体を通る流路により大きな熱交換表面積を保持する。
【0033】
フィルタ部材の「不透過性壁」に関して本明細書中で使用されているように「不透過性」という用語は、壁が固体粒子及び/又は液体及び/又は気体に対して本質的に(即ち完全に)不透過性であるということを意味する。詳細には、不透過性壁は、この壁がない場合にはフィルタ部材を汚染してしまう液体及び固体粒子に対して不透過性(即ち本質的に不透過性)である。更に、不透過性壁は、本発明のフィルタアッセンブリに通すようになった流体と反応せず、このような流体に溶解しない。例えば、不透過性壁に対して適当な材料は、固体ポリマー又は金属である。不透過性壁は、便利には、フィルタカートリッジ及び/又はフィルタ本体の残りと同じ材料で形成されている。
【0034】
本明細書の第1、第2、第3、及び第4の態様の好ましい及び/又は随意の特徴を、本明細書の他の態様に単独で又は適当な組み合わせで組み込んでもよいということは理解されよう。
【0035】
次に、本発明を添付図面を参照して単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、アッセンブリのフィルタカートリッジを取り外した状態の本発明の第1実施例のフィルタアッセンブリの断面図である。
【図2】図2は、図1のフィルタアッセンブリで使用するためのフィルタカートリッジの断面図である。
【図3】図3は、図1のフィルタアッセンブリを、設置された図2のフィルタカートリッジとともに示す断面図である。
【図4】図4は、図1及び図3のフィルタアッセンブリの中央支持体の断面図である。
【図5】図5は、使用時にアッセンブリを通る流体の流路を示す図1及び図3のフィルタアッセンブリの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の一実施例のフィルタアッセンブリは、一般的には、以下の三つの要素を含む。即ち、
i)フィルタ本体、
ii)アッセンブリ用の中央支持体、及び
iii)濾材を持つフィルタカートリッジ。
【0038】
図1を参照すると、フィルタアッセンブリ1は、全体に円筒形のフィルタ本体2(フィルタ本体と呼ぶ)の中心線に沿って位置決めされた全体に円筒形の中央支持体3(中央支持体と呼ぶ)を含む。フィルタ本体2の断面は、その長さに沿って段状をなしており、その下端に向かって肩部5を形成する。フィルタ本体2の上端及び下端には、フィルタカバー(即ちヘッド又は蓋)6及びフィルタボウル8が夫々設けられている。フィルタボウル8は、フィルタアッセンブリ1のフィルタ構成要素を収容する。代表的には、フィルタカバー6は、製造中にフィルタ本体2に対してシールされる。水を集めるためのデカンテーション容積9が、フィルタ本体2の下領域即ちベース領域にフィルタ本体2の内面によって肩部5とフィルタボウル8のベースとの間に形成される。
【0039】
例示の実施例では、フィルタカバー6には、三つの開口部即ち入口開口部10、出口開口部12、及び中央開口部14が一体に設けられている。入口開口部10及び出口開口部12は、フィルタカバー6の中央の半径方向外側にある。フィルタボウル8には中央開口部16が設けられている。フィルタカバー6及びフィルタボウル8の中央開口部14、16は、互いに軸線方向に整合しており、中央支持体3の夫々の端部を受け入れるようになっている。中央支持体3の拡大ヘッド18がフィルタカバー6の中央開口部14を通って突出しており、その下側がフィルタカバー6の上面に当接している。中央支持体3の下端は、フィルタボウル8の中央開口部16に向かって延びており、一部が開口部16内に受け入れられる係止部材20によって所定位置に固定される。係止部材20は、内面にねじ部が設けられた上方に起立した管状部分20aの形態のねじ部を備えた部分、及び使用中にアクセスできるようにフィルタボウル8の外側に配置されたヘッド部分20bを含む。管状部分20aは、フィルタボウル8の中央開口部16を通って突出し、中央支持体3の下端の外面に螺合してこれに取り付けられる。他の実施例では、中央支持体3を別の態様の係止手段で所定位置に固定してもよいということは明らかであろう。例えば、ねじ部を中央支持体3の内面及び係止部材20の外面に設けてもよい。
【0040】
図2及び図3を参照すると、フィルタ本体2及び中央支持体3がその間に環状容積を形成し、その中にフィルタカートリッジ4が配置され且つ支持される。フィルタカートリッジ4の下端には、カートリッジ4を所定位置に配置するため、フィルタ本体2の肩部5に載置する一連の突出部21が設けられている。フィルタカートリッジ4は上部分22及び下部分23を含み、これらの間に全体に円筒形の疎水性濾材30(濾材と呼ぶ)が配置される。入口ポート24及び出口ポート25がカートリッジ4の上部分22に設けられている。入口ポート24及び出口ポート25は、燃料をフィルタアッセンブリ1に移送するため、又は燃料をフィルタアッセンブリ1から移送するため、燃料ライン又は配管に連結されるように設計されている。フィルタカートリッジ4の入口ポート24は、フィルタカバー6の入口開口部10と整合しており、例えば低圧移送ポンプ(図示せず)と連通した入口配管26に連結されるように構成されている。入口配管26は、入口ポート24にプレス嵌めによって受け入れられており、製造中、例えば鑞付け溶接によってフィルタカバー6の入口開口部10にしっかりと固定される。入口配管26は、中央支持体3の上端の近くに設けられた半径方向第1開口部27によって中央支持体3の内部と連通するように構成されている。同様に、出口ポート25は、フィルタカバー6の出口開口部12と整合し、例えば高圧移送ポンプ(図示せず)の入口と連通した出口配管28に連結されるように構成されている。出口配管28は、フィルタカートリッジ4の出口ポート25にプレス嵌めで固定されており、製造中、フィルタカバー6の出口開口部12に固定される。
【0041】
濾材30は、燃料流から粒子状汚染物を除去するのに使用される。濾材30の上面及び下面は、フィルタカートリッジ4の上部分22及び下部分23の夫々の内面に結合されている。不透過性壁32が濾材30を通ってその中央軸線に沿って延びており、その上端及び下端の夫々がフィルタカートリッジ4の上部分22及び下部分23に固定されている。不透過性壁32の位置は、フィルタ本体2の上端6及び下端8の開口部14、16と軸線方向で整合するように定められている。
【0042】
濾材30の外側(即ち第1側)34(「汚染」側と呼ぶ)及びフィルタ本体2の内面が環状第1容積36を形成する。環状第1容積36は、中央支持体3の上端近くに半径方向第1開口部27よりも近接して配置された半径方向第2開口部38によって、中央支持体3の内部と連通している。濾材30の内側(即ち第2側)40(「清浄」側と呼ぶ)及びフィルタカートリッジ4の不透過性壁32が、環状第1容積36の半径方向内方に環状第2容積42を形成する。環状第2容積42は、フィルタカートリッジ4の出口ポート25と連通している。濾材30は、燃料が濾材30を通って半径方向内方に、環状第1容積36(濾材30の汚染側34)から環状第2容積42(濾材30の清浄側40)にしか流れないように、フィルタカートリッジ4の上部分22及び下部分23に結合されている。
【0043】
図4を参照すると、中央支持体3の内部には、内部を第1チャンバ46及び第2チャンバ48に分けるのに役立つ二枚の熱交換プレート43、44の形態の壁が設けられている。第1チャンバ46及び第2チャンバ48は、その下端が互いに連通している。一連の一体の加熱エレメント49が、熱交換プレート43、44間にこれらの熱交換プレートに沿って間隔が隔てられて配置されている。一方の熱交換プレート44が電気的接続部(図示せず)によってサーモスタットスイッチ45に接続されている。
【0044】
別の実施例(図示せず)では、壁は、中央支持体3の内部の中心線に沿って配置された、一連の加熱エレメントが一方の側部に沿って一体に設けられた一枚の熱交換プレートを含んでいてもよい。
【0045】
図5を参照すると、使用時に、入口配管26及び出口配管28が適当な燃料ラインに連結された状態で、フィルタアッセンブリ1の上流に配置された低圧移送ポンプを作動することにより、燃料を入口ポート24に圧送し、中央支持体3の半径方向第1開口部27を通し、中央支持体3に圧送する。熱交換プレート43、44は、燃料が中央支持体3の半径方向第1開口部27から、中央支持体3の長さに沿って第1及び第2のチャンバ46、48の底部まで、図5に矢印で示すようにしか流れることができないように中央支持体3に位置決めされている。燃料は、次いで、第2チャンバ48の頂部まで流れ、半径方向第2開口部38から中央支持体3を出て環状第1容積36に流入する。環状第1容積36から、燃料の幾分かが突出部21間を通ってデカンテーション容積9に流入する。いったんデカンテーション容積9の容量が使用されると、燃料は濾材30を通って半径方向内方に流れる。
【0046】
従って、熱交換プレート43、44は、フィルタアッセンブリ1を通る燃料通路を長くし、中央支持体3内で大きな熱交換表面積を使用できるようにし、これによって、一体の加熱エレメント49から燃料流へ十分な熱交換を行う。
【0047】
加熱エレメント49は、中央支持体3を通って環状第1容積36に入るまで燃料を加熱する。特定の大気条件下でのエンジンの初期始動時のように低圧移送ポンプ内の燃料の温度が比較的低い場合には、燃料中でワックス粒子が形成し、これにより濾材30が詰まってしまうことがある。燃料を加熱することにより、燃料中でのワックス粒子の形成を減少し、及び従って濾材30が詰まり難くする。熱交換プレート43、44の熱交換表面積により、中央支持体3の通過中に燃料流が十分に加熱される。この構成は、外部加熱エレメントをフィルタアッセンブリ1に固定する必要をなくすことによって、従来の燃料フィルタと比較してコンパクトなフィルタアッセンブリを提供し、これによってエンジンルーム内の限られた空間が節約される。
【0048】
濾材30は、燃料が環状第1容積36から濾材30を通って環状第2容積42内に半径方向内方に流れるとき、粒子状汚染物を収集するのに使用される。環状第1容積36と環状第2容積42との間に濾材30を設けることにより、燃料流中の粒子状汚染物が濾材30の清浄側40から出ることが阻止され、これにより、粒子状汚染物がフィルタアッセンブリ1の下流にいかないようにする。
【0049】
圧縮点火内燃エンジンは、燃料に潤滑の役割も持たせている。潤滑燃料が水等の流体状汚染物を含んでいると、エンジンの可動部品が過熱し易くなる。従って、粒子状汚染物を燃料流から除去することに加え、燃料流中に存在する全ての水を除去するのがフィルタアッセンブリ1にとって望ましいと考えられている。
【0050】
濾材30は、燃料が環状第1容積36から濾材30の清浄側40まで流れる際に燃料から水を抽出する。濾材30の清浄側40から、濾過された燃料が環状第2容積42に流入し、フィルタカートリッジ4の上部分22に設けられた出口ポート25からフィルタアッセンブリ1を出る。抽出された水滴は、濾材30の汚染側34で凝集し、次いでフィルタカートリッジ4の突出部21間からデカンテーション容積9に流入する。デカンテーション容積9は、燃料流「デッドゾーン」を形成する。これは、ここを通る正味燃料流が実質的にないということを意味する。抽出された水は、その密度が燃料の密度よりも高いため、デカンテーション容積9の底部に移動し、デカンテーション容積9が所定の容量になったとき、デカンテーション容積9から燃料が押し退けられる。
【0051】
この構成では、燃料流はデカンテーション容積9内の抽出された水と分離された状態に置かれる。このことは、濾過中の任意の段階で、燃料流が、抽出された水と接触しないということを意味する。これにより、デカンテーション容積9内の抽出された水が燃料流によって攪拌されることがなく、これによって、抽出された水が燃料流に混入する可能性をなくす。
【0052】
中央支持体3は、随意であるが、デカンテーション容積9内の水のレベルを検出し、水のレベルが所定限度に達したときにこれを示す信号をオペレータに送出するための水センサ(図示せず)を含む。水のレベルが所定レベルに達したとき、オペレータは、係止部材20を中央支持体3から外し、水をデカンテーション容積9から抜くことができるようにするだけでよい。センサ及び/又はアクチュエータのこの他の組み合わせが中央支持体3に収容されていてもよいということは理解されよう。こうした組み合わせには、例えば、閉塞センサ、温度センサ、又は圧力センサが含まれるがこれらに限定されない。
【0053】
保守時に濾材30を交換するために行わなければならない作業は、従来の取り外し自在のカートリッジフィルタで必要とされる作業と比べて比較的簡単である。必要とされることは、燃料ラインを入口配管26及び出口配管28から取り外し、係止部材20を中央支持体3から取り外すことだけである。次いで、中央支持体3をフィルタ本体4から持ち上げ、フィルタヘッド6の中央開口部14に通し、新たなフィルタ本体内に配置し、係止部材20によって所定位置に固定することができる。次いで、使用済みのフィルタ本体2をフィルタカートリッジ4、フィルタヘッド6、及び入口配管26及び出口配管28をとともに廃棄する。新たなカートリッジ4、フィルタヘッド6、及び入口配管26及び出口配管28は製造中に互いに固定されているため、保守手順中にこれらの部品を互いに固定し、適切なシールを形成するために行われる工程はない。
【0054】
フィルタアッセンブリ1の主要支持構成要素としての中央支持体3の役割により、他の構成要素の複雑さを低減できる。例えば、中央支持体3を所定位置に固定する方法は、フィルタカバー6又はフィルタボウル8にねじ部を備えた挿入体が必要とされないということを意味する。その代わり、必要とされる唯一のねじ部は、中央支持体3の底部で係止部材20に関して使用されるねじ部である。更に、任意のセンサ及び/又はアクチュエータが中央支持体3内に配置されているため、例えばヒータをフィルタ本体に固定するための外部固定具に対する必要がない。フィルタ本体2及びこれに固定される様々な構成要素4、6、26、28についての、従来の取り外し自在のカートリッジフィルタの組み立てで必要な要素を少なくすることにより、製造費が全体として低減される。従って、フィルタアッセンブリ1の価格のかなりの割合が、保守中に保持される中央支持体3に割り当てられる。
【0055】
中央支持体3の別の利点は、加圧燃料が低圧移送ポンプから送出されるときにフィルタアッセンブリ1に作用する正味力を吸収し、これによってフィルタアッセンブリ1の堅牢性を改善し、フィルタ本体2について低規格の材料を使用できるようにし、フィルタ本体2の製造費を更に低減することである。
【0056】
従って、本フィルタアッセンブリ1は、従来の使い捨てフィルタの交換における人件費が低いという利点と、従来の取り外し自在のカートリッジフィルタの経済的であるという利点とを併せ持つものである。
【0057】
フィルタカートリッジ4に不透過性壁32が設けられていることは、保守中に特に有利である。これは、中央支持体3をフィルタ本体2に挿入するとき、不透過性壁32が濾材30の清浄側40が中央支持体3と接触しないように保護するためである。これにより、清浄なフィルタ部材が汚染する可能性をなくす。従って、この構成は、使い捨てフィルタに厳重な清浄性を提供する。
【0058】
以上説明したフィルタアッセンブリ1は、低圧移送ポンプがフィルタアッセンブリの上流に配置された加圧システムでの使用に限定されず、従来の使い捨てフィルタ又は取り外し自在のカートリッジフィルタを上回る利点が、リフト/移送ポンプがフィルタアッセンブリの下流に配置された吸引システムでフィルタアッセンブリ1を使用しようとする場合にも適用できるということは理解されよう。
【0059】
更に、以上説明したフィルタアッセンブリ1は、燃料での使用に限定されず、濾過及び加熱を行う必要がある他の流体、例えば尿素溶液等の処理に使用できるということは理解されよう。
【0060】
本発明の特定の実施例を本明細書中に詳細に開示したが、これは、例として、及び単なる例示の目的で行ったものである。上述の実施例は限定を意図したものではなく、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される。
【符号の説明】
【0061】
1 フィルタアッセンブリ
2 フィルタ本体
3 中央支持体
4 フィルタカートリッジ
5 肩部
6 フィルタカバー
8 フィルタボウル
9 デカンテーション容積
10 入口開口部
12 出口開口部
14 中央開口部
16 中央開口部
18 拡大ヘッド
20 係止部材
20a 管状部分
20b ヘッド部分
21 突出部
22 上部分
23 下部分
24 入口ポート
25 出口ポート
26 入口配管
27 半径方向第1開口部
28 出口配管
30 疎水性濾材
32 不透過性壁
34 汚染側
36 環状第1容積
38 半径方向第2開口部
40 清浄側

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルタアッセンブリ(1)において、
中央支持体(3)と、
上端にフィルタカバー(6)を有し、下端にフィルタボウル(8)を有し、前記中央支持体(3)の各端部を受け入れるため、前記フィルタカバー(6)及び前記フィルタボウル(8)の各々に開口部(14、16)が設けられた、使い捨てフィルタ本体(2)と、
前記フィルタ本体(2)に収容された、前記フィルタアッセンブリ(1)を通る流体の流れから汚染物をフィルタ除去するためのフィルタ部材(30)を収容する使い捨てフィルタカートリッジ(4)とを含み、
前記中央支持体(3)は、前記フィルタボウル(8)の前記開口部(16)及び前記フィルタカバー(6)の前記開口部(14)を通って延び、前記フィルタアッセンブリ(1)を分解するため、前記中央支持体は、前記使い捨てフィルタ本体(2)の前記開口部(14、16)から取り外し自在であり、これにより、保守中に前記フィルタ本体(2)及び前記フィルタカートリッジ(4)を分離でき、廃棄でき、交換できる、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項2】
請求項1に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記フィルタカバー(6)は実質的にディスク形状であり、前記フィルタボウル(8)の頂部に取り付けられるように、又はこれと係合するように構成されている、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記フィルタボウル(8)は実質的にバケット形状であり、円筒形の壁、底側、及び前記フィルタカバー(6)によって覆われる上開口部を有する、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項4】
請求項1、2、又は3に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)には一連の一体の加熱エレメント(49)が設けられており、前記加熱エレメントは、前記フィルタ部材(30)を通過する前に前記流体の流れに加熱効果を及ぼすのに役立つ、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)は、前記開口部(14、16)のうちの少なくとも一つの内部に受け入れられるようになった細長いステムと、前記開口部(14、16)よりも大径の拡大ヘッド(18)とを含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項6】
請求項5に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
組み立て状態において、前記中央支持体(3)の前記拡大ヘッド(18)は前記フィルタアッセンブリ(1)の前記フィルタ本体(2)の外側に配置され、前記フィルタカバー(6)又は前記フィルタボウル(8)のいずれかと当接する関係にあり、前記フィルタアッセンブリ(1)を分解するため、前記フィルタ本体(2)及び前記使い捨てフィルタカートリッジ(4)を、共に、前記中央支持体(3)の前記細長いステムに沿って、前記中央支持体(3)における、前記拡大ヘッド(18)とは反対側の端部のところで前記中央支持体(3)から取り外されるように、前記拡大ヘッド(18)から遠ざかる方向に摺動する、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項7】
請求項5又は6に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)の前記拡大ヘッド(18)は、電気接続部用のハウジングを含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項8】
請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記フィルタ部材(30)は中空円筒体であり、前記使い捨てフィルタカートリッジ(4)は、更に、前記フィルタ部材(30)を通って軸線方向に延びる不透過性壁(32)を含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)は、前記フィルタアッセンブリ(1)を通る流体用の流路の一部を形成する中空内部(46、48)を含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項10】
請求項9に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)の前記中空内部(46、48)は、前記中空内部を、前記フィルタアッセンブリ(1)を通る流路を形成する第1チャンバ(46)及び第2チャンバ(48)に分割する壁(43、44)を含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項11】
請求項10に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記流体は、前記フィルタ部材(30)を通過する前に、前記中央支持体(3)の上端に向かって前記第1チャンバ(46)に進入し、前記中央支持体(3)の前記上端に向かって前記第2チャンバ(48)を出る、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項12】
請求項1乃至11のうちのいずれか一項に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)は、少なくとも部分的に前記開口部(14、16)の一つの内部に配置された係止手段(20)によって前記使い捨てフィルタ本体(2)に固定されている、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項13】
請求項12に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記係止手段は、前記中央支持体(3)と螺合する部分(20)を含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項14】
請求項12又は13に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)は、前記係止手段(20)から離れた側の端部に拡大ヘッド(18)を含み、前記拡大ヘッドは、前記拡大ヘッドの下側が前記使い捨てフィルタ本体(2)に当接するように前記開口部(14、16)の一つから突出している、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項15】
請求項1乃至14のうちのいずれか一項に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記フィルタカバー(6)には、更に、流体を前記フィルタ本体(2)に入れるための入口開口部(10)及び流体を前記フィルタ本体(2)から出すための出口開口部(12)が設けられている、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項16】
請求項15に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記使い捨てフィルタカートリッジ(4)は、燃料を前記フィルタアッセンブリ(1)に移送するため又は燃料を前記フィルタアッセンブリ(1)から移送するための燃料ライン又は配管に連結するため、前記フィルタカバー(6)の前記入口開口部(10)と整合するように構成された入口ポート(24)、及び前記フィルタカバー(6)の前記出口開口部(12)と整合するように構成された出口ポート(25)を含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項17】
請求項16に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、更に、
前記フィルタカートリッジ(4)内への流体流路を形成するため、前記入口ポート(24)及び前記フィルタヘッド(6)の前記入口開口部(10)に受け入れられた入口配管(26)と、前記フィルタカートリッジ(4)の外への流体流路を形成するため、前記出口ポート(25)及び前記フィルタヘッド(6)の前記出口開口部(12)に受け入れられた出口配管(28)とを含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項18】
請求項17に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)は、前記フィルタアッセンブリ(1)を通る流体用の流路の一部を形成する中空内部(46、48)を含み、前記中央支持体(3)には、前記入口配管(26)と前記内部(46、48)との間を流体連通できるように前記中央支持体の上端に向かって設けられた半径方向第1開口部(27)と、前記内部(46、48)と前記フィルタ本体(2)の内容積(36)との間を流体連通できるように前記中央支持体の上端に向かって設けられた半径方向第2開口部(38)とが設けられている、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項19】
請求項15乃至18のうちのいずれか一項に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記中央支持体(3)は拡大ヘッド(18)を含み、前記中央支持体(3)の中央軸線から前記拡大ヘッド(18)の半径方向最外側部までの半径方向距離は、前記中央支持体(3)の前記中央軸線から前記フィルタカバー(6)の前記入口開口部(10)及び出口開口部(12)の半径方向最内縁部までの半径方向距離よりも小さい、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項20】
請求項1乃至19のうちのいずれか一項に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記フィルタ部材(30)は、流体を半径方向に流すように構成されたラジアルフィルタである、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項21】
フィルタアッセンブリ(1)において、
フィルタ本体(2)と、
前記フィルタ本体(2)用の中央支持体(3)と、
前記中央支持体(3)の各々の端部を受け入れるため、前記フィルタ本体(2)の上端及び下端(6、8)の各々に設けられた開口部(14、16)と、
前記フィルタアッセンブリ(1)を通る流体の流れから汚染物をフィルタ除去するための中空円筒体形態のフィルタ部材(30)を受け入れるように、前記フィルタ本体(2)内に収容される、使い捨てフィルタカートリッジ(4)とを含み、
前記フィルタ部材(30)は、流体を前記フィルタ部材(30)の第1側(34)から前記フィルタ部材(30)の第2側(40)まで半径方向に流すように構成されており、前記使い捨てフィルタカートリッジ(4)は、更に、前記使い捨てフィルタカートリッジ(4)の交換中に前記フィルタ部材(30)の前記第2側(40)を保護するため、前記フィルタ部材(30)の前記第2側(40)と隣接して前記フィルタ部材(30)を通って軸線方向に延びる不透過性壁(32)を含む、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項22】
請求項21に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記第1側(34)は、前記フィルタ部材(30)の前記中空円筒体の外面を形成し、前記第2側(40)は、前記フィルタ部材(30)の前記中空円筒体の内面を形成する、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項23】
請求項21又は22に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記不透過性壁(32)は、前記フィルタ本体(2)の前記上端及び下端(6、8)に設けられた前記開口部(14、16)と軸線方向に整合した中空円筒体によって形成されている、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項24】
請求項21、22、又は23に記載のフィルタアッセンブリ(1)において、
前記フィルタ本体(2)は使い捨てである、フィルタアッセンブリ(1)。
【請求項25】
請求項21乃至24のうちのいずれか一項に記載のフィルタアッセンブリ(1)おいて、
前記フィルタ本体(2)及び/又は前記フィルタカートリッジ(4)は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載のフィルタ本体(2)及び/又はフィルタカートリッジ(4)である、フィルタアッセンブリ(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−522631(P2012−522631A)
【公表日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502713(P2012−502713)
【出願日】平成22年4月6日(2010.4.6)
【国際出願番号】PCT/EP2010/054528
【国際公開番号】WO2010/115887
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(510119821)デルファイ・テクノロジーズ・ホールディング・エス.アー.エール.エル. (45)
【Fターム(参考)】